報道関係者各位 2014年9月2日 エスエス製薬株式会社 全国の胃もたれ経験者 20代~60代 男女840人に聞いた 「胃の不調に関する意識と実態調査」 年々、胃は衰えている!? 約7割が「以前と比べて胃の不調を感じている」 不調を加齢によるものと自覚している人はまだ5割強 昔より胃が弱くなったと自覚する年齢は平均「39歳」 胃の不調は、パフォーマンスを平均40%低下させる エスエス製薬株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長:石橋利哉)は、「胃もたれ」「胃が重い」「胃弱」など日本 人の多くが訴える胃の不調に関する意識と実態を探ることを目的に調査を実施致しました(調査対象:予備調査/全国の 20 代~60 代男女 20,000 人、本調査/20 代~60 代男女で、過去1年以内に「胃もたれ・胃が重い」「胃弱」を経験した 840 人)。 厚生労働省の「国民生活基礎調査」によれば、胃もたれや胸やけを訴える割合は年齢とともに増加し、男性は 60 代で、女 性は 50 代で、それぞれ 3 人に 1 人の割合にのぼっています。加齢に伴う胃の機能低下が一因とみられることから、社会の 急速な高齢化に伴い、胃もたれはまさに国民病ともいえる健康課題となっています。 本調査では、胃もたれのある人の約 7 割が「以前と比べて胃の不調を感じる」と回答しています。また、以前と比べた胃 の変調は平均「39 歳」から始まっていることなどがわかりました。調査結果の概要は以下の通りです。 ■調査結果サマリー 胃もたれの 7 割以上を占める!? 以前と比べて増えた胃の不調 胃の不調の原因を「加齢」と考えている人は 2 割弱 昔より胃が弱くなったと自覚する年齢は平均「39 歳」 胃の不調が加齢によるものと自覚している人はまだ半数強 胃の不調は、5 日に 1 回のペースで襲ってくる 「朝起きた時」や「夕食を食べている時」の胃もたれで昔に比べ胃の不調を実感 胃の不調によってパフォーマンスは 40%も低下 胃の不調時の対応は、「市販の胃薬」が最多 ■胃もたれの意識と実態 ●日本人の 4 割近くが「胃もたれ」に悩んでいる 全国の 20 代~60 代の男女 20,000 人に、過去 1 年以内の胃の不調の有無を具体的に症状をあげて聞いたところ、最も 多かったのは「胃もたれ・胃が重い」で、4 割弱(36.9%)が経験しています。 次いで「吐き気・むかつき」27.7%、「胃の痛み」26.0%、「胸やけ」24.7%、「げっぷ」22.5%と続きました。 過去 1 年以内に感じたことのある胃の不調【予備調査 n=20,000 名】 50 スク リ ーニン グ調査( n = 2 0 , 0 0 0 ) 36.9 40 27.7 30 26.0 24.7 22.5 18.2 20 9.0 8.9 8.5 10 1.7 0 胃 も た れ ・ 吐 む き か気 つ き 胃 の 痛 み 胸 や け げ 胃 酸 過 多 っ ・ 胃 が 重 い ぷ 胃 弱 胸 の つ か え そ の 他 胃 け い れ ん ●胃もたれの 7 割以上を占める!? 以前と比べて増えた胃の不調 次に、過去1年以内に「胃もたれ・胃が重い」「胃弱」を感じたことがあると回答した全国の 20 代~60 代の男女 840 人に、 「以前と比べて」胃もたれがしやすくなったか、胃もたれが気になるか、などをたずねたところ、25.8%は以前と比べて不調は 感じていないと回答し、残りの各回答を一つでも選んでいる人の合計である 74.2%が、以前と比べて胃もたれなどの不調を 感じるようになったと回答しています。すなわち、胃もたれに悩む人のうち、昔に比べて胃が弱くなってきていると実感してい る人は、合計で 7 割以上を占めています。 以前と比べた胃の不調【n=840 名】 【以前と比べて胃に不調がある 内訳】 50 40 以前と比べて 変化はないが、 胃もたれ・胃が重い・ 胃弱などの不調はある 36.3 34.0 26.8 30 19.1 18.4 20 8.8 10 25.8% た 胃 も た れ の 回 復 が 遅 く な た 以下、上記「以前と比べて胃に不調がある」層、「以前と比べて変化はない」層に分けて、 集計・分析をしました。 2 以 前 と 比 べ て ゆ 胃 も く た り れ 食・ べ胃 る 弱 よ が う 気 に に な な 以 前 と 比 べ て た て 、 / 胃 も た れ の 症 状 が っ っ て 長 く 続 く よ う に な っ 以 前 と 比 べ て っ 胃 も た れ ・ 胃 弱 が 気 に な っ て 肉 よ り 魚 な ど 胃 に て 優 き し た い 物 を 選 ぶ 事 が 多 く な 、 以 前 と 比 べ て っ …』 た 胃 も た れ ・ 胃 弱 が 気 に な っ っ て き た な た く て さ き ん た 食 べ ら れ な く 、 以 前 と 比 べ て っ 食 べ 物 を 選 ぶ 時 に 、 っ こ れ は 胃 に も た れ そ う 、 な ど と 考 え る よ う に な 、 以 前 と 比 べ て 、 以前と比べて胃に不調がある 計 胃 も た れ し や す く な っ 74.2% 『 0 ●胃の不調の原因 胃もたれ等のある人に、胃の不調の原因をたずねたところ、「食べすぎ」と考えている人が最も多く、5 割弱(45.2%)でした。 一方、胃の不調の原因を「加齢」と考えている人は 2 割弱(18.3%)にとどまり、以前と比べて不調ありが 7 割を超えているこ ととの間に乖離があります。加齢に伴って胃に起こる不調(P9 参照)について啓発の余地があるといえましょう。 胃の不調の原因【n=840 名】 50 全体 40 以前と 比べて胃に不調がある 30 以前と 比べて変化なし 20 10 0 体 調 不 良 悩 不 ス み 安 ト レ 緊 心 ス 張 配 、 疲 労 ・ 過 労 、 、 食 べ す ぎ 仕 事 ・ 学 業 で の 睡 眠 不 足 家 庭 で の ス ト レ ス お 酒 の 飲 み す ぎ 加 齢 不 規 則 な 生 活 不 規 則 な 食 事 時 間 胃 酸 過 多 食 事 や 栄 養 の 偏 り 体 質 ひ い た 時 な ど 水 ・ 食 あ た り ウ イ ル ス / 風 邪 を 生 理 の 時 生 活 環 境 の 変 化 そ の 他 薬 の 副 作 用 わ か ら な い 思 い あ た ら な い / 平 均 反 応 数 3.68 N数 全体 840 45.2 36.4 32.3 30.4 25.5 22.0 21.9 20.2 18.3 17.6 17.2 15.1 13.9 12.3 10.9 8.3 6.2 5.8 5.8 2.9 1.6 以前と 比べて胃に不調がある 623 45.4 39.8 33.8 33.2 28.5 24.9 23.6 20.5 21.0 19.9 18.5 15.8 16.1 13.1 10.6 8.7 7.7 6.8 6.0 3.6 0.9 3.98 以前と 比べて変化な し 217 44.6 26.6 28.0 22.3 16.8 13.5 16.8 19.3 10.7 10.9 13.4 12.9 7.6 9.9 11.8 7.0 1.8 3.0 5.1 0.7 3.7 2.83 ●以前と比べた胃の不調は平均「39 歳」から自覚 胃もたれ等のある人は、以前よりも胃の不調を感じ始めた年齢は、全体の平均で 39.0 歳でした。40 歳前後は胃もたれ適 齢期といえるようです。 胃の不調を感じ始めた年齢【n=840 名】 25 全体 20 以前と 比べて胃に不調がある 15 以前と 比べて変化なし 10 5 2 2 0 0 代 前 2 半 4 歳 2 2 0 5 代 後 2 半 9 歳 3 3 0 0 代 前 3 半 4 歳 3 3 0 5 代 後 3 半 9 歳 4 4 0 0 代 前 4 半 4 歳 4 4 0 5 代 後 4 半 9 歳 5 5 0 0 代 前 5 半 4 歳 5 5 0 5 代 後 5 半 9 歳 6 6 0 0 代 前 6 半 4 歳 6 6 0 5 代 後 6 半 9 歳 ) ) ) ) ) ) ) ) ) ) ~ ( ~ ( ~ ( ~ ( ~ ( ( ~ ~ ( ~ ( ~ ( ~ N数 ( 0 平 均 年 齢 全体 840 16.6 14.4 13.5 13.1 10.9 9.7 7.3 6.8 5.5 2.2 38.9 以前と 比べて胃に不調がある 623 15.4 14.8 14.3 12.4 11.4 9.9 7.4 7.3 5.1 2.1 39.0 以前と 比べて変化なし 217 19.9 13.5 11.2 15.3 9.6 9.2 6.7 5.5 6.6 2.5 38.5 3 ●胃の不調が加齢によるものと自覚している人はまだ半数強 以前と比べて変化ありと回答した人を対象に、自分の胃の不調が加齢によって起こっていると思うかを改めてたずねると、 “そう思う”は半数強(55.0%)にとどまり、以前と比べて胃の変化を実感しているにもかかわらず、他人事のように認識して いる人が少なくないことがわかります。一方で、年齢があがると共に自覚が高くなってくる傾向にあります。 加齢による胃の不調に関する意識 【以前と比べて胃に不調があると回答した人 n=623 名】 そう思う 0% 全体(n=623) 20代(n=124) ややそう思う 20% 40% 12.4 11.7 40代(n=133) 12.4 60代(n=102) 60% そう思わない 17.4 15.7 32.4 28.4 46.6 15.7 43.8 28.0 1.6 52.0 14.6 7.5 3.0 57.1 10.5 8.8 1.6 61.2 10.4 64.0 15.1 13.0 45.5 17.4 55.0 3.8 10.6 33.5 44.7 思わない・ 計 100% 11.9 28.2 40.2 思う ・ 計 80% 29.2 37.5 30代(n=153) あまりそう思わない 42.6 6.3 50代(n=110) どちらともいえない 21.0 12.7 2.4 ●胃の不調は、5 日に 1 回のペースで襲ってくる 胃もたれ等のある人の胃の不調を感じる頻度は、以前と比べて変化ありと回答した人で多く、「週 1 回以上」が 4 割を超え ています(43.2%)。 1 ヵ月の平均胃もたれ回数を見ても、以前と比べて変化ありと回答した人は平均 6 回以上と、5 日に 1 回のペースで胃も たれを感じており、以前と比べて変化なしと回答した人にくらべ 2 倍以上の高い頻度となっています。 胃の不調を感じる頻度【n=840 名】 40 全体 以前と 比べて胃に不調がある 以前と 比べて変化な し 30 20 10 0 2 週 間 に 2 回 1 3 回 程 月 度 に 月 に 1 回 程 度 1 6 回 程 月 度 に ヶ 1 回 程 度 ヶ 週 に 1 ~ 3 週 に 5 回 程 度 ~ ほ ぼ 毎 日 少 な い 頻 度 左 記 よ り 1 週 回 に 以 上 計 不 平 調 均 回 数 / 月 N数 全体 840 5.5 8.0 23.1 17.8 22.6 14.6 5.1 3.3 36.6 5.2 以前と 比べて胃に不調がある 623 6.9 9.4 26.9 19.1 20.4 12.7 3.5 1.2 43.2 6.1 以前と 比べて変化な し 217 1.6 3.9 12.2 14.1 29.0 19.9 9.8 9.4 17.7 2.6 4 ●「朝起きた時」や「夕食を食べている時」で以前より胃の不調を実感 胃もたれ等のある人にとって、「胃もたれ・胃が重い」などの胃の不調を最も感じる時間帯は「夕食後から寝るまで」で、半 数近く(45.5%)を占めました。 以前と比べて変化ありと回答した人は、以前と比べて変化なしと回答した人に比べ「朝起きた時」(26.7%)や「夕食を食べ ている時」(13.7%)に胃の不調を感じると回答する割合が高く、夕食で食べたものが翌朝まで胃に残っていると感じる時や、 夕食が思いのほか進まない瞬間が以前と比べて胃の不調を実感しやすいタイミングといえそうです。 胃の不調を感じる時間帯【n=840 名】 50 全体 40 以前と 比べて 胃に不調がある 30 以前と 比べて 変化な し 20 10 0 朝 食 前 ま で 朝 起 き て か ら 食 朝 べ 食 て を い る 時 昼 食 前 ま で 食 昼 べ 食 て を い る 時 夕 食 前 ま で 昼 食 を 食 べ て か ら 食 夕 べ 食 て を い る 時 寝 る ま で 目 が 覚 め る な ど 夕 食 を 食 べ て か ら 寝 た 後 夜 中 に ほ ぼ 一 日 中 そ の 他 ) 朝 食 を 食 べ て か ら ( 朝 起 き た 時 N数 全体 840 24.6 12.0 5.5 12.6 5.3 25.3 11.6 45.5 9.1 8.4 2.4 以前と 比べて胃に不調がある 623 26.7 11.6 6.0 13.6 6.6 25.0 13.7 46.3 10.1 7.7 1.6 以前と 比べて変化なし 217 18.5 13.0 4.1 9.8 1.7 26.1 5.4 43.2 6.2 10.2 4.9 ●胃の不調によってパフォーマンスは 40%も低下 胃もたれ等のある人は、胃の調子がよいときのパフォーマンス(作業効率・能率)を 100%とした場合、胃の不調時の平均 パフォーマンスの自己採点は 61.5%と、40%近くも低下していると感じていることがわかりました。 具体的にどのようにパフォーマンスが落ちるかを自由回答で見ると、「集中力が落ちる」「動きが鈍る・効率が悪くなる」な どの回答のほか、「不快感のせいで気持ちが抑圧され、イライラしがちになる」、「笑顔がないせいか、商談がうまく行きにく い」などの回答もみられました。 胃の不調によるパフォーマンス低下率【n=840 名】 30 全体 以前と 比べて胃に不調がある 20 以前と 比べて変化なし 10 0 100% 90% 80% 70% 60% 50% 40% 30% 20% 10% 0% 平均 N数 全体 840 2.0 6.2 15.8 24.2 21.5 12.5 6.7 5.5 2.7 2.7 0.2 61.5 以前と 比べて胃に不調がある 623 1.7 5.2 14.8 25.5 23.2 13.0 6.8 5.7 2.0 2.1 0.0 61.5 以前と 比べて変化なし 217 2.9 9.1 18.7 20.6 16.8 10.9 6.5 5.0 4.6 4.2 0.7 61.4 5 ●胃の不調時の対応は、「市販の胃薬」が最多 胃もたれ等のある人の胃の不調時の対応は、「市販の胃薬を服用する」が最も多く、4 割(42.0%)が OTC(市販薬)を利 用しています。 また、以前と比べて変化ありと回答した人は、「胃にやさしい食品を選ぶ」「食事量を減らす」「間食・夜食を控える」が以前 と比べて変化なしと回答した人にくらべ 12~20 ポイントも高く、加齢に伴って食事の楽しみを控えている様子が読みとれま す。 胃の不調時の対応【n=840 名】 医者・薬による改善 生活習慣などによる改善 その他 何もしない 50 全体 40 以前と 比べて胃に不調がある 30 以前と 比べて変化なし 20 10 0 服 用 す る 選 ぶ よ う に す る 胃 に 優 し い 食 品 を 食 事 を 見 直 し 、 市 販 の 胃 薬 を 食 事 量 を 減 ら す 1 食 あ た り の な ど を 控 え る 以 外 の 間 食 ・ 夜 食 朝 食 ・ 昼 食 ・ 夕 食 水 分 摂 取 量 を 増 や す ア ル コ ー 医 者 に 行 く ル を 控 え る 食 べ る よ う に す る 規 則 正 し い 時 間 に 朝 食 ・ 昼 食 ・ 夕 食 を 心 掛 け る 適 度 な 運 動 を 増 や す よ う に す る 睡 眠 時 間 を 増 や す よ う に す る 昼 間 の 休 憩 時 間 を そ の 他 特 に 何 も し て い な い N数 全体 840 10.9 42.0 31.3 29.5 19.7 15.8 15.1 13.2 11.9 11.9 3.9 2.6 13.9 以前と 比べて 胃に不調がある 623 12.6 41.5 36.4 32.7 23.4 17.1 16.7 15.5 12.8 13.4 4.9 3.0 10.7 以前と 比べて 変化なし 217 6.0 43.3 16.6 20.3 9.0 12.1 10.7 6.4 9.5 7.6 1.0 1.7 23.0 調査概要 ■調査手法:インターネット調査(スクリーニング調査:20,000ss、本調査:840ss) ■調査期間:2014 年 8 月 4 日(月)~5 日(火) ■調査対象:下記条件にあてはまる全国 20 代~60 代の男女 ・過去1年以内に「胃もたれ・胃が重い」「胃弱」を感じたことがある 6 ●専門医からのメッセージ 胃もたれはまず OTC で対処し、症状が続くときは内視鏡検査を 内藤裕二 京都府立医科大学消化器内科学教室 准教授/京都府立医科大学附属病院中央診断部内視鏡室 室長 ぎゅうかく い 【牛角胃】 日本人は胃の不定愁訴がきわめて多い民族です。胃もたれ、胃の膨満感、胃の痛み・・・ なかでも、胃もたれは代表的な不定愁訴といえます。 慢性的に続く胃もたれの原因として、民族性、加齢に伴う胃の働きの衰えなどがあげられ ぎゅうかく い 胃液がスムーズに排出されやすい ます。欧米人に多い胃の形は「牛角胃」といって食物や胃液がスムーズに排出されやすい こうじょう い こうじょう い ばくじょう い 形をしていますが、日本人は「鉤状胃」や「瀑状胃」が多いとされ、食物や胃液が長く胃に留 【鉤状胃】 まりやすいと言われています。加えて、年齢に伴い、胃粘膜の血流量が減少し、胃粘膜の 損傷に対する抵抗力が弱まったり、胃の内容物を排出するまでに長い時間を要するように なります。 食物や胃液が長く胃に留まりやすい このような胃もたれへの対処には、OTC の積極的な利用をおすすめします。胃もたれを 放っておくと、食べたいものを食べられないなど QOL が低下し、仕事のパフォーマンスに影 ばくじょう い 【瀑状胃】 響するなど、社会的損失にもつながると考えられます。そうかといって、胃もたれに悩むす べての人が病院に駆け込んだら、医療財政はますます逼迫しますので、OTC を適切に選び、 セルフメディケーションで対処するのが先決です。 食物や胃液が長く胃に留まりやすい ただし、OTC を服用しても胃もたれなどの症状が続くときは、医療機関を受診してください。日本人は胃がんのリスクが 高く、年間 12 万人が罹患し、6 万人が死亡しています。この 6 万人の方たちも早期発見・早期治療で助けることができま す。そのためには、年 1 回は胃の内視鏡検査を受けることが大切です。 また、内視鏡で異常がないにもかかわらず、胃もたれなどが続くものを機能性ディスペプシア(FD)と呼んでいます。ストレ ス、不規則な生活等、原因はまだはっきりわかっていませんが、治療薬も開発されていますので、OTC でよくならない慢 性的な胃もたれは医師に相談してください。 7 ●薬剤師からのメッセージ 加齢に伴う胃の不調に注意して、アクティブな毎日を 近藤剛弘 岐阜薬科大学客員教授 ファイン総合薬局 薬局長 薬局などで胃薬のパッケージを手にされた方は、多彩な症状が記載されていて、自分の症状にぴったり合う薬はどれ だろと思うことも多いでしょう。 一般に、胃痛や胸やけ、胃のむかつきに対しては、胃粘膜を攻撃している過剰な胃酸分泌を抑える薬が適しています が、日本人に最も多くみられる症状は、なんとなく胃が重い、胃がもたれるなどのつかみどころのない胃の不快症状であ ることが今回の調査からも読みとれます。胃がもたれやすい体質に加えて、胃に起きている加齢性の不調(胃の老化)が その一因と考えられますので、超高齢社会を迎え、胃もたれはまさに国民病となりつつあるのでしょう。加齢に伴って慢 性的に繰り返す胃もたれに対しては、胃粘膜の修復を促して弱った胃を守り、胃の働きを活発にしてくれる薬が適してい ます。 今回の調査結果を受けて、胃もたれチェックを作成してみました。 6 点以上の方は、薬剤師に相談し、適切な薬を選ぶアドバイスをもらうといいでしょう。天ぷらなどの揚げ物、ビーフステー キ、鰻丼など、“胃残り”しやすい食事を自然と避けるようになった、あるいは、食べている最中に胃もたれを感じた、等の 症状は、加齢性の胃もたれのサインです。OTC を上手に利用して、アクティブな毎日をお過ごしください。 胃もたれチェック 年齢40歳以上 2 胃もたれが週1回以上ある 2 前日食べたものが翌朝まだ胃に残っている感じがある 1 夕食をとっている最中から胃もたれがする 1 胃にやさしい食事を選ぶようになった 1 1回の食事の量を減らしている 1 間食や夜食を控えている 1 胃もたれのために仕事などのパフォーマンスが低下している 1 当てはまる項目の点数を合計し、6 点以上なら、薬剤師に相談しましょう。 8 【参考】 ●胃もたれ胸焼けは年齢と共に増加 平成 22 年におこなわれた国民生活基礎調査によると、胃もたれや胸やけを訴える人の割合は年齢とともに増加し、男性は 50 歳代で 4 人に 1 人(26.4%)、60 歳代で 3 人に 1 人(33.9%)、女性は 10 年ほど早く、40 歳代で 4 人に 1 人(26.5%)、50 歳代で 3 人に 1 人(34.1%)に達しています。 70 男性 有症者率(⼈⼝千対) 60 女性 50 40 30 20 10 0 10~19 20~29 30~39 40~49 年齢 50~59 60~69 70~79 80歳以上 出典: 平成22年 国⺠⽣活基礎調査の概況/ 第9表 有訴者率(⼈⼝千対),年齢(10 歳階級)・性・症状(複数回答)別 9
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