法人・消費者向けサービス業界の グローバル格付手法

CORPORATES
FEBRUARY 13, 2015
RATING
METHODOLOGY
法人・消費者向けサービス業界の
グローバル格付手法
Business and Consumer Service Industry
概要
目次:
概要
1
格付対象について
3
格付手法について
5
主要格付要因
7
格付マッピング表の前提と限界、およ
びその他の格付上の考慮事項につい
ての議論
13
他の格付上の考慮事項
14
結論: マッピング表に基づく格付結果
15
のまとめ
付録 A: 法人・消費者向けサービス業
16
界の格付マッピング表
付録 B: 法人・消費者向けサービス業
18
のマッピング結果
付録 C :発行体一覧
21
ムーディーズの関連リサーチ
24
コンタクト:
東京
03.5408.4100
本格付手法は、ムーディーズが世界の法人・消費者向けサービス業界の信用リ
スクを評価する際のアプローチを説明するものである。本稿は、発行体、投資家、
およびその他の市場参加者に、法人・消費者向けサービス業界の発行体の評
価に関する全般的なガイダンスを提供し、主要な定量・定性リスク要因がどのよう
に個々の格付結果に影響を与えるかを理解していただく一助となることを目的と
している。本稿はムーディーズの格付に反映される全ての要因を網羅している
わけではないが、このセクターの格付において、通常、最も重要と考えられる定
性的な考慮事項、財務情報・指標の理解に役立つと考える。
本格付手法は、ムーディーズの格付手法 Global Business and Consumer Service
Industry Methodology (Moody’s Investors Service, October 2010)を代替するもの
である。本稿は旧格付手法と同一の中核となる原則の多くを反映しているものの、
セクターの企業にとって通常最も重要な格付上の考慮事項をより透明な形で示
し、業界の主要な信用ファンダメンタルズをより反映すべく、ムーディーズの分析
を精緻化したものである。本格付手法の発行に伴う格付変更はない。
本稿には、詳細な格付マッピング表と格付要因がどのように表にマッピングされ
るかを示す例を掲載している。格付マッピング表は、サービス業界の信用力の推
定に多くの場合用いる参照ツールを提供する。格付マッピング表は、サービス業
に格付を付与するにあたり、通常、最も重要とされる要因を示しているが、格付
上の全ての考慮事項を含んでいるわけではない。マッピング表の各要因のウエ
イトは格付の決定における重要性の推定を示しているものであり、実際の重要性
は大きく異なることがある。また、本稿に掲載した格付表へのマッピングは過去
の実績に基づいたものだが、実際の格付は将来の予測を織り込んでいる。従っ
て、マッピング表により推定された格付が、実際の格付と一致しない例は多々あ
る。
This rating methodology is based on Moody’s Investors Service’s rating methodology titled “Business and Consumer
Service Industry, (December 8, 2014).” The rating approach described in the Moody’s Investors Service report was
adopted on February 13, 2015.
ムーディーズ・ジャパン株式会社
CORPORATES
マッピング表では、法人・消費者向けサービス業界の格付において重要な以下の 5 つの要因
を重視している。
1. 規模
2. 事業プロファイル
3. 収益性
4. レバレッジとカバレッジ
5. 財務方針
主要要因は複数のサブ要因で構成される。特定の主要要因またはサブ要因についての発行
体のスコアが最終格付と一致しないことがしばしばあるため、この点が理解しやすいように、付
録 B に「アウトライヤー」(格付マッピング表上の特定のサブ要因のスコアが実際の格付と大き
く異なる事例)について解説した。
本格付手法は、サービス業に対する格付において、考慮すべき全ての要因を網羅したもので
はない。格付分析では、全ての業種に共通する要因(株主構成、経営陣、流動性、企業の組
織構成、コーポレート・ガバナンス、カントリーリスク等)や、特定の企業において重要となりうる
要因も考慮している。ムーディーズの格付には、これ以外の格付マッピング表に明確に示すこ
とができない定性的な考慮事項や要因が織り込まれる。本格付手法で用いるマッピング表は、
それにより推定される格付が実際の格付により近いものとなるような複雑性の高いものとはして
おらず、多くの場合、このセクターの格付において最も重要な要因を簡潔かつ透明な形で示
すものとした。
本稿の主な内容は次の通りである。
»
格付対象企業の概要
»
格付手法の概要
»
信用力を左右する要因の説明
»
格付マッピング表に含まれない格付上の考慮事項を含む、格付手法の前提、限界につ
いてのコメント
付録には、格付マッピング表(付録A)とサンプルとなる発行体 40 社にマッピング表を適用し
た例、各要因について、マッピング表から推定される格付と実際の格付の間に比較的大きな
差があるケースについての説明(付録B)を掲載した 1。
本格付手法では、信用格付に用いられる分析のフレームワークを紹介する。場合によ
っては、業種に固有ではない分析上の考慮事項(短期債務格付、様々な債務クラスや
ハイブリッド証券の相対的な格付、ソブリン債の格付が他の発行体に及ぼす影響、他
の事業体からの信用サポートの評価など)に対するレポートを参照している。こうし
た全てのセクターに適用する格付上の考慮事項については、ムーディーズ・ジャパン
のウェブサイト上のクロス・セクター格付手法を参照されたい。
本件は信用格付付与の公表で
はありません。文中にて言及され
ている信用格付については、
ムーディーズのウェブサイト
(www.moodys.com)の発行体の
ページの Ratings タブで、最新の
格付付与に関する情報および
格付推移をご参照ください。
2
FEBRUARY 13, 2015
1
通常、格付マッピング表との比較に用いられる格付は、投機的等級発行体ではコーポレート・ファミリー・レーティング
(CFR)、投資適格等級ではシニア無担保格付である。個々の債務証券に対する格付には、支払優先順位および担保に
応じたノッチングも織り込まれる。この点をさらに説明した関連レポートとして、Loss Given Default for Speculative Grade
Non-Financial Companies in the U.S., Canada and EMEA (Moody's Investors Service, June 2009) および Updated Summary
Guidance for Notching Bonds, Preferred Stocks and Hybrid Securities of Corporate Issuers (Moody's Investors Service,
February 2007) (ムーディーズ・ジャパン版「企業が発行する債券、優先株、ハイブリッド証券に対する最新のノッチング・
ガイドライン概要」2010 年 9 月)を参照されたい。
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
格付対象について
本格付手法は、法人・消費者向けサービスの提供が売上高の大半を占める企業に適用
される。サービス業は非常に多様であり、主に提供するものがサービスの性質を有す
ることで分類されている。本格付手法は、通信、航空会社、小売といったムーディー
ズの分析のフレームワークが別途設定されている専門的なサービス業を対象としない。
ムーディーズは世界のサービス業の約 350 社に格付を付与し、これらの発行体の格付
対象債務合計残高は約 3,500 億ドルである。
世界の格付対象には幅広いサービスとビジネスモデルが含まれる。本格付手法の対象
となる法人向けサービスには、(i)業務アウトソーシング、(ii)IT アウトソーシング、
(iii)医療アウトソーシング、(iv)人材サービス、(v)コンサルティングサービス等、
消費者向けサービスには(i)葬儀社、(ii)健康・体重管理、(iii)営利目的の教育、
(iv)アラーム付監視サービス、(v)不動産サービス等が含まれる。
下表は、サービス業界の格付分布を示したものである。
図表 1
法人・消費者向けサービス業界
3
FEBRUARY 13, 2015
社名
格付
見通し
所在地
1
Adecco S.A.
Baa2
安定的
スイス
2
Amadeus IT Holding, S.A.
Baa2
安定的
スペイン
3
AMC Entertainment Inc.
B2
安定的
米国
4
Aramark Services, Inc.
B1
ポジティブ
米国
5
Audatex Holdings, LLC
Ba3
安定的
米国
6
Block Financial, LLC
Baa2
安定的
米国
7
Carmike Cinemas Inc.
B2
安定的
米国
8
Charles River Laboratories Int'l, Inc.
Ba2
安定的
米国
9
Cinemark USA, Inc.
B1
安定的
米国
10
Cintas Corporation No. 2
A2
安定的
米国
11
Compass Group Plc
Baa1
安定的
英国
12
Computer Sciences Corporation
Baa2
安定的
米国
13
Equifax Inc.
Baa1
安定的
米国
14
Expedia, Inc.
Ba1
安定的
米国
15
Experian Finance plc
Baa1
安定的
アイルランド
16
Fidelity National Information Services, Inc.
Baa3
安定的
米国
17
Fiserv, Inc.
Baa2
安定的
米国
18
FTI Consulting, Inc.
Ba2
安定的
米国
19
Iron Mountain Incorporated
Ba3
安定的
米国
20
ISS Global A/S
Baa3
安定的
デンマーク
21
KAR Auction Services, Inc
B1
安定的
米国
22
ManpowerGroup Inc.
Baa3
ポジティブ
米国
23
MasterCard Incorporated
A2
安定的
米国
24
MoneyGram International, Inc.
B1
安定的
米国
25
MSCI Inc.
Ba1
安定的
米国
26
On Assignment, Inc.
Ba2
安定的
米国
27
Orbitz Worldwide, Inc.
B2
ポジティブ
米国
28
Realogy Group LLC
B2
ポジティブ
米国
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
図表 1
法人・消費者向けサービス業界
社名
格付
見通し
所在地
米国
29
Regal Entertainment Group
B1
安定的
30
Service Corporation International
Ba3
安定的
米国
31
ServiceMaster Company, LLC (The)
B3
安定的
米国
32
SS&C Technologies, Inc.
Ba2
安定的
米国
33
Sungard Data Systems Inc.
B2
安定的
米国
34
The ADT Corporation
Ba2
安定的
米国
35
Total System Services, Inc
Baa3
安定的
米国
36
VeriFone, Inc.
Ba3
安定的
米国
37
Verisk Analytics, Inc.
Baa3
安定的
米国
38
Visa Inc.
A1
安定的
米国
39
West Corporation
B1
安定的
米国
40
Western Union Company (The)
Baa2
安定的
米国
格付および見通しは 2014 年 12 月 8 日時点
4
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
格付手法について
本稿では、7 つのセクションにおいて、サービス業界の格付手法を説明する。各セクションの
概要は以下の通りである。
1. 格付マッピング表の構成要因の特定と検討
本格付手法のマッピング表では、以下の 5 つの主要格付要因に注目する。5 つの格付要因
は、要因を詳細に評価するためのサブ要因から構成される。
図表2
法人・消費者向けサービス業界
格付要因
要因のウエイト
サブ要因
サブ要因のウエイト
規模
20%
売上高
20%
事業プロファイル
20%
需要特性
15%
競争力
5%
収益性
10%
EBITA マージン
10%
レバレッジとカバレッジ
40%
有利子負債 / EBITDA
15%
EBITA / 支払利息
15%
RCF / 純有利子負債
10%
財務方針
10%
財務方針
合計
10%
100%
100%
合計
2. 格付マッピング表の主要要因とサブ要因の測定または推定
以下に、各格付要因のスコアリングについての全般的なアプローチを説明し、格付マッピング
表で用いるウエイトを示す。また、これらの要因が信用力の指標として重要な理由も説明する。
格付要因とサブ要因の評価に用いる情報は通常、各社の財務諸表を用いるか(もしくはそれ
を参考に算出)、またはその他の情報から導くか、あるいはムーディーズのアナリストが推定す
る。
ムーディーズの格付は将来を見据えたものであり、将来の財務と事業実績についてのムーデ
ィーズの予想を織り込む。ただし、過去の実績は、企業および比較対象企業の実績のパター
ンやトレンドを把握するうえで有益である。本稿では、格付マッピング表の適用例を示すため、
過去のデータ(多くの場合、報告された実績の過去 12 カ月のデータ)を用いる。定量的信用
指標はいずれも、損益計算書、キャッシュフロー計算書、貸借対照表に対し、構造改革費用、
減損費用、オフバランス項目、売掛債権証券化プログラム、年金積み立て不足、オペレーティ
ングリース等に関わるムーディーズの標準的調整を加える。
ムーディーズが通常用いる比率の定義については Moody's Basic Definitions for Credit
Statistics, User's Guide (Moody's Investors Service, June 2011)を参照されたい。ムーディーズの
標準的調整については、格付手法 Moody's Approach to Global Standard Adjustments in the
Analysis of Financial Statements for Non-Financial Corporations (Moody's Investors Service,
December 2010) (ムーディーズ・ジャパン版「事業会社の財務諸表分析におけるムーディーズ
の標準的調整アプローチ」2011 年 3 月)を参照されたい。これらはムーディーズのウェブサイ
トから入手可能である。
本稿では、原則として過去 12 カ月の財務データを使用しているが、格付マッピング表の要因
は様々な期間を用いて検討することがある。例えば、格付委員会が過去の実績に加え、向こ
う数年間の予想業績分析が有用と考える場合もある。
5
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
3. 格付カテゴリーへの要因別マッピング
サブ要因を推定または評価した後、各サブ要因の評価結果を格付カテゴリー(Aaa、Aa、A、
Baa、Ba、B、Caa、Ca)にマッピングする。
4. 格付マッピング表への発行体のマッピングとアウトライヤー
付録 B では、サンプルとなる公開企業が、各主要要因およびサブ要因にどのようにマッピン
グされるかを表で示す。ムーディーズは、特定のサブ要因についての格付マッピング表による
推定結果が、実際の格付より文字格付で 2 カテゴリー以上高いまたは低い場合に注目し、特
定のサブ要因についてそうしたポジティブアウトライヤーおよびネガティブアウトライヤーとなっ
た理由を説明する。
5. 格付マッピング表の前提と限界、マッピング表に含まれない考慮事項
このセクションでは、実際の格付に対し、格付マッピング表を用いる限界について説明する。
格付マッピング表には含まれないが格付を決定する際に重要となりうる追加的要因や、格付
手法全般における限界と主な前提について説明する。
6. 格付マッピング表が示唆する格付の決定
格付マッピング表が示唆する格付を決定するにあたり、ムーディーズは、各サブ要因のスコア
を次の格付スケールに基づいて数値に変換する。
Aaa
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
Ca
1
3
6
9
12
15
18
20
各サブ要因の数値スコアには、当該サブスコアのウエイトが乗じられ、それらが合計されてウ
エイト適用後のスコアが決定される。次に、ウエイト適用後の合計スコアが、次の表に基づい
て数値付加記号付き格付にマッピングされる。
格付マッピング表が示唆する格付
格付マッピング表が示唆する格付
6
FEBRUARY 13, 2015
要因別スコアの加重平均
Aaa
x < 1.5
Aa1
1.5 ≤ x < 2.5
Aa2
2.5 ≤ x < 3.5
Aa3
3.5 ≤ x < 4.5
A1
4.5 ≤ x < 5.5
A2
5.5 ≤ x < 6.5
A3
6.5 ≤ x < 7.5
Baa1
7.5 ≤ x < 8.5
Baa2
8.5 ≤ x < 9.5
Baa3
9.5 ≤ x < 10.5
Ba1
10.5 ≤ x < 11.5
Ba2
11.5 ≤ x < 12.5
Ba3
12.5 ≤ x < 13.5
B1
13.5 ≤ x < 14.5
B2
14.5 ≤ x < 15.5
B3
15.5 ≤ x < 16.5
Caa1
16.5 ≤ x < 17.5
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
格付マッピング表が示唆する格付
格付マッピング表が示唆する格付
要因別スコアの加重平均
Caa2
17.5 ≤ x < 18.5
Caa3
18.5 ≤ x < 19.5
Ca
x ≥ 19.5
例えば、加重平均スコアが 11.7 の発行体の場合、格付マッピング表では Ba2 となる。同様の
手順で格付マッピング表の示唆する格付を導き出し、サンプル例において示している。
7. 付録
付録では、過去の財務情報に基づいて格付マッピング表から推定される格付の例を示すとと
もに、業界の信用リスクについてのコメントおよび洞察を述べる。
主要格付要因
法人・消費者向けサービス業界の格付マッピング表では、次の 5 つの主要格付要因に焦点
を当てる。
»
規模
»
事業プロファイル
»
収益性
»
レバレッジとカバレッジ
»
財務方針
本稿のマッピング例では通常、ムーディーズによる標準的調整を加えた過去の財務情報を用
いる。
格付要因 1: 規模 (ウエイト 20%)
この格付要因を重視する根拠
事業規模の大きさは、それぞれのサービス分野の事業トレンドへの影響力や価格決定力を示
し、市場地位の安定化や向上を下支えする。また、規模は、需要の変化に対する耐性、地理
的分散性、コスト吸収力、研究開発能力、および顧客、従業員、ベンダーとの交渉力を示す
指標ともなる。
評価方法
事業規模は財務報告上の総売上高を用いて評価(将来見込まれる収益については推定)す
る。
要因1
規模 (20%)
サブ要因
売上高
(10 億米
ドル)
7
FEBRUARY 13, 2015
サブ要因の
ウエイト
Aaa
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
Ca
20%
≥ $60
$30$60
$10$30
$5-$10
$1.5-$5
$0.5$1.5
$0.2$0.5
<
$0.2
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
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格付要因 2: 事業プロファイル(ウエイト 20%)
この格付要因を重視する根拠
法人・消費者向けサービス業界は、世界中で幅広い顧客基盤を有する多様なビジネスモデ
ルにより構成される。企業が提供するサービスに対する需要特性と、需要の相対的な幅、強さ
および持続性を考慮することは重要である。顧客とって重要性が低い、あるいは限られた成
果しか上げていない単一のサービスを提供する企業と比べると、顧客に不可欠な幅広いサー
ビスを提供し、長期にわたり強い需要を確立してきた企業に伴うリスクは低い。
また、事業を展開する市場での競争力も検討する。固有の資産、ノウハウ、参入障壁、主導的
な市場地位は、価格決定力や、売上高およびキャッシュフローの安定性を高める要因となる。
複数事業の展開や、顧客および地理的分散は、相対的に強い競争力を長期にわたり維持す
る能力を示すこともある。
評価方法
需要特性
需要特性のスコアは、提供するサービスの需要の持続性に対するムーディーズの定性的な
評価に基づくものである。検討するサービスの需要に影響する多数の要素には、需要の安定
性、サービスの差別化、顧客にとっての重要性が含まれるが、これに限定されるものではない。
需要の安定性。 最も重要と考えられるサービスは、ビジネスサイクルを通して需要が安定し、
変動性は低い。安定的かつ予見可能な需要を示すサービスのリスクは低い。これは、長期に
わたる安定した需要実績および業界のサイクル、ビジネスのサイクルを通して顧客とのビジネ
スが繰り返されてきた実績からも明らかである。
サービスの差別化。サービスの独自性を示すことができる企業は、サービスの差別化が顧客
に認識されていない企業より顧客基盤を維持・拡大する可能性が高い。最も高度に差別化さ
れた形態は、固有の資産あるいは複製が難しい資産、ノウハウ、風評に支えられるものであり、
これらは価格決定力やマージンの維持につながる。確かな差別化要因は売上高の予見可能
性、マージン、キャッシュフローの安定性を高める。さらに、特定の事業分野におけるサービス
の優位性は、関連する事業分野における当該企業の地位を高めることもある。一方、提供す
るサービスに差別化が図られておらず、収益基盤を維持できないと考えられる企業は、独自
性の高いサービスや高付加価値サービスを提供する企業に比べて、一般にキャッシュフロー
が不安定である。
顧客にとっての重要性。 顧客にとってサービスがどれほど重要かを評価し、需要に影響しうる
技術や取引慣行が変化するリスクを考慮し、サービス需要がどの程度維持されるかを評価す
る。法的要件、業界慣行、業務継続の必要性、人間の基本的ニーズといった理由により顧客
にとって不可欠なサービスについてはリスクが低い。顧客が仕事を引き受けることを妨げる要
因についても検討する。
競争力
このサブ要因のスコアは、サービスの競争環境に対する定性的な評価に基づく。特に
分散度、競争の性質、市場シェアに重点を置いて、発行体の競争環境下における多く
の要素を検討する。各発行体の最も重要な特徴を、直接的に競合する他社と比較する
ことで評価する。
分散度。 重要な事業部門の数、サービス提供の範囲、エンドマーケットおよび顧客
分散度を評価する。複数の事業部門を抱え、幅広いサービスを提供する企業は、事業
の焦点を絞った競合他社に比べ、業績の安定性が高い。反対に、単一の市場で事業を
展開する企業は競争の圧力を受けやすく、収益およびキャッシュフローの変動性が高
い。地理的な焦点を絞った企業は、地域的な経済事象や現地の嗜好によりマイナスの
8
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
影響を受けることもある一方で、このようなリスクは、複数の地域でサービスを提供
している企業に対しては軽減されるため、地理的分散も重要である。
競争の性質。 寡占状況で事業を展開する企業や高い参入障壁を築いた企業が受ける競
争の圧力は一般に低く、価格決定力を有する。参入障壁には、顧客が負担する高い切
替コスト、および新規参入の脅威を低減する固有の資産や専有技術が含まれる。
市場シェア。高い市場シェアは、市況変動に対処する能力が高く、事業地位を維持で
きることを示唆する。特許や独自のライセンス規制、技術優位性、強固なブランド力
によって守られた市場シェアも、競争力を支える要因となる。
9
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
要因2
事業プロファイル(20%)
サブ要因
のウエイト
10
Aaa
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
Ca
需要特性
15%
非常に信頼性が
高く安定した需
要。景気サイクル
の影響を受けに
くい。確立した実
績がある独自の
サービス。サービ
スは不可欠とみ
られる。
信頼性が高く安
定した需要。ただ
し、景気サイクル
の影響をやや受
ける。競争上の
差別化が非常に
進み、確立した
実績があるサー
ビス。サービスは
ほぼ不可欠とみ
られる。
需要はほぼ安定
しており、景気サ
イクルの影響を
やや受ける。差
別化が進んだサ
ービスと確立した
実績。サービス
は非常に重要と
みられる。
安定した需要が
中期的に予想さ
れる。景気サイク
ル、業界のサイク
ルの影響ををや
や受ける。サー
ビスの差別化が
進んでおり、一部
実績もある。サー
ビスは重要とみ
られる。
短期的に限り安
定した需要が予
想される。景気サ
イクル、業界のサ
イクルに大きく影
響を受ける。一
部サービスに差
別化がみられ、
最近の実績があ
る。サービスは幾
分重要とみられ
る。
最近強い需要が
確認されたが、
サイクルを通した
安定性は確かで
はない。サービス
の差別化が限定
的。サービスの
重要性は限定的
とみられる。
サービスの提供
開始は極めて最
近であり、サイク
ルを通した需要
の方向性は不明
である。サービス
の差別化はほと
んどない。顧客
にとっての重要
性もほとんどな
い。
需要の方向性が
不明な新たなサ
ービス。サービス
の差別化はな
い。顧客にとって
の重要性もな
い。
競争力
5%
複数の事業部門
の全てにおいて
幅広いサービ
ス。エンドマーケ
ットの分散度は
極めて高く、顧客
集中はない。高
い参入障壁が、
新規参入の可能
性を排除してい
る。独占的な市
場シェア。
複数の事業部門
のほとんどにお
いて幅広いサー
ビス。エンドマー
ケットの分散度
は高く、顧客の集
中度は極めて限
定的である。参
入障壁が高いこ
とから、新規参入
はまれである。寡
占的業界構造を
反映した市場シ
ェア。
いくつかの事業
部門の多くにお
いて広いサービ
ス。エンドマーケ
ットの分散度は
非常に高く、顧客
集中はほとんど
ない。参入障壁
により、市場シェ
アが安定的に維
持される。限定的
な競争を特徴と
する業界内で主
導的な市場シェ
アを獲得。
いくつかの事業
部門のうち、少な
くとも主要 1 部門
において広いサ
ービス。主要市
場において、分
散度が高い。一
定の顧客集中
度。参入障壁や
高い切替コストが
新規参入を制限
する。主導的な
市場シェアを有
する 1 社である。
少ない事業部門
で事業を展開し、
少なくとも主要 1
部門で広いサー
ビス。主要市場
で幾分分散がみ
られる。中程度
の顧客集中。限
定的な参入障壁
や低い切替コスト
は、新規参入を
促進。主要市場
で、上位企業の 1
社あるいはニッ
チ市場での有力
企業。
少ない事業部門
で事業を展開し、
1 つの部門に高く
依存している。顧
客の集中度は高
い。効果の薄い
参入障壁や切替
コストがないこと
から、新規参入
数が多い。主要
市場・部門にお
いて地域的また
はニッチな事業
を展開する企
業。
1 つの事業部門
で事業を展開し、
顧客の集中度は
高い。参入障壁
はない。コモディ
ティ化する特性を
有するサービス。
主な競合他社よ
り小規模、あるい
は細分化した市
場。
1 つの事業部門
で事業を展開し、
顧客の集中度は
非常に高い。参
入障壁はない。
コモディティ化さ
れたサービス。
主な競合他社よ
り規模が極めて
小さい、あるいは
極めて細分化し
た市場。
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
格付要因 3: 収益性 (ウエイト 10%)
この格付要因を重視する根拠
利益は、事業の競争上の地位をマーケティング、研究、工場、人材への十分な再投資等によ
って維持するのに必要であるため、重要な要因である。特に安定的なあるいは拡大する市場
シェアを伴う場合、持続的な高水準の収益性は一般に、持続可能な競争優位性を示す強力
な指標となる。
評価方法
EBITA マージン:
マッピング表の収益性指標には、支払利息・税金・無形資産償却前利益(EBITA マー
ジン)が用いられる。標準的調整および臨時と判断される要素を考慮して、ムーディ
ーズによる調整が加えられることもある。
要因 3
収益性 (10%)
サブ要因
EBITA マージン
サブ要因の
ウエイト
Aaa
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
Ca
10%
≥ 50%
35-50%
25- 35%
20-25%
15-20%
10-15%
5-10%
<5%
格付要因 4: レバレッジとカバレッジ(ウエイト 40%)
この格付要因を重視する根拠
レバレッジとカバレッジは、企業の財務の柔軟性と長期的な存続可能性を示す指標である。こ
れには事業を展開する分野の経済や事業環境の変化に適応する能力が含まれる。
この格付要因は以下の 3 つのサブ要因から構成される。
レバレッジ
有利子負債/EBITDA は、債務履行能力とレバレッジを示す指標で、サービス業では、相対
的な財務力を示すものとして用いられる。
インタレスト・カバレッジ
EBITA/支払利息は、営業活動から利息や他の固定費用を支払う能力の評価に用いる。
キャッシュフロー・カバレッジ
リテインド・キャッシュフロー (RCF) / 純有利子負債は、債務を返済する能力を示す指標であ
る。現金および現金同等物を差し引いた債務残高と関連して、運転資本(営業キャッシュフロ
ー(FFO))増減前、および配当支払い控除後のキャッシュフロー生成を測定する。
評価方法
有利子負債 / EBITDA:
本稿のマッピング例では、有利子負債を EBITDA で除した数値を用いる。
EBITA / 支払利息:
本稿のマッピング例では、EBITA を連結ベースでの支払利息で除した数値を用いる。
11
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
RCF / 純有利子負債:
本稿のマッピング例では、営業キャッシュフロー(FFO)から配当金を差し引いた額を純有利子
負債(現金および現金同等物を差し引いた有利子負債総額)で除した数値を用いる。
要因 4
レバレッジとカバレッジ (40%)
サブ要因の
ウエイト
Aaa
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
Ca
有利子負債 /
EBITDA
15%
< 0.5x
0.5-1x
1-2x
2-3x
3-4.5x
4.56.5x
6.5-9x
≥9x
EBITA / 支払
利息
15%
≥25x
15-25x
10-15x
6-10x
3-6x
1-3x
0-1x
<0x
RCF / 純有利
子負債
10%
≥
80%
60-80%
4060%
2540%
15-25%
7.515%
2.57.5%
<2.5%
サブ要因
格付要因 5: 財務方針 (ウエイト 10%)
この格付要因を重視する根拠
経営陣および取締役の財務リスクに対する許容度は、債務水準、信用力、資金調達・資本構
成において不利な選択がなされるリスクに直接影響を与えるため、格付の決定要因となる。
ムーディーズは財務方針の評価にあたり、取締役と経営陣の財務リスクに対する許容度や、
将来の資本構成の方向性を分析する。ここでは、企業がこの分野において表明したコミットメ
ント、コミットメントの遵守、企業が目標を達成できるかどうかについてのムーディーズの意見を
考慮する。
財務リスクに対する許容度は、投資および資本配分の基準となる。通常、格上げが検討され
るためには、より健全な信用プロファイルの維持に向けた経営陣の姿勢が明確に示されること
が条件とされることが多い。例えば、当該企業が現時点の格付カテゴリーの範囲で余裕を持
っているとしても、戦略的買収、株主への現金還元、スピンオフ、その他レバレッジを高める事
柄が起こり得るとムーディーズが判断する場合、格上げしない場合がある。逆に、信用指標を
レバレッジ上昇前のレベルに戻すことを優先しようとする経営陣の姿勢が窺え、過去にも一貫
してそのような姿勢を示してきた場合、一定程度レバレッジが上がっても格付に与える影響が
限定的なこともある。
多くのサービス業は従来、収益拡大、事業ラインの拡大、市場地位の強化、コスト面でのシナ
ジー、新規技術へのアクセスのために、買収を行ってきた。買収が格付に与える影響は、企
業の従来の資本構成や、それが買収によってどの程度変化するかに左右される。
評価方法
財務方針
ムーディーズは、発行体の目標とする資本構成や信用プロファイル、過去の実績、コミットメン
トの遵守を検討する。景気サイクルや業界サイクルの様々な局面での、経営陣の事業実績や
キャッシュフローの使途に着目する。その他、信用市場や流動性環境の変化、訴訟、競争上
の課題、規制圧力などの主要な事象への経営陣の対応方法もみる。
M&A に対する経営陣の選好度も、取引の種類(コアコンピタンスあるいは新規事業)および
資金調達方法に関する判断に注目して検討する。買収の頻度や重要性、過去の資金調達方
法も考慮する。負債調達による買収、あるいは信用力を変化させる買収は一般的に、この要
因のスコアの低下につながる。
12
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
また、企業およびその所有者の、株主と債務保有者の利害のバランスに関する過去の実績も
考慮する。債務保有者より株主還元を重視してきた実績は、この要因ではネガティブに評価
されると考えられる。
要因 5
財務方針 (10%)
サブ
要因
サブ要因の ウエ
イト
財務
方針
10%
Aaa
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
Ca
極めて保守
的な財務方
針をとると
みられる。
非常に安定
した指標。
長期にわた
る非常に強
固な信用プ
ロファイル
の維持への
コミットメン
トを表明。
非常に安定
した保守的
な財務方針
をとるとみ
られる。安
定した指
標。格付ア
クションに
つながるイ
ベントリスク
がほとんど
ない。長期
にわたる強
固な信用プ
ロファイル
の維持への
コミットメン
トを表明。
債権者の利
益を守る予
見可能な財
務方針をと
るとみられ
る。ある程
度のイベン
トリスクが
あるが、 レ
バレッジへ
の影響は小
さく、一時的
なものとみ
られる。強
固な信用プ
ロファイル
への強いコ
ミットメント。
債権者の利
益と株主の
利益を均衡
させる財務
方針をとる
とみられ
る。負債調
達による買
収、あるい
は、株主還
元が信用プ
ロファイル
の悪化に繋
がるリスク
がある。
債権者より
株主を優先
する財務方
針をとると
みられる。
株主還元、
買収、他の
資本構造の
大幅な変更
を要因とし
て財務リス
クが平均を
上回る。
債権者より
株主を優先
する財務方
針をとると
みられる。
株主還元、
買収、他の
資本構造の
大幅な変更
を要因とす
る高い財務
リスク。
経済環境が
変化した際
に、債務再
編リスクの
高まりにつ
ながる財務
方針をとる
とみられ
る。
良好な経済
環境下で
も、債務再
編リスクの
高まりにつ
ながる財務
方針をとる
とみられ
る。
格付マッピング表の前提と限界、およびその他の格付上の考慮事項についての
議論
本格付手法のマッピング表では、複雑性を高め実際の格付により近いマッピングを行うよりも、
透明性を向上させるため簡便性を追求することに重点を置いた。格付マッピング表で用いら
れる 5 つの主要格付要因は、サービス業界の格付で重視されるすべての考慮事項を網羅し
たものではない。また、ムーディーズの格付は将来のパフォーマンスの予想を織り込んでいる
が、本稿のマッピング例では主に過去の財務情報を用いている。一部のケースでは、開示で
きない機密情報に基づいて将来のパフォーマンスを予測している。過去のパフォーマンス、
業界トレンド、競合他社の動向、他の要因に基づいて、将来の業績を推定する場合もある。い
ずれにせよ、将来の予測は相当に不正確なものとなるリスクがある。
ムーディーズによる予想は、マクロ経済環境と全般的な金融市場環境、業界の競争状況、破
壊的技術、行政措置や法的措置といった想定外の変化によって、不正確なものになり得る。
本セクターに適用する主要な格付上の想定としては、次のようなものがあげられる。ソブリンの
信用リスクは他の国内発行体の信用リスクと強い相関性があること、法的な請求権優先順位
は様々な債務クラスの平均回収率に影響を与えて同一発行体の異なる債務クラスの格付差
異を十分に正当化すること、流動性調達力は信用リスクの重要な決定要因になることなどであ
る。
本格付手法のマッピング表で用いる指標を選択するにあたり、経営陣の質と経験、コーポレ
ート・ガバナンス評価、財務報告と情報開示の質など、あらゆる業界のすべての企業に共通
するいくつかの重要な要因を、明示的な形では含めなかった。それらをマッピング表に基づ
いて格付カテゴリーでランキングすれば、他の様々なセクターの格付対象発行体に対して特
定の発行体の相対的ランキングが緻密になりすぎる場合もある。
格付には、定量化が難しいが、特定の場合に限り信用力の差別化に有効となる追加要素が
含まれることもある。そうした要因には、財務管理、不透明な特許制度に関するリスク、一部諸
国における政府介入の可能性などが含まれる。規制、訴訟、流動性、技術、風評リスク、消費
13
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
者や事業の支出動向の変化、競合のストラテジー、マクロ経済動向なども格付に影響を与え
る。これらは重要な考慮事項ではあるが、格付マッピング表で正確に表現しようとすれば、過
度に複雑になり透明性が大幅に低下することは避けられない。また、格付には、特定の要因
のウエイト付けが格付マッピング表で用いるウエイトとは大きく異なっている状況を考慮してい
る場合がある。
格付での考慮事項としてのこのようなウエイトの変更は、格付マッピング表には含めなかった
格付要因にも適用されるケースがある。例えば、流動性は格付に極めて重要な影響を与えう
る要因であるが、状況によっては、類似した信用プロファイルの発行体の差別化に実質的な
影響を与えないこともある。デフォルト・リスクを高めるような極めて低い流動性は、格付に大き
く影響する。しかし、2 社の信用プロファイルが全く等しく、唯一の違いが、一方は流動性が良
好であり、もう一方が「極めて」良好であるという場合、両社の格付は同じになることがある。た
だし、格付が低い企業の比較で、流動性が相対的なデフォルトリスクに差をつける場合は除く。
他の格付上の考慮事項
格付は多くの追加的な考慮事項も反映している。経営陣の質、コーポレート・ガバナンス、財
務管理、流動性管理、イベントリスク、季節要因を含むがこれに限定されるものではない。
経営戦略
経営陣の質は企業の信用力を支える重要な要因である。長期的な事業計画の実行状況の評
価は、経営陣の事業戦略・方針・哲学を評価する一助となり、競合他社のパフォーマンスやム
ーディーズによる予想と比較した経営陣のパフォーマンスの評価となる。経営陣の質の一貫
性が一旦確立されれば、将来のストレス状況下での経営陣のパフォーマンスについての知見
が得られ、設定した計画や指針から大きく逸脱する傾向を示す指標となり得る。
コーポレート・ガバナンス
コーポレート・ガバナンスの評価において注目する分野には、監査委員会の財務に関する専
門知識、上級幹部の報酬制度が規定するインセンティブ、関連当事者間取引、外部監査人と
のやり取り、所有構造などがある。
財務管理
ムーディーズは、監査済み財務諸表の正確性を信頼して、格付の付与とモニタリングを行っ
ている。財務諸表の質は、業務の一元化、経営陣の適切な方針、会計方針と手続きの一貫
性といった、内部統制の影響を受ける。
財務諸表における会計監査人のコメント、通常とは異なる財務諸表の修正や規制当局への
提出遅延は、内部統制の弱さ示すこともある。
流動性管理
流動性はサービス業界全体にとって重要な格付上の考慮事項である。季節性の影響を大きく
受ける環境で事業を展開し、必要な運転資本を考慮に入れなければならない企業にとっては
とりわけ重要である。ムーディーズは、現金の源泉と使途の両面から、企業の短期的な流動性
需要に関する意見を形成する。
14
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
イベントリスク
ムーディーズは、予想外のイベントの発生により発行体のファンダメンタルな信用力が突然、
大幅に低下する可能性があることを認識している。例外的なイベントの例として、買収・合併、
資産売却、スピンオフ、資本再編計画、訴訟、株主への利益配分などがある。
季節要因
季節要因は一部のサービス業にとって懸案事項となり得る。変動幅が大きいと、業務の実施
において誤差が許容される余地は小さくなる。
結論: マッピング表に基づく格付結果のまとめ
マッピング表を適用した格付結果と実際の格付との対応状況をまとめると、次のようになる(詳
細については付録 B を参照)。
15
FEBRUARY 13, 2015
»
12 社のマッピング表に基づく格付が、実際の格付と一致した。
»
19 社のマッピング表に基づく格付と実際の格付の差が 1 ノッチとなった。
»
8 社のマッピング表に基づく格付と実際の格付の差が 2 ノッチとなった。
»
1 社のマッピング表に基づく格付と実際の格付の差が 3 ノッチ以上となった。
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
付録 A: 法人・消費者向けサービス業界の格付マッピング表
サブ要因
サブ要
因のウ
エイト
Aaa
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
Ca
20%
≥ $60
$30-$60
$10-$30
$5-$10
$1.5-$5
$0.5-$1.5
$0.2-$0.5
< $0.2
要因 1: 規模 (20%)
売上高 (10 億
米ドル)
要因 2: 事業プロファイル (20%)
需要特性
15%
非常に信頼性
が高く安定し
た需要。景気
サイクルの影
響を受けにく
い。確立した
実績がある独
自のサービ
ス。サービス
は不可欠とみ
られる。
信頼性が高く安定
した需要。ただし、
景気サイクルの影
響をやや受ける。
競争上の差別化
が非常に進み、確
立した実績がある
サービス。サービ
スはほぼ不可欠と
みられる。
需要はほぼ安定
しており、景気サ
イクルの影響を
やや受ける。差
別化が進んだサ
ービスと確立した
実績。サービス
は非常に重要と
みられる。
安定した需要が中
期的に予想される。
景気サイクル、業界
のサイクルの影響
ををやや受ける。サ
ービスの差別化が
進んでおり、一部実
績もある。サービス
は重要とみられる。
短期的に限り安
定した需要が予
想される。景気サ
イクル、業界のサ
イクルに大きく影
響を受ける。一
部サービスに差
別化がみられ、
最近の実績があ
る。サービスは幾
分重要とみられ
る。
最近強い需要が
確認されたが、
サイクルを通した
安定性は確かで
はない。サービス
の差別化が限定
的。サービスの
重要性は限定的
とみられる。
サービスの提供
開始は極めて最
近であり、サイク
ルを通した需要
の方向性は不明
である。サービス
の差別化はほと
んどない。顧客
にとっての重要
性もほとんどな
い。
需要の方向性が不
明な新たなサービ
ス。サービスの差別
化はない。顧客にと
っての重要性もな
い。
競争力
5%
複数の事業
部門の全てに
おいて幅広い
サービス。エ
ンドマーケット
の分散度は
極めて高く、
顧客集中はな
い。高い参入
障壁が、新規
参入の可能
性を排除して
いる。独占的
な市場シェ
ア。
複数の事業部門
のほとんどにおい
て幅広いサービ
ス。エンドマーケッ
トの分散度は高
く、顧客の集中度
は極めて限定的で
ある。参入障壁が
高いことから、新
規参入はまれであ
る。寡占的業界構
造を反映した市場
シェア。
いくつかの事業
部門の多くにお
いて広いサービ
ス。エンドマーケ
ットの分散度は
非常に高く、顧客
集中はほとんど
ない。参入障壁
により、市場シェ
アが安定的に維
持される。限定的
な競争を特徴と
する業界内で主
導的な市場シェ
アを獲得。
いくつかの事業部
門のうち、少なくとも
主要 1 部門におい
て広いサービス。主
要市場において、
分散度が高い。一
定の顧客集中度。
参入障壁や高い切
替コストが新規参入
を制限する。主導的
な市場シェアを有す
る 1 社である。
少ない事業部門
で事業を展開し、
少なくとも主要 1
部門で広いサー
ビス。主要市場
で幾分分散がみ
られる。中程度
の顧客集中。限
定的な参入障壁
や低い切替コスト
は、新規参入を
促進。主要市場
で、上位企業の 1
社、あるいはニッ
チ市場での有力
企業。
少ない事業部門
で事業を展開し、
1 つの部門に高く
依存している。顧
客の集中度は高
い。効果の薄い
参入障壁や切替
コストがないこと
から、新規参入
数が多い。主要
市場・部門にお
いて地域的また
はニッチな事業
を展開する企
業。
1 つの事業部門
で事業を展開し、
顧客の集中度は
高い。参入障壁
はない。コモディ
ティ化する特性を
有するサービス。
主な競合他社よ
り小規模、あるい
は細分化した市
場。
1 つの事業部門で事
業を展開し、顧客の
集中度は非常に高
い。参入障壁はな
い。コモディティ化さ
れたサービス。主な
競合他社より規模が
極めて小さい、ある
いは極めて細分化し
た市場。
≥ 50%
35-50%
25-35%
20-25%
15-20%
10%-15%
5%-10%
<5%
要因 3: 収益性 (10%)
EBITA マージン
16
10%
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
サブ要因
サブ要
因のウ
エイト
Aaa
Aa
A
Baa
Ba
B
Caa
Ca
要因 4: レバレッジとカバレッジ (40%)
有利子負債 /
EBITDA
15%
< 0.5x
0.5-1x
1-2x
2-3x
3-4.5x
4.5-6.5x
6.5-9x
≥9x
EBITA/支払利
息
15%
≥25x
15-25x
10-15x
6-10x
3-6x
1-3x
0-1x
<0x
RCF / 純有利子
負債
10%
≥ 80%
60-80%
40-60%
25-40%
15-25%
7.5-15%
2.5-7.5%
<2.5%
極めて保守的
な財務方針を
とるとみられ
る。非常に安
定した指標。
長期にわたる
非常に強固な
信用プロファ
イルの維持へ
のコミットメン
トを表明。
非常に安定した保
守的な財務方針
をとるとみられる。
安定した指標。格
付アクションにつ
ながるイベントリス
クがほとんどな
い。長期にわたる
強固な信用プロフ
ァイルの維持への
コミットメントを表
明。
債権者の利益を
守る予見可能な
財務方針をとる
とみられる。ある
程度のイベントリ
スクがあるが、
レバレッジへの
影響は小さく、一
時的なものとみ
られる。強固な
信用プロファイル
への強いコミット
メント。
債権者の利益と株
主の利益を均衡さ
せる財務方針をと
るとみられる。負債
調達による買収、
あるいは、株主還
元が信用プロファイ
ルの悪化に繋がる
リスクがある。
債権者より株主
を優先する財務
方針をとるとみら
れる。株主還元、
買収、他の資本
構造の大幅な変
更を要因として
財務リスクが平
均を上回る。
債権者より株主
を優先する財務
方針をとるとみら
れる。株主還元、
買収、他の資本
構造の大幅な変
更を要因とする
高い財務リスク。
経済環境が変化
した際に、債務
再編リスクの高
まりにつながる
財務方針をとる
とみられる。
良好な経済環境下
でも、債務再編リス
クの高まりにつなが
る財務方針をとると
みられる。
要因 5: 財務方針 (10%)
財務方針
17
10%
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
付録 B: 法人・消費者向けサービス業のマッピング結果
特定のサブ要因に基づくマッピング結果が、実際の格付よりも 2 カテゴリー以上高いか低い
発行体を、そのサブ要因に関するポジティブあるいはネガティブなアウトライヤーと定義してい
る(例えば、特定のサブ要因に基づくマッピング結果が Baa となる B 格の企業は、そのサブ要
因におけるポジティブ・アウトライヤーとして表示)。緑色のセルはポジティブ・アウトライヤーで、
特定のサブ要因において、マッピング結果がムーディーズによる格付を文字格付で 2 カテゴ
リー以上上回る。赤色のセルはネガティブ・アウトライヤーで、特定のサブ要因のマッピング結
果がムーディーズによる格付を文字格付で 2 カテゴリー以上下回る。
18
社名
格付
見通し
マッピン
グ表に
基づく格
付
1
Adecco S.A.
Baa2
安定的
Baa3
A
Baa
Baa
Ca
Baa
Baa
Baa
Baa
2
Amadeus IT Holding, S.A.
Baa2
安定的
A3
Ba
Baa
A
Aa
A
Aa
A
Baa
3
AMC Entertainment Inc.
B2
安定的
B1
Ba
Ba
B
B
B
B
B
B
4
Aramark Services, Inc.
B1
ポジテ
ィブ
Ba2
A
Baa
Ba
Caa
B
B
B
B
5
Audatex Holdings, LLC
Ba3
安定的
Ba3
B
Baa
Ba
A
B
B
B
B
6
Block Financial, LLC
Baa2
安定的
Baa2
Ba
A
Baa
A
Baa
Baa
A
Ba
売上高
需要特
性
有利子
負債 /
EBITDA
EBITA /
競争力
EBITA
マージ
ン
支払利
息
RCF / 純
有利子
負債
財務方
針
7
Carmike Cinemas Inc.
B2
安定的
B2
B
Ba
B
B
B
B
B
B
8
Charles River Laboratories
Int'l, Inc.
Ba2
安定的
Ba1
B
Ba
Ba
Ba
Ba
A
Baa
Ba
9
Cinemark USA, Inc.
B1
安定的
B1
Ba
Ba
Ba
Ba
B
B
B
B
10
Cintas Corporation No. 2
A2
安定的
Baa2
Ba
A
A
B
A
Baa
A
A
11
Compass Group Plc
Baa1
安定的
Baa2
A
A
A
Caa
Baa
Baa
Baa
Baa
12
Computer Sciences
Corporation
Baa2
安定的
Baa1
A
Baa
Baa
B
A
Baa
Aaa
Baa
13
Equifax Inc.
Baa1
安定的
Baa2
Ba
A
Baa
A
Baa
Baa
Baa
Baa
14
Expedia, Inc.
Ba1
安定的
Baa2
Baa
Baa
Baa
B
A
Ba
Aaa
Ba
15
Experian Finance plc
Baa1
安定的
Baa1
Ba
A
Baa
A
Baa
A
Baa
Baa
16
Fidelity National
Information Services, Inc.
Baa3
安定的
Baa2
Baa
Baa
Baa
Baa
Baa
Baa
Ba
Baa
17
Fiserv, Inc.
Baa2
安定的
Baa2
Ba
Baa
Baa
A
Baa
Baa
Baa
Baa
18
FTI Consulting, Inc.
Ba2
安定的
Ba2
Ba
Ba
Ba
B
Ba
Ba
Ba
Ba
19
Iron Mountain
Incorporated
Ba3
安定的
Ba3
Ba
Ba
Baa
Baa
B
B
Caa
Ba
20
ISS Global A/S
Baa3
安定的
Ba1
A
A
A
Caa
B
B
B
Baa
21
KAR Auction Services, Inc
B1
安定的
Ba3
Ba
Ba
Ba
Baa
B
Ba
B
B
22
ManpowerGroup Inc.
Baa3
ポジテ
ィブ
Baa2
A
Baa
Baa
Ca
A
Baa
A
Baa
23
MasterCard Incorporated
A2
安定的
Aa3
Baa
A
A
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
A
24
MoneyGram
International, Inc.
B1
安定的
Ba3
Ba
Ba
Ba
B
Ba
Ba
Ba
B
25
MSCI Inc.
Ba1
安定的
Baa2
B
Baa
Ba
Aa
Baa
A
Aaa
Ba
26
On Assignment, Inc.
Ba2
安定的
Ba1
Ba
Ba
Ba
Caa
Baa
Baa
Baa
Ba
27
Orbitz Worldwide, Inc.
B2
ポジテ
ィブ
B1
B
B
B
Caa
Ba
B
A
B
28
Realogy Group LLC
B2
ポジテ
ィブ
Ba3
Baa
Ba
Baa
B
B
B
B
B
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
社名
格付
見通し
マッピン
グ表に
基づく格
付
売上高
需要特
性
有利子
負債 /
EBITDA
EBITA /
競争力
EBITA
マージ
ン
支払利
息
RCF / 純
有利子
負債
財務方
針
29
Regal Entertainment
Group
B1
安定的
B1
Ba
Ba
B
Ba
B
B
B
B
30
Service Corporation
International
Ba3
安定的
Ba3
Ba
Baa
Baa
Ba
B
B
B
Ba
31
ServiceMaster Company,
LLC (The)
B3
安定的
B2
Ba
B
Ba
B
Caa
B
B
B
32
SS&C Technologies, Inc.
Ba2
安定的
Ba1
B
Ba
Ba
Aa
Baa
Baa
Baa
Ba
33
Sungard Data Systems
Inc.
B2
安定的
B1
Ba
Ba
Ba
Ba
B
B
B
B
34
The ADT Corporation
Ba2
安定的
Baa3
Ba
Baa
Baa
A
Baa
Ba
Baa
Ba
35
Total System Services, Inc
Baa3
安定的
Baa3
Ba
Baa
Baa
Baa
Baa
Baa
Baa
Baa
36
VeriFone, Inc.
Ba3
安定的
B1
Ba
Ba
Ba
Caa
B
B
Ba
Ba
37
Verisk Analytics, Inc.
Baa3
安定的
Baa1
Ba
Baa
Baa
Aa
A
Baa
A
Baa
38
Visa Inc.
A1
安定的
Aa3
A
A
A
Aaa
Aaa
Aaa
Aaa
A
39
West Corporation
B1
安定的
Ba3
Ba
Ba
B
Baa
B
B
B
B
40
Western Union Company
(The)
Baa2
安定的
Baa2
Baa
Baa
Baa
Baa
Baa
Baa
Baa
Baa
格付および見通しは 2014 年 12 月 8 日時点
アウトライヤーの説明
法人・消費者向けサービス業のマッピング表により推定された格付と実際の格付に大きなアウ
トライヤーはない。サブ要因のマッピング結果については、以下に説明する。
売上高
フードサービス業を展開する Aramark、不動産仲介業の持ち株会社である Realogy は、売上
高 においてポジティブ・アウトライヤーである。売上高の水準は、それぞれの分野で主導的な
地位を支える強固な営業基盤を反映しているものの、相対的に低いマージンと高いレバレッ
ジにより相殺される。制服サービスを提供する Cintas のさほど大きくない収益基盤は、強固な
信用指標と主導的な市場地位により相殺されるものの、ネガティブ・アウトライヤーである。
需要特性
Aramark はポジティブ・アウトライヤーである。これは、景気サイクルを通して、また垂直的な事
業分野において安定的な需要を反映したものであるが、相対的に低いマージンと高いレバレ
ッジにより相殺される。
競争力
Realogy Group はポジティブ・アウトライヤーである。これは、業界内での主導的な市場シェア
を反映したものであるが、相対的に低いマージンと高いレバレッジにより相殺される。
19
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
EBITA マージン
サービス業の多様なビジネスモデルとコスト構造を理由として、EBITA マージンにおけるアウト
ライヤーは多い。通常、人材サービス企業、ファシリティ・サービス企業のマージンは相対的に
低いため、Adecco、Compass Group、Manpower、ISS は EBITA マージンにおいてネガティブ・
アウトライヤーである。ポジティブ・アウトライヤーには、高マージンの電子小口決済を提供す
る MasterCard や Visa といった大きな価格決定力を有する企業が含まれる。
有利子負債 / EBITDA
レバレッジにおける注目すべきポジティブ・アウトライヤーには、負債残高を最小限に抑えた
MasterCard と Visa が含まれる。ISS は唯一のネガティブ・アウトライヤーであり、相対的に弱い
信用指標は事業規模とサービスの分散度により相殺されているが、信用指標の向上が見込ま
れる。
EBITA/支払利息
インタレスト・カバレッジにおける注目すべきポジティブ・アウトライヤーには、負債残高を最小
限に抑えた MasterCard と Visa が含まれる。ISS は唯一のネガティブ・アウトライヤーであり、相
対的に弱い信用指標は事業規模とサービスの分散度により相殺されているが、信用指標の
向上が見込まれる。
RCF/ 純有利子負債
このサブ要因におけるポジティブ・アウトライヤーには、さほど大きくない債務残高と十分な手
元資金を背景に、純有利子負債が非常に低い、あるいはマイナスである MSCI、Expedia、
MasterCard、Visa といった企業が含まれる。Iron Mountain は注目すべきネガティブ・アウトライ
ヤーである。同社のリテインド・キャッシュフローは、REIT の課税措置への変更に必要な一時
配当を含む、多額の配当政策の影響を大きく受けている。
財務方針
財務方針におけるアウトライヤーはない。
20
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
付録 C :発行体一覧
法人・消費者向けサービス業界の格付手法の対象となる発行体は以下を含むがこれに限定
されるものではない。一覧に掲載された親会社の子会社にも、本格付手法が適用される場合
がある。
21
24 HOUR HOLDINGS III LLC
AP GAMING I, LLC
BRICKMAN GROUP LTD. LLC, THE
CIELO S.A.
ABILITY NETWORK INC.
APOLLO 5 GMBH
BRIGHT HORIZONS FAMILY
SOLUTIONS LLC
CIMPRESS N.V.
ACCENTURE PLC
ARAMARK
BRINK'S COMPANY (THE)
CINEMARK HOLDINGS, INC.
ACCESS CIG, LLC
ARICENT TECHNOLOGIES
BROADRIDGE FINANCIAL
SOLUTIONS INC.
CINTAS CORPORATION
ACOSTA, INC.
ASCEND LEARNING, LLC
BROCK HOLDINGS III, INC.
CITIC GROUP CORPORATION
ACTIVISION BLIZZARD, INC.
ASCENSUS
CAA HOLDINGS, LLC
CITIC Limited
ADECCO S.A.
ASPEN DENTAL MANAGEMENT,
INC.
CAMPAIGN MONITOR HOLDINGS
PTY LIMITED
CLUBCORP HOLDINGS, INC.
ADVANTAGE SALES & MARKETING
INC.
ASTON ESCROW CORPORATION
CAR SECURITY S.A.
COFCO (HONG KONG) LIMITED
AEGIS TOXICOLOGY SCIENCES
CORPORATION
ATENTO LUXCO 1
CARDTRONICS, INC.
COMPASS GROUP PLC
AFFINION GROUP HOLDINGS,
INC.
AURORA DIAGNOSTICS
HOLDINGS, LLC
CARECORE NATIONAL, LLC
COMPUCOM SYSTEMS, INC.
AGUILA 3 S.A.
AUSDRILL LIMITED
CARLSON TRAVEL HOLDINGS,
INC.
COMPUTER SCIENCES
CORPORATION
AIR MEDICAL HOLDINGS, LLC
AUTOMATIC DATA PROCESSING,
INC.
CARMIKE CINEMAS, INC.
CONNOLLY CORPORATION
ALG HOLDINGS B.V.
AVIC INTERNATIONAL HOLDING
CORPORATION
CATALENT PHARMA SOLUTIONS,
INC.
CONVERGEONE HOLDINGS CORP.
ALIBABA GROUP HOLDING
LIMITED
AVSC HOLDING CORP.
CBRE SERVICES, INC.
CONVERGYS CORPORATION
ALIXPARTNERS, LLP
BAIDU INC.
CCC INFORMATION SERVICES INC.
CORELOGIC, INC.
ALLIANCE HEALTHCARE SERVICES,
INC.
BARMINCO HOLDINGS PTY
LIMITED
CCS INTERMEDIATE HOLDINGS,
LLC.
CREATIVE CIRCLE LLC
ALLIED SECURITY HOLDINGS LLC
BCP (SINGAPORE) VI CAYMAN
ACQUISITION CO. LTD.
CDK GLOBAL, INC.
CROSSMARK HOLDINGS, INC.
ALPHA TOPCO LIMITED
BIDVEST GROUP LIMITED, THE
CDRH PARENT, INC
CSG SYSTEMS INTERNATIONAL,
INC.
ALTEGRITY, INC.
BIOPLAN USA, INC.
CEDAR FAIR, L.P.
CT TECHNOLOGIES
INTERMEDIATE HOLDINGS INC.
(NEW)
AMADEUS IT HOLDING, S.A.
BIS INDUSTRIAL GROUP LIMITED
CENTERPLATE, INC.
DCS BUSINESS SERVICES, INC.
AMAYA GAMING GROUP INC.
BLOCK FINANCIAL, LLC
CENTRAL SECURITY GROUP, INC.
DEALER COMPUTER SERVICES,
INC.
AMC ENTERTAINMENT HOLDINGS,
INC.
BOART LONGYEAR LIMITED
CERBA EUROPEAN LAB S.A.S.
DEALERTRACK TECHNOLOGIES,
INC.
AMDOCS LIMITED
BOING MIDCO LIMITED
CERIDIAN LLC
DELUXE ENTERTAINMENT
SERVICES GROUP, INC.
AMERICAN DENTAL PARTNERS,
INC.
BOWLMOR AMF CORP.
CERVED GROUP S.P.A.
DIAMOND US HOLDINGS LLC
(DEALOGIC)
AMERICAN RESIDENTIAL SERVICES,
L.L.C. (NEW)
BRAMBLES LTD.
CHARLES RIVER LABORATORIES
INTERNATIONAL, INC.
DIRECTCASH PAYMENTS INC.
ANCESTRY.COM HOLDINGS LLC
BRAND ENERGY &
INFRASTRUCTURE SERVICES, INC.
CHECKOUT HOLDING CORP.
DLG ACQUISITIONS LIMITED
ANSWERS CORPORATION
BRAVIDA HOLDING AB
CHG HEALTHCARE SERVICES
DPX HOLDINGS B.V.
DREAMWORKS ANIMATION SKG,
INC.
FHC HEALTH SYSTEMS, INC. (NEW)
HOYTS GROUP HOLDINGS LLC
KAR AUCTION SERVICES, INC
DTZ U.S. BORROWER, LLC
FIDELITY NATIONAL
INFORMATION SERVICES, INC.
HUTCHISON WHAMPOA LIMITED
KELLERMEYER BERGENSONS
SERVICES, LLC
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
DTZ UK GUARANTOR LIMITED
FIRST AMERICAN PAYMENT
SYSTEMS, L.P.
IBC CAPITAL LIMITED
KNOWLEDGE UNIVERSE
EDUCATION LLC
EBAY, INC.
FIRST DATA CORPORATION
IENERGIZER LIMITED
KOOSHAREM LLC
EDMENTUM, INC.
FISERV, INC.
IG INVESTMENTS HOLDINGS, LLC
LA FINANCIERE ATALIAN S.A.
EDU UK TOP CO LIMITED (STUDY
GROUP)
FITNESS INTERNATIONAL, LLC
IGATE CORPORATION
LABCO S.A.
EDUCATION MANAGEMENT
CORPORATION
FLEETCOR TECHNOLOGIES
OPERATING COMPANY LLC
IGLOO HOLDINGS CORPORATION
LABORATORY CORPORATION OF
AMERICA HOLDINGS
ELEMENT MATERIALS TECH GRP
HLDG CC2 LTD
FLEURY S.A.
IHS INC.
LANGUAGE LINE SERVICES
HOLDINGS, INC
ELIOR S.A.
FOSUN INTERNATIONAL LIMITED
IMS HEALTH INCORPORATED
LAUREATE EDUCATION, INC.
EMDEON INC.
FTI CONSULTING, INC.
INC RESEARCH, LLC
LEARFIELD COMMUNICATIONS,
INC.
EMERALD EXPOSITIONS
HOLDING, INC.
GALAXY FINCO LIMITED
INFOGROUP INC.
LEARNING CARE GROUP (US) NO.
2 INC.
EMI MUSIC PUBLISHING
GARDA WORLD SECURITY
CORPORATION
INMAR HOLDINGS, INC.
LI & FUNG LIMITED
ENCOMPASS DIGITAL MEDIA, INC.
GATEGROUP HOLDING AG
INSTITUTIONAL SHAREHOLDER
SERVICES, INC.
LIONS GATE ENTERTAINMENT
CORP.
ENDURANCE INTERNATIONAL
GROUP HOLDINGS, LLC
GCA SERVICES GROUP, INC.
INTERFACE SECURITY SYSTEMS
HOLDINGS, INC.
LIVE NATION ENTERTAINMENT,
INC.
ENVISION HEALTHCARE
CORPORATION
GENPACT LIMITED
INTERNATIONAL GAME
TECHNOLOGY
LIVINGSTON INTERNATIONAL
INC.
EPIQ SYSTEMS, INC.
GEO TRAVEL FINANCE SCA
LUXEMBOURG
INTERNET BRANDS, INC
MANPOWERGROUP INC.
EQUIFAX INC.
GLOBAL BLUE FINANCE S.A R.L.
INTERPUBLIC GROUP OF
COMPANIES, INC. (THE)
MANUTENCOOP FACILITY
MANAGEMENT S.P.A.
EQUINITI CLEANCO LIMITED
GLOBAL CASH ACCESS, INC.
INTRALINKS, INC.
MASTERCARD INCORPORATED
EQUINOX HOLDINGS, INC.
GLOBALLOGIC HOLDINGS INC.
INVENTIV HEALTH, INC.
MCS AMS SUB-HOLDINGS LLC
ERESEARCH TECHNOLOGY, INC.
GO DADDY OPERATING
COMPANY, LLC
IPAYMENT HOLDINGS, INC
MEDASSETS, INC.
ERICKSON INCORPORATED
GRAHAM HOLDINGS COMPANY
IPREO HOLDINGS LLC
MEDIARENA ACQUISITION B.V.
ERM WORLDWIDE LIMITED
GRAINGER (W W) INC.
IQOR HOLDINGS INC.
MEDPACE HOLDINGS, INC.
EVERTEC, INC.
GREYSTAR REAL ESTATE
PARTNERS, LLC
IRI HOLDINGS, INC
MERGERMARKET GROUP
EXAMWORKS GROUP, INC.
GTECH S.P.A.
IRON MOUNTAIN
INCORPORATED
MERITAS SCHOOLS HOLDINGS,
LLC
EXPEDIA, INC.
GUANGZHOU YUEXIU HOLDINGS
LIMITED
ISS GLOBAL A/S
MERLIN ENTERTAINMENTS PLC
EXPERIAN FINANCE PLC
HANGER, INC.
JAGUAR HOLDING COMPANY I
MERRILL COMMUNICATIONS LLC
EXPERT GLOBAL SOLUTIONS, INC.
HEARTLAND DENTAL CARE, LLC
JARDINE STRATEGIC HOLDINGS
LIMITED
METRO-GOLDWYN-MAYER INC.
EXTREME REACH, INC.
HOLDELIS S.A.S
JONES LANG LASALLE
INCORPORATED
MILLENNIUM LABORATORIES, LLC
MILLER HEIMAN, INC.
PACKERS HOLDINGS, LLC
SAGA GROUP PLC
STG-FAIRWAY ACQUISITIONS,
INC.
MILLS ESTRUTURAS E SERVICOS DE
ENGENHARIA S.A.
PAESA ENTERTAINMENT
HOLDING, S.L.
SBP HOLDING LP
STHI HOLDINGS, INC
MITCHELL INTERNATIONAL, INC.
PALACE ENTERTAINMENT
HOLDINGS, LLC
SCIENTIFIC GAMES CORPORATION
STONEMOR PARTNERS LP
MONEYGRAM INTERNATIONAL,
INC.
PCI PHARMA MIDCO UK LIMITED
SEAWORLD ENTERTAINMENT, INC.
STONERIVER GROUP, LP
MONITRONICS INTERNATIONAL,
INC.
PDM HOLDINGS CORP
SELECTA GROUP B.V.
STORK TECHNICAL SERVICES
GROUP B.V.
MPH ACQUISITION HOLDINGS LLC
PGA HOLDINGS, INC.
SERVICE CORPORATION
INTERNATIONAL
STS OPERATING, INC.
MSCI INC.
PGX HOLDINGS, INC.
SERVICEMASTER COMPANY, LLC
(THE)
SUNGARD AVAILABILITY
SERVICES CAPITAL INC.
22
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
NAB HOLDINGS, LLC
PHARMEDIUM HEALTHCARE
CORPORATION
SESAC HOLDCO II LLC
SUNGARD DATA SYSTEMS INC.
NAI ENTERTAINMENT HOLDINGS
LLC
PLANET FITNESS HOLDINGS, LLC
SFX ENTERTAINMENT, INC.
SURVEYMONKEY INC.
NASSA FINCO AS
PRA HEALTH SCIENCES, INC.
SHIP LUXCO 3 SARL
SYMPHONY TELECA SERVICES,
INC.
NATIONAL AIR CARGO HOLDINGS,
INC.
PRE-PAID LEGAL SERVICES, INC.
SIERRA HAMILTON LLC
SYNARC-BIOCORE HOLDINGS,
LLC
NATIONAL AMUSEMENT INC.
PRESIDIO, INC.
SIME DARBY BERHAD
SYNIVERSE HOLDINGS, INC.
NEP/NCP HOLDCOM INC.
PRODUCTION RESOURCE GROUP,
INC.
SIRIUS COMPUTER SOLUTIONS,
INC.
TATA CONSULTANCY SERVICES
LIMITED
NETFLIX, INC.
PROTECTION ONE, INC.
SITEL LLC
TCH - 2 HOLDINGS, LLC
NEUSTAR, INC
PUBLICIS GROUPE S.A.
SIX FLAGS ENTERTAINMENT
CORPORATION
TEAM HEALTH, INC.
NEW TRIDENT HOLDCORP, INC.
QOL MEDS, LLC (NEW)
SMG
TECHEM ENERGY METERING
SERVICE GMBH & CO. KG
NIELSEN N.V.
QUEST DIAGNOSTICS
INCORPORATED
SMILE BRANDS GROUP INC.
TECHNICOLOR S.A.
NORD ANGLIA EDUCATION, INC
QUINTILES TRANSNATIONAL
HOLDINGS INC.
SNL FINANCIAL LC
TENCENT HOLDINGS LIMITED
NOVASEP HOLDING SAS
REALOGY GROUP LLC
SOLERA HOLDINGS, LLC
THE ADT CORPORATION
NOVITEX ENTERPRISE SOLUTIONS
REDTOP ACQUISITIONS LIMITED
SORENSON COMMUNICATIONS,
INC.
THE CORPORATE EXECUTIVE
BOARD COMPANY
NVA HOLDINGS, INC.
REGAL ENTERTAINMENT GROUP
SOTHEBY'S
TMF GROUP HOLDING B.V.
ODEON & UCI CINEMAS
HOLDINGS LIMITED
RELIANCE INTERMEDIATE
HOLDINGS LP
SOURCEHOV LLC
TNS, INC.
OMNICOM GROUP, INC.
RENAISSANCE LEARNING, INC.
(NEW)
SOUTHERN GRAPHICS INC.
TOTAL MERCHANT SERVICES,
INC.
ON ASSIGNMENT, INC.
RENTPATH, INC.
SPEEDWAY MOTORSPORTS INC.
TOTAL SYSTEM SERVICES, INC
OPAL ACQUISITION, INC.
RESEARCH NOW GROUP, INC.
SPIE BONDCO 3 S.C.A.
TOWN SPORTS INTERNATIONAL
HOLDINGS, INC.
ORBITZ WORLDWIDE, INC.
RGIS SERVICES, LLC
SPIN HOLDCO, INC.
TRANSFIRST, INC.
OSMOSE HOLDINGS, INC.
SABRE HOLDINGS CORPORATION
SS&C TECHNOLOGIES, INC.
TRANSUNION HOLDING
COMPANY, INC.
OUTERWALL INC.
SAFWAY GROUP HOLDING LLC
STERLING INFOSYSTEMS, INC.
TRAVELEX HOLDINGS LIMITED
UNIVERSAL HOSPITAL SERVICES,
INC.
VERISURE HOLDING AB
TRAVEL LEADERS GROUP, LLC
WEIGHT WATCHERS
INTERNATIONAL, INC.
TRAVELPORT LIMITED
US FT HOLDCO, INC.
VESTCOM INTERNATIONAL, INC.
WEST CORPORATION
TRINET GROUP, INC.
USIC HOLDINGS, INC
VISA INC.
WESTERN UNION COMPANY (THE)
TRIONISTA TOPCO GMBH
USS PARENT HOLDING CORP.
VIVINT, INC.
WME IMG, LLC
TRUVEN HEALTH ANALYTICS INC
VALID S.A.
VOUGEOT BIDCO P.L.C.
WORLD TRIATHLON
CORPORATION
U.S. SECURITY ASSOCIATES
HOLDINGS, INC.
VALITAS HEALTH SERVICES, INC.
VOUVRAY MIDCO LIMITED
WP MUSTANG HOLDINGS LLC
UNILABS MIDHOLDING AB
VANTIV, LLC
W3 CO.
WPP PLC
UNISYS CORPORATION
VERIFONE HOLDINGS, INC.
WARNER MUSIC GROUP CORP.
WWC HOLDINGS CORP.
UNITEK GLOBAL SERVICES, INC.
VERISK ANALYTICS, INC.
WASH MULTIFAMILY LAUNDRY
SYSTEMS, LLC
ZUFFA, LLC
23
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
ムーディーズの関連リサーチ
本セクターにおいて付与される信用格付は基本的に本信用格付手法によって決定される。ま
た、幅広い格付手法(1 つ以上の副次的に適用される格付手法またはクロスセクター格付手
法)における考慮事項が、本セクターの発行体および債券の信用格付の決定時に重要となる
こともある。副次的に適用される格付手法およびクロスセクター格付手法となりうるものについ
ては、ムーディーズ・ジャパンのウェブサイトを参照されたい。
本格付手法を用いて付与された信用格付の過去の精緻度および予測能力をまとめたデータ
は、link に掲載されている。
さらなる情報については、「格付記号と定義」を参照されたい。
24
FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法
CORPORATES
ムーディーズ・ジャパン株式会社
〒105-6220
東京都港区愛宕 2 丁目 5-1
愛宕グリーンヒルズ MORI タワー 20F
Report Number:
著者
David Berge, CFA
178875(Japanese)
177952 (English)
プロダクション・アソシエイト
高瀬 美紀
著作権表示(C)2015 年 Moody' s Corporation、Moody's Investors Service, Inc.、Moody’s Analytics, Inc. 並びに(又は)これらの者のライセンサー及び関連会社(以下、総称して「ムーディーズ」といい
ます)。無断複写・転載を禁じます。
Moody's Investors Service, Inc.及び信用格付を行う関連会社(以下「MIS」といいます)により付与される信用格付は、事業体、与信契約、債務又は債務類似証券の相対的な将来の信用リス
クについての、ムーディーズの現時点での意見です。ムーディーズが発行する信用格付及び調査刊行物(以下「ムーディーズの刊行物」といいます)は、事業体、与信契約、債務又は債務
類似証券の相対的な将来の信用リスクについてのムーディーズの現時点での意見を含むことがあります。ムーディーズは、信用リスクを、事業体が契約上・財務上の義務を期日に履行で
きないリスク及びデフォルト事由が発生した場合に見込まれるあらゆる種類の財産的損失と定義しています。信用格付は、流動性リスク、市場価値リスク、価格変動性及びその他のリスク
について言及するものではありません。信用格付及びムーディーズの刊行物に含まれているムーディーズの意見は、現在又は過去の事実を示すものではありません。ムーディーズの刊行
物はまた、定量的モデルに基づく信用リスクの評価及び Moody’s Analytics, Inc.が公表する関連意見又は解説を含むことがあります。信用格付及びムーディーズの刊行物は、投資又は財
務に関する助言を構成又は提供するものではありません。信用格付及びムーディーズの刊行物は特定の証券の購入、売却又は保有を推奨するものではありません。信用格付及びムー
ディーズの刊行物はいずれも、特定の投資家にとっての投資の適切性について論評するものではありません。ムーディーズは、投資家が、相当の注意をもって、購入、保有又は売却を検
討する各証券について投資家自身で研究・評価するという期待及び理解の下で、信用格付を付与し、ムーディーズの刊行物を発行します。
ムーディーズの信用格付及びムーディーズの刊行物は、個人投資家の利用を意図しておらず、個人投資家が何らかの投資判断を行う際にムーディーズの信用格付及びムーディーズの刊
行物を考慮することは、慎重を欠く行為です。もし、疑問がある場合には、ご自身のフィナンシャル・アドバイザーその他の専門家にご相談することを推奨します。
ここに記載する情報はすべて、著作権法を含む法律により保護されており、いかなる者も、いかなる形式若しくは方法又は手段によっても、全部か一部かを問わずこれらの情報を、ムーディ
ーズの事前の書面による同意なく、複製その他の方法により再製、リパッケージ、転送、譲渡、頒布、配布又は転売することはできず、また、これらの目的で再使用するために保管すること
はできません。
ここに記載する情報は、すべてムーディーズが正確かつ信頼しうると考える情報源から入手したものです。しかし、人的及び機械的誤りが存在する可能性並びにその他の事情により、ムー
ディーズはこれらの情報をいかなる種類の保証も付すことなく「現状有姿」で提供しています。ムーディーズは、信用格付を付与する際に用いる情報が十分な品質を有し、またその情報源が
ムーディーズにとって信頼できると考えられるものであること(独立した第三者がこの情報源に該当する場合もあります)を確保するため、すべての必要な措置を講じています。しかし、ムー
ディーズは監査を行う者ではなく、格付の過程で又はムーディーズの刊行物の作成に際して受領した情報の正確性及び有効性について常に独自に確認することはできません。
法律が許容する範囲において、ムーディーズ及びその取締役、役職員、従業員、代理人、代表者、ライセンサー及びサプライヤーは、いかなる者又は法人に対しても、ここに記載する情報
又は当該情報の使用若しくは使用が不可能であることに起因又は関連するあらゆる間接的、特別、二次的又は付随的な損失又は損害に対して、ムーディーズ又はその取締役、役職員、
従業員、代理人、代表者、ライセンサー又はサプライヤーのいずれかが事前に当該損失又は損害((a)現在若しくは将来の利益の喪失、又は(b)関連する金融商品が、ムーディーズが付与
する特定の信用格付の対象ではない場合に生じるあらゆる損失若しくは損害を含むがこれに限定されない)の可能性について助言を受けていた場合においても、責任を負いません。
法律が許容する範囲において、ムーディーズ及びその取締役、役職員、従業員、代理人、代表者、ライセンサー及びサプライヤーは、ここに記載する情報又は当該情報の使用若しくは使用
が不可能であることに起因又は関連していかなる者又は法人に生じたいかなる直接的又は補償的損失又は損害に対しても、それらがムーディーズ又はその取締役、役職員、従業員、代理
人、代表者、ライセンサー若しくはサプライヤーのうちいずれかの側の過失によるもの(但し、詐欺、故意による違反行為、又は、疑義を避けるために付言すると法により排除し得ない、その
他の種類の責任を除く)、あるいはそれらの者の支配力の範囲内外における偶発事象によるものである場合を含め、責任を負いません。
ここに記載される情報の一部を構成する格付、財務報告分析、予測及びその他の見解(もしあれば)は意見の表明であり、またそのようなものとしてのみ解釈されるべきものであり、これに
よって事実を表明し、又は証券の購入、売却若しくは保有を推奨するものではありません。ここに記載する情報の各利用者は、購入、保有又は売却を検討する各証券について、自ら研究・
評価しなければなりません。
ムーディーズは、いかなる形式又は方法によっても、これらの格付若しくはその他の意見又は情報の正確性、適時性、完全性、商品性及び特定の目的への適合性について、(明示的、黙
示的を問わず)いかなる保証も行っていません。
Moody's Corporation (以下「MCO」といいます)が全額出資する信用格付会社である Moody's Investors Service, Inc.は、同社が格付を行っている負債証券(社債、地方債、債券、手形及び CP を
含みます)及び優先株式の発行者の大部分が、Moody's Investors Service, Inc.が行う評価・格付サービスに対して、格付の付与に先立ち、1500 ドルから約 250 万ドルの手数料を Moody's
Investors Service, Inc.に支払うことに同意していることを、ここに開示します。また、MCO 及び MIS は、MIS の格付及び格付過程の独立性を確保するための方針と手続を整備しています。MCO
の取締役と格付対象会社との間、及び、MIS から格付を付与され、かつ MCO の株式の 5%以上を保有していることを SEC に公式に報告している会社間に存在し得る特定の利害関係に関す
る情報は、ムーディーズのウェブサイト www.moodys.com 上に"Investor Relations-Corporate Governance-Director and Shareholder Affiliation Policy"という表題で毎年、掲載されます。
オーストラリアについてのみ:この文書のオーストラリアでの発行は、ムーディーズの関連会社である Moody's Investors Service Pty Limited ABN 61 003 399 657(オーストラリア金融サービス認可
番号 336969)及び(又は)Moody's Analytics Australia Pty Ltd ABN 94 105 136 972(オーストラリア金融サービス認可番号 383569)(該当する者)のオーストラリア金融サービス認可に基づき行わ
れます。この文書は 2001 年会社法 761G 条の定める意味における「ホールセール顧客」のみへの提供を意図したものです。オーストラリア国内からこの文書に継続的にアクセスした場合、
貴殿は、ムーディーズに対して、貴殿が「ホールセール顧客」であるか又は「ホールセール顧客」の代表者としてこの文書にアクセスしていること、及び、貴殿又は貴殿が代表する法人が、直
接又は間接に、この文書又はその内容を 2001 年会社法 761G 条の定める意味における「リテール顧客」に配布しないことを表明したことになります。ムーディーズの信用格付は、発行者の
債務の信用力についての意見であり、発行者のエクイティ証券又はリテール顧客が取得可能なその他の形式の証券について意見を述べるものではありません。リテール顧客が、ムーディ
ーズの信用格付に基づいて投資判断をするのは危険です。もし、疑問がある場合には、ご自身のフィナンシャル・アドバイザーその他の専門家に相談することを推奨します。
日本についてのみ:ムーディーズ・ジャパン株式会社(以下、「MJKK」といいます。)は、ムーディーズ・グループ・ジャパン合同会社(MCO の完全子会社である Moody’s Overseas Holdings Inc.の
完全子会社)の完全子会社である信用格付会社です。また、ムーディーズ SF ジャパン株式会社(以下、「MSFJ」といいます。)は、MJKK の完全子会社である信用格付会社です。MSFJ は、全
米で認知された統計的格付機関(以下、「NRSRO」といいます。)ではありません。したがって、MSFJ の信用格付は、NRSRO ではない者により付与された「NRSRO ではない信用格付」であり、
それゆえ、MSFJ の信用格付の対象となる債務は、米国法の下で一定の取扱を受けるための要件を満たしていません。MJKK 及び MSFJ は日本の金融庁に登録された信用格付業者であり、
登録番号はそれぞれ金融庁長官(格付)第 2 号及び第 3 号です。
MJKK 又は MSFJ(のうち該当する方)は、同社が格付を行っている負債証券(社債、地方債、債券、手形及び CP を含みます。)及び優先株式の発行者の大部分が、MJKK 又は MSFJ(のうち該
当する方)が行う評価・格付サービスに対して、格付の付与に先立ち、20 万円から約 3 億 5,000 万円の手数料を MJKK 又は MSFJ(のうち該当する方)に支払うことに同意していることを、ここ
に開示します。
MJKK 及び MSFJ は、日本の規制上の要請を満たすための方針と手続も整備しています。
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FEBRUARY 13, 2015
格付手法:法人・消費者向けサービス業界のグローバル格付手法