福岡市教育委員会人権教育推進計画 (改訂版) 平成26年4月策定 福岡市教育委員会 目 第1章 次 総 論 1 計画策定の趣旨 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 1 2 前計画の成果と課題 (1)人権を取り巻く状況 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 (2)学校(園)における人権教育に関する施策について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 (3)社会教育における人権教育に関する施策について ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 3 計画の基本的な考え方 (1)計画の目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 (2)計画推進にあたっての視点 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5 (3)同和教育の成果を活かした人権教育の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6 4 計画の推進体制と計画期間 (1)推進体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 (2)計画期間 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 (3)計画推進にあたって ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 5 計画の重点課題と事業の整理 (1)今後,重点的に取り組む課題 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 (2)各事業の整理 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 6 人権教育推進計画(平成 26 年度~平成 30 年度)の体系図 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 11 第2章 施策の各論 1 学校(園)における人権教育に関する施策 (1)学校(園)の教育活動全体を通じた人権教育の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 13 (2)教職員研修の充実 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 20 (3)学習教材・資料の整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 25 (4)家庭・地域,関係機関・団体との連携および校種間の連携 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 30 (5)組織的な取組と点検・検証 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35 (6)学校(園) ・家庭等への情報発信・普及 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 36 2 社会教育における人権教育に関する施策 (1)多様な学習ニーズに対応する学習機会の提供 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 38 (2)家庭や地域の教育力充実のための事業の推進 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 42 (3)市民主体の取組の推進および連携の強化 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 48 (4)学習内容の充実および教材の開発,整備,情報の提供 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 55 (5)人材育成・資質の向上 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 57 3 特定職業従事者の人権教育の推進 (1)教育委員会事務局職員 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 59 (2)教職員 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 61 (3)社会教育関係者 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 67 4 学校(園)における人権教育と社会教育における人権教育の総合調整 (1)人権教育関係課長会議 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 70 第1章 総 論 1 計画策定の趣旨 国においては,平成12年12月に「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」を施行し, 「社会 的身分,門地1,人種,信条又は性別による不当な差別の発生等の人権侵害の現状その他人権の擁護に 関する内外の情勢にかんがみ,人権教育及び人権啓発に関する施策の推進について,国,地方公共団体 及び国民の責務を明らかにするとともに,必要な措置を定め,もって人権の擁護に資する」こととしま した。さらに,この法律に基づき,人権教育および人権啓発に関する施策を総合的かつ計画的に推進す るため,平成14年3月に「人権教育・啓発に関する基本計画」が閣議決定されました。 福岡市においても,このような背景のもと,それまでの取組の成果・課題や社会情勢の変化を踏まえ て,平成11年1月に策定した「人権教育のための国連10年」福岡市行動計画の見直しを行い,平成 16年1月に「福岡市人権教育・啓発基本計画」を,同年11月に同計画の実施計画を策定しました。 「人権という普遍的文化の構築」 「人の多様性を認め合う共生社会の実現」という2つの目標を掲げ, さらに,平成22年3月に,市行政では人権に無縁の業務はないという理念のもとに「人権尊重の視点 に立った行政の推進に関する指針」を策定し,市職員一人ひとりの取組を求めるなど,人権教育・啓発 の取組を積極的に推進しています。 教育委員会においては,平成18年2月に教育長名で通達した「人権教育の推進について(通知) 」 を踏まえ, 「人権教育及び人権啓発の推進に関する法律」 「人権教育・啓発に関する基本計画」および「福 岡市人権教育・啓発基本計画」に基づき,同和問題の残された課題を認識するととともに,すべての学 校(園)や地域において人権教育を推進し,同和問題をはじめ,あらゆる人権問題の解決を目指してき ました。これは,同和問題を人権問題という本質からとらえ,同和問題の解決への取組をあらゆる人権 問題の解決につなげていくという見地に立ったものです。 言うまでもなく,それぞれの人権問題に軽重はなく,しかもどれも当事者にとっては最も深刻で重要 な問題です。さらにそれぞれの人権問題が孤立して存在している訳ではなく,重複して関連しながら存 在しています。人権問題の解決に向けては,個別の人権問題について取り組むだけではなく,これまで の同和教育の成果と手法を活かし,それぞれの人権問題に共通な課題をとらえ,相互に関連づけた総合 的な取組を進めていくことも併せて必要です。 このような状況の中,学校教育に関しては,平成20年4月に文部科学省の「人権教育の指導方法等 の在り方について(第三次とりまとめ)2」が通知されました。その中では,学校教育における人権教 育の推進方策とともに,社会教育との連携の必要性が明記されております。今後,人権教育の推進にあ 1 門地:一般的には家柄と同義。個人的価値よりも家を重視し,家系の継承と永続を尊重する伝統的な日本の社会において,個々の家の過去 の社会的勢力を評価基準として家単位になされる社会的格付けをいう。しかし門地には上下的な家々の位置関係のうち,特に高い評価を与え られた一群の家々の集合体,すなわち門閥の意味が含まれている。 2 人権教育の指導方法等の在り方について(第三次とりまとめ) : 「人権教育・啓発に関する基本計画」に基づき,平成 20 年 4 月に文部科学省 が学校における人権教育推進の具体的な観点と実践を示したもの。第一次とりまとめ(平成 16 年 6 月)では「人権教育とは何か」について提 示,第二次とりまとめ(平成 18 年 1 月)では指導方法等の工夫・改善のための理論的指針を提示している。第三次とりまとめは,第二次とり まとめが示した理論の理解を図るため,具体的な実践事例等の資料を収集・掲載( 「指導等の在り方編」と「実践編」の 2 編に再編)し,各 都道府県教育委員会等に通知したものである。 1 たっては,この「第三次とりまとめ」を踏まえる必要があり,また,本市教育改革の新たな指針および 実行計画である「新しいふくおかの教育計画(平成21年6月策定) 」も踏まえ,教育委員会全体とし て,学校教育および社会教育において,より効果的に,計画的に人権教育を推進していくため,平成2 1年度から5年間の「福岡市教育委員会人権教育推進計画(以下「人権教育推進計画」という。 ) 」を策 定しました。 今回はその5年間の成果と課題を振り返りながら, 「新しいふくおかの教育計画」の後期実施計画(平 成26年1月策定)を踏まえ,新たに平成26年度から5年間の「人権教育推進計画」を策定するもの で,その後の社会情勢等の変化に伴う課題を踏まえて,今後のそれぞれの施策の方向性を明らかにし, 人権問題の解決に向けて取り組んでいきます。 2 2 前計画の成果と課題 (1)人権を取り巻く状況 平成19年度と平成24年度に福岡市が実施した人権問題に関する市民意識調査(以下, 「市民意識 調査」という。 )の結果を比較すると, 「今の日本は,人権が尊重されている社会だ」と思う人は,平成 24年度は全体の60.3%(平成19年度51.9%)となっており,人権が尊重されていると感じ ている市民が増加しています。その一方で「人権問題に関心がある」人は,平成24年度は全体の72. 9%(平成19年度77.8%)と前回調査と比較して4.9ポイントダウンした結果となっています。 これは,人権を大切にするための法整備や環境整備が進み,そのことで人権が尊重されていると考えら れる反面,人権問題への関心が薄くなっていき,人権侵害や差別の実態が見えにくくなっていると考え られます。 本市においての5年間を振り返ってみると,同和問題や外国人に関する悪質な差別落書き,ブログ, ツイッター,ラインなどのソーシャルメディア3の悪用による誹謗・中傷等が発生しています。また, 近年は性同一性障がい者等の問題も明らかになってきています。一方,平成25年6月に「障害者差別 解消法」が成立し,障がいの有無によって分け隔てられることなく,相互に人格と個性を尊重し合いな がら共生する社会の実現を目指す動きがある反面,ヘイトスピーチ4が社会問題化するなど,子どもた ちへの影響が危惧される状況も存在しています。私たちの周りには,このように,同和問題,女性,子 ども,高齢者,障がい者,外国人,HIV感染者など,解決すべき様々な人権問題が今なお存在してい ることを,新ためて再認識する必要があります。 さらに,子どもたちのいじめや校内暴力, 「ガイジ5」発言の増加などにみられる差別や偏見による人 権侵害なども発生しており,児童虐待や子どもが被害者となる事件が起こっています。これは,地域の つながりの希薄化や家庭,家族のあり方の多様化などにより,以前にも増して地域や家庭の教育力の向 上が重要な課題となっており,子どもたちをとりまく状況が大きく変化していることの表れだと考えら れます。 このため,引き続き人権教育の推進に向けて,今後も取組を進めていく必要があります。 (2)学校(園)における人権教育に関する施策について 学校教育においては,児童生徒が発達段階に応じ,人権の意義や内容・重要性について理解し,自分 の大切さとともに他の人の大切さを認め合うことができ,それが様々な場面や状況下での具体的な態度 や行動に現れるための取組をすすめました。また,教員向けの「人権教育指導の手引き」を作成し,学 校(園)に配布・活用するととともに,小・中・特別支援学校で人権読本「ぬくもり」6を活用するほ か,全市人権教育研修会,男女平等研修会および家庭教育支援パンフレット活用研修会を開催し,教員 3 4 ソーシャルメディア:ブログ,ソーシャルネットワーキングサービス,動画共有サイトなど,利用者が情報を発信し形成していくメディアの こと。利用者同士のつながりを促進する様々な仕掛けが用意されており,互いの関係を視覚的に把握できるのが特徴であるとされている。 ヘイトスピーチ:人種や民族,宗教などに関して差別や憎悪をあおる発言や表現。 5 ガイジ:障がい児を略し,隠語として子どもたちの間で広がっている言葉である。児童生徒が言葉の意味を十分に理解せずに,相手を攻撃す る道具として使用するケースが多く見られる。 6 人権読本「ぬくもり」 :児童生徒の人権意識の高揚を効果的に図るために,小中学生を対象に作成した人権教育にかかる副読本(小1,小2, 小3・4,小5,小6,中学校用) 。全市の小・中・特別支援学校の児童生徒用に配付している。 3 の人権意識および資質・指導力の向上に努めてきました。これまでの取組により,児童生徒の人権感覚 の高揚や教職員の人権問題に対する理解・認識が深まり,すべての学校(園)で人権教育研修が実施さ れるなど,一定の成果がありました。 しかしながら,依然として,学校ではいじめや差別的発言などの事象が発生しており,人権学習の取 組が知的理解にとどまり,子どもたちの確かな人権感覚および自他を尊重する態度や行動力の育成に必 ずしもつながっていないことや,教職員に対して行った同和問題に関する調査の結果から,若手教員を はじめ教職員に知識面で一部理解不足の点が見られるなどの課題あります。今後も,学校(園)での人 権教育の組織的・計画的な取組や教職員の人権意識および資質・指導力の向上が求められています。 このため,教職員の共通理解・認識のもと,学校の教育活動全体を通じた人権教育を組織的・計画的 に推進するとともに,教育委員会の主催研修会を充実させ,教職員の人権意識および資質・指導力の向 上に努める必要があります。さらに,子どもの発達段階に応じて,人権学習に関する効果的な教材など を整備し,人権感覚を高め,様々な人権問題へ取り組んでいこうとする実践的な行動力を育成する必要 があります。そのためには,子どもたちの身近な生活の中での人権課題を発掘し,自分の問題として受 け止めさせ,さらに自分の人間関係の改善や自分の生活の改善に結びつけられるような人権教育を行う ことが望まれます。 (3)社会教育における人権教育に関する施策について 社会教育においては,公民館や市民センターなどにおいて,差別落書き, 「ガイジ」発言等の事象に ついて啓発を行ったり,地域課題を踏まえた関心の高いテーマを選定するなど工夫をしながら,様々な 人権問題に関する研修会・講演会や各種イベントなどを開催しました。また,各区の区人権啓発連絡会 議7が中心となって,人権に関する広報紙の発行や「人権を考えるつどい」を開催するなど,人権問題 を考える機会を多くの市民に提供しました。さらに,公民館職員をはじめとする社会教育関係者への研 修についても, 各区で事業を継続的に実施するとともに, 単位 PTA や家庭教育に関する地域グループ, 人権啓発地域推進組織(以下「人尊協等」という。 )に対しても,支援を継続的に行いました。こうし た取組により,自主的,主体的なあらゆる人権問題の解決に向けた事業が行われるなど,一定の成果が あがりました。 しかしながら, 「各研修会等への参加者が固定化され,なかなか広がりがみられない」 「市民は人権が 尊重されている社会だと思っている一方で,いざ自分が現実の差別問題と向き合ったときに取る行動と は差がある」という課題などが,市民意識調査でも明らかになってきました。また,家庭教育に関する グループへの支援事業の周知不足,人尊協等の組織運営に関わる地域指導者の人材の不足なども課題と して残されています。 このため,各事業の実施にあたっては,人権問題を自らの問題として捉え,日常的な人権感覚を身に 付けられるよう,研修内容や開催形式,広報手段等の工夫・改善を続ける必要があります。また,人尊 協等をはじめとする各団体・組織に対しての組織運営や事業内容の充実に向けて,支援を続ける必要が あります。 7 区人権啓発連絡会議:地域(校区)の自主的な推進組織づくりの促進を図ることを目的に,平成元年に各区に設立。その構成は,区内の各 校区自治協議会や校区に基盤を持つ各種機関・団体をはじめ,人権啓発地域推進組織(校区人権尊重推進協議会等)も参加している。推進組 織作りの機運の醸成を図るとともに,区における意見交換会,研修会・講演会,広報紙の発行などを行なっている。 4 3 計画の基本的な考え方 (1) 計画の目標 本市は福岡市基本構想において「自律した市民が支え合い心豊かに生きる都市」を4つの都市像の一 つに掲げ,第9次福岡市基本計画では, 「一人ひとりが互いに人権を尊重し,国籍や年齢,性の違い, 障がいの有無などにかかわらず,多様性を認め合いながら,いきいきと輝く」ことをめざす姿の一つに 位置づけています。人権教育推進計画は,このことを踏まえたうえで,自分の人権のみならず他人の人 権についても正しく理解し,その行使に伴う責任を自覚して,人権を相互に尊重し合うという人権尊重 の理念をもって次の目標を定め,これら目標達成に向けた取組を推進します。 ① 人権という普遍的文化の構築 福岡市が人権尊重の精神にあふれ,暮らしの隅々にまで人権が根づいた,人権尊重が当たり前という 状態を築くことが重要であり,日常生活の中でお互いを大切にする心や態度をごく自然な形で表現でき るような社会を目指します。 ② 人の多様性を認め合う共生社会の実現 社会情勢が変化していく中で国籍や民族,文化,社会的身分,門地,信条,年齢,性別の違い,障が いの有無などにかかわらず,互いの個性や価値観などの違いを理解し認識する,すなわちお互いの多様 性を認め合う「共生社会」の実現を目指します。 (2)計画推進にあたっての視点 目標の実現に向けて,学校(園) ・地域・家庭・職域その他の様々な場を通じて,市民がそれぞれの 発達段階に応じて人権尊重の理念に対する理解を深めこれを体得することができるよう,次に掲げる視 点をもって人権教育推進計画に取り組んでいきます。 ① あらゆる場における人権教育の推進 子どもから大人までの市民一人ひとりが学校(園) ,家庭,地域等あらゆる場面において人権尊重の 心を育み,人権意識に根ざした行動ができるような人権教育を推進します。 ② 人権教育の効果的な推進 人権教育を総合的・体系的視点からより効果的に推進していくために,学習の場の提供,学習内容の 充実,効果的な研修手法・情報提供の推進,人材の育成・活用,教材の開発・整備,総合的なネットワ ークづくりなどの施策を積極的に進めていきます。 ③ 特定職業従事者の人権教育の推進 人権教育に深いかかわりを持つ教育委員会事務局職員,教職員,社会教育関係者8に対しては,重点 的に人権教育を行っていきます。 8 社会教育関係者:この計画では,社会教育主事,公民館職員,公民館運営懇話会委員を指す。社会教育主事は,公民館およびPTAなどの 社会教育関係団体に対して,専門的技術的な助言・指導にあたっている職員。公民館運営懇話会は,公民館の運営や事業に住民の意思を十分 反映させるため,各公民館に設置しており,各種地域団体の代表者や小・中学校の教育機関等で構成される。 5 (3)同和教育の成果を活かした人権教育の推進 教育委員会においては,同和問題の解決に果たす教育の重要性を認識し,すべての市民が同和問題を 自らの課題として解決に努めることができるよう,昭和47年(1972年)に「福岡市同和教育基本 方針」を策定し,学校教育,社会教育のすべての領域において,積極的に同和教育を推進してきました。 同和問題の解決に向けた取組の成果として,同和地区生徒の進学率が向上するとともに,児童生徒の 人権意識の高揚が図られてきました。また,市民の同和問題に関する知識面での理解が進むとともに, 同和問題をはじめ様々な人権問題の解決に主体的に取り組む多くの地域指導者が育成され,市民の自主 的・主体的な活動である人尊協等の広がりや,同和地区住民の教育・文化水準の向上が図られてきたと ころです。 学校(園)や地域において,差別の実態に学び,その解消を自らの課題として考える学習や基本的人 権の尊重に向けた感性や感覚を育てる取組,仲間づくりや進路指導の取組等,同和教育の中で蓄積され てきた内容や手法は,現在,本市における人権教育の推進に確実につながっています。しかしながら, 現在でも同和問題における教育の課題は残されておりこれまでの同和教育の成果を活かしながら,同和 問題をはじめとするあらゆる人権問題の解決をめざして,人権教育を推進していきます。 6 4 計画の推進体制と計画期間 (1) 推進体制 ① 計画推進の考え方 人権教育を推進していくために,関係機関・団体と連携しながら,教育委員会が計画に基づく主体的 な取組を行います。またその取組にあたっては,学校教育と社会教育の連携や各人権問題に関する関係 部局,地域での人権教育を進める各区との連携を深め,効果的な推進を図ります。 ② 教育委員会人権教育推進委員会 人権教育推進計画の進行管理を教育委員会人権教育推進委員会9(以下「人権教育推進委員会」とい う。 )で行い,進捗状況の点検・検証を通して,確実な推進を図ります。点検・検証にあたっては,各 施策について成果や課題を整理し,次への取組につなげていきます。 ③ 教育委員会人権教育推進計画点検・検証委員会 人権教育推進計画の施策の点検・検証を行うにあたり,その内容等について意見を徴するため,学識 経験者や人権課題の当事者などで構成する教育委員会人権教育推進計画点検・検証委員会10(以下「点 検・検証委員会」という。 )で審議します。 (2) 計画期間 平成26年度から平成30年度までの5年間とします。以後,国内外の動向や本市の人権をめぐる諸 状況の変化等を踏まえ,必要に応じて計画の見直しを行います。 (3) 計画推進にあたって 教育委員会は,計画に掲げた施策・事業を実施するため,厳しい財政状況を踏まえ,事業の重点化や 見直しも考慮に入れながら,所要の財源が確保できるよう努めていきます。 9 教育委員会人権教育推進委員会:教育委員会における人権教育の効果的推進に資するために設置された委員会。教育長を委員長とし,次長, 理事,各部長級職員で構成される。円滑な運営のため,関係課長で構成される幹事会を置いている。 10 教育委員会人権教育推進計画点検・検証委員会:学識経験者をはじめ,関係団体,学校教育,家庭教育,社会教育のそれぞれの代表から構 成されており,当該年度の人権教育推進計画に掲げる点検・検証等についてそれぞれの立場から意見を述べてもらっている。なお,任期は2 年となっている。 7 5 計画の重点課題と事業の整理 (1)今後,重点的に取り組む課題 新たな人権教育推進計画の推進にあたっては,前計画の成果と課題を踏まえ,人権に関する知的理解 と豊かな人権感覚など,人権尊重の精神を正しく身に付けた「人づくり」を目指して,学校教育と社会 教育との連携を図りながら,学校(園) ,家庭,地域社会のそれぞれの場において,効果のある人権教 育の推進を行っていきます。 そのために,重点的に取り組む課題として, ① 学校(園)の教育活動全体を通じた人権教育を推進していくため,組織的・計画的取組の推進や 指導内容・方法等の工夫・改善を図ります。 ② 教職員の資質・指導力の向上を図るための教職員研修の充実を図ります。 ③ 人尊協等をはじめとする市民主体の取組の推進および連携の強化を図ります。 ④ 学校教育と社会教育の連携を強化し,より効果的な人権教育を推進します。 (2)各事業の整理 人権教育推進計画の策定にあたっては,点検・検証委員会による意見を基に,各事業の目的を再確認 した上で,課題解決に向けて,事業内容および目標を人権教育推進委員会にて見直しました。また, 「新 しいふくおかの教育計画」の後期実施計画(平成 26 年度~平成 30 年度)も踏まえて,下記のとおり 整理しました。 ①新規追加事業 新たに人権教育推進計画に掲載することになったものです。 ○「いじめゼロプロジェクト」 「いじめを生まない都市ふくおか」の実現を目指し,平成 25 年度に採択した「いじめゼロ宣 言」に基づいた取組を全ての学校に広げます。 ○小中学校と家庭・地域が連携して行う「道徳教育推進事業」 小中学校・地域コーディネーターの支援のもと,小中学校と家庭・地域が連携した取組を行い, 検証し事業を進めます。 ○「人権教育関係課長会議」 教育委員会全体で人権教育を推進するため,人権教育に関係する課長をメンバーとした会議を 定期的に開催し,学校教育と社会教育の連携と情報の共有を図ります。 ②統合・整理した事業 ○特別支援教育理解啓発研修および障がい児理解 啓発する対象者が異なるために2つの事業になっていましたが,事業の趣旨が同様のため1つ に統合しました。 ○人権啓発推進組織(人尊協等)への支援 人尊協等に対する1つの支援方法である「人権啓発推進協議会先進地派遣研修」が事業として 重複していたため, 「人権啓発地域推進組織(人尊協等)への支援」に統合しました。 ○人権教育教材・資料等の整備 「人権教育教材等の整備」と「人権関係資料の作成」の内容が重複していたため, 「人権教育 教材・資料等の整備」に統一しました。 8 ③削除した事業 ○施設の廃止に伴い,削除しました。 市民企画事業(婦人会館) ○市長部局への補助執行事業に伴い,削除しました。 ・考古資料の収蔵・保存処理・展示および公開講座 ・美術館事業(アジア美術館,市美術館) ・博物館事業 ・施設のユニバーサルデザインの整備(アジア美術館,市美術館,博物館) 9 6 人権教育推進計画(平成26年度~平成30年度)の体系図 計画の目標 ①人権という普遍的文化の構築 ②人の多様性を認め合う共生社会の実現 (1)学校(園)の教育活動全体を通じた人権教育の推進 (P13) 01 03 05 07 「人権教育指導の手引き」の作成・配付 (P14) 学級集団アセスメントの実施 (P15) 日本語指導員派遣事業 (P17) ★いじめゼロプロジェクト【新規】 (P18) 02 04 06 08 いじめ・不登校対策 (P15) 国際教育の推進 (P16) ふくせき制度 (P17) ★道徳教育推進事業【新規】 (P19) (2)教職員研修の充実 (P20) 09 11 13 15 人権教育関係研修 (P21) 男女平等教育研修 (P22) 特別支援教育理解啓発研修および障がい児理解 (P23) 学校人権教育研修費助成 (P24) 10 12 14 16 全市人権教育研修 (P21) 家庭教育支援パンフレット活用研修 (P22) 学校人権教育研修の推進 (P23) 人権教育研究団体研修費助成 (P24) (3)学習教材・資料の整備 (P25) 17 19 21 22 23 24 人権読本「ぬくもり」の整備および活用促進 (P26) 18 小・中学校道徳副読本整備の推進 (P26) 小・中学校の社会科における部落問題学習指導事例の活用(P27) 20 「いじめ対応マニュアル」の活用促進 (P27) 「虐待防止マニュアル」の活用促進 (P28) 「体罰によらない教育のために(リーフレット,研修・資料編)」の活用促進 (P28) インターネット・携帯電話を介した児童生徒の被害防止取組の指導資料集の活用促進 (P29) 「在日外国人の人権に関する学校教育資料集」の整備および活用促進 (P29) (4)家庭・地域,関係機関・団体との連携および校種間の連携 (P30) 25 27 29 13 学校と家庭の連携による学力向上の取組 (P31) 26 いじめ防止対策委員会の推進 (P31) 特別支援学校地域交流事業 (P32) 28 特別支援学校卒業生の就労促進 (P32) 進路指導事業 (P33) 30 PTA人権教育研修 (P33) 特別支援教育理解啓発研修および障がい児理解(再掲) (P34) (5)組織的な取組と点検・検証 (P35) (6)学校(園)・家庭等への情報発信・普及 (P36) 31 学校人権教育の取組の進捗状況調査 (P35) 1 学校(園)における人権教育に関する施策 32 学校(園)への人権教育に関する情報の提供 (P36) 33 家庭・地域への人権教育に関する情報の提供 (P37) (1)多様な学習ニーズに対応する学習機会の提供 (P38) 34 公民館主催事業 (P39) 36 図書館事業 (P40) 38 市民センター施設の提供,視聴覚機材等の貸出 (P41) 35 市民センター主催事業 (P39) 37 公民館施設の提供 (P40) 39 施設のユニバーサルデザインの整備(図書館) (P41) (2)家庭や地域の教育力充実のための事業の推進 (P42) 40 42 44 46 48 地域ぐるみ家庭教育支援事業 (P43) 障がい者青年学級 (P44) 家庭・地域の教育力向上関連事業 (P45) ボランティア等支援事業 (P46) 子どもの人権に関わる総合講座 (P47) 41 43 45 47 人権のまちづくり促進教育事業 (P43) 不登校の子どもの保護者支援事業 (P44) 親子参加,ふれあい,子育て事業 (P45) 青少年健全育成講座 (P46) (3)市民主体の取組の推進および連携の強化 (P48) 49 51 53 55 57 30 人権啓発地域推進組織(人尊協等)の設立 (P49) 人権啓発地域推進組織(人尊協)への支援 (P50) 区人権啓発連絡会議 (P50) 人権教育推進交流会 (P51) 単位PTAの育成・支援 (P52) PTA人権教育研修(再掲) (P53) 50 52 54 56 58 48 人権啓発地域推進組織全市交流会 (P49) 人権啓発地域推進組織(人尊協等)交流会 (P50) 人権を考えるつどい (P51) 区PTA連合会の育成・支援 (P52) PTA人権教育担当者連絡会 (P53) 子どもの人権に関わる総合講座(再掲) (P54) (4)学習内容の充実および教材の開発,整備,情報の提供 (P55) 59 人権講座 (P55) 61 人権教育教材・資料等の整備 (P56) 60 広報紙づくり講座 (P56) (5)人材の育成・資質の向上 (P57) 62 公民館人権問題学習講座 (P57) 60 広報紙づくり講座(再掲) (P58) 59 人権講座(再掲) (P58) (1)教育委員会事務局職員 (P59) (2)教職員 (P61) 63 教育委員会職員人権教育研修 (P60) 64 人権教育関係資料(人権教育のあゆみ)の作成 (P60) 2 社会教育における人権教育に関する施策 3 特定職業従事者の人権教育の推進 4 学校(園)における人権教育と 社会教育における人権教育の総合調整 09 11 13 15 人権教育関係研修講座(再掲) (P62) 10 男女平等教育研修(再掲) (P63) 12 特別支援教育理解啓発研修および障がい児理解(再掲) (P64) 14 学校人権教育研修費助成(再掲) (P66) 16 (3)社会教育関係者 (P67) 65 社会教育主事等研修 (P68) 67 公民館職員人権教育研修 (P69) (1)人権教育関係課長会議 (P70) 69 ★人権教育関係課長会議【新規】 (P70) 全市人権教育研修(再掲) (P63) 家庭教育支援パンフレット活用研修(再掲) (P64) 学校人権教育研修の推進(再掲) (P65) 人権教育研究団体研修費助成(再掲) (P66) 66 新任公民館職員研修 (P68) 68 公民館運営懇話会委員研修 (P69) ※ 本計画に掲載している施策は,教育委員会が実施している施策および地方自治法第180条の7の規定に基づき,市長が補助執行している教育委員会の施策のうち,人権教育の推進に関する主要な施策です。 11 第2章 施策の各論 1 学校(園)における人権教育に関する施策 (1)学校(園)の教育活動全体を通じた人権教育の推進 1 「人権教育指導の手引き」の作成・配付 2 いじめ・不登校対策 3 学級集団アセスメントの実施 4 国際教育の推進 5 日本語指導員派遣事業 6 ふくせき制度 ★7 いじめゼロプロジェクト【新規】 ★8 道徳教育推進事業【新規】 《これまでの主な取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 『 「人権教育指導の手引き」の作成・配付』では,平成24年度に「ガイジ11」発言に関する教材を掲 載し,新たな課題にも対応することができました。 「いじめ・不登校対策」では,不登校対応教員,ス クールカウンセラー(SC)12,スクールソーシャルワーカー(SSW)13の対応により児童生徒の学 校復帰・改善等の効果が見られました。また,不登校児童生徒数は平成21年度1,125人でしたが平成 24年度には988人に減り,減少傾向にあります。 「学級集団アセスメント14の実施」では,hyper-Q U,Q-Uアンケート15実施により,児童生徒の学級満足度,学校生活度への意欲を把握し,アンケート 結果を基に児童生徒への関わり方など,学級での指導に生かすことができました。 「国際理解教育の推 進」では,ゲストティーチャー16・ネイティブスピーカー17による授業回数を増やし,英語チャレンジ テスト,スピーチコンテストで効果の検証を行いました。 「ふくせき制度18」は平成19年度に試行し, 平成23年度から本格実施となりましたが,小学部で対象児童生徒の10%程度,中学部で5%程度の利 用となっています。 【今後の課題】 依然として,いじめ・ 「ガイジ」などの差別的発言が学校で発生するなど,人権学習等の取組が,知 的理解にとどまり,子どもの自他を尊重する態度や行動力の育成に必ずしもつながっていないことが課 題として挙げられます。 不登校対策において,SSWは小中学校や地域からのニーズが高まっており,支援体制を検討する必 11 ガイジ:障がい児を略し,隠語として子どもたちの間で広がっている言葉である。児童生徒が言葉の意味を十分に理解せずに,相手を攻撃 する道具として使用するケースが多く見られる。 12 スクールカウンセラー(SC) :学校において心理的支援を行う専門的職員。児童生徒のカウンセリング,教師や保護者へのコンサルテーシ ョン,外部機関とのコーディネートなど幅広く活動し,学校内のいじめ・不登校等の問題に対処する。 13 スクールソーシャルワーカー(SSW) :不登校やいじめなど,児童生徒の問題行動等へ対応するため,教育および社会福祉等の専門的な知 識や技術を用いて,児童生徒が置かれた様々な環境へ働きかけたり,関係機関等とのネットワークを活用したりして支援を行う。 14 学級集団アセスメント:よりよい学級づくりを進めるにあたって,事前に学級集団の状況や個々の児童生徒の実態などについて,心理テス トなどにより客観的なデータを収集し,学級集団や児童生徒が抱える課題を適切に把握すること。 15 hyper-QU,Q-U アンケート:教師が学級集団の実態を把握するために,児童生徒の心理面を,質問紙を用いて調査するもの。Q-Uアン ケートは, 「学級(生活)に対する満足」と「学校生活への意欲や充実感」の 2 つの尺度で,hyper-QU はQ-Uアンケートに「対人関係を 円滑に営む技術の習得」の尺度を加えたもの。 16 ゲストティーチャー:学習内容をより豊かにし子どもにとって魅力ある授業とするために,学習内容とかかわりの深い人を学校に招いて, 専門的な知識や技術を子どもたちに教える人のこと。 17 18 ネイティブスピーカー:英語を母国語とする外国人英語指導講師。 ふくせき制度:特別支援学校小・中学部児童生徒が,居住地校区の小中学校に副次的に籍を置き,行事への参加や学習交流を行うことによ り,地域とのつながりの維持・継続を図る制度。 13 要があります。SCは,配置計画,活用方法などを検討し,効果的な支援体制の充実を図る必要があり ます。また,国際的視野に立ち多様な文化を尊重できる,児童生徒の育成を図るべきです。 【今後の方向性】 いじめや差別的発言の背景等の分析をすすめるとともに,様々な人権問題に対して適切に対応できる よう,校長・園長研修等を通じて, 「人権教育指導の手引き」を学校(園)全体での研修に活用するな ど,人権教育に関する理解・認識を深め,子どもの自他を尊重する態度や行動力の育成に取り組みます。 また,いじめ・不登校問題へ的確に対応するため,SCやSSWの配置などを検討し,不登校児童生徒 に対する支援を充実するとともに,hyper-QU,Q-Uアンケートの実施や,いじめゼロプロジェクト に基づく各学校での取組の支援,学校と地域が連携した取組を通じて,いじめの未然防止や早期発見に 努めます。 国際教育の推進では,多様な文化を互いに尊重し合う「共生の心」を育む教育の充実に努めます。 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 「人権教育指導の手引 教育活動全体を通じた人権教 ○学校(園)における人権教育の指 き」の作成・配付 育を教職員の共通理解・認識 導方法を具体的に示した冊子である (教育支援課) のもとに組織的に取り組んで 「人権教育指導の手引き」を作成し いくため,教職員の人権教育 配付します。 に関する理解と認識の深化を ○新たに発生する人権問題にも対応 図ります。 できるよう,必要に応じ,3年ごと に改訂作業を行います。 ○校長・園長研修等を通じて,学校 (園)全体での研修活用を促進し組 織的な人権教育の推進を図ります。 26年度 27年度 28年度 目 活用率 100% 標 1 14 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) いじめ・不登校対策 事 業 目 的 事 業 内 容 児童生徒のいじめ・不登校な ○学校やSC(スクールカウンセラ (学校指導課,教育相 どの問題の解決や未然防止を ー) ,SSW(スクールソーシャルワ 談課) 図るため,学校に対し,効果 ーカー)などと連携を図り,不登校 的な支援を総合的・抜本的に 児童生徒の減少や不登校の未然防止 実施します。 を図ります。 ○SCの配置計画・活用方法などを 検討し,効果的な支援体制の充実を 図ります。 ○SSWの配置人数・勤務形態を検 討します。 26年度 目 27年度 28年度 29年度 30年度 ・対応教員配置 不登校児童生徒 各校で不登校児 数822人 童生徒2人減少 標 ・SC派遣小学 校70校へ増加 2 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 学級集団アセスメント 不登校やいじめのない一人ひ ○不登校対応教員配置校でhyperの実施 とりの人権が尊重される学級 QUを実施し,全小中学校でQ-U (学校指導課) づくりを進め,不登校児童生 アンケートを実施します。 徒の減少や不登校・いじめの ○調査の活用によってよりよい人間 未然防止を図ります。 関係づくりを推進し,不登校児童生 徒の減少や不登校の未然防止を図り ます。 26年度 27年度 28年度 目 全校でQ-U調 査活用に関す 標 る校内研修実 3 施 15 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 国際教育の推進 事 業 目 的 事 業 内 容 学校(園)における国際教育 ○姉妹校交流事業 (教育支援課,学校指 を推進し,多様な文化を互い 導課) 学校負担を軽減するため,他事業と に尊重し合う「共生の心」を の協働可能性を検討し助成額の拡充 育むとともに,国際的な視野 を図るとともに,国際教育に効果的な に立った児童生徒の育成を図 助成方法を検討します。 ります。 ○英語・韓国語・中国語クラブ これら部活動の活性化のため,実施 希望調査時に積極的な呼びかけを行 います。 ○ゲストティーチャー・ネイティブス ピーカーの活用 外国語の言語や文化についての体 験的理解,コミュニケーション能力の 養成を図り,英語チャレンジテストや スピーチコンテスト等を通じ,事業効 果の検証に努めます。 26年度 27年度 28年度 ○ゲストティーチャー ・児童が積極的に聞いた 検討後設定 り話したりしていると 目 いう設問に対して「満 足」と回答する5,6年 担任割合80%以上 標 ○ネイティブスピ-カ- 検討後設定 ・中3英検3級以上の割 合35%以上 4 16 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 日本語指導員派遣事業 小中学校に在籍する日本語指 ○対象児童生徒がいる小中学校へ日 (教育支援課) 導を必要とする児童生徒が適 本語指導員を派遣します。 切な指導を受けられるように ○小中学校向けの「日本語指導員派 日本語学習の支援を図りま 遣事業の手引き」をもとに,事業の す。 周知徹底を図ります。 ○日本語指導員のさらなる資質向上 のため,今後,研修の回数または時 間数を増やし,研修内容についても 改善します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 研修継続 標 5 事業名(担当課・施設) ふくせき制度 事 業 目 的 事 業 内 容 特別支援学校小・中学部児童 ○特別支援学校小・中学部児童生徒 (発達教育センター) 生徒と居住地の児童生徒との が,居住地校区の小中学校に副次的 交流および共同学習推進のた に籍を置き,行事への参加や学習交 め,現在実施している居住地 流を行い,地域とのつながりの維持 校交流をさらに発展させ,障 や継続を図ります。 がいに対する理解を広げ地域 ○地域や関係者への説明,広報にさ 住民の人権意識の高揚を図り らに努めるとともに,小中学校の入 ます。 学式へ参加しなくても制度を利用で きるなど,具体的な内容の見直しを 図り,ふくせき制度の利用者を増や し,障がいのある児童生徒との交流 を通して,人権意識の高揚を図るこ とができるように努めます。 26年度 27年度 28年度 29年度 目 入学式への参 加割合 標 小学部15% 6 小学部20% 中学部7% 中学部10% 17 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 いじめゼロプロジェク 「いじめゼロ宣言」をもとに ○平成25年度に採択した「いじめゼ ト した啓発活動と道徳教育を関 ロ宣言」に基づいた取組をすべての (学校指導課) 連させた人間関係づくりや集 学校に広げます。 【新規】 団づくりを通して「いじめを ○児童生徒を中心として, 「いじめ防 生まない都市ふくおか」の実 止取組月間」の実施や「いじめゼロ 現を図ります。 取組み交流会(仮称) 」など,いじめ に対する取組を充実します。 「福岡市いじめゼロ宣言」 ◎いじめにつながる言動をしませ ん・させません・ゆるしません ◎一人ひとりのSOS気づいてみん なで助けます ◎メールでは自分の言葉に責任を持 ち人の心を大切にします ◎一人ひとりのちがいを認め合い互 いに尊重し合います 26年度 27年度 28年度 全国学力・学習状況調査,生活 検討後 習慣・学習定着度調査の結果 設定 ○いじめはどんなことがあっ てもいけないと思いますか 目 標 小 78% → 100% 中 72% → 100% ○学校のきまりを守っていま すか 小 40% → 84% 中 48% → 89% ○自分の長所や短所を知 っていますか 小 50 % → 80 % 中 39 % → 76 % 7 18 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 道徳教育推進事業(学 地域行事やボランティア活動 ○道徳教育推進校を設置します。 校指導課) などの体験活動を通して,児 ○小中学校の全教職員および地域保 【新規】 童生徒の思いやりの心や命を 護者への啓発を行います。 大切にする心を高めるため ○小中学校の教職員の資質向上を図 に,小中学校・地域コーディ ります。 ネーター19の支援のもと,小 中学校と地域が連携した取組 を推進します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 全国学力・学習状況調査,生活 検討後 習慣・学習定着度調査の結果 設定 ○学校のきまりを守っていま すか (当初数値はH24年度) 目 小 40% → 84% 中 48% → 89% ○自分の長所や短所を知って いますか 標 小 50 % → 80 % 中 39 % → 76 % ○地域の人へ進んであいさつ をしていますか 8 19 小 42 % → 83 % 中 43 % → 84 % 学校・地域コーディネーター:学校と地域などとの連絡調整を行ない,道徳教育の視点をもって学校と地域などをつなぐ中心的な役割を 担う人。 19 (2)教職員研修の充実 9 人権教育関係研修(再掲) 10 全市人権教育研修(再掲) 11 男女平等教育研修 12 家庭教育支援パンフレット活用研修 13 特別支援教育理解啓発研修および障がい児理解 14 学校人権教育研修の推進 15 学校人権教育研修費助成 16 人権教育研究団体研修費助成 《これまでの主な取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 「人権教育関係研修」は,教育センターで行う初任者研修や校長・園長研修など経験年数や職能に応 じて,様々な人権課題を取り上げながら研修を実施してきました。 「学校人権教育研修の推進」では, 学校(園)で行う研修は年間指導計画に基づき計画的に行われ,人権教育研究団体20(5団体)主催に よる研修の受講や, 児童生徒をよりよく理解するためにQ-Uアンケートの具体的な活用に関する研修を 実施するなど,様々な研修の実施により職員の人権意識の高揚につながってきました。また,知識とし て人権問題を学ぶだけではなく,人権問題の当事者等を講師として招く研修会や,フィールドワーク21 を通した体験的な活動を取り入れた研修会を積極的に行うなど,当事者に学ぶ研修を増やしてきました。 「全市人権教育研修22」では,教員を対象に夏季休業中に人権課題に関する講演を行い,内容の充実お よび講座回数の増加など工夫したことによって,平成21年度には5,467人の参加,平成24年度には6, 463人の参加となるなど,受講者数が増加しました。 「男女平等教育研修」では市民局と共催で研修を 行い,平成24年度の参加率が96.6%になるなど,目標値の100%に近づいています。 「家庭教育支援 パンフレット活用研修」では,家庭教育の重要性をまず教員が理解するため研修会を行っており,平成 23年度には家庭教育支援パンフレット「学ぶ力の向上をめざして」を作成し,全児童生徒に配布しま した。 【今後の課題】 教育センターおよび学校(園)が行う人権教育研修は,より研修の効果を上げるために,互いに連携 を図っていく必要があります。また,研修内容について,家庭教育支援の必要性やインターネット上で の差別事象など,新たな人権課題に対しても対応できるよう,柔軟に検討していく必要があります。 また,教職員に対して行った同和問題に関する調査結果を踏まえて,研修内容を充実させる必要があ ります。 【今後の方向性】 教職員の調査結果を踏まえて,教育センターで行う「人権教育関係研修」と学校(園)内で実施して いる「学校人権教育研修」の連携を図り,互いの研修が効果的になるよう内容の検討をするなど,教職 員に対して更なる人権教育の推進・充実を図ります。各研修においては,家庭教育の必要性や新たな人 権課題への対応など,教職員自身のスキルアップや児童生徒への指導につながるよう,事業の充実に努 めます。 子どもたちが,基本的生活習慣や規範意識を育てる上で,学校(園)だけでなく保護者および地域を 含めた取組が必要ですが,まず教職員が保護者への支援の必要性や方法等を理解していきます。 20 人権教育研究団体:人権問題の解決を目指して,人権教育に関して自主的に研究・実践を行っている教職員によって構成される研究団体で, その研究・実践活動に対して,教育委員会が研修費を交付している。 21 フィールドワーク:人権問題に関係する地域や施設に出向いての現地研修。 22 全市人権教育研修:福岡市立学校・幼稚園の全教員,管理職を対象とした人権教育に関する必須研修。 20 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 人権教育関係研修 事 業 目 的 事 業 内 容 若手教職員の人権課題への認 ○「教職員の同和問題(部落差別)に (教育センター研修 識を深め,教職経験年数,管 関わる調査」の結果をもとに,教育 課,教育センター研究 理職や人権教育担当者など職 センターで実施している人権教育に 支援課) 能に応じた各種研修の実施を 関わる研修と学校(園)内で実施し 通して,人権教育の推進・充 ている人権教育研修について連携を 実を図ります。 図ります。 ○教職経験年数や管理職・人権教育 担当者など職能に応じた研修で,人 権課題や人権教育の推進・理解を図 り,学校(園)での人権教育研修の 工夫・改善や充実に向けた意識付け を行います。 ○課題に応じた研修で,人権課題や 人権教育の推進・理解を図ります。 ○調査研究や派遣による研修で,人 権教育の推進・理解を図ります。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 各講座(県外 各講座(県外 目 派遣研修を除 派遣研修を除 く)終了後の く)終了後の 標 アンケート調 アンケート調 9 査で満足度 査で満足度 96%以上 98%以上 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 全市人権教育研修 教員の人権教育に対する基本 学校(園)の全教員と管理職を対象 (学校指導課) 認識を深めるために,差別の に,同和問題をはじめ障がい者問題 現実と人権教育の重点課題を や外国人問題に関わる研修の一層の 踏まえ,差別に対する科学的 充実と共に,多様な性に関する研修 認識を深め,実践の充実を図 など,新たな人権課題についても研 ります。 26年度 修内容に取り入れます。 27年度 28年度 目 ・新たな人権 課題の研修内 容実施 標 ・全校種参加 10 率100% 21 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 男女平等教育研修 事 業 目 的 事 業 内 容 男女共同参画の社会を目指 ○研修会を下記のとおり実施しま (学校指導課 ※市民 し,性別によって人を差別し す。 局男女共同参画課と共 ない人権意識をもった児童生 ・対象 学校(園)の教員 催) 徒の育成を図るため,男女平 ・内容 ①実践発表②講演 等教育の必要性や趣旨につい ○実践発表内容について事前の打ち て教員の理解を深めます。 合わせ,指導を通して充実を図りま す。 ○学校(園)の研修会への参加を確 実にするよう指導するとともに,研 修参加者が重複せず,多くの教員が 受講するように努めます。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 ・研修会参加 目 率100% ・ 「わたしらし 標 く生きる」 11 事業名(担当課・施設) 活用率 活用率 活用率 活用率 70%以上 80%以上 90%以上 100% 事 業 目 的 事 業 内 容 家庭教育支援パンフレ 家庭と連携し,学力向上等に ○夏季休業中に小・中・特別支援学 ット活用研修 かかる生活習慣や学習習慣の 校の教員を対象に,課題克服にかか (学校指導課,生涯学 定着を図るため,家庭教育支 る講演や実践発表等を通した研修を 習課) 援パンフレットの教員への理 実施します。 解を深めます。 ○家庭教育について保護者への支援 の必要性や方法等を教員が理解し, 各学校で配布する家庭生活習慣の向 上を図るためのパンフレット「学ぶ 力の向上を目指して」の活用が図ら れるように啓発します。 26年度 27年度 28年度 目 ・新1年への 配付100% 標 ・研修への参 12 加率100% 22 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 特別支援教育理解啓発 教職員および学校教育関係 平成25年度に,発達教育センターの 研修および障がい児理 者・市民に対して,特別支援 研修部門の教育センター移管に伴 解 教育の理解啓発に取り組み, い,教育センターと連携を図り,特 (発達教育センター) 特別支援教育に関する識見と 別支援教育の理解・啓発推進にかか 豊かな人間性の涵養を図りま わる研修に取り組んでいきます。 す。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 ・発達教育セ ンターだより 3回発行 標 ・出前講座 13 3回実施 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 学校人権教育研修の推 学校(園)での教職員の資質 ○「教職員の同和問題(部落差別)に 進 向上を目指して,学校(園) 関わる調査」の結果をもとに,教育 (学校指導課) での人権教育の推進・充実を センターで実施している人権教育に 図ります。 関わる研修と学校(園)内で実施し ている人権教育研修について連携を 図ります。 ○校内研修でのフィールドワークや 当事者を招いての研修を充実させ, 様々な人権課題を現代の問題として 肌で感じることができるような教職 員の人権意識を高める研修を実施し ます。 ○SNS23 などインターネット上で の差別事象など,新たな人権課題に 応じた研修を実施します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 ・校内研修会 目 実施総数 4,550回 標 ・外部講師招 14 23 ・外部講師招 聘回数 聘回数 500回 600回 SNS:ソーシャル・ネットワーキング・サービス(social networking service) 。人と人との社会的ネットワークをインターネット上で構 築するサービスのこと。 23 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 学校人権教育研修費助 教職員の人権教育問題に関す ○学校(園)に研修費を交付し,教 成 る正しい理解・認識と人権意 職員の人権教育問題に関する研修・ (教育支援課) 識の高揚を図ります。 実践を助成します。 ○人権教育研修費の手引きを必要に 応じて改訂し,より実効性のある研 修費の活用がなされるよう,研修内 容の充実や計画的な執行について指 導します。 ○学校(園)現場の利便を図るため, 研修費の交付時期を早めます。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 助成の継続 標 15 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 人権教育研究団体研修 教職員相互による研修・実践 ○自主的に研究,実践している研究 費助成 活動を支援することにより, 団体の研究諸活動に対する研修費を (教育支援課) 教職員の人権教育意識の高揚 助成します。 を図ります。 26年度 27年度 28年度 目 夏期研究集会 参加者数 標 延べ2,750人 16 24 29年度 30年度 (3)学習教材・資料の整備 17 人権読本「ぬくもり」の整備および活用促進 18 小・中学校道徳副読本整備の推進 19 「小・中学校の社会科における部落問題学習指導事例」の活用 20 「いじめ対応マニュアル」の活用促進 21 「虐待防止マニュアル」の活用促進 22 「体罰によらない教育のために(リーフレット,研修・資料編) 」の活用促進 23 インターネット・携帯電話を介した児童生徒の被害防止取組の指導資料集の活用促進 24 「在日外国人の人権に関する学校教育資料集」の整備および活用促進 《これまでの主な取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 各学習教材・資料が作成され,学校(園)で有効に活用されました。 『人権読本「ぬくもり」24』に ついては,小・中・特別支援学校で授業や教職員研修に活用され,活用率は100%でした。 「小・中学 校の社会科における部落問題学習指導事例」は平成24年度に全面改訂し,改めて学校(園)に配布す るとともに,教員が必要なときに見られるよう庁内専用インターネット「職員ポータル」 (以下「職員 ポータル」という)に掲示しました。また, 「いじめ対応マニュアルの活用促進」では,平成25年度に 同マニュアルと「いじめ早期発見・早期対応の手引き(福岡県教育委員会作成) 」をより効果的に活用 できるよう,教職員対象のダイジェスト版リーフレットを作成しました。 「体罰によらない教育のため に(リーフレット,研修・資料編) 」の活用促進」では,校長連絡会,教頭会連絡会,生徒指導連絡会, 生活補導主事連絡会および部活動顧問者会での周知を図り,体罰の件数としては平成21年度では23件 だったものが平成24年度は14件に減少しました。 【今後の課題】 人権読本「ぬくもり」については,多様な課題に対応していない部分もあり,改訂していく必要があ ります。それぞれの教材・資料については,課題に応じて内容の整備・改訂を行い,活用方法について も活用率が100%になるよう指導方法の工夫などが必要です。 【今後の方向性】 各学習教材・資料と人権読本「ぬくもり」については,児童生徒が差別事象に対して「差別は許さな い」といった態度と行動を実践できるようにするため,関係機関・団体と連携し,順次改訂作業を行い, 内容を多様な課題にも対応できるものとしていきます。 「いじめ対応マニュアルの活用促進」では,平 成25年9月に施行された「いじめ防止対策推進法」も踏まえ,内容を整備していきます。 また,平成25年8月の文科省通知「体罰の禁止及び児童生徒理解に基づく指導の徹底について」の 趣旨をふまえ, 「体罰は子どもの人間としての尊厳を損なう行為であり,重大な人権侵害である」とい う認識のもと「体罰によらない教育のために(リーフレット,研修・資料編) 」をさらに活用して,体 罰禁止の徹底を図り,体罰の撲滅を目指します。 「小・中学校道徳副読本整備の推進」では,新規事業の道徳教育推進事業と連携して副読本の活用を 図ります。 「インターネット・携帯電話を介した児童生徒の被害防止取組の指導資料集の活用促進」で は,日々進化する情報機器やSNS25をはじめとする新たな環境に対応できるような研修会を実施し, 24 人権読本「ぬくもり」 :児童生徒の人権意識の高揚を効果的に図るために,小中学生を対象に作成した人権教育に係る副読本(小 1,小 2, 小 3・4,小 5,小 6,中学校用) 。全市の小・中・特別支援学校の児童生徒用に配布している。 25 SNS:ソーシャル・ネットワーキング・サービス(social networking service) 。人と人との社会的ネットワークインターネット上で構築 するサービスのこと。 25 児童生徒への情報モラル教育に努めます。 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 人権読本「ぬくもり」 児童生徒の人権意識の高揚を 多様な人権問題にも対応し道徳の時 の整備および活用促進 効果的に図ります。 間にも活用できるよう,人権読本「ぬ (学校指導課) くもり」の改訂版を作成し,活用の 充実を図ります。 26年度 27年度 28年度 目 ・3/4年版 5・6年版 発行 1・2年版 発行 29年度 30年度 中学生版発行 発行 標 17 ・活用の充実 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 小・中学校道徳副読本 道徳の時間の充実を図るとと 道徳教育推進事業と連携して,道徳 整備の推進 もに,指導方法の工夫改善に の時間の授業改善を図ります。児童 (学校指導課) より,児童生徒の正義や公正 生徒が体験を踏まえて,実感をもっ さを重んじる心,他を思いや て自分の心を見つめさせるために, る心,命を大切にし,人権を 小・中学校道徳副読本を整備します。 大切にする心等を育む「心の 教育」の充実を図ります。 26年度 27年度 28年度 目 道徳副読本活 用率 標 100% 18 26 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 「小・中学校の社会科 部落差別に関する科学的認識 ○「社会科(歴史・公民)担当者研 における部落問題学習 の向上を図ります。 修」の研修内容を充実します。 指導事例」の活用 ○「人権教育担当者研修」 「全市人権 (学校指導課) 教育研修」などで, 「小・中学校の社 会科における部落問題学習指導事 例」の説明を行い,社会科担当教員 以外の教員への啓発を図り,同事例 の活用促進に努めます。 26年度 目 活用率 85%以上 27年度 28年度 29年度 30年度 活用率 活用率 活用率 活用率 87%以上 90%以上 92%以上 95%以上 標 19 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 「いじめ対応マニュア いじめは児童生徒の心身の成 ○学校(園)に「いじめ対応マニュ ル」の活用促進 長に大きな影響を及ぼし,か アル」を活用した研修を行うよう周 (学校指導課) けがえのない命さえも失いか 知徹底します。また,活用状況を把 ねない重要な問題であり,決 握するため調査を実施します。 して許されない行為であると ○「いじめ対応マニュアル」と福岡 いう認識をもち,いじめの未 県教育委員会作成の「いじめ早期発 然防止,早期発見,即対応を 見・早期対応の手引き」をより効果 行います。 的に活用できるよう作成したダイジ ェスト版リーフレットを活用しま す。 26年度 27年度 28年度 目 いじめ対応マ ニュアル活用 標 率 20 100% 27 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 「虐待防止マニュア 校内研修会等で, 「虐待防止マ ○児童の虐待防止の相談窓口を教育 ル」の活用促進 ニュアル」を活用し,児童虐 相談課としたため,教育相談課との (学校指導課) 待の状況および対応方法を確 円滑な連携を図ります。 認することにより,虐待の早 ○学校(園)に「虐待防止マニュア 期発見と関係機関と連携した ル」を活用した研修を行うよう周知 対応に活かします。 26年度 徹底します。 27年度 28年度 29年度 30年度 目 虐待防止 マニュアル活 標 用率 21 100% 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 「体罰によらない教育 体罰を一掃し,温かい人間関 ○リーフレットの活用を推進し,各 のために(リーフレッ 係と信頼に基づく教育に取り 学校で体罰によらない指導を実施し ト,研修・資料編) 」の 組むために,教職員の体罰禁 ます。 活用促進 止の周知・徹底と意識向上を ○部活動における体罰対策として, (学校指導課) 図ります。 学校と部活動担当教員や部活動担当 教員同士の連携を図り,有効な取組 について情報を共有します。 26年度 27年度 28年度 目 リーフレット 等活用率 標 100% 22 28 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 インターネット・携帯 児童生徒がインターネット等 ○情報モラル教育の充実を図るた 電話を介した児童生徒 による被害者や加害者になら め,啓発資料の活用を徹底し,研修 の被害防止取組の指導 ないよう,より一層の指導の 会を実施します。 資料集の活用促進 充実に努めます。 ○SNSへの対応など今日的な課題 (学校指導課) に対応した研修会を実施します。 ○研修で得た情報を生かし,全小中 学校で情報モラルに関する授業を実 施します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 ・全小中学校 の担当者に研 目 修実施 ・全小中学校 標 で情報モラル に関する授業 実施 23 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 「在日外国人の人権に 学校(園)において,発達段 ○人権課題の解決に向けての教職員 関する学校教育資料 階に応じた,在日外国人の人 研修において「在日外国人の人権に 集」の整備および活用 権に関する教育が適切に行わ 関する学校教育資料集」の活用を促 促進 れていくように努めます。 (教育支援課) します。 ○「在日外国人の人権に関する学校 教育指導指針」 (平成9年7月策定) に基づき内容の検討を行います。 26年度 27年度 28年度 目 資料集の活用 促進 標 24 29 29年度 30年度 (4)家庭・地域,関係機関・団体との連携および校種間の連携 25 学校と家庭の連携による学力向上の取組 26 いじめ防止対策委員会の推進 27 特別支援学校地域交流事業 28 特別支援学校卒業生の就労促進 29 進路指導事業 30 PTA人権教育研修 13 特別支援教育理解啓発研修および障がい児理解(再掲) 《これまでの取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 「学校と家庭の連携による学力向上の取組」では,多くの保護者が参加する入学説明会や学年懇談会 等の機会を活用して,家庭教育に関する学習会を平成21年度から平成24年度に計119校(参加者11, 992人)実施しました。 「いじめ防止対策委員会の推進」では,各学校に教員,保護者,地域の青少年 育成連合会26や児童委員27等からなる「いじめ防止対策委員会」を設置し,定期的に情報交換や協議を 行い,いじめの未然防止や早期発見に努めました。 また,特別支援学校関係の事業において, 「特別支援学校地域交流事業」では,特別支援学校で学ぶ 児童生徒と地域の小中学校で学ぶ児童生徒やその保護者との交流活動を行った結果,同校8校の合計参 加者は,平成21年度は800人だったものが平成24年度には2,171人に増加するなど,特別支援教育 についての理解が広まりつつあります。 「特別支援学校卒業生の就労促進」では,企業を対象に特別支 援学校就労促進セミナーを開催するなど,就労に向けた取組を行った結果,特別支援学校高等部卒業生 の就労者数は,平成23年度27人から平成24年度33人に増加しました。また,企業・事業所,保護者, 関係機関,学校が連携し,特別支援学校高等部生徒の就労をさらに促進するために「夢ふくおかネット ワーク28」を立ち上げました。 「PTA人権教育研修」では,福岡市PTA協議会との共催事業として,全市特別支援教育啓発研修 会,各区別の役員研修講座,研究集会および市立小学校,中学校,特別支援学校223校のPTAでの 役員・委員研修および会員研修を実施し,人権教育を積極的に推進してきました。平成21年度から平 成24年度までに,延べ10万8千人を超える参加がありました。 【今後の課題】 それぞれの事業は,連携を図る対象によっては期待する効果が現れるまで相当時間を要することがあ るため,長期的な働きかけが必要です。例えば, 「学校と家庭の連携による学力向上の取組」では,対 象が家庭であり,保護者を通じて子どもたちの学力向上という効果を求めていることから,効果検証が 難しいため,繰り返し必要な情報を保護者に伝える必要があります。 【今後の方向性】 各事業において,連携対象となる家庭や地域,企業,関係団体などに対し,どうすれば協力しあえる か,どのような働きかけをすればより期待する効果が得られるかなどを踏まえた事業内容にしていきま す。例えば, 「学校と家庭の連携による学力向上の取組」では,児童生徒の生活習慣,家庭学習の定着 26 青少年育成連合会:地域内の青少年育成関係機関や団体の力を集結し,相互の情報交換や事業の連絡・調整をはかりながら,地域ぐるみで 次代を担う青少年の健全育成をはかるための活動を行う組織。 27 児童委員:地域で子どもたちが元気に安心して暮らせるように,子どもたちを見守り,子育ての不安や心配ごとなどの相談・支援等を行っ ている。厚生労働大臣から委嘱され,民生委員が児童委員を兼ねることとされている。 28 夢ふくおかネットワーク: 「特別支援学校就労促進ネットワーク」の愛称。企業・事業所,保護者,学校,関係機関等が連携して,特別支 援学校高等部卒業生の就労の促進を図るもの。企業・事業所向けに障がい者雇用理解を促進するためのセミナーの開催や情報提供,保護者や 教員向けに生徒の就労への意欲を高めるためのセミナーの開催等の事業を行っている。 30 度の向上を図るために,メディアに長時間接触することの子どもへの影響について学習会などをすすめ ていきます。 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 学校と家庭の連携によ 学校や家庭,地域等と連携を ○小中学校入学前の子を持つ保護者 る学力向上の取組 しながら家庭教育の支援を促 が参加する入学説明会のほか,保護 (生涯学習課,学校指 進し,児童生徒の学力向上等 者会等を活用した学習会を実施し, 導課) に係る生活習慣や学習習慣の より多くの保護者へ家庭教育の重要 定着を図ります。 性やあり方を深めるための学習の機 会を提供します。 ○基本的生活習慣の確立をめざすた めに,引き続き,メディアに過度に 接触しない生活について理解を深め る学習会を推進していきます。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 ・学習会の継 続実施 ・メディアに 標 関する学習会 25 等実施 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 いじめ防止対策委員会 陰湿化,潜在化傾向にあるい ○保護者や地域の青少年健全育成担 の推進 じめ問題に対し,学校・家庭・ 当者および学校職員で構成し,いじ (学校指導課) 地域・関係機関と連携して情 めの早期発見や解決を図るいじめ防 報交換や行動連携をすること 止対策委員会の開催状況について調 で,いじめの未然防止や早期 査を行い,実態を把握します。 発見に努めます。 ○通知文や研修会を通して, 「いじめ 防止対策委員会」の定期的な開催に ついてさらに周知徹底します。 ○小中学校に対して事業経費の助成 を行います。 26年度 27年度 28年度 目 全小中学校で いじめ防止対 標 策委員会開催 26 31 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 特別支援学校地域交流 障がい児や特別支援教育に対 ○特別支援学校で様々な事業を企画 事業 する認識や理解を深め,地域 し,特別支援学校で学ぶ児童生徒と (発達教育センター) 社会における障がい児の受入 地域の小中学校で学ぶ児童生徒やそ 体制の充実を図ります。 の保護者との交流活動を行います。 ○地域や関係者への説明,広報をさ らに努め,地域の小中学校で学ぶ児 童生徒やその保護者に特別支援学校 についての情報が届くようにしま す。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 8校合計の参 2,500人 加者数の向上 標 27 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 特別支援学校卒業生の 生徒の一人ひとりの特性や能 ○企業・事業所に障がい者雇用に関 就労促進 力を最大限に伸ばし,自立と する理解を拡げるセミナーを企画 (発達教育センター) 社会参加を進めるために,関 し, 「夢ふくおかネットワーク」の登 係機関・団体と連携した取組 録企業を増やします。 を進め,企業への就職促進を ○家庭生活の支援を充実させるため 図ります。 の保護者対象セミナーや,教育活動 を充実させるための教員対象セミナ ー,企業・事業所に障がい者雇用の 理解を広げるための企業対象セミナ ーを行います。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 登録企業数の 増加 標 (H2 4年度 28 登録企業数 末51社登録) 100社 32 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 進路指導事業 高等学校中途退学や卒業後の ○中学校卒業生の追跡調査を確実に (学校指導課) 進路未定者数を減少させるた 行えるようにデータを作成・保存す めに,小・中・高の校種間お るとともに,高校と連携窓口を明確 よび関係機関・団体との連携 にします。 により,児童生徒の進路指導 ○関係機関・団体の活動を小中学校 の充実を図ります. のキャリア教育カリキュラムを柱に 連携します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 80人以内 70人以内 60人以内 50人以内 目 進路未決定者 数90人以内 標 29 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 PTA人権教育研修 PTA会員が人権についての ○福岡市PTA協議会との共催事業 (生涯学習課) 理解を深めることを通して, として,全市特別支援教育啓発研修 学校での人権学習を積極的に 会,各区別の役員研修講座,研究集 受けとめることのできるよう 会並びに市立小・中・特別支援学校 な家庭の基盤づくりと,人権 のPTAで役員・委員研修および会 を尊重し人の多様性を認め合 員研修を実施します。 う地域づくりを目指します。 ○区別および単位PTA人権教育研 修会の企画運営は,区PTA連合会 や各単位PTAが行い,各区生涯学 習推進課がサポートします。 ○市立幼稚園・高校PTAについて は,情報の提供など必要に応じて支 援を行います。 26年度 目 標 30 27年度 研修の継続実施 ・全市特別支援教育啓発 研修会 ・区別役員研修講座 ・区別研究集会(人権教 育分科会) ・小・中・特別支援学校 の単位PTAでの役 員・委員研修および会員 研修の各1回の実施 33 28年度 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 特別支援教育理解啓発 教職員および学校教育関係 平成25年度に,発達教育センターの 研修および障がい児理 者・市民に対して,特別支援 研修部門を教育センター移管に伴 解 教育の理解啓発に取り組み, い,教育センターと連携を図り,特 (発達教育センター) 特別支援教育に関する識見と 別支援教育の理解・啓発推進にかか 豊かな人間性の涵養を図りま わる研修に取り組んでいきます。 す。 26年度 27年度 28年度 目 ・発達教育セ ンターだより 3回発行 標 ・出前講座 13(再掲1(2) ) 3回実施 34 29年度 30年度 (5)組織的な取組と点検・検証 31 学校人権教育の取組の進捗状況調査 《これまでの取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 4つの調査項目(①推進体制に関すること②指導に関すること③研修・研究に関すること④家庭・地 域との連携に関すること)に基づき,学校(園)の取組状況を点検評価することができました。また客 観的なデータを基に,今後の各学校における人権教育の指導の方向性を探ることができました。改訂し た「人権教育指導の手引き」を配布し教職員に対する研修の充実を図ることができました。 【今後の課題】 より人権意識の高揚を図るために,フィールドワークや差別の実態に学ぶ視点を持つ研修内容にする など,研修の充実を図る必要があります。 【今後の方向性】 調査項目にフィールドワークや差別の実態に学ぶ視点を持った「体験型研修実施校の割合」を加え, 5つの調査項目について毎年度学校(園)の人権教育の取組の進捗状況および成果と課題について把握 し,結果を分析し,各校の人権教育の組織的・計画的な推進を図ります。 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 学校人権教育の取組の 学校(園)の人権教育の組織 学校(園)の人権教育の取組の進捗 進捗状況調査 的・計画的な推進を図ります。 状況および成果と課題について把握 (学校指導課) し,5つの調査項目における評価が 前年度を上回るために,人権教育の 推進を図ります。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 99% 100% 100% 100% 90% 92% 94% 96% 90% 92% 94% 96% 80% 82% 84% 86% 90% 100% 100% 100% 「十分にできている, できている」の割合 ①「推進体制に関する こと」 97% 目 ②「指導に関すること」 88% 標 ③「研修・研究に関す ること」88% ④「家庭・地域との連 県に関すること」78% ⑤「体験型研修実施校 31 の割合」 80% 35 (6)学校(園) ・家庭等への情報発信・普及 32 学校(園)への人権教育に関する情報の提供 33 家庭・地域への人権教育に関する情報の提供 《これまでの取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 様々なマニュアルや教材が電子データ化され,学校(園)で「職員ポータル」を活用し,必要なとき に容易に入手することが可能になりました。 【今後の課題】 人権教育に関する最新情報を,より多く入手し発信していく必要があります。 【今後の方向性】 新しいマニュアルや教材を作成した際には,確実に電子データ化しインターネット等を通して利用・ 活用できるようにするとともに,学校が地域や保護者と連携して進める取組を他の学校に紹介するなど, 常に新しい情報を入手し,発信する情報の充実に努めていきます。また,家庭等への情報提供について は,教育委員会ホームページのコンテンツの見直しなどと合わせ,より多くの情報を提供できるよう更 に工夫改善に努めます。 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 学校(園)への人権教 人権教育に関する取組の普及 ○人権教育の先進的な取組事例など 育に関する情報の提供 を図ります。 を収集し,事例集として各学校(園) (教育支援課) に情報提供します。 ○各教員パソコン導入に伴い,紙媒 体のみでなく電子媒体でも人権教育 に関する情報の収集と提供する情報 の充実に努めていきます。 26年度 27年度 28年度 目 電子媒体での 情報提供 標 32 36 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 家庭・地域への人権教 家庭・地域に情報提供し,人 多くの市民がインターネット等を利 育に関する情報の提供 権教育活動の浸透・普及に努 用し,情報収集することが可能にな (教育支援課) めます。 っているため,様々な人権教育に関 する情報を収集し,教育委員会のホ ームページを活用して,発信してい きます。 26年度 27年度 28年度 目 電子媒体での 情報提供 標 33 37 29年度 30年度 2 社会教育における人権教育に関する施策 (1)多様な学習ニーズに対応する学習機会の提供 34 公民館主催事業 35 市民センター主催事業 36 図書館事業 37 公民館施設の提供 38 市民センター施設の提供,視聴覚機材等の貸出 39 施設のユニバーサルデザインの整備(図書館) 《これまでの取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 市民センターや公民館などの各社会教育施設においては, 「様々なことを学ぶ機会を得ることそのも のが人権である」という認識に立ち,各種の学習会・講座が開催されました。公民館においては,人権 問題学習講座を基本事業として取り組むとともに,日頃から地域課題に対する「人材育成」 「高齢者の 地域参画」 「安全・安心のまちづくり」などの,地域の実態に即した事業を企画実施しました。また世 代間交流や子育て支援,高齢者の活動をはじめ地域での様々な活動や交流の拠点として利用され,平成 24年度には全市で約34万5千人の人が事業に参加しました。 市民センターにおいても,子育て中の保護者,高齢者,外国人などを対象にした学習会や講座を開き, 学習機会の提供を行いました。 総合図書館も蔵書数を増やすことはもとより,有料宅配サービスや地下鉄駅での図書返却ポストの設 置など,利用者の視点に立ったサービスの充実に努めました。 【今後の課題】 市民の学習ニーズや地域課題が多様化し,学習意欲も高まっているため,ニーズや課題の把握,なら びにそれぞれの社会教育施設の利用者に対応した内容を各事業で提供する必要があります。 【今後の方向性】 市民の学習ニーズはますます多様化し,学習意欲も高まっているため,地域課題等の把握に努め,事 業内容の一層の充実を図ります。 また,市民センターについては,平成24年度から指定管理者制度が導入されていますが,これまで 以上に市民の自主学習活動が促進されるよう,社会教育施設としての役割を踏まえた管理運営に努めて いきます。 38 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 公民館主催事業 事 業 目 的 事 業 内 容 社会教育法第21条の規定に ○今後も様々な人権問題をはじめ, (市民局公民館調整 基づき,住民の生涯学習およ 地域課題等に即した公民館事業とな 課,各区地域支援課, び地域コミュニティ活動を支 るよう,継続実施します。 各区生涯学習推進課) 援することにより,生活文化 ○公民館職員の研修を通して実践発 の振興,福祉の増進に寄与し 表の内容の充実を図るとともに,公 ます。 (福岡市公民館条例第1 民館事業の計画段階から,区役所と 条より) 公民館が一体となって取り組む仕組 みづくりに努めます。 【開催事業】人権問題学習講座等の 基本事業。地域活動ボランティア養 成講座等の地域人材育成事業。高齢 者地域参画支援講座等の地域の実態 に即した事業。社会の動向に対応し た事業。家庭教育学級等の家庭・地 域の教育力向上関連事業 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 人権問題をは じめ地域課題 等に即した公 標 民館事業の実 34 施 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 市民センター主催事業 市民の教育,文化の振興を図 ○学ぶことは人権であるという観点 (各区生涯学習推進 り,社会福祉の増進に寄与す 課) 29 から,市民の学習ニーズまたは地 るとともに,地域連帯意識の 域の実情に応じた事業内容を検討 高揚を図ります。 26年度 し,主催事業を実施します。 27年度 28年度 29年度 30年度 目 学習ニーズに 応じた事業の 標 実施 35 29 世界人権宣言第 27 条第1項「すべて人は,自由に社会の文化生活に参加し,芸術を鑑賞し,および科学の進歩とその恩恵にあずかる権利 を有する」に基づき, 「さまざまなことを学ぶ機会を得ることそのものが人権である」という観点が導かれている。 39 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 図書館事業 21世紀における学習・情報・ ○市民への読書機会の提供やレファ (総合図書館) 文化の多様なニーズに的確に レンスサービスの充実に努めます。 応える生涯学習推進の中枢施 ○来館が困難な市民に対する図書返 設と位置づけ,市民生活に密 却サービス等の充実に努めます。 着した情報提供の役割を果た します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 市民が利用し やすい図書館 標 サービスの提 36 供 事業名(担当課・施設) 公民館施設の提供 事 業 目 的 事 業 内 容 社会教育法第21条の規定に ○自治協議会等地域団体などに学習 (市民局公民館調整 基づき,住民の生涯学習およ 活動等の場を提供します。 課,各区地域支援課) び地域コミュニティ活動を支 ○市民が気軽に立ち寄ることがで 援することにより,生活文化 き,ふれあい,交流できる場の提供 の振興,社会福祉の増進に寄 に努めます。 与します。 (福岡市公民館条例 開館時間 9時~22時 第1条より) 休 館 日 12月29日~1月3日 26年度 27年度 28年度 目 学習活動等の 場の提供 標 37 40 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 市民センター施設の提 市民の教育,文化の振興を図 ○市民の自主的な学習活動を促進, 供,視聴覚機材等の貸 り,社会福祉の増進に寄与す 支援します。 出 るとともに,地域連帯意識の ○指定管理者による民間のノウハウ (各区生涯学習推進 高揚を図ります。 を生かしたサービスを提供します。 課) また視聴覚教材の充実を図ります。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 市民が利用し やすい施設運 標 営 38 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 施設のユニバーサルデ すべての人が安全で快適に利 施設のユニバーサルデザインの整備 ザイン30の整備 用できるバリアフリーの施設 を行います。 (総合図書館) づくりを進めます。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 施設の整備 標 39 30 ユニバーサルデザイン:障がいの有無や年齢,性別を問わず,すべての人が自由に,快適に利用でき,行動できるような思いやりあふれる 配慮を,まちづくりやものづくりなどのあらゆる場面で,ハード・ソフトの両面から行なっていこうとする考え方。 41 (2) 家庭や地域の教育力充実のための事業の推進 40 地域ぐるみ家庭教育支援事業 41 人権のまちづくり促進教育事業 42 障がい者青年学級 43 不登校の子どもの保護者支援事業 44 家庭・地域の教育力関連事業 45 親子参加,ふれあい,子育て事業 46 ボランティア等支援事業 47 青少年健全育成講座 48 子どもの人権に関わる総合講座 《これまでの取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 地域や家庭などそれぞれ支援を必要とする当事者,保護者や団体に対し,学習機会の提供をしたり, 支援者の養成講座などを実施したりしました。例えば, 「不登校の子どもの保護者支援事業」では,不 登校に関する講演会やセミナーを開催するとともに,保護者を支援するサポーター養成講座を開催しま した。また,平成24年度以降はNPOと連携し,講演会参加者が大幅に増加するなど,社会全体が子 どもの不登校について理解し,広く啓発する場として重要な役割を果たしました。また,各区生涯学習 推進課が行なっている子育て事業や青少年健全育成講座などは,支援を必要とする人への情報提供や交 流の場として役立ちました。 【今後の課題】 核家族化が進展し,一人で悩み孤立している保護者や支援を必要としている当事者は,潜在的に多く 存在していると思われることから,各事業について対象者に確実に情報が行き渡るよう広報・啓発の方 法を工夫する必要があります。また,各事業を推進するには当事者や保護者などを支援していくサポー ターやボランティアの役割がますます重要になっていくと思われるため,自主的に支援等を行なってい る親の会やNPOなどの自主団体と連携し,支援していく必要があります。 【今後の方向性】 各事業について,必要な人に必要な情報が届くよう,広報の方法を工夫していきます。また,引き続 き当事者や保護者などを支えるボランティア・サポーター養成講座やスキルアップ研修会などの事業を 充実していきます。地域等で自主的に活動している個人や団体と連携し,事業の充実を図っていきます。 42 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 地域ぐるみ家庭教育支 地域の中できめ細かな家庭教 ○対象となる保護者が行う家庭教育 援事業 育の支援を必要とする保護者 に関する学習活動費の助成,助言・ (人権・同和教育課) を対象に,家庭教育力の向上 指導および情報提供を行います。 を図ります。 ○新規申請グループを増やすため, 地域や関係者への説明,広報を行い, この事業を必要としている地域グル ープに情報が届くように努めます。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 新規申請グル ープ数 標 各年度1グル 40 ープ以上 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 人権のまちづくり促進 人権に関わる課題を持つ当事 ○人権課題の当事者を対象としたグ 教育事業 者の問題の解決を図ります。 (人権・同和教育課) ループの学習活動費の助成,助言・ 指導および情報提供を行います。 ○新規グループを増やすため,地域 や関係者への説明,広報を行い,こ の事業を必要としている当事者グル ープに情報が届くように努めます。 26年度 27年度 28年度 目 情報提供する グループ数 標 各年度2グル 41 ープ以上 43 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 障がい者青年学級 市立特別支援学校高等部を卒 概ね月1回,特別支援学校を実施場 (生涯学習課) 業した,知的障がいのある青 所として,知的障がい者相互の交流 年の社会参加を促進します。 を図るとともに,社会生活に必要な 知識・技能に関する学習を行う青年 学級を実施します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 実施学級数 7学級 標 42 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 不登校の子どもの保護 不登校児童生徒の保護者に対 ○校区など身近な場所に親が安心し 者支援事業 し,子育てへの自信と意欲を て不登校の子どものことを話せる場 (生涯学習課) 回復させ問題の糸口を探りま をつくるため,不登校をかつて経験 す。また,社会全体の不登校 した保護者やサポートした経験者を に対する理解を深めます。 対象に,不登校に悩む保護者支援サ ポーター養成講座を引き続き実施し ます。 ○市民局の共働事業提案制度31によ る「NPOとの共働による不登校児 童生徒の保護者支援事業」をNPO と連携して実施していきます。なお, 共働事業終了後も,NPOと連携し ながら保護者を支援していきます。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 ・不登校に悩む保 護者支援「サポー 目 ター養成講座」の 継続実施 ・悩みを語り合う 標 講座 月1回 ・不登校セミナー 等の開催(共働事 43 31 業含む)2回以上 共働事業提案制度:NPOの斬新なアイデアや専門性を活かした企画提案を募集し,公開プレゼンテーション等も取り入れながら,審査・ 採択された事業について,NPOと市が実行委員会を組織し,市が総事業費の5分の4以内を負担して,共働で事業に取り組む制度。 44 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 家庭・地域の教育力向 都市化,核家族化,地縁的つ 親の学びの機会である家庭教育学 上関連事業 ながりの希薄化等の社会構造 級,乳幼児ふれあい学級や地域で子 (市民局公民館調整 の変化に伴い,家庭や地域の 育てを支援するサポーターの養成を 課,各区地域支援課) 教育力の向上を図ります。 行う子育てサポーター養成講座など を各公民館で実施します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 子育てに関す る学習機会の 標 提供 44 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 親子参加,ふれあい, 親子の絆や会話など家庭教育 市民の学習ニーズや地域課題等に応 子育て事業 を支援するなど,親子のふれ じた内容を検討するとともに,親子 (東,博多,中央,南, あい促進を図ります。 で過ごす時間,場所の提供等を行い, 城南区生涯学習推進 親子がふれあう機会を提供する事業 課) を実施します。 26年度 27年度 28年度 目 親子のふれあ い促進 標 45 45 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 ボランティア等支援事 地域でのボランティア活動推 ○地域でリーダーとして活躍するボ 業 進のため,ボランティアの人 ランティアなどを対象に,情報交 (東,博多,中央区生 材育成および資質の向上を図 換・交流・学習できる場の提供など 涯学習推進課) ります。 の支援をします。 ○地域でのボランティア人材育成の ため,養成講座を継続するとともに, 地域課題に応じた講座の内容を検討 します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 地域ボランテ ィアの人材育 標 成・資質の向 46 上 事業名(担当課・施設) 青少年健全育成講座 事 業 目 的 事 業 内 容 少子・核家族化の中,保護者 ○子どもを地域全体で育てるという (南区生涯学習推進 や地域の大人が,子どもたち 観点から,良好な親子関係を築くた 課) の健やかな成長・発達,親育 めの学習機会を提供します。 ち・子育ちを目指して青少年 ○講座内容の充実を図ります。 の健全育成を図ります。 26年度 27年度 28年度 目 学習を通じた よりよい親子 標 関係の構築 47 46 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 子どもの人権に関わる 子どもの人権を視点に,不登 ○自主団体「不登校サポートネット」 総合講座 校問題などを考える場を設け と共働し,不登校やひきこもりで悩 (西区生涯学習推進 て親や地域のあり方を考えま む子どもや保護者の不安,悩みを解 課) す。 消するための取組を推進します。 ○大人のひきこもりに関する支援方 法については,事業内容はもとより, 事業体系や事業名等についても検討 を進めます。 26年度 27年度 28年度 目 研究会,企画 会議開催 標 「つどい」 48 の実施 47 29年度 30年度 (3)市民主体の取組の推進および連携の強化 49 人権啓発地域推進組織(人尊協等)の設立 50 人権啓発地域推進組織全市交流会 51 人権啓発地域推進組織(人尊協等)への支援 52 人権啓発地域推進組織(人尊協等)交流会 53 区人権啓発連絡会議 54 人権を考えるつどい 55 人権教育推進交流会 56 区PTA連合会の育成・支援 57 単位PTAの育成・支援 58 PTA人権教育担当者連絡会 30 PTA人権教育研修(再掲) 48 子どもの人権に関わる総合講座(再掲) 《これまでの取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 人権啓発地域推進組織(人尊協等)32は,平成26年4月現在,143小学校区中140校区で結成され, それぞれの校区において自主的・主体的に研修会を開催するなど,毎年,延べ4万人を超える市民が参 加し,人権啓発活動が行なわれてきました。 「人権啓発地域推進組織(人尊協等)への支援」では,各 区生涯学習推進課が中心となり人尊協等に対し適切な助言指導や情報提供を行い, 「人権啓発地域推進 組織(人尊協等)交流会」では,活動の実践発表会を行うなど,人尊協活動が活性化するよう支援を行 いました。 また,各区の「区人権啓発連絡会議33」が中心となって,人権に関する広報紙の発行や「人権を考え るつどい」を開催することにより,人権問題を考える機会をより多くの市民に提供し,平成24年度開 催のつどいには全市で2千人を超える市民が参加しました。 学校と家庭と地域社会の接点がPTAであることから,区PTA連合会34や単位PTA35の事業を通 じて,活動の基礎的知識を学ぶ講座や意見交換の場を設けるなど,PTA活動への助言・支援を行いま した。また,PTAが主催する人権教育研修については, 「PTA人権教育担当者連絡会」で研修を行 い,人権教育担当者約600人にそれぞれのPTAの役割や研修の必要性についての認識を深めさせる とともに,研修実施のための手順や事務手続き等を説明することで,活動に対する不安を解消すること に役立ちました。 【今後の課題】 人尊協等やPTA活動など,組織運営に関わる人材の不足が課題となっています。また,単位PTA は単年度で役員が交替するため,引き継ぎを十分に行うことが重要です。 【今後の方向性】 全国的にも先進的な取組として評価されている人尊協等やPTA活動に対して今後ともその支援に 力を注いでいく一方で,組織運営に関わる人材不足や役員の交替に伴う引き継ぎの不十分さなどについ て,組織の活性化と新たな取組のサポートに努めます。 32 人権啓発地域推進組織(人尊協等) :本市独自の取組として,部落差別をはじめ一切の差別をなくすための活動を地域ぐるみで展開する目 的で,昭和 50 年(1975 年)頃から,自治会,社会教育関係団体,人権擁護委員,民生委員・児童委員,小・中・養護学校(現・特別支 援学校)および公民館などにより結成されはじめた。143 小学校区のうち 140 校区(144 組織)において結成されており(平成 26 年 4 月現在) ,地域の特性を生かして,自主的・主体的に,同和問題など様々な人権問題に関する研修会・学習会などを開催,広報紙発行による 啓発活動など諸事業が活発に展開されている。名称は多くの組織で「○○校区人権尊重推進協議会」となっている。 33 区人権啓発連絡会議:地域(校区)の自主的な推進組織づくりの促進を図ることを目的に,平成元年に各区に設立。その構成は,区内の各 校区自治協議会や校区に基盤を持つ各種機関・団体をはじめ,人権啓発地域推進組織(校区人権尊重推進協議会等)も参加している。推進組 織作りの機運の醸成を図るとともに,区における意見交換会,研修会・講演会,広報紙の発行などを行なっている。 34 区PTA連合会:区毎に組織された単位PTAの連合会。 35 単位PTA:学校毎に組織されたPTA。 48 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 人権啓発地域推進組織 地域での学習・啓発活動を通 ○未設立校区においては,校区の自 (人尊協等)の設立 じて,同和問題など様々な人権 主性を尊重しつつ,人尊協設立を明 (人権・同和教育課) 問題の解決を目指します。 確な目標として,公民館主催事業, 公民館運営懇話会委員研修,PTA 研修などを行います。 ○区主催事業,人権啓発連絡会議の 事業への参加を校区各種役員へ呼び かけるなどし,設立への意識向上を 図ります。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 人権啓発地域 推進組織(人 標 尊協等)の全 49 校区設置 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 人権啓発地域推進組織 人権教育の推進および人権意 ○全市の人尊協等の役員および関係 全市交流会 識の高揚のため,全市の人尊 者が一堂に会する全市交流会を開催 (人権・同和教育課) 協等役員および関係者の地域 し,情報の提供,講演会,並びに事 活動の充実を図ります。 例発表会等を実施します。 ○その内容の充実を図ることに取り 組みます。 26年度 27年度 28年度 目 600~700 人参加 標 50 49 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 人権啓発地域推進組織 コミュニティと共働の人権尊 それぞれの校区の実態を踏まえた指 (人尊協等)への支援 重のまちづくりに向け,人尊 導,助言,情報提供を行い,人尊協 (各区生涯学習推進 協等の自主的な活動内容の充 等の活動を支援します。 課) 実を図ります. 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 地域推進組織 への支援 標 51 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 人権啓発地域推進組織 様々な人権問題の解決に向け ○区内の人尊協等の役員が一堂に会 (人尊協等)交流会 て,市民レベルで取り組む人 し,活動内容を中心に交流します。 (各区生涯学習推進 尊協等の地域における活動の ○人尊協等の活動が,さらに効果的 課) 充実を図ります。 26年度 になるよう内容を検討します。 27年度 28年度 29年度 30年度 目 交流会の継続 実施 標 52 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 区人権啓発連絡会議36 同和問題など様々な人権問題 区民の人権意識向上を目指して,区 (各区生涯学習推進 の解決を目指し,地域ぐるみ における意見交換会,人尊協等や地 課) の自主的な推進組織(人尊協 域などの取組を通じて啓発を行う広 等)づくりの促進と区民の人 報紙の発行,委員研修会および人権 権意識の向上を図ります。 を考えるつどいの開催などの活動継 続を支援します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 活動内容の充 実化の支援 標 53 36 区人権啓発連絡会議:地域(校区)の自主的な推進組織づくりの促進を図ることを目的に,平成元年に各区に設立。その構成は,区内の各 校区自治協議会や校区に基盤を持つ各種機関・団体をはじめ,人権啓発地域推進組織(校区人権尊重推進協議会等)も参加している。推進組 織作りの機運の醸成を図るとともに,区における意見交換会,研修会・講演会,広報紙の発行などを行なっている。 50 事業名(担当課・施設) 人権を考えるつどい 事 業 目 的 事 業 内 容 同和問題など様々な人権問題 区人権啓発連絡会議が主催する「人 (各区生涯学習推進 の解決をめざし,市民の人権 権を考えるつどい」で,講演内容な 課) 意識の高揚を図ります。 どを工夫するとともに,より多くの 市民の参加を得るように広報の内容 や方法を検討します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 参加者数の増 加 標 54 事業名(担当課・施設) 人権教育推進交流会 事 業 目 的 事 業 内 容 差別の実態など,意見交換す ○各区の実情・課題に応じて,関係 (東,城南,早良,西 ることにより人権学習・啓発 団体と行政関係者の交流会を実施 区生涯学習推進課) 活動の課題等の解決を図り, し,意見交換を行います。 人権教育の推進を図ります。 ○交流会を効果の高いものにするた めに,会の進行方法など検討・工夫 していきます。 26年度 27年度 28年度 目 各区での交流 会の実施 標 55 51 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 区PTA連合会の育 単位PTA活動に対する理解 ○区PTA連合会が主催する単位P 成・支援 を深め,充実したPTA活動 TA活動に関する研修講座や,PT (各区生涯学習推進 に役立てます。 A活動の実践事例をもとに行う研究 課) 集会などに対し指導・助言を行いま す。 ○研修講座,研究集会の運営がスム ーズに行われるよう,PTAと連携 をとりながら課題や役割を認識し助 言・指導を行います。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 円滑な事業運 営,内容等の 標 充実 56 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 単位PTAの育成・支 単位PTA人権教育研修会の 昨年度情報も含め,指導資料「歩み 援 円滑な運営を図るため,助 つづけるPTA」を活用して,PT (各区生涯学習推進 言・指導等を行い,充実した A役員・委員研修や会員研修(講演 課) 単位PTA活動に役立てます。 会等)への助言指導,講師情報の提 供などを通じ,単位PTAの育成・ 支援を行います。 26年度 27年度 28年度 目 単位PTAへ の適切な助 標 言,指導 57 52 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 PTA人権教育担当者 PTA人権教育研修担当者と ○担当者連絡会では,資料を使った 連絡会 しての役割や人権問題につい きめ細かな説明をするなど,企画運 (各区生涯学習推進 ての基本的理解,研修の必要 営についての理解を図ります。 課) 性,企画・実施等についての ○単位PTAの定例会や委員研修会 認識を図ります。 26年度 などでも十分な理解を図ります。 27年度 28年度 29年度 30年度 目 その後の打ち 合わせ回数を 増やし,きめ 標 細かな支援の 58 実施 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 PTA人権教育研修 PTA会員が人権についての ○福岡市PTA協議会との共催事業 (生涯学習課) 理解を深めることを通して, として,全市特別支援教育啓発研修 学校での人権学習を積極的に 会,各区別の役員研修講座,研究集 受けとめることのできるよう 会並びに市立小・中・特別支援学校 な家庭の基盤づくりと,人権 のPTAで役員・委員研修および会 を尊重し人の多様性を認め合 員研修を実施します。 う地域づくりを目指します。 ○区別および単位PTA人権教育研 修会の企画運営は,区PTA連合会 や各単位PTAが行い,各区生涯学 習推進課がサポートします。 ○市立幼稚園・高校PTAについて は,情報の提供など必要に応じて支 援を行います。 26年度 目 標 30(再掲2(4) ) 27年度 研修の継続実施 ・全市特別支援教育啓発 研修会 ・区別役員研修講座 ・区別研究集会(人権教 育分科会) ・小・中・特別支援学校 の単位PTAでの役 員・委員研修および会員 研修の各1回の実施 53 28年度 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 子どもの人権に関わる 子どもの人権を視点に,不登 ○自主団体「不登校サポートネット」 総合講座 校問題などを考える場を設け と共働し,不登校やひきこもりで悩 (西区生涯学習推進 て親や地域のあり方を考えま む子どもや保護者の不安,悩みを解 課) す。 消するための取組を推進します。 ○大人のひきこもりに関する支援方 法については,事業内容はもとより, 事業体系や事業名等についても検討 を進めます。 26年度 27年度 28年度 目 研究会,企画 会議開催 標 「つどい」 48(再掲2(2) ) の実施 54 29年度 30年度 (4)学習内容の充実および教材の開発,整備,情報の提供 59 人権講座 60 広報紙づくり講座 61 人権教育教材・資料等の整備 《これまでの取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 市民センターで開催される「人権講座」では,身近な人権問題をテーマに取り上げた講座が実施され, 平成24年度の全市における参加者は延べ4,500人を超え,参加者から非常に好評を得ました。 「広報紙づくり講座」では,人尊協等やPTAの広報担当者が参加し,広報紙づくりに欠かせない様々 な人権の視点について学習するとともに,紙面づくりの基礎知識を習得しました。 【今後の課題】 「人権講座」がPTAや人尊協等役員の研修の機会として定着していますが,より多くの市民にも参 加を広げるために,広報等の充実や講演内容の工夫を行なっていく必要があります。 【今後の方向性】 各事業とも継続して実施し,人権学習の機会を広く提供するとともに,より多くの市民が参加できる よう広報・内容等の充実や工夫を行います。 また,関係団体や市民が人権学習を行う際に役に立つよう,日頃より人権学習・啓発活動推進に有用 な教材(DVD等)を整備し,研修情報などの情報が共有できるよう,資料を作成・整理します。 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 人権講座 事 業 目 的 事 業 内 容 同和問題など様々な人権問題 人権講座を継続実施し,人尊協等や (各区生涯学習推進 に対する市民の理解と認識を PTAに人権学習の機会を提供する 課) 深め,人権問題解決への実践 とともに,さらに参加者を増やすよ 力を高めます。 うな広報等の充実,内容の工夫,講 師の選定を行います。 26年度 27年度 28年度 目 人権講座の継 続開催 標 59 55 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 広報紙づくり講座 事 業 目 的 事 業 内 容 PTA・人尊協等などの地域 ○PTAや人尊協等の広報担当者を (各区生涯学習推進 団体における広報紙づくりに 対象に,広報紙づくりに欠かせない 課) よる啓発活動の充実を推進し 人権について学習するとともに,紙 ます。 面づくりの基礎知識と技術を学ぶ, 広報紙づくりの講座を実施します。 ○講座のねらいや必要性が十分伝わ るよう内容を検討します。 ○さらに多くの地域での広報担当者 が受講できるよう,啓発活動の充実 を図ります。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 広報紙づくり セミナーの開 標 催 60 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 人権教育教材・資料等 地域における人権学習・啓発 人権学習・啓発活動推進に有用な教 の整備 活動推進のため,情報を提供 材(DVD等)を各区に整備すると (人権・同和教育課, します。 ともに,地域の多様なニーズに応じ, 各区生涯学習推進課) 研修情報などの情報が共有できるよ う,人権関係資料を作成・整理しま す。 26年度 27年度 28年度 目 教材等の整備 充実および資 標 料の作成 61 56 29年度 30年度 (5)人材育成・資質の向上 62 公民館人権問題学習講座 59 人権講座(再掲) 60 広報紙づくり講座(再掲) 《これまでの取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 「公民館人権問題学習講座」では,地域指導者を対象とした継続研修(人権セミナー)や公民館サー クル会員を対象とした研修,地域別研修等を実施し,長年の取組の結果,受講生の中から人権問題を自 分自身の課題としてとらえ,地域のリーダーとして活動している人も育ってきました。 【今後の課題】 地域指導者は高齢化してきており,後継者の育成が重要になってきていますが,地域活動する人材の 後継者は地域活動全般において不足し,高齢化が進んでいます。 【今後の方向性】 公民館における人権問題学習講座や各区で開催する「人権講座」の内容を充実させ,人権問題につい て学習する機会を広く提供し,現在の地域指導者等の資質向上を図るともに,地域団体をはじめ,市民 センターや公民館,自治協議会などの地域団体とも連携しながら後継者の人材育成を図ります。 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 公民館人権問題学習講 同和問題や様々な人権問題に ○地域指導者等を対象として各種講 座 ついて正しく理解するととも 座の中で人権問題を位置づけた研修 (市民局公民館調整 に,人権問題の解決を図る意 や,系統的・継続的に学習する人権 課,各区生涯学習推進 志と実践力を持った人間の形 講座を実施します。 課,地域支援課) 成をめざし,もって「人権を ○自治会・町内会ごとに行う地域別 尊重し,人の多様性を認め合 研修や公民館サークルを対象とした うまち」の実現を図ります。 研修を実施します。 ○人権問題の解決に向けて自主的に 取り組む人材の育成を図ります。 26年度 27年度 28年度 目 人権問題に関 する学習機会 標 の提供 62 57 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 人権講座 事 業 目 的 事 業 内 容 同和問題など様々な人権問題 人権講座を継続実施し,人尊協等や (各区生涯学習推進 に対する市民の理解と認識を PTAに人権学習の機会を提供する 課) 深め,人権問題解決への実践 とともに,さらに参加者を増やすよ 力を高めます。 うな広報等の充実,内容の工夫,講 師の選定を行います。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 人権講座の継 続開催 標 59(再掲2(4) ) 事業名(担当課・施設) 広報紙づくり講座 事 業 目 的 事 業 内 容 PTA・人尊協等などの地域 ○PTAや人尊協等の広報担当者を (各区生涯学習推進 団体における広報紙づくりに 対象に,広報紙づくりに欠かせない 課) よる啓発活動の充実を推進し 人権について学習するとともに,紙 ます。 面づくりの基礎知識と技術を学ぶ, 広報紙づくりの講座を実施します。 ○講座のねらいや必要性が十分伝わ るよう内容を検討します。 ○さらに多くの地域での広報担当者 が受講できるよう,啓発活動の充実 を図ります。 26年度 27年度 28年度 目 広報紙づくり セミナーの開 標 催 60(再掲2(4) ) 58 29年度 30年度 3 特定職業従事者の人権教育の推進 (1)教育委員会事務局職員 63 教育委員会職員人権教育研修 64 人権教育関係資料(人権教育のあゆみ)の作成 《これまでの取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 教育委員会職員(教員を除く)を受講対象として,管理・監督職員(新転任・現任) ,一般職員(新 転任,現任) ,事務局等職員全体(2回) ,学校職員全体,職場人権教育推進員という区分でそれぞれ人 権教育研修を実施しており,全職員が必ずいずれかの研修を受講するよう義務づけている。また,演習 形式,参加型手法による研修の推進や身の回りの差別事件,時事的な事件等を題材として活用するなど, 研修内容の充実を図りました。 【今後の課題】 研修の成果を実践に活かしていくためには,日頃から人権感覚の向上に努めていくとともに,職員の 一層の知識向上,意識の高揚に向け,引き続き研修内容の充実に努めていく必要があります。 【今後の方向性】 関係部局との連携を図り,地域等や身の回りで起こっている差別事象等についても,可能な限り研修 に組み入れていくなど,工夫して研修内容の充実を図ります。 また,職員に対して人権に関わる各種研修会等への積極的な参加について呼びかけます。 59 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 教育委員会職員人権教 職員一人ひとりが人権問題を 下記の点を工夫して研修を実施しま 育研修 自らの課題として正しくとら す。 (職員課) え,業務遂行にあたってその ○他者と意見を交わし,様々な視点 趣旨を十分に反映させること で人権問題について考えられるよ ができる人材の育成を図りま う,参加型研修の一層の充実を図り す。 ます。 ○関係部局との連携を図り,地域等 での人権問題に関わる出来事につい て,速やかに研修課題に取り入れる など,現実に身の回りで起こってい る差別事件等についても,可能な限 り研修に組み入れます。 ○研修がマンネリ化しないよう積極 的に外部講師を活用し,研修テーマ については,なるべくタイムリーな もの,これまで取り扱っていないも のとなるよう努めます。 ○年度当初に年間の研修計画を周知 し,参加率の向上を図ります。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 研修全体の参 加率100% 標 63 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 人権教育関係資料(人 人権教育に関する事業実施の 人権教育に関する事業の実施状況等 権教育のあゆみ)の作 参考資料として活用します。 を正確に把握し,全庁OAに掲示し 成 ます。 (人権・同和教育課) 26年度 27年度 28年度 目 人権教育に関 する事業の正 標 確な資料を作 64 成 60 29年度 30年度 (2)教職員 9 人権教育関係研修(再掲) 11 男女平等教育研修(再掲) 10 全市人権教育研修(再掲) 12 家庭教育支援パンフレット活用研修(再掲) 13 特別支援教育理解啓発研修および障がい児理解(再掲) 14 学校人権教育研修の推進(再掲) 15 学校人権教育研修費助成(再掲) 16 人権教育研究団体研修費助成(再掲) ※《これまでの取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 【今後の課題】 【今後の方向性】について は P20の 1 学校(園)における人権教育に関する事業 「 (2)教職員研修の充実」と同様の ため,再掲。 再 掲 《これまでの主な取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 「人権教育関係研修」は,教育センターで行う初任者研修や校長・園長研修など経験年数や職能に応 じて,様々な人権課題を取り上げながら研修を実施してきました。 「学校人権教育研修の推進」では, 学校(園)で行う研修は年間指導計画に基づき計画的に行われ,人権教育研究団体37(5団体)主催に よる研修の受講や, 児童生徒をよりよく理解するためにQ-Uアンケートの具体的な活用に関する研修を 実施するなど,様々な研修の実施により職員の人権意識の高揚につながってきました。また,知識とし て人権問題を学ぶだけではなく,人権問題の当事者等を講師として招く研修会や,フィールドワーク38 を通した体験的な活動を取り入れた研修会を積極的に行うなど,当事者に学ぶ研修を増やしてきました。 「全市人権教育研修39」では,教員を対象に夏季休業中に人権課題に関する講演を行い,内容の充実お よび講座回数の増加など工夫したことによって,平成21年度には5,467人の参加,平成24年度には6, 463人の参加となるなど,受講者数が増加しました。 「男女平等教育研修」では市民局と共催で研修を 行い,平成24年度の参加率が96.6%になるなど,目標値の100%に近づいています。 「家庭教育支援 パンフレット活用研修」では,家庭教育の重要性をまず教員が理解するため研修会を行っており,平成 23年度には家庭教育支援パンフレット「学ぶ力の向上をめざして」を作成し,全児童生徒に配布しま した。 【今後の課題】 教育センターおよび学校(園)が行う人権教育研修は,より研修の効果を上げるために,互いに連携 を図っていく必要があります。また,研修内容について,家庭教育支援の必要性やインターネット上で の差別事象など,新たな人権課題に対しても対応できるよう,柔軟に検討していく必要があります。 また,教職員に対して行った同和問題に関する調査結果を踏まえて,研修内容を充実させる必要があ ります。 【今後の方向性】 教職員の調査結果を踏まえて,教育センターで行う「人権教育関係研修」と学校(園)内で実施して 37 人権教育研究団体:人権問題の解決を目指して,人権教育に関して自主的に研究・実践を行っている教職員によって構成される研究団体で, その研究・実践活動に対して,教育委員会が研修費を交付している。 38 フィールドワーク:人権問題に関係する地域や施設に出向いての現地研修。 39 全市人権教育研修:福岡市立学校・幼稚園の全教員,管理職を対象とした人権教育に関する必須研修。 61 いる「学校人権教育研修」の連携を図り,互いの研修が効果的になるよう内容の検討をするなど,教職 員に対して更なる人権教育の推進・充実を図ります。各研修においては,家庭教育の必要性や新たな人 権課題への対応など,教職員自身のスキルアップや児童生徒への指導につながるよう,事業の充実に努 めます。 子どもたちが,基本的生活習慣や規範意識を育てる上で,学校(園)だけでなく保護者および地域を 含めた取組が必要ですが,まず教職員が保護者への支援の必要性や方法等を理解していきます。 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 人権教育関係研修 事 業 目 的 事 業 内 容 若手教職員の人権課題への認 ○「教職員の同和問題(部落差別)に (教育センター研修 識を深め,教職経験年数,管 関わる調査」の結果をもとに,教育 課,教育センター研究 理職や人権教育担当者など職 センターで実施している人権教育に 支援課) 能に応じた各種研修の実施を 関わる研修と学校(園)内で実施し 通して,人権教育の推進・充 ている人権教育研修について連携を 実を図ります。 図ります。 ○教職経験年数や管理職・人権教育 担当者など職能に応じた研修で,人 権課題や人権教育の推進・理解を図 り,学校(園)での人権教育研修の 工夫・改善や充実に向けた意識付け を行います。 ○課題に応じた研修で,人権課題や 人権教育の推進・理解を図ります。 ○調査研究や派遣による研修で,人 権教育の推進・理解を図ります。 26年度 9(再掲2(2) ) 27年度 28年度 29年度 30年度 各講座(県外 各講座(県外 目 派遣研修を除 派遣研修を除 く)終了後の く)終了後の 標 アンケート調 アンケート調 査での満足度 査での満足度 96%以上 98%以上 62 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 全市人権教育研修 教員の人権教育に対する基本 学校(園)の全教員と管理職を対象 (学校指導課) 認識を深めるために,差別の に,同和問題をはじめ障がい者問題 現実と人権教育の重点課題を や外国人問題に関わる研修の一層の 踏まえ,差別に対する科学的 充実と共に,多様な性に関する研修 認識を深め,実践の充実を図 など,新たな人権課題についても研 ります。 26年度 修内容に取り入れます。 27年度 28年度 29年度 30年度 目 ・新たな人権 課題の研修内 容実施 標 ・全校種参加 率100% 10(再掲2(2) ) 事業名(担当課・施設) 男女平等教育研修 事 業 目 的 事 業 内 容 男女共同参画の社会を目指 ○研修会を下記のとおり実施しま (学校指導課 ※市民 し,性別によって人を差別し す。 局男女共同参画課と共 ない人権意識をもった児童生 ・対象 学校(園)の教員 催) 徒の育成を図るため,男女平 ・内容 ①実践発表②講演 等教育の必要性や趣旨につい ○実践発表内容について事前の打ち て教員の理解を深めます。 合わせ,指導を通して充実を図りま す。 ○学校(園)の研修会への参加を確 実にするよう指導するとともに,研 修参加者が重複せず,多くの教員が 受講するように努めます。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 ・研修会参加 目 率100% ・ 「わたしらし 標 く生きる」 11(再掲2(2) ) 活用率 活用率 活用率 活用率 70%以上 80%以上 90%以上 100% 63 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 家庭教育支援パンフレ 家庭と連携し,学力向上等に ○夏季休業中に小・中・特別支援学 ット活用研修 かかる生活習慣や学習習慣の 校の教員を対象に,課題克服にかか (学校指導課,生涯学 定着を図るため,家庭教育支 る講演や実践発表等を通した研修を 習課) 援パンフレットの教員への理 実施します。 解を深めます。 ○家庭教育について保護者への支援 の必要性や方法等を教員が理解し, 各学校で家庭生活習慣の向上を図る パンフレット「学ぶ力の向上を目指 して」の活用が図られるように啓発 します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 ・新1年への 配付100% 標 ・研修への参 12(再掲2(2) ) 加率100% 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 特別支援教育理解啓発 教職員および学校教育関係 平成25年度に,発達教育センターの 研修および障がい児理 者・市民に対して,特別支援 研修部門の教育センター移管に伴 解 教育の理解啓発に取り組み, い,教育センターと連携を図り,特 (発達教育センター) 特別支援教育に関する識見と 別支援教育の理解・啓発推進にかか 豊かな人間性の涵養を図りま わる研修に取り組んでいきます。 す。 26年度 27年度 28年度 目 ・発達教育セ ンターだより 3回発行 標 ・出前講座 13(再掲2(2) ) 3回実施 64 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 学校人権教育研修の推 学校(園)での教職員の資質 ○「教職員の同和問題(部落差別)に 進 向上を目指して,学校(園) 関わる調査」の結果をもとに,教育 (学校指導課) での人権教育の推進・充実を センターで実施している人権教育に 図ります。 関わる研修と学校(園)内で実施し ている人権教育研修について連携を 図ります。 ○校内研修でのフィールドワークや 当事者を招いての研修を充実させ, 様々な人権課題を現代の問題として 肌で感じることができるような教職 員の人権意識を高める研修を実施し ます。 ○SNS40 によるインターネット上 での差別事象など,新たな人権課題 に応じた研修を実施します。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 ・校内研修会 目 実施総数 4,550回 標 ・外部講師招 14(再掲2(2) ) 40 ・外部講師招 聘回数 聘回数 500回 600回 SNS:ソーシャル・ネットワーキング・サービス(social networking service) 。人と人との社会的ネットワークをインターネット上で構 築するサービスのこと。 65 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 学校人権教育研修費助 教職員の人権教育問題に関す ○学校(園)に研修費を交付し,教 成 る正しい理解・認識と人権意 職員の人権教育問題に関する研修・ (教育支援課) 識の高揚を図ります。 実践を助成します。 ○人権教育研修費の手引きを必要に 応じて改訂し,より実効性のある研 修費の活用がなされるよう,研修内 容の充実や計画的な執行について指 導します。 ○学校(園)現場の利便を図るため, 研修費の交付時期を早めます。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 助成の継続 標 15(再掲2(2) ) 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 人権教育研究団体研修 教職員相互による研修・実践 ○自主的に研究,実践している研究 費助成 活動を支援することにより, 団体の研究諸活動に対する研修費を (教育支援課) 教職員の人権教育意識の高揚 助成します。 を図ります。 26年度 27年度 28年度 目 夏期研修参加 者数 標 延べ2,750人 16(再掲2(2) ) 66 29年度 30年度 (3)社会教育関係者 65 社会教育主事等研修 66 新任公民館職員研修 67 公民館職員人権教育研修 68 公民館運営懇話会委員研修 《これまでの取組状況と今後の方向性》 【これまでの成果】 「社会教育主事等研修」については,区役所配置の社会教育主事41や人権教育推進員等を対象に,人 権問題についての共通の理解と認識を図り,指導・助言者としての専門性を高めることを目的に研修講 座,実践交流等を実施しましたが,様々な人権課題についての提起や学習を通して,各区の日常の取組 について課題や問題認識の一致を図り,それぞれの力量を高め合う場となりました。 また,公民館職員に対しての人権研修として「新任公民館職員研修」 「公民館職員人権教育研修」 「公 民館運営懇話会42委員研修」を毎年実施しました。各公民館の取組などの実践事例報告・意見交換,部 落差別の現状,人尊協等と公民館の関係等を各研修で学び,公民館職員として,自らが率先して同和問 題など様々な人権問題の解決に向けた取組を推進していく立場にあることを自覚する契機となりまし た。 【今後の課題】 「社会教育主事等研修」については,職務の経験年数と習得した知識等の取得について幅があるとい う実情があり,研修内容を工夫する必要があります。 また地域の人権教育・啓発を担う公民館職員に対する研修では,実践力向上のため,各区地域支援課, 生涯学習推進課が連携しながら,身近に起こりうる事象等をテーマにするなど,より充実した研修にな るよう研修内容について検討する必要があります。 【今後の方向性】 各事業の課題に応じて研修内容を工夫し,さらなる指導力の向上,スキルアップを目指して引き続き 研修を実施します。 41 社会教育主事:公民館およびPTAなどの社会教育関係団体に対して,専門的技術的な助言・指導にあたっている職員で,職務の一環とし て,同和問題など様々な人権問題に関する研修の助言・指導を行っている。 42 公民館運営懇話会:公民館の運営や事業に住民の意思を十分反映させるため,各公民館に設置しており,各種地域団体の代表者や小・中学 校の教育機関等で構成される。館長の要請に応じて公民館の運営や事業に意見を述べるとともに,地域住民の意向が公民館活動に的確に反映 されるよう提言を行っている。 67 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 社会教育主事等研修 公民館および社会教育関係団 社会教育における人権教育研修が効 (生涯学習課) 体等における人権教育研修が 果的・積極的に推進されるよう,指 効果的に実施されるよう,指 導・助言にあたる社会教育主事等職 導・助言にあたる社会教育主 員の研修を実施します。 事等関係職員の人権について 対象職員 の理解を深めます。 ・社会教育主事等 ・人権教育推進員 ・社会教育指導員 ・人権教育指導員 (※区役所の地域支援課等関係職 員にも参加呼びかけ) 【実施内容】 ①地域における人権教育研修・人権 啓発を担う立場から様々な人権問題 について学びます ②前年度事業の総括と外部講師によ る講話を行います 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 研修の実施 年3回 標 65 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 新任公民館職員研修 市嘱託職員として必要な知 本市における人権教育の取組と人権 (市民局公民館調整 識・態度等を身につけ,職場 問題の解決に向けた公民館の役割に 課) への適応力を養うとともに, ついての講義・グループワーク等を 同和問題をはじめとする人権 実施します。 問題に対する理解と認識を深 めます。 26年度 27年度 28年度 目 新任職員の人 権問題につい 標 ての理解と認 66 識の深化 68 29年度 30年度 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 公民館職員人権教育研 人権問題に関する公民館職員 ○様々な人権問題に対する正しい理 修 の資質の向上を図り,人権尊 解と認識を深めるとともに,研修企 (各区地域支援課,生 重を基底に据えた公民館運営 画力の向上を図るため,ワークショ 涯学習推進課) や効果的な事業の推進を図り ップや講演・講座等を実施します。 ます。 ○公民館職員が自ら研修・講座の企 画にあたり必要な教材・講師情報も 研修に取り入れます。 26年度 27年度 28年度 29年度 30年度 目 公民館職員の 資質の向上 標 67 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 公民館運営懇話会委員 公民館の目的や委員の役割等 公民館における人権教育の必要性や 研修 について理解を図るととも 人権尊重を基底に据えた公民館運営 (各区地域支援課,生 に,人権問題についての認識 等に関しての研修を実施します。 涯学習推進課) を深めます。 26年度 27年度 28年度 目 懇話会委員の 人権問題につ 標 いての認識の 68 深化 69 29年度 30年度 4 学校(園)における人権教育と社会教育における人権教育の総合調整 (1)人権教育関係課長会議 ★69 人権教育関係課長会議【新規】 《これまでの経緯と今後の方向性》 【これまでの経緯,課題】 同和教育から人権教育への移行に当たり,平成19年度から人権教育を教育委員会全体で実施する体 制を整備してきましたが,その後5年間が経過し,これまでの成果と課題を踏まえた新たな体制の強化 を図り,平成25年度から教育委員会全体を統括する総務部が人権教育を所管することになりました。 人権・同和教育課を中心として総務部が人権教育の総合調整機能を担うことによって,更に人権教育を 教育委員会全体で取り組んでいくことになりました。 また,人権教育に関する事業については,各担当課が中心となって行っていますが,各事業に関する 情報や課題の共有化がすすんでいない面がありました。そこで情報の共有化や課題の共有化をすすめ, 人権教育に係る課題について議論を重ねて解決に結びつける場にするために,平成25年4月から,人 権教育に関係する課長をメンバーとする「人権教育関係課長会議」を開催しています。 【今後の方向性】 今後も定期的に会議を開催し,積極的な情報,課題の共有化を図るとともに,議論を重ね,課題解決 に結びつけていきます。 ◎事業名と取組内容等 事業名(担当課・施設) 事 業 目 的 事 業 内 容 人権教育関係課長会議 人権教育や事業に関する情報 人権教育の課題解決につながる最新 (人権・同和教育課) の共有化をすすめ,人権教育 情報を収集し,定期的に会議を開催 【新規】 に係る課題解決を図ります。 26年度 27年度 します。 28年度 目 会議の継続実 施 標 69 70 29年度 30年度 福岡市教育委員会人権教育推進計画(改訂版) 平成 26 年 4 月策定 福岡市教育委員会 編集・発行 福岡市教育委員会人権・同和教育課 TEL 092-711-4645 FAX 092-711-4600
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