Hi-PerBT KIT3

販売管理・生産管理テンプレート
Hi-PerBT KIT3
導入事例
極東ファディ株式会社 様
テンプレート方式で開発した
業務アプリをクラウド上で利用
九州北部と山口県でコーヒーの焙煎・卸・小売りに携わる
極東ファディの最大の強みは「品質が高く、鮮度のよいコー
ヒーにこだわる姿勢」。そのビジネスを支える販売管理シス
テムを再構築するに当たって、同社は販売管理・生産管理
テンプレート「Hi-PerBT KIT3」とプライベートクラウドの
組み合わせを選択しました。予定通りの工期で業務システ
ム開発とシステム移行作業を完了させ、管理工数を増やす
ことなく安定したシステム稼働を実現しました。
課 題と選 定
カスタマイズが多すぎてERPのバージョンアップが困難に
「コーヒーは、
フルーツである」
1953年創業の極東ファディは、
このようなコンセプトを掲げて九州
北部と山口県でコーヒーの焙煎・卸・小売りを手掛けている企業です。
「当社が販売するコーヒーは、
すべて焙煎から2週間以内のものです」
極東ファディ株式会社
本 社 所 在 地 福岡県北九州市小倉北区浅野三丁目6-6 連 結 従 業 員 数 150人(2013年2月現在)
事 業 内 容 コーヒー焙煎卸・小売り、業務用食品の卸・
小売り、酒類小売り
U R L http://www.fadie.com/
導入
クラウドで災害時の可用性を確保
第3の開発方式で開発期間を短縮
このような問題が明らかになっていた2010年春、極東ファディは販
売管理システムを再構築する方針を固めました。2回の再リースを経た
サーバーはすでに老朽化しており、長年使い続けてきた販売管理ERP
と胸を張るのは、同社で業務改革推進室長を務める豊嶋護氏。
この道
にもサポート終了の時期が迫っていたのです。
40年を超すマイスターがロースターの前に立って焙煎の具合をコント
「ただ、解決すべき問題が極めて多く、ERPのバージョンアップに合わ
ロールすることによって、季節・産地・銘柄にマッチした最高の香りと味
せてカスタマイズ箇所も作り直すと費用が膨大になってしまうという難題
わいを引き出しています。
もありました」
と、豊嶋氏。そこで、既存のERPをバージョンアップして新
そうした極東ファディのビジネスを支えている業務システムの一つに、
サーバーに乗せ換えるのではなく、
ハードウエアと業務システムの両方を
販売管理システムがあります。
「国産ERP
(統合基幹業務システム)
に
含めたソリューションを新たに導入することにしました。
当社向けのカスタマイズを加えた上で、仕入れ、受発注、販売、棚卸し
などに使っていました」
と、豊嶋氏は語ります。ただ、導入・稼働からかな
りの年月がたっていたこともあり、解決を要する問題も山積していました。
「本社にサーバーを集めて遠隔地のクライアントから利用するシステ
ム形態になっていましたので、
データセンターのある小倉が台風などで
停電してしまうと、遠くの支店や営業所でもシステムが使えなくなってし
まうという問題がありました。
また、
データ量の増加に伴ってレスポンス
が悪化したり、デッドロック
(リソースを奪い合って身動きが取れない
状態)
が発生して我々が手作業で介入しなければならなかったりと、
シス
テム運用管理面の問題もしばしば発生していました。
さらに、
カスタマイ
ズを加えた部分が多かったため、ERPパッケージをバージョンアップす
るのにも多額の費用が必要でした」
(豊嶋氏)
極東ファディがシステムインテグレーターやITベンダーに提示した
主な要件は、
●現行システムで発生している諸問題の解決
●業務そのものの効率化
●レスポンスタイム短縮
の3点でした。外部データセンターやクラウドを利用することも、
「 台風な
どの自然災害にも耐えられる冗長性が得られる」
「システム障害が発生
した時に社内で問題の切り分ける必要が
ない」
「ハードウエアの保守期間を気にしな
くてよい」
などの理由から歓迎するとの意向
を伝えました。
極東ファディ株式会社
業務推進部 業務改革推進室
室長 豊嶋 護 氏
極東ファディ株式会社 様
導入事例
数社のシステムインテグレーターとITベンダーから寄せられた提案を
障害対応に費やす工数も従来に比べて大幅に減らすことができました。
審査した同社は、販売管理・生産管理テンプレート
「Hi-PerBT KIT3」
と
また、電子データ交換
(EDI)
を新たに採用することにより、発注業務の
プライベートクラウドを組み合わせた日立の提案を採用することに決定。
「スクラッチ開発でもパッケージ利用でもないテンプレート方式のアプリ
ケーション開発」
「 稼働基盤としてクラウドを全面活用」
などが評価ポイ
ントでした。2011年の8月の本稼働を目標に、2010年9月に開発プロ
ジェクトをスタートさせました。
効率も飛躍的に高まりました。従来は発注伝票をプリントしてからFaxで送
信していたので、
すべてを送り終えるまでに時間がかかり、
エコロジーの観
点からも好ましい状態ではなかったのです。一方、新しい販売管理システ
ムはインターネット経由で直接データを送信する仕組みです。
「毎日大量
の発注をしていますから、効果もそれだけ大きくなっています」
(豊嶋氏)
。
この「Hi-PerBT KIT3」
は、既成のソフトウエア部品群を組み合わせ
てオリジナルの業務アプリケーションを開発する方式になっているのが
特長です。ERPパッケージをカスタマイズする場合と違ってバージョン
アップ時に余分な費用が発生することはなく、
スクラッチ開発に比べて
短期間・低コストで業務アプリケーションができあがりました。
一方、主な定性的効果としてはシステムの信頼性が高まったことが挙
げられます。
もはやデッドロックが発生することはありませんし、軽微なシス
テム障害もほとんどありません。
「おそらく、我々に見えないところでシステ
ムを監視し、事前に手を打っていただいているのでしょうが、
とにかくシス
テムは安定して稼働するようになりました」
(豊嶋氏)
。
今、極東ファディは新・販売管理システムを同社の基幹系システムに
成 果と今 後
位置づけ、他の業務システムとの連携を精力的に進めています。
開発も移行も予定通りに完了
クラウド上で安定して稼働中
すでに完了しているのは、小売店で発生したデータを集めるPOSシス
新しい方式で開発された極東ファディの販売管理システムは、予定し
た通りの工期で完成しました。2011年8月、外部データセンター内の専
用エリアに設けたプライベートクラウドで本稼働を開始。業務システム開
発に付き物の工期延長がなかったのは、一つには
「Hi-PerBT KIT3」
を
利用して開発期間と工数を減らすことができたためです。
また、豊嶋氏は
「『何でもできます』
ではなく、実現可否を見極め、
できる範囲、
できない範
囲をはっきり言っていただけたことが、結果的にプロジェクトをスケジュー
ル通りに進めるのに役立ちました」
と評価しています。
システムの移行作業も、
スムーズに進みました。
「以前のシステム更改
では旧システムから新システムへの切り替えにかなり長い期間を要した
のですが、
この販売管理システムは、土日の休みを利用して1回で切り
替えることができました」
(豊嶋氏)
。
それ以来システムが停止したことは一度もなく、
システム監視とシステム
テムからのつなぎ込みです。今後は、得意先がWeb画面から直接発注
できるようにするWeb EDIシステムと新・販売管理システムをダイレクト
に連結させる予定です。オンラインショップ用の電子商取引
(EC)
システ
ムとのデータ連携も充実させていく計画になっています。
このように販売に関する全データを一カ所に統合しようとしているのは、
集まったデータの分析結果から経営・実務に役立つ「有用な知」
を掘り出
すのが狙いです。
「分析のためのソリューションはすでに用意してあります
ので、
データさえそろえばすぐに活用できるはず」
と豊嶋氏は見ています。
また、以前から運営してきた会員カードの仕組みについても、
「スマート
フォン用のアプリをお客様に提供することで、従来のダイレクトメールより
大きな効果を低コストで得られるようにしたい」
と豊嶋氏は考えています。
スマートフォンやオムニチャネルの時代にマッチしたマーケティングシステ
ムへと発展させていく予定です。
販売管理・生産管理システム『Hi-PerBT KIT3』
永年培ってきた販売管理/生産管理の業務ノウハウを洗練・集約した部品群(テンプレート)
です。
「新規独自開発するオーダーメイドでは、価格も適用期間も見合わない」、
「市販パッケージでは使い勝手が悪い」
といった課題をクリアします。
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