（1） （平成27年） 2015年 12月号 第358号 Ｃ 〒160−0002 東京都新宿区四谷坂町5番6号 全法連会館3階 一般社団法人 東京法人会連合会○ TEL 03−3357−0771（代） URL：http://www.tohoren.or.jp Mail：[email protected] いがないか電卓を使って確認した。参 加した子供たちには、法人会マークの 入った電卓が配られた。 その他、税務広報官の仕事は、場内 の特設スペースにおいて、子供たちが の面白税金について発表した。また、 大勢の来場者を前に、税の歴史や世界 加した。参加者には四谷法人会提供の 今回初めて東法連が作成した「法人会 税金かるた」によるかるた大会が行わ Ｘ ＷＥＥＫ」と称し、「税務署」ブー スを設置した。期間中、約８５０名の たちは、税務職員としての心構えとと 「税務署」のブースに参加した子供 め、読み手であるスタッフが、一勝負 読み札が全部読まれないことが多いた たちはかるたを取るスピードが速く、 「キッザニア東京」 （江東区）へ「ＴＡ 子供たちが税務調査の仕事を体験した もに、税金の種類や仕組みについてセ ごとに絵札にある税の解説をしていた。 れ、多くの子供たちが楽しんだ。子供 ほか、約３００名が税務広報官の仕事 ミナーを受講した。 たに、その他、新聞社やラジオ局など 本番さながら税務職員の証明書を提示 そ の 後、 施 設 内 の 土 産 物 店 な ど に ビ、ＴＢＳ、フジテレビのニュース番 税務調査の様子はＮＨＫ、日本テレ 参加者には同かるたがプレゼントされ 「ＴＡＸ ＷＥＥＫ」に関連したブー スに多くの子供たちが参加した。 し、店から帳簿を提出してもらい、記 組、毎日、朝日、日経、産経新聞など た。 また、期間中には「税に関するクイ 載されている売り上げや消費税に間違 税務調査を行う子供たち 行って税務調査を行った。調査では、 ズラリー」を行い、約２３００名が参 多くのマスコミで取り上げられた。 国税庁長官、東京国税局長も 「ＴＡＸ ＷＥＥＫ」 を視察 日には池田篤彦東京国税局長が、 日には中原広国税庁長官が「ＴＡＸ 12 13 れるきっかけになってくれれば良いで なった時に思い出して、税を考えてく た。中原長官は、 「 この体験を大人に た大会の様子などを熱心に見守ってい ＷＥＥＫ」を視察し、税務調査やかる TAXかるた大会を見守る中原広長官 （右から２人目） すね。 」と話していた。 法人会は東京都の「地球温暖化対策報告書制度」を推進しています 税を考える週間 17 を体験、約４５０人が法人会税金かる 本番さながらの税務調査を体験 下敷きがプレゼントされた。 子供たちが税務署の仕事を体験 キッザニア東京で租税教育 「税を考える週間」（ 月 日～ 日） 11 に、東法連では職業体験テーマパーク 11 税の説明を聴く子供たちと多くの取材陣 10 28 熱心に聴き入る参加者 自分のカラダと “ がん ” のこと、ちょっとだけ考えてみませんか？ ＥＵでは消費税、付加価値税は 機能不全に陥っている ＥＵでは消費税、付加価値税は機 能不全に陥っていると見ている。英 国ではＭ＆Ｓ社のお菓子が軽減税率 のケーキか、標準税率のビスケット なのかをめぐって、 年にわたって 法廷闘争が行われた。国も事業者も 長い年月と費用をかけて争わなけれ ばならなかった。結局、国が負けて ４億円あまりの税金が還付されたが、 購入した消費者に返すわけでもなく、 腑に落ちない解決となった。 ドイツでは政治家のロビー活動が 功を奏しホテル宿泊料に軽減税率が 適用された。様々な観光事業がある 中でなぜホテルだけなのか。今では 一番合理性のない軽減税率といわれ ている。しかし合理性がなくとも事 業者及び消費者にとっての既得権に なっており、廃止することは難しい。 ドイツの簡易課税は複雑な制度だ。 業種を４分割した上で職業を に細 分し、職種ごとに仕入れ控除額を計 算する。実際の運用ではいろいろな 問題がでてくる。家具作りの親方は ９％だが、講師として教える場合は ％なので、それぞれ別の計算が必 要になる。ジャーナリストは ％だ が、小説家は ％。ジャーナリスト はリサーチするので費用がかかると いうことだが、小説家でもリサーチ ドイツの簡易課税は複雑な制度 20 ＥＵ諸国の現状を例に課題を分析 消費税の軽減税率について い な ど の 理 由 ある商品は生活必需品であるとのお から滞納が多 墨付きが得られるというタグ効果ぐ い。 らいしかない。デメリットは次の７ 「税を考える週間」 協賛講演会を開催 消費者の立 つが考えられる。 東法連では 場から見ると、導入当時の広く薄く １．税率振り分けの困難さ 月 日、グラ という理念からどんどん乖離してき ２．業界の力学に左右される 軽減 ンドアーク半 ている。さまざまな非課税の項目が 税率はある種、事業者にとって優遇 蔵 門 で、 「税を 増えてきたし、税率は上がってきて 措置となる。 考える週間」協 いる。消費者は消費税法の中には組 ３．税収ロス 税率のさらなる引き 賛講演会を開 み込まれていない存在で、制度設計 上げの必要性がでてくるし、その口 催し、各会の税制委員ら約１７０名 については、蚊帳の外に置かれてい 実になる。ＥＵ域内では平均税率が が参加した。 る。また、税率が上がるにつれて経 ％であるが、軽減税率を廃止すれ 講師は明治学院大学経済学部教授 済的な弱者にとっては負担が重くな ば ％まで引き下げることができる の西山由美氏で、 「 中小企業と消費 る逆進性の問題が生じている。 といわれている。 税～消費税の軽減税率ついて考える ４．裕福な所得層にも効果が及ぶ 日本の消費税は 他国に比べて効率的で簡素 ～」をテーマに講演があった。講演 金額ではより高いものを購入する富 では消費税の軽減税率についてＥＵ 日本の消費税は問題だらけなのか 裕層が有利であるといわれている。 諸国の現状などを例に課題の分析が というとそうではない。他の国と比 ５．現行の簡易課税制度の維持は困 行われた。詳細は次のとおり。 べて効率的で簡素な消費税だ。その 難 現行の課税制度は単一税率を ため税率が低いにも拘わらず法人税 前提としてみなし仕入れ率を設定し 現行消費税の問 題 点 は 転嫁や逆進性 を上回る第２の基幹税になっている。 ているので、この制度は維持できな 脱税の問題も少ない。効率性の世界 い。 ランキングでもＯＥＣＤ カ国のう ６．軽減税率と他の政策との抵触 ち５番目である。下位にランキング エネルギーが生活必需品とされれば された国に共通しているのは複数税 軽減税率の対象になり得るが、省エ 率構造を持っていることだ。 ネ政策と抵触するなどが考えられる。 ７．軽減税率適用範囲が歯止めなく 軽減税率導入のメリットはない 拡大 今は食料品だけを検討して いるが、新聞や書籍など他の分野に 拡大する恐れがある。ひとたび導入 すれば、法律改正が必要になり廃止 は困難。いったん導入すると消費者 にとっても事業者にとっても既得権 になる。 54 4.8 34 軽減税率を導入するということは 単一税率から複数税率構造にするこ とになる。結論から言うと、軽減税 率のメリットはない。軽減税率の恩 恵は始まって数ヶ月で忘れてしまう だろう。メリットがあるとすれば、 2.7 講演する西山由美氏 現行消費税の問題点を事業者の立 場から見る と、転嫁の 問題がある。 転嫁できな いと自ら消 費税を負担 することに なり損税が 発 生 す る。 また、納税 時期になっ て資金がな 2.9 21 16 （2） 2015年（平成27年）12月号 2015年（平成27年）12月号 （3） をして書く人もいる。 事業者にとっても、消費者にとっ 本来消費税はメンテナンス費用の てもフェアな制度の構築が必要であ かからない税だといわれている。事 る。事業者にとっては、円滑な税額 業者にとっては納税コストが、国に 転嫁と仕入れ税額控除ができること とっては徴税コストがかからないこ であり、消費者にとっては、払った とが重要であり、そのような税を目 消費税が的確に利用されていると実 指すべきである。 感できる制度でなければならない。 加えて国にとっては効率がよくて脱 逆進性を消費税 の 枠 内 だ け で 解決することは 困 難 税がない仕組みが必要だ。 もともと消費税は逆進性があるこ 円滑な税額転嫁のためには、 インボイスの導入が効果的 とが前提となるような税であり、こ れを解消することは難しい。ただ、 円滑な税額転嫁のためには、イン 税率が上がっていけば軽減をする方 ボイスの導入が効果的である。イン 法も考えなければならない。ニュー ボイスは業者間でやりとりするとき ジーランドは消費税を導入する際に 必ず本体価格と税額を表示する。消 国の責任で逆進性が生じるのか、生 費税分を割引する場合は本体部分を じるとすればどの年代のどの所得層 修正する必要がある。税額の明記に か綿密に調査をした。日本でも国レ より消費税分の割引を強いられるリ ベルで逆進性を実証する必要がある。 スクが低減する。 消費税は日々の消費に対して課税す インボイス導入の反対論として主 るので逆進性は回避できない。消費 なものは、発行事務が大変というこ 課税の枠内だけで解決を図ることは とと、事業者番号を持たない免税事 困難である。 業者が取引から締め出されるのでは 考えられる手法は、一定の所得以 ないかということだ。しかし、国に 下の者に対する所得税額控除である。 消費税を納めない免税事業者が転嫁 所得税を払っていない場合は社会保 することや、仕入れ税額控除を認め 障手当てへの上乗せなどがありうる。 るのが正しいとはいえない。重要な 財務省が提示した個別の購入ごとの のは本則課税にいかに移行していく 精算ではなく、所得金額を把握した かであり、本則課税に移行しやすい うえで、概算に基づく措置とする。 ような簡易な申告納税のしくみの構 前提として各個人の所得が正確に把 築である。例えば手続きの簡素化や 握されている必要がある。 電子申告の促進などを検討する方が 建設的ではないかと考える。 事業者にとっても、消費者にも フェアな制度の構築が必要 租 税 教 育 について グループディスカッションを 開 催 東法連青年部会全体連絡会議 点を発表して もらい、解決 策などを参考 に、理想的な 租税教育活動像や社会的な意義な 会として租税教育のマニュアルを 会長）の挨拶で開会。続いて、「青 問（東法連副会長・八王子法人会 川法人会常任理事 ） 、多田充伸顧 連絡会議は、松浦政幸会長（玉 て、少しずつ講師を増やす」 、 「講 しては、 「 講師養成研修会を行っ また、 「 講 師 育 成 の 必 要 性 」に 対 役立った」などの意見があった。 連携が大事」 、 「会員同士の交流に 施した租税教 から自会が実 ず、各参加者 を行った。ま スカッション グループディ ルに分かれて かせる工夫が必要などの改善点も いことが多かった。解説を読み聞 まい、読み札が最後まで読まれな った反面、一文字で札を取ってし 加できて楽しめるなど良い点があ 時間がかからず、誰でも気軽に参 かるた」の実施報告では、準備に 部会副部会長による「法人会税金 法人会は東京都の「地球温暖化対策報告書制度」を推進しています 東法連青年 どについて議論した。 日、全体連絡 作成してはどうか 」 「 単位会同士 ディスカッションでは、 「 法人 会議を東京ド 年部会の主たる事業とは！～租税 師育成システムが必要」などの意 が高まる」 、 「親会、女性部会との 教育活動の現状と今後の展開を考 育活動のアピ 指摘していた。 15 ール点、問題 続いて、町田法人会鈴木創青年 見が寄せられた。 つ のテーブ える～」をテーマに、７～８名づ が出席した。 見学し合えば参考になるし、意識 10 ームホテルで開催し、約１４０名 16 部会連絡協議 会は、 月 あいさつする 松浦政幸会長 グループディスカッションで熱心に議論する参加者 の報告があった。 で税の普及、広報活動を行ってい キッザニア東京において子供たち ただいている。また、東法連では、 ●東京国税局幹部と連絡協議会 に対する税の体験学習を行いマス 税制改正要望や 会員増強等で意見交換 東法連は 月 日、全法連会館 コミに取り上げられるなど、注目 モデル会の指定 新たな特別表彰を審議 東法連では福利厚生制度推進モ で東京国税局課税第二部幹部との 度の高い行事を行っていただいて 福利厚生制度推進モデル会に 目黒法人会を指定 東法連は第 デル会に目黒法人会を指定した。 連絡協議会を開催した。 力３社によるプロジェクトチーム 彦課税第二部長はじめ、佐々木清 当日は、東京国税局から上良睦 礼を申し上げる。当局が目下直面 いる。法人会の取り組みに対し御 協議会では、松本光史厚生共益事 況が順調であり、会員数、制度収 ている。また、大型保障の推進状 門官が出席した。また、東法連側 中島清吾同法人課税課実務指導専 上村和紀同法人課税課課長補佐、 対す課税方式が変更されたことと、 電子書籍販売などの海外事業者に により、インターネットを通じた 道同次長、影山武同法人課税課長、 している課題は、消費税法の改正 業委員長（江東東法人会会長）を 入も中規模で他会が参考にしやす 議長とし、福利厚生制度「３年 平成 年１～３月の期間に限定し 標期間の終盤になるほど期間内で た。同席した協 との報告があっ 標達成のためには、この期間での 果を期待できる時期でもある。目 年度末は企業の決算月が多く、成 推進が極めて重要になるため、特 力 ３ 社 か ら は、 推進状況や今後 の開催、税を考える週間での講演 状、税を考える週間に行う東法連 続いて、事務局から会員数の現 ている。 今後の会運営への効果が期待され 力関係のあり方など幅広く行われ、 め、会員増強や法人会と当局の協 意見交換は、税制改正要望を始 換に入った。 スターなどの報告があり、意見交 検シート、ｅ─Ｔａｘ利用促進ポ プライアンス向上のための自主点 の行事、広報活動、企業税務コン 会や研修会の開催など、様々な面 い。 」と述べた。 報周知活動にも協力をお願いした ら始まることである。引き続き広 マイナンバーの運用が来年１月か 出席した。 からは、副会長 名と専務理事が 館で開催した。 図る「絆プロジェクト」を展開し によって制度収入増と組織拡大を 20 特別表彰を実施 冒頭、あいさつで上良部長は、 さらに、新たな推進策として、 「法人会で、絵はがきコンクール １～３月の期間に限定した 億円増収計画」の進捗状況の報告、 いためモデル会として指定した。 新たな特別表彰制度などについて 審議した。 増収計画の進捗状況については、 平成 年度目標 問わず表彰する。４月以降の契約 た特別表彰を実施、年間の実績を 対し、４月から では、目標期間内の収入への反映 億円と進捗率が の収入貢献度が低くなる。加えて 分は１年分に満たない。契約が目 約 ％であるこ の累計実績が ９月まで６ヶ月 の ・９億円に 28 別表彰を実施することになった。 法人会側出席者 10 40 10 国税局側出席者 27 81 49 の推進方針など 自分のカラダと “ がん ” のこと、ちょっとだけ考えてみませんか？ 10 ●福利厚生制度推進協議会 ４回福利厚生 同会は、厚生、組織両委員会と協 11 日、全法連会 18 制度推進協議 会を、 月 あいさつする 松本光史委員長 モデル法人会などを検討する出席者 （4） 2015年（平成27年）12月号
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