「ZukenInnovation World 2014」 講演資料 電子部品/半導体の環境変化とEOLの増加 その課題と対策(予防策と対処策) 2014年10月16日 ジェイチップコンサルティング株式会社 代表取締役社長 坂本 太郎 いくつかの事実 ①一世代前の部品は約70%がEOL/カタログ落ちです。 ②EOL/カタログ落ち部品は3年前の約6倍に増加しています。 ③各社の調達部品リストには平均20%のEOL/カタログ落ちが存在しています。 ④レガシー部品の日系シェアは著しく低下しています。 ⑤LastBuy通知の約2年前にカタログ落ちとなります。 ⑥EOLによるLastBuyは最終的に廃棄となり大きなロスコストになります。 ⑦部品メーカは売れていない部品をEOLにします。 2 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 部品トレンドとEOL/カタログ落ちの状況 ①一世代前の部品は約70%がEOL/カタログ落ちです。 <トレンド基準> ~JCCⅡ/バイポーラトランジスタ例~ 現行 最新 世代遅れ ■トレンドA/B/C別カタログ落ち調査結果 1800 トレンド別ステータス カタログ落ち 掲載中 1000 トレンド別件数積上げ C B A 900 1600 100% 70% 60% 50% 700 1200 600 1000 ○部分を メーカ別 に分解 800 600 500 件数⇒比 率に変換 400 300 100 東芝セミ 三洋半導体 パナソニック RO HM 東芝セミ 三洋半導体 世代遅れ C パ ナ ソ ニ ック 現行 B RO HM 最新 A ルネサス 0 ルネサス 0 200 40% 30% 20% 10% 0% 200 400 A B C 90% 80% 800 1400 トレンド内比率状況 日系メーカでは代替品が 探せなくなってきている 世代遅れの部品だけでなく、現行品 /最新部品でもEOLが発生している 3 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 EOL/カタログ落ち部品の増加 ②EOL/カタログ落ち部品は3年前の約6倍に増加しています。 2010年は9ヶ月間に約1,200点の部品がEOLやカタログ落ちになりましたが 2013年は9ヶ月間で約7,000点(約6倍に増加)です。 更に日系で代替品を探すことが難しくなり、EOL対策業務の必要性と工数は激増しております。 弊社調査による(対象件数:34万点、2010年~2013年) ■JCCⅡにおけるEOL・カタログ落ち件数推移 4 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 (ご参考) EOL・カタログ落ち部品の状況(推移) ③各社の調達部品リストには平均20%のEOL/カタログ落ちが存在しています。 ■お客様からお預かりしたデータ(約20万点)を毎月20,000点以上調査しています。 ■EOL+カタログ落ち部品の割合は平均20%程度存在します。 ※1年目(イニシャル時)は30%以上、2年目以降(メンテナンス時)でも10%程度のEOL+カタログ落ち部品が存在しています。 ⇒EOLがセットメーカの経営に与える影響を示しています。 5 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 電子部品業界の変化 ④レガシー部品の日系シェアは著しく低下しています。 ■部品種別のライフサイクルの比較 レガシー部品群は日系メーカの供給が減り(EOL増加)、アジア系メーカが拡大しています。 アジア系へ移行 <レガシー部品群> ・トランジスタ(バイポーラ) ・モノクロLCD ・水晶(HC-49) ・ダイオード(リード品) ・LED(リード品) 等 <高額部品群> ・トランジスタ(MOSFET) ・TFT液晶 ・タッチパネル ・レギュレータ ・トランジスタ(MOS) ・メモリー 等 変換点 日系メーカ EOL増加 アジア系メーカ ※日系メーカー・ア ジア系メーカー含め たグローバル開拓が 必要 日系メーカ アジア系メーカ 6 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 (ご参考)電子部品業界の変化(部品メーカ①受動部品) ①受動部品の国籍別生産金額シェア推移 電解コンデンサ/MLCC:高い製造管理・素材基礎研究が必要⇒日系が依然として強い状況です。 水晶(HC-49):工程が複雑で利益でない⇒アジア系に限定されてきています。 7 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 (ご参考)電子部品業界の変化(部品メーカ②汎用半導体) ②汎用半導体の国籍別生産金額シェア推移 ダイオード(リード品):工程が複雑のため利益が出ない⇒日系・欧米系は廃止のため、アジア系が引き継いでいます。 8 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 (ご参考)電子部品業界の変化(部品メーカ③高額部品・キーパーツ) ③高額部品・キーパーツの国籍別生産金額シェア推移(表示機器関連) タッチパネル:LCD製造設備/技術をそのまま流用可能⇒台湾・中国メーカーが業界をリードしています。 9 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 部品ライフサイクルとEOL ⑤LastBuy通知の約2年前にカタログ落ちとなります。 EOLを早期に調査/予測(カタログ落ち調査)することで充分な対策時間が確保 でき、開発上流でのEOL部品採用を抑制し、大幅なロスコストの削減が見込めます。 約2年 10 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 EOLによるロスコスト ⑥EOLによるLastBuyは最終的に廃棄となり大きなロスコストになります。 EOL起因によるLastBuy→廃棄によって30億円ものロスコストが発生しています。(大企業例) 11 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 部品メーカからみたEOLについて ⑦部品メーカは売れていない部品をEOLにします。 ~なぜEOLは発生するのか?~ ・損益悪化 ・設備縮小 ・事業統廃合 等 ●できるだけ売れ筋部品を使う(売れ筋部品に集約する) 部品メーカ の都合 ●1社での集約<業界での集約の方が効果が高い 部品メーカ 売れ筋 販売を止めたい (製品ラインナップ) A:1,000,000個 B:500,000個 C:200,000個 ・ ・ ・ X:10,000個⇒EOL候補 Y:5,000個 ⇒EOL候補 Z:1,000個 ⇒EOL予定 ○ × セットメーカ セットメーカ 部品メーカ 協業 部品メーカ 12 セットメーカ セットメーカ セットメーカ セットメーカ > ≦ セットメーカ セットメーカ All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 お客様の取り得る対策(予防策) 13 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 お客様の取り得る対策 (予防策) (対処策) 推奨部品をトレンド/他社動向等 に合わせて見直す 部品メーカからの通知より早く EOL情報を知る 課題 推奨部品の鮮度/精度維持に大きな工数がかかる 標準化活動を推進する組織がない・・・・・ 推奨部品選定サービス EOL・カタログ落ち調査サービス 業務代行サービス 代替品調査サービス コンサルティング 14 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 標準化部門(部品行政部門)の業務 部品情報全体について責任を持ち、QCDを担保すること 調達/資材 技術管理 生産技術 品質保証 サービス 情報システム 部品行政部門 市場トレンド ( 変化) の把握 設計 事業部からの要求 項目の整 理 社内事情 PM登録(発番) 部品調査(EOL,代替) 推奨部品選定・メンテ 部品情報(推禁ランク)管理 推奨部品活用推進 (部品系)委員会活動 外部情報 EOL・カタログ落ち 新部品情報 海外部品(ローコスト) トレンド・市場調査 納入仕様書管理 部品DB運用管理 多岐にわたる関係部門との連携 部品認定 部品標準化業務 データクレンジング 業界共通の作業であり標準化 部品関連規定管理 により効率化できる業務 メンテナンス業務のみ一括で実施 15 ⇒専門性の高い外部へ アウトソーシング All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 部品管理業務の実態 推奨部品の鮮度を維持し、拡大していくことでEOL対策を向上できるが、 現状メンテナンス不足により、悪循環になっている。 リソースが削られる メンテナンスされない 効果がでない 使われない <部品リスト/BOMの内訳> 非推奨 推奨部品 禁止 推奨部品選定支援 EOL・カタログ落ち 機種限定 EOL・カタログ落ち調査 全ての部品に対し、 EOL・カタログ落ち調査 による対処策。 推奨部品の鮮度を高め、拡大して いくことで、EOL対策における 予防策を講じることができる。 一般 16 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 (ご参考)推奨部品選定支援サービス (アウトプットイメージ) <分析(例)> T社が「推奨」の部品を、他社は「非推奨」と している部品が見られる為、メンテナンスが必要 <分析(例)> <分析(例)> 他社は使っていない部品、またトレンドC、J-Chip 自社は使用していないが、他社は「推奨」にして 評価△の部品、現行部品への見直しが必要 いる。J-Chip評価○の部品で検討価値あり。 103点中37点(約36%)が他社と共通部品 17 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 お客様の取り得る対策(対処策) 18 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 お客様の取り得る対策 (予防策) (対処策) 推奨部品をトレンド/他社動向等 に合わせて見直す 部品メーカからの通知より早く EOL情報を知る 課題 推奨部品の鮮度/精度維持に大きな工数がかかる 標準化活動を推進する組織がない・・・・・ 推奨部品選定サービス EOL・カタログ落ち調査サービス 業務代行サービス 代替品調査サービス コンサルティング 19 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 EOL調査サービス 概要 お客様の調達データをお預かりし、部品知識豊富なソーシングエンジニアが 定期的/継続的にメーカのカタログと照合することにより、近い将来EOLになる部品を 早期発見し、お客様のEOL対策業務時間の確保と短縮、 及びロスコストの削減に貢献いたします。 (EOL/カタログ落ち調査の方法) ①お客様の調達リスト 部品メーカHP 製品カタログ 4月 10月 ソーシングエンジニア お客様 シルバーエンジニア キャリアマザー カタログ落ち EOL 比較 EOL 新製品 ③お客様がお使いの部品に関する EOL予測 EOL予測 20 ②All定期的/ /継続的 定期的 Rights Reserved, Copyright調査 J-Chip Consulting Corporation 2014 EOL調査サービス 特徴 この業務は標準化/定常化が容易であり、 BPOに適した業務領域にあります。 お客様のノンコア業務は弊社のコア業務で、 膨大かつ煩雑な業務を専門性を持った スタッフが確実にこなしていきます。 大手メーカ30社へのサービス実績があります。 この中で半導体や電子部品では50%を越す 部品の共通性が見られます。 定期的/継続的に協業のメリットが最大限 活かせる業務です。 専門性 協業 直接効果 間接効果 平均20%を超すEOL/カタログ落ち部品を 早期に発掘します。十分な対策時間の中で ロスコスト削減活動のきっかけとなります。 この業務を生産維持のための必須業務と 位置づけた場合、自社での実施の場合と 比較すると30~50%の費用で実施できます。 21 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 品質の担保とコストの最適化の実現 (現在) (従来) お客様毎の作業担当 セットメーカ様 一次作業者に設計経験者 一次作業 チェック作業 シルバー人材を積極採用 部品管理熟練者による業務チェック A社 B社 ノウハウの蓄積 部品メーカ毎の特徴を全て把握するのが大変 お客様の増加に比例して作業者の増員が必要 品質管理の徹底 チェック作業 一次作業ミスの極小化 抵抗メーカK 抵抗メーカR 半導体メーカX C社 半導体メーカY メーカ別に振り分け A社 B社 部品メーカ別担当制 K シルバー人材 R X K R Y D社 B社 X Y Z 半導体メーカZ A社 C社 各社納品 D社 部品管理熟練者 Z ノウハウ集の更新 ノウハウ集 22 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 代替品調査サービス 概要 お客様から部品リストをお預かりし、部品知識豊富なソーシングエンジニアが 代替品DBを活用しながら、①EOL対策、②BCP対策、③CD対策、④標準化の 用途に合った精度で代替候補品を提案いたします。 生産性、作業単価、専門性、客観性においてBPOの優位性があります。 ①部品リスト 代替品DB(約2万点) ※26社の代替品調査実績 ソーシングエンジニア お客様 シルバーエンジニア ③代替品提案 ②代替品調査 23 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 代替品調査サービス 特徴 この業務は標準化/定常化が容易であり、 BPOに適した業務領域にあります。 お客様のノンコア業務は弊社のコア業務で、 膨大かつ煩雑な業務を専門性を持った スタッフが確実にこなしていきます。 大手メーカ26社(2万点)へのサービス実績が あります。この中で半導体や電子部品では 30%程度の部品の共通性が見られます。 定期的/継続的に協業のメリットが最大限 活かせる業務です。 専門性 協業 直接効果 間接効果 平均20%を超すEOL/カタログ落ち部品の 代替候補品を早期に提案します。 十分な対策時間の中でロスコスト削減活動 につながります。 この業務を生産維持のための必須業務と 位置づけた場合、自社での実施の場合と 比較すると30~50%の費用で実施できます。 24 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 代替品調査サービス Outputイメージと専門性 (1)EOL/カタログ落ち部品 (2)調達リスト J-Chip調査(2候補の代替品を調査)イメージ 仕様互換性 仕様の差異を明記 A:仕様90~80%類似 B:仕様80~70%類似 C:仕様70~60%類似 J-Chipの基準で類似品を探索し お客様部品との差異を記載 カタログファイル添付 メーカ優先順位 Spec優先順位 Spec優先順位 25 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 (ご参考) 代替品調査のスペック項目と優先順位 26 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014 代替品調査サービス 調査例 3つのご要件 グループ分類 緊急性 コスト 仕様互換性 生産地域 ①EOL代替部品調査 ○ △ ○ △ ②BCP代替部品調査 △ △ △ ○ ③CD代替部品調査 △ ◎ △ △ ルネサスのEOL ルネサスのEOL代替品調査(例) EOL代替品調査(例) 27 27 All Rights Reserved, Copyright J-Chip Consulting Corporation 2014
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