me1873787 ─ジャンル別に見る適応と有用性 Ⅱ 臨床における “いま” と “これから” ●依頼科の視点─PET/CT,SPECT/CTで得られる代謝・機能情報に期待すること 1)頭頸部外科の立場から 菊地 正弘 神戸市立医療センター中央市民病院 耳鼻咽喉科・頭頸部外科 頭頸部がん診療における FDG-PET/ 2003 年) 。危険因子としては酒・たばこ バースコピーで見落としがちな病変の指 CT 検査は,もはや必要不可欠な検査と が有名であるが,中咽頭における human 摘,治療効果判定,予後予測において, なっている。その有用性については,すで papilloma virus,上咽頭における EB ウ PET 検査に期待している。各々につい て概説する。 に多くの先行論文が報告するとおりである。 イルスといったウイルスの慢性感染もリ しかし,実際の診療側から見た PET 検査 スクとなる。咀嚼・嚥下・発声といっ に対する期待や要望,PET 検査のピット た機能や形態にかかわる臓器に発症しや フォールを取り上げた報告は少ない。本稿 すいため,特に進行がんの根治治療法の では,依頼科側から見た PET 検査への視 選択として,根治性を重視し手術を中 1.形態画像診断で見落としがち な病変の指摘 1)小さな遠隔転移病巣 点を取り上げることで,今後 PET 診断が 心とした集学的治療を行うか,あるいは 遠隔転移病巣の存在は,手術の適応 より臨床に即したものになることを期待し 機能温存を重視し放射線療法を中心に がなくなるなど治療方針に大きく影響す たい。 行うかの決定は容易でない。 るため,通常の CT では見落としがちな 頭頸部がんとは 頭頸部がんは,頭蓋底から鎖骨の領 域に発生するがんの総称である。全がん 小さな転移病巣の検出はきわめて重要で 頭頸部がんにおける FDG-PET/CT への 実臨床における期待 ある。われわれは自分の診療範疇である 頭頸部領域の画像は,自ら目を通し自 らの見解を持った上で画像診断医のレ ポートを参考にしているが,脳領域およ に占める割合は約 5%であり,比較的ま 他のがんと同様,病期決定 ,重複が び鎖骨から下の領域に関しては素人であ れながんであるが,組織学的なばらつき んの検出 ,原発不明がんにおける原発 り,同領域の診断に関しては画像診断 は少なく,その約 90%が扁平上皮癌で 巣探索 3)などに有用であるが,それらの 医の見解を全面的に信頼している。 ある。唾液腺・甲状腺を除いた部位別 有用性に関しては先行論文を参照され の疾患頻度は,口腔 59%,喉頭 16%, たい。 2)外 側咽頭後リンパ節 (図 1) (ルビエルリンパ節) 1) 2) 下咽頭 10%,中咽頭 8%,鼻副鼻腔 5%, われわれは特に,形態画像診断で見 口蓋扁桃レベルの高さに位置する同リ 上咽頭 2%である(日本頭頸部癌学会, 落としがちな病変の指摘,咽喉頭ファイ ンパ節は,中下咽頭がん,特に下咽頭 図 1 中咽頭側壁がん(扁平上皮癌, cT 2 N 2 cM 0,65 歳,男性) 造影 MR 像でも腫大リンパ節は確認できるが, 病変は見落としがちである。一方,PET/CT 画像では病変の存在は明らかである。 →:右外側咽頭後リンパ節への転移病巣 a:PET/CT 画像 44 INNERVISION (27・12) 2012 b:MRI 像(造影 T 1 強調像) 〈0913-8919/12/¥300/ 論文 /JCOPY〉 me1873787 特集 Nuclear Medicine Today 2012 図 2 舌縁がん(扁平上皮癌,cT 3 N 2 bM 0, 64 歳,男性) 造影 MR 像でも中心が壊死した腫大リンパ節は確 認できるが,病変は見落としがちである。一方, PET/CT 画像では,病変の存在は明らかである。 ←:左舌骨傍領域リンパ節への転移病巣 a:PET/CT 画像 b:MRI 像(造影 T 1 強調像) 図 3 上顎がん(扁平上皮癌,84 歳,女性)術後 右拡大上顎全摘,腹直筋皮弁再建後の局所再発 症例。 →:腹直筋皮弁外側断端に発生した再発病巣。造 影 MR 像では,病変は見落としがちである。 一方,PET/CT 画像では,病変の存在は明ら かである。 a:PET/CT 画像 b:MRI 像(造影 T 1 強調像) 後壁がんからの転移が多いリンパ節であ 断が重要な意味を持つ。早期の舌がん とが多く,手術による完全摘出後,ある る 4)。頸部郭清術は,頸部のリンパ組織 であっても,予防郭清を推奨する報告 5) いは放射線療法にて完全寛解が得られ の全領域,あるいは一部を一塊に摘出 もあるが,PET 検査にて腫大リンパ節 た後であっても,術野外あるいは照射野 する手術であるが,同領域のリンパ節を を指摘されることで,手術の際に取り残 外の神経に skip lesion として再発する 含めて一塊に摘出するのは不可能である。 す可能性が低くなると考えている。 ことを経験する。大唾液腺由来のがんに 外科的摘出は可能であるが,咽喉頭を 4)手術後の局所領域再発病変(図 3) おいては,三叉神経第 3 枝や顔面神経 同時に切除しない際は,単独での切除が 頭頸部領域の術後は,線維化による への浸潤,口腔底や歯肉の小唾液腺由 技術的に難しいことも多く,放射線療 瘢痕性変化が強く,また,皮弁を用い 来のがんにおいては,三叉神経第 3 枝へ 法が行われることもある。同リンパ節は, た再建手術後症例においては,解剖学 の浸潤再発に注意が必要である。病変 通常の形態画像診断では見落とされる 的変化も加わるため,通常の形態画像 の進展範囲の精査には造影 MRI が勝る ことが多く,PET 検査による描出は治 診断では,早期の再発診断が困難となる。 が,小病変の発見には PET 検査が勝る と考えている。 療戦略において,きわめて重要な意味を 局所再発は切除断端や皮弁周囲,領域 持つ。 再発は郭清外のリンパ領域が多い。術 3)舌骨傍領域リンパ節(図 2) 後再発病変の発見の遅延は,頸動脈や 口腔がんはオトガイ部,顎下部にリン 深頸筋などの重要・深部臓器への腫瘍 パ節転移を来しやすいが,まれに舌骨大 の進展や遠隔転移病巣の出現につながり, 咽喉頭ファイバースコピーは,頭頸部 角周囲の深層にリンパ節転移を来す。 救済治療が不可能になってしまうリスク 領域の診察の基本である。唾液腺・甲 これらのリンパ領域を舌骨傍領域リンパ をはらんでいる。根治治療後であっても, 状腺を除く原発部位の観察が可能であり, 2.咽喉頭ファイバースコピーで 見落としがちな病変の指摘 節と言うが ,同リンパ節の存在は耳鼻 進行がんの局所領域再発のリスクは高く, 低侵襲かつ外来レベルで頻回に施行可 咽喉科医・頭頸部外科医ですら認識さ PET にて早期に再発病変を発見するこ 能である。近年では,細経化と画像解 れていないことも多いため,通常の形態 とが,進行がん患者の予後改善につなが 像度の向上が目覚ましく,電子内視鏡 画像診断では見落とされることが多い。 ると考えている。 においては狭帯域光を用いた NBI システ 同領域も通常の頸部郭清術の範囲外で 5)神経周囲浸潤病変(図 4) ムに切り替えることで,粘膜表面の血管 あるため,単独に郭清する必要性はある 唾液腺より発生することが多い腺様囊 のコントラストつけることが可能となり, が,技術的には容易であるため,存在診 胞癌や腺癌は,神経周囲浸潤を伴うこ 表在癌の発見向上につながっている。 5) INNERVISION (27・12) 2012 45 me1873787 a:PET 画像 b:CT 画像 c:PET/CT 画像 図 4 耳下腺がん(腺癌 NOS,49 歳,男性)術後 右拡大耳下腺全摘,頸部郭清術後の局所再発症例。 ←:卵円孔から頭蓋底に進展する再発病巣。本症例は,神経浸潤が著明であり, 三叉神経第 3 枝からの skip lesion と思われる。 図 5 中咽頭前壁がん(扁平上皮癌,cT 1 N 2 bM 0, 67 歳,男性) 右の咽喉頭ファイバースコピーでは,舌根扁桃肥大と の鑑別が困難であるが,左の PET/CT 画像では病変 の存在は明らかである。 →:舌根病変 a:PET/CT 画像 b:咽喉頭ファイバースコピー画像 * 図 6 声門上喉頭がん(扁平上皮癌,cT 4 aN 0 M 0, 80 歳,男性) 咽喉頭ファイバースコピーでは,左声帯( *印)の軽 度の発赤と,左仮声帯(←)の軽度腫脹・発赤を認め るが,積極的にがんの存在を疑う所見ではない。一方, PET/CT 画像では病変の存在は明らかである。 ↓:声門上(喉頭室)病変 a:PET/CT 画像 表在癌や早期がんの検出度は,PET 検 b:咽喉頭ファイバースコピー画像 る診断のピットフォールとなる。正常舌 んが発生することは非常にまれであるが, 査より咽喉頭ファイバースコピーが高い 根は,扁桃領域であるため触診上ある程 同部から発生した病変は,ファイバース わけだが,舌根と喉頭室領域のがんは浸 度硬く,また生理的扁桃肥大例が多い コピーでは角度上観察不可能となるため, 潤癌であってもファイバースコピーで見 ということも,同部のがんの視診・触診 ピットフォールとなる。同領域の病変も 逃され,MRI や PET などの画像検査で での診断を困難にしている。扁平上皮癌 画像診断のウエイトは高い。 初めて指摘されることを経験する。 以外にも,小唾液腺由来のがんや悪性 1)舌根病変(図 5) リンパ腫も発生する。同領域の病変の画 中咽頭前壁に相応する部位の病変で 像診断のウエイトは高い。 3.治療効果判定 治療効果判定目的の PET 検査に保 ある。舌根扁桃の陰窩から発生したがん 2)喉頭室(図 6) 険適用はなく,あくまで研究の範疇を超 は,舌根深部に浸潤し隆起性病変とな 声帯と仮声帯の間の側上方に陥入し えないが,治療後の糖代謝変化は形態 らないことが,ファイバースコピーによ た部分を喉頭室と言う。喉頭室からが 変化に先行するため,形態画像検査よ 46 INNERVISION (27・12) 2012 me1873787 特集 Nuclear Medicine Today 2012 表 1 当施設における PET 検査を用いた導入化学療法の効果判定基準 有 効 SUVmax 減少率> 55 . 5%あるいは導入化学療法後 SUVmax < 3 . 5 無 効 SUVmax 減少率 55 . 5%≧かつ導入化学療法後 SUVmax ≧ 3 . 5 り早期の治療効果判定が PET 検査にて 頭において臓器温存を図ることが可能と 可能である。その最大の利点は,化学 されている(chemoselection) 。一方, 期の撮像では,治療による炎症が残存 療法や放射線療法の効果判定を早期に 姑息的化学療法においては,同一レジメ していることから偽陽性率が高くなり, 行うことで,その後の治療方針を柔軟に ンの化学療法の継続性の可否を評価す また,遺残性腫瘍が再増大するに至ら 6) るのは撮像時期である。照射終了後早 変更できることにある。 ることになる。化学療法無効例に同一 ないことから,偽陰性率も高くなる。一 1)化学療法の効果判定 レジメンの薬剤を複数クール投与するこ 方で,遅い時期に撮像すれば,当然偽 頭頸部がんにおける化学療法は,根 とは,身体的・精神的・金銭的負担の 陽性・偽陰性率は減少し,PET 検査の 治治療の前に行われる導入化学療法, 増大につながるだけでなく,導入化学療 正診率は上昇するわけだが,再発判明 根治治療の後に再発予防目的で行われ 法施行例においては,腫瘍の増大から当 時のサルベージ手術が,放射線による組 る補助化学療法,放射線療法の感受性 初は可能であった手術が不可能になっ 織の瘢痕化の進行にて困難になることが を高めるために同時に行われる併用化学 てしまうリスクもはらんでいる。よって, あるのが問題である。組織の瘢痕化が進 療法,そして再発時に行われる姑息的 PET 検査を用いることで,化学療法の まず安全に手術ができる時期は,照射後 化学療法に大きく分けられる。このうち, 早期効果判定,具体的には形態画像検 3 か月以内(surgical window)と言わ 効果判定を要するのは,導入化学療法 査では判定不可能とされる 1 クール終了 れており,同期間内に遺残性腫瘍を高 と姑息的化学療法である。化学療法の 時点での判定が期待される。われわれは, い正診率で診断することに,PET 検査 効果判定は,通常形態画像診断による PET 検査を用いることで,導入化学療 への期待があると言えよう。海外の文献 8) 最 長 径 変 化 に 基 づき 判 定 されるが 法 1 クールの施行のみでその効果判定が では,炎症の影響がなくなる 10 〜 12 週 (RECIST) ,腫瘍の縮小には時間を要 可能であると考えている 。表 1 にわれ での撮像が推奨されているが,この時期 するため,その判定時期は 2 クール以上 われが用いている PET による判定基準 はサルベージ手術を行うタイミングとし 施行後が良いとされている。 を示す。 ても最適である。われわれも放射線療法 ここで注意を要することは, “化学療 しかし,PET 検査の撮像のタイミン 終了後 10 週での PET 検査による効果判 法で根治することがない”頭頸部がんと, グやカットオフ値の設定はいまだに定まっ 定を基本としているが,臨床上大切なこ た基準がないため,多くの症例の検討で とは,逆説的ではあるが,PET 診断を “化学療法で根治をめざす”白血病や悪 7) 性リンパ腫のような血液リンパ系疾患と 確固たる基準の確立が望まれる。 絶対的指針とはしないことである。他の では,化学療法の効果判定の意味合い 2)放射線療法の効果判定 検査で臨床上遺残の疑いがあれば,より がまったく異なるということである。後 頭頸部がんにおける放射線療法の効 早い時期に病理組織検査を行うことも 者においては,根治的化学療法後に完 果判定は,根治線量照射後に腫瘍が消 多い。他の検査で CR と判断した症例, 全 寛 解 が 得 られたかの 評 価(C R か 失したかを判定する一次効果判定が中 あるいは明らかな残存腫瘍はないものの, non-CR か)が重要であるのに対し,頭 心となる。照射途中に(40 〜 55 Gy 照射 浮腫の影響などにて判定が困難な症例 頸部がんにおいては有効か無効かの判断 後に)効果の反応性を見ることで,根治 などに PET 検査を行うことで,さらな (PR 以上か PR 未満か)が重要となる。 照射を行うか,あるいは照射を中止して る精査(全身麻酔下の組織採取など) よって,PET 検査において化学療法の 手術に切り替えるかを判断する中途効果 を必要とするか,経過観察とするかを判 効果判定を行う場合,血液リンパ系疾 判定も時に行われるが,一般的ではない。 患においては,治療後に腫瘍への FDG よって PET 検査における効果判定も, 集積が消失したか否かをもって判定すれ 放射線療法終了後に腫瘍が消失したのか, ばよいが,頭頸部がんにおいては,FDG あるいは残存しているのかを判定するこ 集積の変化や治療後の腫瘍への FDG 集 とに臨床上の期待がある。なかでも,咽 断することに最大の期待を抱いている (図 7) 。 4.予後予測 頭頸部がん診療においては,機能温 積の程度をもって効果判定を行う必要 喉頭領域は,放射線療法終了後に浮腫 存とともに根治性が望まれる。局所進行 性がある。しかし,頭頸部がんを含めた が長期間持続することがあり,咽喉頭ファ がんにおいては,初回の根治治療法の選 固形がんに対する化学療法の PET 検査 イバースコピーでは残存腫瘍の観察が不 択として,手術か放射線療法かの選択 による効果判定基準は定まっていない。 可能であったり,CT や MRI では治療 は悩ましいことが多い。根治性を優先さ 頭頸部がんにおける導入化学療法は, 後変化なのか遺残性腫瘍なのか判断が せ手術を選択すると機能低下は避けら 効果判定に応じて手術か放射線療法か 不可能であったりするため,PET 検査 れず,一方で,機能温存を優先させ安 の根治治療法を選択することで,特に喉 に対する期待は大きい。ここで問題にな 易に放射線療法を選択すると,腫瘍残 INNERVISION (27・12) 2012 47 me1873787 遺残疑い 組織生検 咽喉頭ファイバースコピー 形態画像診断(MRI など) 遺残疑い CR あるいは 判定不能 PET 検査 (終了後 10 週) CR 経過観察 図 7 当科における頭頸部がん放射線療法後の一次効果判定(原発)の指針 PET 検査は放射線療法後 10 週の時点で撮像し,CR と判定すれば経過観察としている。PET 検査を含めた臨床所見で 腫瘍の遺残の疑いがあれば組織生検を行う。 存時のサルベージ手術が困難になること た予後規定因子であることを報告した 10)。 から根治性を下げてしまうリスクがある。 このことから,導入化学療法有効例には, 根治治療の前に放射線療法の感受性や 放射線療法を中心とした臓器温存治療 生命予後の予測が可能であれば,リスク を,無効例には手術を中心とした集学 に応じた個別化医療が可能になると言え 的治療を勧め,各個人に最適な治療法 る。T 因子,臨床病期分類とは独立し を選択する個別化医療が期待される。 た予後予測因子として PET 検査が期待 PET 検査への期待は,こうした個別化 されている。 医療の施行の決定が,より早期の時点 1)放射線療法の感受性予測 で可能であることだと考えている。 腫瘍の酸素化状態は,放射線療法の 感受性を決定する最大の要因と言われ ており,低酸素腫瘍の感受性は低い。 まとめ 低 酸 素 領 域のトレーサー である 診療科側が,頭頸部がん診療におい FMISO 9)や FAZA を使用することで, て PET 検査に何を求め,何を期待して PET 検査により腫瘍の低酸素領域を画 いるかについて述べた。通常の頸部郭清 像化し,感受性予測が可能とされている。 術の範囲外となる外側咽頭後リンパ節 現在では,がん治療における保険適用の や舌骨傍領域リンパ節の存在の指摘や, トレーサーは FDG のみであり,今後の 咽喉頭ファイバースコピーで見落としが 実臨床への応用に期待したい。 ちな喉頭室や舌根領域の所見は,たと 2)生命予後予測 え疑い病変であっても,画像診断側か 治療前の FDG 集積が高度である腫瘍 ら積極的に診療サイドに指摘してほしい は,浸潤性が高く悪性度が高いとされる。 と望んでいる。 治療前 SUVmax が高値である腫瘍は,生 また,PET 検査による治療効果判定 命予後が不良であるとする報告は多いが, と治療方針決定の確固たるエビデンスの Cox 比例ハザードによる多変量解析を行 確立,それらの保険適用を診療科側は うと,粗生存率や疾患特異的生存率に 切実に望んでいる。 おいて,独立した予後因子とはならない ◎ 報告も多く,治療前 SUVmax が独立した PET 検査を含めた画像検査において 生命予後予測因子かどうかは現時点で は,画像診断医と診療医が意見を交換 は不明である。 してこそ,その確実性・有用性が上がる われわれは,導入化学療法 1 クール後 と強く感じている。双方が気軽に意思疎 の PET 検査による効果判定が,局所制 通を図れる良好な環境の構築が大切で 御率と疾患特異的生存率において独立し ある。 48 INNERVISION (27・12) 2012 ●参考文献 1)Veit-Haibach, P., Luczak, C., Wanke, I., et al. : TNM staging with FDG-PET/CT in patients with primary head and neck cancer. 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