「レトルト食品 自主調査」GI <調査結果報告書> 【抜粋編】 2014.9 ■Index 詳細版目次 0.調査設計、調査項目、参考資料 2~5 1.食生活の実態 6~8 2.「レトルトカレー」の使用実態 9 3.「レトルトカレー」の購入重視点 10 4.「レトルトカレー」銘柄評価 11~12 5.「レトルトパスタソース」の使用実態 13 6.「レトルトパスタソース」の銘柄購入重視点 14 7.「そうざいの素」の使用実態 15 8.「そうざいの素」購入実態 16 9.「レトルト食品」「そうざいの素」の魅力点・不満点 17~18 10.「レトルト食品」「そうざいの素」を利用する時の気分 19 11.利用の仕方の時系列変化 20 12.総括 21~25 ※10年前との比較 26~32 ■調査設計 【調査目的】 「レトルト食品」および「そうざいの素」の使用実態を把握し、10年前の調査時からの実態変化を探索する。 【調査方法】 グループインタビュー(120分) 【調査対象】 40~69歳一般世帯主婦 【対象者条件】 <共通条件> ・週3回以上、自宅で夕食を食べる者 ・夕食の調理をメインでしている者 ・最近3ヵ月以内に、デパ地下で惣菜を月1回以上購入する者 ・最近3ヵ月以内に、スーパーで市販の「加工食品」を月3回以上購入・食用する者 ・最近1ヵ月以内に、「レトルトパスタソース」「レトルトカレー」「そうざいの素」を各1回以上、自分で買って食べた者 ※本人及び家族に右記該当がいる場合はNG…「食生活が特異」「(本人が)妊娠中」 <グループ設定> 1G:小学生~中学生子あり世帯(親など同居不可)/40~49歳主婦 2G:子独立世帯(夫婦2人暮らし)/50~69歳主婦 【サンプル数】 6名×2グループ(12名) 【調査日程】 日 8/8 (金) 時 G 属性 会場 10:30~12:30 1G(6名) 小学生~中学生子あり世帯 40~49歳 主婦 14:00~16:00 2G(6名) 子独立世帯 50~69歳 主婦 JMA 宇田川町 インタビュールーム 1.食生活の実態――①食事内容と、支度にかける時間 【共通】 ■朝食・昼食の支度には時間をかけず、簡単に済ませていた。 ―【朝食】自分も家族も軽めの食事でよい。 ―【昼食】家族は学校や会社に行っており、家にいるのは自分一人だけのことが多い。 ■夕食は家族が揃うため、家族の好みやおかずの品数を考慮しながら、時間をかけて準備していた。 ―その日に家で食事をする人数やメンバーによって、メニューや調理にかける時間を変えていた。 ex.娘と自分だけの時は簡単にできるもの/夫がいない時は品数少なくていいからオムライス/一人の時はコンビニで買ってしまう 朝食 自分も家族も朝食は軽めに済ませており、食事の支度に時間をかけていない。 食べるものがおおよそ決まっており、ルーティン化している者も目立っていた。 パン食の者が多数で、卵・ウインナー・サラダなどの簡単に用意できるおかずと一緒に食べていた。 ご飯食の者も味噌汁・納豆程度のもので食事を済ませており、朝食のためにしっかり料理をする者は見られなかった。 昼食 家に自分一人の時は、冷蔵庫にある残り物で済ませる。 家族が家にいる時はパスタやそば、うどんなど、時間を掛けずに食べられる麺類などを用意していた。 レトルトカレーや、出来合いの惣菜などを活用することもある。 夕食 家族が揃うことが多いため、三食の中で一番時間をかけて調理していた。 日によって調理に掛ける時間はまちまちだが、短い時で20分位、長い時は1時間以上かけて調理している。 3.「レトルトカレー」の購入重視点 【小学生~中学生子あり世帯】価格を重視し、100円前後の安価な商品を定番としてよく購入している。 子供に食べさせるものと、完全に自分用のものとで商品の選択基準が違っており、自分用には200円弱の高めの価格帯の 商品を選ぶこともある。普段は定番品を買うことが多く、新商品に手を出すことは少ない。 【子独立世帯】少しくらい高くても美味しいものを食べたいと考えており、300円以内程度であれば価格はさほど気にしない。 全員が「新商品も積極的に試す」と発言し、トライアルのハードルも低い。 40代・小学生~中学生子あり世帯 50~60代・子独立世帯 ・価格重視で100円前後の安価な商品を よく購入する。 ・少し高くても美味しいものを食べたいと 考えており、300円以内程度であれば価格は あまり気にしない。 ・子供に食べさせるもの(自分も食べる)と、 完全に自分用のものとで買い分けをする。 自分用には、高めの価格帯(200円弱)の 商品を購入することもある。 購入重視点 「カリー屋カレーは値段の割に美味しい」「カレー曜日は具が 大きくて美味しいからけっこう買う」などの発言も聞かれた。 定番: 100円前後。子供も食べられるクセのない味のもの。 自分用: 少し高めの価格帯(200円弱)。グリーンカレーや チキンマサラカレーなど、メニューとして家で作れない ものが多数から挙がっていた。 定番の商品を買うことが多く、 新商品にはあまり手が出ない。 「試食で美味しかったら」「値段に納得できたら買う」など の発言が聞かれ、トライアルへのハードルは高かった。 ・100円前後の安価な商品でも味に納得す れば購入している。 トライアル へのハードル 全員が「新商品を積極的に試す」と発言。 何万円もするようなものではないから、気になったら買って みるとのこと。 4-1.「レトルトカレー」銘柄評価 <購入されていたもの> ◎ ほぼ全員が普段購入していた。 買いやすい価格で味も良いと好評価だった。 「安いけど美味しい」「クセがないから子供に食べさせやすい」との声が聞かれ、 買いやすい価格と、味への満足度がともに高かった。 ハウス カリー屋カレー 中辛 ¥95 <GIの場で評価が高かったもの> ◎ ○ 「美味しそうだと思った」「買うきっかけにはなる」「迷ったら名前が通った方を選ぶ」 などの声が聞かれた。 新宿中村屋 技あり仕込み ビーフカリー 濃厚リッチ 中辛 ¥189 ◎ △ ハウス 炒めて香るカリーソース チキンマサラカリー ¥237 有名店の名前がついている安心感があり、購買意欲はかき立て られるが、購入の決定打にはなっていなかった。 簡単な調理が必要だが、 「作った感が出る」「手抜き感が薄れる」と、多数に支持された。 ただし認知率は低く、店頭では目に留まっていなかった。 反面、「レトルトを使う時は完全に手を抜きたい」と考える者には受容されなかった。 5.「レトルトパスタソース」の使用実態 <使用シーン> 使用場面はレトルトカレーと同様に昼食が多かったが、カレーは1人で食べる者が多数だったのに対し、 パスタは家族と一緒に食べている者も多かった。 ―家族の人数が多い者は、いくつも買わないといけないため、主に1人で食べていた。 <食べ方> ボリュームアップのために具材を足したり、味を変えたり(生クリームを足す等)と手を加えて食べている者も目立った。 子独立世帯では、 「調味料感覚で使う」との声が聞かれ、グラタンのソースや炒め物の味付け等に使用する者 も多数存在した。 40代・小学生~中学生子あり世帯 50~60代・子独立世帯 昼食に自分1人か、家族と一緒に。 具材を足して夕食に出すこともある。 昼食に1人か、夫と一緒に食べる。 パスタ以外の料理の味付けにも 利用している。 1人で食べるだけでなく、土日に家で食べる人数が少ない ときに使う。具材を足してボリュームアップして夕食に出すこ ともある。 そのまま食べる者もいるが、ボリューム アップのために手を加える者も存在。 具材を足したり、味を足したりしていた。 食べるシーン パスタとして食べるのは主に昼食だが、パスタ以外の料理にも 調味料感覚で使用しており、アレンジの幅は広い。 食べ方 「ボリュームアップさせたら夕食にも出せる」「手抜き感が薄れ る」との声が聞かれた。 あり 買い置き 具材を足すのはもちろんのこと、 アレンジして夕食の一品にもしていた。 かぼちゃやナスにミートソースとチーズをかけて焼いたり、 きのこソースやバターソースを炒め物の味付けに使ったりと、 パスタ以外の料理にも当たり前のように使っている。 あり 6.「レトルトパスタソース」の使用実態/銘柄購入重視点 <パスタソースのアレンジ例> ・ミートドリアのソースに。 ・ナスやかぼちゃにかけて、 チーズをのせて焼く。 ・自分でミートソースを作 る時に味の補助に加える じゃがいもと混ぜて タラモサラダに 野菜の炒め物を 作るときの味付けに <パスタソースの購入重視点> 40代・小学生~中学生子あり世帯 50~60代・子独立世帯 ・普段使いは200円前後のもの。 250円前後のものは“高級志向”だと感じて いるが、自分用としてたまに購入することもある。 「味が美味しい」として、250円前後の高めの 価格帯の銘柄を普段使いしている。 ・よく購入するものとして挙がったのは、 <よく買う商品> 「ミートソース」「たらこ」など、 オーソドックスで子供が好きなもの。 【普段使いに利用】 よく購入する 商品/ お気に入り 商品 「美味しい」「レストランに行った 気分になれる」として多数から 支持されていた。 【自分用としてたまに購入】 “自分で作れない味”“手間が短縮できること” が購入条件。 「カルボナーラは自分でも短時間で作れるから買わない」等と の声も聞かれた。 多数が「青の洞窟」「ラ・ベットラ」を“お気に入り”として挙げ ており、高めの価格帯の商品を普段から使用していた。 「ミートソース」や「たらこ」など、【子あり世帯】と同じような 銘柄も使用している。 購入重視点 多少価格が高くても、“味が美味しいこと”が 一番の条件。 「レストランの味」「ちょっと高級感がある」等の声が挙がった。 7.「そうざいの素」使用実態 <中華>は全員が使用していたが、<和食><洋食>は使用者が限られていた。 <和食>両グループから「自分でも作れる」との声が多く聞かれたが、【小学生~中学生子あり世帯】は、 「子供が喜ぶ」「手一杯なときに、簡単におかずが1品増やせる」としてお助け的に利用していた。 【子独立世帯】は主婦歴が長く自分でも手早く作れることから、使用する必要性を感じていなかった。 <洋食>「専用の素を使用しなくてもデミグラスソースやトマト缶で作れる」として使用者は少なかった。 小・中学生 子あり世帯 中華 ◎ 子独立 世帯 ◎ 使用状況 全員が「使う」と回答。 中華系調味料を揃えても使いきれず無駄になるため使い切りタイプが 便利なことと、味付けの心配なく安心して使えることが魅力となっていた。 調味料を組み合わせたり、混ぜる手間が省けるのも便利との声が挙がっていた。 中華と同じ感覚で、スンドゥブやチャプチェなど韓国料理のものを使用する者も見られた。 【小学生~中学生子あり世帯】は多数が使用していたが、 【子独立世帯】では使用率が低かった。 和食 ◎ △ 【小学生~中学生子あり世帯】は、自分自身は好きな味ではないとしながらも、 「子供は外の味に飢えているから喜ぶ」「他のことで手一杯だけど一品足りないときに使う」と、 “子供のことを考えて”“食卓全体のボリュームアップのために”使用していた。 【子独立世帯】は主婦歴が長いことから、「これくらいなら自分でもすぐ作れる」「家にある調味料で作れ る」と、そもそも和食系に“手軽さ”を感じていなかった。また、量が少量あればよいことから「もう一品足りな いという時は惣菜を買ってきちゃう」と市販惣菜に頼るケースも多かった。 両グループともに、使用者はごく少数だった。 洋食 △ △ 使用者は、「トマトを沢山もらったからいつもと違う味で食べるために使った」「サフランが入ったレシピなど、 難しい料理が簡単にできるのがいい」等と発言。多数は、「トマト缶やデミグラスソース、生クリームを使って 自分で作れるから専用の素を買う必要がない」としていた。 8.「そうざいの素」購入実態 <よく購入する商品> ・全員が使用する中華では、「Cook Do」が多数から支持された。(ほぼ全員が使用) 麻婆豆腐、麻婆茄子、回鍋肉、エビチリなど定番中華を主に利用している。 ■使い方■ 40代・小学生~中学生子あり世帯 レシピ通りの作り方だけでなく、具材を足したり、変えたり して使うことも多い。 メインのおかずにする時は肉を足してボリュームアップ、 サブおかずのときは野菜だけ等、同じ商品でも目的に よって使い方を変えていた。 50~60代・子独立世帯 1回分でも2人では使い切れず残してしまうとの発言が 複数から挙がったものの、調味料を一つひとつ揃えるよりも 専用の素のほうが便利と全員が発言。 そのままの使い方だけでなく、エビチリの素を唐揚げにかけ る等、独自のアレンジをする者も存在。 ・【小学生~中学生子あり世帯】で使用者が多かった和食では、 「うちのごはん」のほか、「釜めしの素」「炊き込みご飯の素」などが挙がっていた。 <トライアル> ※多数が、家に「そうざいの素」を数種類ストックしていた。 ・そうざいの素への依存度が比較的高い【小学生~中学生子あり世帯】は、「新しいものでも美味しそうだと 思ったら試す」としてトライアルのハードルは低い。一方、【子独立世帯】は「試食やサンプルで美味しかったら 買う」と話し、味がわからないものには消極的であった。 9‐1.「レトルト食品」「そうざいの素」の魅力点・不満点 「レトルトカレー」「レトルトパスタソース」と「そうざいの素」とでは、使用するシーンや目的に明確な違いが見られたため、 以降、レトルトカレーとレトルトパスタソースを『レトルト食品』として、「そうざいの素」とは分けて定義する。 「レトルト食品」と「そうざいの素」の共通点 ■魅力点 「すぐに食べられる」や「手抜きできる」など、準備時間の短縮ができることや簡便性が挙がった。 ■不満点 開封したら使いきらなくてはいけない」と量が調整できないことに不便さを感じていた。 <それぞれの魅力点・不満点> レトルト食品 そうざいの素 ■魅力点 ■魅力点 1袋が1~2食分と少量のため、「それぞれの好みで 好きな味を食べられる」として選ぶ楽しみに繋がっていた。 ―【子あり世帯】では、「子供はエスニックカレーが苦手だけれど 「品数や料理のバリエーションが簡単に増やせること」に 加え、「いろいろな調味料を揃えなくても1つで味が決 まる」点が便利・安心感がある、として魅力となっていた。 具材の量や中身によってアレンジができることも使い勝 手がよいとして評価されていた。 自分は好きだから自分用として買う」などの声が聞かれた。 ■不満点 味については「意外に美味しい」と話す一方で、「具材 が少なく、パッケージ通りではない」や「レトルト独特の 風味がある」などの声も挙がっていた。 ■不満点 「牛肉とエリンギの○○炒めなど、“入れる具材がきっち り決まっている商品”は具材を変えたら合わないようで 使いづらい」との声が聞かれ、多数が手が出しづらいと 感じていた。 11.利用の仕方の時系列変化 小学生~中学生子あり世帯 子供が小さい時よりも使う頻度が増えた。 →小さい時は薄味かどうか、添加物など気にしていた →子供が成長し食べる量が増えたため品数が必要になった →仕事をするようになって登場機会が増えた <今後は?> 多数が「使用機会はさらに増えそう」と回答。 子供の手が離れたら料理をしっかりやるという者も 少数ながら存在していた。 ―ご飯を食べる人数が少なくなったら、2人のために作るより、 こういったもの(そうざいの素)がメインになりそう ―商品の種類が沢山あるのでレパートリーの少なさをごまかせそう 子独立世帯 子供が独立して食事を食べる人数が 減ったことや、長く料理を作り続けてきて、 そろそろ楽をしたい気持ちがあることから 使用頻度は増えている。 ―子供がいたころは山のように作っていたが、 今はレトルトカレーで足りる ―「美味しい」と言ってくれる人がいなくなって張り合いがない ―調味料の加減も勘が落ちた ―昔よりも選べるものが増えたし、味も研究されている ―使い勝手も工夫されていて便利 両グループともに、以前よりも使用頻度が増えたと回答。 ・【子あり世帯】は子供が成長して、量や品数が必要になったことから「お助け的」に使用していた。 【子独立世帯】は食べる人数が減ったことで、以前よりも料理に重きを置かなくなったことや、 長年料理をしてきて手を抜きたい気持ちから使用していた。 ・「以前と比べて美味しくなった」「種類も増えて選べるようになった」「味が研究されている」「料理上手に なった気分になれる」などの声も挙がり、イメージが良くなったことも使用頻度の増加に繋がる要因の一つ となっていた。 10年前 との比較 ※ ※ 2003年11月17日、18日実施 「加工食品」についてのグループインタビュー(自主企画) 40‐49歳 小学生~中学生子あり世帯主婦/50‐59歳 子供独立世帯主婦 3.「食に対する意識」の変化① クックパッドなど料理レシピサイトの普及により、料理環境が変化 料理レシピサイトが一般化したことで、家にある材料や調味料で簡単に作れるメニューをすぐに調べることができるようになった。 → 買い物行動の変化。メニュー決め、調理意識の変化。 2003年 2014年 レパートリー以外のメニューは料理本が頼り “安い食材を買ってクックパッドで検索”が主流に レシピサイトが現在のように一般化されていなかったため、自分の 自分のレパートリー以外のメニューもインターネットでパッと調べ レパートリーにないメニューは料理本を頼りに作るしかなかった。 て作るのが日常になっている。 「安い食材を買ってから何を作ろう そのため、「本を引っ張り出してきて、えーと…なんてやるよりも、そ かクックパッドを見る」「買い物しながらクックパッドで調べる」などの うざいの素でざっと作れた方がいい」という声が聞かれていた。 声が多く聞かれた。そうざいの素は必要としているが、味付けにおい て“頼りにする度合”は低くなっているのではないか。 調理に掛ける手間が、より簡便化→加工品・加工調味料(たれ・つゆ等)への依存度が高くなった 2003年には、「めんつゆなんてみりんと醤油と鰹節で煮ちゃえばできる」「ポタージュはフードプロセッサーで作る」などの声 が聞かれ、ここ10年で加工食品・加工調味料への依存度が増したことがわかる。 詳細版レポートのご案内 本レポートは抜粋編です。 フルレポートの内容は、株式会社ジャパン・マーケティング・エージェンシーの自主企画調査として、 無償でご説明におうかがいします。 ご興味・ご関心をお持ちの方は、下記ご連絡先までご気軽にお問い合わせください。 お問い合わせ先 吉田聖美(ヨシダキヨミ)
© Copyright 2025 ExpyDoc