殺菌剤の作用機構分類(FRAC による)

JCPA (2014.11.20)
殺菌剤の作用機構分類(FRAC による)
FRAC: Fungicide Resistance Action Committee
はじめに:
作用機構分類表は、現在上市されている殺菌剤(殺バクテリア剤を含む)を作用機構と耐性リスクに従って
分類しています。
作用機構コード:
植物病原菌の生合成経路における生化学的作用機構に従って、殺菌剤をアルファベット(A から I と数字を
使用)で分類しています。グループ分けは、代謝経路別に「核酸合成(A)」から始まり「メラニン生合成(I)」のよ
うな二次的代謝で終わります。その後に、「宿主植物の抵抗性誘導剤(P)」、「作用機構不明または耐性リスク
不明(U、作用機構や耐性のメカニズムの情報が入手できるまでの一時的な分類、通常 8 年以内)」ならびに
「多作用点阻害剤(M)」を掲載しています。
標的部位とコード:
生化学的作用機構が判明している場合にはそれを記載しました。多くの場合、正確な標的部位は不明です
が、同一グループ内や他のグループとの交差耐性の情報を考慮してグループ分けを行いました。
グループ名:
グループ名は「The Pesticide Manual」等の文献で認められている化学構造の関連性に基づいています。
これらは化学構造、作用部位、グループ内で最初の重要な代表物質などに由来します。
化学グループ:
化学構造に基づきグループ分けをし、命名は IUPAC ならびに Chemical Abstract の名称に準じました。
一般名:
一般名は BSI/ISO で承認された、あるいは申請中の名称です。一般名は農薬の製品ラベルに有効成分と
して記載されています。
耐性へのコメント:
耐性機構と耐性リスクについて詳細を示しています。グループ内の 1 化合物が圃場で耐性を示している場
合は、必ずしも全てではないが多くの場合グループ内の他の化合物との交差耐性を示すと考えられます。交
差耐性の程度はグループ内の化合物と病原菌の種、さらには同一種でも異なることが明らかになりつつありま
す。特定の病原菌と殺菌剤の耐性と交差耐性の最新の情報については、各国の FRAC 代表者、製品メーカ
ー や 植 物 防 疫 担 当 者 に 問 い 合 わ せ て く だ さ い 。 そ れ ぞ れ の 殺 菌 剤 グ ル ー プ の 耐 性 リ ス ク は 、FRAC
Monograph 1, 2, 3 の原則に従って、「低」、「中」または「高」として推定しています。耐性管理は、殺菌剤固有
のリスク、病原菌由来のリスクおよび栽培体系に起因するリスクを考慮して実施されます。(FRAC pathogen
risk list 参照)
同様な殺菌剤の分類表は FRAG-UK の代表である T.Locke (Fungicide Resistance, August 2001)と P.
Leroux (Classification des fongicides agricoles et résistance, Phytoma, La Défense des Végétaux,
No. 554, 43-51, November 2002)によって公表されています。
FRAC コード:
交差耐性の特性に従って、殺菌剤グループを数字と文字で識別しています。数字は、原則、当該殺菌剤が
上市された順に割り付けています。文字は「P = 宿主植物の抵抗性誘導剤」、「M = 多作用点阻害剤」、そし
て「U = 作用機構不明または耐性リスク不明」を示します。新たな研究による化合物の再分類でコードが失効
することがあります。「U-」とされた殺菌剤グループで作用機構が判明した場合、その「U-」コードは新たなグ
1
JCPA (2014.11.20)
ループに再利用されません。そして、新しいコードに再分類されたことを示す注釈を付け加えます。
最新改訂:2014 年 2 月
次回改訂:2014 年 12 月予定
*免責事項
FRAC コードリストは FRAC の資産であり、著作権法で保護されています。教育目的で FRAC コードリストを
使用する場合は FRAC の許可は不要です。営利目的で使用する場合は事前の書面による許可が必要です。
FRAC コードリストへの掲載は有効成分の作用機構の科学的評価に基づきます。このリストは農薬製品の使用
や効果に関して何ら推薦や保証をするものではありません。
【農薬工業会
 一般名:
注】
原則 ISO コモンネームを使用しています。農林水産省が別名称を使用している場合にはそれを記
載し、ISO コモンネームをカッコ内に併記しました。
2
JCPA (2014.11.20)
FRAC の作用機構分類 (2014 年 2 月)
作用
機構
A
核
酸
合
成
標的部位と
グループ名
コード
A1:
PA 殺菌剤
RNA ポリメラーゼⅠ (フェニルアミド
類)
A2:
ヒドロキシ-(2アデノシンデアミナ アミノ-)ピリミジ
ーゼ
ン類
A3:
芳香族ヘテロ
DNA/RNA 生合成 環類
(提案中)
A4:
カルボン酸類
DNA トポイソメラー
ゼ タイプⅡ(ジャイ
レース)
化学グループ
一般名
アシルアラニン類 ベナラキシル
ベナラキシルM
フララキシル
メタラキシル
メタラキシルM
オキサゾリジノン オキサジキシル
類
コメント
作用機構は不明であるが、
各種卵菌類(Oomycetes)に
対する耐性及び交差耐性が
良く知られている。
ブチロラクトン類
オフラセ
高い耐性リスク
FRAC のフェニルアミド耐性
管理ガイドラインを参照。
ヒドロキシ(2-アミ
ノ-)ピリミジン類
ブピリメート
ジメチリモール
エチリモール
中程度の耐性リスク。
耐性及び交差耐性がうどん
こ病菌で知られている。
イソオキサゾール ヒドロキシイソキサゾ
類
ール(ヒメキサゾー
ル)
イソチアゾロン類 オクチリノン
カルボン酸類
オキソリニック酸
B1:
MBC 殺菌剤(メ ベンゾイミダゾー
β-チューブリン重 チルベンゾイミ ル類
合阻害
ダゾールカー
バメート)
ベノミル
カルベンダゾール
(カルベンダジム)
フベリダゾール
チアベンダゾール
耐性管理が必要。
耐性は知られていない。
殺細菌剤。耐性が知られて
いる。
糸状菌での耐性リスクは不
明。
耐性管理が必要。
多くの糸状菌で耐性が知ら
れている。
いくつかの部位で突然変異
が認められ、主にβ-チュブ
リンの E198A/G/K、F200Y。
FRAC
コード
4
8
32
31
1
チオファネート類 チオファネート
グループ内で正の交差耐性
チオファネートメチル
有り。
N-フェニルカーバメート類に
負の交差耐性有り。
B
有
糸
核
分 B2:
N-フェニルカ
裂
β-チューブリン重
ーバメート類
と
細 合阻害
胞
分
裂
B3:
ベンズアミド類
β-チューブリン重
チアゾールカ
合阻害
ルボキサミド類
B4:
フェニルウレア
細胞分裂(提案中) 類
B5:
ベンズアミド類
スペクトリン様蛋白
質の非局在化
N-フェニルカー
バメート類
ジエトフェンカルブ
トルアミド類
ゾキサミド
エチルアミノチア エタボキサム
ゾールカルボキ
サミド
フェニルウレア類 ペンシクロン
ピリジニルメチル フルオピコリド
ベンゾアミド類
3
高い耐性リスク。
FRAC のベンゾイミダゾール
耐性管理ガイドラインを参
照。
耐性が知られている。
標的部位で E198K の突然
変異。
ベンゾイミダゾール類と負の
交差耐性。
高い耐性リスク。
耐性管理が必要。
低から中程度の耐性リスク。
耐性管理が必要。
10
22
耐性は知られていない。
20
耐性は知られていない。
43
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FRAC の作用機構分類 (2014 年 2 月)
作用
機構
標的部位と
コード
グループ名
化学グループ
一般名
コメント
C1:
複合体Ⅰ:
NADH 酸化還元
酵素
ピリミジンアミン ピリミジンアミン類 ジフルメトリム
類
ピラゾールカル ピラゾールカルボ トルフェンピラド
ボキサミド類
キサミド類
耐性は知られていない。
C2:
複合体Ⅱ:
コハク酸脱水素
酵素
SDHI(コハク酸
脱水素酵素阻
害剤)
圃場の菌や実験室の変異
株のうち、数種の菌種で耐
性が知られている。
sdh 遺伝子の標的部位にお
いて、例えば、257、267、
272 で H/Y(あるいは H/L)
や P225L の突然変異が認め
られ、それらの変異は菌種
に依る。
耐性管理が必要。
C
呼
吸
C3:
QoI 殺菌剤
複合体Ⅲ:チトク (Qo 阻害剤)
ローム bc1(ユビ
キノール酸化酵
素)Qo 部位(cyt
b 遺伝子)
フェニルベンズア ベノダニル
ミド類
フルトラニル
メプロニル
フェニルオキソエ イソフェタミド
チルチオフェン
アミド類
ピリジニルエチル フルオピラム
ベンズアミド類
フランカルボキサ フェンフラム
ミド類
オキサチインカ
カルボキシン
ルボキサミド類
オキシカルボキシン
チアゾールカル チフルザミド
ボキサミド類
ピラゾール-4-カ ベンゾビンジフルピル
ルボキサミド類
ビキサフェン
フルキサピロキサド
フラメトピル
イソピラザム
ペンフルフェン
ペンチオピラド
セダキサン
ピリジンカルボキ ボスカリド
サミド類
メトキシアクリレー アゾキシストロビン
ト類
クモキシストロビン
エノキサストロビン
フルフェノキシストロビ
ン
ピコキシストロビン
ピラオキシストロビン
メトキシアセトアミ マンデストロビン
ド類
メトキシカーバメ ピラクロストロビン
ート類
ピラメトストロビン
トリクロピリカルブ
オキシイミノ酢酸 クレソキシムメチル
類
トリフロキシストロビン
オキシイミノアセト ジモキシストロビン
アミド類
フェナミンストロビン
メトミノストロビン
オリサストロビン
オキサゾリジンジ ファモキサドン
オン類
ジヒドロジオキサ フルオキサストロビン
ジン類
イミダゾリノン類
フェンアミドン
ベンジルカーバ ピリベンカルブ
メート類
4
FRAC
コード
39
7
中程度から高いリスク。
FRAC の SDHI 耐性管理ガイ
ドラインを参照。
各種の糸状菌で耐性が知ら
れている。
cyt b 遺伝子の標的部位で
の突然変異(G143A、F129L)
や他の作用機構。
QoI グループのすべての剤
で交差耐性が知られてい
る。
高い耐性リスク
FRAC の QoI 耐性管理ガイド
ラインを参照。
11
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FRAC の作用機構分類 (2014 年 2 月)
作用
機構
標的部位と
コード
グループ名
化学グループ
C4:
QiI 殺菌剤
複合体Ⅲ:ユビキ (Qi 阻害剤)
ノン還元酵素 Qi
部位
シアノイミダゾー
ル
スルファモイルト
リアゾール
シアゾファミド
C5:
酸化的リン酸化
の脱共役
ジニトロフェニル
クロトン酸類
BINAPACRIL(ビナパ
クリル)
メプチルジノカップ
DPC(ジノカップ)
フルアジナム
2,6-ジニトロアニ
リン類
C
呼
吸
D
ア
ミ
ノ
酸
お
よ
び
蛋
白
質
合
成
一般名
アミスルブロム
(ピリミジノンヒドラ (フェリムゾン)
ゾン類)
C6:
有機スズ化合 トリフェニルスズ 有機スズ(酢酸トリフェ
酸化的リン酸化、 物
化合物
ニルスズ)
ATP 合成酵素の
有機スズ(塩化トリフェ
阻害
ニルスズ)
有機スズ(水酸化トリフ
ェニルスズ)
C7:
チオフェンカル チオフェンカルボ シルチオファム
ATP 生産
ボキサミド類
キサミド類
(提案中)
C8:
QoSI 殺菌剤
トリアゾロピリミジ アメトクトラジン
複合体Ⅲ:ユビキ (Qo 阻害剤、ス ルアミン
ノン還元酵素
チグマテリン結
(Qo 部位、スチ 合タイプ)
グマテリン結合サ
ブサイト)
D1:
AP 殺菌剤(ア アニリノピリミジン シプロジニル
メチオニン生合
ニリノピリミジン 類
メパニピリム
成(cgs 遺伝子)
類)
ピリメタニル
(提案中)
D2:
蛋白質合成
D3:
蛋白質合成
エノピラヌロン
酸抗生物質
ヘキソピラノシ
ル抗生物質
エノピラヌロン酸
抗生物質
ヘキソピラノシル
抗生物質
ブラストサイジンS
D4:
蛋白質合成
グルコピラノシ
ル抗生物質
グルコピラノシル
抗生物質
ストレプトマイシン
D5:
蛋白質合成
テトラサイクリン テトラサイクリン抗 オキシテトラサイクリン
抗生物質
生物質
5
カスガマイシン
コメント
耐性リスクは未知だが、中程
度から高いリスクがあると推
測される。(モデル生物での
標的部位の突然変異が知ら
れている。
耐性管理が必要。
耐性は知られていない。
殺ダニ活性も同様。
FRAC
コード
21
29
低いリスク。
しかし、日本では Botrytis 属
で耐性が報告。
2012 年に U14 に分類変更。
いくつかの耐性事例が知ら
れている。
低から中程度の耐性リスク。
30
耐性の報告有り。
低い耐性リスク。
38
QoI 殺菌剤と交差しない。
耐性リスクは中程度から高い
と推定。(単一部位の阻害)
耐性管理が必要。
45
Botrytis 属及び Venturia 属
9
で耐性が知られている。
Oculimacula 属では散発的。
中程度の耐性リスク。
FRAC のアニリノピリミジン耐
性管理ガイドラインを参照。
低から中程度の耐性リスク。
耐性管理が必要。
糸状菌及び細菌(P. glumae)
の病原菌で耐性が知られて
いる。
中程度の耐性リスク。
耐性管理が必要。
殺細菌剤。耐性が知られて
いる。
高い耐性リスク。
耐性管理が必要。
殺細菌剤。耐性が知られて
いる。
高い耐性リスク。
耐性管理が必要。
23
24
25
41
JCPA (2014.11.20)
FRAC の作用機構分類 (2014 年 2 月)
作用
機構
E
シ
グ
ナ
ル
伝
達
標的部位と
コード
グループ名
化学グループ
E1:
アザ-ナフタレ
シグナル伝達(作 ン類
用機構不明)
アリルオキシキノ
リン
キナゾリノン
E2:
浸透圧シグナル
伝達における
MAP/ヒスチジン
キナーゼ(os-2、
HOG1)
E3:
浸透圧シグナル
伝達における
MAP/ヒスチジン
キナーゼ(os-1、
Daf1)
一般名
キノキシフェン
プロキナジド
PP 殺菌剤(フェ フェニルピロール フェンピクロニル
ニルピロール
類
フルジオキソニル
類)
ジカルボキシイ ジカルボキシイミ クロゾリネート
ミド類
ド類
イプロジオン
プロシミドン
ビンクロゾリン
コメント
キノキシフェンに対する耐性
が知られている。中程度のリ
スク。
耐性管理が必要。
Erysiphe (Uncinula) necator
で交差耐性がみられるが、B
lumeria graminis ではみら
れていない。
散発的に耐性がみられる。
作用機構は推定。
低から中程度の耐性リスク
ク。
耐性管理が必要。
Botrytis 属及び他のいくつ
FRAC
コード
13
12
2
かの病原菌で耐性が通常み
られる。OS-1 でのいくつか
の突然変異あり。
通常、グループ内化合物で
の交差耐性有り。
中程度から高い耐性リスク。
FRAC のジカルボキサミド耐
性管理ガイドラインを参照。
F1:
F
脂
質
お
よ
び
細
胞
膜
合
成
以前はジカル
ボキシイミド類
で分類。
F2:
ホスホロチオレ ホスホロチオレー EDDP(エジフェンホ
リン脂質生合成、 ート類
ト類
ス)
メチルトランスフ
IBP(イプロベンホス)
ェラーゼ
ピラゾホス
ジチオラン類
ジチオラン類
イソプロチオラン
F3:
脂質の過酸化
(提案中)
F4:
細胞膜透過性、
脂肪酸(提案中)
F5:
特定の糸状菌で耐性が知ら
れている。
低から中程度の耐性リスク。
耐性リスクのある病原菌への
使用では、耐性管理が必
要。
いくつかの糸状菌で耐性が
既知。
低から中程度の耐性リスク。
活性スペクトルが異なるため
交差耐性のパターンは複
雑。
AH 殺菌剤(芳 芳香族炭化水素 ビフェニル
香族炭化水素)
クロロネブ
(クロロフェニル
CNA(ジクロラン)
類、ニトロアニリ
PCNB(キントゼン)
ン類)
テクナゼン
トルクロホスメチル
複素芳香族
1,2,4-チアジアゾ エクロメゾール(エトリジ
ール類
アゾール)
カーバメート類 カーバメート類
ヨードカルブ
低から中程度の耐性リスク。
プロパモカルブ
耐性管理が必要。
プロチオカルブ
以前は CAA 殺
菌剤で分類
6
6
14
28
JCPA (2014.11.20)
FRAC の作用機構分類 (2014 年 2 月)
作用
機構
F
脂
質
お
よ
び
細
胞
膜
合
成
G
細
胞
膜
の
ス
テ
ロ
ー
ル
生
合
成
標的部位と
コード
グループ名
F6:
微生物
病原菌細胞膜の (Bacillus属)
微生物攪乱
F7:
細胞膜の攪乱
(提案中)
G1:
ステロール生合
成の C14 位のデ
メチラーゼ
(erg11/cyp51)
植物抽出物
DMI 殺菌剤
(脱メチル化阻
害剤)
(SBI:クラスⅠ)
化学グループ
一般名
コメント
Bacillus 属および バチルス ズブチリス
産生された殺菌 QST713 株
性リポペプチド類 バチルス ズブチリス
FZB24 株
バチルス ズブチリス
MBI600 株
バチルス ズブチリスD
747株
テルペン炭化水 ゴセイカユプテ(ティー
素類とテルペン ツリー)の抽出物
アルコール類
ピペラジン類
トリホリン
ピリジン類
ピリフェノックス
ピリソキサゾール
ピリミジン類
フェナリモル
ヌアリモール
イミダゾール類
イマザリル
オキスポコナゾール
ペフラゾエート
プロクロラズ
トリフルミゾール
トリアゾール類
アザコナゾール
ビテルタノール
ブロムコナゾール
シプロコナゾール
ジフェノコナゾール
ジニコナゾール
エポキシコナゾール
エタコナゾール
フェンブコナゾール
フルキンコナゾール
フルシラゾール
フルトリアホール
ヘキサコナゾール
イミベンコナゾール
イプコナゾール
メトコナゾール
ミクロブタニル
ペンコナゾール
プロピコナゾール
シメコナゾール
テブコナゾール
テトラコナゾール
トリアジメホン
トリアジメノール
トリアゾリンチオン トリチコナゾール
類
プロチオコナゾール
7
FRAC
コード
44
耐性は知られていない。
FZB24 株の作用機構とし
て、宿主植物の抵抗性誘導
も報告されている。
耐性は知られていない。
DMI 殺菌剤の殺菌スペクトラ
ムには大きな差がみられる。
各種の菌で耐性がみられ
る。
いくつかの耐性発現機構
は、cyp 51 (erg 11)遺伝子
(例えば、V136A、Y137F、
A379G、I381V)、cyp 51 プロ
モータ、ABC トランスポータ
他での標的部位の突然変
異に依ることが知られてい
る。
一般的に DMI 殺菌剤は、同
一菌種に対して交差耐性を
示すと考えるべきである。
DMI 殺菌剤はステロール生
合成阻害剤(SBI)であるが、
他の SBI クラスとは交差耐性
を示さない。
中程度の耐性リスク。
FRAC の SBI 耐性管理ガイド
ラインを参照。
46
3
JCPA (2014.11.20)
FRAC の作用機構分類 (2014 年 2 月)
作用
機構
標的部位と
コード
G2:
ステロール生合
成におけるΔ14
還元酵素及びΔ
8
→Δ7-イソメラー
ゼ(erg24、erg2)
G
細
胞
膜
の
ス
テ
ロ
ー
ル
生
合
成
H
細
胞
壁
生
合
成
I
細
胞
壁
の
メ
ラ
ニ
ン
合
成
グループ名
アミン類
("モルフォリン
類")
(SBI:クラスⅡ)
化学グループ
一般名
モルフォリン類
アルジモルフ
ドデモルフ
フェンプロピモルフ
トリデモルフ
ピペリジン類
フェンプロピジン
ピペラリン
スピロケタールア スピロキサミン
ミン類
コメント
うどんこ病菌に対して感受性
が低下。
一般に同一グループ内では
交差耐性を示すが、他の
SBI クラスとは交差耐性を示
さない。
FRAC
コード
5
低から中程度の耐性リスク。
FRAC の SBI 耐性管理ガイド
ラインを参照。
低から中程度の耐性リスク。
耐性管理が必要。
G3:
ステロール生合
成系の C4 位脱メ
チル化における
3-ケト還元酵素
(erg27)
G4:
ステロール生合
成系のスクワレン
エポキシダーゼ
(erg1)
H3:
トレハラーゼ、イノ
シトール生合成
H4:
キチン合成酵素
(SBI:クラスⅢ)
ヒドロキシアニリド フェンヘキサミド
類
アミノピラゾリノン フェンピラザミン
(SBI:クラスⅣ)
チオカーバメート ピリブチカルブ
類
アリルアミン類
ナフチフィン
テルビナフィン
耐性は知られていない。
殺菌及び除草活性有り
医薬用殺菌剤のみ。
18
グルコピラノシ
ル抗生物質
グルコピラノシル
抗生物質
バリダマイシン
耐性は知られていない。
26
ポリオキシン
19
H5:
セルロース合成
酵素
CAA 殺菌剤
(カルボン酸ア
ミド類)
耐性が知られている。
中程度の耐性リスク。
耐性管理が必要。
Plasmopara viticola で耐性
が知られているが、
Phytophthora infestans では
知られていない。
CAA グループのすべてで交
差耐性がみられる。
ポリオキシン類 ペプチジルピリミ
ジンヌクレオシド
I1:
MBI-R
メラニン生合成の (メラニン生合
還元酵素
成阻害剤-還
元酵素)
I2:
MBI-D
メラニン生合成の (メラニン生合
脱水酵素
成阻害剤-脱
水酵素)
桂皮酸アミド類
ジメトモルフ
フルモルフ
ピリモルフ
バリンアミドカー ベンチアバリカルブ
バメート類
イプロバリカルブ
バリフェナレート
マンデル酸アミド マンジプロパミド
類
イソベンゾフラノ
ン
ピロロキノリノン
フサライド
トリアゾロベンゾ
チアゾール
シクロプロパンカ
ルボキサミド
カルボキサミド
トリシクラゾール
プロピオンアミド
フェノキサニル
低から中程度の耐性リスク。
FRAC の CAA 耐性管理ガイ
ドラインを参照。
耐性は知られていない。
17
40
16.1
ピロキロン
8
カルプロパミド
ジクロシメット
耐性が知られている。
中程度の耐性リスク。
耐性管理が必要。
16.2
JCPA (2014.11.20)
FRAC の作用機構分類 (2014 年 2 月)
作用
機構
P
宿
主
植
物
の
抵
抗
性
誘
導
標的部位と
コード
P1:
サリチル酸合
成経路
P2:
P3:
P4:
P5:
不明
作
用
機
構
不
明
(
リ
ス
ト
中
、
U
番
号
の
な
い
も
の
は
再
分
類
さ
れ
た
殺
菌
剤
)
グループ名
化学グループ
ベンゾチアジア
ゾール
BTH
ベンゾイソチア
ゾール
チアジアゾー
ルカルボキサミ
ド
天然物
植物抽出物
ベンゾチアジアゾ
ール
BTH
ベンゾイソチアゾ
ール
チアジアゾール
カルボキサミド
一般名
ホスホナート類 エチルホスホナ
ート類
不明
フタラミン酸類
耐性は知られていない。
P1
プロベナゾール(抗菌
活性も有す)
チアジニル
イソチアニル
耐性は知られていない。
P2
耐性は知られていない。
P3
耐性は知られていない。
耐性は知られていない。
P4
P5
耐性の報告が有る。
低から中程度の耐性リスク。
耐性管理が必要。
いくつかの病原菌で耐性の
報告がある。
低い耐性リスク。
27
耐性は知られていない。
34
不明
ホセチル
亜リン酸および塩
テクロフタラム(殺細菌
剤)
トリアゾキシド
フタラミン酸類
FRAC
コード
アシベンゾラル S メチ
ル
多糖類
ラミナリン
混合物、エタノー オオイタドリ抽出液
ル抽出物
シアノアセトアミ シアノアセトアミド シモキサニル
ドオキシム
オキシム
不明
コメント
33
ベンゾトリアジ
ン類
不明
ベンゼンスルホ
ンアミド類
不明
ピリダジノン類
不明
チオカーバメー
ト
不明
フェニルアセト
アミド
アクチンの崩壊 アリルフェニル
(提案中)
ケトン
ベンゾトリアジン
類
ベンゼンスルホン フルスルファミド
アミド類
ピリダジノン類
ジクロメジン
チオカーバメート メタスルホカルブ
耐性は知られていない。
35
耐性は知られていない。
36
耐性は知られていない。
耐性は知られていない。
37
42
フェニルアセトア
ミド
ベンゾフェノン
シフルフェナミド
Sphaerotheca で耐性。耐性
U6
ベンゾイルピリジ
ン
ピリオフェノン
細胞膜の崩壊
(提案中)
グアニジン類
グアニジン類
グアニジン(ドジン)
不明
チアゾリジン
メトラフェノン
シアノメチレンチ フルチアニル
アゾリジン
不明
ピリミジノンヒド ピリミジノンヒドラ フェリムゾン
ラゾン類
ゾン類
オキシステロー ピペリジニルチ ピペリジニルチア オキサチアピプロリン
ル結合蛋白質 アゾールイソオ ゾールイソオキサ
(OSBP)阻害
キサゾリン類
ゾリン類
(提案中)
複合体Ⅲ:チト 酢酸 4-キノリン 酢酸 4-キノリン
テブフロキン
クローム bc1、
結合部位不明
(提案中)
9
管理が必要。
低感受性の小麦うどんこ病
菌が発生。
中程度の耐性リスク。
耐性管理が必要。
Venturia inaequalis で耐性
が知られている。
低から中程度の耐性リスク。
耐性管理が必要。
耐性は知られていない。
U8
U12
U13
耐性は知られていない。
2012 年に C5 から分類変更
耐性リスクは中程度から高い
と推定。(単一部位の阻害)
耐性管理が必要。
U14
QoI 殺菌剤とは交差耐性が
ない。
耐性リスクは未知だが、中程
度のリスクがあると推測され
る。
耐性管理が必要。
U16
U15
JCPA (2014.11.20)
FRAC の作用機構分類 (2014 年 2 月)
作用
機構
未
分
類
多
作
用
点
接
触
活
性
標的部位と
コード
グループ名
化学グループ
不明
種々
種々
多作用点接触
活性
無機化合物
無機化合物
無機化合物
ジチオカーバメ
ート類及び類
縁体
無機化合物
ジチオカーバメ
ート類及び類縁
体
フタルイミド類
フタルイミド類
一般名
マシン油
有機油
炭酸水素カリウム
天然物起源
銅(種々の塩)
硫黄
ファーバム
マンゼブ
マンネブ
メチラム
プロピネブ
チウラム
ジネブ
ジラム
キャプタン
ダイホルタン(カプタホ
ール)
ホルペット
TPN(クロロタロニル)
クロロニトリル類 クロロニトリル類
(フタロニトリル (フタロニトリル類)
類)
スルファミド類 スルファミド類
スルフェン酸系(ジクロ
フルアニド)
トリルフルアニド
グアニジン類
グアニジン類
グアザチン
イミノクタジン酢酸塩/
イミノクタジンアルベシ
ル酸塩(イミノクタジン)
トリアジン類
トリアジン類
トリアジン(アニラジン)
キノン類
キノン類
ジチアノン
(アントラキノン (アントラキノン類)
類)
キノキサリン類 キノキサリン類
キノキサリン系(キノメチ
オナート)
マレイミド
マレイミド
フルオルイミド
10
コメント
FRAC
コード
耐性は知られていない。
NC
糸状菌での耐性発現の徴
候がなく、一般的に耐性リス
クは低いと考えられる。
M1
M2
M3
M4
M5
M6
M7
M8
M9
M10
M11