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● 新評議員
クモ膜下出血における早期脳損傷の役割
∼新しい治療ターゲット∼
長谷川 雄1,鈴木 秀謙2,植川 顕1,河野 隆幸3,倉津 純一3,光山 勝慶1
要 旨
クモ膜下出血(subarachnoid hemorrhage; SAH)を発症すると,生命の危険に陥るだけではなく,重篤な後遺症
を残すこともある.予後改善のために SAH 後亜急性期に生じる脳血管攣縮が以前より研究され,様々な治療
が試みられてきたが,形態的に攣縮が軽減しても予後改善が得られないことがわかってきた.近年 SAH 後 72
時間以内に生じる脳圧上昇を主体とした早期脳損傷(early brain injury; EBI)という概念が,新たな予後規定因
子として注目されている.今後 SAH 後 EBI の病態が解明され,それを軽減し得る治療薬が臨床で使用される
ようになれば,SAH 患者の予後改善に貢献するであろう.以前より我々は SAH 後 EBI の治療において,実験
的に様々なアプローチを行ってきた.本稿では SAH 後 EBI について,トランスレーショナルリサーチを目的
とした基礎実験の手法を中心に概略的に紹介する.
(脳循環代謝 25:123∼128,2014)
キーワード : クモ膜下出血,早期脳損傷,脳浮腫,動物モデル
血管攣縮前期(発症後 72 時間以内)の SAH 後の脳圧上
1.はじめに
昇に起因する脳浮腫や細胞障害性変化等を主な病態と
した「SAH 後早期脳損傷(early brain injury; EBI)」とい
クモ膜下出血(subarachnoid hemorrhage; SAH)は未だ
う概念が近年注目され,基礎研究分野で病態解明,治
生命予後,機能予後の悪い疾病である.SAH の全経過
療の検討が行われている7).臨床の場で SAH 後 EBI を
での死亡率は 50%を超え,発症後病院到着までにその
軽減させる治療薬はなく,その病態解明が治療薬に結
うちの 12.4%,第 2 病日までに 60%が死亡するとの報
びつけば,SAH 患者の予後改善に有益であると思われ
告もある
る.今回我々は,本稿において SAH 後 EBI の病態,
.生命的な危機を脱しても,その後の機能
1~3)
的回復は芳しくなく,SAH 生存者の半数程度に認知機
実験的評価法や治療の可能性について紹介する.
能障害や運動機能障害が残存するといわれている4, 5).
2.EBI の病態
これら死亡率や機能障害を軽減するために,長年 SAH
後亜急性期に生じる脳血管攣縮の管理に治療の重きが
置かれてきたが,形態的に攣縮を軽減するだけでは
SAH 後 EBI は,基礎研究の分野で病態解明が行わ
SAH の予後改善には不十分であることが示唆されるよ
れつつある(図 1).SAH の主原因である脳動脈瘤の破
うになった6).
裂が生じると,閉鎖された空間である頭蓋内クモ膜下
SAH 患者の予後を規定するその他の因子として,脳
腔に動脈性の出血が充満するとともに,瞬時に頭蓋内
圧が上昇する.また脳脊髄液の循環障害や視床下部障
熊本大学大学院生命科学研究部生体機能薬理学分野
2
三重大学医学部脳神経外科
3
熊本大学医学部脳神経外科
〒 860-8556 熊本県熊本市中央区本荘 1 丁目 1-1
TEL: 096-373-5082 FAX: 096-373-5082
E-mail: [email protected]
1
害による脳血管拡張等による相加的な頭蓋内圧上昇も
起こる8).この急激な脳圧亢進は脳灌流圧と脳血流量
を低下させ全脳虚血の状態を惹起し,アポトーシスや
炎症,酸化ストレス,皮質拡延性抑制等に関連する
様々な細胞内シグナルを活性化させる7, 9~11).またクモ
─ 123 ─
脳循環代謝 第 25 巻 第 2 号
図 1.クモ膜下出血後早期脳損傷の病態
BBB, blood-brain barrier; CBF, cerebral
blood flow; CPP, cerebral perfusion pressure;
EBI, early brain injury; ICP, intracranial
pressure; SAH, subarachnoid hemorrhage.
図 2.クモ膜下出血後早期脳損傷におけ
る偽手術群(sham; n=7)と SAH 群(n=7)と
の比較
A: ラ ッ ト ク モ 膜 下 出 血 の 代 表 的 な 写
真.B:神経所見.C:脳水分含量
膜下腔に充満した血塊やヘモグロビンの代謝産物から
されるほか,EBI における脳浮腫を軽減させることに
も細胞障害性変化が誘導され,最終的に神経細胞死や
より,慢性期の認知機能低下も抑制できるという報告
内皮細胞死が生じる.同時に微小循環障害や血圧上昇
もある13, 14).したがって EBI が SAH の全経過の合併
による血液脳関門(blood-brain barrier; BBB)の破綻も生
症や予後を決定しているかもしれない.
じ,これらが最終的に脳浮腫を生じさせる.実験的
3.動物モデル
SAH モデルにおいて,頭蓋内圧が 90 mmHg より上昇
すると,24 時間後の死亡率が 100%であるのに対し,
90 mmHg 以下であれば 64%は生存したとの報告があ
SAH の動物モデルとして知られているのは,大槽や
り ,この頭蓋内圧上昇が生命予後や機能予後を決定
視交叉前槽に血液を注入する injection モデル,そして
するのに重要である一方,頭蓋内圧が動脈圧近くまで
中 大 脳 動 脈 閉 塞 モ デ ル を 応 用 し た endovascular
上昇した症例では,治療介入で生命予後を改善させる
perforation
(EP)モデルである.EP モデルでは,外頸動
のは困難だと考えられる.
脈から挿入したナイロン糸またはタングステンワイ
興味深いことに,脳血管攣縮と EBI は共通の病態が
ヤーを内頸動脈遠位側まで誘導し,内頸動脈先端部を
介在しているため,脳圧上昇による細胞障害性変化が
血管内より穿刺することで,クモ膜下腔への動脈性出
継続し,脳血管攣縮発生に寄与している可能性が指摘
血を誘発し頭蓋内圧を上昇せしめる(図 2A).上述の
12)
─ 124 ─
クモ膜下出血における早期脳損傷の役割∼新しい治療ターゲット∼
ごとく,頭蓋内圧が過上昇した場合は死亡するが,そ
るように,SAH が軽度であれば EBI はほとんど生じ
れが回避されても種々の細胞障害性変化が惹起され脳
ていないのと同じで,実験的 SAH でも出血量が少な
浮腫に至る.EP モデルでは実臨床に近い死亡率や急
ければ神経所見は正常で脳浮腫も有意に増悪しない.
性期の代謝性反応が認められ,一般的に頭蓋内圧がそ
そのため SAH grading scale21)に従って解剖の際に SAH
れほど上昇しない injection モデルに比べ,EBI の病態
量で群分けし,軽症例を除外して研究を進めることが
を再現できると考えられている15).さらに実臨床に近
多 い. し か し, ヒ ト の SAH で は 搬 入 時 の 画 像 に て
い脳血管攣縮モデルとして研究に利用されることもあ
SAH 量が評価できるのに対し,実験動物での SAH 量
る16).しかし,EP モデルの欠点は,SAH 量をコント
は,解剖時に脳を摘出した際にしかそれを確認できな
ロールできないため,SAH による脳損傷が一定しない
いため,治療薬を検討する場合,SAH 量に対するその
ことである.そのため,SAH 量をコントロールでき,
薬の交絡因子を考慮に入れる必要がある.さらには選
ある程度の死亡率が認められる視交叉前槽注入モデル
択基準に入った動物を endpoint で設定した除外基準で
を選択する施設もある .一方で,少量の SAH でも
除外することは,一般的にバイアスがかかった研究と
17)
脳血管攣縮が生じるため,死亡率が 0%に近い脳槽へ
みなされるため,上記を考慮した SAH 重症度判定法
の injection モデルは脳血管攣縮の研究に主として用い
の発展や除外基準の検討が必要と思われる.
られる15, 17).
6.脳浮腫
4.神経学的評価
EBI の急性期予後を決定する主病態は脳浮腫であ
脳卒中の実験において,薬物等の脳保護効果を検討
り,実験的 SAH の予後を検討する際は,上記の神経
する場合,神経所見の評価は必須である.麻痺の出現
学的評価に加え,脳浮腫の程度を計測する必要があ
が明らかな他の脳卒中モデルとは違って,SAH による
る.脳浮腫は細胞障害性浮腫と血管原性浮腫とに分類
症状は巣症状よりも意識障害が主であるため,動物モ
され,通常細胞障害性浮腫は神経細胞やグリア細胞な
デルではわかりにくいことがある.そのため様々な評
どの持続する細胞内水分含量を表すが,血管原性浮腫
価法を用いて,SAH モデルの神経所見が計測されてい
は BBB の破綻に伴って高分子のタンパクが血管外に
る .通常他の脳卒中モデルでも使用している,感覚
漏出することで形成される.厳密にその両者を分けて
18)
運動障害や平衡運動障害を評価する 18-point composite
評価することは困難であるが,SAH の実験において,
test(Garcia 法),beam balance test を意識障害に即した
一般的に簡便な脳浮腫の評価法として脳水分含量の計
計測法に修正し用いている場合が多い.ただし動物モ
測が広く行われている.偽手術群と比較し SAH 後 24
デルや種,術者の手技により SAH による脳損傷の程
時間の脳水分含量は,マウス,ラットとも安定して
度には幅があり,同じ測定法で計測しても,必ずしも
0.5∼2 % 程 度 の 上 昇 が 認 め ら れ る(図 2C)10, 19, 22, 23).
一定した所見が出るとは限らない.我々は 18-point
BBB の 破 綻 の 程 度 を 知 る 際 に は Evans blue
composite test と beam balance test を合算した点数で神
extravasation(EB)を計測することが多く,これは血管
経所見を計測しているが
原性浮腫の指標としても用いることができる.偽手術
,その方法を用いる
10, 19, 20)
と,偽手術群と比べ SAH 群では 24 時間後の神経所見
群と比し SAH 後 EB は数倍の上昇を認める20, 22, 24).
が有意に悪化しているのが分かる(図 2B).
脳卒中の薬物治療効果を検討する際は 2 用量,2 時
なお実臨床では SAH 後の認知機能低下,抑うつ症
点での予後評価が好ましい.中大脳動脈閉塞モデルで
状,運動機能障害が問題となるため,長期記憶(水迷
は急性期の梗塞巣と慢性期の脳萎縮の程度を評価する
路試験や受動回避学習試験),作業記憶(Y または T 迷
こともあるが,EBI を検討する場合,上記脳水分含量
路試験),抑うつ(テールサスペンション試験や強制水
や EB を SAH を作成してから 1 日後と 3 日後などの
泳試験),行動試験(ロタロッド)等を SAH 後慢性期に
急性期に測定するのが一般的である19, 23).
評価するのも有用である14).
7.治 療
5.SAH 重症度
図 1 に示すような EBI の病態を鑑み,脳圧上昇後の
Injection モデルと違い,EP モデルでは SAH 量がコ
様々な反応を保護的に修飾する目的で,EBI を軽減す
ントロールできないため,同様の手術手技を行っても
るための治療が実験的に試みられている.脳血管攣縮
脳損傷の程度や死亡率は一定しない.実臨床で経験す
期では主に動脈の収縮軽減が治療のターゲットになる
─ 125 ─
脳循環代謝 第 25 巻 第 2 号
が,EBI の治療を考慮する場合には,神経細胞やグリ
from rupture of intracranial aneurysms: a meta-analysis.
ア細胞,また BBB を構成している血管内皮細胞,基
Neurosurgery 51: 1101–1105; discussion 1105–1107,
2002
底膜,タイト結合などいわゆる neurovascular unit が治
4) Wong GK, Wong R, Mok VC, Fan DS, Leung G, Wong A,
療のターゲットになる.
Chan AS, Zhu CX, Poon WS: Clinical study on cognitive
SAH 後認知機能低下や運動機能低下を軽減するため
dysfunction after spontaneous subarachnoid haemorrhage:
に,神経細胞を保護することは非常に重要である.動
patient profiles and relationship to cholinergic dysfunction.
物モデルにおいて,頭蓋内圧上昇に伴う全脳虚血やそ
Acta Neurochir (Wien) 151: 1601–1607, 2009
の他の反応により,大脳皮質,線条体,海馬の神経細
5) Rinkel GJ, Algra A: Long-term outcomes of patients with
胞にアポトーシスが起こると考えられている9, 19, 25).
aneurysmal subarachnoid haemorrhage. Lancet Neurol 10:
また,ヒトの病理脳組織標本で SAH 後の神経細胞に
349–356, 2011
アポトーシスが生じることも確認されているため ,
6) Macdonald RL, Higashida RT, Keller E, Mayer SA,
アポトーシスは EBI においても重要な病態であると思
Molyneux A, Raabe A, Vajkoczy P, Wanke I, Bach D,
われる.実際抗アポトーシス作用をもつ薬剤を SAH
Frey A, Marr A, Roux S, Kassell N: Clazosentan, an endo-
後急性期に投与することで,脳浮腫や神経所見の悪化
thelin receptor antagonist, in patients with aneurysmal
26)
subarachnoid haemorrhage undergoing surgical clipping: a
が軽減される10, 19, 27).
randomised, double-blind, placebo-controlled phase 3 trial
アポトーシス以外にも,SAH によって誘導される炎
(CONSCIOUS-2). Lancet Neurol 10: 618–625, 2011
症性サイトカインや酸化ストレスが,mitogen-activated
7) Cahill J, Zhang JH: Subarachnoid hemorrhage: is it time
protein kinase(MAPK)の リ ン 酸 化 を 介 し matrix
for a new direction? Stroke 40: S86–87, 2009
metalloproteinase-9(MMP-9)を活性化することにより,
8) Hayashi M, Marukawa S, Fujii H, Kitano T, Kobayashi H,
基底膜やタイト結合の構成蛋白を分解することで,
Yamamoto S: Intracranial hypertension in patients with
BBB の破綻や脳浮腫が増悪する.そのため,抗炎症作
ruptured intracranial aneurysm. J Neurosurg 46: 584–590,
用や抗酸化ストレス作用を持つ治療を行い,SAH 後の
脳浮腫が軽減したとの報告も多く存在する
1977
.
9) Hasegawa Y, Suzuki H, Sozen T, Altay O, Zhang JH:
20, 22, 23, 28, 29)
Apoptotic mechanisms for neuronal cells in early brain
injury after subarachnoid hemorrhage. Acta Neurochir
8.おわりに
Suppl 110(Pt 1): 43–48, 2011
脳卒中の薬物治療において therapeutic time window
10) Uekawa K, Hasegawa Y, Ma M, Nakagawa T, Katayama T,
Sueta D, Toyama K, Kataoka K, Koibuchi N, Kawano T,
がしばしば問題となるように,SAH においても発症後
Kuratsu JI, Kim-Mitsuyama S: Rosuvastatin ameliorates
少しでも早く治療薬を投与することが好ましい.しか
early brain injury after subarachnoid hemorrhage via sup-
し,現在 SAH と診断された後,臨床的に超急性期に
pression of superoxide formation and nuclear factor-kappa
使用できる脳保護を目的とした治療薬はない.画像に
B activation in rats. J Stroke Cerebrovasc Dis pii: S1052-
て SAH が確定してから再破裂予防の動脈瘤手術まで
3057(13)00508-9, 2014
の待機中に EBI を軽減できる薬物が使用できれば,
11) Koide M, Sukhotinsky I, Ayata C, Wellman GC: Sub-
SAH 患 者 に 恩 恵 が あ る こ と は 間 違 い な い.SAH 後
arachnoid hemorrhage, spreading depolarizations and
impaired neurovascular coupling. Stroke Res Treat
EBI の研究が広まり,様々な治療が動物実験で検討さ
れるようになり30),さらに研究が進み臨床にも応用さ
れることで,SAH 患者の予後が少しでも改善すること
819340, 2013
12) Bederson JB, Levy AL, Ding WH, Kahn R, DiPerna CA,
Jenkins AL, Vallabhajosyula P: Acute vasoconstriction
を期待したい.
after subarachnoid hemorrhage. Neurosurgery 42: 352–
360; discussion 360–362, 1998
13) Caner B, Hou J, Altay O, Fuj M, Zhang JH: Transition of
文 献
research focus from vasospasm to early brain injury after
1) van Gijn J, Rinkel GJ: Subarachnoid haemorrhage: diag-
subarachnoid hemorrhage. J Neurochem 123 Suppl 2:
nosis, causes and management. Brain 124: 249–278, 2001
2) Broderick JP, Brott TG, Duldner JE, Tomsick T, Leach A:
Initial and recurrent bleeding are the major causes of death
12–21, 2012
14) Sherchan P, Lekic T, Suzuki H, Hasegawa Y, Rolland W,
following subarachnoid hemorrhage. Stroke 25: 1342–
1347, 1994
3) Huang J, van Gelder JM: The probability of sudden death
─ 126 ─
Duris K, Zhan Y, Tang J, Zhang JH: Minocycline
improves functional outcomes, memory deficits, and histopathology after endovascular perforation-induced sub-
クモ膜下出血における早期脳損傷の役割∼新しい治療ターゲット∼
arachnoid hemorrhage in rats. J Neurotrauma 28: 2503–
brain injury after subarachnoid hemorrhage in mice.
2512, 2011
Stroke 40: 2519–2525, 2009
15) Lee JY, Sagher O, Keep R, Hua Y, Xi G: Comparison of
23) Suzuki H, Ayer R, Sugawara T, Chen W, Sozen T,
experimental rat models of early brain injury after sub-
Hasegawa Y, Kanamaru K, Zhang JH: Protective effects
arachnoid hemorrhage. Neurosurgery 65: 331–343; discus-
of recombinant osteopontin on early brain injury after sub-
sion 343, 2009
arachnoid hemorrhage in rats. Crit Care Med 38: 612–618,
16) Suzuki H, Hasegawa Y, Chen W, Kanamaru K, Zhang JH:
Recombinant osteopontin in cerebral vasospasm after sub-
2010
24) Suzuki H, Hasegawa Y, Kanamaru K, Zhang JH: Mecha-
arachnoid hemorrhage. Ann Neurol 68: 650–660, 2010
nisms of osteopontin-induced stabilization of blood-brain
17) Prunell GF, Mathiesen T, Diemer NH, Svendgaard NA:
barrier disruption after subarachnoid hemorrhage in rats.
Experimental subarachnoid hemorrhage: subarachnoid
Stroke 41: 1783–1790, 2010
blood volume, mortality rate, neuronal death, cerebral
25) Endo H, Nito C, Kamada H, Yu F, Chan PH: Akt/GSK-
blood flow, and perfusion pressure in three different rat
3beta survival signaling is involved in acute brain injury
models. Neurosurgery 52: 165–175; discussion 175–176,
after subarachnoid hemorrhage in rats. Stroke 37: 2140–
2003
2146, 2006
18) Jeon H, Ai J, Sabri M, Tariq A, Shang X, Chen G,
26) Nau R, Haase S, Bunkowski S, Brück W: Neuronal apop-
Macdonald RL: Neurological and neurobehavioral assess-
tosis in the dentate gyrus in humans with subarachnoid
ment of experimental subarachnoid hemorrhage. BMC
hemorrhage and cerebral hypoxia. Brain Pathol 12: 329–
Neurosci 10: 103, 2009
336, 2002
19) Hasegawa Y, Suzuki H, Altay O, Zhang JH: Preservation
27) Altay O, Hasegawa Y, Sherchan P, Suzuki H, Khatibi NH,
of tropomyosin-related kinase B (TrkB) signaling by
Tang J, Zhang JH: Isoflurane delays the development of
sodium orthovanadate attenuates early brain injury after
early brain injury after subarachnoid hemorrhage through
subarachnoid hemorrhage in rats. Stroke 42: 477–483,
sphingosine-related pathway activation in mice. Crit Care
2011
Med 40: 1908–1913, 2012
20) Hasegawa Y, Suzuki H, Altay O, Chen H, Zhang JH:
28) Ayer RE, Sugawara T, Chen W, Tong W, Zhang JH: Mel-
Treatment with sodium orthovanadate reduces blood-brain
atonin decreases mortality following severe subarachnoid
barrier disruption via phosphatase and tensin homolog
hemorrhage. J Pineal Res 44: 197–204, 2008
deleted on chromosome 10 (PTEN) phosphorylation in
29) Zhan Y, Chen C, Suzuki H, Hu Q, Zhi X, Zhang JH:
experimental subarachnoid hemorrhage. J Neurosci Res
Hydrogen gas ameliorates oxidative stress in early brain
90: 691–697, 2012
injury after subarachnoid hemorrhage in rats. Crit Care
21) Sugawara T, Ayer R, Jadhav V, Zhang JH: A new grading
Med 40: 1291–1296, 2012
system evaluating bleeding scale in filament perforation
30) Fujii M, Yan J, Rolland WB, Soejima Y, Caner B,
subarachnoid hemorrhage rat model. J Neurosci Methods
Zhang JH: Early brain injury, an evolving frontier in sub-
167: 327–334, 2008
arachnoid hemorrhage research. Transl Stroke Res 4: 432–
22) Sozen T, Tsuchiyama R, Hasegawa Y, Suzuki H, Jadhav V,
Nishizawa S, Zhang JH: Role of interleukin-1beta in early
─ 127 ─
446, 2013
脳循環代謝 第 25 巻 第 2 号
Abstract
The role of early brain injury in subarachnoid hemorrhage
Yu Hasegawa1, Hidenori Suzuki2, Ken Uekawa1, Takayuki Kawano3,
Jun-ichi Kuratsu3, and Shokei Kim-Mitsuyama1
1Department of Pharmacology and Molecular Therapeutics, Kumamoto University Graduate School of
Medical Sciences, Kumamoto, Japan
2Department of Neurosurgery, Mie University Graduate School of Medicine, Mie, Japan
3Department of Neurosurgery, Kumamoto University School of Medicine, Kumamoto, Japan
Subarachnoid hemorrhage (SAH) is a cerebrovascular disease with high mortality and morbidity. It
has been suggested that the major causes of death and disability in SAH are cerebral vasospasm and
early brain injury (EBI). Although cerebral vasospasm was widely studied using a lot of drugs, the
outcome was hardly improved even if the drugs were effective for reduction of arterial diameter.
Therefore, now EBI is a good candidate target for future research in SAH. It would be very beneficial
for SAH patients if the pathophysiology of EBI is clarified and new therapies can be used in a clinical
setting. In this review, we introduce some pivotal concepts for studying EBI in SAH for translational
research.
Key words:subarachnoid hemorrhage, early brain injury, brain edema, animal model
─ 128 ─