発達障害を有する方への就職・定着支援について(PDF:1273KB

発達障害を有する⽅への
就職・定着⽀援について
株式会社スタートライン
刎田
文記
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
通常学級で⽀援の必要な⼦ども
「通常の学級に在籍する特別な教育的⽀援を必要とする児童⽣徒に関する全国実態調査」
2002年調査 370校 4328学級対象
3
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
1
DSM-5による神経発達障害(Neurodevelopmental Disorders)
発達障害Developmental
①⾃閉症スペクトラム障害
Autism Spectrum Disorder
ⅰ社会的相互作⽤の障害
ⅱコミュニケーションの障害
ⅲ想像⼒(imagination)の障害
(著しいこだわり)
④知的障害
Intellectual Disabilitis
Disorders(DSM-5からこのカテゴリー名はありません。)
②注意⽋陥多動性障害
Attention-Deficit / Hyperactivity Disorder
注意⽋陥多動性障害(ADHD)
その他の特定注意⽋陥多動性障害
特定不能
不注意・他動多弁・衝動的な⾏動
③特異的学習障害
Specific Learning Disorder
読み・書き・計算
全体的な知的発達に⽐べ極端に苦⼿
⑥運動障害
⑤コミュニケーション障害
Communication Disorders
⾔語障害
発話⾳声障害
吃⾳
社会コミュニケーション障害
特定不能
⑦その他の神経発達障害
Other Neurodevelopmental Disorders
その他の特定神経発達障害
特定不能
Motor Disorder
発達性協調運動障害
常同運動障害
トウーレット障害
慢性運動性あるいは⾳声チック障害
⼀過性チック障害
その他の特定チック障害
特定不能
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
⾃閉症スペクトラムの障害の詳細
<社会的相互作⽤の障害>

独特の⼈付き合い:


⼈の中で浮いてしまうことが多い。
<コミュニケーションの障害>
正直すぎる⼦どもたち:

• コミュニケーションというキャッチボールが苦⼿
社会的ルールがわからず素直に「本当のこと」を⾔う

暗黙のルールがわからない:

同年齢の⼦どもと波⻑があわない、積極的すぎることもある

暗黙の秘密がわからず、秘密を話してしまう。
•
⾔外の意味を汲み取ることが苦⼿
• 曖昧な聞き⽅をされると意味がつかめない
• ⽪⾁やほのめかしの理解も難しい
⼀⽅的でわかりにくい話し⽅
• 話し⽅が回りくどい、曖昧が苦⼿、細かいところにこだわる
• ⼤⼈びた難しい⾔葉、場にそぐわないほどの丁寧語を使う
• 分かりにくい話し⽅,訥々とした話し⽅,駄洒落を好む
• ⾔葉の間違った使い⽅:助詞、受⾝⽂、相槌、視点の転換
「そこ、ここ」など
• しゃべるほどには理解していない
思考を⾔葉に出す
•
ジェスチャーや表情、距離のとり⽅など
•
•
<想像⼒の障害>
• こだわりやごっこ遊びの少なさ、融通の利かなさ
• コレクション
• 機械的記憶⼒が優れていることが多い
• 語学や歴史、地理、コンピューターなど
• パターン的⾏動、⽣真⾯⽬すぎて融通が利かない
• ものまね、テレビ・ビデオへの興味
• 常同運動
• ⾮⾔語性コミュニケーションも苦⼿
5
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
2
⾃閉症スペクトラムの3分野の障害以外の特徴

不器⽤:⼿先、運動、バランス

⾳や光、味などへの過敏さ


⾳への敏感さ:騒⾳は苦⼿、特定の⾳を好む(電⾞の⾳など)

視覚的敏感さ:特定のマークやロゴ、⽂字やアルファベット、強い⽇差しが苦⼿

味覚の敏感さ:偏⾷、偏⾷「⾷べず嫌い」=「⾒た⽬」への敏感さ

嗅覚の敏感さ:⾹⽔や整髪料の臭いを嫌う

触覚的な障害:好きな感触を持ち歩く、他⼈からの接触を嫌がる
痛みに対する反応


反応が過剰、注射などへの異様な恐怖⼼、痛みに無頓着
その他の⼼理学的問題〜⼼を読むこと

注意の問題:注意の集中や配分、

計画をたてること:物事の計画、複数の事象を連続して実⾏が苦⼿
• 学習の問題
•
•
成績はさまざま、⼤学にも進学
研究計画や実験計画の⽴案は苦⼿
•
•
•
「偏」と「旁」の位置の逆転
鏡⽂字
「は」と「わ」の混同
•
•
独特の計算の⽅法、正確な計算
暗算が得意/⽂章題は苦⼿
• 字を書く問題
• 算数の問題
6
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
「神経発達障害」への変更点
DSM-4(1994年)
DSM-5(2013年)
⾃閉症(Autistic Disorder)
アスペルガー症候群
⼩児期崩壊性障害
特定不能広範性発達障害
⾃閉症スペクトラム障害
(Autism Spectrum Disorder)
知的障害
(Intellectual Disabilities)
精神遅滞
(Mental Retardation)
⾳韻障害
(Phonological Disorder)
コミュニケーション障害
Communication Disorders
⾔語障害
発話⾳声障害
吃⾳
社会コミュニケーション障害
7
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
3
発達障害の特性=認知障害
体を動かす指示
思考・学習・推論・
意欲・情操
感覚情報を分析
し、空間を認識
視覚、言語機能
視覚情報からより有用
な情報を引き出す
形の認識、記憶、聴覚
言葉、漢字、カナ
コミュニケーション

知的障害を伴わない

様々な能⼒の部分的障害

社会性の障害

認知の障害

混乱とパニック

8
⼆次障害
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
⾃閉症スペクトラムの⼈達との接し⽅

接し⽅のポイント
予測しやすい環境
安全で穏やかな環境
 ルールや指⽰は明確に
できるだけポジティブに接する



(否定的な⾔動に敏感、記憶⼒も⾮常に良い)

 こだわり、関⼼事は矯正するより何かに⽣かす
⼤⼈を試すような⾏動をする場合にも冷静に対応する
 ⾃閉症スペクトラムの原因は親の育て⽅ではない
 親の育て⽅、虐待、愛情不⾜などが原因ではない。
 ⾏動特徴の多くは、認知発達の偏り、何らかの脳機能の微妙な障害
 遺伝的要因、妊娠中や出産時、出⽣後ごく早期の何らかの出来事
9
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
4
発達障害と
職業リハビリテーション
10
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
発達障害の職業リハビリテーション上の課題
(1)認知の障害とは?
(2)障害認識と障害理解
(3)疲労・ストレスと認知の障害
11
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
5
(1)認知障害の障害特性





⾼次脳機能の障害
 注意、記憶、遂⾏機能、情報処理、⾔語
感情の障害
 不安感、恐怖感、パニック、感情統制
社会性の障害
 視点の転換、場の空気、暗黙のルールが苦⼿
易疲労性
 脳の疲労←低下した脳の活性=作業・仕事
障害認識、障害理解の困難
12
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
(2)障害認識と障害理解
 障害認識:本⼈が障害を認め対処すること
 障害理解:⽀援者が障害を理解し対処すること
 障害認識、障害理解はなぜ難しいのか?
 ⽇常⽣活では障害を感じない。
 障害が現れた証拠が明確に⽰されない。
 障害なのか、⾏き違い等なのかわかりにくい。
 障害があることを認めたくない。
 分かっても何も変わらない。
13
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
6
「⾃分の障害を知る」とは?
障害認識のレベル
障害を持った⽣活全般に対するセルフマネージメントの徹底と配慮事項
⾼
⾃⼰の障害特性である疲労・ストレスに対する対処と配慮事項
⾃⼰の障害特性の作業上の課題への対処と配慮事項
⾃⼰の障害特性の体験に基づく説明と配慮事項
⾃⼰の障害特性の具体的な説明
障害の⼀般的特性の説明
障害名の告知
低
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
障害認識を⾼めるためのアプローチ
職場適応促進のためのトータルパッケージ
トータルパッケージの⽬的
作業遂⾏⼒の向上
対処⾏動・補完⼿段等の獲得
セルフマネージメントスキルの構築
 評価・訓練場⾯を通した「こうすればできる」体験
→ カテゴリーカード
+ポインティングデバイス など
 ワークサンプル → 復唱,⼿順書,確認の徹底
 メモリーノート → ⼀本化,習慣化,
 補完⼿段の有効性を通した障害認識の向上

WCST
 障害認識の促進
リアルフィードバック→補完⼿段の体験→価値観の変容
15
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
7
トータルパッケージの内容と実施上のポイント
内 容
機
能
実施上のポイント
1 WCST
遂行機能障害等の有無
効果的な支援方法の評価
・指導者は補完手段の手がかりを得られる。
・対象者は補完手段の有効性を体験する機会となる。
2 M- メモリーノート
基本的な情報整理スキルの獲得
・スケジュールや行動の管理、行動記録、情報共有の
ツールとして、対象者のニーズに合わせて使用する。
3 M-ワークサンプル
(簡易版)
課題の体験
作業における 障害の現れ
作業の実行可能性、作業耐性等
・簡易版を体験し、興味のあるものや取り組みたいもの、
苦手なものを特定する。
・作業への障害の影響を予測する。
4 M-ワークサンプル
(訓練版)
作業ミスや作業能率の改善
作業遂行の安定
補完手段の特定と使用の訓練
(難易度の段階的設定)
・原則として本人 との相談により決定する。
・難しすぎる課題は除外し、できる課題から取り組み、
段階的に訓練を進める。
5 MSFAS
(ストレス・疲労の
セルフマネージメント
トレーニング)
障害状況に関する情報
障害理解・障害受容の状況
ストレ スや疲労の現れ方等
これらの情報収集、共有、計画立案
・本人主体に作成し、相談の中で、ストレスや疲労の
セルフマネジメントへの支援を計画する。
・ストレスや疲労のセルフマネジメント訓練を段階的に
実施する。
6 グループワーク
ピアモデル を見る機会
障害認識に関する検討の機会
・作業開始・終了時等に情報交換や討議を行うグルー プ
活動の機会を設定する。
・メモリーノートの利用状況や作業状況等、リハビリテー
ションのポイントを確認する。
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
⾃⽴的な職業⽣活と
セルフマネージメント
(1)会社で働くために必要なスキル
(2)セルフマネージメントの発達を促す⽀援
(3)ストレス・疲労と認知障害
17
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
8
(1)職場で必要なスキルとは?



作業遂⾏能⼒

与えられた作業を正確に⾏う

作業を⼀定の能率で⾏う

作業を決められた期限内に⾏う
コミュニケーションスキル

作業の結果や失敗を報告する

職務の進捗状況や伝⾔を連絡する

分からないこと、困っていることを相談する
セルフマネージメントスキル

⾃⽴:⾃分の職務に責任を持つ

⾃律:⾃分の仕事を計画、実⾏し、⾃⼰評価する
18
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
(2)セルフマネージメントの発達を促す⽀援

セルフマネージメント訓練

セルフインストラクション(Self-Instruction)

セルフモニタリング(Self-Monitoring)

セルフレインフォースメント(Self-Reinforcement)




本⼈が⾃分の⾏う⾏動を宣⾔してから、⽬標となる⾏動を⾏う⽅法
本⼈が⾃分の⾏った⾏動を確認しながら、⽬標となる⾏動を⾏う⽅法
本⼈が⾃分の⾏った⾏動の結果にそって、⾃分の⾏動に対し報酬や罰を与える⽅法

⾃分の⼒で、⾃分の⾏動を計画・実⾏し⾏動の維持・継続を促進する⽅法。

⽬標の設定の仕⽅や達成に向けた⾏動、結果に対する⾃⼰強化の指導などを含む。
強化スケジュールの調節

他者からの励まし等で、⾏動の維持・継続を促進する⽅法。

他者からの励ましの頻度やタイミングを調節することで、維持・継続の程度が異なる。

JC⽀援の訪問機会の漸減、作業時間・作業量の漸増
等
☆セルフマネージメント・スキルの向上を図る総合的な訓練が効果的
19
9
(3)ストレス・疲労と認知障害
ストレス・疲労のマネジメント
認知障害
認知の障害はストレス・疲労に影響をうけやすい
②
労働意欲や作業遂⾏⼒の維持
③
抑うつ症状等の疾病の発症や再発の予防
④
⽣活の質の向上
疲労・ストレスの発生
不適切な疲労・ストレス
への対処行動
過労・ストレス過多
①
認知障害の悪化
職業生活を送る上で必要不可欠
ストレス・疲労の蓄積
A)
どんな時にストレスを感じ疲れるのかを知る。
B)
その時の、⼼や体のサインを知る。
C)
ストレスや疲れをためないための対処⽅法を⾝につける。
20
セルフマネージメントスキルとトレーニング
先⾏条件(きっかけ)
職務遂行の機能分析
⾏動
a.その時々に
⾃分に求めら
れる役割
b.役割遂⾏に
必要な準備
c.役割
の実⾏
段階的な訓練
指⽰
選択
計画
後続条件(結果)
段階的な訓練
指⽰
選択
計画
d.実⾏結果
を⾃分で
A.疲労状況を
確認
⾃分で確認
e.組織体へフィ
ード
バック
B.組織体へ
状況連絡
C.休憩
セルフマネージメント
の
実⾏を強化
D.休憩の効果
を⾃分で確認
の実⾏
セルフマネージメント
の
先⾏条件(きっかけ)
⾏動
実⾏を強化
休憩取得の機能分析
E.組織体へ
フィードバック
後続条件(結果)
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
10
セルフ・マネージメント⾏動の
発達を促すための必要条件

対象者の発達段階の把握

対象者の発達可能性への理解と信頼

個⼈と環境の相互作⽤に関する科学的理解

個⼈/環境への具体的アプローチの検討

具体的アプローチへの関係者の理解と共同

関係者の協調のためのケースマネージメント
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
認知障害の⽅への職場適応⽀援

障害特性の理解促進=指導効果のPRポイント
 本⼈の障害認識の明確さ
 職場に来て、初めて分かる障害の現れもある。
 障害に対する補完⽅法の徹底
 作業毎に補完⽅法を⼯夫し、活⽤する。
 易疲労性に対するセルフマネージメントの徹底
 脳疲労に対する休憩と適正な作業ペースの維持
 雇⽤管理上のポイントの明確化
これらをプラスしていくことで、
一定以上の安定的な職務能力を保有できる
23
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
11
認知障害の⽅への職場定着⽀援

職業能⼒・職業準備性に対する継続的⽀援が必要
 作業毎に職務遂⾏⼒の獲得・向上を⽀援
 場⾯に応じた職業準備性についての⽀援
 ビジネスマナー
 ⽣活リズム
 コミュニケーションスキル
 ⽣活⽀援等が必須となる場合も多い
 家族や⽀援機関、事業所との継続的な連携も重要
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
精神障害者・発達障害者の
雇⽤と定着を実現する雇⽤管理サポート
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
12
企業の経営課題





持続的成⻑(発展)
=社会的責任と成⻑、競争⼒強化の両⽴
社会的責任
=環境、倫理、雇⽤、多様性への対応
社会的責任を果たす企業
=企業価値向上の必要条件
社会的責任の遂⾏はコスト負担か?
社会的責任と利益確保の両⽴が⼤きな課題
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
障害者雇⽤の課題



⽇本の雇⽤環境の変化

⻑期に渡る景気低迷

⾼い失業率の継続

ワークシェアリング等、柔軟な雇⽤制度の導⼊
障害者雇⽤の促進を図るために!!

企業の社会的責任としての障害者雇⽤(従来の視点)

企業経営にプラスとなる障害者雇⽤(これからの視点)
企業の「総合的品質経営」の視点を重視する。
(Total Quality Management;TQM)
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
13
障害者雇⽤施策のトレンド




納付⾦制度対象を101名以上の企業へ拡⼤ ⇒ 中⼩企業の雇⽤促進強化
精神障害者の雇⽤義務化
差別の禁⽌、合理的配慮の提供義務など、『量だけではなく質も問われる時代』へ
⾃治体との取引はもちろん、B to BにおいてもCSR調達が重視
障害者雇⽤施策の⽬標値(⼀部)
現状(平成24年)
50⼈以上規模の企業で雇⽤される障害者数
内、精神障害者数
⽬標(平成29年)
38.2万⼈
46.6万⼈
1.7万⼈
3.0万⼈
【参考】平成25年9⽉ 第3次障害者基本計画(内閣府)
今後の主な法改正及び施⾏
関係法令
内容
2012年10⽉
障害者虐待防⽌法
使⽤者による障害者虐待の防⽌
2013年4⽉
障害者雇⽤促進法
法定雇⽤率の引き上げ(1.8%→2.0%へ)
障害者優先調達推進法
障害者施設等からの調達⽅針の策定、⼊札案件等での条件設定
2015年4⽉
障害者雇⽤促進法
納付⾦制度の対象拡⼤(101名以上企業)
2016年4⽉
障害者雇⽤促進法
障害者に対する差別の禁⽌、合理的配慮の提供義務
2018年4⽉
障害者差別解消法
共⽣社会の実現、差別解消措置・解消⽀援措置による差別の解消
障害者雇⽤促進法
精神障害者の雇⽤義務化法定雇⽤率の算定基礎の対象に、新たに精神障害者を追加
28
(C)Copyright 2014 StartLine Co.,Ltd. All Rights Reserved.
スタートラインサテライトオフィスの概要
職域開拓、採⽤、採⽤後の継続的サポートのトータルパッケージ
シェア型⼩規模オフィス、バリアフリー設備、専⾨スタッフ常駐サポート
サポートプラン報告書
スタートラインサテライトオフィス
企業様本社
バリアフリー環境&常駐スタッフによるサポート
企業様サテライトオフィス
⼈事担当者様
指揮命令
サポート
⼈事担当者様の想い
A社様
・より良い就労環境を⽤意したい。
B社様
スタートライン
サポーター
<サポートスタッフ>
複数のサポートスタッフが常駐。
職業⽣活全般のサポートを実施し、
障害者の働きやすい職場を維持します。
C社様
・今まで雇⽤できなかった⽅を雇⽤したい、等々
統合失調症、そううつ
病、てんかん、⾃閉症
、アスペルガー症候群
その他の広汎性発達障
害、学習障害、注意⽋
陥他動性障害 など
⾝体等級
障害種別
60代〜
25%
50代
40代
4%
71%
⾝体
29
性別・年代
知的
軽度
精神
サテライトオフィス利⽤時の採⽤データ
重度
聴覚障害、視覚障害、
肢体不⾃由、下肢障害、上肢障害
⼼臓機能障害などの内部障害
⾳声・⾔語障害 など
(C)Copyright 2014 StartLine Co.,Ltd. All Rights Reserved.
30代
20代
〜10代
0
5
10
15
20
男性
25
30
35
40
45
⼥性
14
企業と共に歩む雇⽤管理サポートのポイント


精神・発達の⽅の雇⽤上の配慮事項、定着のポイント

⾃分の障害を知るとは?

作業ミス、眠気などへの対応

疲労・ストレスのセルフマネージメントトレーニングとは?

メンタルヘルスの問題へのアプローチ事例(ACTと環境調整)
外部の⽀援者が考え、⾏動すべき定着⽀援のポイント

職場定着サポートに関する企業との⽬標の共有

⽇常⽣活状況の把握と情報共有

企業には踏み込めない⽀援の提供
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
精神・発達障害の⽅の雇⽤・定着上の課題

企業サイドから⾒た課題






障害状況がよくわからない
⽀援の仕⽅、配慮の仕⽅、接し⽅がよくわからない
どの程度の作業結果を期待していいか、求めていいかわからない
体調の変化について、把握することが難しい
なかなか上⼿く定着できず、短期間で⽌めてしまうことが多い
本⼈サイドから⾒た課題




障害をわかってもらえない
作業上、どんな問題がなぜ⽣じるのかわからない
仕事や⼈間関係のことを考えると眠れなくなる
職場に⾏くことを考えると、気分が悪くなったり、動けなくなったりする
障害理解の難しさ
雇⽤管理の難しさ
定着サポートの
難しさ
障害認識の難しさ
メンタルヘルス
サポートの難しさ
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
15
作業ミスや眠気などへの対応
作業習得上の課題(例:作業ミスなど)や就労上の問題(例:頻繁な眠気・居眠り)などは、精神・
発達障害の⽅に共通の⽀援ポイントである。
しかしこれらの課題・問題は、個々の障害の現れの原因や経緯によって、効果的な対処⽅法が異なること
が多い。

原因の分析
①⾯談・MSFAS(幕張ストレス疲労アセスメントシート)の活⽤
②WCSTやMWS(幕張ワークサンプル)の活⽤による認知障害の影響と有効な補完⽅法の特定
③対処⽅法の検討と企業・本⼈との⽅針共有 → ⽀援の実施
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
作業ミスや眠気などへの対応
作業ミス

対処事例
a)作業マニュアルの理解困難 ⇒ 本⼈⽤の作業マニュアルの作成とマニュアル使⽤の⽀援
b)作業遂⾏時の優先順位の共有不⾜ ⇒ 優先順位の特定と個別の作業⽬標の設定
c)疲労等による認知障害の現れ ⇒ 疲労・ストレスへのセルフマネージメントスキルの向上を⽀援
MWSの活⽤による補完⽅法の導⼊と使⽤への⽀援
眠気・居眠り

対処事例
a)服薬中の睡眠導⼊剤の効果による居眠り⇒処⽅薬の検討・変更
b)⽇内の疲労蓄積による居眠り⇒職務時間の検討、昼休みの仮眠
c)⾏動習慣(苦⼿な作業時)に⽣じる居眠り
⇒
得意な職務への変更、報告機会の増加による覚醒⽔準の維持、苦⼿作業の段階的導⼊、
報告機会の漸減と⾃⼰報告の促進、疲労・ストレスへのセルフマネージメントスキルの向上を⽀援等
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
16
メンタルヘルスの問題へのアプローチ事例
(ACTと環境調整)
Aさんの状況
⼈間関係の悪化

作業でミスが続くAさん

⾃分の努⼒のみでは改善困難

主治医を受診→ADHDの診断
Aさんの思考と感情
障害への対
⾃分はダ
処が不明
メな⼈間
みんなの
上司への
眼が怖い
恐怖
作業ミスが
なくならな
い
⽋
勤
「会社を
辞めたい」
会社に⾏
けない
本⼈の変化




翌週から出勤
恐怖⼼の受容
職務遂⾏改善
安定就労へ
相談の依頼
対処の相談
スタートラインの⽀援
本⼈への⽀援
MSFAS: メンタルヘルス問題の整理
WCST: 障害特性と補完⽅法の必要性
ACT : 思考への囚われ→脱フュージョン
恐怖感情→アクセプタンス
企業との環境調整
 ⼈事担当者への説明と障害理解の促進
 ⼈事担当者、上司への研修
 サテライトオフィスへのサポーター派遣
上司の受け⽌め

指摘・叱責

気の緩み、努⼒不⾜

⽢え、理解困難
本社との
相談・調整
会社の変化




障害理解の向上
職務分担の⾒直し
業務指導の改善
職場環境の⾒直し
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
職場定着サポートに関する企業との⽬標の共有

職場定着サポートとは?


企業経営の視点とは?


「本⼈を取り巻く単⼀/複合的な諸環境因により、職場で不適応⾏動が現れている/あるいは現れる可能性のあるもの
に対し、それらの環境因を含めた相互作⽤について強化随伴性を分析し、職場定着できるように⽣活/職場等の環境
を調整したり、本⼈の適応⼒の向上を図る指導を⾏うこと」
「経営者は、ステークホルダーに付与する企業価値の向上の必要条件として、環境・倫理・雇⽤・多様性への対応などの
社会的責任を果たすと共に、企業の持続的成⻑と発展を実現し、さらなる競争⼒の強化を図らなければならない。」
企業経営にプラスとなる障害者雇⽤とは?

継続的な雇⽤による個々の障害者の戦⼒化 ⇒ 障害者雇⽤による企業イメージの向上

社内で活躍する障害者の増加や周知による企業⾵⼟の改善(社員のモチベーションや帰属意識の⾼まり)

引き続き存在する課題:企業内教育の難しさ、メンタルヘルスサポートの難しさ、離職時のトラブル
スタートラインでは、4半期毎のサポートプランの提案・協議により、企業経営にプラスとなる
障害者雇⽤の実現に向けたコンサルティングと雇⽤管理サポートを⾏っています。
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
17
⽇常⽣活状況の把握と情報共有
情報共有
⽇常⽣活状況で把握すべき事項



 本⼈との協議
本⼈の体調の変化
 本⼈から企業への報告
本⼈のメンタルな変化

疲労・ストレスの蓄積による鬱やイライラ、⾷欲の減退、

⼈⽣の⽬標に対するあきらめ、無⼒感、存在への疑問など
 報告する内容・⽬的等を明確にし、⽂書化などを⽀援
 ⽀援機関から企業への情報共有
睡眠の不安定化

 何を、どのように、企業へ伝えるのか、伝えないのか?
季節の変化に伴う変調、⽼化に伴う体⼒の低下など
 本⼈との協議に基づく情報提供、企業との役割分担の
変更等の協議
家族の状況の変化

家族の疾病、⽼化、死去等による家族関係の変化

新しいパートナーとの⽣活のスタートによる影響(正負)
スタートラインでは、⽇々のコミュニケーションや定期的な個⼈⾯談などを通して、
個々の変化を把握し本⼈・企業との情報共有を⽀援しています。
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
企業には踏み込みにくい課題への外部からの
⽀援の提供
労使関係の中では対応が難しい課題への⽀援

ご本⼈の「仕事を続けられなくなるかも」という不安

他の従業員との整合性等から特別な対応の困難

様々な状況により継続困難となる可能性
外部⽀援機関によるご本⼈の⽣活の安定化のための⽀援

医療機関との連携・活⽤⽀援

社会福祉制度の活⽤⽀援

家族等との協調による⽣活⽀援
職場定着サポートは、早期に
着⼿できればできるほど、雇⽤
継続の可能性は⾼まる。
雇⽤継続の有無に関わらず、
ご本⼈が安⼼して⽣活できる
サポートを。
スタートラインでは、クライエント企業との情報共有や様々な⽀援機関との連携により、
ご本⼈の不安の払拭や⽣活の安定化に向けた定着⽀援を⾏っています。
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
18
展望.障害者雇⽤の効果

障害者雇⽤の効果の積極的な確認
アンケート調査、障害者が働く現場への参画
 雇⽤現場の取り組みの収集・周知等


雇⽤率の達成以上の効果の発⾒(共に働く障害者からのインパクト)
社員を含めたステークホルダーの満⾜感
 労働意欲、企業への帰属意識の向上


障害者雇⽤の価値=企業⾵⼟の変化


対⼈援助の視点
障害者雇⽤の成果は、他者による「障害者への⽀援」という⼀⽅向性
のものではなく、「企業⽂化の変容」をもたらすインパクトとして機能する
相互関係である。
働く仲間である健常者・障害者相互間で醸成される。
その価値は計り知れないものと捉えている。
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
まとめ
 発達障害の障害特性
 発達障害と職業リハビリテーション
 ⾃⽴的な⽣活とセルフマネージメント
 雇⽤と定着を実現する雇⽤管理サポート
COPYRIGHT(C)2014STARTLINECo.,Ltd.AllRightReserved
19