No. 558 ▼ 年頭のごあいさつ ▼ 人材確保へ県土木部と意見交換 ▼ 建設業を体験してもらいました (一般社団法人) 茨 建 協 ニ ュ ー ス 第 558 号 平成 28 年 1 月 15 日 年 頭 の ご あ い さ つ ての役割を積極的に果たしていく決意を新たに 一般社団法人 茨城県建設業協会 会 長 岡 したところであります。 高度経済成長時代に建設された道路や上下水 部 英 男 道などの社会資本は老朽化が進み、この社会資 本の維持管理や防災・減災等が重要な課題となっ 皆様、新年あけまし てきております。これらの課題に対応するととも ておめでとうございま に、地域の基幹産業として経済・雇用を支えてい す。平成 28 年の年頭に る地域建設業の重要性はますます増大していく あたり謹んで新春のお ものと考えております。 一方、これまで長期間、大幅な公共事業費削減 慶 び を 申 し 上 げ ま す。 また、日頃から当協会 や景気低迷で縮小を続けてきた建設市場を背景 の事業活動につきまし に、建設業界では今、高齢化の進行とともに技術 て、特段のご理解とご 者・技能者の不足と若年労働者の不足が一層深刻 支援を頂き厚く御礼を申し上げます。 な問題となっております。このため、一昨年改正 昨年は、北陸新幹線の開業や日本人科学者 2 人 された品確法及びそれに伴って制定された発注 がノーベル医学・生理学賞と物理学賞を授与され 関係事務の運用に関する指針に沿って、優秀な若 たほか、半世紀ぶりに国産のジェット旅客機が初 い人材の確保、技術者・技能者の育成が図れるよ 飛行に成功するなどの明るい話題の反面、9 月に う、国や地方自治体などの発注者側に適正な対応 は 66 年ぶりに鬼怒川が決壊するなど本県に甚大 を強く求めて参ります。 な被害をもたらした、27 年 9 月関東・東北豪雨 当協会としては、本年も、県内建設企業の受注 をはじめとして、箱根など各地での火山の噴火や 機会の確保、防災・減災への対応、社会貢献活動 台風による被害など全国的に大きな災害に見舞 やイメージアップ活動などを積極的に実施し、経 われた一年でありました。 営体質の強化に努め、建設業の重要性を訴えてま 私ども建設業協会の会員は、本県を襲った 27 いります。また、地方の景気対策、雇用対策など 年 9 月関東・東北豪雨による災害にあたりまして の観点からも、公共投資を含む内需拡大による早 も、いち早く被災した現場に駆けつけ被害の拡大 急な経済対策を訴えてまいります。 日本経済は明るさを取り戻しつつありますが、 防止や応急復旧、更には交通の確保などに努めた ほか災害で発生した廃棄物の処理に協力するな 地方建設業界はまだまだ厳しい状況下にありま ど、長期にわたり大きな役割を果たしたところで す。そのようななか、会員企業が一致団結してこ あります。あらためて、今後とも地域の一員とし の難局を乗り越え、活力ある業界となるよう精一 −2− 茨 建 協 ニ ュ ー ス 第 558 号 平成 28 年 1 月 15 日 杯努力して参る所存でございますので、関係機関 療の充実に向けて、結婚・出産・子育て支援をは の皆様には、建設業の窮状打破に向けた決意に対 じめ、医師確保や救急医療体制の整備、高齢者の しご理解を賜わり、ご指導ご鞭撻を切にお願い申 健康・生きがいづくりや障害者の自立支援、公共 上げる次第でございます。 交通や生活支援サービスの確保など、安全・安心・ 快適な生活環境の実現に力を注ぎ、 「住みよいい ばらき」づくりを進めてまいります。 茨城県知事 また、将来のいばらきづくりの基本となる人づ くりのため、少人数教育の推進、理数教育・国際 橋 本 昌 理解教育の充実を図りますとともに、道徳・郷土 あけましておめでと 教育の充実やいじめ対策、女性や若者が活躍しや うございます。 すい環境づくりや文化の振興など、 「人が輝くい 皆様にはすがすがし ばらき」づくりを進めてまいります。 い新春をお迎えのこと さらに、世界湖沼会議や茨城国体・全国障害者 とお慶び申し上げます。 スポーツ大会、東京オリンピック・パラリンピッ 昨年は、地域経済が クなどに向けて準備を進めてまいります。 厳しい中、関東・東北 皆様のご健勝・ご多幸をお祈りいたしまして、 豪 雨 が 発 生 す る な ど、 新年のあいさつといたします。 大変な一年でありまし たが、一方で、上期の工場立地件数や面積が全国 一般社団法人 全国建設業協会 第 1 位となる、あるいは、今年 5 月の G7 茨城・ つくば科学技術大臣会合の開催が決定されるな 会 長 近 ど、明るい話題もありました。 本年は、人口が減少する中にあっても本県を着 藤 晴 貞 平成 28 年の新春を迎 実に発展させていくための重要な年であります。 え、謹んで年頭のご挨 災害に強い県土づくりとあわせ、昨年策定したま 拶を申し上げます。 ち・ひと・しごと創生総合戦略に基づき、地方創 平素は、全建の事業 活動に対し格別のご支 生に全力を注いでまいります。 まず、働く場の確保や交流人口の拡大に向け 援・ご協力を賜り、改 て、引き続き、広域交通ネットワークの整備や企 めて厚く御礼を申し上 業誘致、最先端科学技術の集積を活かした新産 げます。 早 い も の で、 本 年 3 業・新事業の創出、海外展開の支援を含めた中小 企業や観光の振興、農業の 6 次産業化や農産物の 月には東日本大震災の発生から 5 年の節目を迎え 輸出促進などに取り組みますとともに、UIJ ター ることとなります。政府が定めた「集中復興期間」 ンの促進、アートフェスティバルによる県北地域 を終え、 「復興・創生期間」へと入って参りますが、 の振興など、 「元気ないばらき」づくりを進めて 未だに約 19 万人の被災者の方々が避難を余儀な まいります。 くされております。被災地の一刻も早い復興を心 次に、少子高齢化が急激に進む中で、福祉や医 から願うとともに、我々は震災から得た教訓を決 −3− 第 558 号 茨 建 協 ニ ュ ー ス 平成 28 年 1 月 15 日 「若者が夢をもって将来を託せる産業」として建 して忘れてはなりません。 昨年を振り返ってみましても、口永良部島や桜 設産業を再生し、その技術を継承・発展させると 島の噴火、箱根山や阿蘇山における噴火警戒レ ともに、国民が期待する社会的使命を果たし続け ベルの一時引き上げなど火山活動の活発化がみ る責務がございます。そのために取り組むべき課 られ、さらに、9 月の台風 18 号等による「関東・ 題は、「賃金・休日等の労働条件の改善」 、「効果 東北豪雨災害」では、鬼怒川等の堤防が決壊し 的な教育とスキルアップ」、 「女性等の多様な人材 たことにより広範な地域が浸水するなど甚大な が活躍できる環境整備」 、さらに「建設現場にお 被害が発生したところでございます。 “異常気象” ける生産性向上」など枚挙に暇がありません。若 が恒常化する中、我が国の脆弱な国土における着 者に「ものづくり産業」としての建設現場の魅力 実な社会資本整備・強靭な国土づくりの推進は、 を伝える工夫も、今まで以上に必要でしょう。さ 片時の猶予も許されない状況にございます。 らに、こうした将来に向けた取組みを継続するた ご承知の通り、蓄積された社会資本は、継続 めには、経営の安定化が何より重要であり、適正 的・長期的に経済活動や国民生活の向上をもたら 利潤の確保を謳った品確法の徹底に加え、我が国 す効果がございます。我々建設業は、その担い手 の厳しい財政状況下にあっても、安定的・持続的 であるとともに、災害現場の最前線で活動するな な事業量を確保するために声を上げ続けていく ど、地域社会の安全・安心を守るという重い社会 必要がございます。 的使命を担っております。安全・安心な暮らしを 本年も全建は、47 都道府県建設業協会並びに 守り続けるためには、建設業の存在が欠かせない 会員企業の皆様方をはじめ、関係各位と一致団結 ということが、いわゆる「担い手 3 法」の理念の し、積極果敢に、諸課題に取り組む所存でござい 源泉であるとともに、国会において全会一致で成 ますので、引続き、ご理解ご支援のほどを何卒よ 立した理由と受けとめております。今年はより一 ろしくお願い申し上げます。 層、全ての発注者の方々にその趣旨の実現を求め て参りたいと考えております。 最後になりますが、皆様方のご健勝とご多幸を 祈念いたしまして、私の年頭のご挨拶とさせてい また、私ども建設業界は、少子高齢化、人口減 ただきます。 少に伴う産業間の人材獲得競争が激化する中で、 −4− 茨 建 協 ニ ュ ー ス 第 558 号 平成 28 年 1 月 15 日 官民一体の取り組みを 県土木部と人材確保へ意見交換 本会と茨城県土木部による意見交換会が昨年 12 月 17 日、水戸市大町の協会本部で開催 されました。本会からは正副会長・支部長・各委員会の正副委員長が、県土木部からは渡 辺学部長をはじめ監理課・検査指導課・営繕課の各課長などが参加し、少子高齢化社会を 迎える中での、建設業従事者の確保、人材育成に向けた取り組みについて話し合いました。 が持てる業界となるよう、話し合いたい」とあい さつしました。 続いて渡辺学県土木部長が「次世代の優れた労 働力をどう確保するか考えなければならない時 期に来ている。活発で有意義な意見を交わした い」と期待を込めました。 岡部会長 渡辺土木部長 意見交換では、若者が仕事を選ぶ際の基準とな 冒頭、岡部英男会長は、県内の建設企業へ就 る休暇や給与の改善に向け、官民一体となった取 職する人が減少傾向にあることに危機感を示し り組みが重要であることを確認したほか、健全な ながら「建設業は県民を守る使命を持った大切 会社経営、良好な労働環境、やりがいのある職場 な職種だが、県民の理解度が低い気がする。夢 づくりの方策について話し合いました。 人材確保・育成について意見を交換しました −5− 茨 建 協 ニ ュ ー ス 第 558 号 平成 28 年 1 月 15 日 那珂湊中で木造倉庫を引き渡し 本会と建設未来協議会大宮・大子地区会 本会などが組織する CCI 茨城(茨城県魅力ある 建設事業推進連絡会議) 、本会常陸大宮支部・大 子支部、本会建設未来協議会大宮・大子地区会が、 体験学習を兼ねて建設していた市立那珂湊中学校 (廻り目 2896)の木造倉庫が完成し、昨年 11 月 26 日に引渡し式を行いました。 木造倉庫の建設は、昨年 10 月 1 日、21 日の 2 回に分けて実施し、生徒たちに建設業を体験して もらいながら、校倉工法の倉庫を完成させました。 引き渡しを記念しくす玉を開披 式では、県土木部の橋本義彦技監兼検査指導課 長が「進学の際に建設業も選択肢として考えても 生徒代表の髙橋琴雅さんは「私たちの将来にお らえたらうれしい」 、本会常陸大宮支部の髙野潔 いて大変貴重な経験になりました。協会の方々が 支部長は「普段体験できない貴重な経験をしても 丁寧に教えてくれたので、楽しく参加できました。 らった。社会に出た時に役立ててほしい」 、同会 完成した倉庫を大切に使わせていただきます」と 建設未来協議会の増子秀典会長は「皆さんが造っ 謝辞を述べました。 た木造倉庫が大事に受け継がれていくことを願っ ています」と、それぞれあいさつしました。 完成した木造倉庫は、生徒たちによって「湊ハ ウス」と命名されました。 華川中で建設業体験学習会 建設未来協議会 高萩・太田地区 本会建設未来協議会の高萩・太田地区会(岡田 ぜひ業界に」とあいさつ。田切政昭校長は「建設 寿浩地区幹事)は昨年 11 月 30 日に、北茨城市の 業は人に感謝や感動を与えられる仕事。そんな喜 華川中学校で建設業体験を開催し、1・2 年生の びを感じてほしい」と話していました。 生徒 38 人がログハウス塗装や測量、重機操作を 通して、建設業の楽しさを 体験しました。 岡田幹事は「体験の中で 建設業の魅力を少しでも感 じていただければ」 、松山 恒男高萩支部長は「建設業 の魅力や楽しさを知って、 −6− 第 558 号 茨 建 協 ニ ュ ー ス 保証事業の充実に期待 平成 28 年 1 月 15 日 茨城協議会が定例会 県内で建設業の保証事業を推進する保証事業 茨城協議会(会長・岡部英男本会会長)の平成 27 年度定例会が昨年 11 月 19 日、水戸市内で開 催され、本年度上半期の保証状況や中間前払金制 度の導入促進、県内建設業の課題などについて意 見を交換しました。 岡部会長は冒頭、前払金保証制度の円滑な運用 や中間前払金制度導入促進の必要性を説き、保障 事業のさらなる充実に期待を寄せました。 東日本建設業保証の大堀毅彦常務取締役は、上 いては、茨城支店の敦賀正明支店長が件数、請負 半期業務概況説明の中で、前払金保証業務の状況 金額、保証金額いずれも 10% 前後マイナスの状 について「保証取扱高は件数、請負、保証金額の 況を解説。中間前払金制度については「来年度か いずれも前年比マイナスだが、水準としては高い ら導入しようとしている自治体が数多くある」と ところで推移している」と説明しました。 明るい見通しを示すとともに、さらなる協力を呼 県内における上半期の前払金保証取扱高につ び掛けました。 建設現場の風景を描いた 小中学生の優秀作品 仕事の姿勢など学ぶ 本会初のフォローアップ研修 茨城県庁に展示しました 会員各社の若手社員が仕事への姿勢を再確認しました 新規入職者などを対象とした本会初の「フォ ローアップ研修」を水戸市青柳町の県建設技術研 本会は昨年 11 月 24 日から 12 月 4 日まで、県 修センターで昨年 12 月 11 日に開催し、全国建設 内の小中学生が描いた建設現場の図画作品の最 産業教育訓練協会の富士教育訓練センター講師 優秀者を 11 月 8 日に開催した「建設フェスタ である花輪孝樹氏が、若手社員 51 人に仕事に取 2015」において表彰したほか、優良賞以上 69 点 り組む姿勢やコミュニケーション力などについ を茨城県庁 11 階アトリウムに展示し、多くの方々 て説きました。 に見ていただきました。 −7− 茨 建 協 ニ ュ ー ス 第 558 号 留意点や最新技術学ぶ 平成 28 年 1 月 15 日 会員の動向 舗装技術講習会を開催 〈代表者変更〉 ▽ 高萩支部 ㈱日晃工務店 高星 雪恵 → 中野 穣二 バザー収益金を寄付 建設フェスタ実行委員会 舗装工事の留意点や技術について学びました 本会と日本道路建設業協会(道建協)関東支部 は昨年 12 月 18 日、舗装技術講習会を水戸市の県 建設技術研修センターで開催し、約 110 人の技術 者らが参加。舗装工事の留意点や最近の舗装技 術、道路管理を取り巻く最近の情勢などについて 寄付金を手渡し、骨髄バンクを支援する いばらきの会から感謝状をいただきました 学びました。 建設フェスタ実行委員会(委員長・増子秀典県 優秀技術者4人が受賞 建設業協会建設未来協議会会長)は昨年 12 月 1 茨城県企業局の主任技術者表彰 日、 「建設フェスタ 2015」で催されたチャリティー バザーの収益金 9 万 6400 円を、骨髄バンクを支 援するいばらきの会(牛島英二会長)と茨城新聞 社茨城新聞文化福祉事業団、そして関東・東北豪 雨災への義援金として常総市に寄付しました。 ちょっと一言 新年明けましておめでとうございます。 茨城県企業局による主任技術者表彰式が昨年 先日ショッピングセンターに行くと、赤い男 12 月 22 日、水戸市の県市町村会館で挙行され、 性 用下着が大量陳列されていました。商品 横 優れた技術力を発揮した本会の技術者 4 人が受 には「申年に赤い下着を身に着けると健康に過 ごせる」などの言い伝えとともに、 「12 年に 1 賞されました。誠におめでとうございます。 表彰式では、中島敏之企業局長から岡村源一 (松丸工業㈱) 、小沼正夫(㈱郡司建設) 、酒井暢 宏(大竹建設㈱) 、鮏川和男(飯田建設興業㈲) の 4 氏に表彰状が手渡されました。 −8− 度のチャンス !」の文字が。 「猿も木から落ちる」 とのことわざに臆することなく、 「 失敗を恐れず、 何事にも積極的にチャレンジする」を今年の抱 負に掲げた私。まずは赤い下着から ...。 (K)
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