本文ファイル - 長崎大学学術研究成果リポジトリ

NAOSITE: Nagasaki University's Academic Output SITE
Title
海産汚損付着生物の生態学的研究
Author(s)
梶原, 武
Citation
長崎大学水産学部研究報告, v.16, pp.1-138; 1964
Issue Date
1964-03
URL
http://hdl.handle.net/10069/31613
Right
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海 産汚 損付着 生物 の生態 学 的研 究
梶
Ecological
Studies
原
武
on Marine
Fouling
Animals
By
Takesi
KAZIHARA
目
緒
次
論
第1章
付
3
着
ヌ
タ
察
方
.
1・1
観
1・2
付着 ヌタの季節変化
法
5
5
8
1・3
付着 に関与す る諸要因
g
1・4
水平 に浸漬 した板上での付着 ヌタと付着 生物 との関係
15
1.5
ヌタ中 にみ られ たDiatomに
17
i
種
類
ii季
第2章
ついて
節 変
化
付着生物 の個体群 の生 態
2・1
調
2・2
査
方
法
各種類 の季節消長 と生態
i季
節
消
長
18
18
21
21
23
23
ii水 平 浸漬板の上下面 におけ る付着個体数
30
iii各 種板 における付着数 の差
31
2.3
i
代表的な付着生物の生態
32
カンザシ ゴカイの生態,特 にカサ ネカンザ シと ヒ ト土 カンザ シについて … ……
32
a
佐世保湾内におけ る分布
34
b
カサネカ ンザシと ヒ トエカ ンザシの付着数比 の季節変化
34
c
成
長
36
d
密
度
39
武
2
梶 原
iiムラサキイガイの生態…・・………………………………・…・・……………・…・・…・43
a 佐世保湾内における分布・・………………・……………・…・…………………・…… 46
産卵期及び付着期…・…・………… ………………・……・…・………・・…………… 46
b
c 成長及び死亡率・……・……………………………・…………・……………・…’■…… 47
付着水深…・…・…………・………………………………・…・・………………48
d
iiiシロボヤの生態…・…・……・・………・……・・…一…………・・………・・……・………・・5Q
a付着期……・・…………・……・…・………・…・・……一・・…・……・…………50
b産 拶厚 期・。・・・…一・…。・・…。・・・・…。…。・・…。。・・・・・・・・・・・・・・・・・・…。・・…。・。・・・・・・・・…
50
c 成長及び寿命………・……・…………・……・・…・………………・・一■………・・……・52
d 付着及び生育に好適な水深層……・………・…・…・・………………………………・55
e 生残率及び増重率……・………・…・…・……………・・………・……………・・……… 55
f 低塩素量海水に対する耐性………・………・・…・………………………………・… 57
第3章 付着生物群集の生態,特に内湾における付着生物群の分布………・・………・・………・…・60
3・1 調査方法及び調査水域の概況…・…・…………・……・…・………・・……………・…・… 61
3・2 佐世保湾………・・……………・……・……・…………・……・・………・・………・・63
3・3長崎湾………………・・…・・……………・…・…・…………・・……・…………・・67
第4章論議及び考察…………・・……・……・…・………・・………………・・…・・……………・………71
付着ヌタと付着生物との関係………………………・……・……・……・………・…・… 71
4.1
付着生物の付着及び生育と基盤との関係………,・………・…………・・……・………・72
4.2
付着生物群集の遷移・・………・……・・……・……………………………・…・・………… 73
4.3
i 筏の付着生物群集における遷移・………………・・……■’…・………・…………・…・∴・・73
ii 内湾の各水域における付着生物群集の遷移…………………………・……・…・…… 76
4・4 付着生物の類型…………・・……・…………・一…・_____.._.._..__..__.77
i 生活型による分類……・…………・……………・…..____..__.______.77
ii形態と生育型による類型・・………………・……………・…・・……・・…………・…・・一 79
4・5 内湾の指標付着生物群・・………………・……………・一・……・……・・……………… 82
i 指標付着生物群……………・…・・……・…………・・……………・…・………………・… 82
ii 長崎湾における貝類遺骸の分布と付着生物の分布との比較……・…………・……・83
iii内湾における付着生物の分布と環境:条件との関係・一・……・…・…・……………… 86
第5章 産業上の諸問題と本研究の応用…・………・……・・………………・・…………・……………・88
5・1防 除………一……・………・…・……・……・・…………・………………・…88
5・2 未利用資源としての利用………………………………・…・・……・…・…・…………… 89
5・3 養殖漁場の管理上の問題と付着生物を指標とした真珠養殖漁場の価値判定・・… 90
要約……………・…・…・…………………………・……・……・…………・・………・…・……・・91
文献……・…………・………・…・……・…………・………………………・・………・……・…・・95
Summary ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・…一t・一tttt;・・・・・・…一tt・・一・・一…・・一t…・一t一一・一・一・一.............”.... loo
付 表1・1佐世保湾内灯浮標の付着生物調査,個体数及び重量・・…・……・……・…・107
1・2 長崎湾内灯浮標の付着生物調査,個体数及び重量・…・………………・…120
E・1 佐世保湾内灯浮標の付着生物調査,付着の状態……・…・・……・・……・…ユ24
皿・2 長崎湾内灯浮標の付着生物調査,付着の状態・・…・…………・・………・…135
3
論
緒
海産の汚損付着生物の生物学的研究は,これらの防除対策の研究と関連して行なわれて
きた.現在,汚損付着生物による被害の大きい産業は,船舶,海水利用工場,水産養殖業
等である.
船舶の汚損付着生物の防除は最も早くから研究がはじめられ,有毒塗料の開発を中心
に研究が進められてきた.その際の生物学的研究の立場は,その開発に必要な資料を提供
する協力的なものである。
海水利用工場での防除については,我国では最近になって研究が本格化してきた.研究
の基本的な態度は船舶の場合と異ならないが,有毒物の使用方法,生物の付着基盤の構造
や機構,主な加害生物種が異なるので,研究や対策の実施方法において船舶の場合とは変
ってくる.
水産養殖業においては,生物学的にも経済的にも有毒物の使用が困難なため防除に関す
る研究や対策は前二者におけるよりもおくれており,被害の大きい真珠養殖業においても,
付着を防ぐ:方法は考えられていない.ただ人力による掃除が専ら行なわれている.
防除については特に前船産業ではかなりの成果をあげているが,現在まだ有効で実用的
な決定的対策は見出されていない.これは有毒物の開発に直接関与する基礎科学や技術の
発展度合にもよるが,それにもまして生物学的研究のおくれが大きな原因をなしていると
考えられる.
従来の付着生物の応用的研究は上記の如く主として防除を目的としたもので,これらの
利用については殆んど考慮されなかった.しかし水産業の立場からは防除と共に利用方法
についても検討を加える必要がある.最近,魚礁の付着生物を魚礁効果の判定に利用する
試みがある25).かかる利用の仕方は付着生物の研究に新たな分野を開くものといえる.
付着生物に関する産業的課題のための生物学的研究において,重要な分野としては生態
学的研究があるが,今までに得られている生態学的知識はかなり限られたもので,フジツ
ボ類に関する研究を除いては研究例は多くない.
筆者は1956年以降九州北西域の内湾において,汚損付着生物のうちで顕微鏡的大きさの
生物及び穿孔性動物を除いた動物を主な対象として,これらの防除対策と利用面の開拓を
目的として生態学的研究をおこない,学問的にも応用的にもかなりの知見を得たので,こ
こにそれらの結果をまとめ,今後の研究の基礎としたい.
本論丈は,第1章付着ヌタ,第2章付着生物個体群の生態,第3章付着生物群集の生態,
第4章論議,第5章応用の5章よりなる.第1章では付着ヌタ(Detritusを主組成とす
る付着微細物)を取扱った.これは生物の生態との関係は大きいが,生物とは異なるので
章を別にした.付着微細物に関する従来の研究は主として生物の付着期幼生との関係を論
じたものが多いが,ここでは1カ月以上浸漬した基盤上の付着ヌタの季節変化,付着に及
ぼす諸要因,生物の生育との関係について,また付着ヌタ中のDiatomの生態についての
知見を述べた.
第2章には付着生物の個体群生態に関する観察及び実験の結果を記した.種々の基盤上
での付着生物の季節消長,基盤の色や浸漬状態と生物種類や付着量との関係,さらに九州
北西域の内湾に多数出現するが,生態についての研究の少ないカンザシゴカイ,ムラサキ
武
4,
梶 原
イガイ,シロボヤの生態について述べた.
第3章では群集生態について,佐世保湾と長崎湾でおこなった調査結果を述べ,特に付
着生物群が湾口より湾奥にかけて,両湾とも同じような推移をすることを明らかにした.
第4章では第3章までの結果についての論議と若干の考察をおこなった.しかし特に群
集生態に重点をおいて論議した.付着生物の群集生態に関しては少数の報告32・33・so)が
あるが,これらでは群集生態についての基本的な問題点を明らかにしていないと思われる.
筆者は個体群及び群集についての観察結果を検討し,群集における最も重要な点は,付着
生物相互の付着場所をめぐる競合と相互のおれあいの関係であり,この関係の直接的な表
現が遷移現象であると考えた.それ故,ここでは遷移の要因,付着場所の問題に内在する
各種生物の運動型と摂餌方法による生物の分類について,さらに遷移遷因と関係の深い形
態や生育型による生物の類型を試み,この類型により群集の遷移過程を容易に推測し得る
こと等を示し,群集生態における基本的な問題点の所在を明らかにすることにつとめた.
また内湾における付着生物の調査より,付着生物が内湾水域の指標生物になることと,内
湾の各水域での指標付着生物群を示した.なお従来最もよく研究されている,内湾の指標
生物群の一員である貝類遺骸群との比較を行ない,環:境の条件によっては付着生物群がよ
り適当な指標生物となることを述べた.さらに付着生物群の分布と関係の大きい環境条件
について考察した.
第5章では,以上の結果の産業面への応用について述べた.防除に関しては数例の具体
的な対策を示し,また未利用資源としての利用法についても二,三の:方法をあげた.さら
に真珠養殖漁場での調査例をあげ,付着生物群が指標生物として漁場の管理や価値判定の
好資料となるこどを示した.
本研究の特質は,付着ヌタと付着生物との関係,加害の大きい付着生物の生態並びに付
着生物群集の生態についての基本的な問題点を明らかにし1応用面では生態的知識の具体
的な防除対策への応用と従来殆んど考慮されなかった利用面の開拓を試みたことである.
本論を進めるに先立ち,本論文の取り早めについて多々御指導を賜わった東京大学檜山
義夫教授並びに長崎大学山田鉄雄教授に心から感謝の意を表する.
また本研究を行なうにあたり有益な御助言を戴いた甲屋:猷博士,活水女子短大立:石新吉
教授に,端脚類,貝類及び海藻類のそれぞれの種類を同定していただいた最崎大学入江春
彦教授,同大学鎌田泰彦助教授及び同大学右田清治助教授に,またフジツボ類及びホヤ類
の生態について御示唆をいただいた京都大学瀬戸臨海実験所の内海冨士夫博士及び時岡隆
博士に,海水の濁度測定について御教示された内海区水産研究所 古川厚博士に・さらに
実験や調査に御協力下さった長崎大学 飯塚昭二氏・同大学練習船「あさぎり丸」船長森
田正司氏に厚く感謝する.また海洋観測資料を提供された長崎海洋気象台 小泉正美博士・
佐世保測候所々長.古本寿入氏に,灯浮標調査の許可と御便宜をいただいた第七管区海上
保安本部灯台早々長 菅田十蔵氏,同部灯台設客船「かいおう丸」乗組員一同・佐世保海
上保安部灯台挙々長 長島満塁並びに同軸職員各位,長崎県蔭ノ尾島航路標識事務所 島
内義夫氏に御礼を申し上げる.
5
海産汚損付着生物の生態学的研究
夕
ヌ
第1章 付 着
海水に浸漬した基盤に付着する微細物(Slime)は, Bacteria, Diatom,その他の微
小生物や有機及び無機質のDetritusで構成され,その主組成の違いで粒状,ゼラチン状,
沈泥状等の形をしている98).
我国では微細物がBacteriaやDiatomを主組成とする場合には「水垢」とか「ヨゴ
レ」と呼ばれているが78・79),Detritusを主体としたものについては特別な名称はないよ
うである.長崎県の漁業者は沿岸の小型桝網等に付着した沈泥状のDetritusを主組成と
した付着微細物を単に「ヨゴレ」とか「ヌタ」または「ドタ」と呼んでいる.筆者は名称
により微細物の組成がわかるのが便利と考え,Detritusを主体とする付着微細物を付着
ヌタと仮称する.
付着微細物の研究は主として付着生物の幼生の付着との関係について行なわれ,基盤浸
潰初期の微細物が少なく被膜状である時は,これが幼生の付着に有利に作用するが,特に
BacteriaやDiatomを主組成とする微細物では,これらが多くなると生物の付着を妨げ
るようになることが報告されている■6・55・77・9■・94・98).
このような関係では,付着生物の防除の面からでは微細物が少ない場合は不利であり,
多くなれぽ有利となるが,養殖生物の幼生を付着させる時には防除とは逆の利害を受ける
ことになる.
しかし微細物については,幼生の付着との 『 筏
関係では,ある程度の基礎的研究はあるが,・
これら以外についてはほとんど研究がおこな
われていない.
筆者は付着微細物は付着生物の幼生の付着
一が
読,
ての観察を行なった.
網竹シュロ綱
との関係のみではなく,生物の付着後の生活
時においても関係があるものと考え,付着生
物の生態研究の一環として付着微細物につい
海底
観察を行なった水域では微細物はDetri−
った37・8■).
ここでは付着ヌタの季節的変化,付着に関
→冒H←
usを主組成とした,すなわち付着ヌタであ
60crn
与する要因,生物との関係及び付着生物の生
育に顕著な影響を及ぼす場合等について,ま
た付着ヌ肉冠に出現したDiatomの観察結果
を述べる.
、
沈石
1−1 観察方法
付着ヌタについての観察は,付着生物の生
態研究に採用した基盤浸漬実験において行な 第1図 試験網の浸漬状態(上図)と試験
つた.本実験は長崎県佐世保湾内の崎辺浦で 網の構造(下図)
武
6
梶 原
1956年から1961年に行なったが,付着ヌタの観察は1958年以降の網浸漬と1960年から1961
年のポリエチレン板と木板の水平浸漬実験において行なった.
網浸漬実験には,しゆう綱(径2mm)に,1m間隔に細竹(長さ60cm)を梯子状に結
びつけた枠を作り,各各にクレモナ白網(20番手9本7節,10×10目)を取つけた試験網
紬キ.
図
ρ告
Sasebo Kb’
Haiki Seto
c7
㎝鳥。
Kuzyukusima
W
一一一〇9t
’
0
a
Sak’
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o
一〇7’
SASEBO WAN
K6go Saki
Hari.o Seto
129eltO,
1
I
.
一55。05豊
129045t
第2図 佐世保湾崎辺浦の位置
E
F
o
巴∠.
第3図
堰Ellk{lllZi・・一:::.:IJi一・1’:;{ii
f.一一
崎辺浦の地形(A)と潮汐流,落潮時;B.C.D.G,濫潮時;E.F.H
7
海産汚損付着生物の生態学的研究
を使用した.試験網の構造と浸漬の状態を第1図に示す.
試験網の網地は,1959年までは表層から8m下まで各1m層ごとに,1959年以降は1m
おきに,0−1,2−3,4−5,6−7mの4層に浸漬した.
実験は毎月,1カ,月,2カ月,3ヵ月間浸漬した網をとり揚げるように計画した.1958
年には1回ではあるが,8カ月間浸漬もした.ここではこれらの浸漬網を浸漬期間により,
1カ,置網,2カ.月網等々と呼ぶ. t
網をあげると,まず大型の付着生物を取り,次に小型生物と付着ヌタを一緒に網より落
とし,これを1,0.5,0.25,0.125mm目の飾でJ題画に箭分け,0.125mm目飾の濾過物を
付着ヌタとした.付着ヌタは少量のホルマリン液を加えて24時間放置後の沈澱量(cc)を
エII 3ヵ月網
1 1ヵ月網
50
A
A
‘ IOO
10
筆00 B
脚
蜀
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第4図
1oo
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50
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IO 12 2 4 6 8 10 12
2ヵ月網
工1
3000
f
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Σooo
200
B
蜥オ諮付着糧と付着
A;ヌタの:量(cc)
B;付着生物(個体数),・一・Gammarids,△一△
B
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Caprellids,ロー[]巻貝, ×一× Jfytie二LS
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eduliE, ×一・一×その他の二枚貝, ◇一◇
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SinioPelta costazii, O一一・O Polychaets
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tO t2 2 4 6 8 IO 1?
’S9
C;付着生物(重量,g), ◆一一◆海藻, ▲一▲
Styelα Plic(伽.■一■Bu,crt・1αneritinα,
◎一◎B.cσz軸煽。α
D;Serupulidae, r少量, +中量:, c多量
武
8
梶 原
測定した.大型生物及び筋に残った小型生物は,種類別に個体数と重量*とを測定した.
板は水深・50,150,250,400cm層に水平に1カ月から3カ月二三漬した.付着ヌタ及
び生物の測定法は網の場合と同じである.
なお実験期間中は,実験水域の水温,塩素量,溶在酸素,透明度,濁度及びPlankton
について毎週2∼3回の継続観測を行なった.
工
実験水域の湾内の位置及び地形と潮汐流を第2,
3図に,透明度と濁度は第11図に,水温と塩素量は
,9.L’
第24,25図に,溶在酸素量は第38表に示す.
ゴ ユれ
呪二二∠=∠ここ
1−2 付着又夕の季節変化
・♂一
1ヵ月から3ヵ月網の各,月の平均ヌタ量の周年変
うロらは
・・L’y∠二二△∠二]):
化では, 1ヵ月網と2ヵ月網では春と秋に,3カ月
をヨれ
・o一
網では秋から冬に付着量の山があり, 夏期は三者と
タコもれ
も付着量が少ない(第4図).
・。t_==∠二二=こ===∠:こ
l L)¥〈L
1:[工
箸魁ゴ
(二)晃巨∠
狽
k二=こ=
勲』
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・・
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ジられ
50 /一一一一・’’’’’”s‘一’
ロワれ
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フ ヨれ
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く
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i23 4一 56 78
浸漬期聞(月)
ひツれ
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窪⋮
I
エエ
@M.hv/”一・一一k−VX.一,
深 心
s,41 5”..... 一一N .一..一 一 /xvt一
5−bm
第5図 1957年12月に浸漬した1ヵ月から8ヵ月網の
sel ・一一一一v一一一一一一/一’SvN
・付着ヌタ量:
sel ”....一...一.一一一’一x一../一‘’
1;平均量, 皿;水深別浸漬期間別の変化,
6−7,n.
刀@3579 it ,st 〟@3 s
,st
皿;浸漬期間別の垂直変化
浸漬期間が長くなるに従ってヌタの付着:量は:増加
第6図水深別の付着ヌタ量の季節
変化
するが,水深により擁立的な増加状態は異なってい
1;1ヵ月網,fl;2ヵ月網,
る.1957年12月に浸潰した1カ,月網より8カ,月網の
頂;3ヵ月網
*一定時間濾紙上に放置した後の湿重量
海産汚損付着生物の生態学的研究
9
付着ヌタ量では,平均付着量(第5図一1)は浸潰期間が長くなるに従って漸増している.
しかし水深別では(第5図一皿),表層は変動が大きくて増減の傾向は明らかでないが,2
皿以深では漸増の傾向を示している.
1∼3ヵ月網での水深別の付着量の季節変化は第6図の如く,各浸漬期間網とも表層の
変化が大きく深くなるにつれて変化は小さくなっている.
また各月の各浸漬期間網の付着ヌタの垂直分布(第7図)は,表層が多く,深くなる程
少なくなる傾向がある.
すなわち付着量の多い表層程,各月の変化も大きく,付着量の少ない下層では季節変動
は小さい.
L
付着ヌタ
水 深 km,
工1
(cc)
第ア図・月別倖手職タ量の垂直分布
1;1ヵ月網’皿;2ヵ月網
皿;3ヵ月網
1 ユ 3 4.∫ も 9q
水 深 (m)
1−3 付着に関与する諸要因
各月の1∼3ヵ,月忌の付着ヌタを検鏡すると,毎月いずれの網のヌタも無定形のDetritus*一
*『
jREy43)は. Seston・中の、 Abioseston・1にのet士itu6:・の:名称を使ろ’てい1るデ1
をもちいた.
本論文ではこの用語
武
10
梶 原
を主組成とし,これにDiatom等の微小生物が少量混在していた(第8図).
また清水等8■)は,これらのヌタ中の有機物を分析し,有機物は主にDetritusに由来する
と推定される結果を得た.これらのことより付着ヌタは,Seston中のDetritusを主体と
して形成されたと考えられる**.
第8図 1ヵ月浸漬網の付着ヌタ,×50(上;1959.皿採集,下;1959.Xff)
**付着微細物がDetritusを主組成とする,いわゆる付着ヌタであるためには海水中のDetritus
量がある程度以上の濁度の大きい水域であろう.付着微細物の組成とSestonの組成や濁度との
関係については今後追求したい.
海産汚損付着生物の生態学的研究
−︵∠へ﹂
第9図 クレモナ糸にヌタの付着する状態
4日間浸潰(1960年12月29日)
クレモナ糸(9本,未浸漬)
4.
1時間浸漬(1960年3月14日)
5.
10日間〃 (〃 年1月3日)
1日間〃 (〃 年3月15日)
6.
28日間〃 (〃 年2月1日)
11
12 梶 原 武
浸漬さ癖糸にヌタの捌する量は,糸の瀕や構造によって概り,ヌ置付醒
は吸水性の大きい糸に多く,また短繊維の糸よりも長繊維の糸に少ない53). ここで使用
したクレモナ網は合成繊維網ではヌタの付着しやすい短繊維の糸より作られた網である.
使用した網糸と同じ大きさのクレモナ糸を実験水域の表層域に垂直に浸漬し,短期間間
隔で取りあげて観察すると,第9図に示す如く,浸漬直後は主に幹糸より突出した毛羽だ
った繊維にSestonがからみつき,時間の経過につれて三糸と突出繊維がSestonにより
結びつくような状態で付着量が増大している.短繊維の糸は同じ大きさの長繊維糸に比較
すると,付着面が拡大されている.
またこの初期に付着した微細物の主組成はDetritusであった.これは浮游性Diatom
が付着し難いことによるのではなく,Seston中に量的に多いDetritusの方が付着の機
会が大きいからであろう.
本実験では毎月の使用網糸が一定しているので,ヌタ付着量を左右する条件のうちで主
な物理的要因は,上記の観察からするとSeston中のDetritus量と海水の流れ***であ
ると考えられ,また風波も関係すると思われる.さらに浸漬期間が一カ月以上になると付
着生物量も大きくなり,生物の作用もヌタの付着に関係してくる.
ここでは物i理的な要因として風と海水申のDetritus量をとりあげ,また生物も要因と
考えられるので,この三者の中でいずれが1ヵ月以上の浸漬網での付着ヌタの季節変化と
の関係が大きいかを検:討した. ,
風との関係 風波は機械的な脱落因ともなるが,逆に内湾では海水を境乱し一時的では
あるがSeston:量を増加させ,また流れを強める等の作用でヌタ付着量を増加させること
も考えられるゼ
佐世保測候所の資料78)より作製した, 日平均風速の月合計の各月の値は第10図の如く
℃あった.これによると風はユ0月頃から冬にかけて強く,春から夏には弱くなる傾向を示
し,また特に1958年10月から1959年の4月までの間には1ヵ月おきに強い月と弱い,月が交
互にある.強い月では台風または突風があった.
t風の強弱の変化が明瞭な1958年10月から1959年4月の間において,表層から底層までの
各月の1ヵ月網の付着ヌタ量(第6図参照)は,風の強弱と相関があるとほ考えられぬ.
速
風100
Wの\§︶
(.
50
一1−2三545678E)=LOII:L2:L 2 i545
,58 t59
第10図 各月の風速(佐世保測候所の資料より)
***実験水域の潮汐流は小潮時には速流計.(弱流用)では測定できない位である.周年的には表層
が中・底層よりもやや流れが大きいようである.流れについては長期間の観測をしていない.
海産汚損付着生物の生態学的研究
13
網を浸漬した状態では,かなりの力でゆさぶらないとヌタは網から多量:には脱落しない.
台風以外には脱落をおこす風波はないと思われる.しかし10,月から4,月までの問では,1
カ,月以上浸漬網のヌタ付着に及ぼした台風の影響は大きくない.
また実験期間中,風により濁度が一時的にでも変化したと見られた場合は多くなかった.
周年的にも風と透明度(第11図)とはなんらかの相関関係があるとはいえない.
風波はヌタの付着に対して全然関係が
海水のDetritus量との関係 海水中
透明度
o,lo
5■1・。。ρ
とは考えられない.
O.t 5
5
海水濁度
ないとはいえないが,少なくともヌタ付
着量の周年的変化に大きく影響する要因
aos
のDetritusの周年的変化の傾向を知る
海水llに少量のホルマリン液を加え
数日聞放置した後に上澄液を捨て,残海
水を遠心分離器にかけてSestonを集め,
このSestonに一定量の濾過海水を加え
てよく境はんし・光電比色計(660mμgr
2cm cuvette)でこの濁度を測定した.
降 300
水
目的で,次の如き方法で海水の濁度を測
定した.
量 200
(mm)
lOO
tO tt 12 t 234S6089 IO U t2
3s 3g
第11図 崎辺浦における海水濁度,透明度及
び降水量の季節変化
濁度;一表層,○一〇中層,×一×底層
この濁度は現場海水の濁度ではないし,
また濁度測定法としも適当な方法ではないが,Detritusの相対値として,その周年的変
化の傾向をみるのには差支えないと考えられる■o・エ7).
表・中・底層の濁度,透明度及び降水量について,1958年11月から1959年12Eまでの各
月の値を第11図に示す.二水深層の濁度の季節変化は降水量のそれとほぼ同じ動きをして
おり,透明度の変化は逆の関係である. 〆
付着ヌタ量の季節変化,各月の垂直的変化(第4,6,12図参照)と濁度の変化とを比
較すると,秋には両者とも山があるが,他の季節では逆の関係になっている.また濁度は
周年的に表層よりも底層が大きいが,ヌタ付着量は逆:に表層で多い.さらに濁.度の上下層
での差の大きい7∼10月にはヌタ量の垂直差は小さく,逆に濁度の上下差の小さい季節に
はヌタ:量のそれは比較的大きい等,両者の変動は一致していない場合が多い。
かかる現象から付着ヌタはDetritusの付着したものではあるが,1カ月以上浸漬した
場合には,海水中に,ある程度のDetritusが存在する水域では,付着ヌタ量の季節的変化
は各月のDetritusの多少よりも他の要因に,より大きく影響されているものと考えられた
付着生物との関係 網に付着した生物で量の多いのはカンザシゴガイ, シロボヤ.
Gammaridsの三種であった3s).
1∼3ヵ月網での付着ヌタ量の季節変化と生物量のそれとをみると(第4図参照),1・
2ヵ月網では春にはGammarldsが,秋から冬ではシロボヤが山とな:り,ヌタ量の山と対
応している.3ヵ月網ではヌタ量は秋から冬にかけて多くなり,これに対応しているのは
シロボヤで,Gammaridsの多い時期とは少しずれている.また1ヵ月網のヌ日量と小型
生物(主なものはGammarids)の月別のそれぞれの垂直分布では,両者はほぼ平行した
武
14
梶 原
一
分布をしている(第12図).
50
i25}
8
x
漁、
﹃
じ9 ぴの
4
5
たのか,この逆にヌタ量が
付着生物・重量㊧
とによりヌタ量が多くなっ
︵
この際,生物量が多いこ
付着ヌタ ㊥.
察される.
寂
05
よりも付着した生物量の変
化とより関連が大きいと推
鷲
かかる現象から1ヵ月以上浸漬した網の付着ヌタ:量の季節変化は,風や海水中のDetritus
ζノ2
多いために生物量が大とな
I5
︻ノα
05
化はDetritusのそれとは
涛齢派一x\
黶@ 瓢、x 、メ
lo
50
ったのかということが問題
になるが,ヌタ量の季節変、
50
k1・0)
6
㍉、
ll
iLo}
Cへ,
50
x,浜1区、メ
50
噸
幅 一
メへど
12
7
大きく関遮していないので
ト︶α
0︻ノ
あるから,前者の因果関
係の方が大きいものといえ
i23 LL 5678
る.さらに第4,12図から
(50
/2345678
/23 4S 678
水深 (m)
すると,1ヵ月網では生物
第12図 各月の付着ヌ広量と小型付着生物重量の垂直変化
量の増加はヌタ量の増大を
もたらし,生物はヌタの付着を助長しているとも考えられる.
ヌタの付着には生物の作用が大きく影響するとしても,2・3ヵ月網での両者の季節変
化では1カ,月面の場合程には生物量の増加に比例してヌタ付着量は増大していない.
そこで2・3ヵ月網での生物のヌタ付着に対する作用を検討した.
2・3カ,月網の生物量は浸漬後1・2ヵ月間にすでに付着して成長した生物と最:後の月
にあらたに付着した生物とが加わり, 1ヵ月網におけるよりも著しく:増大している.第
4図でみると,春期のGammaridsの個体数は2カ,月網では1カ月網の2∼3倍に,3
カ月網では約10倍に増加している.また晩秋のシロボヤの重量では,2カ月網,3ヵ月網
では1ヵ月網のそれぞれ50倍,250倍になっている.そこで2・3ヵ月目にこのような生
物の増加がないとした時の2・3ヵ月目のヌタ増加量を推定し,これと実測量とを比較す
ヌ
スー一一一x
*一’”〉(’,
N
・ メ1’
測
実 o
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! \ ..ズ
、X
と
tXi
je一一一一)L.一一H.一..一一.一一.H一..一一一一一
一一一一
と
量 一20
差
(cc)
の
fi ]12 i b 3 4 56 7 89 io n i2
ts8 ,59
第13図 各月の2・3ヵ月網におけるヌタの予想付着量と実測量との差
×…×2ヵ月網,○一〇3ヵ月網
海産汚損付着生物の生態学的研究
15
ることを試みた.方法は2・3ヵ月網において前月の1・2ヵ月網のヌタ量に最後の月の
1ヵ月網のヌタ量を加えた量を推定量とし,これと実測量との差を求めるものである.推
定量〉実測量なら2・3ヵ月目の生物の作用はヌタ付着に対して1ヵ,月日の生物よりも阻
止的であり,逆であるなら促進的であったといえる.各月の2・3ヵ,月日について計算し,
差の季節的変化を示したのが第13図である.
これによると1∼2月は促進作用が大きく,他の月では阻止作用が大きい,阻止作用は
3㌣5月の問が6月以降よりも大きい.
生物は各々の生態や形態によりヌタに対する作用の仕方が異なる.前記の代表的な三種
についてみると,Gammaridsはヌタを摂損しており,またこの種類の多くはヌタを材料
にしてtubeを作る. Tubeを作る種類ではヌタを固着させ, またtubeにより付着面
を拡大することでヌタの付着を助長させている.カンザシゴカイやシロボヤでは個体が小
さく密度も低い1ヵ月網では,これらにより付着面が拡大されヌタ付着を助長するようで
ある.しかし第4図からでは,両者はGammaridsよりも助長作用は小さいと推定される.
カンザシゴカイやシロボヤが2・3ヵ月網における如く多量になるとこれらによる基盤面
の占有と県側や呼吸活動により,網に近づくDetritusはかなり阻止されるとみられる.
ただシロボヤでは個体間や体側にもヌタが付着しており,大型個体ではかかる付着面の拡
大による助長作用がある.秋から冬にかけての2・3カ,月網のヌタにはかかる場所に付着
したものがかなり含まれている.特に冬期にばシロボヤの活力の低下で4■),かかる場所
に付着したヌタ量が阻止された:量よりも大きかったものと考えられる.
さらに海藻類(種名後述)はある程度生育するとヌタの付着を阻止するようになるとみ
られる.3カ月網の3∼5月では海藻による阻止がかなりあったようである.
以上を要約すると, 1ヵ月以上の浸潰網では付着ヌタ量の季節変化は風や海水中の
Detritusのそれらよりも付着生物の種類や:量の変化との関連が大きい.生物との関係では
生物量の少ない1ヵ月網では,生物はヌタ付着を助長し,特に付着ヌタの季節的及び各月
の垂直的変化はGam血aridsやシロボヤのそれらと相関しておる.しかし生物量が多い
2・3カ月網では生物によるヌタ付着に対する阻止作用が働くようになる.かかる網での
2・3カ月目のヌタの増加量は,冬期の生物の活動力が低下した期間を除いては,同,月の
1ヵ月目網に付着したヌタ:量よりも少ない.
1−4 水平に浸漬した板上での付着ヌタと付着生物との関係
板状の基盤を水平に浸漬すると垂直に浸漬した場合よりも付着ヌタは多くなり,水平板
では下面よりも上面に多い6s).生物との関係では,森63)は板上面のヌタは比較的発生期
間の遅いフジツボやフサコケムシ等の付着を阻害するだろうと述べている.
筆者はDetritusの多い内湾で,付着ヌタの生物に及ぼす影響ヵ寝漬初期の生物量が少
ない時よりも,ある期間を経過し生物量が多くなった時期に大きくあらわれる現象を観察
した.
崎辺浦におけるプラスチック透明板と木板の水平浸漬実験では,1カ月間浸漬ではヌタ
付着量は多くない.比較的ヌタの多かった一例として1960年4月から5月におこなったプ
ラスチック板水平浸漬の結果を示すと第1表の如くである.各水深ともヌタ量:は上面が下
面よb・も多いが,上面のヌタは生物の生育やあらたな付着を阻止するまでの量ではない.
武
梶 原
ユ6
第1表
1ヵ月間浸漬プラスチック板における上下面別の
ヌタ:量と生物量(1960.IV∼V)
深
水
面
(cm)
50
150
250
Efbldroides
他の生物重:量(g)
重量(9)
ヌ タ量(cc)
上
1.3
O.5
23.5
下
O.5
O.3
1.0
上
2.1
O.6
8.5
下
O.4
O.2
1.5
上
O.5
下
O.2
1,5
O.1
1.0
しかし浸漬期間が2カ,月以上になると1ヵ月目とはヌタの付着状態は変ってくる.同水
域で1960年5月より1961年2月の間におこなった,プラスチック板と木板の2カ月乃至3
ヵ月間浸漬した結果を第2表に示す.この実験中,最も付着量の多かったのはカンザシゴ
カイであった.この期間のカンザシゴカイの生育は旺盛で,1カ月目の終わりになると板
第2表 2r3ヵ月間水平浸漬板の上下面におけるヌタ量と生物量
基
盤
浸潰期間,月
(浸蓮辮月、
設置水深
(cm)
(cc)
∩︶0
1︹∠
−つQ
5︵U 00Q
︵∠3
4.2
︵O︵∠
︵∠−占
∩◎5
17
1
︵∠β0
︵︶0
鴨⊥
りQ1
∩◎0
50
慶﹂0
1,400
1
Qμ0 4ワ己
52
1
400
4
ユ
(1960.XI一’ 61 . ll )
1
3
0[0
0ロQ
4
4
04
(20 × 20cm)
上下
木 板
∩︶︵U
250
(g)
︵∠つ︶
(1960, VII−X)
1
1占R︶
150
2
000
0
7Q
9Q︶2
3
上下上下上下
50
1←﹁←
250
他の生物重量
OQ50︻D 5
0
﹁←つQ 4
150
(1960. VIII−X)
ロQl ∩◎0
(30 × 30cm)
2
つ9︵∠
プラスチック板
上−
下1
1
上下上下上下
50
︵07⊥
250
重量(9)
Qβ0 巨Qつ9
1 β1
1
(1960. V−VI)
Hydroides
0
00000
77﹂
1
[○∩∠
150
ヌ タ量
005
0∩0 05
1 41←
7︵∠ 2
上下上下
50
面
海産汚損付着生物の生態学的研究
17
全面に付着し,板面に沿って管が伸長できなくなり管を板面に直角方向にのばし直立した
群となる.8∼10月の浸漬板では他の,月の板よりは少ないが,50cmと150cm層板の上
下面と250cm層板の下面では直立群となっていた.いずれの水深でも各浸漬板ではカン
ザシゴヵイが優回するが,この種類も他の生物も上面の重量は下面の青またはそれ以下で
ある.しかしヌタ量は逆に上面が下面の数倍から数十倍である.また特徴的なのは上面の
ヵンザシゴヵイ群はほとんどヌタに埋まり,ヌタより管を出した少数が生残し,大部分は
死亡していたことである.下面ではヌ等量は少なく,ヌタに埋もれて死亡している生物は
なかった.上面の死亡カンザシゴカイの管径は0.5mm以上の個体が大部分で,この大き
さは後述の如く付着後1カ,月以上の生育個体である.このことから浸漬2ヵ月目になって
急速なヌタの沈積が始まり,これに埋まって死亡したことがわかる.
水平板上のヌタはDetritusが一定期問内に単に重力によって板上に沈積したというの
みではなく,板上の生物と関連をもって沈積付着したと考えられる.この両者の関係は,
板上の生物が少ない間はヌタは水の流動により取除かれる機会が多いが,生物量が多くな
るとこれらがヌタの支柱となり流失を緩和するので,ヌタ:量は急速に増加するようになる,
生物量によって変化する関係であろう.また生物の形態によりヌタの麦柱効果の大きい種
類と小さい種類があり,ヵンザシゴヵイ、直立群やフジツボ等は効果が大きく,・フサコケム
シの如き叢状形態のものでは小さいし,ホヤ類では単独型のシロボヤは群体ボヤよりも大
きいであろう’.
実験水域では海水中のDetritusは12∼6月が7∼11月よりも少ない(第11図).第2表
で5∼6月板上と8∼10,月板上とでは,前者にヌタ量が多いのはヵンザシゴヵイが前者に
多く,大きな麦柱となったことによるのであろう.5∼6月板上と7∼10月板上とでは,
カンザシゴヵイ量は前者がやや多いが,後者の浸漬期間が長いことと,Detritusが後者の
期間に多かったこと等により,後者でのヌタ量が大きかったと考えられる.1960年11月∼
1961年2月の木板上の異状に多いヌタ量は,カンザシゴカイの感心作用と同時期に多い
Gammaridsによるヌタの固着作用の両作用によるものである.
さらに第2表の水深別については,いずれの実験期間でもカソザシゴヵイ量は50cm層
板上が150cm,250cm板上よりも多いが,谷水深層板でのゴカイ量の垂直的な差は小さ
い.しかしヌ麻田は上層程多く,この垂直的な差はカンザシゴカイのそれに比するとかな
り大きい.上層から中層までのDetritμsの垂直的な差は周年を通じて大きくない.50cm
層板上のヌタ量が150cm ,250cm板より多か・つたのは,カンザシゴカイ量やDetritus
の垂直的な差よりも,表層の海水の流れが他の層よりも大きいことにより,50cm層では
単位時間に他出よりも,より多くのDetritusを受止めたことによるものであろう.
水平板上の付着ヌタ量は付着生物の種類と量,海水中のDetritus量及び水の動き等に
よりその付着量が左右されるものと思われる.
1−5 ヌ今道にみられたDiat・mについて
佐藤79)は塩釜港における付着珪藻の季節的変化について報告している.しかし,付着珪
藻の生態に関する報告は少ないので,筆老は西日本海域における付着珪藻の生態の一例と
して,崎辺浦に浸漬した網の付着ヌ.タ中にみられたDiatomについて,観察した結果を述
べる.
18
梶 原
武
ヌタ中にはDetritusに比すると量的には少ないがDiatomがみられる. これらの
Diatomはヌタを付着基盤にしているようであり,Diatomと肉眼的大きさの付着生物の
問には顕著な生態的な関係は観察されなかった. これらのDiatomがヌタ中に増加して
くるのは,浸漬後どの位の時間を要するのか不明である,ここでは主として1ヵ月網にお
けるヌタ中のDiatomの種類,季節変化及び一・二の生態について述べる.
検鏡はヌタ0.1ccを濾過海水で稀釈して行ない,計測した細胞数を1cc当たりに換算
して示した.
類
i.種
Pennalesでは21属がみられた.これらの多くは付着性種:で毎,月のDiatomの主体をな
す.毎月最も多いのはNit!schiaである.この属には膠質:のtubeを作っているのが3種
あった(N.filiformis,他の2種は種名不詳).またN. closter・iumは毎月ほぼ一定数が
出現した. この水域に多い浮游性のN.seriatα, N. delioatissimaはヌタ中には出現し
ない.この属に次いで多いのはNaviculaとDonhiaであったe一こゐ他の属の出現数は
少ない.
上記3属以外の18属を次に示す.括孤内は同定し得た種名である.
A・ter加・11・(瓦ブ・P・ni・α)・5ツ忽…T・う・4・・i… Di・彦・脚・R励4・n・鵬C・…痛
くC. Pseudomarginata), Thal’nema (T. nitzschiozaes), Thal’x (T. fraaenfeldi・i, T.
longissima). LicomoPhora (L. abbreviata), Achnanthes (A. longiPes. A. breviPes),
RhoicosPhenia, DiPloneis(D. sPlenaiaa), Pleurosi8ma(P. a.がine, P.ノasciola),
AmPhiProra (A. gigantlea var. sulcata), AmPhora (A. hyalina), Cymbella,
TroPiaoneis, CymatoPleura (C. solea).
Centralesの出現種はほぼ浮游魚種で, Sheletonemα及び.tylelosira borreriを除いて
は出現数は少なかった.出現種は次の如くである.
Sheletonema costatum, Chaetoceros comPressus, Ch. didymus, Rhigosolenia setigera.
Rh. alata, Cosinoaiscas sp., Meiosira borreri, M. salcata. M. nammuloides,
BiadalPhia mobilensis, EucamPia comuta.
Ch. aiaymusではresting sporeも観察された.またこれらの種類の中には浮游して
いたのがたまたま網にかかったと思われるものもあった.
Diatom以外ではProtozoaのDict:yocha fibula, Ceratium fusus, Tintinnopsis
subacuta, DistePhanus sPecul・umと藍藻類のLyngbya co nfer, Spirulin’a sp.がいずれ
も少数出現した.また4∼11月にはHydroidaのCampanularidaeがみられた.
ii.季節変化
5heletonema,その他のCentrales, Pennales及びProtozoaの4群に分けて.1カ月
浸漬め0−1m層網のヌタ1cc中における各月の出現細胞数を第3表に, また各群の季
節別水深別の細胞数を第4表に示す.
O一一lm層網では出現細胞数の最大は3月と5月で約200万細胞である.水深別では最大
出現数は11月の2−3m層と4−5m層での300∼400万細胞である.
表層網のPen旦alesは夏期に少なく,秋から冬にかけて増加して3∼5月に最大となる.
19
海産汚損付着生物の生態学的研究
第3表
1ヵ月間浸漬のO−lm層網のヌタlcc中における
月別Diatom細胞数(×103)
訳
1959
1958
vii 1 vm l ix l x 1 xi 1 xii
Skeleto一
60
96
0
o
82
8
o
61 16
48
5
6
18
18
197
117
3311 585
1,868
1,158
1,986
916
356
2
3
2
2
o
o
o
1
65.0
61.0
60,5 113.5
61.5
63.Oi 33.5
25.4
o
o
16
704
8
15
18
10
9
Pennales
106
125
475
Protozoa
o
o
32.5
109.0
ハe7ηα
Centrales.
付着ヌタ
沈澱量
ii 1 m l iv i v l vi ivii
1
232
2
31.0! 32.0
1
(cc)
第4表 1ヵ月網のヌタlcc中における季節別水深別のDiatom細胞数(×103)
“ff
月
XI
VIII
v
II
704
60
3,580
120
2,896
126
578
940
Centrales
﹁⊥ロQ4つり
β00︵∠8
Pennales
0000︵000︵U
Skeletonem(t
Qり
︶04
20
14
∩◎00∩04
00681占35︵6
−←つり︻D7﹂
0︵∠4β0
一
1357
0︵∠4.R︶
闘
ーム3塵Q7
嗣 嗣
0︵64︵◎
丞深(m)
1959
1958
125
197
585
1,986
382
508
392
372
430
408
182
292
1,238
234
276
584
Protozoa
︵∪000
−占22︵0
∩︶[◎∩◎◎U
︵∠︵∠
﹁⊥3四Q7
一 一哨
0︵∠4︵◎
しかし各季節の垂直分布では,夏期には底層に多く,11,月には中層,2・5,月には表層が
多くなる.季節による最多出現数の垂直的移動は日射量の季節変化に対応した生態的現象
と考えられる6この類の上層から底層までの合計数の季節変化からでは,初夏に増殖が盛
武
20
梶 原
んで秋から冬にかけて減退するものとみられる.
Centralesは表層では2∼3月と夏に多く,二二におけるPennalesの出現状態とは,異
なった出現傾向である.垂直的にはPennalesと同様に季節的に出現数の多い層が移動す
る傾向が伺われる.このことは出現種の中には付着状態で増殖するものがあることを示す
のであろう.一水深層の合計数からでは季節変化はPennalesとは異なり,初夏に少なく
夏と冬に多く出現している.
Protozoaは表層では秋から冬に少数出現し5月と8月には出現しない.2m以深では
夏に多く,他の季節には少ない.また最多出現層の季節による垂直移動の傾向が伺われる.
Shelet・nemaの表層網で:の季節変化は他のCentra1esとほぼ似ているが,六二深層に
おける季節変化は後者とは異なり初夏から夏期に少なく秋から冬に多くなっている.また
垂直的には,他の類では冬期には中層以浅に多くなっているが,この種では6−7m層の
底層に最大の出現数がある.
表層網のSheletonemαと本水域での同期間における表層浮游性の同種*のそれぞれの季
節変化を第14図に示す. これでみると両者の出現数の大きい時期は異なっている.網の
Sheletonemaは浮游生活のものが網にかかって出現したのであるなら,浮游性種と同じく
9ん10月,12∼1月,5∼6月(網の浸漬期間を考慮して)に多量に出現するであろう.
付着性生活では浮游性生活とは多少異なった
xlo5
増殖の季節変化をしているといえる.
いないが,11,月と12月に取りあげた2カ,月網
胞
細18
2・3ヵ月網については詳しい調査をして
数⊥4
g
Diatomは.同月の1カ月網のものより,0−
ユ0
1m層網を除いては各種類とも出現数が減少
o
類の出現数は前者のそれらよりも減少してい
・\ゴ騎、︶
している.また11.月の1ヵ月網群は.12月の2
カ月二二に推移するのであるが,後者の各種
:
の例でみると(第5表),11月の2ヵ月網の
る.大’まかな推論ではあるが,これらのこと
789101=Lユ212う456
から浸漬期間が2∼3カ月となっても単位ヌ
タ中のDiatom数は1ヵ月網におけるよりも
中のSkeletonemα と表層域浮
游性Skeletonemαの季節変化
著しく増加しないと考えられる.
第5表
∴
醐\
1
3
2
4
5
6
7
Skeletonemit
804
1,904
Centrales
6
380
12
98
292
188
216
0
216
0
248
6
2
246
Pennales
XII
o
4企
3
1Q
←4
7
︵0 2
XI
2ヵ月網のヌタlcc中におけるDiatom細胞数(×103)
\種
採集月
t58 t59
剃4図、力服脚。一蹴網の。タ
Skeletonema
Centrales
Pennales
380
工84
*北原式プランクトンネットによる表層5分間曳網(転馬船による)採集試料によ:.る.
計測は試料を11の濾過海水に稀釈して行なった.
172
2
170
海産汚損付着生物の生態学的研究
21
第2章 付着生物の個体群の生態
本章では付着生物の個体群に関する生態観察の結果について述べる.
2−1 調 査 方 法
汚損付着生物の生態観察の一方法として基盤浸漬方法がある.これでは浸漬期間,基盤
の材質や浸漬状態等を目的により任意に選択組合せて実験を行なう.
この方法で浸漬期間の長短は相対的なものであるが,多くの例では1カ月以内を短期と
しており,特に幼生の付着実験では1日問浸漬のごく短期間浸漬も行なわれている■・z5・・
48・94).これに対して1ヵ月以上は長期間浸漬で,通常2∼6カ月間が多い4・38・76).し
かし実際には両者を組合せて平行した実験をおこなうが,まれには経月面に浸漬期間を長
くしていく方法もとられる76). 一般に短期浸漬では付着初期の密度や付着数の季節変化
等が,長期では成長や遷移等が観察の主眼とされている.
基盤としては木材,金属,コンクリート,石灰板,ガラス板,合成樹脂三等が使用され
る.防除試験では基盤面に試験目的の塗料が塗装される.また特殊な実験では「地肌」に
変化をもたせた基盤も使用されている77). 一一般に板状の基盤では材質による生物相や付
着量の違いは浸漬初期ではかなりあるが,やや長期間浸漬すると変らなくなる4).
.板状の基盤は水平か垂直の状態で浸漬されるが,両者での種類数にはあまり差はないs6).
しかし種類によっては両者での付着量が異なるものがある49・63).また水平に浸漬すると,
浸漬期間が1ヵ月以内では下面が上面よりも種類数や量が多い傾向がある60・96).付着微
細物は垂直より水平に浸漬した基盤に多く付着する68).特に付着ヌタでは水平浸漬の場
合,上面が下面より付着量が大きく,浸漬期間が長くなると上面の生物に及ぼす付着ヌタ
の影響は無視できなくなる(第1章参照).
浸漬水深は実験水域が,多くは沿岸域であるので通常10m以浅である.
浸漬実験の難点は強固な麦持設備を必要とするので,任意の場所で行なえず,杭や突堤
または筏等のある特定域に限定されることと風波による流失がしばしばあることである.
流失に対しては附近の恒常的な浸漬物を同時的に調査しておくと,試料の欠損をある程度
はおぎなうことができる.恒常的な浸漬物上の観察には,例えば浅い浮標の底面の観察で
は箱眼鏡と鏡を組合せた器具が使用される80).
生物の採集は浸漬法では基盤のまま実験室に持帰るか,一部分現場で削りとるかの方法
で行なう.
計測には個体数,重量,付着面積等が測定されている.短期浸漬では個体数だけでも生
物相の表現が可能であるが,長期浸漬では個体数の測定が不可能な種類も多くなり,重量
や占有面積の測定が必要となる. スケヅチ法72)も長期浸漬基盤では不可能な場合が多く
なる.
実施した実験及び観察方法
基盤浸漬法と恒常的に浸漬された筏や灯浮標において実験及び観察を行なった.
基盤浸漬実験は佐世保湾崎辺浦で網及び各種の板を基盤として行ない.筏や灯浮標での
武
22
梶 原
観察は佐世保湾と長崎湾でおこなった.
網の浸漬方法や実験期間及び生物の測定法等については第1章に記述した.
板の浸漬は1956年から1961年にかけて行なったが,1958年以降は継続した実験をしてい
ない.ここでは1956年と1957年の方法について述べる.1956年5∼12,月には一辺が20cmの
正方形の杉板(厚さ15mm)の粗面,滑面,白エナメル,黒エナメル塗装の4種を,1957
年4∼12月には同大の杉板の粗・滑面,白・黒・青・赤エナメル,’ 秩E黒色船舶塗料塗装,
同形のスレート板(厚さ5mm),ポリエチレン板(厚さ2mm)の10種を使用し,いずれ
7 MatersiPora cucuZeate
10 Electra angulata LE−
VINSENとげひらこけむし
むらさきいがい
12 Teredo
13 Balanus
ふ じ つ ぼ
14 Amphipoda
端 脚 類
15 Styel(z Pgicata’
(LESUEUR)しろぼや
16 SymPZegmrt rePtans
(OKA)こばんいたぼや
(LINNAEUS)ゆうれいぼや
18 Botryglms tuberatu,s R.
&F.
きくいたぼや
11
3
4
6
2
10
235
3
3
12
25
9
3
202
99
171
34
3
2
2
14
22
49
42
224
26
28
114
92
93
16
12
66
3
35
26’
92
24
N
N
31
53
92
102
2
β0 20
20 Botrylgoides viol tceum
OKAい た ぼ や
484
1占 2
19 B. schlosseri(PALLAs)
うすいたぼや
41
36
−凸2︵︶
1
・17 Cion,a intestirsaZis
7
3﹁⊥
ふなくいむし
5
2
4,667
3
−←りρ
11 Mytil“s edulis LiNNE
33
15
247
つ﹂74
9 MicroPorella ciliat・t
(PALLAS)うすこけむし
91
1,136
Q︶﹁⊥
8 Smittina Proestans Hp
NGKSよっとげこけむし
6
79
479
17
7
6
1
(BUSK) ちごけむし
十十
十十
TSON なぎさこけむし
1
47乙
6 B. californica RoBER−
1
NN
ふさこけむし
十十
5 Bugul‘ nerttina LiNNE
上
1
72 ΩりQ︶
かさねかんざし
下
上
十十
(GuNNERus)
6
75
65
75
65
75
65
75
65
75
65
75
65
75
65
75
65
75
65
76
55
4 Hydroides norve.pica
下
上
十
3 Actiniaria
いそぎんちゃく
企Q7 ︵◎7 ︵07
O [
Q
7
R
︶
R
︶
R ︶R
[
︶
D
R
︶
R
︶
︻ ◎ R5
︶R
5︶
目Q5R︶RV R ︶[
2 Calcareous
石 灰 海 綿
1
Q︶’ ’’ 1 Ectocarpaceae
しおみどろ科
v
下
上
VI
∴ミミミ轟
IV
第6表 1ヵ月間水平浸潰木板に付着
1
4一 [朔
﹁⊥ −←
=0 6
一7388一6
2[
4 43[612=17
一9
58
一73
一一=﹁1446一11一24一62
44 3
−占 ︵∠
+
+==一7115一310=====160嗣10一〇4
1漏 黷Q311=[13一55=1206一〇8一19一36=233一8
6︵0 4 只V 4
∠ ︵◎4 ∩◎0
4︵ 73 つ96
0 11 4
[一
一一
黶Z7
︵∠ βQ
■⊥ 3
ワ41
1← 巨Q5 圏一5
一1930一酬
一712130一5一1一
=2=1250一75[1
習︶︻◎
=
299134247一2
[嗣
71
=356295[一1
2
=
一 一1
[一 一一 一2
6︵∠
4 ︵∠
1 5一
一一
26
R4
十十一一
十十
旧
β
1 β
1
1 1剛6一6680
黷P一====35一66一=51一=9悶6一=6
十十一﹁
R3
十 一N開05一67一一一一︻一一47一一一37一55一14一8
﹁⊥ −← 7
り0 ¶← −占
’
20一=NN19[18.30一=5一二.02==一〇8.N6一79門5一ユ=4
一+==一4
54
12
一 1= ==
44
=3
一25一52[7
︻ 嗣 十 2
+一= =16一4一= = = 一一一一=9一31
18
Xl
IX
2
29
1
一
1
2
Xil
X
下
上
下
上
下
上
下
上
下
上
下
23 .
海産汚損付着生物の生態学的研究
も水深1.5mに水平に1ヵ月間浸漬した.・生物は肉眼的な大きさのものの個体数を計測
筏と灯浮標の調査は1959年以降におこなった.生物は一定面積より削りとる方法で採集
した;群体をなすものでは1群体を1個体として算定した.
した.なおこれに関する方法や結果については後述する. ,
2−2 各種類の季節消長と生態
i.季節 消 長
浸漬実験の結果では,崎辺浦で付着量:の多い生物はヵンザシゴヵイ (ヵサネカンザシ
した生物個体数の季節変化(滑面板,1956∼1957)
武
24
梶 原
Hγaroi4es norvegicaとヒトエカンザシSerPula vermicularis),ムラサキイガイ(M:vtilus
edulis),タテジマフジツボ(BalanUS amψhitrite haωaiiensis),サラサフジツボ(B. a.
communis), Gammar’ids及びシロボヤ(Styela Plicata)であった.
板浸漬実験は周年的に行なっていないので,ここでは主として網浸漬の結果について述
べる.その前に板浸漬の一例として滑面杉板に付着した各月の個体数を第6表に示す.各
種の板での組成種は,白色系塗料木板,スレート及びポリエチレン板にフナクイムシが出
現しなかったのを除いては,滑面板での出現種と同一でありまた各種類の季節消長も同じ
傾向であった.
試験網では網と枠を構成するしゆう綱と竹の三者での組成種は多少異なるが,ここでは
代表例として網に付着した生物量を水深別をこみにした平均付着量の階級で表わし,各月
の種類別の階級を第7表に示す.表土のNo.1∼11の小型生物では個体数, Serupulidae
第7表 試験網における月別付着生物量(付着量の階級で示す)
ユヵ二品
II
1
III
IV
1
1
2i.1
3i 3
3 Halosydria nebulosa
1
4 Bivalvia
Q︾4占
∩∠4.
8 Gammaridea
︵∠ハ﹂
︵∠︵﹂
6 Cirripedia
7 Caprellidea
−占︵∠4占
5 Gastropoda
9 lsopoda
10 Macrura
11 Brachvura
1
2
14 Sabellidae
15 Acanthodesia savartii
一1一
17 B. californica
一1
1
18 SinioPeeta costazii
1
19 Mytilas edulis
1
−⊥−占−←ーム
一
16 B“gula neritina
体
数
個
2
量
重
2
1
2
1
Serupulidae
(g)
O.1一 O.9
10一 99
100一 999
1 ・一一 9
1,000−9,999
10,000一
’IO ・一・ 49
50 一 99
100 一
r十C
−ゐ2︵﹂4R︶
1一 9
XII
1
1
1
皆
級
XI
1
20 S彦ヅelα∫licata
F
x
−よ一←
一
−←.
−占﹁←
1
12 Seaweeds
13 Serupulidae
IX
う9一〇Qつ9
1
VIII
−︵∠一32一−
VII
︵∠﹁三一22卿−
VI
ら01占
1 Opheliidae
2 Nereidae
v
31噌21咽12一1
種
2つ︶﹁⊥
×× 類一十一
1
25
海産汚損付着生物の生態学的研究
2ヵ月網
×
xs一.一
採集月
H...
1
?磨D“.x
III
II
1
×一
II
III
IV
脚
1
3
一
「
「
一
晒
哺
3
3一 一4圏 一 一5
Styela一 Plicata
哺
32一2一一44
)’10rtilas edulis
1
哺
31醐 一 [ ﹁一3
SinioPegta costazii
2囑一噌哺.1121
B. californica
2一 一 一 一113
Bugula neritina
1一圃哺﹁一121
2咽邑﹁1﹁22
浸。α.ntん0ゴθ5‘αsavαrtii
3燭哺111噌5
2
314
6
8
1.
15
11
17
1.
19
2
Sabellidae
一
xl 1 xl1
22
22噂2明喝15
32哺32哺33
9 lsopoda
10 Macrura
11 Brachyura
Seaweeds
Serupulidae
1
IX
3﹁13哺噂33
31一3一喝22
8 Gammaridea
VII VIII
へ0 4
7, Caprellidea
VI
−一噌34
5 Gastropoda
6 Cirripedia
1嘱−←哺喝35
︵∠哺 一︵﹂4.
4 BiValxria
1噂哺閏哺︵﹂4
3 石ralosヅdria neゐulosa
2噂︵∠鴫同35
1 Opheliidae
2 Nereidae
v
3鴫喝2一−一4
21︻.一 ﹁一33一一1
種 類
×
、X
黶D _ 採集月
・一一x
XII
一3一 圏−一 一 一5
3ヵ月網
\一
XI
2一 一22一34.一
M頸協se面乙‘s
Styela Plicata
s
2︻ 一31一43一 II一 [2﹁1一3
B. californica
SinioPeZta costazii ’
1一 一 一 一112
Bugula neritina
1哺二哺哺喝111
Acanthodesia savartii
﹁⊥岡 噌 ﹁ 鴨−←1
2噌閏喝喝1﹁1
Serupulidae
Sabellidae
x
IX
3帽閏31一22 11噂鴨哺哺一﹁2
42鴫2司噂23 13咽哺鴨哺.鴨﹁2
Isopoda
Macrura
Brachyura
Seaweeds
VII VIII
2一哺223喝5
2哺哺212﹁2
﹁⊥噌閏哺凶−五−
1吻1一閏342 1剛1221121﹁1噌喝342 肖一22222
Gammaridea
一一34一
Cirripedia
Caprellidea
1
噂一哺34
Gastropoda
VI
2周﹁噌鴨341 2哺朔一﹁噌12.1
Hal・5ヅ面αnebul・5α
Bivalvia
v
一一幽
Nereidae
− 1 噌 周 一 一3﹂4
Opheliidae
−占哺瞬一一ら◎4
2
1
2
3
73
84
95
06
17
1
1
1
1
1
18
19
10
2
4
5
16
1⊥
種 類 x
IV
2哺﹁2一﹁噸3哺1 3噌一2陶1﹁3
1
.一..一一.×
武
26
梶 原
では相対量,他の大型生物では重量をもとにした階級である.
各月の景観による優占種は1ヵ,月界では個体数による階級数の大きい種類であり,2・
3ヵ月網では重量または相対量による階級数の大きい種類である.
下弓:度水域では付着生物の付着期は水温の上昇期と下降期にある4・■6・4“’ ・76・86).崎辺
浦でも多くの種類の付着期は初夏と秋の年2回である.また各生物は1ヵ月網におけるよ
りも2・3月網での出現期間が長いのは当然であるが,1カ月網には付着しない付着期前
後とみられる季節にでも,2・3カ月網には新個体が付着している.これは新しい網より
も付着ヌタがある程度ある,2・3ヵ月網の方が幼生の付着や生育に有利であることによ
るのであろう.
以下各種の季節消長と生態について概説するが,カンザシゴカイ,ムラサキイガイ,シ
ロボヤについては別に詳述する.
海藻* 網には2∼6月と8∼12月,枠綱には2∼5月と10∼1,月,竹には4∼5月と
10∼1月にかなりの量が付着した.付着期間が長く量も多いのは網で,次いで綱引の順に
付着期間が短くなり量も少なくなる.主な種類はスジアオノリ(EntermorPlza Proliferα、
4∼5月に多い),シオミドロ(Ectocarpaceae,ほぼ周年,特に春と秋に多い),イトグ
サ(PolγsiPhonia sp.,4∼8月),カヤモノリ(Scytosiphon sp.,2∼3月)であった.
各層の付着量:は年変動がかなりあるが,ほぼ緑藻は表層に,褐・紅藻は表∼中層に多い.
海藻は小型生物(主にAmphipoda)の付着基盤ともなる.
Hydroida 2∼6.月にはエダウミヒドラ(Eudendriidae),クダウミヒドラ(Tubula−
riidae),ウミシバ(Sertularidae)が多く,夏∼秋にはウミサヵズキガヤ(Campanula・
ridae)が多い.前三者は上・中層に多く付着し,ウミサカズキガヤは各層に同量位に付着
する.海藻と同様に網への付着量が綱や竹へよりも多い.
Polychaeta主なものはカンザシゴカイ(Serupulidae),ケヤリ(Sabellidae),アフ
エリアゴカイ(Opheliidae),ゴカイ(Nereidae),ウロコムシ(Polynoidae)である.
カンザシゴカイとケヤリを除いた種類は付着面を移動し,ヌタを餌料としている.
カンザシゴカイの主な種類はカサネカンザシ(Hγaroiaes norvegica),ヒトエカンザシ
(SerPula vermicularis)で両者の付着期間は1カ月網では5∼12月である (第8表).
また周年的に付着と生育の良い水深は2∼4m層である.成長度は網や綱よりも基盤面の
大きい板や枠竹の方で良いようである.付着密度は竹綱網の順に粗となる.またフサコケ
ムシやシロボヤの体側にも多数付着する.
ゴカイ(Nereis juPonica)は1カ.月網では6∼7,月に多く付着する. 2・3カ月網で
はほぼ周年出現している.Opheliidae(種名不詳)は8∼12月に多い.ウロaムシ(主に
ミロクウロコムシHalos:γdria nebttlosa)とケやり(Sabe〃asta・rte inaica)は10∼1月
に付着する.
Bryozoa 出現種を付着量の多い順から示すと,フサコケムシ(Bugula nerit・ina)’ナ
ギサコケムシ(B.californica),コブコケムシ(SinioPelta costa!ii),トゲヒラコケム
シ(Electra.αngulata),アミメヒダコケムシ(Acanthodesia sαvartii),チゴケムシ
(WatersiPora cucullata)である.前三者は網・綱・竹のいずれにも付着しているが,他
* 崎辺浦では垂下式養殖のワカメは生育するが,天然には有用藻類は殆んど生育していない.
海産汚損付着生物の生態学的研究
27
第8表試験網に付着した各月のカソザシゴカイ量(付着面積による階級で示す)
翻潔
XII
1
II
v
一巨
VI
VII
VIII
443335
25
253
555
55
35
353333
34
24
253322
455553
54
35
1323
334313
13
14
1431
33
24
233331
1
11←11←l11←
5432丁山
5/5
4/5
3/5
2/5
1/5
工V
=二==
付着面積
III
−一==ーユ
階 級
1960
XT
R︶R︶55R︶55
3
X
11よ−山﹁←−11←
2
IX
355553
55
35
355532
155543
45
35
2551
51
53
454442
333431
23
14
1433
34
35
155533
122224
14
15
1552
4
53
52
42421
234532
44
35
2553
55
45
355542
333445
35
15
1555
55
45
255311
012340
516
27
34O
51
62
734567
ユ.
\
1959
VIII
の種類は主に竹と綱に付着し,網にはほとんど付着しない.また付
着量の多い種類ほど付着期が長い.各種とも付着や成長の盛期は6
∼7.月と10∼11,月の年2回である.傾向としては秋よりも初夏の付
着量が大きいが,フサコケムシ,トゲヒラコケムシでは秋に付着量
が大きい年があった.
付着量の大きいフサコケムシ,ナギサコケムシ,コブコケムシに
ついて各月での1∼3ヵ月網の平均付着重量を第9表に示す.,フサ
コケムシは最も付着量が大きい.三者の年変化では,初夏から夏にかけてでは,
フサコケ
ムシは1959年より1960年に,他の2種では1959年の付着量が大きくなっている.
垂直的には各種とも付着盛期には上層から下層まで付着するが,種類により付着や生育
の良い層が異なり,ナギサコケムシは0∼2m,フサコケムシは1∼3m,アミメヒダコケ
ムシとチゴケムシは3∼4m,トゲヒラコケムシは5∼7m,にかかる層がある.馬渡45・46)
もフサコケムシ,チゴケムシについては上記と同様な観察を報告している.
各種は群体の形態により他の生物との関係が異なる。フサコケムシやナギサコケムシの
武
28
梶 原
第9表 試験網に付着した主なBryozoa
\_採集年月
@鋸輌有\
Bugula neritinq
ee¥1
wn
1
。.1
O.1
2
3.2
1.3
5.4
120.0
2.9
3
9.0
9.3
6.0
90.0
200.0
2
3
Siniopel.ta costazii
X
VI 冊
INr
V
1
B.c・zケb而。α
IX
種類
1959
X狂
O.1
「一
一 1 i.2
20.4
16.2
21.3
1
2.1
2
7.9
17.0
O.8
5.8
24.0
1.2
3
1.7
如く叢状の群体では小型生物の付着場所となり,またこれらがシロボヤやフジツボの上に
付着しても下部生物を殺しているのはみられなかったが,板状型群体のチゴケムシではフ
ジツボやカンザシゴカイを被覆死亡させているのがみられた.
MoUuska 主要なものはム
第10表試験網に付着したAmphipodaの種類(1960・ M) ラサキガイ(MツtilMs eaulis)で
あった.この他にも少数の二枚
Suborder .
GAMMARIDEA
Family.
Jassidae
L
Jasstt falcata**
ムシについては詳しい観察を’し
2.
ノ. 〔1entex*
ていない.この付着期は板浸漬
3. ’
J, Pusilta
では8∼12月であった.
4,
ノ. .pelαgicα
Crustacea AmphiPodaは小
Family.
Corophiidae
5.
Erichthoniits brasiliensis
6.
E. sp.
7.
Corophium acherusicurn (?)
81
Suborder.
C. sp.
CAPRELLIDEA
Family.
Caprellidae
9.
Caprella scaara
て減少する.この類の多くの種
ユ0.
C, acutifrons
類はtubeを作るのでヌタの定
ll.
C, sp.
着作用が大きい. また海藻,
*;多量:
**;中 量
貝と巻貝が付着する.フナクイ
型生物中では最も多数出現した.
1960年3月に網に付着していた
種類は第10表に示す如く11種で
あった.Gammarideaは周年
付着しているが,特に冬∼春に
付着量が多く,夏から秋にかけ
Bryozoa,シロボや等の上にも
多数付着している.Caprellidea.
海産汚損付着生物の生態学的研究
の各月の平均付着重量
も周年出現するが冬∼初夏に付着
量が多い.基盤上のみでなく大型
1960
生物や海藻にも多数付着している.
、
皿
1
班 IV
両者は下層よりも上・中層に多く
W
付着している.
40.0
O,3
O.2
フジツボは網や綱にはほとんど
O.2
2.7
1.2
O.3
6.5
5.6
126.0
付着しない.竹に付着した種類
O.1
20.0
44.3
239.0
を付着量の大きい順に示すと次
の如くである.サラサフジツボ
(Balamts amPhitrite communis,
3.9
O.3
1.4
1.8
O.9
7.3
25.7
付着期8∼12,月,盛期10∼11.月),
サンカクフジツボ(B.trigonus.
4∼9,月,盛期6,月), タテジマ
フジツボ(B.a.haooaiiensis,6
O.2
O.3
1.2
O.6
O.1,
∼7,月と11,月), シロスジフジツ
O.3
、ボ(B.a. albioostatus,5∼6月),
O.2
アカフジツボ(B.tintinnabulum
rosa,冬∼春i).
崎訳出ではシロスジフジツボは潮間帯に多く,常時浸漬された基盤への付着は少ない.
アカフジツボの付着量は少なく,また付着後も早期に死亡している.この水域の灯標にも
本種の小型死殻がみられるが,大型の生体や死殻はみられなかった.いずれの種類(シn
スジフジツボを除く)も1m以深に付着数が多い.
Isopodaは少数が初夏から秋に付着していた.、キクイムシについては充分な観察をして
いない.小型のエビ類が8∼9月に下層網に少数付着する.また1958年8月にはかなりの
数のカニ(種名不詳)の幼年が上・中層網
第M表 水平浸漬板の上下一別,年平均
に付着していた.
付着生物種類数(1956.V∼1957.XR)
Ascidiacea群体ボヤではネンエキボヤ
k\__上面
ルル、ルル料料トソ
板板三板板板三板板板
メメメメ塗塗 レ
面
面.聾罫灘侮
粗滑白黒青赤黒白スポ
平
均
下 面
(LePtoclinum mitsukldγii),キクイタボヤ
(Botryllus tuberatus)カミ主で,基盤の広
11.6
い竹や成長したシロボヤの体側に付着する.
8.0
12.4
これらは2∼5月に多い.2∼3月には上
6.2
10.3
8.2
11.4
7.6
・中層へ,4∼5月には上層への付着量が
多い.ユウレイボヤ(Ciona intesinalis)
7.0
10,6
7.5
10,8
の付着期は11∼5月である.また5∼6
6.9
10.0
月は死亡期である.、基盤上のみでなく
6.6
8.8
7.4
10,1
7.6
11.1
7.3
10.8
シ・ボヤの噸湿する.上・礪では
中層よりも付着量が減少している.シロボ
ヤ(∫≠夕θZαPlicatα)の付着期は初夏から
秋までで,盛期は初夏と秋の年2回ある。
網・綱・竹の順に付着:量が少なくなってい・
武
30
梶 原
る.
ii.水平浸漬板の上下面におけ’る付着個体数
水平浸漬板で板別上下直別の年平均付着種類数を第11表に,三板をこみにした各月上下
第12表
水平浸漬板で,全種類板をこみにした上下面別,
月別平均付着生物種類数(1956.V∼1957.Xff)
W
v
IX
XI
rv
’\
X
畑 平 均
上 面、
4.8
,7.6
8.6
6.4
6.5
7.2
8.1
8.7
6.3
7.3
下、面
6.8
11.9
12.7
11.3
9.1
11.2
11.5
11.1
10.5
10,8
面別の平均種類数を第12表
上 面
下而.
に示す.どの板も上面より
.工V
菰ooo
も下面の種類数が多く,ま
0
た月劉でも・下面は上面より
忌数の少ない月には上下面
0
の種類差は小さく,多い月
4000
夏から秋にかけては付着:量
の多い種類は上下面のいず
VI
体数
には大きくなっている.初
V
4000
2∼5種類多くなる.出現
0
V工工
4000
0
VI工1
れにも付着しているが,付
∴000
着量の少ない種類は主に下
面にのみ付着している.
Mツ∫伽& Tere40, Am−
phipoda, Balanus,・Seru一 ・
0
工x
’ρ00
0
4ρ00
サコケムシ,ナギサコケム
o
シ),Bryozoa一¶ (1以
”go
外の種類),Ascidiacea−
0
1(シロボヤ∴ユウレイボ
x
XI
、
pulidae, Bryozoa 一1(フ
XII
4000
ヤ),Ascidiacea一皿(群体
邸8邸モ鯛Oω<
おεO
=ぎN9占
邸8厘躍りω<
︻ 邸ONOあ﹄酬円
り㌧、幅、℃∼唱帖、
O邸唱=5q5﹂①ω
o竃転幽
招o曾琶日く
リミ、§
脅ーに09何哨唱嘱りのく
ゥー邸ONOh旧m円
﹂ΦヨO
一﹁邸Oり邸嘱℃旧りω<
一 邸ONOh﹄酬則
第15図
物噛騨軸︵唱、q︹、
示す.種類数のみでなく各
種類の付着数も下面に多いt
065℃個一つqコ﹄Oω
着数を上下面別に第15図に
e啓℃Oα哨躍q霞く
の全板をこみにした平均付
切嵩、竃へ︵畑庶
て,1957年の結果より各月
0
O℃魁㍉魅ρh
ボヤ),其の他の10群に分け
水平浸漬板の全種類板をこみにした,上下面別
斉月の平均付着生物個体数 (1957)
31
海産汚損付着生物の生態学的研究
板状基盤の水平浸漬でフジツボやフナクイムシが上面より下面に多く付着するのは,面
による生存率の違いや幼生の光に対する反応の結果ではなく,浮游幼生の反走地的運動に
関係した現象といわれる4’)・6〔り.板の水平浸漬では浸漬期間が1カ月以上になると上面の
付着ヌタは,上面に付着した生物の生育や新たに付着する生物に対して大きな阻害要因と
なるが,1ヵ月以内ではこの働きは大きくないから,上下面での種類数や個体数の差は付
着ヌタの影響によるものではないと考えられる.浸漬期間が1カ月以内では水平浸漬板の
上下面の種類数や個体数の差異は,これら生物の浮游期幼生の海中での運動型と関連した
現象と思われる.
iii.各種板における付着数の差
基盤の性質の違いによる付着状態の差異を検討する際,浸漬実験の結果より特定生物の
みについて分析することは生物相互の作用を無視することになる.しかし特定生物と他生
物との関連を考慮しながら分析するのは,通常の浸漬実験では困難である..また付着状態
を表わす生物り測定方法によっても表現が異なってくる.
ここでは1ヵ,月間浸漬の各種板における付着状態の差を,個体数を基として計算した付
着指数(仮称)により検:討した.付着指数は次の方法で計算した.
まず各板について種類別の年平均付着数を求め,次に同種類について,板間の順位を平
均数の大きい板を1とし,平均数が小さくなるに従って順位数を大きくする.各種類別に
順位をつけ,同一板で各種類の順位数を合計し,これを種類数で割った平均値をその板の
付着指数とした.しかしこの方法では上記の生物相互の関係についての考慮が入っていない.
第13表 板別の付着指数による生物付着量の順位
上 面
順 位
1
2
3
3
4
5
6
7
8
9
3.50
4.25
4.25
4.50
4.75
5.00
6.00
6.50
8.25
白三
青工
白船
付着の多いi
板の種類喚呼 スレート
滑
4 種
粗
3.00
I鰭撒
黒 船
1”” ’ i一一一.一,i
赤 工 ポリエ
順「位
1
2
3
4
4
5
6
6
7
8
付着指数
2.42
3.21
3.26
3.42
3.42
4.10
4.26
4.26
5.00
5.53
スレート
赤工
ポリエ
ま
目工
黒 船
朗白船
6
7 1 8
全 種 類,
19種類
勲騨黒工
粗
t滑
下
面
2
3
4
4
5
6
付着指数2.56
3.22
3.56
3.78
3.78
4 .00
4.44
板の種類黒工
白 工
青 工
赤工
滑
順 位
1
付着の多い
4.44
4.56
5.34
粗
9 種
1
比位’
1
白船 スレート
黒船 ポリエ
2
3
4
4
5
6
7
8
9
3.36
3.74
3.78
3.78
4.47
4 58
4.78
4.95
5.59
黒 工
滑
白 工
赤工
スレート
全種 類
(19種類)
板の種類
i
’
粗
青
付着指教, 3.16
工
黒 船 ポリエ
白船
武
32
梶 原
重量または付着面積の測定値を係数とすることにより妥当な指数が得られと考えるが,生
物の生育量が小さい浸漬期間では,生物相互の作用が小さいこと,またかかる場合では重
量や面積の測定誤差の方が大きく表われるとも考えられたので,ここでは一応個体数のみ
より計算した.
この方法では板間の順位数のとり方より,付着指数の小さい程各種生物の付着数が多い
ことになる.
各板について上下直別に付着指数を求め,指数の小さい順に板を配列すると第13表の如
くになる.この表には年平均付着数が50以上の種類,上面ではフナクイムシ,Amphipoda
フジツボ,カンザシゴカイの4種,下面ではこれらにナギサコケムシ,フサコケムシ,・ウ
スイタボヤ,イタボヤの5種を加えた9種と上下面各々の全種類とについて計算した結果
を示した.
これでみると粗面と滑面では,上下面とも前者への付着数が多い.幼生の付着の足が
かりとして,小さな凹凸のある面が有効なことを示している.板の色では,上面では黒色
系統板とスレート板が上位を占め,青エナメル,白色系統板が付着数の少ない下位になる.
下面では,上面とほぼ似た順位であるが,白エナメル板がかなり上位となり,船舶塗装板、
が色にかかわらず下位になっている点が上面とは異なる.
上面では,材質による差は明瞭でないが,下面では,木板よりもスレート,ポリエチL・・
ン板に付着数が少ない傾向がある.
木板では,黒エナメル以外の色のエナメル,または船舶塗料の塗装は未塗装木板よりも
付着数が少ない.
色に関して斉藤76)は,上面では白色板が最も付着:量が少なく,黄緑青の順に付着量が増
加して黒褐赤系統の塗面板が最多であるとしている.しかしWALTON−S va ITH9 3)は基盤の
色は反射する光の強さによる幼生の誘引と関連した問題で,cypridsは,低い光力が付着
の刺戟となり,単一一:方向の光より散乱光が刺戟としてより有効であるとしている■t第13表
でも,灰色のスレート板上面や白エナメル板下面が付着数の多い上位となっているのは,多
くの種類の幼生が,WALTONの指摘する如き光の刺戟に対する反応を示すことを暗示する.
それ故,基盤の色については実験水域の透明度,浸漬水深,浸漬状態をも考慮して検討す
る必要がある.
2−3 代表的な付着生物の生態
i.カンザシゴカイの生態,特にカサネカンザシとヒトエカンザについて
管棲多毛類は沿岸域に広く分布し,その多くは,船底や養殖漁場の養殖生物及び施設等
に,また有用海藻に付着する汚損付着生物として知られるいる7■・76).我国では加害の主
な種類として,ヤツコカンザシ(一PomatoleiOS 670∬Zα%4の.ウズマキゴカイ(Sクirorbis
forminOSUS),∫. niPPoniCUS, S. S少irillum,カサネカンザシ(Hy4roi4es norvegica)等
があげられている.これらの中,カサネカンザシは船底汚損上フジフボに次ぐ障害生物と
されている48・57・7■・76・86).
カサネカンザシの防除研究は第2次大戦中に行なわれたが,適切な方法は見出されなかっ
た.しかし生殖期が4∼12月,付着盛期は7∼9月,寿命は約2年間,塩分濃度が1/2以
下で死亡,2・3の毒物塗料がある程度の効果のあること等がわかった「’T■).
33
海産汚損付着生物の生態学的研究
斉藤76)は昭和初年代に旧軍港の付着生物を調査し,その結果によるとカンザシゴカイ
の付着量は佐世保港,横須賀港に多く他の港には少ない.また付着期は佐世保1∼12月(盛
期6∼10月),呉3∼11月(7∼9月),舞鶴3∼11月(7∼9E),横須賀5∼11E(7
∼10,月),大湊6∼11,月(9,月),馬刀6∼2月であるとしている.
管棲多毛類の付着期について最近の研究によると,長崎県相ノ浦ではカサネは6∼7月
と9∼11月,ウズマキゴカイは9∼10.月,ヤツコカンザシは9月7s), 田辺湾のカンザシ
ゴヵイは3∼10月72),英虞湾の真珠養殖場ではウズマキゴカイが多くカサネは少ない,
前者は2∼12,月(盛期9∼10,月),後者は夏期に多く付着する48).また金沢実習所の垂下
カキに付着するHyaroiaes sp.は6∼12,月6{}),女川湾,松島湾のウズマキゴカイは女
川湾で5∼11,月,松島湾6∼10月,SerPula sp.は前者で7∼11月,後者では7∼10月
が付着期である86).
鋭
es4 e
28 e27
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斗
58
O−0◎0
8¥∬
謂嘲珊棉
” ∴獅職脚卿
・・●●●●
WEIGHT (GR.)/1,000 cM.2
一一 10曾
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●
20
e
8
6
ヲ
5
ユ.
4
一
〇 ラOQ ユ,000 !哩ETER
へ1
ロ
ー一一 @55051
1290U5,
第16図 佐世保湾におけるカソザシゴカイの水平分布(数字は採集点番号) (1961.VI)
武
34
梶 原
以上から我国沿岸域に多い管棲多毛類の付着期はほぼ春∼秋で,南ほど付着期間が長く
なっているのがわかる.さらに北米でも我国におけると同様な付着期であることが報告さ
れている4・ρ6・74・s①).
このほか,SGHEER30)はカサネカンザシは浸漬後早期に付着する生物であるとし,また
これが付着可能な流速は1.8knots以下とされている92).
筆者は佐世保湾における浸漬実験や筏及び1年間から6年間浸漬した灯浮標の調査か
ら,ヵンザシゴヵイの湾内での分布,成長,密度等について知見を得た.
本丁で多量に付着するヵンザシゴカイ*の種類は,カサネカンザシとヒトエカソザシで
あった.
a.佐世保湾内における分布
1961年6月調査の灯浮標浸水側面(水深0∼80cm)より採集したカンザシゴカイの重
量:(1,000cm2当りに換算)で湾内における分布状態を第16図に示す.
同じ水域でも灯浮標により,各々の浸漬した時期や浸漬期間の違いで,付着:量に大小が
あるが,分布の傾向としては,湾口(st.「1)と伊ノ浦瀬戸入口(sts.3,4,5)には付着
は少量で,主に湾中央部二丁に分布し,中央部一男東部一港内部の順に付着量が多くなっ
ている.
1960年の灯浮標調査及び崎辺浦での筏や浸漬基盤に付着したカンザシゴカイ量の季節変
化38)等から,第16図D,分布は湾内の6月における分布状態を示すのみでなく,周年的な状
態を示すものとみなされる.
湾口部は湾奥よりもカンザシゴカイの卵や幼生の分布量が少ないと思われるし,また湾
口部で大型のアカフジツボが優貸していること等は,カソザシゴカイの付着に不利な条件
となっているであろう.また湾口の水温や塩素量の季節変動は湾奥より安定しているが,
透明度は大きく湾奥よりも餌となる浮游性懸濁物は少い.
剃4表 カサネカソザシとヒトカソザシ カンザシゴカイの内湾各水域の分布量を
の各月における付着数比(崎辺補) 規定する環境諸要素間の軽重を論ずるまで
警私㎎誌一一灘ん四隅瑛麟’禰
戸内海2り, また後述の長崎湾における分
82 一
18
た環:境は,やや管鍼で,低透明度の内湾的
58
42
性格の強い水域であると考えられる.
60
40
b.カサネカンザシとヒトエカンザシの
H68
15
H32
VW四皿双X刈畑1
布状態も:本門と同じ様相を示している所か
85
ら,カンザシゴカイの付着及び生育に適し
付着数比の季節変化
崎二三でのヵンザシゴカイの付着期は5
16
84
∼1,月で,盛期は6∼8,月と10∼11月であ
52
48
る.しかしカサネカンザシとヒトエカンザ
89
11
シの各月の付着数比は第14表に示す郊くで
ある.これから,上記の6∼8月はカサネ
* 佐世保附近の真珠養殖業者は「マガリ」まfcは「白マガリ」と称している.
35
海産汚損付着生物の生態学的研究
第15表
佐世保湾内灯浮標に付着していたカソザシゴカイ群中の
カサネカンザシとヒトエカンザシの割合 「C・
採集
採集三
海区
年月
浸漬期間
番 号
採集水深
cm
数(1100cm2)
体
個
灯浮標
計
若 虫
vegzca@i cularis 1 H. nor.1 S・ ver:
(年一月) (付着基盤)
重 量
声 分 率(%)
H.’nor一 S.vermi一
(gl 100 cm2)
(管径
1mm以下)
197
10 15 一 21 O 一20
94
1,031
3,600
4,600
計
9,231
9,231
o
O−5
1,080
1,080
528
484
1,031
20
ムラサキ
2,704
224
15 1 1 一 1 j O 一30
385
119
17 ll 一 21 o−30 [ 471
.87
57
s6 1・ 4s
151
79
忌
14,319
7 12 一5
11 13 一〇
lofjs i 1,625 i 1,5so l
60
32
36.8 i
124
2.8i 42.i1
150
431 g6nl 3.31 ss.oi
343
45 i 97.2
31.6
73.3
26.7
91 19Q
to 1 gg.s
1
o
211
211
100
計
計1 19・920118・8361,・84194・Sl 5・5
47
04
,11.0
25
[﹂∠U
59.9
69.3
3つ乙
・
,s.o./
0
00
0
1
1
89 0
100
100
81.2
71.8
4,3
3.0
OnU O
・141
:129
89,4
O.5
12i 96.PV 4.0
1,129
440
0
0
68.4
10 i
98.3
370・
︹﹂4
100
8.0
158
450
7
50 6
7つ0
9
92 0
!0880フ
814
ワー6バ仕に﹂
47
175
0フー2に﹂
102
490
12
200
O.7
g,71.
o
O 1 100
に﹂ワー
合
72
00
ムラサキ
イガイ
87.4
421 s6.sl 13.sl 44.71
269
860
正1
5 一一一 1
1
0
1
0
2
20
100
s2.41 47,6 i so.6
7
十養口
計
ヘビ貝
80.4
01
296
1,270
19.6
73.6
78.2
411 s2.41 47.6 i loo
仁﹂8弓乙7
18[5−9i O−isi 30s
5−9
116
4︻﹂4rJ
玉.900
19
73,6
91;3
90ノ
1,91O
281
989
8.7
●
70
560
O−60
アコヤ貝
76.6
26.4
.
570
1一一8
工6
23 4
噌一←
52
1,340
77.5
74,5
263
64
52
1 71
l!
58
88.2
18 .e 1 82.0
〆0︻﹂6ζ﹂
11 ,197
1,340
e−lo
19
OQ/
12,011
イガイ
.計
及 び
VI 東 区
1,772
5,330
2,255
1,840
4りQ
O
42
1−8
計
e−2e
ムラサキ
1,874
5,820
2,302
2,015
4ワー
り乙4
湾中央
5−10
10−15
15−20
387
205
nフ070/0フ
Oぬ5
21
4171
i2 11 一iO,1 15−25 i 1,2741 i,231 e
1961
30
2661 31.oi 69.Oi 92.2
12,921 1 1,398 j 90 .3
o−ls 1 1,2401 1,24Q
14
7,5
に﹂に﹂
2・ つ乙
21 12 一 Ol O 一15
1−9
92.5
60
145
41
80
B is 一 2i o 一20 g 3071 ・26si
13
86.5
55.4
0
100
ζ﹂0
343
144
2014−7i務茅キ1
回
・8
13.5
8
84
3慶﹂ 8
0キ
0ムイ
5−3
o
92
り乙く﹂
つ乙り乙
チゴケムシ
計
19
100
100 .
ζJP∂
5一.3
謬響
18
2
ぐ﹂8
O 一40
/07
XII 東 区
0
0
6q乙
及 び
1,140
2,928
100
100
イガイ
計
1960 湾中央
1,320
0
44
180
1OO
4バ桂
3,6eo
4,600
5.4
7
40
00
4
1−4
5 一15
41.0
4s.4 1
2弓ノ0ム
14
0
5
80.7
o
000 0
11 一4
000
13
o Poo
220 i
4〆0
7
04
3
12 11 一 41 o =3s 1 220
103 1 47 .s 1 s2.2
36
梶 原
O−10
10−20
20二30
24
2,570
2,560 1 10
8291 0
830
830
727
727
100
98.6
100
99.5
100
100
0
100
1,557
1,557
26 il 一lo l ls−30 1 3,slo) 3,slo l o 1 loo
730
463
294
327
1,084
!, e84
o
o
o
ーワー
−∠U
5
−O−l
o
110
100
100
100
100
100
100
6s.s 1
o
0
5,377
5・,688
5 578
110
O−20
20−40
40−60
929
929
0
3,890
2,900
3,590
2,800
300
100
92.4
96.5
7.6
計
7,719
7,319
400
94.8
5.2
34 li 一 s1 o一 so
99
99
5−10
20
20−30
1,425
1,380
1,204
1,413
1−8
VI.
32
1−O
9.2
108
. 420
445
476
19.5
283
36.1 一
3.5
o
0
74.0
58.6
33
200
200
28.6 i 7.2
1 3
32.4
47.5
つ乙3
●
110
270
195
00
0
1
100
690
1.7
o’
ワーGノ︿U
4 8 22
98.7
100
100
75.6
57.4
8ζソ8
4,822
100
100
38.4
88.5
003
3..:,997
97.0
2.0
30000 0
合
4一穴2
1,728
3,094
り40/
1 一10
一〃計
36
20
84
70
13
計
10
1,413
ζd
︻﹂00 00 0
1−8
98.3
100
O 1 100
4 4
35
’1,204
,
10−25
計
311
98.0
270
360
440
0
O一 5
31
37.0
49.0 .
︻﹂ζ﹂つ乙
730
463
294
327
0,5
り乙18
674
100
100
0
51,4
22.3
003
674
32
港区
←﹂
蓼口.
1961
︻α︻ジ︻﹂
1 一10
−り乙
29
0に﹂に﹂
1
計
56
,29.3
1.4
00 0
000 0
1−3
56
00 0
27
5−15
15−20
0
9ワー
10
730
44
・ 1・991 1 .9
740
829
00 1,001
00 0コ
ナ ケ
1−3
冒箸
25
計
武
計31,82131・・S6 116598・21・8i
の付着盛期であり,10∼11,月はヒトエの盛期であるといえる.
浸漬期間の長い湾内の灯浮標では第15表の如く,ヒトエは少なくカサネを主体とするヵ
ンザシゴヵイ群である.ただヒトエは貝殻上のような生物の付着の少ない場所に,秋に高
率に付着している.しかしこの付着量も大きくない.またこの表からは港内域よりも湾東
部にヒトエの付着が多いといえる.
灯浮標群のこのような現象は,カサネ匠比してヒトエの付着数が少ないことと,ヒトェ
はカサネに比して殻が薄く小形なので,両者が混在した状態ではヒトエは充分に生育でき
ないこと等によるものと思われる.ヒトエの寿命については充分な資料はないが,秋に付
着した個体が翌春にはほとんど死亡していることから(・第29表参照),カサネに比して短
生命であるとみられ,このこともヒトエの少ない一因となっているであろう.
c.成 長
付着期間の明らかな浸漬基盤上のカサネとヒトェシとついて,春から秋までの時期におけ
る付着後4ヵ月までの両種の生育朔間別の管径と虫体長を測定してまとめたのが第16表で
ある.付着後3ヵ月までは,この時期における両種の成長度には差がない.冬期において
は新らしい基盤にはカンザシゴカイは付着しないが,筏や灯標にはカサネの新個体が少数
付着する.冬期におけるこれらの成長度は春から秋における成長度よりは少し劣っている
(第29表参照).
37
海産汚損付着生物の生態学的研究
第16表 カサネカンザシとヒトエカソザシの付着後4ヵ月間における管径と虫体長の大きさ
H. norvegica
生育期間
(月)
管
径(mm)
S. vermicu,laris
虫体長(mm)i管
径(mm) 虫体長(mm>
10
一 O.5
10
20
O.5 一 1.0
10
20
1.0 一 1.5
15
30
1.0 一 1.5
15
25
1.5
20
70
1
一 O.5
2
O.5 一 1.0
3
4
10
5ヵ月以上の浸漬実験を周年的
に行なっていない.付着後1年以上
経過した群でも管の内径が3mm
以上の個体はないが,管壁の肥厚
した個体が多くなる.かかる個体
は主にカサネで,ヒトエはごく僅
かであった.
冬期を除いては両種とも管径が
1.Omm以上になると生殖腺の色
から雌雄が判別され,これらの個
体で人工受精を行なうと容易に
trochophoreが得られる. これ
より付着後3カ月で成熟個体にな
るものと推定される.
付着後半年以上の高密度群では
単位面積当たりの重量と基盤より
管の先端までの管高が群成長の測
第17図 佐世保湾の港内水域の灯浮標に付着していた
カンザシゴカイ群(1960.刈採集)
定値としては適当と考えられる.
灯浮標に付着しているカンザシゴカイ高密度群では,多くが管を基盤より直立させてい
る.1961年6月調査では港内水域における大きな群はカンザシゴヵイよりなる高密度の直
立群で,他生物をほとんど混入していない(第17図).湾東部では管と管の間にシロボヤや
コ・ウレイボヤが付着したやや粗な直立群であった.この調査で港内部と湾東部での2年
以内浸漬灯浮標のカンザシゴカイ群の群の大きさを管高と重量(100cm2当たり)で表わ
すと,浸漬時期の違いで次の三型がある.
(1)1959年8月に浸漬した灯浮標では,高高6∼10cm,重量300∼7009.
(2)1959年10,月より1960年3月の間の浸漬灯浮標では,管高5cm以下,重量3009以
下.
(3)1960年6月の浸漬灯浮標では管高9∼14cm,重量300∼5009.
これらの群は前述の如くカサネの主組成群であるから,この付着盛期と灯浮標の浸漬時
期,付着後の期間により群の大きさは決まるものと考えられる.
武
38
梶 原
管高成長の最も良い(3)はカサネの付着盛期の初期に浸漬された灯浮標群で,かかる灯浮
標では早期にカサネが全面に付着し爾後の成長も有利に行なわれたとみられる.(1)はカサ
の
ネの付着盛期に浸漬されたが約2年間付着後経過しているので死亡個体も多くなり,群
勢力の衰えから(3)よりも管高が低くなっている.しかし(3)よりも生育期間が長いので密
度は大きく重量は大である.②はカサネの盛期をはずれてヒトエの付着盛期に浸漬された
150
1ieO
ISO
120
:10
管
ユ00
90
高 80
70
〈mm) 60
50
1to
う0
20
IO
r t60
16ユ
第18図 佐世保湾内の灯浮標に付着しているカソザシゴカイ群の管高成長模式図
(5∼8月;カサネカンザシの付着盛期,9∼11月;ヒトエカソザシの付着盛期)
700
600
重 500
量 4。o
ρ§09\b。V
獅
20 0
100
12 1 2 ろ
i3Jg一 ,60
第19図 佐世保湾内の灯浮標に付着しているカソザシゴカイ群の重量成長の模式図
(5∼8月;カサネカンザシの付着盛期,9∼11月;ヒトエカソザシの付着盛期)
,41
3g
海産汚損付着生物の生態学的研究
灯浮標群である.これらの灯浮標では浸漬年にはヵンザシゴカイよりもフジツボやナギサ
コケムシの付着:量が多く(第41図参照), これらが翌年のカサネの付着と生育を阻害した
ものとみられる.
以上の三型について管高と重量の成長を模式的に図示したのが第18・19図である.これ
らでは成長率の付着年と2年目での違いや季節的な違い等を考慮していない.
港内の灯浮標は大体2年間で交換される.これにはヵy.ザシゴヵイの大量付着が一因と
なっている.しかし上記の群成長からすると秋から冬に交換浸漬するとカソザシゴカイ
群の成長を抑制できる.現在この水域の灯浮標の半数以上が6∼8月に交換されているの
で,全数を秋から冬に交換することにより,灯浮標の管理は現在よりも有利におこなえる
ようになるであろう.
d,密 度
カサネの付着盛期に浸漬した基盤では1ヵ月間でカサネに全面がおおわれるが,盛期前
の4月に浸漬した1ヵ月浸漬基盤では付着密度は粗である.
初期の付着状態を調べるために,崎三浦で1960年4月26日に透明プラスチック板(30×30
cm)を50,150,250cm水深層に水平浸漬し,1カE後にあげ,三板の上下面を9等分して
各区劃のカサネと他の生物(Amphipodaを除く)の個体数を計測した(第17表). この
実験では群塊状の付着はなく,各個体は板に密着し,管はほぼ直線的に伸長していた.各
水深層の板上面ではカサネはほぼ均等な分布付着であるが,下面はこれに比してやや不均
等な分布をしている. 下面では群体ボヤ(DiPlosoma mitsukurii)の影響があったので
第17表 カサネカソザシの付着数の少ない時期における1ヵ月間水平面濱
板上での付着生物個体数の分布状態(1960.W∼V) プラスチック
caltif’o rnica
B, neritina
Hydrnides
Barnacle i g,O,q・dPiO.ued
の殻長
(mm)
41
42
36
33
46
30,
幽34
37
37
336
1
4
52
]37
57.
76
99
102
49
80
61
713
1
4
1
20−30
1
rr
rr
rr
rr
rr
rr
rr
rr
r
r
計
Biiguta
Hydroides
︵∠■⊥
下
個体または群体の数
−︻∠
50
123456
18
29
3456789
計 7
上
分号
丁番
深切
水¢
面
2−3
武
40
梶 原
49
61
97
92
79
100
67
119
86
1
1
1
1
2
3
6
2−5
1O ’一一一 30
299
641
2
r
rr
rr
rr
rr
rr
rr
rr
rr
r
計1
14
1⊥−←
下
2
750
10−30
rr
rr
rr
rr
rr
rr
rr
r
r
計
250
595
21占
上
1
53
93
73
13
22
43
8
7
6
43
72
7
28
03
3
6
6
68
857
6・
717
計
4
︵∠∩∠∩∠
下
−←︵∠−占
計
150
6
72
75
61
76
64
73
52
56
6
1234567
18
29
34567
18
29
34567
18
29
3456789
上
1
2一一5
あろう.しかしこの分布も著るしく偏ったものではなく,各板上下面では各区劃の付着数
は5%oの危険率で等平均の三無仮説は棄てられない.これらの現象はカサネの幼生の付着
は他生物の妨げがなければ基盤上に均等に分布付着し,フジツボ類の幼生付着時における
如き群居性4’O)はないか,または小さいことを示す.
灯浮標の高密度のカンザシゴカイ群の密度を100cm2当りの重量と生虫数との関係で
示したのが第20図である.これで生虫数2,000以下群は前項の(1)及び(2)型群,5009以下で
生虫数3,000以上は(3)型群である;前者群は衰えた群であり,後者は生虫数が最大もしく
はこれに近い群とみられる.
高密度群では死管を含めた全管数を正確に測定できないが,(1)・(2)型群では生三三(生
虫数/全一数)・は30%以下,(3)型群で30∼80%と推定された.
第20図には灯浮標側面の最も管高が大きい場所で測定した結果を示したが,側面ではカ
ンザシゴヵイ群は表層から側面底部まで連続した群となっている、第20図で群の大きさが
海産汚損付着生物の生態学的研究
41
6,000
x
A
5,000
虫
イ
で
A
4,000
冷N
O A
A
数 ヲ・o。。
2,000
x
Ax X AX
A
1,000
o
e oo o
oO?n A
A
A
5 10 50 100 500 1,000
重 量 (9)
の管高は水深20∼30cmのと.
Uoo
:量500
(g ) 200
ユOO
γ’
△△ △
第21図に示す.これらの群
500
S・’×母△
の管高と重量の垂直的変化を
重
100g以上であった灯浮標に
ついて表層から側面底部まで
概夢
第20図 佐世保湾内の高密度カンザシゴカイ群における100cm2当りの重量と
生虫体数との関係 ○;湾東部水域,1960.X皿採集,
×;湾東部水域,1961.VI, △;港内水域,1961.W
A
XX”’一一XA
ころで最:も大きく,重量も同
様な垂直変化である.表層部
ではムラサキイガイに被覆き
エラ0
れている場合が多く,このた
120
めに管高と重量は低くおさえ
られ,被覆による死管も多い.
30cm以深については一例し
かないが,水深50cm附近の
管高及び重量は20∼30cmよ
り僅かに減少している.
ザシゴカイ群における
lOOcmO“当りの重量と管
高の水深別変化(記号は
第20図と同じ)
80
/ノムーム
ム ロ
’
’
碧
70
(mm)
60
ユ0
/で
、/
第21図 佐世保湾内の高密度ヵン
ユ00
高 go
ム
zs/〈.:’/7/“
△△
なる場所で測定した100cm2
管ユiO
∩ノ
Uγ
O4
O▼Aり
監
7/2
かかる群について管高の異
叫。
△彫.
st. ””
o’o
O 5 10 15 20 25 50
水深(cm)
三55 」40 1㌧5 50 55 60
武
42
梶 原:
600
重500
量 u。o
ラOO
(g>
200
・o !×、、 ムィ食一△△
∠〆ニフ
100
7,000
虫6,000
.1>〈N
5,000
...o // ’N.N
数U・o。0
5,000
2,000
ダ / △\・ A
N .A/
∴郵三、
k./....:
●陶・輌・×
1,000
S0
o
:/
T0
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U0
﹀
V0
1ー
誌厨△
W0
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X0
889融・80
大 型
基
数
/
全
基
数
殉
︵
1 Oo
A
A一一一一一.一一一A−A
A
ム
.云 云\
、X
へ\ム
20
ユ0
0 ユ0 20 う0 40 50 60 70 80 90 】.oo ユエ0 120=Lう0 =L2十〇
管高 (mm)
第22図 佐世保湾内の高密度カンザシゴカイ群における100cm2当りの管高一一Pt量,
晶晶一生虫数,管高一大型虫数(管径1mm以上)1全虫数(%)の関係
(記号は第20図と同じ)
当りの重量,生虫数及び大型虫数(管径1mm以上)め全門中に対する割合を第22図に
示す.
これでみると浸漬期間が約1年間の一例を除いては管高が7cm以上になると重量は横
ばい状態となり,管高7cmの場所の群の密度も管高10cm以上群の密度も変らないか
むしろ後者が粗になっている.また生虫数は管高4∼7cmの群で多く,7cm以上になる
と,管高が大になると共に,生虫数は減少の傾向を示す.さらに大型生虫数の割合からで
は,6月はカサネの付着盛期であるにもかかわらず小型個体が大型個体よりも少ない現象
がみられる.
43
海産汚損付着生物の生態学的研究
かかることと群成長状態からカサネの付着盛期に浸漬した灯浮標では初年度の付着個体
は大きな管高成長をおこない,1年後に群はほぼ最大の管高になり,2年目には初年度の
付着個体の管高は伸長しなくなり,2年目に付着した個体は初年度個体の管の先端または
中途に付着し,管は上方よりも基盤の方にのびて群の管高成長には寄与しないものとみら
れる.また2年目の付着個体数は初年度よりも著るしく少ないといえる.
以上のことからカサネの付着盛期に浸漬した港内及び湾東部の灯浮標}では,ヵンザシゴ
ヵイ群は浸漬後1年から1年半で最:大の群になり,それ以後は衰退するとみられ,また最
大時の群の大きさは管高約14cm,100cm2当りの重量7009,生虫数5,000∼6,000と推
定された.
iLムラサキガイの生態
⋮●●●
N
TrroTVIDUAr, NUMBER
1邑
250噂
500一
斗
本種は世界的な分布状態からして寒海性の二枚貝であるが,我国では大正末年より昭和
249
499
一ユO1
71t9
750 一 999
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1,000 一 1,499
e 5,000 一’s,ggg
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0聞
7
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e 6,000−7,000
ひ●・
鎚樹高
強弓』
1,500 一 2,999
一
〇 500 1000 Meter
眠1
一うプ05,
129”45,
第23図 佐世保湾内におけるムラサキイガイの水平分布(1.OOOcm2当りの
個体数及び重:量,数字は採集点番号,1961.∼D
武
44
梶 原
5∼6年頃の間に本州以南海区の各地に分布し,昭和7年頃よりこの海区で急速に蕃殖増
加するようになった**.現在では分布の南限は水温13∼290Cの暖海である.棲息域のか
かる拡大は生態的にも興味深い89・go).これと同じような現象は北米の西岸にもみられ,
California沿岸のNewport Bayでは1940年頃より付着がみられるようになり,1944年
にはこの地で以前から多くあったMytilus californianusを凌駕するまでになったが,
1949年以降は急減したG).しかし北米東岸では様相が異なり,分布南限である北緯35。の
Cape Hatterasの南では,北から南流によって運ばれた幼生が付着し,夏の高温(27∼
30。C)で付着貝は死ぬので,ここの付着:量は南流によって運ばれる幼生量に左右され,
放卵期のCape Hatteras区におこる北東季節風の強さや頻度と正相関している95).
本項の養殖の盛んな欧州では第二次大戦後,寄生虫(Mytilicola intestinalis)の被害の
ため,被害の少ない北に漁場を開拓している52).
我国では兵庫県水試が1933∼1937年に養殖試験をおこなったが,販路がないのと養殖困
難なことで中止したS5). しかし現在では海水利用工場の水路や養殖漁場の加害生物とし
て関心を引いている26・5エ・5S・86).
筆者は1958年より1961年の間に佐世保湾内において浸漬実験や湾内灯浮漂の調査を行な
い,三種の内湾での分布状態,成長,死亡率,付着水深等についての知見を得た.
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水
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一一一一一一一一
工 VI工 工 V工I I VII
1958 1959 1960
(19辱8) (19耳9) 《19ラ0)
第24図 佐世保湾内各水域における水温の季節変化
○『;表層,・;2m層(崎予州のみ9m層),干尽は1948∼1950年の観測値
**昭和2∼4年の旧軍港付着生物調査76)には,本種は記載されてない.
海産汚損付着生物の生態学的研究
Tawarpaga−U r a
塩素
20
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P8
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V工I I VIエ
1
図
第 25
ユ959 1960
に9起9) (1950)
佐世保湾内各水域における塩素量の季節変化
(記号及び説明は第24図と同じ)
45
武
46
梶 原
a.佐世保湾内における分布
佐世保湾内の分布を1961年6月の灯浮標調査結果より整理して示したのが第23図である.
この時の多くの個体は1960年末から1961年6月にかけ付着しているので(後述), この分
布は湾内での水域別の皿貝付着の分布をも示すことになる.これでみると湾中央部より港
内二部にむかって,また湾東部奥に向って付着量が増大している.
分布を規制する環境要因としては水温と塩分がまず考えられる.また流速も幼貝の付着
と関係があり,さらに潮間帯では幼生付着時の露出時間があげられているがS・73),ここ
では露出要因は考慮しなくてもよい.水温は広域の分布では主要な要因であり,塩分は
河口や陸水の流入が多い内湾等の小門での分布要因として重要である55・56・s5・go・9i)).
湾内の湾口部(俵ケ浦),湾東部(崎辺浦),湾東三部(大塔),港内(干尽)の4点で
キ
の表層の水温と塩素量の周年的変化を第24・25図に示す.さらに1961年6.月の湾内の透明
度の分布を第26図に示す.
これらの環境値が
示す湾口より,湾東
て大きくなる内湾的
環境の傾度と,ムラ
サキガイの付着量の
分布傾向は一致して
いる.
水温や塩素量が貝
の生活に大きな影響
び低塩分となった時
る高温や低塩素:量が
出現するのは7∼8
へ5
\_ノ/(7
8’
では貝の死亡因とな
o
N
を与えるのは高温及
であるgo・95).湾内
C5
/
酒苓レ
部及び港内にむかっ
.
.
O 1000 N’1 eter
月で,付着期とは約
半年から数二月ずれ
ている.水域別の付
着の大小がかかる影
第26図 佐世保湾内における透明度の分布(1961.VI)
響を受けているとは
考えられない.
透明度は貝の付着量の分布と一致した分布傾向を示す1,透明度の周年的な水平分布は6
,月のそれと同じ傾向である.透明度は海水の濁度やDetritus量と関係が大きい■3・エ7).
本丁はDetritusを餌料としているのでi)・30),付着量の分布と透明度のそれとが一致し
ているのは餌料の分布との関連においてであると考えられる.
b.産卵期及び付着期
海産汚損付着生物の生態学的研究
47
産卵の開始は水温の上昇と最も関係が大きいが,月令や天候とも関係がある3).産卵
期を調べるには,生殖腺の検鏡,機械的刺戟,電撃,水温変化等による放卵精による方法
があるが,検鏡法が正確な期間を知り得る29・58・84・f」6).
我国で産卵期を調査した結果では,東京湾附近で10∼5月(盛期11∼2,月)84),瀬戸内
海では12∼4月(盛期1∼2)go),博多湾では1∼4,月(3月中旬∼4月上旬)である58).
佐世保湾では,電撃法で12月上旬∼4月上旬まで放卵精をおこなわすことが出来た.し
かし浸漬物への幼貝の付着からでは,付着期は10∼8月で,盛期は3∼5.月と11,月の年2
回あった.浮游幼年期間を数週間3)としても天然での産卵期は電撃による放卵精期間より
もかなり長いものと推定される.
c.成長及び死亡率
養殖したムラサキイガイは2年間で殻長が9cmになるgo).付着初期の個体について
馬渡等5■)は,成長の良い場所で付着後1カ,月間で1∼5mmに,3力問で15∼30mmに,
6ヵ月間で30∼45mmになり,悪い場所では」4∼5ヵ月間で3∼6mmであったとして
いる.
断種の自然条件下での成長度を求めるのは,付着期間が長いのと,塩分濃度や密度の違い
で成長に変異があり容易ではない10・94).
161−III−3ユ
筆者は周年的に,また種々の条件下で調
3θ
面しておらないが,崎雨隠に付着した群に
20
ついて,冬から夏にかけての殻長及び重量
’ρ
を測定した,これを第27図に示す.1961年3
個
・6レV−19
月下旬には,1961年の付着個体は10mm
800
以下,1960年の付着個体は20∼75mmに
6ω
体 弘長が分布し,前者では2.5mmに後者は
数
卿
60mmにモードがあった.7,月までには多
2ρo
数の新個体が付着し,1961年付着貝は成長
’”
961−VIト19
の良いもので30mmに,大部分は20mm
’oo
”
30 以下であった.1960年付着貝は,3,月から
tO 4月の間には二三はほとんど大きくなって
,o いない大きが,7,月には3.月よりも約10mm
天iくなり,殻長簿囲は40∼85mrnであった.
体重は3月から5,月の間には大きく増重
重
量
しているが,5月から7月では増重率は小
30
20
さい,多分4月には体重に,5∼6月には
筆下に成長の重点があったのであろう.
(g) to
O 10 20 50 40 sO 60 70 80 90
殼長 (mm)
第27図 ムラサキイガイの殻長別個体数頻度
分布及び殻長一体重の関係
(崎辺浦,1959.X“設置筏)
CoE5)やRlcHARDs75)は,殻長成長は5
∼10月に大きく,1∼3月には小さく,殻
長60mm貝では,前期には1ヵ月間で6∼7
mm,後期には3∼4mm成長するという.
JφRG£NSEN3‘))は,濾水率は大型個体より
武
48
梶 原
も小型が大きいとしているから,成長率は大型よりも小型が大きいと考えられる.第27曳
からでは,殻長成長率は小型が大きく,三重率は大型が小型よりもやや大きい.
1961年6月の灯浮標調査では,各採集点のムラサキイガイは小型個体のみよりなる点と,
これに少数の大型個体が混じている点があった.7点を選んで素点での二二分布を第28図
に示す.両点では30mm以下の個体数頻度の大きな山と,50∼60mm及び70ん80mmに
小さな山をもつ分布がある.30mm以下の個体は1961年の付着,これ以上の殻長個体は
1960年の付着である.26,37,38点の港内区では,1960年の初夏にも殻長30mm以下個体
が多量に付着していた(附表1参照).これらの個体は1961年には僅かしか生残してない.
St.6 採集点6(湾中央部)と14(湾東部中央)
では,大型個体の割合が大きいけれども,小
20
三冠の付着:量は少ない.ムラサキイガイの
10
死亡原因となった環境条件は,夏期の高水
温と塩素量の低下であろう.高水温は中央
St.12
150
部以奥で,低塩素量も同域では死亡因とな
100
る.しかし大型個体の少ない場所では小型
50
の付着密度が大きく,逆に大型個体の割合
個5。。 の大きい嚇では小型個体の付韻砂な
St・1ヲ
いことは,高密度群では低密度におけるよ
体100
[
200
りも死亡率が高いことを示しているといえ
@ る.
d.付着水深
ヲO
数 2。 ムラサキイガイは水深10m位まで付着
しているが,干潮線より50cm下までの水
10
深に最:も多く付着する3).また凹所やフジ
ツボ,カキ等の上にも多数付着し,付着初
500
期の小型個体はciliated fQotで移動する
200
.r,1,g. o)
100
佐世保湾内の灯浮標側面では,ムラサキ
イガイは表層から30cm下位までの間に付
750
着し,特に表層から15cm下までの問に多
500
い.湾東部と港内部では,ムラサキイガイと
250
同時にカソザシゴヵイも多量に付着してい
るが,後者は表層で付着量が減少し,水深
20∼30cm附近で最も付着量が大きい(前
ユ,000
項参照).1961年6月調査より,湾東部’(st.
13)と湾内部(st.26)のムラサキイガイ
lo 20 50 40 so 60 70 80 go
の水深劉殻長島個体高頻度分布と,ムラサ
二二 (mm)
第28図 佐世保湾内の灯浮標に付着していたム
ラサギイガイの殻長駆個体数頻度分布
キイガイとヵンザシゴヵイの個体数と重量
(1961. W)
の垂直分布を第29図に示す.
この水域の灯浮標では,カンザシゴカイ
49
海産汚損付着生物の生態学的研究
はムラサキイガイよりも早く付着している場合が多い.ヵンザシゴヵイが大きな群で付着
している灯浮標の表層近くでは,カンザシ群は棚状の形となっているので,この上部に多量
のムラサキイガイが付着し,これが増大すると下にあるヵンザシゴヵイは被覆されて死亡
St. 26
St. 13
O一 15 em
』爵
500
100
ijoo
5一 10 cm
個 100
体 数
500
200
100
100
巧・50en
巧・20c皿
100
ユoo
lo 20 JO 40 50 60 70
10 20 う。 轟0 50 60 70 80
殻長 (mm)
殼長 (mm)
●’
.,
6,000
u
依9)
5
2
1
、
、
、、覧
5
b・....
O−5 5−10 10−is 15−50
水深(cm)
O−15 15−20
水深 (cm)
第29図 佐世保湾内灯浮標に付着していたムラサキイガイの水深別,殻門別個体
数頻度の分布(上図),各水深における1,000cm2当りのムラサキイガ
イの重量(○一〇)と個体数(○…○), ならびにカソザシゴカイの重
量(●一・一●) (下図) (1961.W)
量
、亀
。,
1,000
.ノ●
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6 ・,
.,
2,000
、
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コ 6
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2、
U,ooo
ノノ も
個体数
5,000
7
重
.,
7,000
武
50
梶 原
個体が多くなる. しかし水深10cm以深では高密度群のカソザシゴカイにより,ムラサ
キイガイの付着が阻止されているようである.
両者の垂直分布における関係では,ムラサキイガイ群は表層部に付着場所を局限され,
密度を高める結果ともなっている.
iii.シロボヤの生態
シロボヤは世界の温水域に広『く分布しており,この分布には船舶による運搬が大きな役
割をなしたと考えられている88).我国では本州,四国,九州の沿岸に普通にみられる.
この筋膜体は食用になるが利用されていない.むしろ養殖業では設置物の浮力を減じ,
養殖生物の成長を阻害する加害生物となっている.また沿岸底曳網漁業の作業妨害となる
こともある***.
佐世保湾では,分布の中心域は外湾水勢力の弱くなる中間水域にある.筆者はこの水域
にある崎辺浦で,1958年より1961にかけて浸漬網や筏等に付着したシロボヤの生態を観察
し,また2・3の生態実験をおこなった.
a.付 無期
1ヵ月間浸漬網のシμボヤの体長は,各月とも5mm以下であるから,各,月の2・’3カ
月浸漬網の5mm以下個体も付着後1カ月以内であろう.第18表に各,月の1∼3ヵ月網の
5mm以下の個体数を示す.これより付着期は晩春から初冬まで続き,盛期が初夏(5∼
6,月)と秋(10∼11月)であるのがわかる.ここでは初夏の付着群を初夏世代,秋のを秋
世代と呼ぶ.
水温の高い夏は産卵数の減少による付着の衰退期,冬は産卵休止による付着休止期とみ
られる,
さらにこの表で,1カ月網におけるよりも2・3カ月網で付着期間が長く,各月の付着
・数も多くなっている.1ヵ月以上浸漬した網では,付着ヌタが幼生の付着を有利にしてい
ること,さらに先着生物の体側にも付着しており,多少とも付着場所が拡大されているこ
と等による.しかし生物量が多くなると,場所の狭隆,先着生物による幼生の捕食等で生
物量が少ない時よわも付着数が減少することもあるだろう.3カ月網の付着数が2カ月網
よつも少ないのは,かかる影響のあらわれと考えられる.
b.産 卵 期
米国では6∼9月が産卵期である66).我国では,平井■4)が室内の放卵実験より産卵期
は初夏であるとしている.しかし筆者は佐世保湾,長崎湾の個体で,室内でも初夏と秋
(水温19∼22QC)に放卵するのを観察した.
水温200C前後で,直訴後約2昼夜で幼生は付着する.浮游幼生期間が短いから上記の
付着期は産卵期とみなされる.
室内の放卵実験で放毒した最小個体の体長は30∼35mm,体重は10∼159であった.
この大きさには後述の如く付着後3∼4ヵ月で達する.
最小成体になるまでの付着後の時間と死亡期(後述)より,初蔓世代群は同年の秋の主産
卵群となり,また翌年の4∼5月にも産卵するが,初夏の産卵盛期の主産卵群は前年の秋
世代群であるとみられる.
*** 大村湾では1960年,底曳網にシロボヤが多量に入惜し操業を著るしく妨害した.’
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B。
51
海産汚損付着生物の生態学的研究
武
52
梶 原
c.成長及び寿命
2・3カ.月網の付着個体の体長組成を第19表に,より長い生育期間群の体長組成を第20
表に示す.第20表の試料1と皿は1960年初夏世代群上に同年の秋世代群が付着したもので
ある.試料皿は’,1960年の秋世代群上に1961年初夏世代群が付着し,前者群の下には少数
の1960年初夏世代個体が残っていた.
これらの表から,同一生育期間でも体長変異が大きいこと,生育期間が長くなる程変異
も大きく,また初夏世代群は秋世代群よりも体長の成長が良いこと等がわかる.
この二つの表から推定した生育期間別の体長範囲と,世代別での平均体長を第21表に示す.
第19表 2・3カ月間浸漬網に付’着していたシロボヤの体長組成
\壁)
体長 採集年月
(mm)
2
3
’盟81響’器9翌計
1『591器9’『601騙0計
5
525
ユ76
4,619
L38
5,358
986
133
1,970
1
3,090
5・ 一 10
95
89
617
23
824
199
20
976
13
1,208
IO 一 20
54
702
9
765
199
24
1,327
16
1,566
20 一 30
9
99
6
114
28
30
636
21
715
30 一一 40
2
35
3
40
16
53
274
46
389
6
1
31
163
55
250
6
28
5
39
297
5,374
157
7,257
6
40 一 50
50 一 60
620
計
330
79
6,078
7,107
1,429
第20表 3ヵ月間以上の浸漬物に付着していたシロボヤの体長組成
基
盤
皿一一 18
シュロ綱
(径3cm)
rv
採集年月
1961
皿
た年月
試料翻Ii
皿
付着し
1961
1961
1961
V 一一一一 31
va 一一一 19
10−12
ll−13
(〃)
(〃)
\生育期簡(月)
×
体長(mm)\
鴨一欄
70 一一一 80
80 一 90
90 一一 100
100 一 110
2
110 一 120
計
49 1
i8 1
巨04
1960
91
﹁⊥4∩6ロ﹂へ◎−占
60 一 70
,1
豫
50 一一 60
6−8
9
VII 一一・19
ビニールロー
プ(径lcm)
v
W
1961
1961
W−19
W−19
シュロ綱 石
(径3cm) (6×6× 8cm)
S3
海産汚損付着生物の生態学的研究
一\生育期間(月)
体長(;諭\ 2−4
10 一 20
50 一 60
60 一一 70
70 一 80
80 一 90
90 一 100
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計
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5∩bQ︾︻ノ噌¶⊥
X−xu
30 1
−み
﹂◎
28
つ 2︶2
124
30 一・ 40
40 一 50
︵020n◎84・︵∠
20 一一・ 30
7−9
7 一一 9
−ゐ∩∠4︹∠
2
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Q9◎O︻∠−∴■⊥
一 10
1960
6−8
79 i
3−4
3 一一 4
60 一
70 一
計
P8
,4 1
,4 1
4︵
4 ︻1
Q74
∠ 50 一一一
︵◎34Q︶746◎
40 一
10
S1一1
rv−v
30 一
︵∠︵∠2
1961
0
10
20
30
40
50
60
70
8
ユ0−
20 一一
3−4
32
第21表 シロボヤの付着後の体長成長
生育期間 (月)
2
3
4−5
6−7
8−9
10 一一一 12
5 一20
20へ50
40−60
60−80
70 一一 100
90−110
平均体長 初夏付着世代
13.7
37.3
52.7
77.2
91.0
秋付着世代
13.1
31.1
45,9
65.0
80.8
体長範囲 (mm)
(mm)
1
5
107.5
付着後1カ月以内の個体の体重は0・19以下である.第30図に2∼4ヵ月浸漬網の付着
個体の体長と体重との関係を示す.同一体長でも生育期間の長い個体の体重が大きいのは,
体長成長が増重に先行するためであろう.
より長期間の生育群の体長と体重の関係を第31図に示す.1960年初夏世代群を1961年2
月に測定した(1)では,体長一体重の関係は直線的であるが,同群の5月(皿)では体重
の減少がおこり.大型個体は死亡直前の状態であった.この群は,7月(凹)には大部分
武
S4
梶 原
界!。’11
工
潤@50 40
D/
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10
11
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重
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’
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20
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体
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’
’
ざ
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50
50
60
体 長 (mm)
第30図 シロボ’やの体長一体重の関係
1 2ヵ月間浸漬網付着群, ll;3ヵ月網群, ㎜’;4ヵ月網群
が死滅し,生残の少数個体も『
死亡直前であった.1960年秋
工
100
世代群では,1961年2月(1’)
から5月(皿’)にかけて,体
90
体
80
1工
長・体重の成長はかなり順調
ρ・、
であるが,7月(皿’)までの間
ノ ㌦q
重
’
7
d
(g) 60
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メ
ノ ノ
Y
△ 粟
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@ @ @ @ w/勉%
’
,二’メ
〆 19
50
10
体重の増加率は5月よりも減
少している.これは5∼6月
o’
エエヱ
一う。
20
には体長は大巾に成長したが,
b
秋世代群の成長(特に体重)
は初夏世代群に比して劣って
いる.秋世代群は付着して2
∼3カ,月後には冬期になり,
冬期の水温低下による新陳代
謝の減退(第33図参照), 餌
料となるDetritus量の減少
lo 20 50 40 so 6a 70 80 go’ loo no
(第11図参照)等,初夏世代
群よりも不利な生育期を経過
体長(mm)
シロボヤの体長一体重の関係
第31図
初夏付着世代群
1 生育期間 6∼8ヵ月
10ん12ヵ月
皿 〃
皿 〃
ll∼13ヵ月
秋 付着世代群
2∼4ヵ月
It; 11
皿t 〃
6∼8ヵ月
皿’ 〃
が産卵期であったからである.
7∼9ヵ月
するからである.
河原33)は,本種は短生命
であり,10,月に多数死亡する
という.佐世保湾では第31図
から明らかな如く,初夏世
代群は翌年の5∼6月に死亡
55
海産汚損付着生物の生態学的研究
する.また9∼10Mzも死亡がみられるが,これは前年の秋世代群の死であろう.二種の
寿命は約1年間と推定される.
d.付着及び生育に好適な水深層
第18表の各月水深別付着数では,2・3ヵ月網のO・一1m層にも多く付着している
が,1カ月網ではこの層の付着数は少ない.各網の付着月の頻度は,表層よりも2m以深
が大きい.
1∼3カE網の各月水深別の総付着数と総重量を示した第22表では,各網とも多くの月
で,2m以深の付着量が表層よりも大きくなっている.重量の大きい生育の良好な層は3
ヵ月網では2カ月網におけるよりも少し深くなっている.
3カ月網に付着した初夏世代群(1960年4∼7月)と秋世代群(1959年10月∼1960年1
月)の,水深別の体長別個体数頻度と体長別重量を第32図に示す.これでは両者とも,
4∼7m層が最も生育が良い.
以上からシロボヤの付着及び生育に好適な水深は2m以深で,特に付着後3カ,月間まで
の生育の良い層は4∼7mであるといえる.
15gx一〔60工
t60 TV 一 VII
200
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40
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4−5皿,、
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4−5m
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重 量
1卜8QO8
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個体数
8
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1ト80;
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0。1皿
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’ ●
20
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・ ・
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40
F
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15−200
●8
唇r800
1
唱
lo う0 50 70
f本 長: (mm)
第32図
ユ0 50 50 70
体長(mm)
3ヵ月間浸潰網におけるシロボヤの,水深別体長別
個体数頻度分布と体長別重量分布
e.生残率及び増重率
浸漬網の付着群について付着後3カ月までの世代別生残率と三重率を整理して第23表に
示す.両者の率は,ともに初夏世代が秋世代よりも大きい.これは生育時の環境条件の違い
と,1959年には秋世代群の付着密度が初夏世代群のそれよりもかなり高いこと等によるの
であろう.また両世代とも3ヵ月目が2カ月目よりも生残率が大きくなり個体数は安定しつ
56
梶 原 武
第22表 1∼3ヵ月間浸漬網に付着していた
\\\\年月
ロ ペ
\ ’\
1959
VI
VII
x
VIII IX
VI
VII ・
り乙︶
4
0・︵
﹂1⊥︶
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・4
0
︵
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3︶
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0フ︶
1
ワー︶
(221)
7’. 3
(57)
2︶
31.5
(860)
1
(58)
41.1
607.1
(233)
(85)
* 網流失
第23表
シロボや群の付着後3ヵ月間の生残率と増重率
IX
節
IV 一 剛
季
1959
年
2ヵ月/1ヵ月
3ヵ月12ヵ月
生残
O.68
増重率1
7.0
生残率・
1.00
増重率
18.8
1960
1958
ユ.00
70.0
1
・
00
24 4
・
O.91
6.0
O.39
12.8
1959
O.56
19.1
O.73
8.4
L
つ﹂︶
401.2
ζ﹂︶
1 (616)
10.2
・
2
1・2
li 4g.1
1 4
1 (2i)
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計器膓脇
∩フ︶
1 (298gB3‘gs’SiBgi4;1
6﹁上︶
227.4
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10.0
﹂−
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20.0
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45.5
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(45)
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∩フー⊥ 8り乙
13.5
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1
4.4
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OOにUーワσ
(27)
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−︵
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︻﹂︶
0︵
41.9
(297)
*
15.7
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﹁﹂00 ーユ00
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10.6
(143)
3
0。1
33.2
(518)
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0︵
−︶
・3
4〆0
5.9
(102)
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︵
7︶
に﹂!0
︵
4
︶
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QQ
︶
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10.3
(265)
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・り0
8︶
7.4
(112)
−⊥︶
13.9
(116)
111ゐ
・0乙
ワf︶
010
136
︵
0・31
0ーユ
6︶
●1
*
*
1.6
(25)
*! *
0︶ ﹃﹂︶
・0
1噌馳⊥
2
︶
36
︶ ・
2︶ 2
︶
・︵
4 6︵
7
・
1︵ 26
︵ ・3
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3︶
0︵
に﹂ 7
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・7
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1 3 4 4U
2
2
︶
01 0
・1
︵
つ0︶
雪⊥9
0乙︵
01
ーユ弓乙
つ0︶
つ乙 0 3ヵ月
V
IV
III
・つ0
ウ︶
8
0・︵
・︻﹂
6−71
計
II
1
1つ乙
︵
■−
︵U︵
。﹁﹁V
一
・に﹂
1
2
︶
・4
0
︵
4−51
3︶ ワ・ー6︶
つ乙︶ −︶
4︵ 440︵ 2
3
︵
・ワ︷
41⊥﹂1⊥
2−3
−⊥︶
O−1
XII
つ乙︶ 4︶ 3︶ 4︶
QQ
。1 ・4
0︵ O・︵
1り乙
り乙︶
3
4
0・︵
0・︵
’1
計
2ヵ月
XI
*
−←つ﹂ζ﹂7
1ヵ月
0り乙4ムU
騨へ水齢
1958
平 均
O.60
ユ5.0
O,78
10.1
57
海産汚損付着生物の生態学的研究
();個体数
シロボヤの月別個体数と重量(g)
1960
X
IX
VIII
XI
XII
VI
VIII
VII
重
二
個体二
合
二
合 計
3.9
66
12.5
1,287
12,5
583
0︵
11.9
328
●1
0︵
40.8
2,266
98.2
2,152
483.6
2,173
343.4
1,820
211.6
1,607
−︶
●1
0︵
イー⊥︶
41よ︶
﹂置工︶
G︵
璽1
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勝
(9)1 (13)
1矧
り乙︵
17.sl
O.11 2.0
り乙に﹂
︻﹂︶
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(10)1 (18)
(5)
O.41 2.4
9.0
(8)1 (’17)
(7)
つ乙︶
0ーユ
3
∼
・つ乙
(1,821)
52.8
186.3
(47)
(26)
66.7
374.8
(39)
(46)
7︶
(1,900)
1,951
(1)
ζ﹂㍉ノ
(1,653)
101.8 3,081.6
2.4
(10)
︻﹂︶
(258)
1,667
41.6
(20)
54.31
(35)
458.4
(51)
1,136.81 7,752
982.1
20,4
0
0・1
0・0101
(157)
1!hU
6,158.6
8︶
。7
2,309.1
0フに﹂
484.0
・ワー
157.3
つ乙−
152.3
2︶ 6︶
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︵∪︶
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0︶ 0・︶
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2
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2
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・2
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7︵
1
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9∠U
・り乙
つム︶
り43 0/37〆0
ワ8!0 4〆0 ∠U4
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3︵
1
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(27)1 (56)
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(2,567)
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18.2
(142)
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(12)
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(564)
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(54)
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378.6
4︶
●−
13.0
(105)
1,3
!0︵
(19)
(2,068)
(1,710)
∩フ︶
141.8
29.7
(20)
●1
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57.2
(6)
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O.5
(246)
6.7
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︶
・0
0つ乙
3
︵
(18)
6.9
23.2
13.5
IV
引
O,6
(12)
(516)
3.2
22.3
157.3
(10)
8.6
(220)
(345)
(11)
(15)
(5)
6.8
(’125)
O.4
(1,246)
可上2
(9)
10.7
III
(60)
凶仕︶
0ノ︶
13,8
3.5
・∩フ
9
0・1
(11)
・つ0
り乙︶ 4︶
0︵ 0︵
。∩フ
4︶ 5・︶
0
0︵ 0
1
16.6
II
1
(14)
52.9
4,392,7
2,569
3,857.8
2,212
12,314,2
8,399
(5)
63.2
(5)
一1 1.71 lg4.2!i,061.li 220.3
(141)1 (133)
(32)
(25)
つある.両世代をこみにした付着全個体が,3ヵ月後まで生残する割合は約50%である.
増戸率は3カ月目は2カ,月目より低下している.
f.低塩素量海水に対する耐性
産卵期のシロボヤを塩素量19%。から5%までの各濃度海水で飼育すると,第24表の如く
14%以下の海水中では放著しない.さらに自家受精卵を上記と同様に,塩素量の異なる
海水(水温18。C)で飼育すると,付着まで進むのは第25表の如く15%o以上の海水中であ
った.これ以下の塩素量海水中では12時間以内に卵の状態で死亡していた.
付着個体の活力の指標として酸素消費量を測定した.第33図の如く塩素:量1ε%海水中で
武
58
梶 原
第24表 種々の塩素量濃度の海水中におけるシロボや放卵の有無
1961−W−21(水温 18,0。C)
年 月 日
11.9 一 11.0
10.9 一一 IO.0
9.9 一 9.0
5.9 一一 5.0
第25表 種々の塩素量の海水中
O.5
でのシロボや卵の発育
状態(水温18。C)
塩素量
(%o)
11.0
10.0
9.0
5.0
0 0
12.0
o
o
3 ユ
ユ3.0
δ
14.0
(.
キ﹄\bのOH\り。︶
15.0
q4
0
16.0
(%)
11←−⊥−よ一←
17,0
死亡数
(%)
11⊥−←
18.0
付着数
十十十十
12.9 一一 12.0
放 卵
(g)
58
07
56
75
04
84
554
03
5
56
13.9 ・一 13.0
体 重
07
87
87
47
00
8
80
70
74
74
70
7
15.9 一一 15.0
14.9 一一一 14.0
体 長
(mm)
十十十十十
16.9 一 16.0
(g)
費量
素 消8
1
0
00
56
02
8
9
9
30
60
96
5酸2
6
5
1
0 0 043
700
73
60
00
00
0 QO
27
69
09
87
49
27
46
47
08
08
0
8
0
0
0
7
73000QO
OO
O5
︵∠
︵j
18.9 一d 18.0
17.9 一一 17.0
放 卵
体 重
体 長
(mm)
塩素量 (%)
196ユーV−12(水温 20.0。C)
oxx 8
:×:’L”“”’“”’ny一:.]) = ±’a18002
10
50
50
70
90
体 重(9)
第33図 塩素量18%海水中でのシロボヤの酸素消費量
の酸素消費量ぽ水温や個体の大きさにより異なる.
これを考慮して,各種の塩素量濃度の海水中で水温別体重別に酸素消費量を測定した.
この結果を第34図に示す.12∼13%の海水で酸素消費量が低下し,これ以下の塩素量で
は無呼吸状態である.充分に空気を通じながら飼育すると,水温20∼23。C,塩素量15%
以上では充分生活し得るが,12%oでは20∼30時間で,9%oでは約20時間,6%では10∼20
時間で死亡した..
以上より周年15%以下の水域,または産卵期に15%以下に度々低下する水域にはシロボ
ヤは分布し得ないといえる.
59
海産汚損付着生物の生態学的研究
六二浦では塩素量の低下は
o.ユ5
.Ss
降水によっておこる.降水に
プ \、
測結果のように2m以浅,主
,1; sss
l 蔑
O.10
に水深1mまでである.
i,iR’s. ”t
降水量と表層水鹿素量との
會∼△Si齢
関係は第35図のようにほぼ直
線的である.この図において
i.t’ 一tll
o.05
口㍉、
、
降水前の塩素:量を18%とし,
降水が水深1mまで影響した
﹃.
酸素消費量︵,主\b。9\8︶
よる塩素量:低下は第26表の観
i s}s
として計算すると,直接海に
降った水量の約3倍がこの水
口
鞠
脚
噛
ユ
噛
一
一
△■
ロム8
ミ
覧9\ゲ
口
深層までの海水の塩素量低下
に関与したことになるし’
18 ユ6 ユ4 =L2 10 8 6
シロボヤの生活可能な限界
塩 素 量(%。)
を・14%とすると,第35図よ
第34図 種々の塩素量濃度の海水中でのシロボヤの酸素消費量
○一〇;水温9∼100C,体重70∼80g,●一◎弓 ユ2。C,
り100mm以上の降水で14%
65∼110g,、△一一△ ;180C, 50∼ユOOg,, □「。一’[] ;190C,
以下となり,シロボヤの付着
40t−80g, N・・t一 ; 190C, 15・一40g,.
個体には危険となる;ノ
1
第26表 降水後の各水深層に引ける塩素量一
(降水前の表層は約18%) (崎辺浦)
観 測年 月 日
1959. V−6 1 1959. V−22 1 1959. wu−9
降雨月副v
\\ _!事量(mm)
水深(m) \\
表 層
s 1v 21 一 22
38.0
52ユ
o
15.77
15.89
O.5
16.51
16.40
W 6−9
111.2
12.31
1959. W−16
W 13 一 15
234.5
6.19
1.0
17.56
16.46
15.91
7. 60
2.0
18.03
17.34
17.81
17.79
i7.93
18.03
3.0
18.25
中 層
4.5
18.38
].8.29
18.25
18.05
底 層
9.0
18.40
18.45
18.29
18.19
観測資料から数日間内の降水量と表層海水の塩素量の低下,それが18%または14%一まで
に回復するに要した日数を整理して示したのが第27表である.数日間の降水量が100m
m以上では表層域のシロボヤの付着個体も卵や幼生も死亡の危機にさらされることにな
る.本水域ではかかる状態を招く降水は例年6∼9月の問に3∼6回ある(第28表〉’.
本水域では表層域のシロボヤ,特に初夏世代の表層付着群の付着生育は,降・水の影響
武
60
梶 原
第28表 1956∼1960年間に表層海
せた降雨(崎辺浦)
(mm)
にす数
%復日
胸量㈲
降水量
18%に回 14
復する日
数
降雨年月日
降雨量
(mm)
1956. W 28一
30−100 17−1411 一 3
100−150
14 一・ 10 i 2 一 5
1一一2
180−300
10一 715−8
3−4
VII 16
V皿 27−30
pt 13−16
pt 25
1957. rv 18−22
W s
ユ8.0
n 1−5
塩
W 9−11
●●● ● ?
量
vr 25−27
皿 3−4
e
pt 15−16
(o/o,) lo.O
6.o
e
b
1958, 皿 24−25 幽
wn 28−31
pt 10−11
ユ00 200
soo
1959. W
6一 9
降水量(mm)
刷
13一一一15
第35図 降水:量と表層水の塩素量との関係(崎辺浦)
W
17 一一一 19
をかなり大きく受けているといえる.
しかし降水は2m以深にはほとんど影響がないので,
シロボヤの死亡期における各水深での死亡とかかる降
永とは直接の関遮はないと考えられる.
1960. va 21−24
0r 3一 6
pt 11 一一 12
pt 18 一一一 19
153.2
190.8
336.7
158.5
90.6
238.0
144.5
432.3
165.5
446.5
144.4
112.0
242
433
4422
.x
台01ゐ4R︶−占 5﹁⊥5︵﹂∩﹂︵∠︵∠
皿3
1
素 叫.。
箇数
降日
水回素量を14%以下に低下さ
低下状態及び18%と14%に回
復するに要した日数(崎辺浦)
諜
第27表 降水量と表層海水塩素:量の
112.0
273.7
78.8
119.0
234.5
63.6
125,8
223.0
100.2
240・9
第3章付着生物群集の生態、特に内湾における付着生物群の分布
付着生物群集の生態については,内湾における付着生物群集の湾口より湾奥にかけて変
化する状態,群集の遷移及び付着の構造等を明らかにすることを目的として研究した。
佐世保湾と長崎湾に設置された筏や灯浮標及び繋船ブイの付着生物群を主な対象とした.
灯浮標及び繋船ブイの調査は,佐世保湾では1960年から1961年にかけて各季節に,長崎
湾では1961年から1962年にかけて1ヵ早おきにおこなった.調査結果の詳しい資料は附表
に示す.
本章では内湾における付着生物群の分布について述べ,遷移や付着の構造については第
61
海産汚損付着生物の生態学的研究
4章にゆずる.
3−1 調査方法及び調査水域の概況
佐世保湾には灯浮標とブイが約60あるが,湾東部と港内部に集中し,・湾口と湾中央部に
は十数の灯浮標が散在している.このうちから毎調査時,湾内の各水域について調査をす
るように4∼40を選定した.
長崎湾には十数の灯浮標がある.湾を湾外(湾口近くの),湾口,港口,港中央部およ
び港奥に分け’各水域に定点浮標を決め,これらを毎回調査した.
浮標浸水側面(0∼100cmの水深)より採集した生物の種類別個回数及び湿重量を,ま
た種類によっては体長・体重をも測定した.生物採集時に採集面積を測定し,さらに付着
構造も観察した.
Secebe ka]
A
一10蟹
Light buoy
Sasebo
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第36図 佐世保湾の地形,水深及び付着生物調査灯浮標の位置
武
62
転亀
キ
梶 原
ノ
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0 1,000m
O o
バ
Koyagi Sa、
go
1
129e50,
第37図 長崎湾の地形,水深及び付着生物調査灯浮標(1∼V)と
貝類遺骸の採集点(1∼20)の位置
両脚は九州北西部に位置し対馬暖流
St.工
ガく
系水が湾内に流入している.両湾とも
25
湾奥には川がある。
‘NtEbs
温 ℃
刀Cx...A
佐世保湾の地形,水深及び調査灯浮
標の位置を第36図に示す.湾はほぼ十
10
字形をしており,南北と東西は各々約
10km,大村湾とは針尾と早岐の両瀬
戸により連絡する.湾口の巾は約1km
25
,水深は55mである.湾口より針尾瀬
戸にいたる湾の南西部は水深が30∼
10
40mあり,20mの等深線は湾の中央
部まで,10m線は湾奥までのびている.
S七.V
25
一 一.
外呼水の大部分は針尾瀬戸を通って大
村湾に流入する.潮流は湾口で最も大
きく(約2knots),これより下尾瀬戸
:o
Xl r工1工VV工工IX
第38図 長崎湾の港内(st.1),湾口(st.W),湾外
(st.V)における表層(。)と10m層(・)
の水温の季節変化
に至る間はかなり早いが,湾中央部で
は湾口の1/3∼1/10に減じ,湾奥では
よりおそくなっている.湾口より湾上:
にいたる各水域の水温と塩素量の季節
63
海産汚損付着生物の生態学的研究
Sも.工
変化及び透明度の分布(第24,25,
.
.
.4S
e e ・
量
噛
︵
長崎湾は佐世保湾に比して地形
.
素
:わかる.
.
18
及び港内部になるにしたがって内
湾的性質:が強くなっていることが
● ● o ・
塩
26図参照)より,湾口から湾東部
も単調で面積も小さい.地形,水
ユ6
ユ4
深,付着生物調査浮標及び貝類遺
S七.工V
骸採集点(後述)の位置を第37図
ED
に示す.湾は地形的に神之島一高
鉾島一香焼島を結ぶ線より西の湾
18
外部とこの線より港口の神崎鼻ま
での湾口部,この内側の港内部の
ユ6
三区に分けられる.40m等深線は
湾の入口まで,20m線は港内の
鵠
ユ/3まで,10m線は奥部までのび
S七.V
ている.湾外(st.V),湾口(st.
20
IV),港内(st. Dの表層と10m
層における水温及び塩素量,透明
ユ8
度の季節変化を第38,39,40図に
._・_ 里_
示す*.長崎湾の湾外(st, V)か
16
ら港奥までの水域は,佐世保湾の
3−2 佐世保湾
s
O
O
四
ズ
ム
る.
㌔
〆’
ユ0
φ
度
の付着生物の分布にも反映してい
!ぎ
バr
ノ●
明
ている.かかる海況の違いは一郭
ヘノ
X
.叉
透 ユ5
O
く流入し,夏から秋にかけては港
会、.、.
’・
期には外貌水が港奥までかなり強
以層
伽
20
調なので湾内の潮変りが臭く,冬
灘
\蒙.
ノ∼
便
保湾よりも面積が小さく地形が単
銃
み
購
v層
第39図
内の低塩分海水が湾外まで拡がっ
ω
相当する海況を示す。しかし佐世
m蠣 獣\ビへ吋
猷
x工
工湾素
崎塩
長の
any−tL一一L一一一Z.一,一i.一一L.一..‘,di..a..一im一一
湾口部より港内中央までの水域に
臨 ☆認
1960年の4・6・9月には湾ロ
ー湾中央部一港内の線上の4∼5点
を,1960年12月には湾東部の11点
を,1961年6月には湾全域で33点
XIIII工VV工工IX
長崎湾の各水域における透明度の季節変化
第40図
○;港,内△;湾口,×;湾外
*長崎海洋気象台64’65)の資料による.St.1の表層の水温と塩素量は1947∼1959年の連続観測の
旬別累年平均.これ以外は1948∼1949年の2∼3回1月の観測による月平均.
武
64
梶 原
を調査した.ここでは1961年6月の調査資料より湾全域の付着生物の分布状態を第41図に
示す.
湾口のst.1ではアカフジツボ(Bα1αnus tintinnablum rosa)を主体に,この上に少
数のサラサフジツボ(B.α極熱7伽communis),サンカクフジツボ(B. trigo・nus),エ
ボシガイ(LePas anatifeva),ムラサキイガイ(Mツtilus eaulis)が付着していた.
富尾瀬戸入口のsts,3∼5ではアカフジツボが主体であるが,湾口部に比してこの重
量比は小さくなっている.
湾中央部では上記諸点よりもアカフジツボの割合は減少し,チゴケムシ(Wate7siPora
cuoullata),ナギサコヶムシ(Bugula「califo7nioa)カミ多くなる. またsts.6,9ではム
ラサキイガイが大きな割合を占め,この水域の他の点とは異なっていた.アカフジッボは
st.10には死殻が少数あったが, st.14より東奥部には付着していない.
湾東部では,浸漬期間が3年以下の浮標には表層から水深15cm下までムラサキイガ
イの論定が付着し,それ以深にはヵンザシゴカイ(主にカサネカンザシ)にシロボヤが混
入した群が優占であった.浸漬が5年以上の浮標では,水深10∼15cm無暗には二枚貝(ケ
ガキSaxostrea eohinata,キクザルChama sp.,エガイ Ba〆batia sp.,ナミマガシワ
Anomia lischhei,アコヤガイPinotada martensii)が多くなり,かかる浮標では貝類,
ヵンザシゴヵイ,シロボヤが代表種であった.
Sts.10,23の生物相は湾中央部より湾東部及び港内部への移行的な組成である.
港内部ではムラサキイガイとカンザシゴカイ(主にカサネカンザシ)が優占種である.
前者は表層から約15cm下までに,後者は10cm以深に大きな群となって付着している.
この水域のカンザシゴカイ群は湾東部水域のホヤ類を混入した崩れやすい群とは異なり,
他生物(主にナギサコケムシ)を僅かに混入する強固な高密度群であった.カンザシゴカ
イの付着量は,浸漬期間が2年以内の浮標では,カサネカソザシの付着盛期に浸漬した浮標
で大きく,重量比も50%以上であるが,秋から冬に浸漬した浮標ではカソザシゴカイの
割合は前者浮標におけるよりも小さく,タテジマフジツボ(B.amPhitrite haωaiiensis),
ナギサコケムシ,海藻等の割合が大きくなる.全付着生物重量も前者浮標が後者における
よりも’大きい.
以上の如く付着生物相は湾口から心奥にむかって変化しているが,この変化の仕方は地
形や海況による水域区分とほぼ対応している.
水域の区分と各区の生物相の特徴をまとめると次の如くである.
湾口部(st.1)アカフジツボ主体,エボシガイの出現.
針尾瀬戸入口(sts,3∼5)アカフジツボ主体,しかし湾口部よりも重量比は減少. ム
ラサキイガイの割合が少し増加.
湾中央部(sts.6∼9)アカフジツボの重量比は30%以下, Bryozoa (チゴケムシ,ナ
ギサコケムシ)の割合が増加.
湾奥移行部(sts.10,23)湾中央部と湾東部及び港内部との混合相.
湾東部(sts.11∼20) ムラサキイガイの割合が大きい.アカフジツボの付着は少量.
シロボヤの混入したカサネカンザシ群が3年以下浸漬浮標では代表的な生物群(水深10cm
以深),より長期浸漬浮標では二枚貝が増加.
港内部(sts・24∼38)ムラサキイガイとカサネカンザシの高密度群が代表的生物相.
65
海産汚損付着生物の生態学的研究
ヨお
融
鍛
◎・・
働・
一 op,
げ ㊥
劉
3
魯ゆ.
\甲㊧
ユヨ
鱒
醗・
ユマ
1﹂33翫
騨。・
ヨヲ
働・_●.
ほお
げヲ
⑲
㌔欝,
⊥嚇●
磯旛
−㊥
ジー﹄⑳.
り
ヨリ
飾鰯癒
◎一一
◎一一
〇画一
難
◎ 一999
,
WEIGHT 〔G) OF FOULING
ORGANISMS PER 1幽OOOCM2
一
〇 1,000鴨72尺
2
一妬
蒔
1
O
第41図 佐世保湾内灯浮標付着生物の種類別重量比 大円外の数字は採集点
番号,円内の数字は灯浮標を浸漬した月,円外の黒丸の位置で浸潰期間
(年・月)を示す.各種類の記号は下の如し
YY海藻,避Hydroida, iiiii S erpula (Hydroides norvegica. Serpula
vermiculαris), 丑他のPolychaeta,[iXil.Bugula neritina, B. californica,
888蜘伽485ゴα・sava・tii’昭・彦・・蜘αCt¢cu〃・ta・ 圏.1吻”%3θ4噛
田ヨ他の Bivalvi a,‡はBalanus tintinnabulum rosa,
≡B.〃ig・鷹 圏B.・吻襯彦・h側a伽・i・, ・≡≡B. a.・伽勉禰・
i Am・hi・楽・S・h・er・mid…B・a・鵬《伽癩幡
1 H St yela lblicata・
怐轣B。5・
一一一・
武
66
梶 原
針尾瀬戸入口
湾 口
海
浸 漬 期 間
(年 一.月)
採 集 点 数
Bryozoa
Polychaeta
Other organisms
計
1
1−91(平均)
2
6
5
3
0
1
1
3
2.3
3
2
1
1
1.5
ユ.3
ユ.5
1.3
11
(平均)
1
4
2
1
0
4−2
s,g 1 ls
024.4︵∠ハ∠︵∠
Bivalvia
1
央
2 一一一 s13−s
う畠1つ9’42ハ∠−ゐ
, Cirripedia
O−6
∩︶−占10■←﹁⊥−←
Crustacea
(except Cirripedia)
3一一6
0﹁⊥3■⊥︵︶﹁⊥0
Ascidiacea
区
区
中
第29表 佐世保湾内の各水域にお
2
2
4.5
3
2.5
1.5
3.5
19
16
1.5
1.7
4
3.5
2.2
1,7
2.5
i7.1
第30表 佐世保湾内の各水域における代表的な付着生物鳥
代
海 区
表
湾 口 区
Balanus tintinnabutum rosa, Mytilus edulis, LePas anatijera, B. trigonus
針尾瀬戸入口区
B. t. rosa, M. eduZis・一一B. trigonus ・一B. amphitrti・e communis
中 央 区
?
種
B. t. rosa一一M, edulis, Buguga californica, Matersi.Xora cucullata,
Elydroides norvegica, B. a, commanis
ff. norvegica−Styela Plicata, M.
移 行 区
edulis, B. a. communis一一一Saxostrett
ecbinata 一B“. californica
区
東
M・ ed“”s・ H・ no’veg’ca・ S・伽彦α・Ne’e’s sp・・Bα
瀦]αsp・一
B. a. hawaiiensis
区
港
M, edulis, IT. norvegica, B. a. hawaiiensis, Bu. californica
一;出現頻度及び量の等価を示す
次に水域別に種類数を類劉にまとめて示すと第29表の如くとなる.種類数は湾奥移行区
で最も多く,これより東区や港区へと,また湾中央区,針尾瀬戸入口,湾口区へと減少す
る.この減少度は港奥へよりも湾口にむかってが大きくなる.しかしフジツボ類は中央区
で最も多く,湾口区での減少度は港区や東区でのそれよりも小さい.ホヤ類と二枚貝は区
’間での種類数の変動が大きい.二枚貝は同一区内でも浸漬期間が長くなると種類数が増す.
各区での種類別出現頻度と重量や重量比より,各区での代表的な種類を上位から下位へ
の順にあげたのが第30表である.
67
海産汚損付着生物の生態学的研究畠
区
港
区
東
区
ける付着生物群組成種類数
行
移
・一・15−1・1(平均)・一93 一一・15−61(平均)・・… 6 i・一613一・1(平均)
1
2
1
4
3
1
8
13
1
・巨5
3
3
3
1.7
3
2.7
2.3
o
O.9
3
ユ.0
2
2
2
1.5
1
2
1.6
1
1.2
1
1.1
2
3
2.5
1
1
2
1,4
1
1.5
2
1,5
3
7
5
5.3
4
7.3
5.9
1
3,5
2
3,2
2
2
2
1
o
1.3
1.0
1
L1
o
1.0
4
3
3.5
3
3
3.7
3.3
2
2.6
3
2,6
2
4
3
O.8
2
1.3
1.1
﹂−
1.2
2
1.3
1s 1 24 i 21,0 1 14.3
142・・31・6・6/・7い2….ド副…7
湾
崎
3一一 3 長
長崎湾における付着生物群の分布を種類別の重量比で1961年11月,1962年2,月,5月,
6月の調査時について示したのが,それぞれ第42図の1,2,3および4である.
@一一 @ 0’
999
WEIGUT (Gl
v
(),
1961 tVOVEMBER
e
響
第42図の1
Iir
エと
竃
o偽
5,000 5,000
㊨
エソ
1,000 2,999
/
長崎湾内灯浮標の付着生物の種類別重量比1961年11月の調査
(説明は第41図と同じ)
武
68
梶 原
’
へ臥
/962 1=∠≡βノくUARγ
,IV
盤●
ee
。偽
・盤
⑬
o e
エエエ
/
第42図の2 同じく1962年2月の調査
1962 〃ハy
マ●
:
鍛
エエエ
“
e
ρ轟・
O
E
も es
/
』第42図の3 同じく1962年5月の調査
69
海産汚損付着生物の生態学的研究
1962 Ju/VE
の
L’ e
‘cl>
エ ㊥・
“
の
e
◎ 働
一i>〈iSSf”t
第42図の4 同じく1962年6月の調査
湾外のst.V灯標では1961年11月にはアカフジツボが主体で,この上にチゴケムシ,
アミメヒダコケムシ,カンザシゴカイの群塊が付着していた.この灯標は1962年1月に交
換された.新灯標には2月頃よりアカフジツボが付着し始め,6,月にはかなりの群に成長
した.6月にはチゴケムシ,アミメヒダコケムシはまだ付着していない.
湾口のst.IVでは,1961年11月から1962年6月まででは組成種類に変化はないが,種
類別の重量比は月により多少変っている.2月は採集場所が適:当でなかったので,全重量
及びアカフジツボとシロボヤの量比が11月よりも小さくなっている.6,月の全重量が5,月よ
りも減少しているのは,シロボヤの死亡に伴うカンザシゴカイ群の崩壊脱落のためである.
各月ともst.Vよりもアカフジツボ,サンカクフジツボの比率が小さくなり,カンザシゴ
カイ,シロボヤ,貝類の割合が大きくなっている.
港口のst.皿は,st.IVに各月とも組成種類はよく似ている.後者よりもカンザシゴカ
イ,イソメ(Eunicidae ,種名不詳),ムラサキイガイが多くなり,アカフジツボとシロボ
ヤが減少する. アカフジッボはこれより港奥には殆んど付着していない. ユウレイボヤ
(Ciona intestinαlis)はst,皿には少数付着しているが湾口区にはみられなかった.
港奥のst.1ではカンザシゴカイとムラサキイガイの重量比が大きい.2月にはカンザ
シゴカイの厚い群が全面に付着し,この下にはタテジマフジツボの死骸があった.また上
にはシロボヤ, ユウレイボヤ, ウミセミ (Cymodoce jαPonicα),ヒバリガイモドキ
(Hormomya mutabilis),耳ydroida等が付着していた.5月には表層部にムラサキイガ
イが多数付着した.またホヤ類が:噌加した.しかしこのホヤは,死亡直前のものが大部分
で,すでに死亡分解したものもあり,カンザシゴカイはこのために崩れやすい状態であっ
た.6月下旬は,表層部はムラサキイガイにおおわれ,水深15cm以深では5月のホヤ類
の死亡でカンザシゴカイ群の大部分が脱落し,この跡に早くも新しいカンザシ群が付着し
武
70
梶 原:
区
皿
長崎湾の各水域における
第3俵
1
海
ユ962
採集年月 日
皿一13
浸 漬 期 間
5年以上
B ryozoa
Polychaeta
Other organisms
1 i,
19
13
14
22
−凸︵∠︵∠41ゐRV︵﹂
Bivalvia
!!
3Q︶23︵∠45
Cirripedja
皿一一13
1!
1!・
−←2■←404︵∠
(except Cirripedia)
11
1!
1962
1961 1 1961
0r 一一・ 3 1 M一 3
■⊥︵∠031←4
︵∠︵∠﹁⊥ハ﹂︵∠42
Ascidiacea
Crustacea
計
櫻4脇
3213244
(年一月目
E
18
第32表 長崎湾内の各水域における代表的付着生物群
海 区
代
表
種
B. t. rosa, L.anatifera 一 M,eduZis, B. trigonus 一 Bugula neritina 一
湾外区
湾口区
H, norvegica, Acanthodesia savartii 一 M.cucullata
H. norvegica, B. t. rosa, M. edulis, Hormomya mutabilis, S. plicata
H. raorvegica, M, edulis, E unicidae, Barbatia sp., Actiniidae,
港口二
S. plicata, B. a. hawaiiensis 一 Hydroida 一 Cymodoce 」’oponica
H, norvegica, M’ D edulis, Hydroida, Ciona intestinalis 一 S. pZicata 一
二奥区
Cynzodoce J’aPonica, Barbatia sp, 一 Eunicidae 一 Brachidontes senhousia’
ていた.st.1はst.皿よりもカンザシゴカイとムラサキイガイの割合が大きい.ホト
ト.ギス(Brachia・ntes・senhousia)はst.1にだけ付着していた.
各点の付着生物群の重量は,秋から冬には港内より湾口になるにしたがって:噌大し,初
夏から夏は逆になっている.これは季節によるムラサキイガイ,カンザシゴカイ,ホヤ類
の港内における変動に関連した現象である.
各点ρ種類数は湾口と港口で多く,湾外と港奥では減少している(第31表).種類数が
佐世保湾と同様に湾の中央部で最も多いのは,この附近に外回鮨種と内湾樹種が共に付着
するからである.
各点を地形により分けた海区と対応させ,各区における代表的な種類を上位より下位の
順に示すと第32表の如くになる.
71
海産汚損付着生物の生態学的研究
rv
付着生物群組成種類数
v
1 一一一 6
1−7
1−8
O−2
O一一5
O 一一 6
1
1
2
1
o
o
2
’i 一 o
1/
5
1
17
第4章
,s 1
1
22
3
∩∠0
,g 1
4
7
3
33
3
43
,s 1
3
0つ﹂つ︶
2
3
Q︾4
2424
2
23
2
1−2
i5 i
o
1
■⊥つ﹂3
196ユ 1962
XI一 3 1 il 一13
0∩︶0
OOO
1962
W一一26
へ乙︵∠
1g62 1 lg62
皿一・3iv−24
504
1961
M−3
﹁⊥りρ
潭14膳6
1962
V一一24
1
1
1
2
1
2
0
8
12
1
3
論 議 及 び 考 察
以上の結果についての論議と若干の考察をおこなう.
4−1
付着ヌタと付着生物との関係
付着微細物(Slime)と付着生物との関係は,基盤の浸漬初期と浸漬期間がかなり経過
した後とでは,両者の関係が異なる場合がある.
従来,主として論じられたのは,両者の関係中で浸漬初期の微細物がfilm状である時に
おける幼生付着との関係であった.基盤が浸漬されると,生物が付着する前に基盤上には
Slime filmが形成される.ZoB肌L等98)によると,これは基盤面の性質を物理的化学的電
気的に変え,またこれが幼生の餌料ともなって,幼生の付着を助けるとしている.しかし
MILLER等54)は塗装板ではSlimeと塗料の基質成分との関係で,幼生の付着を促進させ
たり,逆に阻止する場合もあることを述べている.だが,一般にはSlime filmは幼生の
付着に有利に作用すると考えられている*■5・9の.
浸漬期間が長期間となり,付着微細物がBacteriaや付着性Diatomを主体として,
かなりの量になると生物の付着を阻止する77・9■).船底や水路内ではこれは防除の役割と
なるが,養殖業では被害となっている.
崎辺浦で実験した網の場合のように,Detritusを主組成とする付着ヌタでも生物の付着
に有利に作用したとみられる場合がある40). また網では生物の付着が始まると付着ヌタ
* Slimeの作用と同時にカキやフジツボの幼生では,幼生の付着時における群居性によっても付
着が促進される42).
武
72
梶 原
の形成は,海水中のDetritusの量よりも付着した生物の種類や量に左右される.浸漬当
初の1カ,月間では生物はヌタ付着を助長するが,2ヵ月以上になるとむしろ阻止的な作用
をした.初期での助長作用の大きいものに,棲野性のAmphipodsがある.これはヌタを
tubeの材料としていることにより,この作用が大きい,またかかるAmphipodsはヌタを
固着させる作用も大きい.BARNARD■)は濁度が大きく, しかも充分な溶在酸素のある内
湾では棲管性Amphipodsと管を作らない多毛類が代表種となり,これらによって作ら
れた厚いtubeやヌタの層は他の付着生物や穿孔性動物の付着を阻止するという.貯木
場では,検討されてよい現象である. しかしヌタを固着させるAmphipodsの作用はノ
リやワカメ漁場では被害をもたらすことがある24).
濁度が大きくしかもカソザシゴカイの多い水域では,水平に浸漬した板上に多量のヌタ
が沈積する.九州北西水域ではこのような内湾域も真珠養殖漁場としてかなり利用されて
いる.かかる漁場では縦型籠が横型籠よりもヌタによる被害は少ないであろう.また貝掃除
は初夏から秋のカソザシゴカイの成長の旺盛な期間には,1カ,月間に1回おこなうのが望
ましい.これはカソザシゴカイの除去と同時にヌタ沈積による被害を防ぐためにでもある.
湖沼の付着微細物について研究したNEwcoMBE67・68)は,湖沼では付着量はSeston
量に比例し,その有機物量は水塊の生産力と相関するとしている.しかしこれらについて
は,海ではかなりの問題がある.まず付着量がSeston量に比例するのは,生物の付着しな
いごく短期間の浸漬の場合と考えられるが,板状基盤では付着物の流失があるので,流失
の少ない短繊維の吸水性の大きい糸で作った目のあらい布を使用することが考えられる.
しかし,第1章の結果からは,海では浸漬期間が1ヵ月以上になると基盤の種類にかか
わらず,付着量がSeston量に比例することは殆んどないものと考えられる.
4−2 付着生物の付着及び生育と基盤との関係
同じ環境条件でしかも毒物塗装のない基盤上でも,基盤の性状によって生物相が異なる.
それは基盤の色や大きさ,面の組織及び浸漬の状態等が生物の付着や生育に影響するから
である.この影響の仕方は生物の種類により,また発育段階によっても異なる.
付着期幼生と基盤との関係は,基盤の色による反射光の刺戟や面の剛毛状の組織による
機械的刺戟が,幼生の探索行動と関連して論じられている2・92).この両刺戟は主として基
盤の生物への働きかけをとりあげたものであるが,幼生は能動的な探索行動により硬い滑
面よりも小さな凹凸や多孔性面または繊維二面に付着しやすいことも指摘されている73).
これらの点については第2章において観察結果を示した.かかることから,付着期幼生と
基盤との関係では,幼生の探索行動の大きい種類が小さい種類よりも関連性が顕著であり,
また付着期幼生の付着とでは,基盤の色や面の組織が,基盤の他の性質よりも関連が大き
いと考えられる.
さらに第2章の結果から,浸漬期間が長くなり生物量が:噌加してくると,種組成や付着量
は,主として基盤の浸漬状態や大きさ及び形により規定されている場合が多いことから,基
盤のかかる性状は生育時との関連が大きいと考えられる。
浸漬状態では水平浸漬板上面の付着ヌタと生物との関係は,この顕著な例といえる.また
試験網や板の浸漬実験で,成長に伴なって基盤面に沿って伸長するカンザシゴカイやフジ
ツボ及び塊状または板状のBryozoa等では,竹や板への付着量が網や綱におけるよりも多
海産汚損付着生物の生態学的研究
73
いのは生育過程で要求される基盤の広さと関連した現象である.またこれとは逆にシロボ
ヤやコブコケムシの如く,成長時に基盤を包みこむ種類は,板よりも網への付着が強固で昌
付着量も多い.さらに海藻やフサコケムシ,ナギサコケムシ等は,竹や板では縁部に付着
量が多く,これらよりも網や綱に付着量が多いのは,基盤の大きさや形に規定された付着
場所の潮通しの良否が関係しているものと思われる.生育時には海水との接触の仕方も重
要になる.
幼生の付着期さらに付着後の生育時における基盤との関係は,産業的な研究課題として
も重要であるが,基盤の凹凸や模様がカキやフジツボの殻を変形し,またそれらの殻上に
再現される現象は化石学においても興味をもたれている・■エ・83).
4−3 付着生物群集の遷移
ScHEER80)は内湾の付着生物群の遷移についてMytilusが最終的生物であるとしてい
るが,その移りゆきを具体的に示していない. 河原32)は個体数の増加曲線と成長曲線を
組合せた「生態現象の解析図」により優占種の発展と消滅状態を解析し得るとしている.
しかし,この方法は遷移過程で重要な生物相互の関連を解析するには,制約があると考え
られる.すなわち「解析図」は三次元となるので二種以上を同時に表現すると図が複雑に
なり,さらに優占種が死後に死骸を残さないで死滅が完結するホヤ類等には適用されるが,
死後に死骸を残すフジツボ等については死骸の付着を無視した取扱いをしなくてはならぬ
ことになる.星合工8・19・20・2エ)は潮間帯の付着生物群集では被覆が遷移過程で重要な役割
をなすことを指摘し,フジツボ,カキ,ムラサキイガイ等よりなる群集の発達過程を追求
し,ムラサキイガイが最終生物群の優占種となる経過を示している.
被覆は常時浸水高め付着生物群集においても,遷移の大きな要因であるが,しかし常時浸
水帯では潮間帯の場合と同様に死後に死骸の残る生物によるのみでなく,群体ボや等の死
後に分解する生物の被覆もある.また生物相互によらないヌタによる被覆もある.ここで
は生物相互作用のみについてみるなら,この被覆以外にも死後分解する生物により死骸の
残る生物群が崩壊される現象も遷移過程では観察される.
河原は「解析図」の表現方式を重視し,具体例としてあげたシロボヤやフサコケムシの
死亡が他生物に及ぼす影響については殆んど言及していないが,遷移に関してはかかる作
用の二二を具体的に示すことも重要であると考える.
i.筏の付着生物群集における遷移
被覆と崩壊が遷移の要因となった例として,1960年6月に崎三浦に設置した筏の浮竹に
付着した群集の遷移経過を示す。
浮竹の直径は15cmで2/3が浸水していた.この群集は1960年末にはカンザシゴカイを
主体とした群を形成していたが,1961年7月までにはごく表層部(水深0∼5cm)と水深
5∼10cmの場所ではそれぞれ異なった遷移をした.各場所での遷移経過をまとめたのが
第33表である.
遷移の概要は次の如くであった.
0∼5cm層では1961年1月にはカサネの大型とヒトエの小型よりなるカンザシゴカイ群
に少数のシロボヤとユウレイボヤが混入していた.1月から3月の間に大型のカサネとヒ
1・エは死亡し,3月にはカンザシゴカイの重量は1月の1/2に,全重量も60%に減少した.
武
原
梶
74
量%
︵
比
Mytilus edulis
Serpulid worms
C吻・〃zθ痂sinu・sα
Other organisms
250
量
(g)
高
(mm)
20−50
(e/o) ee
60
率
重三生
Serpulid worms
類
XXt“li 種
径(mm) x−g
H.**
一〇.49
0.5−O.99
虫二二
250
1.0−1,49
1.5一
2,100
計
2,350
計
s.***
L
0
r 0
DO
×
(/100 cm2)
る
Ciona intestinalis
Barnacles
63一一90一1
Stvela Plicata
生残
13
280
種 類 一
O−5
け
1
1961.
ロ ヒ
へ
重
お
年
一総重量(9!100cm2)
cm
‘に
寺
門
日
月
集
採
水深
の.
筏
第33表
2,150
2,200.
20Q
2.100
4,500
\総重量(9’100・m2)
ヘヨ ヨ ヘロ
種 径 ∼∼一一・一一∼∼
Styela blicata
Ciona intestii alis
量%
︵
重
Barnacles
比
ノ吻伽64、廊
Serpulid worms
ColPomenia simtosa
Other qrganisms
重三生
5−10
Serpulid worms
量
高
残 率
(g)
(mm)
(e/o)
“一二 穂{ 類…
管径(mm)『.一N
(/100 cm2)
一〇.49
0.5−O.99
斗体数
1.0−1.49
1 .一5一一
計
■,
虫体数/殻数:×100
** ; Ilydroides nor・vegica
75
海産汚損付着生物の生態学的研究
付 着 生物’群 集 の遷移状態(崎白藍)
1961. V l1
1961, III 31
220
10
16
1961. VII 20
271
150
10−20
20−60
25
56
39
49
に﹂︹﹂
︻﹂ζ﹂
ーワ5
1
7
4Q
ノ
1,380
1,380
S. 計
H.
.s.
50
50
1,100
34 1,134
738
65 803
530
34 564
1,160
1,16e
22
22
1,652
68 1,720
1,948
65 2,013
800
400
210
80
20
黶m61一1
1
240
13e
50−70
50−70
30−50
74
30
38
S. 計
2
158
41
20−40
曇
H.
H.
80 350
93
420
1,060
1,060
231
2,040
2,040
40
40
129
385
385
2,845
2,845
s.
33
バ
2極
270
420
二才
H.
s.
96
250
160
410
234
1,128
114
1,242
153
218
10
228
178
178
1,370
80 1,450
辮;sεrp吻加rm‘c認αr‘5
1
1
4
21
7
P0
s.
460
U119一3
61172316一
28
H:.** S.*** 費卜
H.
量ロ
一言口
H.
舌ロ
十
s.
2
128
90
20−40
H.
1925一
P0一740252
V[一8021
125
7[1444611
170
1961. VI 6’
453
30
483
1,774
284
2,058
武
76
梶 原
4月末からカサネとヒトエの新個体の付着が姶まり,5月には3,月よりも小型個体は増加
したが,大型個体の減少でカンザシゴカイの重量は減少した.しかしホヤ類の成長と3,月
に付着したフクロノリ(ColPomenia sinuosa)が浮囚の表層部全面をおおうまでになり,
この上下面にムラサキイガイが付着したので,5.月の重量は3Eの1.3倍となった。5月
中旬から下旬にかけてフクロノリの流失,ホヤ類の死亡があったがムラサキイガイとカサ
ネの成長で6月の重量は5月よりも増加した.6月中旬以後ムラサキイガイ群は急速に成
長し,カサネ群はこれに被覆され, 7,月中旬にはbyssusにつつまれた死管が少数残る
のみとなり,浮誇の表層部はムラサキイガイの単一種群となった.
浮竹の表層部では1月のカンザシゴカイを主体とした群集は,7月にはムラサキイガイ
の単独群に変った.この過程ではムラサキイガイによるヵンザシゴカイの被覆作用が大き
な役割をなした.
水深5∼10cmの場所には表層部よりもカソザシゴカイの間にホヤ類が多く付着しでい
た.1961年3月下旬にはカサネは全璽量の61%で同期の表層部におけるよりも割合は小さ
いが,重量では約2倍である.またホヤ類は全重量の28%を占め,表層部におけるよりも’
高率であった.この時のシロボヤは1960年の初夏世代群と秋世代群であり,ユウレイボヤ
は1960年の10月以降に付着した.4月になるとポや類の成長が盛んになり,5月には全重
量の80%を占めるまでになった.カンザシゴカイはホヤ類の増大により付着場所をせばめ
の
られ,この鞭ンげシゴカイは主としてホヤの体側に付着した.また大型カサネの死とホ
ヤによる圧迫による脱落で5,月のカンザシゴカイ重量は3月の1/2に減少した.この減少
率は同期の表層部におけるよりも大きい.5月中旬以降,大型シロボヤとユウレイボヤの
死亡がはじまり,これに伴なってカンザシゴカイ群は脱落崩壊した.このため6月上旬に
はシロボヤは5,月中旬の75%に,ユウレイボヤは23%oに,カンザシゴカイは31%に減少し
た.ホヤ類の死亡は6月中旬で終り,7,月には1961年の初夏世代の・シロボヤも出現し,ま
たカンザシゴカイ群の再形成がはじまり,7月下旬にはカンザシゴカイは6月上旬の約4
倍になり,全重量の70%を占めるまでになった. t
5∼10cm場所には,1960年末から1961年3月頃までの主体であったカンザシゴカイ群
が5∼6Eのホヤ類の死亡に伴なって崩壊し,その後に再びカンザシゴカイ群が形成され
る遷移をしている.
ii.内湾の各水域における付着生物群集の遷移
付着生物群集の遷移経過は,生物相の異なる水域では違っている.佐世保湾と長崎湾の
浸漬後1年から10数年経過した灯浮標やブイの側面の付着生物群集は湾口より湾奥にゆく
につれて生物相も遷移の状態も異なっていた.
両湾の各水域における付着生物群集の遷移状態は次の如くであった.
佐世保湾の港内水域の灯浮標では表層(水深0∼15cm)にはムラサキイガイが,その
以前にはカンザシゴカイの密群が代表的生物であった.ムラサキイガイは浸漬後半年から
1年後に大きな群を形成し以後は死亡と再付着を繰返しながら安定した群を形成している.
多くの場合,ムラサキイガイ群の下には被覆されたカンザシゴカイの死殻がある.またカ
ンザシゴカイ(主にカサネカンザシ)群の下にはタテジマフジツボ,サラサフジツボ,ナ
ギサコケムシが被覆されて死亡している場合が多い.被覆されている生物は初期の群集の
成員である.浸漬時期を異にした灯浮標の群集の組成より・,この水域では浸漬後約1年で
海産汚損付着生物の生態学的研究
77
ムラサキイガイとカンザシゴカイを主体とした群集になるといえる.2年以上浸漬した灯
浮標をこの水域では観察していないが,ムラサキイガイは毎年,カンザシゴカイは2∼3
年おきに再形成を繰返しながら,長期間安定な群集を保持するであろうことが他の水域と
の比較より類推される.
佐世保湾の東部水域では表層部は港内水域と同様にムラサキイガイが安定した群を形成
している.10∼15cm以深では浸漬後1年位までは,カンザシゴカイを主体にシロボヤを混
入した群であるが,前述の筏浮竹における場合と同じように,ホヤ類の死亡によるカン
ザシゴカイ群の崩壊とその後の再形成とが年々繰返されるうちに,固着性のケガキ,キク
ザル,ナミマガシワ,付着性のエガイ,アコヤガイ等の貝類が増加し,5年以上浸漬した
灯浮標では,カンザシゴカイの量比が少し低下する.この水域では浸漬期間の長短により
群集組成が異なる.
長崎湾の港内部では佐世保湾の港内部と湾東部との中間的な遷移状態が観察された.こ
こでは表層部ではムラサキイガイが主体をなし,やや深い場所では秋から春まではカンザ
シゴカイ群にシロボヤとユウレイボヤが混入した群集である。後者の場所では初夏にはホ
ヤ類が死亡し,カンザシゴカイ群は崩壊し基盤面は裸に近い状態になるが,すぐにカンザシ
ゴヵイ群の再形成が姶まる。かかる遷移が浸漬後5年以上のブイ側面で観察され,佐世保
湾東部水域の浮標における如き固着性及び付着性の貝類はごく少数であった.それ故,こ
こでは表層部ではムラサキイガイが,やや深い場所にはカンザシゴカイにホヤ類を混在し
た群集が,毎年繰返し形成されるものとみられる.
長崎湾の港口部より湾口部にかけての水域では佐世保湾の東部水域によく似た群集で,
浸漬2年以上のブイでは貝類の比重がかなり大きくなる.
佐世保湾の湾口部及び長崎湾の湾外部の灯浮標では,浸漬後1年位でアカフジツボの優占
な群集が形成される.この下にはサンカクフジツボやサラサフジツボが被覆されているこ
とがある.アカフジッボは典型的な立体構造を形成し,基盤のアカフジツボ上に2∼3段
と立体的に同種が付着している.かかる場合,最下部の個体が死亡していても上部の個体
は下部の死殻が強固なので崩れないでいる. アカフジッボ群上にはHydroida,海綿,
Bryozoa,貝類,小型フジツボが付着しているが,これらがアカフジツボ群を崩壊させて
いる形跡はみられなかった.しかし浸漬期間が2年以上になるとアカブジツボ上に付着す
る上記の種類が多くなり,新たに付着するアカフジッボは少なくなる,またアカフジツボの
死個体も増す.この状態は群集の衰退期を示すものといえるが,群集は強固なアカフジツ
ボを支柱としているので,強い機械的な外力を受けない限りは崩壊しないであろう.
以上の各水域における群集の遷移状態から,群集の代表的な生物種の形態と形成される
群の大きさにより,被覆や崩壊の作用のあらわれ:方も異なり,またこのために遷移状態も違
ってくるといえる.さらに上記の説明から,群集の代表的種類が強固な殻をもつか否か,
その個体の大小,それにより形成される群の大きさの三者は,遷移と関野の深い形質であ
ることがわかる.
4−4 付着生物の類型
i.生活型による分類
付着生物とは基盤を生活場所のよりどころとして,この上に固着または付着して生活し
ているBacteriaやDiatom等の顕微鏡的な大きさの生物から肉眼的な海藻類や動物を
武
78
梶 原
含めた総称といえる.本論丈で取扱う付着生物は産業面においては「汚損生物」と呼ばれ
ており,主として肉眼的大きさの動物である.弘工6)は付着生物を運動生態的見地から,
定着性,飼飼性,游泳性,潜伏性,歩行性及び寄生十二に分けている.
付着生物を寄生性及び穿孔性動物を除く動物(肉眼的大きさ)に限ってみるなら,共通
的な運動性のものは,かなり共通した摂餌方法をおこない,また群集の付着の構造は運動
性よりも摂餌方法によって規定される面が大きい.
運動性を大別すると基盤上に固着または付着して場所を殆んど移動しないフジツボ類,
ホヤ類,Bryozoa,固着性付着の貝一等と基盤上をかなり自由に移動することのできる
Amphipodaやゴカイ等の2つに大別できる.ここでは仮に前者を第1次付着生物,後者
を第2次付着生物としておく.
第1次付着生物の摂i餌方法は海水を濾過することによるか(フジツボ類,ホヤ類,二枚
貝等),海中の餌を待ちかまえてとるかで(Bryozoa,カンザシゴカイ),いずれも海水中よ
り直接に餌をとるが,第2次付着生物は付着微細物を呑みこむか(ゴカイ), これを採集
すること(Amphipoda)により摂取する*.このように餌や摂餌方法の違いから,前者は
海水に直接開口する必要があるが,後者は呼吸に必要な程度の海水との接触が保準れるな
ら,前者生物群の間やこれらによりつつみこまれた場所にでも生活し得る.浸漬期間が短い
間は第1次付着生物も第2次付着生物も基盤上に平面的に付着して生活しているが,浸漬
期間が長くなると基盤を直接に占領しているのは第1次付着生物が主となり,後者は前者
の上か間で生活するようになる.かかる場合,前者の増大は後者の生活場所を拡大するこ
とにもなるので,後者の数量は増加する.両者のかかる関係を示す1例として,1959年7,月と
12,月に取揚げた1カ.月間から3カ月義民漬した試験網に付着した,第1次付着生物のBryozoa
(フサコケムシ,ナギサコケムシ, コブコケムシ) とシロボや及び第2次付着生物の
Amphipodaとゴカイ類の数量を浸漬期間別に第34表に示す.前者はどの浸漬期間網でも
[》翫曲
タ の
陪量¢
Ststela**
重:量
(g) (g)
Gammaridea
Caprellidea
個体数(×103)
個体数(×103)
二上の
個体数(×103)
網
網
網
網
網
払上.の
Bryo,lstyeia
Polychaeta
面上め
Bryo.1styela
Bryo,iStyeta
一1 o.3
80
2.6
191 61 10.7
1.71
1 98
551 6071. 15,3
6,0
O.1
一一一
1 959
Bryo誉
重量
前
\ 田WW
゚割 WVW
第34表 1∼3ヵ月間浸漬計上のBryozoaとシロボヤの増大に
ともなうAmphipodaとゴカイ類の増加(崎辺浦)
1901
1959. M−Xff
68
X 一Xll
231
3
713i 19.2
O.11 7.7
4.6
O.1
1.0
O.3
or 一一 Xff
226
200
2,315 堰@8.8
2.21 7.1
1.1
1.5
1.3
O.1
10.5
O.3
O.02
O.Ol
O,Ol
2.3
O.2
O.Ol
O.02
O.02
一一1 3.6
1.4
1
* Bryoz’oa, ** Styela Plicata
* 底棲生物の摂餌方法のとほぼ同じである.
O.1
O.1
Q.5
海産汚損付着生物の生態学的研究
・79
網に直接付着していたが,後者では1カ月網には網に付着し,2・3カ,月網では網と前者
生物の上や問にも生活するようになる.そうして前者の増大に伴なって,これらの上や間
に生活する後者の数量は増大するが,網上では第1次付着生物が網を占有する度合によっ
て第2次付着生物の数量は増減している.
付着生物の主体は第1次付着生物である.それは定着しているというだけではなく,第
2次付着生物よりも全般に大型であり,大きな群を作る種類も多く,群集の景観や遷移も
前者に関係している場合が多いからである.
多くの場合に観察される,付着生物の上にさらに生物が付着する立体的な付着構造は,
限られた面積の占有をめぐっての競合の結果であるが,また同時に有効な場所の利用形態
でもある.基本的には立体的構造は第1次付着生物により形成され,構造の大きさは下部
及び上部の生物種によって異なる.例えばアカフジッボを優占種とする群集では,デカフ
ジツボの上に2∼3段にアカフジツボが付着して大きな立体的構造を作るが,小型のフジ
ツボやホヤ類を主体とする群集ではあまり大きな立体的な群集はみられない.
ii.形態と生育型による類型
付着の立体的溝造は付着生物群集の最も基本的な形態である.この立体構造の発展と衰
退消滅の過程が群集の遷移であり,発展は大なり小なり生物相互の被覆により,衰退は被
覆の衰えにより姶まり,消滅は生物の死によるかまたは群集外よりの作用による崩壊によ
りもたらされる.立体的構造と遷移のかかる関連から,先に遷移の項で述べた,遷移を規
定する群集の代表的な種類の形態と生育型,すなわち殻の有無,個体の大小,形成される
群の大小の三者は立体的構造の性格をも規定するものといえる.
ここでは立体構造すなわち群集の形態と遷移要因である被覆と崩壊を関連した形で表現
する試みとして各種生物の類型化をおこなった.類型は生活形態と上記の形態と生育型を
基準としておこなった.まず生活形態により大別し,次に形態,生育型により類型を細分
する.
生活形態により大別すると単独型(monozoic type)と群体型(colonial type)に分
けられ,いずれの種類もどちらかの生活形態に属する.さらに各種類に共通な形態として,
フジツボやBryozoa等の如く石灰質の殻(shell)か外包(ectocyst)または外記(epitheca)
を有し,死後も死骸が残るものと,ホヤ類の如く被嚢(testa)をもち,死後は分解して死
骸を残さないものに分けられる.
付着生物をまず単独型(M)と群体型(C)に大山し,前者をさらに死後死骸の残る石
灰質の殻や外包等を有するもの(Ms)とそうでない殻のない(Mt)に分ける. Ms型の
ものは死後も立体的な付着構造を依持し,多くの場合立体構造の基本構成種となり,群集
の麦柱をなす.これに対してMt型の生物ではその上部にも他生物が付着することはある
が,上の生物により被覆されて死亡するか,または自然死によってMt型生物が分解する
とMt型生物を中心とした集群全体が崩壊する.このために上部に付着する生物は下部の
Mt型生物の死を招かぬ範囲でしか付着することができない.それ故Mt型生物を中心と
した大きな立体構造は形成されないξ
単独型のMs型とMt型を次に生育型により分類すると,まず大型に生育するか(1arge
size)か小型の種類か(small size)により,大型の種類(Msl, Mtl)と小型の種類
(Mss, Mts)に分けられる. さらに立体的な群をなす種類(vertical cruster)と平面
武
80
梶 原
的な群(flat cruster)に分ける. Mt型はかかる分類の必要がないことが多いので,
Ms型についてMslv型とMslf型, Mssv型とMssf型に分ける.
群体型(C)は群体の形態から叢状(gregaroid)またはこれに近い樹枝状(arborid)
と所謂群体(Coiony)として顕著な塊状または板状の形のものの二つに大別する. ここ
e
では前者を叢状群体型(Cg),後者を塊状群体型(Cc)としておく.前者はこれ以上分類
する必要はないであろう.後者は単独型での分類に従い,石灰質の外包や外爽の強固な
欝雛撚濾難撫1難叢誌1鞭
ウミトサカ類型(孤立型)とには分けられる.
以上の類型は主として第1次付着生物を対象としておこなったが,第2次付着生物はこ
x
の分類ではMts型またはMt1型に類別される.
第35表に以上をまとめて類型と各型に属する種類の例を示す**.
第35表 生活形,外部形態および生育型による付着生物の類型
型
類
種
アカフジツボ,ムラサキイガ
イ
_立体的な群
(Mslv)
類
一大型の種類一
(Msl)
”一
O面あり 一
_立体的な群
(Ms)
』一・
ャ型の種類一
(Mss)
単独型
平面的な群
一(Mslf)
石灰質の殻
(Mssv)
カサネカソザシ
_平面的な群
サラサ・サンカク・タテジマ
フジツボ,エガイ
(Mssf)
(M)
一・
石灰質の殻
外包なし
(Mt)
カキ,キクザル,アコヤ貝
蛹^の種類
(Mtl)
シロボヤ,ユウレイボヤ
一小型の種類
イソギンチヤク
(Mts)
・一
(海藻)
p状群体
シロガヤ,ハネガや等,フサ
コケムシ,ナギサコケムシ
(Cg)
_板 状
群体型一一一一
石灰質の外
(c)
包あり
(Ccs)
(Ccsp)
チゴケムシ
_塊 状
アミメヒタコケムシ,コブコ
(Ccsm)
一塊状群体一
ケムシ(サンゴ)
/
群体ボヤ
(cc)
石灰質の外
包なし
(Cct)
一(孤立型)
(ウミbサカ)
**河原33)は形態により次の様な分類をおこなっている.
1. Block forms ; Balanus, Crassostrea, SiniopeZta (voluminous) Hydroides, Pomatoleios
SPirorbis (less voluminous).
1:翻濃無s識雛欄≧認鰍膿’撫贈帥’
海産汚損付着生物の生態学的研究
81
各類型と遷移要因との関係を次に説明する.
Mslv型(アカフジツボ,ムラサキイガイ***)代表的な立体構造を作り,安定した群
集の強固な丁丁となる.Mssf型の生物はこの型の生物により被覆されていることが多い.
Mslf型(カキ,アコヤガイ)上部にMssv型の生物が付着するがほぼ安定した群集を
作る.Mslv型生物に被覆され死亡している場合がある.
Mssv型(カンザシゴカイ)上部にC型, Mts型生物が付着し,これらにより被覆され
死亡している場合がある.しかしほぼ安定な群集を作る.Mslv型生物により被覆i, Mtl
型生物により崩壊されることがある.
Mssf型(小型のフジツボ類)多くの場合,初期群集の代表種である. Mslv, Mslf,
Mssv, Mt, C型生物により被覆されていることが多い. Mslv, Mssv型生物の上部に
も付着するカ㍉このために下部生物が被覆されて死亡していることは少ない.
Mtl型(シロボヤ,ユウレイボヤ)かなりの群をなすが,立体的には大きな構造とは
ならない.Mssv型のカンザシゴカイ群がこれらにより崩壊されることがある.長期間の
立体構造の麦柱とはなり得ない.
Mts型(イソギンチャク,第2次付着生物の大多数)かなりの群を作るが, ほぼ平面
的な群である.時にMSSV型生物気上を被覆し下部生物を死亡させていることがある.
長期浸漬物上では主にMslv, Mt1型生物上に付着している.
Cg型(Hydroidaの小型の種類,フサコケムシ,ナギサコケムシ,一部の海藻)浸漬
初期では基盤上に,長期浸漬物では多くはMs, Mtl型生物上に付着しているが,下部生
物がこれらにより被覆されて死亡していることは少ない.またこの型の生物上にMssv,
Mts型の生物が付着する.カンザシゴカイの付着の多い所には,これによりナギサコケム
シが被覆されて死亡しているのをみることがある.佐世保湾の港内部の灯浮標ではこの型
の海藻がムラサキイガイの初期付着を助長していると考えられる場合がある.
Ccs型(チゴケムシ,アミメヒダコケムシ,サンゴ)Ms型生物を被覆し死亡させてい
る.安定な群集の一員である.・またこれらが生きている間はこの上に他の生物は殆んど付
着しない.
Cct型(群体ボヤ,海綿,一部の海藻) Ms, Mt型生物上を被覆し下部生物を死亡さ
せる.C型生物がMs型生物上に付着して成長する場合, Ms型生物が生きている間はこれ
らの開口部をC型生物が被覆しないようである.しかし開口部を除いた上面をC型生物に
より被覆iされることは餌の供給を制限されることになるので下部生物の死は早められるで
あろう.多分C型生物の被覆は,M型生物の如く下部生物の生体時でも開口部までつつみ
こむのとは異なり,下部生物の死後に開口部を被覆するのであろう.
Mssv型生物は, Cct型群体の死亡により崩壊させられる.また群体ボや上には他の
生物は殆んど付着していないところがら,Cc型生物では生きている間は他生物の上部へ
の付着を阻止しているとみられる.なおC型,Mts型生物がMs型生物上に付着し,前者
の量が多くなっている場合は,Ms型生物の新たな付着は殆んどみられなくなるので,か
*** ムラサキイガイをこの類型に入れるのは必ずしも妥当ではない.Byssusにより付着する貝類
についてはさらに検討を要するが,ここではムラサキイガイが大きな群を作ることと,被覆
作用が大きいことで一応この類型に入れておいた.
82
梶 原
武
かる群集の立体構造はこれ以後はあまり大きくならない.
前項及び上記から明らかな如く,各類型に属する生物相互間には被覆や崩壊の作用に強
弱の順位がある.全般に被覆作用は群体型が単独型よりも大きく,殻や外包のあるものが
ないものより被覆は強固であり,小型種よりも大型種が,被覆の作用は大きい.被覆作用
の大きい順から配列すると次の如くとなる.
Cc 一一 Mt = Mslv 一一 Mslf 一 Mssv一 Mssf = Cg
(=;ほぼ同程度の作用)
崩壊作用は殻や外心のない型の生物に限られているとみて差支えない.崩壊作用の大き
さの順位ははっきりしないが,個体や群体の大きさから推定すると順位は
Mtl=Cct・一Mts=Cg であろう.
そうして,これらの上位類型に属する種類が,安定した群集の優占種となっている場合
が多い.
佐世保湾,長崎湾の各水域の付着生物群の代表種を類型別に示すと,湾口ではMslv型,
港内ではMslv, Mssv型,中央部や東部ではMslv, Mssv, Mslf, Mtl, Ccs型とな
る,これより湾口や港内では遷移の主要因が被覆であり,湾中央部と東部では被覆と崩壊
の両作用であるといえ,各水域の遷移過程も容易に推察される.
4−5 内湾の指標付着生物群
魚類(漁獲物),底棲生物,貝類遺骸,潮間帯生物,有孔虫,プランクトン等は内湾の
環境や水質汚染の指標生物として利用される■2・44).このような観点から常時浸水帯の付
着生物についても研究されているが28・34・60),上記の諸生物における程の知見は集積さ
れていない.付着生物の調査が任意の水域でおこなえないことが広範域での資料の集積を
困難にしている一原因となっているが,現在においては港湾や養殖場の諸施設の増加で調
査可能な水域はかなり拡大されている.
筆者は第3章の結果から付着生物群が湾口から湾奥にむかって同じ傾向で規則的に変っ
ていることを知り,このことより付着生物群が内湾の指標生物となり得ると考えた.また
長崎湾ではこれと他の指標生物群との比較の目的で貝類遺骸の調査をおこなった.
i.指標付着生物群
長崎湾には佐世保湾よりもウミセミ,ヒバリガイモドキ,エガイ,イソメ,Hydroida
の付着量が多い.また長崎湾では湾奥で優占なカンザシゴカイが湾外のst.Vにもかなり
付着しており,この逆に湾外で優占であるアカフジッボが港内中央部まで分布しておる.
かかることは佐世保湾ではみられなかった.さらに長崎湾奥のst.1の付着生物群は佐世
保湾港内や湾東部のそれらとも異なった遷移をし,丁度後者湾の両水域の中間的な遷移で
あった.かかる両湾での差異は長崎湾が佐世保湾よりも小さく,湾奥までかなりの勢力で
外湾水が流入し,また湾内水が湾外まで張出す等の湾内の潮変りが良いことによる海況条
件の違いの反映と考えられる.
しかし両面の付着生物群の水平分布には,かかる差異よりもより多くの共通性がある.
それらは組成種類数の水平的変化は両面とも湾の中央部附近で種類数が最:大であり,これ
より湾口や湾奥にいくに従って減少していること,また両湾での代表的種類であるアカフ
ジッボ,カンザシゴカイ,ムラサキイガイの付着量の水平的分布傾向の一致,湾口や湾奥
海産汚損付着生物の生態学的研究
83
ではそれぞれ両湾で共通的な種類の出現等である.
河原34)は英虞湾において付着生物の分布を調査し,組成種類数は湾央から漏壷にいく
に従って減少し,中央部での代表種のサラサフジツボ,湾奥ではカサネカンザシであると
している.また伊藤27)は瀬戸内海の魚礁付着生物の調査から内湾性の指標種として, 中
弱内湾専一アカフジッボ,中中内湾性一ヤジリアミガイ,気強∼強内湾性一カサネカンザ
シ,シロスジフジツボとしている.
佐世保湾,長崎湾,英虞湾及び瀬戸内海の例から,我国の中部以南の暖流域における内
湾では,湾曲の指標種としてはカンザシゴカイ(特にカサネカンザシ),湾口のそれにア
カフジツボをあげることができる.
佐世保湾と長崎湾では付着生物群の分布状態から,両湾の内湾性の指標種として次のも
のがあげられる.なお内湾度の表示は波部■2)の方法によった.
湾口水域(弱∼中弱内湾性)アカフジッボ,サンカクフジヅボ,エボジガイ.
湾中央部水域(中∼中中内湾性)シロボヤ,サラサフジツボ,チゴケムシ,フサコケム
シ,ムラサキイガイ,ヒバリガイモドキ,エガイ,カサネカンザシ,ヒトエカンザシ.
湾奥水域(中強∼強内湾性)ユウレイボヤ,タテジマフジツボ,ナギサコケムシ,ムラ
サキイガイ,ホトトギス,カサネカンザシ.
ii.長崎湾における貝類遺骸の分布と付着生物の分布との比較
波部2)は貝類遺骸群集の湾口から山奥への移りゆきは内湾性の指標となることを明らか
にした.筆者は長崎湾の貝類遺骸群の分布と付着生物群のそれとを比較するために,1961
年11月に長崎湾内外の20点で貝類遺骸の調査をした*3i)(第37図参照).
二枚貝遺骸の出現種は31種であった.各採集点における海底泥200cc中の種類別殻片忌
と沓点の外洋性及び内湾性指標種の出現状態から各点の海区区分とそれに対応する内湾
性を示すと第36表の如くである.採集点は湾奥から湾奥区(sts.1∼6),港口区(sts.7
∼10),湾口区(sts.11∼12),湾口亜区(sts,13∼15),湾外区(sts.16∼20)の5区
に区分され,各区は強内湾性から弱内湾性までの沓内湾度に対応する.
長崎湾の貝類遺骸分布型は波部によると,日本海岸内湾型の変型で,広い湾外部の遺骸
群は弱内湾性を示すが,急に狭い湾入となるので遺骸群も内湾性が急に強くなるとしてい
る.第36表にあげた分布状態もこの指摘を支持している.
長崎湾における灯浮標の付着生物群は各海区で特徴ある生物相を示し,これらの生物相
によって水域の区分も可能であった.付着生物群の分布型による海区区分と貝類遺骸群の
分布型によるそれとが長崎湾ではよく一致している.また付着生物群での湾口や湾奥の指
標種の分布の仕方は,貝類の外洋及び内湾の指標種の分布状態ともよく相似している.す
なわち付着生物群の分布でアカフジッボが港内のst.縦まで,カンザシゴカイが湾外の
st. Vにまで分布しているのは,貝類遺骸群の分布で外洋性のアラウメノハナガイやミヂ
ンシラオガイが港内のst』近くの20m等深線の先端まで分布し,また内湾性のケシ
トリガイ,チゴトリガイ,シズクガイが湾外まで分布しているのと相似の現象といえる.
しかし付着生物群はその生活域より表層域の環境との関連が大きく,貝類遺骸群は底層
の環境との関連が大きい.また底棲動物群は一般に襖型内湾では,動物の密度や重量は湾
* 鎌田氏考案の箱型ドレッヂで貝類遺骸を採集した.なお種類の同定は鎌田による.
武
原
梶
84
第36表
長崎湾における貝類遺骸群の分布状態と
区
海
内
性
湾
’.i.1:一L一一t...”L.一..…s一“pt
種
融
Barbatia (Savignjarca) obutasQides (Nyst)
B. (Savignyarca) virescens (Reeve)
Striarca (Spinearca) fausta Habe
Mツ伽。㈱、Lih。き
Pecten (Notovola) albicans (Schr6ter)
Ostrea sp.
リ ガ
ネ エ ガ イ
オ カ リ
エ シ マ
ガネエガイ
ミミエガイ
ラ サ’
キ イ ガ イ
ト. ギ ■
ヤ ガ イ
キ.
ザト
シシ
Carditellona hanzawai (Nomura)
グ ル ミ
トタ
Brachidontes (Arcuatula) senhousia (Benson)
点
メ
.ZVucula Paulula A. Adams
集
マカアモムホイカケケ
* * *
* *
1
2
3
4
5
6
1 7890
一一一一一一一一一一一一一一・・
ル ガ イ
リ ガ イ
Alvenius ojianus (Yokoyama)
TraPexium (iVeotraPe2ium) joPonicum Pilsbry
12
ノ∂annisiella IZtnaris(Yokoyama)
13
Lucina stearnsiana (Oyama)
14
Pillucina Pisidium (Dunker)
15*
P. (Sydlorina).yamakawai (Yokoyama)
16**
Fulvia hufzgerfordi (Sowerby)
17*
Micrcx:irce dilecta 〈Gould)
18
Pitar (・CostelliPitar) chordatum (R6mer)
ウマイウアチミ
11
ネナシトマヤガイ
ンゲ.ツシオガイ
セ シ ラ ガ イ
メノ.ハナガイ
ラウメノハナガイ
ゴ ト リ ガ イ
ジ ン シ ラ オ ガイ
チヂ
ミマメノハマグリ
19**
VeremolPa micra (Pilsbry)
ピ
20*
V. minuta (Yokoyama)
ア』デヤカヒメカノコアサリ
メ カ ノ コ ア サ リ
’PaPhia (ParataPes) etndulata (Born)
シ
Standella (MreoPesta) nicobarica (Gmelin)
ノガ
ク
ガ
. 、 くニ
ザ
ナ
ガナ
ロハ
イノキ
ニチユ
Raeta (RaetelloPs) Pulclaella (Adams et Reeve)
ズ
クヨ
SeMelangulus miy4tensis (Yokoyama)
ク
Theora lata (Hinds)
リレイライイコ
ダガ
サス
ヨ
ァイ
*
* *
* *
*
2 2 2 2 2 2 2 2 2 3 3.
1234567890
Amygdaltz joPonica (Deshayes)
Chion .(Tentidonax) Kiusiuensis (Pilsbry)
キユ.
Anisocorbula minutissima Habe
チ ビ ク チ ベ ガイ
Eシユウナ
Myadora fluctztosa Gould ’
ミツカ ドカタ ビラガイ
Ca2diomya goutdia’ 獅=@sePteantrionalis (Kuroda)
ヒ メ シ ヤ ク
シ ガイ
ArcoPagia (Merisca) tokunagai lkeb.e・
ト ク .ナ ガ シ
ラ ト リ
計
*;外洋性種
**;内湾性種
85
海産汚損付着生物の生態学的研究
湾内各海区の内湾性(海底泥20Qcc中の殻台数で示す)
区
湾 外 区
中強内湾性
中弱∼中中内湾性
弱 内 湾 性
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 1 11 12
13 14 15
16 17 18 19 20
1
2
33
13
3
1
1 3 3
2
2 1
1 10
9 8
10 3
5 4
2 3
11 2 3
2
5
1
1
2
4 1 1
3
40 1
12 4 12
2 7 57
11 2 1
46 30 186
1
3
11 1
5
10
44
6
8 3
つ034
14 1
5
2
0圃
仕/Q8
1
4
1
2
rD
1
4∠U
7
3
3
8
1
∩乙1
2
8 14 3
4
1
2
5 15
6
47
1
1
3 15 3
2
11
12 8
3 3
2
6 2 1
1
2
i 2
2
1
3
1
1
1
1 2 6
1
2 1
1
1
17 37 40 6 43 22 1 20 77 20 4
1
11 22
95 58 296
4
ワ・つ﹂40 つ乙7
2
1⊥−⊥ −←!0
4 1
2
1
2
8312192
22
36
14
7861
0
2
6
4
3
8
1
1 131352
1 3
舌ロ
湾口区 湾口亜区
二
二
合
港 口 区
強 内 湾 ’性
94 133 5 6 16
武
86
梶 原
中央部で最:大となり湾田部では減少する6■).長崎湾の貝類遺骸群も鍼形が急に湾入する
誌面のために遺骸密度は湾口のsts.13∼15で大きく,面心部に向って減少している.
しかし付着生物群は秋から冬にかけては貝類遺骸密度の分布と同じ傾向であるが,春から
夏にかけて付着生物群の重量分布は底棲動物群の巾着型内湾での密度及び重量の分布型6■)
に相当する.
指標生物は内湾の綜合的判断の尺度であり,移動性の少ない生物が移動性の大きい生物
よりその場所の環境をよりょく代表し信頼度も大きいといえる.付着生物と貝類遺骸とは
どちらも移動性は小さいが棲息域が異なる.内湾の指標として両者のうちのいずれがより
信頼度が大きいかは,かかる一湾の調査例からは論じ難い.またこの湾の如く,両者によ
る内湾区分がよく一致したことは,この湾の特徴であろうが,このことの学問的産業的な
意i義を明らかにするまでの資料はない.
ただし付着生物群と同じ棲息域のアコヤ貝やカキ等の養殖漁場に対しては,また底層域
よりも中層以浅の水深層では底棲生物や貝類遺骸よりも付着生物がより直接的な指標生物
となるといえる.生物遺骸群は長い期間の海況を反映した指標として有効であり,底棲生
物やプランクトンは海況変動の幅を明らかにする指標としては前者群よりもすぐれてい
る■2).付着生物群は定着した死骸を残す種類と海況変動にかなり敏感に反応する種類を
も含むから,遺骸群雄指標としてもまた底定石物的指標としても役立つ.ただ付着生物の
死骸は定着した場所での保存という点では貝類遺骸よりも期間は短いであろう.また付着
生物群は付着場所の移動性が小さいので,プランクトンの如く水塊の指標にはなり難い.
iii.内湾における付着生物の分布と環境条件との関係
常時浸水帯の付着生物の分布と関係の大きい環境の物理化学的要素として,水温,塩素
量,溶在酸素量及び海水の濁度があげられている■・4■・44・56・82・95). しかし分布域のと
り方により分布を規定する最も大きな要因は違うであろう.ここでは内湾での分布に限り,
付着生物が湾口から湾奥へ推移する現象と上記の諸要素との関係について検討を加える.
佐世保湾や長崎湾でのこれらの海況値の湾口から湾奥への各水域での季節変化をみると
(第24・25・26・38・39・40図及び第37・38・39表を参照),水温・塩素量・酸素量では各
水域の年平均値は殆んど変らないが,季節的変動の幅は湾口で小さく,湾奥になるに従が
い大きくなる.また透明度は湾口より湾奥に向って減少する分布をしている.前三者の海
況値の季節変動の幅が湾奥で大きいことは,湾口や湾中央部に主に分布している種類が幽
幽に分布するのを阻止する原因となる場合がある.例えば佐世保湾で港内のシロボや付着
量が湾東部に比して著るしく少ないのは,前水域が6∼9月に塩素量がしばしば低下する
ことに一因がある4■).しかしかかる論理では湾奥に主として分布する生物が,海況が周年
的により安定している湾口部に分布していない現象を説明できない.また湾口より湾奥に
かけて各種の付着量が漸次:増減する変化とこれら海況値の各水域での季節変化とを関係ず
けるにはかなりの無理がある.
心因では濁度の代りに透明度を測定した.透明度の分布は前三者の海況値よりも付着生
物群の推移とよく対応している.さらに水温や塩素量の季節変化は殆んど異ならないが,
透明度が周年的に異なる水域間では生物相や付着量が違っている.佐世保湾内での港内部
と湾東部,佐世保港内と長崎港奥はかかる例である.BARNARD■)は水温・塩素量・酸素
87
海産汚損付着生物の生態学的研究
第37表 佐世保湾内の各水域の表層水の溶在酸素量:の季節変化
区 湾 口
・ 海
温 測 年月日
1
観 測 点
伊ノ浦
湾中央
港内中央
港.奥
3
8
28
38
瀬戸入口
酸素量(cc/1)
5.8
6.1
6.2
5.1
飽和量 (%)
98
99
100
83
酸素量(cc/1)
6,0
5,8
5.4
飽和量(%)
110
107
100
116
110
酸素量(cc1の
4.5
4.3
3.9
4.7
3.0
飽和量 (%)
96
91
83
100
63
酸素量(cc/1)
5.1
4.5
6.4
5,3
4.4
飽和量 (%)
103
92
130
107
90
’1960. 皿I l1
,,, 1
1960. VI 3
1960. 田30
5.9
1960, or 27
X
xu
19 1
皿
IV幽 V
XI
ivi1
IX
1960
皿
\=斜月
61
第38表 佐世保三崎三浦の表層水の溶在酸素量の季節変化
丁
酸
/ρ
0/
量
6,3
6.2
6.0
5.7
5.1
102
105
108
105
105・
4.5
5’. 3
4,8
5.0
5.8
6.4
6,8
97
99
91
90
95
100
105
︶
和
飽
︵
丁@ 粉
第39表 長崎湾内各水域の表層水の溶在酸素量の季節変化(長崎海洋気象台資料より)
wn
IX
vr
rv
V
湾外
皿
ki 1 X lli
皿
観測点皿
海区
湖
1949
1948 I
5.6
5.9
5.7
6.1
5,4
5.3
4.7
4.8
5,.1
98
97
96
110
102
105
98
98
100
5.8
5.5
5.0
4.7
4.8
O9
105
106
1
X
醸勇)1
V
飽和量
(%)1
湾
酸素量
口
IV
(cc1の
飽和量
5.1
5.7
5.8
6,1
6.0
6,4
95
101
101
100
100
116
1’
97・
93
(%L)
港奥
酸素量i
(ccll)
4.9
5.5
5.5
5.8
5.3
4.8
5.6
4.4
4.5
91
91
91
100
96
88
113
92
87
1
飽和量
(%)
量が同じような水域間でも透明度が違うと付着生物相が変化し,透明度は主として生物量
の変異と関係した要因であるとしている.
指標付着生物群の主体である第1次付着生物は浮游懸濁物を摂餌している.表層域では
大まかではあるが,透明度は懸濁物の質:と量の変異と相関するエ。・■7).餌の質:と量の変化
武
88
梶 原
は生物の生育量の変化を規定し,各水域での生物種間における生育量の違いは水域間の群
組成の変異ともなる.
佐世保湾と長崎湾における灯浮標の付着生物の水平分布では,湾口の生物が湾奥に分布
し得ない条件として湾奥の水温・塩素量・溶在酸素量の季節的変動が大きいこともあるが,
湾口より湾奥へ推移する付着生物群の質と量の変化と最も関係の深い環境条件は懸濁物の
分布状態でおると考えられる.
あ
第5章 産業上の諸問題と本研究の応用
汚損付着生物の産業上の問題は,防除,未利用資源としての利用,養殖生物及び漁場の
管理上の問題,付着生物を指標として利用すること等に分けて考えられる.
防除問題については,特に被害の大きい船舶と海水利用工場の水路内汚損がある.これ
らでの基本的な防除に対する考え方には,有効で実用的な有毒物質:とこれの適用技術の開
発という共通性がある.そうしてこの際の生物学的研究は,これらを側面から援助する役
割をなすものである.
未利用資源として付着生物を利用するには,まず水産業に関連した利用方法が考えられ
る.養殖生物の汚損付着生物については,谷田等Sのは付着生物が付着することでカキ
の成長が良くなった例を報告しているが,むしろ養殖業の被害となっている場合が多い.
養殖漁場では船舶や海水利用工場とは異なり,有毒物質を利用して付着生物を防除できな
いことが多いので,有用生物と加害生物が共存しながらも後者による被害を最小にとどめ
る方策を考える必要がある.このためには群集生態の資料を必要とするが,この方面の研
究は現在ではまだ有効な知識を提供するまでに進んでいない.むしろ真珠養殖漁場では,
付着生物を機械的に簡単に除去する方法の開発が現実的であると考えられる.
付着生物の群集生態学的研究成果の直接的な応用の一つとして,指標付着生物群の利用
があげられる.
除
5−1 防
付着生物の被害の大きい船舶と海水利用工場とで防除対策上の差となっている点は,有
毒物の使用方法,付着場所の環境や構造,主な加害種等が異なっていることである.
現在我国では,海水利用工場においては火力発電所で防除研究がかなり積極的に行なわ
れている.ここでの主な加害種はムラサキイガイであり,防除法として塩素注入法がとら
れているが,その効果は大きくないといわれている26・5■).この問題について,馬渡等51)
は当面の対策として冷却海水水路機構の改善を提案している.
本論丈ではムラサキイガイの防除問題を直接取扱ってはいないが,第2章の破滅の生態
に関する知見は防除対策の基礎的資料の一部になると考える*.
船舶や海水利用工場におけるよりも産業上の重要度は低いが,第2章までの結果から考
えられる防除対策の二・三をあげる.
付着微細物と付着生物との関係では,前者の量が少ない時は付着生物の幼生付着に有利
となり,量が多くなると付着を妨げる.付着微細物が付着ヌタである場合は基盤面の組織
海産汚損付着生物の生態学的研究
89
や吸水性の違いでヌタの付着量が異なる.付着ヌタの初期付着をおくらせるには,網やロ
ープ類は短繊維性のものよりも長繊維のものを,植物性繊維よりも合成繊維のものを使
用する〆のがよい.沿岸漁業や養殖業で短繊維よりなる網やロープまたは藁綱を使用する
際には,コールタール染にして表面を滑らかにし,また吸水性を低下させて使用するのが
付着ヌタの付着をおくらせることになり,この点からでも付着生物の付着防止の一助とな
る.これとは逆に付着ヌタを早期に多量に付着させ,この被膜で付着生物や穿孔性動物の
付着を妨げることも考えられる.貯木場においては可能なことではないかと思われる.
長崎湾や佐世保湾で調査した灯浮標の管理上の問題についてみると,カンザシゴカイ,
特にカサネカンザシの多量に付着する水域では,交換浸漬期を秋から春の間にすることで
カサネの付着量を最小にとどめられる(第2章).例えば佐世保港内では,カサネの付着
量を初夏から夏に浸漬した灯浮標におけるよりも減少させ得るなら,浸漬期間を現在の2
年以上に延長しても著るしい浮力の減少はないであろう.またカサネ付着量が少ないと交
換作業は容易になる.『佐世保湾東部水域ではカサネと共にホヤ類も多数付着し,ここでは
港内とは付着生物群の遷移状態が異なり,3年以上浸漬しておくと固着性貝類が増加する.
この場合にはカサネよりも貝類の付着が管理上では問題となろう.それ故,浸漬期間を3
年以内にしておくのが生物除去作業上からは有利である.また3年以内で交換するのであ
るなら,シロボヤの死亡期の5∼6,月に交換作業をおこなえば,カンザシゴカイ群はシロ’
ボヤの死で崩壊しているのセ作業は比較的容易である.
5−2 未利用資源としての利用
古くからの利用法として農作物の肥料としての利用があるが,近時ではかかる需要は著
るしく減少している9■).
現在積極的な利用はみられないし,またかかる研究もおこなわれていない.しかし将来
期待がもてる利用法に水産業における餌料としての利用が考えられる.現在かかる利用の
実例は多くないが**,一例をあげると長崎県戸石漁協では蓄養マダコに附近の真珠養殖漁
場にあるムラサキイガイを餌:として与えている.しがしここでの恒常的な餌はアジや小魚
の切身で,ムラサキイガイは日常の餌料計画の中に入っていない.これには採集労力の問
題が解決されねばならないが,蓄養責任者は魚類よりも貝類を好むという.
天然でも付着生物は魚類に捕食されているので60),魚の餌として利用できる.例えば
付着生物の生体または乾燥物を釣の撒餌にしたり蓄養魚の餌として利用することが考えら
* 防除対策上重要と考えられるムラサキイガイの生態には次のようなものがある.滑面や気泡が
常に当る場所には付着しがたい,幼貝は付着後もかなりの移動力がある5■).水温が280C以上
では付着貝は死ぬ9■).我国の中部以南の沿岸では,産卵期及び付着期は秋から初夏にかけて
である(第2章)。この他にも,ムラサキイガイを捕食する巻貝(ParPura eapillas)62)や寄生
Copepoda(Mits・licolαintestinalis)52)が知られている.またイソギンチャク年上には付着し
難いことが報告されている5■).防除の一方法として,天敵利用や害の少ない生物により付着
を阻止する方法も検討してみる必要がある.
**皮ハギ,フグ類の蓄養で真珠養殖漁場の付着生物を餌として好成績をあげている業者がいると
いわれる(内海区水話談). 佐世保市ではムラサキイガイをブタの餌として利用することを考
えている.
武
梶 原
90
第40表 佐世保湾附近の真珠養殖漁場における付着生物を指標とした
漁場数
内 溶性
(付着生物を指標とし売)
貝,籠の付
着生物の量
(5∼11月)
中強内湾性
6
中内湾性
2
町内野性
大中小
5
貝 の 大 き さ
貝
死亡,率
(%)
馨m嘉)!聲m醤)黙劇)!重(9)量感量
18tv20
79rv83
72”一74
27’w28
68”一74
4.2・v5.1
18”一23
80tv87
74”一77
28’一29
73一一80
5,2・v5,8
18”一20
84”一85
77”一78
28”一29 ’
76”s」84
5.0∼5a5幽
れる.かかる餌としては多毛類,貝類,Amphipoda, フジツボ等が利用できる. また
AmphipodaのGammaridsは魚やタコ・イ売類の幼若時の餌として利用できよう.
Gammaridsの大量採集には筆者がおこなった漁網浸漬が簡単でしかも有効な方法である.
5−3 養殖漁場の管理上の問題と付着生物を指標とした真珠養殖漁場の価値判定
九州北西海域の真珠養殖漁場では,カンザシゴカイの多い漁場は,付着ヌタも多いのが
普通である.かかる漁場では養殖籠は横型より1も縦型のを使用する方が付着ヌタの沈積量
が少なく.なるであろう.’またカンザシゴカイの付着量の大きい初夏から秋では,これを麦
柱としてヌタの沈積が急増す・る.このために付着生物の除去は,この時期には1ヵ月に1
回の割合でおこなわないと付着ヌタにより貝が死亡するようになる.またシロボヤの多い
真珠養殖漁場では,これが多数付着している場所は初夏と夏から秋にかけてのシロボヤ
の死亡期にはかなりの腐敗臭がしている.このため,この時期にはかかる場所附近に養殖
貝をおくことは避けるべきである.
環境変化の指標として,工場排水による汚染拡大域を潮間帯生物を指標として測定した
例がある44).常時浸水帯の付着生物もかかる指標生物として利用できる.
伊藤等2のは魚礁の付着生物は効果判定の好資料となるという. しかし付着生物を指標
として利用する意義は,これを魚礁効果を最大とする漁場を選定するための資料とするこ
とにある.しかしこの段階まで研究は進んでいない.
筆者は付着生物群を真珠養殖漁場の価値判定の指標に利用するための基礎的調査を溶こ
なった.調査は1958年から1960年にかけて,・.佐世保湾附近の13漁場でおこなった.今回は・
予備調査であったので,付着生物群を指標とした各漁場の内湾度の違いにより,貝の成長
度や珠の品質に差異があるか否かを確かめることを目的とした.
漁場の内湾度は第4章の内湾性指標付着生物群を基準にして,各漁場の筏や貝及び籠の
付着生物群により決定した.
試験貝として同一漁場で飼育した大きさの等しい貝(殻高60mm,殻長54mm,殻巾
20mm,重量30,19)6,570個を使用した.1958年5.月5日より5月21日の間に,同一一方
法で同仁施術をおこない,各漁場に同数当配布し,各漁場での管理条件を同じにして養殖
した.冬期には同じ避寒漁場に避寒した.この間,貝掃除は1958年6月から同年12月まで,
1959年5月から同年12,月まで毎月1回おこなった.1960年2,月に各漁場の試験貝を1ヵ所
に集め,漁場別に貝.の死亡率,貝の大きさ,珠の良否の割合,珠の色の割合,珠価格によ
***珠の検査は:専門業者がおこなった.
海 産 汚損 付 着 生 物 の 生 態 学 的研 究91
内 湾 性 の 異 な る漁 場 で の ア コヤ 貝 の死 亡 率.成 長.珠
珠
上
の
陣
刺
良
否(%)珠
中下
の 品質(核 入 後2年 間 養 殖)
の
下
ピ洌
色(%)珠
の価格によ
白 色 金 色 クリーム1グリーン る綜合評価
20∼2842∼4924∼291∼511∼2041∼526∼1218∼272∼1390∼105
26∼30 .39∼4923∼340.5∼313∼2340∼558∼1416∼263∼899∼118
18∼2040∼4233∼381∼28∼1940∼4211∼1820∼267∼8
る綜 合 評 価 を 求 め た***.こ
、84∼94
れ らの 値 を 同 じ内 湾 性漁 場 別 に整 理 した の が第40表 で あ る.
珠 単 価 に よ る綜 合 評 価 は,(漁
場 別 の平 均 珠 単 価/全 漁 場 の 総 平 均 珠 単 価)×100で
計算
した.
漁 場 別 の 付 着 生 物 の 量 は 中 強 内 湾 性漁 場 に 最 も多 く,弱 内湾 性漁 場 に 最 も少 な いb両 者
の 中 間量 が 中 内 湾 性漁 場 で あ った.こ れ は初 夏 か ら秋 にか け て の 内湾 に お け る付 着 生物 量
の 普通 に み られ る分 布傾 向 で あ る.貝 の死 亡 率 は 中 内湾 性漁 場 が 他 の漁 場 よ りもや や 大 き
い.こ の 漁場 に 多 い ホ ヤ 類 の 死 亡 に よる影 響が あ つた の か も知 れ な い.貝 の殻 の成 長 は 弱
内 湾 性 漁場 が 最 も良 く,中 内 湾 性漁 場 が これ に次 ぎ,中 強 内湾 性漁 場 が 最 も劣 って い る.
しか し生 肉 の重 量 は,中 内湾 性漁 場 で 最 も大 き く,弱 内湾 性 漁 場,中
小 さ くな る.珠
の質 は 各 漁 場 と も中 中 品が 最!も大 きな 割 合 を 占め,中
割 合 が 低 くな る.上 珠 は 中 内湾 性 漁 場 で の割 合 が 最 大 で,次
強 内 湾性 漁 場 の順 に
下 ・上 ・下 の順 に
いで 中 強 内 湾 性 漁場 とな り,
弱 内 湾性 漁 場 は 最 も小 さい.中 中珠 と上 珠 の合 計 割 合 は 中 内湾 性漁 場 で は65∼79%,中
内 湾性 漁 場 が62∼77%,弱
内湾 性 漁 場 が58∼62%で
強
あ る.珠 の 色 で は ピ ン ク と白 色系 は 中
内 湾性 漁 場 で の割 合 が 他 の漁 場 よ り もや や 大 き く,金 色 と クリ ー ム系 は 弱 内 湾性 漁 場 で大
きい.綜 合評 価 は 中 内湾 性 漁 場 が 最 も高 く,中 強 内湾 性 漁 場,弱
内 湾性 漁 場 の順 に 低 下 し
て い る.
以 上 の結 果 は 特 定 水 域 に お け る1回 の調 査 に よ る もので あ り,ま た 各漁 場 に つ い て み る
と上 記 と一 致 しな い漁 場 もあ るが,付 着 生 物 群 を指 標 と した漁 場 の 内 湾 性 と貝 の成 長度
や 珠 の 品 質 と の間 に は 関 連 性 が あ る こ とは 明 らか で あ り,付 着 生物 群 は漁 場 判 定 の有 効 な
資 料 とな る とい え る.
付 着 生 物 は 真 珠 養 殖 漁 場 に は 常 に 多 量 に 存 在 し,ア コヤ 貝 とほ ぼ 同 じ餌 を と り,棲 息水
深 も一 致 し,プ ラ ンク トンや 底 棲 生 物等 よ りも調 査 が 容 易 で あ り,ま た この調 査 は現 場 作
業 員 が 継 続 して お こな え る等 の 理 由か らも漁 場 性 格 の指 標 資 料 と して の利 用 度 は大 きい と
考 え られ る.
要
1.海
約
産 汚 損 付 着 生 物 の 生 態 学 的 研 究 は,こ れ ら生 物 の防 除 と利 用 の た め の基 礎 的 な研
究 で あ る.し か し現 在 で は これ ら生 物 は 殆 ん ど利 用 され てい な い.可 能 性 の あ る利 用 法 と
し ては,蓄 養 魚 の 餌 し とて の 直 接 的 利 用 と環 境 指 標 生 物 と して沿 岸 漁 場,特
開 発 や 管理 面 へ の利 用 が考 え られ る.
に養 殖 漁 場 の
梶
92
原
武
本 研 究 は,主 要 な汚 損付 着 生物 の 個 体 群 の生 態 を 明 らか に す る と共 に,群
て も研 究 を お こな い,さ
2.付
集生 態 に つ い
らに防 除 と同 時 に 利 用面 に つ い て も検 討 を 加 えた.
着 生物 の 生態 と関 係 の深 い付 着 ヌ タ,付 着 生 物 の 個体 群 生 態 と群 集 生態 に つ い て
実 験 と観 察 を お こな った.付 着 ヌ タの 観 察 は1958年 よ り1961年 に か け て佐 世 保 湾 崎辺 浦 で
ク レモ ナ網 及 び ポ リエ チ レン板 を基 盤 と した 浸漬 実験 に よ りお こな った.個 体 群 並 び に 群
集 の 生 態 研 究 は佐 世 保 湾 と長 崎 湾 に おけ る浸 漬 実 験 に よ り,ま た 筏 や 灯 浮 標 の付 着 生物 を
対 象 に して お こな った.さ
らに付 着 生物 群 を 真 珠 養 殖 漁 場 の指 標 生 物 と して利 用 す るた め
の 基 礎 的 調 査 を1958年 か ら1960年 の 間 に佐 世保 湾 附 近 の 漁 場 で お こ な った.
3.海
水 中 のDetritusを
主 組 成 とす る付 着 微 細 物 を付 着 ヌ タ と仮 称 す る.1カ
2カ 月 間 浸 漬 した ク レモ ナ 網 の 付 着 ヌ タは 春 と秋 に,3カ
月及 び
月 間 浸漬 網 で は秋 か ら冬 に か け
て多 くな る よ うな 季節 変 化 をす る.全 般 的 に,表 層 域 網 の 付 着 ヌ タ量 が 中 ・底 層 網 に お け
る よ りも大 きい.ま た 浸漬 期 間 が 長 くな るに 従 っ て ヌ タ量 は 漸 増 す る.
付 着 ヌ タの 季 節変 化 と関 係 の 大 きい の は 海 況 条 件 よ りも付 着 生 物 で あ った.ま た 付 着 生
物 は 浸漬 期 間 が1カ 月 以 内 の生 物 量 の 少 な い時 には ヌ タの付 着 を助 長 し,2カ
月以上の生
物 量 が 多 くな る と ヌ タの 付 着 を 阻 止 す る よ うに な る.
板 状 の基 盤 で は水 平 に 浸漬 した 場 合 が 垂 直 に浸 漬 した場 合 よ り も ヌ タの付 着 量 が 多 い.
水 平 浸 漬 板 の上 面 で は,こ
こに 付 着 し た生 物 種 に よ り付 着 ヌ タ量 が変 化 す る.特 に 付 着 ヌ
タの支 柱 に な る よ うな形 態 の 生物,例
えば カ ンザ シ ゴカ イで は これが 或 る程 度 の 生 育 量 に
な る と急 速 に ヌ タの 付 着 は 促進 され る.こ の結 果,カ
ンザ シ ゴカ イは 付 着 ヌ タに 埋 ま り早
期 に 死 亡 して い る.
4.付
着 ヌ タ中 のDiatomは
量 的 に も少 な く,ま
た 肉 眼 的 な付 着 生 物 との 間 に は 顕 著
な関 係 は 認 め られ な か った.
このDiatomで
はPennalesが
最 も 多 く,年 間 で は21属 が 出現 した.こ の 中 で も毎 月
最 も多 く出現 した の はNitzschiaで
あ った.Pennalesは
初 夏 に盛 ん に増 殖 し,秋
から
冬 に か け て減 少 す る.ま た 出現 の 多 い 水 深 層 は 日射 量 の 季 節変 化 と関連 して,夏 に は 底 層
に,2∼5月
に は表 層 に 移 動 す る.Centralesで
は年 間11種 が み られ た.Skeletonemaを
除 い ては 出現 数 は 少 な い.付 着 性Skeletonemaは
各 水 深 と も夏 期 に少 な く,秋
か け て 多 くな る.表 層 域 で の 付 着性Skeletonemaは
殖 の 季 節変 化 を す る.前 者 は10∼11月
月,12∼1月
5.浸
か ら冬 に
表 層 域 の 浮 游 生 活 種 とは 異 な った 増
に 出 現 数 の大 きい 山 が あ るが,後 者 で は6月,9
に 出現 数 が 大 とな る.
漬 実験 に よ り各 種 付 着 生 物 の 付 着期,付
着 量,付 着 水 深等 の 季 節 変 化 を 明 らか に
した.
佐 世 保 湾 で は 多 くの付 着 生 物 の 付 着 期 は初 夏 と秋 の年2回
月浸 漬 網 に 付 着 し な い 月で も2・3カ
あ る.ま た 多 くの 生 物 は1カ
月 網 に は 新 個 体 が 付 着 してい た.こ れ は 後者 網 の 付
着 ヌ タが 幼 生 の 付 着 に有 利 に 作 用 した こ とに よ る.
6.1カ
月 間 浸 漬 の板 状 基 盤 に つ い て,色 や材 質 に よ る付 着 生 物 量 の 差 を 付 着 指 数 に よ
り検 討 した 結 果 で は,黒
色系 塗 料 板 は 白 色 系 塗 料 板 よ りも付 着 量 が 多 く,滑 面 は粗 面 よ り
も付 着 量 が 少 な か った.
1カ 月 間 の水 平 浸 漬 板 で は,周 年 的 に付 着 生物 の種 類 数 と個 体 数 は 下 面 が 上 面 よ りも多
い.こ れ は 多 くの 生 物の浮游 幼 生の運動 性 と関 連 した現象 と考 え られ る.
93
海産汚損付着生物の生態学的研究
7.一
般 に 基 盤 の 色や 面 の組 織 は 生 物 の 初 期 付 着,す な わ ち 幼 生 の 付 着 との関 連 が 大 き
く,基 盤 の 形 や 大 き さは 付 着 後 の 生 育 との関 連 が大 き い.
8.本
州 か ら九 州 に か け て の管 棲 多 毛 類 の付 着 期 は 春 か ら秋 に か け てで あ り,南 ほ ど付
着 期 間 が 長 くな る傾 向 が あ る.
佐 世 保 湾 に お け る カ ンザ シ ゴカ イの 付 着期 は5∼1月
シ と ヒ トエ カ ンザ シで,前 者 は5∼8月,後
カ月 で 管 径 が1.0mm以
で あ る.主 な 種 類 は カサ ネ カ ンザ
者 は 秋 に 付 着 盛 期 が あ る.両 者 とも付 着 後3
上 に な り,成 熟 個体 とな る.湾 内 の カ ンザ シ ゴカ イは 湾 口で 少 な
く,湾 奥 に な るに 従 っ て多 くな る水 平 分 布 を な し てい る.湾 中 央 部 以 奥 に あ る灯 浮 標 に は
高 密 度 の カ ンザ シ ゴカ イ群 が 付 着 し てい るが,こ れ らの 群 で は カサ ネ カ ンザ シが 個 体 数 で
90%以 上 を 占め,ヒ
トエ カ ンザ シは 少 な い.ま た これ らの 群 は 灯 浮 標 の浸 漬 時 期 に よ り群
の生 育 状 態 が 異 な り,カ サ ネ カ ンザ シの 付 着 盛 期 に 浸 漬 した 灯 浮 標 群 の成 長 が 最 も良 い.
か か る群 は 浸漬 後1年 か ら1年 半 で 最 大 に な り,そ の 後 は 衰 退 し て死 管 が 多 くな る.最 大
時 の 群 の 大 き さは,基 盤面 よ り管 の 先 端 まで の 高 さが 約14cm,重
生 虫 数 は 約6,000/100cm2で
9.佐
量 は 約700g/100cm2,
あ る.
世保 湾 に お け る ム ラサ キ イ ガ イの 分 布 は,カ
ンザ シ ゴ カ イ と同 様 に 湾 奥 に 分 布 の
中 心 が あ り,湾 口に な るに 従 っ て付 着 量 が 減 少 し てい る.こ の 分 布 は 透 明 度 の 水 平 分 布 と
一 致 し てい る.
湾 内 で の 付 着期 は 秋 よ り初 夏 まで で,盛 期 は11月 と3∼5月
で あ る.表 層 域 に 付 着 して
い る群 で は,夏 期 の高 水 温 に よ り多 量 に 死 亡 す る.死 亡 率 は 低 密 度 群 よ りも高 密 度 群 で 大
きい.湾 中央 部 以 奥 の灯 浮 標 で は,表 層 か ら水 深 下15cm位
まで 高 密 度 に 付着 し,こ
れよ
り以 深 で は,厚 い カ ンザ シ ゴカ イ群 に 付着 が 阻止 され て い る.
10.佐 世 保 湾 内 の シ ロ ボヤ は 外 湾水 の 影 響 が や や 弱 くな る湾東 部 に 多 い.付 着 盛期 は初
夏 と秋 の年2回
あ る.浮 游 幼 生期 間 が 短 い の で 付 着期 は 産卵 期 とみ な され る.付 着 後3∼
4カ 月 で成 熟 個体 に な る.初 夏 付 着 世代 群 は 同年 の秋 の主 産 卵 群 に な り,秋 世代 群 は 翌 年
の初 夏 の主 産卵 群 に な る.寿 命 は 約1年 で,初 夏 世代 群 は翌 年 の5∼6月
翌 年 の9∼10月
に,秋 世 代 群 は
に死 ぬ.
付 着 世 代 別 の成 長 を 明 らか に した(第21表).成
長 度 は 付 着 後 の環 境 条 件 の違 い で,初
夏世 代 個体 が 秋 世 代 個体 よ り も良 い.
付 着 の 良 い水 深 層 は2m以
深 で,付 着 後3カ 月 間 の 生 育 の 良 い水 深 は4∼7m層
た.付 着 後3カ 月 目の生 残 個体 数 は,両 世 代 の平 均 で,付 着 初 期 の50%以
であ っ
下 で あ った.
卵 は塩 素量15‰ 以 下 の海 水 中 で は12時 間以 内 に,付 着 個体 は14‰ 以 下 で は 約1昼 夜 で 死
亡 した.崎 辺 浦 で は 表 層 域 の シ ロボ ヤ の付 着 数 や生 育 量 は 降 雨 に よる表 層海 水 の 塩 素 量 低
下 の影 響 を 大 き く受 け てい る.
11.付 着 生 物 群 の 遷 移 要 因 と して生 物 相 互 に よ る被 覆 と崩 壊 の作 用 が 重 要 で あ る.
崎 辺 浦 に あ る筏 の浮 竹 の水 深0∼5cm場
水 深5∼10cm場
所 付 着 生 物 群 で は ム ラサ キ イ ガイ の被 覆 が,
所 群 で は シ ロ ボヤ と ユ ウ レイ ボヤ の死 亡 に 伴 な うカ ンザ シ ゴカ イ群 の脱
落 崩 壊 が遷 移 の主 要 因で あ っ た.
佐 世 保 湾 の湾 口及 び 湾 奥 部,長 崎 湾 の 湾 外 の灯 浮 標 付 着 生 物 群 で は 被 覆 が,佐 世 保 の東
部 と長 崎 湾 の 湾 奥 の 灯 浮 標 群 で は,被 覆 と崩 壊 の 両 作用 が遷 移 に 大 き く関 与 し てい た.
遷 移要 因 と関 連 の 大 きい 生 物 の形 質 を 明 らか に した.
梶
94
原
武
12.寄 生 性 及 び 穿 孔性 動物 を 除 い た,所 謂,付 着 性 動 物 は,定 着 生 活 種 と基 盤 上 を 自由
に 移 動 し うる種 類 に分 け られ る.前 者 は第1次
付 着 生 物,後 者 を 第2次 付 着 生 物 と呼 ぶ こ
とに す る.両 者 は 餌 料 と摂 餌 方 法 を も異 に し,前 者 は海 水 中 の 懸 濁 物 を 餌 と し海 水 よ り直
接 に 摂 取 す るが,後 者 は 主 に付 着 微細 物 を餌 に し てい る.
第1次
付 着 生 物 は 摂 餌 方 法 か ら海 水 に 直 接 開 口す る必 要 が あ るが,ま た 付着 の立 体 的 構
造 を 形 成 す る.立 体 的 付 着 構 造 は付 着場 所 を め ぐる競 合 の結 果 で あ る と同時 に,場 所 の有
効 な 利 用 の 形 態 で もあ る.第2次
付 着 生 物 は 立体 的 構 造 を形 成 しな いが,第1次
付着生物
の 間 や 上 に 付 着 して 生活 し得 るので,立 体 的 構 造 が 大 き くな る と付 着 基 盤 が 拡 大 され る こ
とに な るの で 付 着 数 は 増 加 す る.
13.付 着 構 造 と遷 移 要 因 とに関 係 の 大 きい 生 物 の 形 態 と生 育 型 とに よ り,付 着 生物 の類
型 を 試 み た.ま ず 単 独 型 と群体 型 に 分 け,次 い で 形態 と生 育 型 の 中 よ り,石灰 質 の殻 また は
外 包 の有 無,個 体 の大 き さ,同 一 種 群 の形 と大 き さ を基 準 と して類 型 を お こな った(第35
表).
各 類 型 に 属 す る生物 種 の遷 移 要 因 との関 連 を説 明 し,類 型化 に よ り群 集 の遷 移 過 程 を も
容 易 に 推 測 で き る こ とを示 した.
14.佐 世 保 湾 と長 崎 湾 に お け る 湾 内 各 水 域 の付 着 生 物 群 集 と代 表 種 を 明 らか に した.
種 類 数 は 湾 中央 部 で 最 も多 く,湾 口及 び湾 奥に な るに 従 って減 少 す る.ま た 付 着 生 物 群
集 組 成 の 湾 口か ら湾 奥 へ の 推移 は 両 湾 とも共 通 して お り,さ らに本 州 中部 以 南 の 内 湾 で は
同 様 な 推 移 が み られ る こ とか ら,付 着 生 物 群 を 内 湾 の指 標 生 物 と して利 用 で き る もの と考
え られ る.
両 湾 で の 内湾 性 の 指標 種 を あ げ る と,
湾 口水 域(弱 ∼ 中 弱 内 湾 性)ア
カ フ ジ ツ ボ,サ
ンカ ク フ ジツ ボ,エ ボ シ ガ イ,
湾 中 央 部 水 域(中 内 湾 性)シ ロ ボヤ,サ ラサ フジ ツ ボ,チ ゴ ケム シ,フ サ コ ケ ム シ,
ヒバ リガ イ モ ドキ,ム ラサ キ イ ガ イ,エ ガ イ,カ サ ネ カ ンザ シ,ヒ トエ カ ンザ シ,
湾 奥 水 域(中
サ キ イ ガ イ,ホ
15.長
強 ∼ 強 内 湾 性)ユ
ウ レイ ボヤ,タ
テ ジ マ フ ジツ ボ,ナ ギ サ コ ケ ム シ,ム
ラ
ト トギ ス,カ サ ネカ ンザ シで あ る.
崎 湾 に おい て 貝類 遺 骸 群 の分 布 を調 査 した.こ れ を 指標 とした 湾 内 の 水 域 区 分 と
付 着 生 物 群 を指 標 と した 水 域 区 分 とは よ く 一致 した.こ の こ とは 長 崎 湾 の海 況 的 生 物 的 な
特 徴 と考 え られ る.
付 着 生 物 群 の 生 活 域 や 生 態 か ら,内 湾 の養 殖漁 場 で は 貝 類遺 骸 群 よ りも指 標 と して の利
用 度 が 大 きい と考 え られ る.
16.付
着 生 物 群 の分 布 と環 境 諸 条 件 との 関 係 を 検 討 し,内 湾 で の 湾 口 よ り湾 奥 へ 推 移 す
る付 着 生物 群 の 質 と量 の変 化 を 規 定 して い る直 接 的要 因 は,懸 濁 物 の 質 と量 の分 布 状 態 で
あ る と考 え られ た.
17.以 上 の 結 果 に よ り付 着 生 物 の産 業 的 諸 問題 に つ い て検 討 を お こな った.
防 除 につ い ての 具 体 的 な応 用 例 と して,付 着 ヌ タ とカ ンザ シ ゴカ イ また は シ ロボ ヤ の 多
い 水 域 に あ る港 湾 や 養 殖 漁 場 の諸 施 設 及 び養 殖 生物 の 管 理 に 関 す る二 ・三 の対 策 を あ げ た.
利 用 面 で は,未 利 用 資 源 と して の利 用 と環 境 指 標 生 物 と して の利 用 が 考 え られ る.前 者 で
は 差 当 って蓄 養 魚 や 釣 の餌 と して の利 用 が あ る.後 者 に 関 し ては,佐 世 保 湾 附 近 の 真 珠 養
殖 漁 場 の調 査 よ り,付 着 生 物 群 を指 標 と した 内 湾度 の 異 な る漁 場 で は,貝
の成 長 度 や 珠 の
海産 汚損付着生物の生態学 的研究95
品 質 に差 が あ り,中 内 湾 性水 域 が 珠 の 生産 に最 も適 した 漁 場 で あ る こ とが わ か った.真 珠
養 殖 漁 場 で は 付 着 生 物 調 査 は 容 易 に お こ なえ るか ら,漁 場 の選 定 や 管理 面 で の 実 際 的 で有
効 な資 料 とな る.
18.本
研 は 総 体 的 に 質 的 な面 に 重 点 を お い た.今
後は 個体 群 や 群 集 の量 的 側面 の 研
究 を発 展 させ た い.そ の際 に は餌 量 と これ に 関連 して基 礎 生 産 物 量 も重 要 な研 究 課 題 とな
る.
文
献
1)BARNARD,J.L,1958:Amphip0dcruStaceanSasfoulingorganismsinLosAngels・
LongBeachHarborSwithreferencet0theinfluenceofseawater
,turbidity.(々`・,
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3)CHIppERFIELD,P.N・T・1953:0bservation0nthebreedingandSettlementof
Mツti乙essedueis(L)inBritishwaters,ノ,Mαr.BioL・Assoc,,32,449∼476.
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Inst.Oceataog,,Tec/t.Ser.3(3),37∼86・
5)CoE,W.R,1948:Nutrition,environmentconditionsandgrowthofmarinebivalve
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ノ ・Mαr.Res.,7(3),586∼601,
6)CoE,W.R.1956:Fluctuationsinpopulati0nsof1itt0ralmarineinvertebrates,
」,Mar・Res・,15(3)・
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7)DAvls,H.C.1960:EffectSofturbidityproducingmaterialsinSeawateroneggs
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8)ENGLE,」
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MytiltisedalisLINNE.Ecology,25,433∼440.
9)榎
本 義 正 訳 ・1960:海
No.6,1∼21(プ
10)古
川
厚
のBepthOS卓
越 種 間 の 食 餌 関 係,
,ソ
ビ エ ツlr水
産 文 献 蘇 訳 シ
リ ー ズ,
リ ン1・).
・野 上 和 彦.久
岡
実.小
笠 原 義 光
・岡 本
亮.小
林 歌 男 。1957:海
び に 主 と し て そ の 点 か ら 見 た 貝 類 養 殖 場 の 特 性 に 関 す る 研 究.内
中 懸 濁 物 質 並
水 研 報,No.14,6∼144.
11)GaEGG,J.H,1948:Rep1icati0nofsubstratedetailbybarnacleSandsomeother
marineorganismS.Biol.Bull.,94(3),161∼168.
12)波
部 忠 重.1956:内
湾 の 貝 類1貴 骸 の 研 究.京
13)花
岡
湾 生 産 力 の 標 示 に つ い て.内
資.1952:内
14)H〔RAr,E.1958:Morphologicalobservationofasci
大 生 理 生 態,No.77,1∼36.
水 研 報,No.1,42∼53.
.dian!arvae-一"t.Styee(`plicata
(LEsuEuR).Butl.Mar.St.Asanzushi,g(1),21∼22,
15)平
野 礼 次 郎 ・大 串
順.1952;附
着 生 物 に 関 す る 研 究 一1.油
壼 湾 に お け る フ ジ ツ ボ 附 着 量
武
梶
96
原
と成長度の季節的変化.日水誌,18(11),27∼32.
16)
弘.戸冨静電.1936:船底汚損生物の研究.植物及動物,4(5),.905∼917.
17)
菱田耕造.1953:海水の濁りに関する研究.日海洋誌,9(3∼4),143∼180.
18)
HosHiAi, T, 1959 a: Synecological Study on intertidal communities一 ll. On the
interrelation between the EliJ’ikia fusiforme zone and the Mytiltts edulis zone, Bule.
Mar. Biol. St. Asamushi, 9 (3), 123tv126,
19)
HosHiAi, T. 1959 b : Ecological study of the interspecific relation among littoral
sessile animals on the artificially denuded rock. Bull, rvtar. Biol. St. Asamushi,
9 (4), 197t−199,
20)
HosHiAi, T. 1960 : Synecological study on intertidal communities−M. An analysis
of interrelation among sedentary organisms on the artificially denuded rock
surface, Bull. ]far. Biol. St, Asamushi, 10 (1), 49rv56,
21)
HosHiAr, T. 1961 : Synecological study on intertidal communities一一 rv . A.n ecological
investigation on the zonation in Matsushima Bay concerning the so−called covering
phenomenon. Brtll. Mar. Biol. St. Asamushi,.10 (3), 203tv211.
22)
23)
兵庫県水打.1958:兵庫:県における浅海増殖の歩み.23∼26.
飯塚昭二・梶原 武.1959:網の付着物に関する研究一1.付着泥中のDiatom群について.
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24)
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brown algae ; Undaria pinnatifida) grounds of Shimabara, Nagasaki Prefecture.
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25)
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26)
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27)
Iro, T. 1959 : Marine sedentary communities with special reference to succession
32”一39. . 一
in the lnland Sea of Japan. Bule. Mar. Biol. St. Asamushi,9 (4), 161t一一165.
28)
29)
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岩田清二.1950:ムラサキイガイの出面放出一皿.電気刺戟による誘発.日水温,15(9),
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30)
J〈bRGENsEN, C. B. 1949 : The rate of feeding by Mytieus in different kinds of
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31)
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32)
河原辰夫.ユ958:付着生物の群集に見られる生態現象の解析一1.組成種の消滅状態におけ
33)
KAwAHARA, T. 1960 : Analysis of ecological phenomena in the community of
る顕著な二型.動雑,64(3),72∼75.
sessile organisms一一・ 1. Extinction of Bugula neritina LiNNE and Styela plicata
(LEsuEuR) from the community. ReP. Fac. Fish. Mi.e Univ,, 3 (3), 570.
34)
35)
KAwAHARA,T. 1961 : Regional differences in the composition of fouling communities
獄9畿羅旛繁潔篇lf羅臆念一L漁場の灘具
海産汚損付着生物の生態学的研究
97
魚種について.本誌,No.6,113∼120.
36) 梶原 武・飯塚昭二.1959:網の付着物に関する研究一予報..微細付着物の季節変動に
ついて.本誌,No.8,43∼50.
37) 梶原 武・飯塚昭二・入江春彦.1960:網の付着物に関する研究一 .9.付着ヌタの季節変化.
本誌,No.9,64∼69..
38) 梶原 武.1961=網の付着物に関する研究一皿.付着生物の季節変動.本誌,No.11,49∼64.
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40)梶原 武.1962b:シロボヤの季節的消長.本誌, No.12,41∼44.
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42) KNiGHT−JoNEs, E, W. and J. P. STEvENsoN 1951 : Gregariousness during settlement
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43) KREy, J. 1961 :・ Der Detritus in Meere. J. du Con., 26 (3), 263一一280.・
「44)松江吉行編.1962:水質汚濁調査指針.恒星社厚生閣,p.198∼259.
45) MAwATARi, S. 1951 : The natural history of common fouling bryozoan Bugula
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Nat. Resources, No. 28, 17・v27.
47) MAwATARi, S. 1953 : On Eeectra angulata ,LEviNsEN, one of the fouling bryozoan in
Japan. Mis. ReP. Res. lnst. 2Vat, Resources, No.32, 5−vlO.
48) MAwATARi,S. and S. KoBAyAsHi 1954 : Seasonal settliment of animal fouling
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50)馬渡静夫.1958b:貯木場におけるフナクイムシの被害.木船木材蝕害とその防除, p,203∼
209.
51)馬渡静夫・北村晴男・稲葉治丸・保坂邦子.1961:水路障害生物除去の研究(その5).東電
技研,1∼109.
52) MEyER−WAARDEN, P.F. 1956 : Oyster and mussel culture. RaP. Pro. Ver.
Rbuniqns, 140 (M), 47一一58,
53)右田清治.1959:合成繊維によるノリの採苗について.本誌,No.8,223∼228i
54) MiLLER, M. A., J. C. RApEAN and W. F. WHEDoN 1948: The role of slime film
in the attachment ot fouling organisms, Biol. Bule., 94 (2) 143一一157,.
55) MrLNE,A,1938一: The ecology of the Tamar estuary−M. Salinity and temperature
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100
Bulletin
of the
Ecological
Faculty
of Fisheries,
Nagasaki
Studies on Marine
University
Fouling
No . 16,
1964
Animals
By
Takesi
KAZIHARA
SUMMARY
Marine
fouling
animals
inflict considerable
damage upon halls,
cooling water conduits
and submerged
structures
to be used for
culture fisheries.
The researches
on the prevention
of the fouling of vessels by them
have been made
for the past many years,
but the researches
regarding
the prevention
of fouling of water conduits,
which
pass
through
the sea water,
were started only twenty yearse ago. Main
foulers in water conduits and their conditions
differ from those on
ship's
bottom.
Neverthless,
the research
projects
in connection
with both problems
have been planned with the same aim to search
for antifouling
materials
and effectual
treatments
to prevent
all
fouling organisms.
Because cultured
animals in the case of culture fisheries
are chief
members of submerged
structures
to suffer from fouling organisms,
it is difficult to make use of antifouling
coatings for the prevention
of the fouling in question.
In pearl culture fisheries in Kyushu,
the
fouling organisms
on pearl oysters are scraped away by customary
hand work once a month
during
the period when foulers
are
flourishing.
From the view point of fisheries,
there
are other projects
on
fouling
animals
such as food for culturing
fishes
or biological
indicator estimating
polluted bounds of waters,
which were noticed
by a few culturists
and researchers.
The present
study
has been carried out to clarify
important
ecological problems
on the fouling organisms,
with reference
to
themselves
and their utilizations.
The laboratory
experiments
were carried out at the Faculty
of
Fisheries,
Nagasaki
University,
Sasebo-City,
Nagasaki
Prefecture.
Tests and surveys
of the fouling animals in the field experiments
were undertaken
inshore
waters near Nagasaki
and Sasebo Bays
in the western Kyushu.
Ecological
Seasonal
Studies
Changes
on Marine
of Fine
Fouling
Attaching
Animals
101
Materials,
so-called"Nuta", and Sessile Diatoms
The surbmerged
test fishing nets (cremona)
are covered all over
by the fine attaching
materials,
so-called
"Nuta",
which chiefly
consists of adsorbed detritus,
within a short time after immersion.
1) Peaks in the seasonal changes of abundance
of "Nuta"
occur
in spring and autumn on both one-month
and two-month
immersion
nets, but during the period from autumn to winter in the case of
three-month
nets.
2) Generally,
the amount of "Nuta" on one-month nets submerged
near the sea surface is larger than that in both middle and bottom
layers. "Nuta" on the nets in middle and bottom
layers
keeps on
increase
little by little depending
upon the duration
of the net
immersion,
but is not always so on surface nets.
3) Each seasonal
change of "Nuta"
on one-, two- and threemonth nets, and the increasing
ratio in "Nuta" of the 1st-2nd and
the 2nd-3rd seem to be more affected
by seasonal
variations
in
amount and species composition
of the fouling animals than by the
oceanographical
conditions
in each season.
4) "Nuta" generally attaches thicker on horizontal
sides than on
vertical ones of submerged
structures.
In horizontal
sides faced to
water surface,
the deposition
of "Nuta"
is rapidly
increased
with
some amount of fouling communities
whose dominant
members
are
composed of block-formed
animals such as barnacles
and serpulid
worms,
because they may prevent
the deposits
from being taken
away by water currents.
Consequently
on the upper surface
of
horizontal
structures,
we often find out those animal remains which
are concealed by the thick deposits.
5) Sessile diatoms,
consisting
of 21 genera of Pennales
and 11
genera of Centrales,
are found in the "Nuta" attached on one-month
nets all the year round.
The cell-countings
of the former group in
which Nitzschia dominated,
are larger than the latter in every month.
Members of Pennales
flourish in early summer and decrease during
the period from autumn
to winter,
and the depths
showing
the
abundant
cell-countings
are transferred
to deeper layers in summer
and to near the surface in winter, probably depending upon changes
of light intensity.
In the group of Centrales,
sessiled Skeletonema dominate
all the
year round.
The seasonal change of this species differs from that
of pelagic one, and then the former has only a peak either
in
autumn or in early winter.
102
Takesi
Ecology
KAZIHARA
of Fouling
Animals
1) The seasonal
occurrences
of each fouler
and changes
in
favorable
attaching
depth of it on the test nets and blocks are
summarized.
2) In one-month
test structures,
a surface coated with dark color
was more fouled than a surface
coated
with light color,
and if
rough surface,
it was more fouled than in the case of smooth one,
and numbers
of species,
and individual members of foulers on upper
sides are larger than those on opposite sides.
3) Suitability
for the settling
of free swimming
larvae seems to
be affected
a little by the color and texture of submerged
surfaces,
but the growth of fauna is considerably
affected by the shape
or
size of surfaces.
4) The results of ecological studies on populations,
with reference
to serpulid
worms, Mytilus edulis and Styela plicata, are summarized
as follows :i. The settling period of serpulid
worms
usually
extends
from
late spring to autumn
in warm waters in such as the middle and
southern
parts of Japan,
and it has a tendency
that the more
southwards
we go the longer will be the period.
Among the serpulid species in Sasebo and Nagasaki Bays, Hydroides
norvegica and Serpula vermicularis dominate.
Although
the settling
durations
of both the species extend over so long time as from May
to January,
the most abundant
settling
of the former
usually
reaches its peak in early summer and that of the latter in autumn.
The tube-diameter
of both worms attain to about 1.0 mm and over
within growth period of three months after they settled,
and then
they become sexually matured.
The population
density of tube-worms
is low at the mouth of the
bays, gradually
becoming denser toward the innermost
of the bays,
such tendency
of their
horizontal
distribution
in the bays,
in
correlation
to that of transperancy
of water,
are observed
in the
distribution
of Mytilus. Because more than 90% of them are Hydroides
in the middle and innermost
parts of the bays,
the population
is
denser on the structures
which are immersed
in early summer
as
compared with those immersed in other seasons.
Thus such denser
populations
grow rapidly and attain
to the largest
clusters
after
about a year,
regarding
mono-species
composition,
though
they
mixed with a few other animals (the largest cluster ;
about 14 cm
in height from attached
surface to top of tube, ca. 700g in, weight
Ecological
Studies
on Marine
Fouling
Animals
103
and ca. 6,000 living worms per 100 cm2). And afterward they begin
to fall into decay, keeping on increase of non-living tubes, in spite
of a few settling of juvenile worms.
ii. The settling of Mytilus occurs during the period from autumn
to early summer with two peaks ; one in November and the other
from March to May. On the vertical sides of buoys setted in the
middle and innermost parts of the bays, generally shells conspicuously
aggregate in the zone from sea level to the depth of 15 cm, and a
few members are observed in the depth more than 15 cm, where
their settling seems to be checked by the large clusters of tubeworms. Such crowded shells near the water surface would always
decrease in population as the result of high temperature in summer,
and then it appears that their mortality is larger in great assemblage
than in small one.
iii. Styela has a long spawning period such as from late spring to
autumn, with two peaks; one in early summer and the other in
autumn.
The favorable settling and successful growth are found in
depths more than 2 meters.
The growth rates in length, breadth and weight are shown to be
greater in the early summer generations than in the autumn ones,
because it may be due to the difference of the former's growth
period from the latter's in environmental
conditions, with special
reference to temperature and food.
Autumn spawning groups are assumed to consist of the early
summer generations
in the same year, and autumn generations
will grow to be the main spawning groups in next early summer.
The survival ratio in three months after their settlement
is
assumed to be less than 50%.
Natural death of the early summer generations
and the autumn
ones will occur from May to July and from August to September in
the following year, respectively.
Styela larvae and attached individuals are killed within 48 hours in
the diluted sea water which is less than 14‰ chlorinity.
In Sakibe
Inlet, Sasebo Bay, the rainfalls usually lower the chlorinity of sea
water in layers from 0 to 2 meters deep, the heavy rains, which
lower chlorinity of surface water to less than 14‰, fall several
times during the period from July to September.
Therefore, Styela
attached on the structures in the surface layer suffers from the
heavy rains in the above seasons, but in deeper layer than 2 meters
below the sea-level there are little influence.
Takesi
104
Synecological
Studies
KAZIRARA
on Fouling
Communities
The present
study was undertaken
to investigate
the assemblage
construction
of fouling
communities
and their
succession.
The
results obtained
are as follows : 1) Animals
treated
as foulers,
except their parasitic animals and
orers, can be divided into two groups by their habits.
Sedentaryb
animals
are true foulers
firmly
settled
on the surface
of solid
substrata,
and also they are fed on suspending
detritus
in water by
means of filtering,
while ground animals live on or among sedentary
animal assemblage
and take usually the fine attached
materials.
In the members
of sedentary
groups,
the entrances
of their
digestive
organs
are necessary
to keep contact
with free water,
though they form the vertical assemblage
constructions
which are
Table 1. Fouling types which are divided by the living formation ;
quality of test ; and growth form.
Types
formation
(M)
Species
—Vertical-cluster, Balunustintinnablumrosa,
—Large
(Mslv)
Mytilus edulis
size —
(Msl) —Flat-cluster
(
Oysters,
Mslf)
Chamas p.
—Shellform
--Vertical-cluster Serpulid worms
(Ms) —Small
(Mssv)
(Hydroides norvegica) Monozoic
size
(Mss)—I--Flat-clusterBalanus
(Mssf)
B.a. hamiiiensis
amphitrite
, Barbatia
communis,
spp .
—Large
St
yela plicata, Cionaintestinalis,
I,Nonsize
Actinias (large)
—Ishell- (Mtl)
.._.
form
(Mt)
—Small
size
(Mts)
A ctinias
Gregaroid
—colony
(Cg)
olony
(C)
(small)
(Algae)
, Hydroids
Bugula neritina, B. californica
—Shellf
orm
(Ccs)
Massive—type — N
oncolony —shell(Cc),
form
(Cct)
—Plane-form C
(Ccsp) formation
Bryozoa
(Watersipora
—Massive-form
(Ccsm)
Bryozoa
Corals
—
Compounds
—(Stolon-form)
(Alcyonacea)
cucullata)
(Acanthodesia
savartii)
ascidians
Ecological
laid on one another.
interor intra-specific
Studies
on Marine
Such vertical
competitions
process
of their
forms
in which
settling
and growth,
they
make effective
forms
of ground
of these
groups
groups
increases
Fouling
105
Animals
constructions
that
may
are
occur
resulted
through
from
the
while it is regarded
as adapted
use of limited
spaces.
Massive
scarcely
appear,
but the individual
number
according
as the sedentary
constructions
develop.
2) It was observed, on the floating bamboos in Sakibe Inlet of
the Sasebo Bay, that the clusters of tube-worms attached near the
sea level of the bamboos are modified by the covering of Mytilus but
their clusters in deeper layers are broken down following the death
of Styela and Ciona. And furthermore, on various submerged
structures, it is clarified that successional changes of fouling
communities are generally resulted from the covering or break-down
actions and then both the actions play an important role in the
forming process of the communities.
3) From above and other observations, it is found that the living
formation; quality of test; and growth form are closely related with
the forming process of constructions and succession. Consequently,
the fouling animals are classified into various types by the above
characters (Table 1). Covering and break-down actions among these
types are assumed to be arranged in the order as shown in Table 2.
Table 2.
Order
Covering
in covering
and break-down
actions.
action
Cc>Mt=Ms1v>Mslf>Mssv>Mssf=Cg
Break-down,action
Mt1=Cct>Mts=Cg
Distribution
and
their
of Fouling
Biological
Communities
Indicator
The composition
and distribution
of fouling communities
and shell
remains deposited on sea bottom were investigated
in Nagasaki and
Sasebo Bays.
1) A large number of species of fouling animals are found in the
middle part of the bays,
and they tend to decrease
from there
toward the mouth and the innermost
part of the bays.
106
Takesi
KAZIHARA
2) The characteristics
of the bays may be represented
by the
fouling communities,
because the species compositions
of them in
various
regions,
e.g. the middle
and southern
parts of Japan, are
similar regardless
of their geographical
locations.
3) On the basis of these observations,
it is assumed
that the
indicator
species in each part of the bays are as follows : Outer part of the bays·········Balanus
tintinnabulum rosa, B. trigonus,
Lepas anatifera
Middle part of the bays······Styela
plicata, B. amphitrite communis,
Watersipora cucullata, Bugula netritina,
Hormomya mutabilis, Mytilus edulis,
Barbatia sp.,
Hydroides norvegica,
Serpula vermicularis
Inner part of the bays ·········Ciona
intestinalis, B. a. hawaiiensis,
Bugula californica, M. edulis,
Brachidontes senhousia, H. norvegica
4) In Nagasaki Bay, it was observed that characteristics
of the
bay are represented
by distribution
of shell remains,
coinciding with
the characteristics
which are shown by the distribution
of the fouling
communities,
in spite of difference
between both the habitats.
5) From the investigation
of environmental
factors,
it is suggested
that
the distribution
of suspending
detritus
is related
to the
composition
of fouling communities,
and though the abundance
of
detritus
in water is not necessarily
a limiting condition,
but is often
correlated
with dense tube-worms
and Mytilus fouler populations.
6) Preliminary
survey was carried out in pearl oyster farms near
Sasebo
Bay,
with
reference
to the relationship
between
the
productivity
of farms and their fouling communities.
Although
the
pearl oyster suffered considerable
losses from fouling animals,
it is
supposed
from this results
that
the indicator
species
mentioned
above may be useful for judging the characteristics
of farms, which
are related to the productivity
of excellent pearls.
107
海産汚損付着生物の生態学的研究
附表 1−1 佐世保湾内灯浮標の付着生物調査,個体数及び重量(/1,000cm2)
();死個体の数及び重量. 〔 mm 〕 ;ふじつぼ:最大直径,二枚貝:殻長
かんざしごかい:殻高,其の他:体長 L;灯標 F;浮標 B;繋船ブイ
1
1961.
洗出ノ瀬,L
灯浮標名及び種類
浸漬した年月(浸漬期間,年一月)
1957.M (3 −6)
付着生物採集水深 cm
O一一55cm
個体数
げ
重量9
やややや
にびみ
ぎえ
が
C夕〃20dOC召aブaPonica
まままままへ
LePas anatifera
つ転漕つが
B. tintinnabbllum rosa
とどニさピ し
Balanus amPhitrite communis
B. a. albicostatus
B. a. hawaiiensis
B. trigonzas
じふふふじ
ふじまくふし
さすじか﹀ま
らうてんカー
さした窓あえ
Cirripedia
せ
Amphipoda
ぼぼ
ぽじいぼ
Xanthidae
Hippolytidae
ふみ
Compound ascidians
あもう
Ciona intestinalis
しふゆ群
S. Parlita
ろすれ体
たう
Ascidiacea Styela plicata
Crustacea
XI
調査点番号
〃 年 月
O,6 (5)
66.7(12−40)
1.2 (35)
O.1
482
6.1
Other
Gastropoda
いいきわいいきすい
もる が しい
Brachidontes (Arcztatula) senhousia
Barbatia sp.
とぎがまや.きがとが
llO7勉om夕α 〃znttabil’is
ま さり
Mytilus edulis
ぬくみこらまと
llialella orienlalis
Chama sp,
Saxostrea echinata
Anomia lischleei
Pinctada martensii
ききけなあむひほえ
Bivalvia
労しが霊ぎ
おおへびがい
SerPl〃orゐis imろフ’icatUS
Other
16.4 (5−35)
28
Other
ッ流
B. neritina
けω
/1canthodesia savaフ”露
Seaweeds
O.6
(50)
O.1
類周くら綿
Actiniaria
Calyptoblastea
二虫んど
三一いひ石
Anthozoa
Hydroida
Calcarea
しいめりい
Serupulidae(主に恥〃。ゴ鹿s norvegica)
Sipunculoidea
Turbellaria
こかそやし
Eunicidae
Sabellidae
ぎ 灰
ろ ぎ そ
うごいけか
Polynoidae
ノ〉セ7召ゴssp.
ん
Polychaeta
しししし
凧atef’S勿0プαcucullata
BugzaZa 6α1ピ授刀ワzica
むむ轟 必 齢 や
ち十
ちな鋸
Bryozoa
轟騒
Loricata
藻
海
他
其
Other
の
総
重
量
516.3
武
梶 原
ユQ8
2
向後崎, L
1960.
1961.
皿[
1960. VI
1960. 皿
4
3
2
LX
2
W
1960.
/!
1!
伊ノ浦ロハナレ,L
海老ケ曽根, L
1959.g(1−1)
195り皿.(1−4)
1959. ff (1 −7)
1960. 翠皿 ( 一6)
1959. S]皿 (一7)
O−v50cm
O・一一3ecm
O一一50cm
O一一30cm
O−v50cm
0フ0フ
11
個体数陣量・ 個体数 重量9 個体数 重量9
00
個体数 重量g 個体数陣量・
10.5
9.5
13.3
28
47.6
32.4
193
1
51
O.3
186 (5 一35)
980
10
14.7
48
1
143 (20−50)
10
9
O.3
3.5
4 (14一 2)
6.3
25
6.7 (14−20)
’9.2
3.2
595
6.4
O.2
1.7
52.5
6 (12−14)
3.2
8.3( 20)
O.2
4.5
357.8
237.7
1,614.9
14.1
9.8
109
海産汚損付着生物の生態学的研究
4
5
6
1961, II
1961. NI
1961. W
4 4
1960. II 1960. or
11
11
1!
伊ノ浦口,大曽根,L
小庵ノ浦,F
1959.Swr(一10)
1959 .Xwr( 1 一 1 )
1959 .Vll[( 1 一10)
1959. X (1−8)
1957. xt (3 一 6)
O・x・20c’m
O・N・50cm
Otv30cm
O・N−90cm
O一一55cm
個体数 重量9
個体数 重量9 個体数
重量9
個体数
重量9
個体数
重量9
7.3
4.4( 10)
r
r
138 (5 一20)
90
111(56)
7.8(2)(15−17)
!02
7.8 (12−17)
3.3 (12−25)
r
4.9
ぐ﹂2
1
り乙﹁⊃
3,3 (12−34)i. 11.6 37.8(25−45)
20/
−rD
15.6( 2)
100
44.4( 5 一13)
2
7.8 (4−10)
O.4
202 (5 一40)
182
21.1 (2−20)
2.O
15.5 (3一 8)
O.4
11.1
58.2(36)(7 一20)
36.4
2.9(2.9)( 10)
39.3(19)(8 一20)
51
0.3
68.4 (8−30) 320
122 (2−100)
1,390
1.5 ( 60)
2.2
O.7
58.2
87.4
O.1
2.2
6.7 (50−70)
1.0
1.1
5.6 (30−50)
O.2
2.9 ( 50)
O.3
0.2
5.8
2.9
17.5
17.5
26.8
128.4
100
38.9
3.6
14.4
998.8
79.3
24e
36.4
2,239.2
武
原
梶
110
8
8
8
7
9
征
、
庵
1960. K
1960. W
1961.
L
崎,
湾中央,21
号,B
1959. 1 (2 一 5)
1957. ・rv
1961.
1961.
!/
湾 中 央,20,B
!!
1957. ISr (4 一 2)
1957.Af (3 一・ 5)
1957. NW (3−10)
(3−2)
O’v55cm
個
体 数
Orv40cm
O一一20cm・
重量9 個圃聾・
個体三四・
重量9
体
個
2
15.6
5
1・.7
16
O.2
︵
18.1 (5−15)
︺
︵
O.6
45.8
(5−10)
1.6
472
30 (12−15)
184.2 16.7 ( 7−32)
8.3 (
1e)
O.2
11.2(11.2)(8−20)
19.2(16) (10−17)
24 (12−25)
11.2
(20−30)
9.6
3.2(3.2>
65 (10−40)
14.1
3.1
70
1
10
2
52.4
87.5 60
( 2−25)
2
3.3 (
300 (
2−90) 2,170
142
66,6
7.8
O.8
O.5
6.4
1.7 (
1.7 (
3つ﹂
3.7
O,2
22
00
︺︺0
0
1.6
5
43.8
1.9
(’ 60)],
17.6
︺
01⊥
( 12)i
37
33
. 0
003
93
(3一 5)i
132.5
16
1.8
1.7(1.7)
(2−35)
8
o. ・ ・ ■︵
54.6
1.6・ ( 6)
40つ﹂∩フ!0
(10−37)
181
︶
4
0
ワ﹂2ご﹂!hU−⊥
16.4
152 ( 5−17)
25.6(15−30)
3 1
42.2
1.3 118 (96)(10L’ 20)
3〆0
183(180) (6−13)
8.3(5)(7−15)i’
1.7(1.7)( 9)
り乙62
3.9
0〆OQ/
26.2(20) (7−10)
9,8
2.2
10)
8.5
十
262
● ● 0
1.6 (
1.6 (
〆032
弓乙2
9.9
3.1 (4一 8)
董量9
数
︺﹁ノ
2
り乙︷U
︵
15)
個 体 数
103
00
2.5 (6−40)
6.5
Otv50cm
O・”v40cm
O.1
(20)
114
(10−20)
● 6.4
0ノー︷U
1
15)i 1.0
●
4.3
77.8
147
50
61
1.7 (
24
160
459.5
j
907.5
682・.2
387.3
2,800,6
ll1
海産汚損付着生物の.生態学的研究
湾東部,B−62,B
1955.X(5−2)
:重量:9
15)
19.2(10−55)
19.7(10−15)
重量9
170
103
10
10
O.9(
7.5
個 体 数
9.6
O.3
32
2.7(10−20)
5,3
60 ( 5−17)
1.8 (1.8)
1.8(1,8)(10)
1.8(1e−2e)
10)
O.9
体 数回量9
41
( 5一 70)
(10−12)
( 30)
個体数
52 ( 2一 35)
2.1(
●
個体数
重量9
12)
112
10.7(IO−70)
13.3
O.2
8 (10−12)
3.4
r
重量・9
5
r
19.2
(9) (10−20)
32
281 ( 7一13)
1.6(
14)
1.3 23.4(6.6)(12−13)
1.6(
17)
1.8
8.5 270 ・( 9−15)
188
142.5 24〈5)(7−17)
14.9
IL2( 5−15)
3,2(
50)
1.0 101・
17.3
( 3一 1・3)
49,6
2.2(
6.4
●
・ ,
O.5
■ .
319142.7(so−80)
=﹂〆0
O.9116 ( 30)
10フ
3 5?:§E§8==壼8ヨ1
00り乙
70
. ●
0つ4
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3.51 26.7
5翼﹂
22.2(50−80)
︺﹁ノ
O.31 3.3
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∩り7
4.8(20.30)
0 10’.6
︻﹂4
64 ( 5−15)
●
0,2
7
645
74
2.2
9.5
10 (20−30)
41 (30−70)
517 ( 5−60)
O,1
216
● 41 (.5−10)
20.8
27.1
8
21
31
3に﹂
3.3
10
5
142 ( 5−45)
00
O.5
O ●
3.2(10−20)
!0り乙
O.3
3.2( 30)
11■凸
8 (10−15)
︺︺
0
0
O,5
326
( 2−35)
︹︹
69 ( 2−55)
875
85
14
20)
5,5
29,4( 5−15)
︺
51
9.1(30−40)
O.9(
Ot一一30cm
●
O.9( 40)
● O ■ D 2り48﹃﹂
1
00
34
−
r
8(
t1
1959.V皿(1』・一10)
O一一25cm
﹁D5
● 01弓乙
10.9(10−20)
O一一30cm
O・・一5ecm
固
イ
個体数
ドンブリ瀬,F
19S9.Sva(1−4)
1958. NI (3−O)
1955. X ( 5 一10)
1961.
1960.
湾 東部,64,B
!1
Otv50cm
W
1961.
1961.
NI
猛
、
1960.
12
12
11
10
10
︺
︵
5
10
(10)
54
(70)
1,175
︺
10)
724i
(60)
︵
1.6(
208
の 9 ●
1.4
(20)
8
08
31
1
3.6(10−15)
395
5
O.3
O.9
11.2
71.4
i575.7
641 .7
i1・564・6
O.91
34.7
1.5
1
731 .7
1,91Z6
武
原
梶
・l12
13
13
1960.
14
W
1961.
一貫 曽 根,F
1960.
1959. S1皿 (1−10)
//
1959. X (1−8)
1959. X (1−2.)
O−v20cm
O・’一一15cm
1961.
湾 東 部,F
/1
1959. wr (1 一4)
14
O・v40cm
O・Nt 50cm
固
イ
体
個
数
20(5)(10−75)
5
体 数
個
一27.8 22.5(10>( 5−20)
60 ( 8−20)
( 30)
10.5
● 1.3
重 量9
116
5 (15−15)
重量9
●
︵
5
10)
2
r
r
r
4.4(4.4)(7一一14)
O.7
60(54)(13−16)
37.2
7)
O.9
12(12)( 7−10)
1.2
(3一. 7)
3.5
42
10(10)(
13
17.3
重量9 個 体 数
体 数
01
( 5−25)
.43
重量9
5 (5) (
4.4
( 3一 5)
O.1
︵
15)
3
10)
O.1
235
19.8
(10−20)
1.2
24( 2−20)
( 2−85)
10
(10一一20)
1.3
( 5)
1,240
り乙0
2.5
159
0り乙
O.6
O.3
2,041
480
( 5−10)
3
( 30)
(50−100)
(10−20)
5〆0
(10−120)
12 ( 20)
30. (30−80)
0
1
1
530
15
∠U8
(30)
( 30)
6︹﹂
2
15
04
,( 20)
(30−60)
5
12
12
0
0
1←8
3り乙
(20−30)
(30−80)
04
⊂J
︻﹂5
9
O.5
14 44
( 3−10)
1,000
( 5−50)
( 15)
︻﹂→ー
55
13.8
( 30)
(20−30)
ワ60
38.3
28
り乙−
( 5−40)
580
!00
32.6
( 2−40)
に﹂3
3
6 (6)( 20)
1,一270
3.7
58.7
︺
6 (
O.6
21
O.1
591;3
5
2,719.9
,1,611.6
2.6
1.348.7
113
海産汚損付着生物の生態学的研究
16
17
1961. Sl
1960, M
安久ノ浦,A−12, B
安久ノ浦,A−11, B
1959. X (1−8)
個体数
64(20)(50一一80)
1690. )磁
1960. MI
安久ノ浦, A−13, B
牛ノ浦,A−14, B
1959. X (1−2)
1959. M (1−1)
O・v50cm
重量9 個体数.重量9・個
15.6(10−30)
1955. M (5−3)
O’一50cm
O・N・60cm
648
18
17t
54p5
体数
6.9 (10一一20)
O・’一60cm
重量9
10.3
個体数
重量9
O.8 ( 15)
1
3.1
3.9( 10)
O.4
2.3 ( 25)1 O.5
十
十
2.3 ( 8)1, 3.4
13 3
●
● ● ・
2 6
り41!0
に﹂00
2
1←
4.6 ( 10)
● ● ・ ●
( 7−13)
り乙122
2.3 ( 15)
11.4 (2e−30)
● ●
40
つ﹂4
︺
10
!00 4ワ8440
1!0
に﹂ ご﹂00にJO
2π﹂4!08
●
︺ ︺︺︺︺︺
(20−30) 175
13 8
︹
0.4
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464
1,9
3.9( 40)
● ●
(10−80)
23.4(20−30)
り乙3
0り乙
7
11.8
22
77.8
25.6 (30−70)
7.6
一
137 ( 2−15)
5
17.1
︹ ︹r﹂︹︹︹
O ●
π﹂−
30
506 ( 3−10)
2.3〈23)( 10)
● ■ ● ● 0
●
2.3 ( ,20)
●
3,4 ’
● 11.7(1i−22)
4り乙
e.4
10
● 99(26)( 5−10)
3.2
0ワ露
7
422 ( 2−30)
.O.4
1 0
●
6,4 (5・一15)
3.9( 5)
27,1( 3一 5)
● ・
64
35
9.6 (10−t15)
15.8(12)( 5−15)
6.9(6,9)(7−16)1 2.1
O.3
44 !000842
00 1
0
0101
625(64)( 3−17)
0.2
十
r
3.2 ( 7)
1
O.4 ( 10)
0 8
( 10)
61.3
O.8 ( 25)
0.8
●
O.5
5.4
7.7i・
1.273.4
23.6
336.7
256.5
248.2
梶 原
,114
19
18
W
1961.
1.,
2 (
10)
1.7 ( 50)
O,8
( 3一 5)
O.2
1.7 ( 25)
6.7
650 ( 2−75)
94(17).( 5−20)
5 (10−15)
37.7
2,2(20−50)
1.1(’ 20)
22.2
10)
一20.2
4.4(.40−60)
30 ’( 5−70)
200 (5−40) 128
0.8
O.4
1.8
334
︺
( 60)
( 5一一le)
︹二
74.8
∩プリ乙ワ8
26.3 (30−70)
り乙﹁D
15 ( 30)
6.7
( 7−10)
106
97
︹﹂つ4
1.5(
1(
17
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1
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3.3 (20−40)
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( 3一 5)
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(10−15)
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( 60)
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1
1
(30−80)
30 (10一一一40)
0フ∠U
1
( 30)
O.5( 60)
21 ( 5一・85)
11
10500
︺︺
0
0
2
3
O.2
2.5(15一一40)
2
︵
20)
1
( 2一 5)
72
ワ51!0
18
( 5)
18.3(13.3)
1.10
3.4
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4つ乙
( 3−30)
(’ 2−80)
O.5
O.2
0
0 30 O1
1∠U
1
8
4凶仕
(・ 55)
2
十
13.5
9 (30−45)
4(4>(20−35)
−!0
2.4
︺︻︺
﹂︻﹂
4.8
10)
O.3
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1.5( 7一一一12)
重量9
数
2
15)
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10)
109
唱−凸−
4 (
1
10)
1
O.6
3.3 (
体
︹︹
10)
28.3 (15−50)
4
重 量9
り乙η一
4 (
個 体 数
︵
4 (
2
O一一一15cm
00
610
10)
O.5
2
O一一60cm
1rO
個体数1重量g
r
93
1956. V (4 一一7)
固
イ
( 5一 50)
重量9
牛ノ浦,A−20, B
1955. M (5−9)
O一一一50cm
02
118
数
1960.
1/
1955. M (5 一一 3)
O・N−50cm
・20
1961.
牛ノ浦,A−17, B
11
体
19
1960.
1955. or (5−9)
個
.武
5
74
10
2
12
1,918.7
O.8
16.7
306.6
1,308.2
3.6
25
549.0
’115
海産汚損付着生物の生態学的研究
・、2
1961. II
I960.’
1956. V (5− 1)
oty20em
25 (50−70)
12.5 ( 15)
0.3
369
11.3
8.1
18.8 (10−15)
12.5
282(250)(7−20)
200
6.3 ( ’15)
10 ( ’15)
2
2.7 ( 15)
8 ( 30)
40
2.7 ( 15)
131 (3−10)
263
3e2
,8.9 ( ・15)
r 1 l r
13.i
5
44.4 (20−70)
重:量9
104 (104)( 8−12)1 49.41 ’
157 (157)( 7−12)1’ ”57,6
15 ( ’ 10)! ・・ t・5.3
2.5( 20)
重量9 ’個 体 数
5,3 (50−60)
r
r
2.5
個 体 数
重量9
12.5 (10−20)
0∼合6cm
ゴ
15
O’v30cm
・ ● ●
260
2.s( 40)
1960. 】皿 (1‘一3)
8り乙弓一
62.5(10−50)
? (約2年)
33くU
重量9
本 船』沖,L
.鱈ノ鼻,F
Otv40cm
個体数’・
2,5( 10)
e
hI (1−O)
.個 体 』数;t
1961. 11 ’
@1961. Vl
1961. … II
2一佐世保港,.
11
25
24
23
0
620(620)(rlO−18)
・374
8.9 ( 15)1, 6.2
O.5
133 ( 5一・1 0)
6.’
Q
3,5
5.8
2,180 ( 2−65)
・815
607 ( 2−45)
225 ( 5−30)
106
43,8 ( 5−20)
1,510 (2−45)
850 ’
5,61 ・
(10−60)1 325
(. 30)
(40−80)
︵
31 (’ 70)1 20.6
8,9
’ 71
(10−140)
2.7 ( 15)
3 580
1.1
Q/7
( 5)1・ 37.5
10.6 (30一一50)
214 ’(30 一一 80)
40〕1489
,
125 (30−70)1・ 15
0
0
1
12,5 [ 20)1 O.6
20 ( 30)i 1.3
489
58
0
4
2
5( 30)1 O.3
2,’840
0ノ〆0
00︻﹂
−つ乙
2
2,560 (15.)( 2−75)
8.9 (
io)1 0.9
1.9
0
J
fに
∂弓
4
1,367.0
132
720 1.
36.4
79.3
1,827.7
7,386.9
2,566.3
l16
梶..原
27
26 一
NI
1961.
・武、
1961.
W
28
28
1960. rv
1960. or.
4一佐世保, F
弁天島東, F
沖曽根, L
/1
1959. V皿 ’(1−10)
1960. H (1−3)
;959. X (一8)
1959.X (一11,)
O・一一30cm
ON20cm
O・N−20cm
O・Nt40cm
個体数
個体数
個体数陣量9
個 体 数
重量9
重量9
重量:琴
8.9 ( 15)! O,8
22.2 (20−40)1. 11.1 ・
r
r
17.8(17.8)( 10)
147 (120)( 9−12)
18 (5−10)
4.9
135
O.8
1,630 ( 2−80) 1,820
17.8 (17)( 3−13)
120 (9)( 5−20)
3.1
68.1
280
434(434)( 8−12)
1,000 ( 2−10)
1,760 ( 2−40)
113
1,180(2−11)
562
12.5.
1,450
150
234 (2一 6) 2.8
125 ( 4−10) 4.2
382
58 (30−80) 12.9
83 ( 70)1 4.2
’(10一一120)
(10−40)i’ 344
・3.850
51
2
1.6
65.8
5.8
133
6,387.1
2,318.5
203
562
海産汚損付着生物の生態学的研究
・29
1961. 11
1961. }1
O−v60cm
O−25cm
重量9
重量9
r
r
31 (9−le)
28
666 (300)(10−12)
195
O.4
4.4 ( 10)
746 ( 2−50) 430
58(58)(7−12)
480 (2−40)
個 体
F
黒 O・N・25cm
数
個体数
重量9
32.6 300 (300)( 7−15)
910 (. 2−50)
93 ( 5一=一15)
173
92 6
12(12)( 7−15)
8.1
252(252)(5−15)
142.4
80 (3一 6)
1.6
2,196 ( 9r40) 1,143
13 3
16( 4)( 5−15)
1.6
, 40 ( 5−30)
1.2
4
187
13.3 (30一一50)1 3.1
41.6 ( 80)
1
11.5
( 10),1, 18.2
(30 一一一 140)
3,640
9 ( 30)1 O.4
13 (20−30)
3.2
869.2
6.7 ( 80)
3.3
33.41 .
93.2
28 (. 30)
(30−90)
1.2
1,496
O.3
10.9
3,880.6
35.4
12
3.1
10.7
O.3
重量9
r
r
184
崎,F
1959. X (1−8)・
・
s9 (s−ls)
個体数
り 1960. W (1−O)
1961.
瀬3
1959.X (1−8)
鳥俗㎞
11
上
千皿
∼0
1961. SI
弁天島北,マル瀬,F
体数
31
・ 30
ノ砿
19
個
28
Ii17
83
45.2
1,278.1
2,945.5
梶 原.、
1・18
1959. su (1 一 6)
O−80cm
O・一一20cm
( 1−20)
4.3
5
(10−20)
0.6
量重9
タ カ 瀬,L
1959. X (1 一 8)
1959. X (1−8)T
o一・一80cm
O・N・25cm
体数陣量・
個
3
r
r
( 5一 80)
315
(10−70)
14
( IO)
1.7 ( 15)
32
( 5−10)
7
( le)
5
(10−25)
6−10)
207
200 ( 5−10)
10
90
( 5−10)
1,630 ( 2−45)
847
1,330
( 2−40)
13.8 40 〔5二10〕
4
10
(10−15)
33 (3一 8)
2
3.3
( 5)
167(167)( 7−12)
9.7 16( 16)( 7T15)
66.6
480 (480) (10 一r ,1 4)
1.6
2・71
3.3
24
( 2一 5)
1,512
( 2一 25)
44.4 8
( 5)
.( 5)
O,3
746
つ﹂−上
31
256
160
( 30)
( 30)
2 33
O.3
,(30−40)
04
10
O.8
3
8
0
4
つ乙3
1
1.7
7 ( 50)
67 (30−80)
74
( 80)
(70,一110)
ーワ﹁
(30 一一 80)
ーユ200
6
4
1
3.2
(30一一80)
0.1
037
134
5.2
6.7
8.8
3.5
8
10
0.8
16
OQ8
(・,.,2, 一45)
8
00
389
( 40)
( 10)
( 25)
重量9
十一
534 (534) (7 一 1−2)
37
体 数
O,3
十
30( 30)(
IZ8 (128) (・ 6 一一 12)
個
OOOO∠U
1
13.4
個 体 数
1
1961.
大 瀬,,L
71
0
2
数障量9
1
1961.
8一佐世保港, F
1960. SI 〈1一一 Q)
体
W
、
1961.
5
、
W
6一佐世保港,F
個
34
:33
1961.
3、
32
.武
8
5
( 30)
33
( 1・O)
67
(20−40)
920
e.3
5.’
R
1.3
4.0
1.990.2
1,294.・4
1,714.0
1,605.8
119
海産汚損付着生物の生態学的研究
36
37
1
1961.
38
38 38
W
、
、
1961’.
1960. M 1960. NI
12一佐世保港,F
鯨 瀬,:L
1
1961.
’11
1/
1960. xu (一6)
1959. W皿 (1 −10)
1959.S]皿(一7)
1959.Sen(一10)
1959. Swr (1tr l e)
O・v20cm
O−20cm
O・N・25cm
Otv25cm
O−v20cm
10一佐世保港,F
個体劃聾・ 個体数匝量・
10( ’50)
616 (2−15) 15
十
3.3
110(110)( 12)
60
100 ( 5−20)
16
3,930
( 2−70)
3,144
, 60
( 5−10)
6
80
i( 5−15)
23
つ乙2
00
O.4
8
’(2−5)
16
72.5(72.5)
(2−30)
906 6,365( 2−55) 3,525
25( 10)
2.5
414
10
( 30)
60 (50;80)
−∩フ
17 (30−50)
個 体 数 重 量9
27’
十
十
10(10)(8−10)
個体数回9「個騰陣量・
39
3.3
(30−50) 2,180
80
33.4
14
56
55
55.8
5,894
160
1,000
115(30−100)
5
5
00
/
1
9
3,719
武
梶
120
原
付表1−2
長崎湾内灯浮標の付着生物調査、個体数及び重量(/1,000cmO・)
(説明は1−1と同じ)
1
亙
月
年
〃
1962.
57
13
2.6
813
165
73
( 2−10)
(10−70)
っ鴇㍗が
じふふふじ
ふじまくし
さすじかふま
ら
う てラ
ん ヵニ
さしたさあえ
10)
325
個
7
体
数
重量9
70)
( 5一 1O)
23
14
541
。3
3.9
10(10)(
量:9
81
にびみ ぽぼぼぼぽい
3,70Q
(20−60)
( 15)
重
78,
26.1
9.5 (20−40)
数
︹
36.5 ( 5−50)
︶
数隠量gi
〃
OtNt45cm
体
やややや
みせ
〃
O・v40cm
個.
あもう
ぼぼ
噂ま ま
一じ、一
し
しふゆ群
ろすれ体
たう
え
体
〃 ︵
O一一70cm
9・
付着生物採集水深.cm
1962.
︶
? (5年以上)
〃 ︵
(浸漬期間 年一月)
黛
港 奥, MO, B
浸漬した 年月
個
V
1962.
灯浮標名及び種類
ふぎが
王
1
調査点番号
460
S
2,5(2.5)
6.1
おおへびがい
いいきわいいきすい
§ まど
カが
しがカもぎ
、 、
し 葺 し、
とるがカや義とが
ま ざ ま さり
ぬくみこらまと
ききけなあむひほえ
9.5
133
182
﹂
30.4 (15−40)
(10−20)
遵 護
5
1 53140
や
類甘くら綿
高他
海其
嵐
里
56
2
しいめりい
虫虫んど
ち海
ぎ綿
そ
図題いひ石
重
48 (20−30)
( 3一 60)
477
202(25)( 2−15)
152(65)( 3−4e)
13
58
6,226
6,570
( 3−40) 2,645
5.6
( 3−25)
しししし
こかそやし
ぎ
う
ん
うごいけか
か
む 覧
むむ島 こ
ナ
ーナこ
けこ一だ
さこひ
ご、 め
ぎさみ
ちなふあ
総
( 2−10)
(30−100)
の
21
( 30)
52.2
2.1
12.5
2.5
120
14
(15−60)
(10−40)
14.6
2.7
(40−70) 2,385
7 ( 50)
4
12.5 .( 15)
14
160 (160)
1.3
17
2,421.4
192(192)(3−15) 9.4
125(125)(5−15) 16
4.6
20
S0
( 20)
2
(20−30) 4
121
(10−50) 1,405
145(145)
3.4
240
4,036.4
i4・700.4
121
海産汚損付着生物の生態学的研究
1961.
M
1962.
1962.
港 申 央,No.1, B
港口,太田尾1,B
? (5年以上)
? (5年以上)
11
? (〃つ
? ( /! )・
16
3
個 体 数
重量9
︺
10
O.5
1.3
︻Uーユ
32 (34− o)1
﹂4占 ∂
4.3( 5)
●
重量9
個体数
︹
1’7 ( 10)
2 3
4( 10)
層0∼50cm
O・Nt60cm
個体雨隠量9 個体内庫量9
v
//
O・v50cm
e−v’50cm
皿
M
皿
1961.
皿
皿
1
4,3
1,280 ( 5−10)
25.6
3
32 i
2 7 2 7 39(39)(5−12)
8.1
4.3(4.3)
84(84)( 5一 7)
4.3(4.3)(30)
21.2
O.8(O.8)
7( 7)( 30)
32 4
2
10
11.3
9
68 ’
’ 43
128 (5−30)
51
,ZE2g:?g),i 7g・4
454 (10−60)
453 (45)( 3−15)
il−gE,一,gil ,?・3,
410(41)( 5−20)
0.4
0.4
,( 20)
16.6
770
4 ( 30)
4 ( 20)
11( 5−15)1 O,5
11( 20)] O.5
(10−20)] 19.2
( IO)
(50−70)
(10−15)
3( 40)1 e.5
(・ 40)1 810
(20−40)
1 360
、幽 ,
(20−40)
1
5
>
(15−20) 4 0 0
8.5 (i5−30)
34 (2e−60)
0.3
0
07
08
7
湘慢ワ凋3
(10−20)
0り乙侮日
13.4( 15)
42 (30−50)
34U !0り乙
12
39(25)(5−70)
3
7( 30)
470 (5−20)
00 ∩乙〆04
107
1
O.4
AU lに﹂ ワ5
O.4・
1 0ノ〆0 0フ
2
34 ( 5一 25)
8 り乙
︻U 5
●
8( 5)
3
︶
︵
8.5
7 (7)
11.4( 5)
13
1.3
︺
4.3( 7)
︹
2
78
13
1・,03Q ( 5−le))
3( . 40)1・ 1.1
・
14 5
6.2
10
470.6
1,224.7
1,002.9
1
!O r⊃ 6
●
9
.64
つ4 つ乙 に﹂
333(43)
0 4
7
2,520.
武
裾
122
原』』
湾口,ハンドウ瀬,L
1960. M
1960. M (1 ・一 2)
8︻﹂
1
(20−70)
220
( 10)
2.1
個 体 数
14
(2QT 30)
1962.
11
/1
1960, M (1−6)
1960. M (1
O・N・60cm
O・N・70cm
重 量9
v
1962.
11
(1 一〇)
O・Nt60cm
個 体 数
E
1962.
罰
M
1961.
重 量9
個 体 数
17
7
(40−50)
7)
O−v80cm
重量9
個
39
10
体
数睡・
(10−50)
61
1
り02
00乙
に﹂3
2
00
4.4
14
( 5−15)
00
5
13
3
3
13
60(50)(5−10)
29( 5)(5−12)
16,4( 12.7)
O.5( O.5)
20(17)( 10)
17.2( 2.1)
7(2)( 5−10)
4.1( 1.2)
3・.4 ( 7)
0.7
27 (14)( 7−15)
10 ( 25)
208 (117 )
10(7)(10−30)
19.2(13.9)
168 (10−25)
235
34( 7)(10−20)
1( 15)
24.31
122
O.5
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2
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2
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5−15)
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( 5一一:75)1 142
102 ( 5−75)
( 5一15)1; 98
505 .( 5一 20)
42
169(17)(’5一一25)1,
0.5
4 ( 一10)
1( 10)
7 . (20−30)
84’・i (30−100)
〆0︻﹂
(30L70)
384
( ・5−10)
7
( 40)
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( 5一 25)
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34
( 125)
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1,079
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︵
4
( 5−10)
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( 一15)
O.1
(30−60)1’
( 30)
(15−3e)
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16.8
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3.4
561
( 20)
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11
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12
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3
(10・一・ 30)
34
2
OA
84
04
1!3
( 5−20)
101
3 ’( 5一 7)1’ 0.3
( 5−15)
O.5
(30 ・一 60)
148
1,484.3
11
(10−25)
6.4
2.2
2
849.1
産産汚損付着生物あ生態学的研究
v
V
.璽
v
i962.
fウ62.
NI
V
1961.
湾外,カジカケ,L
/1
/1
1959. W (1 −8)
1961.su(O−5)
ユ961.X皿(0−6)
O一・」20cm
O・Nt80cm
O・Nt80cm
個体数
重量9 個体数 ’重量9
個 体 数 重量9
6
.13( lo)1 7.7
1
77( 5−10)1 5.2
7.7
5
1.5
( 5−10)1 27
( 10)’ 133
(1e−30)’ 2,400
13( 3) 4
706
21( 40) 113
470( 5−25)
21 1 8
455(50)( 7−25)1 1,222
13( 5)( 35)1 31
2e (5−10)i. 3,3
4 ( 5)1 ・O.4
ウ6〔 2−25〕
26.7
5Z4C Z一.7)1, 14.5
26( 2−10)
1.3
330 ( 5−35)
187
8 (2一 5)
0.4
15( 5)/ 1
85.2
5
100
13.4
8.8
3 ’
77(10−30)
( 30)
5.2
i 20)
4’
46s
3,266.8
i 5一 10)
2.1
4’( 30)
0.8
0.4
1.0
11.7
861.4
1.485.1
/i23
梶 原 武
124
佐世保湾内灯浮標の付着生物調査,1付着の状態
付表皿一1
1
撃
1
灯浮標名及び種類
浸漬した年月(浸漬
7
期間,年一月)
採集水深 cm
3
班L︶
一m
,3−㏄
瀬︵5
t
・皿∼
0
● 出
1ノ .
ロ ヨ
ー9洗19
調査、点番号i
. 年 月i
1961. VI
伊ノ浦口,ハナレ,F
1960. xx (一6)
O一::;3’ecm
採水。
集深m
A
A ・ B
基盤上に付着 A生物上に付着’
していた生物 していた生物
B
水深
cm
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あかふじつぼ あかふじつぼ
さんかく.ふじつ
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むらさきいがい
ご か い
かんぎしごかい
調査点番号
4
〃 年 月
1961. NI
灯浮標名及び種類
1浸漬した年月(浸漬
期間,年一月)
採集水深 期cm
5
1961. VI
海老 ケ 曽 根,L
伊ノ浦口・木曽楓L.
1959. Vl皿 :. (1−iQ)
1959. X (1 一一一 8)
’0ん30cm
otLgoqm
A
A
B
水深
水深
cm
cm
B
さ らさふじつぼ
さらさふじつぼ
さらさふじつぼ Amphipoda
さんかくふじつぼ
さんかくふじつぼ
さんかくふじつぼ むちさきいがい
あかふじつぼ あかふじつぽ
むらさきいがい
なぎさこけむし
海 藻
霧かふじ郡ん∴計
海1 ・1 藻
125
灘汚鮒着生物の生態学的研究
WF︶
而
1轟4ーユ
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6 ノ ∼
0
庵
L
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、95
・ 96
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7
196t.
、厘
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崎, L
1959.
I (2 一一 5)
O ・s一 55cm
A
B
c
B
水深
水深
cm
cm
あかふじつぼ
むらさきいbsい
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鷲鰯ii嚥臨藻
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ちごけむし
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なぎさこけむし
ふさこけむし1
ご か い
[かんざしごかい
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1961. Sl
湾 申 央,20号, B
1957. XM (3 一10)
O ・v 50cm
C
水深
cm,
深m
水c
B
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2
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号4m
21一㏄
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A
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A
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きらさふじつ
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ちごけむし/えが!・
さんかくふじ
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あかふじつぼ
さんかくふじつ
ぼ
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ちごけむし
あこやがい
きぬまとい力端、
え が い
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あみめひだこけむ
あかふじつぼ
かんざしごかい
いそぎんちゃく
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海 藻
126
武
梶 原
10
10
1960. 皿
1961.
湾東部,B−62, B
湾東部,B−62,,B
1955. X (5−2)
1955. X (5−10)
O ・N・ 50cm
O ・N・ 50cm
A
B
A
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水深
水深
cm
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B
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し ろ ぼ や
きぬまといがい
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むらさきいがいく二二1
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さらさふじつぼ
ちごけむし
ちごけむし
なぎさこけむし
ちごけむし
かんざしごかい
かんざしごかい
いそぎんちゃく
いそぎんちゃく
いそぎんちゃく
き
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ちごけむし
き/
海 藻 海 藻
け が
し ろ
ぼ や/なぎさこけむし
さらさふじつ劇いそぎんちゃく
ちごけむし
かんざしごかい
かんざしごかい
12
11
1960. .
1961 ..
湾 東 部,
ドンブリ瀬,.・F
64,・ B
1958. ivI
1959. SM (1 一: 4)
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O ・v 30cm
B
O ・”v 25cm
A
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水深
水深
cm
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きぬまといがい
かんざしごかい
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海 藻
け が
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いそぎんちゃく
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たてじまふじつ
ぼ
かんざしごかい
海
藻
127
海産’汚損付着生物の生態学的研究
13
12
1961.
W
1960. 皿
ド ・ン ブ
リ 瀬, F
一 貫 曽 根, F
1959. 皿
(1 一一10)
1959. VM (1−4)
O 一N一 ’15cm
” O ・一v 30cm
A
A
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水深
水深
cm
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たてじまふじつぼ
たてじまふじつぼUしろぼや・U群体ぼや
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ふさこけむし
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L
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14
O−v20cm
A
B
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水深
水深
cm
cm
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かんざしごかい/
漁:1}以一い
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東・x∼
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1959.
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19湾19
il
1961.
甑qm
13
一 貫
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A
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け が き
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かんざしごかい
ふさこけむし
ご か い
かんざしごかい
武
128
梶 原
14
16
1961.
11
湾
東 部, F
1961. vr
安久ノ浦,A−12, B
1959.
X (1−8)
1959. X (1−8)
O 一一 40cm
O ・v .50cm
A
A
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水深
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むらさきいがい
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17
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1960. 刃E
1960. )皿
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1959. X (1−2)
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129
海産汚損付着生物の生態学的研究
18
18
1960.
1961.
牛
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牛
ノ 浦,A−14, B
1955,
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1955.
M (5−9)
O 一一 50cm
O 一v 60cm
A
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B
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ぼ
かんぎしごかい/
かんぎしごかい
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A
A
B
水深
水深
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1955.
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1961.
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かんぎしごかい
ちごけむし
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藻
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ふさこけむし
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かんざしごかい
ちごけむし
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ご か い
かんぎしごかい
海 藻
武
130
梶 原
20
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1960. 】皿
1961.
牛 ノ 浦,A−20, B
牛 ノ・
浦 A−20, B
1956.
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︶
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むらさきいカ§い
え が い
ち ごけむ し
ち ごけ む し
ふさこけむし
ふさこけむし
かんざしごかい
かんぎしごかい
海 藻
海 藻
24
23
1961.
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佐 港・ F.
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(’1 一 O,)
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1960.
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1961.
o
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25
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30
かんぎしごかい
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131
海産汚損付着生物の生態学的研究
25
26
1961.
II
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1960,,
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1959.
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1961.
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30
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1961.
1961.
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皿
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II
1960.
B
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A
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1959.
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27
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o
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10
かんぎしごかい
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10
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20
60
132
梶 原
武
29
30
1961.
1961.
VI
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1960.
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1960. 皿
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10
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海 藻
32
31
VI
1961.
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1959.
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F
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(1 一8)
1960.
B
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VI
B
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(1−O)
O ・N・ 80cm
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A
VI
1961.
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o
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かんざしごかい
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かんぎしごかい
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なぎきこけむし
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かんぎしごかい 80
かんざしごかい
なぎさこけむし
かんぎしごかい
133
海産汚損付着生物の生態学的研究
34
33
VI
1961.
8一佐
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大
(1−6)
1959,
L
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X
1959.
(1−8)
O 一一 80cm
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A
VI
1961.
B
A
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水深
水深
cm
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10
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かんぎしごかい
たてじまふじつ
ぼ
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むらさきいがい/
なぎさこけむし
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なぎさこけむし
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80
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36
35
VI
1961.
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1959.
L
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1960. 期
(1−8)
B
A
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cm
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A
VI
1961.
むらさきいがい 奄ネぎきこけむし
1
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むらさきいがい
し
きぬまといがい1かんざしごかい
B
なぎさこけむし
なぎさこけむし
、かんぎしごかい
10
かんざしごかい
︶
さらさふじつぽ
たてじまふじつぼ
し ろ ぼ や
ゆうれいぼや
むらさきいカミい
なぎさこけむし
ご か い
25
かんぎしごかい
ふさこけむし
1かんざしごかい
武
134
梶 原
37
2一 佐
1959.
0
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1961.
VI
保 港, F
(1−10)
20cm
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水深
cm,
0 たてじまふじつぼ
かんぎしご’かい
縷llヨ轡1
ご・か い
かんぎしごかい
10
たてじまふじつ獣しろ
むらさき翻か榔かい
かんざしごかい/
きぬまといがい
なぎさこけむし
ご か い
20
かんぎしごかい
38
VI
1961.
鯨
1959.
瀬・
L
(1 一10)
∼阻
O ・v 20cm
A
B
c
水深
O1110
cm
欝ご1謂{1∴:ii
’ ’c Dgl ’s’ vつぼ
20
かんざしご’かい
海 藻
ハ:ii
135
海産汚損付着生物の生態学的研究
n一一 2
長崎湾内灯浮標の付着生物調査,付着の状態
1
調 査 点 番 号
1962.
’豆
灯浮標名及び種類
港
奥, MO, B
?
〃 年 月
浸漬した年月(浸漬期間,年一月)
(5年以上)
採 集 水 深 cm
O 一N一 70cm
B C
水深 基盤上に付着
A生物上に付着 B生物上に付着
cm していた生物
﹁
海
やみぼいきいいいら
つがど か
藻
ややみ類しめ
ま む
ぼ回せけ
70
ろ譜泣そ
菊凡
う ぎ
しゅう貝ない
つぼ
こ
し
ざ
、
ふ
/、/
一
じ
ま
じ
たて
か ん
しうたむひえごかひ
し
ざ
ん
20
つぼ
ごかい
か
てらば ん
ふ
叉メ
て
していた生物 していた生物
じ
ま
じ
た
o
六指ど
採集 A
I
調 査 点 番 号
1962.
v
灯浮標名及び種類
港
奥, MO, B
9.
〃 ’ 年 月
浸漬した年月(浸漬期間,年一月)
(5年以上)
O tN・ 40cm
採 集 水 深 cm
A
c
B
水深
海
一
ややみいしら
し
ややみすいしいく
賑せぎ聴鉾
しゆうほえなかい
ろ饗が回
40
しゆうむうひ
20
欝ご認1
ろ殖み際ど
0 かんざしe“,かい
㌦蒜む
cm
藻
136
梶 原
.武
1
I
1962.
港
196t. A
VI
?
奥 MO, B
港 申 央,No.1, B
(5年以上)
? (5年以上)
O 一v 45cm
O 一v 50cm
A
B
A
c
水深
水深
cm
cm
0かんざしごかいうみせみ
c
B
1二:ll二三鶴:1
むらさきいがい一かんざしa“かい
ほととぎす
え が い
ひ ど ら
20
憂がし、
ご か かんざしごかいしろぼや/ふさご1ナむし
むらさきいがい/かんざしごかい
い
かんざしごカ〕い
海 藻一むらさきいがい
うみせみ
45 ふさこけむし
皿
班
1961. M
港口, 太田尾 1, B
亜
港 口,太
田 尾.1,B
?
1962.
(5年以上)..
? (5年以上)
O 一v 50cm
A
O ・’v 60cm
A
B
B
c
水深
水深
cm
cm
器魏雛I
i
カ1んざしごかい1
し ろ ぼ や
群体ぼや
1瀧1}竃∴.
う みせ み
むらさきいがい
ひばりがいもどき
ご層
@か い
.ひばりがいもどき
え が い
ふさこけむし
い そ「 め
ご か い
かノしざしごかい
い そ め
石灰海綿
@ 藻
かんざしごかい
海’
石灰海綿一うみせみ
137
海産汚損付着生物の生態学的研究
皿
IV
v
港口,
太田尾 ?
1962.
1961. M
1, B
湾 口,ハンドウ瀬,L
(5年以上)
1960. M (1 −O)
o 一v 60cm
O ・N・ 50cm
A
B
A
c
水深
水深
cm
cm
・B
たてじまふじつぼ
ゆうれいぼや
群体ぼや
たてじまふじつぼ
し ろ ぼ や
あかふじつぼ
総}
Amphipoda
さんかくふじつぼ
う み せ み
かんざしごかい1
灘写
うみせみ
い そ め
むらさきいがい
ひばりがいもどき
かんざしごかい
ひばりがいもどき
え が い
なぎさこけむし
ご か い
ふさこけむし
かんざしごかい
ご か い
いそぎんちゃく
い そ め
ひ ど ら
かんざしごかい
海 藻
水深
cm
cm
VL一.
A
B
水深
∼
O 一一u 70cm
6
,二
瀬︵
1
ウ
m
ド
肋
6
ン強
1960. M (1−2)
ハ 0
p19
19
’
口。
2
∩U
︿U !0
1962. 1
湾 口,ハンドウ瀬,L
A
あかふじつぼ
B
ζ灘::1慮∴1
たてじまふじつぼ’ し ろ ぼ や
譜齢隠♂き熔’
むらさきいがい
あかふじつぼ
かんざしごかい
う み せ み
ノ諦魏r3灘てじまふじつぼ
むらさきいがい/かん晒ごかい
ひばりがいもどき
え が い
ご か い
かんざしごかい
いそぎんちゃく
ひ ど ら
え が い
ご か い
い そ め
いそぎんちゃく
石弓海綿一いそ
海 藻
かんざしごかい
め
ひばりがいもどき
海 藻
c
武
138
.梶 原
W
L7−
,一
8
1961. M
湾外,カジカケ,L
1959. . rv (1 一一 8 )
O 一v 20cm
C、
A
v
瀬︵
1
ウ m
㏄
ド ン 皿∼
0
0
・ハ
p19
口
2..
・
∠U ︿U
19
B
A
水深
水深
cm
cm
みぼぽぼ類し
みきいい
ど
凶けか
みしい
血せむ
り エ う
せ略
A
B
一
0
WLの
0∼80c血
ケω
!0
i961. Xl[ (O−5)
カ
m
湾外カジカケ,:L
外
p19
!隔∪ 1962. V
りん 一
19
ジ
㏄
8
力皿∼
v
v
ュm
せ霧島
海 藻
Aうちご
酬だこけ
画みご
ば
うひえご
布津
え が い
ご か ’い
かんざしごかい
いそぎんちゃく
みさ賎盛 み囑力
・うささあ一.一ち
あかふじつぼ
ひばりがいもどき
A
P
きらさふじつぼ
らんカ
i二二羅1
B
c
B
水深
水深
cm
cm
あかふじつぼA㎡phipoda
えぼしがい 伯奄垂?イ藻
ぽいいいきししり藻
つがガが噛むむ
しし、け
(X・“iYtPi
ふし離謡ここや
むらさきい力丸、
じ えぼしがい
かぼぬら.酌さろ
あかふじつぼ
さ郷じ…/台臨
あかふじつぼ/Amphipoda
あえきむひふうけ海
さんかくふじつぼ
あかふじつぼ
むらさきいカS’い
ひばりがいもどき
海 藻