プレスリリース 2015 年 12 月 24 日 独立行政法人情報処理推進機構 悪意の投稿経験があるパソコン利用者は全体の約 4 分の 1、その理由は「いらいらしたから」 「相手に仕返しするため」で約 5%増加、投稿に負い目を感じない割合も約 3%増加 ~「2015 年度 情報セキュリティの脅威に対する意識調査」 「2015 年度 情報セキュリティの倫理に 対する意識調査」を公開~ IPA(独立行政法人情報処理推進機構、理事長:藤江 一正)は、情報セキュリティに関する対策情報 の発信、普及啓発等の活動に役立てることを目的として、インターネット利用者を対象に「2015 年度 情 報セキュリティの脅威に対する意識調査」 「2015 年度 情報セキュリティの倫理に対する意識調査」を実 施し、その報告書を 2015 年 12 月 24 日(木)から、IPA のウェブサイトで公開しました。 URL:https://www.ipa.go.jp/security/fy27/reports/ishiki/index.html スマートデバイスの普及とインターネットサービスの拡充により、時間・場所を問わず、連絡をとり あう、買い物をする、といった様々な恩恵の享受が可能になっています。その一方で、現実社会と同様 の良識や警戒心を持たないために起こるトラブル・被害が後を絶ちません。本調査は 2005 年から毎年、 パソコンおよびスマートデバイス利用者を対象に、情報セキュリティ対策の実施状況、情報発信に際し ての意識、法令遵守に関する意識についてアンケートを実施し集計しているもので、今回で 14 回目と なります。今回の調査結果の主なポイントは以下のとおりです。図表データは別紙をご参照ください。 (1) 悪意の投稿経験があるパソコン利用者が約 3%増加し、全体の約 4 分の 1 に(*1)その理由は「いらい らしたから」 「相手に仕返しするため」で約 5%増加、投稿に負い目を感じない割合も約 3%増加 インターネットにパソコンで投稿経験がある人のうち、悪意の投稿経験があるのは 24.7%でした。 その理由と前年比割合は、 “いらいらしたから”が 5.3%増(*2)、 “相手に仕返しするため”は 5.4%増(*3) でした。投稿後の心理では“気が済んだ、すっとした”が 2.9%増(*4)などと省みない傾向が増加しま した。その一方で、 “やらなければよかったと後悔した”も 2.9%増加しましたが、全体ではその割合 は 12.1%に過ぎませんでした(*5)。 (別紙図 1、図 2 参照) (2015 年度 情報セキュリティの倫理に対する意識調査,P32、33 参照) (2) SNS アカウントのリセット・削除経験者のうち、ストーキング被害経験は 8.0%、ハッキング被害は 5.7% スマートデバイス利用者の “SNS の ID (アカウント) をリセット・削除した経験”の有無は、 “Facebook” (19.3%) 、 “mixi” (22.7%) 、 “LINE” (19.1%)、 “Twitter” (24.7%)と様々なサービスで約 2 割が経験 ありとの回答でした。その理由には“悪質なユーザに粘着(ネットストーキング)されたため” (8.0%)、 “ID(アカウント)をハッキングされてサービスを利用できなくなったため” (5.7%)と、少数ながら 悪意ある行為の被害に遭っている事が分かりました。 (別紙図 3、図 4 参照) (2015 年度 情報セキュリティの倫理に対する意識調査,P113、114 参照) (*1) インターネットに投稿経験がある 2,000 人のうち悪意の投稿経験があるパソコン利用者は 494 人で 24.7%(2014 年度 21.5%)。ス マートデバイスの投稿経験者 2,624 人のうち、悪意の投稿経験のある人は 706 人で 26.9%(2014 年度 26.3%)でした。 (*2) 2015 年調査 18.4%、2014 年調査 13.1% (*3) 2015 年調査 10.5%、2014 年調査 5.1% (*4) 2015 年調査 28.1%、2014 年調査 25.2% (*5) 2015 年調査 12.1%、2014 年調査 9.2% 1 (3) “不特定多数とアクセス環境を共有する”フリーWi-Fi を使い、ネットで買い物する割合は 32.4%、 11.3%はネットバンキングの利用も フリーWi-Fi を、金銭のやり取り等が生じる“ネットショッピングやネットオークションでの買い 物”に利用する割合が 32.4%、 “インターネットバンキングやオンライントレード等の金融関連サービ ス”に利用する割合が 11.3%でした(*6)。この要因の一つにはフリーWi-Fi の利用割合が昨年の 8.8%か ら 28.7%に急増したことが考えられます。(別紙図 5、図 6 参照) 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、外国人観光客向けのフリーWi-Fi の増加が 見込まれる中、 “不特定多数とアクセス環境を共有する”フリーWi-Fi はその利用者を狙った盗聴によ る情報窃取などの被害が懸念されます。利用者はフリーWi-Fi で ID やパスワード等の機微な情報の入 力が必要なサービスを利用しない等、使途に留意する必要があります。 (2015 年度 情報セキュリティの脅威に対する意識調査,P110、111 参照) (4) 最も脆弱性を悪用される可能性の高い“Adobe Flash Player”を更新していない割合は利用者のう ち約 2 割(18.2%) “Adobe Flash Player”を“インストールしている”と回答した割合は 68.6%で、その利用者に“ソ フトウェアの更新状況”を質問したところ、更新していると回答したのは 81.8%でした。その他同様 に利用者に更新の有無を質問したところ、 “Adobe Reader” (74.1%)、 “JAVA” (70.9%)で更新率は 7 割 を超えました。しかし、裏を返せば脆弱性を悪用されやすい製品でも依然 2~3 割の利用者が更新を せず、脆弱性が放置されているといえます。 利用者は自身のパソコンにインストールされているソフトウェアを定期的に確認・更新し、使用し ているソフトウェアへの脆弱性対策を漏れなく実施することが望まれます。 (別紙図 7、図 8 参照) (2015 年度 情報セキュリティの脅威に対する意識調査,P74、75 参照) 調査概要 (1) 調査方法 :ウェブアンケート (2) 調査対象 :13 歳以上のパソコンおよびスマートデバイスのインターネット利用者 (3) 調査期間 :①情報セキュリティの倫理に対する意識調査: 2015 年 9 月 16 日~9 月 25 日 ②情報セキュリティの脅威に対する意識調査: 2015 年 10 月 7 日~10 月 18 日 (4) 有効回答数 :パソコン:5,000 人、スマートデバイス:5,000 人 ■本件に関するお問い合わせ先 IPA 技術本部 セキュリティセンター Tel: 03-5978-7530 Fax: 03-5978-7546 田村/花村 E-mail: [email protected] ■報道関係からのお問い合わせ先 IPA 戦略企画部 Tel: 03-5978-7503 広報グループ 横山/白石 Fax: 03-5978-7510 (*6) E-mail: [email protected] スマートデバイスで無線 LAN 接続時にフリーWi-Fi を利用するのが 5,000 人中 28.7%(1,437 人)おり、そのうちネットショッピン グ等の買い物をするのが 32.4%、インターネットバンキング等の金融サービスを利用するのは 11.3%でした。 2
© Copyright 2024 ExpyDoc