プレスリリース 平 成 2 6 年 1 2 月 2 5 日 独立行政法人家畜改良センター ...

プレスリリース
平 成 26 年 12 月 25 日
独立 行 政 法 人 家畜 改 良 セ ン タ ー
平成 26 年
独立行政法人家畜改良センターの
「10 大ニュース」を公表しました
独立行政法人家畜改良センター(福島県西白河郡西郷村
理事長
佐藤
英明)
は、平成 26 年の業務に関する出来事を「平成 26 年独立行政法人家畜改良センタ
ー 10 大ニュース」として、別添のとおりホームページに掲載しましたので、お
知らせいたします(http://www.nlbc.go.jp)。
(参考)
独立行政法人家畜改良センターは、わが国の畜産の発展と豊かな食生活に貢献
することを使命とし、①家畜及び飼料作物の改良増殖、②牛個体識別事業(牛ト
レ ー サ ビ リテ ィ)、 ③ 畜産 新 技 術 の 開発 ・ 実 用 化 、④ 畜 産 技 術 の講 習 ・ 指 導 等 を
行う行政施策の実施機関です。
【お問い合わせ先】
「日本の食卓
改良と技術で守ります」
~小さなタネから大きなウシまで~
〒 961-8511
福島県西白河郡西郷村大字小田倉字小田倉原1番地
独立行政法人家畜改良センター
企画調整課
担当:外山
TEL:0248-25-6162
FAX:0248-25-3982
【機密性1】
平成26年 独立行政法人家畜改良センター10大ニュース
独立行政法人家畜改良センター(以下「センター」)では、今年も役職員一同、第
3期中期計画の達成に向け業務に取り組んで参りました。これらの業務展開の状況
について、10大ニュースとしてお知らせします。
1 ホルスタイン種雄牛遺伝的能力評価1位選抜
センターが生産したホルスタイン種の種雄牛「NLBC
ペリクレース
オーソン ET」
が本年8月の遺伝的能力評価の総合的な能力(総合指数)において第1位で選抜されまし
た。センター生産の種雄牛では2008年2月以来6年ぶりに第1位にランキングされると
ともに、初登場第1位での選抜はセンター始まって以来の快挙です。
「NLBC
ペリクレース オーソン
ET」は乳タンパク質率、無脂固形分率や決定得点
(体型に係る総合得点)のような個々の形質におけるランキングも上位であることから、
乳成分及び体型の改良に優れています。さらに、近年よく使われている血統とは異なる
種雄牛(アウトクロスブル)でもあり乳用牛においても高まりつつある近交係数上昇を
抑制する観点からも使用しやすい種雄牛です。
2 肉質や肉量に優れた「勝忠福」など黒毛和種の種雄牛が上位選抜
センターが生産した黒毛和種の種雄牛3頭(「勝忠福」、
「北晴茂」及び「幸忠栄」
)が、
産子の肥育成績を調べる現場後代検定において選抜されました。
このうち「勝忠福」は、脂肪交雑(サシ)等の肉質に優れるとともに、同時期に検定
を実施した種雄牛22頭中、枝肉重量の遺伝的能力評価値が第1位と肉量が特に優れてい
ました。
この遺伝的能力はこれまでの種雄牛にくらべても優れており、今後の改良に貢献する
ことが期待できる種雄牛です。
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【機密性1】
3 体外受精技術により作出された褐毛和種の種雄牛が初めて選抜
熊本牧場が体外受精技術を活用して作出した褐毛和種の種雄牛「菊鶴ETI」が、現場
後代検定成績において、脂肪交雑はもとより、枝肉重量やロース芯面積等、主要な形質
に優れていたことから、選抜されました。
熊本牧場で体外受精技術を活用して生産された種雄牛が褐毛和種の基幹種雄牛として
選抜されるのは初めてのことです。
4 龍軍鶏ごろうの試験販売に向けた生産を開始
兵庫牧場において、平成24年に作出された「龍軍鶏(たつしゃも)ごろう」について、
試験販売に向けた生産を開始しました。
「龍軍鶏ごろう」は、軍鶏の特徴である「おいしさ」を引き継ぎながらも軍鶏の欠点
を改善した「新しい日本の鶏」を目指して開発した新品種で、従来の軍鶏と比べ増体性
が優れ、おとなしく飼いやすいという特徴を有しています。
5 ホルスタイン種の繁殖形質の遺伝的能力評価を開始
近年、受胎率が低下する等、ホルスタイン種の繁殖性が落ちてきていることから、こ
れを遺伝的に改良するために、雌牛の受胎率と分娩してから受胎するまでの日数(空胎
日数)をもとに種雄牛の繁殖形質の遺伝的能力評価を開始しました。
能力の高い種雄牛を、数世代をかけて交配することにより、繁殖性の向上が期待でき
ます。
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【機密性1】
6 代謝プロファイルテストの活用により黒毛和種の受精卵移植の
受胎率80%を達成
血液生化学検査(血糖や尿素態窒素など)やボディコンディションスコア(体の肉付
きの程度から栄養状態を判定する手法)など10項目を中心に牛群の健康状態を管理する
方法(代謝プロファイルテスト)の活用と、繁殖管理技術の改善(データに基づいた移
植日の見直し、使用器具の見直しなど)により、鳥取牧場において、黒毛和種の受精卵
移植の受胎率が80%を超えました(95頭移植で受胎頭数が77頭、受胎率 81.1%)。この
成績は、体内受精卵移植の年間受胎頭数50頭以上かつ受胎率50%以上の機関として農林
水産省が公表している「ETチャレンジ50達成機関」(平成24年時点では49機関が達成、
最高は69.4%)の受胎率と比較しても極めて高い成績です。
7 肉用牛の飼料利用性・早熟性に係る肥育調査を開始
肉用牛の生産コストを低減する上で、少ない飼料で効率よく成長できる能力(飼料利
用性)や、早く十分な体重にまで成長し脂肪交雑が入る能力(早熟性)を高めることが
極めて重要な課題となっていますが、これまでの後代検定の方法ではこれらの能力を評
価・選抜することが困難でした。
センターでは、これらの能力を評価する手法を開発するため、牛の個体毎に飼料摂取
量を測定できる専用の畜舎を奥羽牧場に整備し、7月から肥育調査を開始しました。
8 イアコーンの給与試験を開始、飼料イネ種子生産を倍増
トウモロコシの実の部分のみを細断し発酵させた飼料(イアコーンサイレージ)は濃
厚飼料の代替になる国産飼料として期待されていることから、十勝牧場において増産し、
肥育牛への給与試験を開始しました。
また、作付面積が増加している飼料米及び稲WCS(ホールクロップサイレージ)につい
て多収性専用品種の種子の確保が求められていることから、熊本牧場及び長野支場にお
いて、採種ほ場の面積を倍増しました。
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【機密性1】
9 牛トレーサビリティ制度で「届出Webシステム」運用開始
~届出はWebで!~
畜産農家等からの牛トレーサビリティ法に基づく届出について、システムの利便性の
向上と電子的手段による届出の推進を図るため、現行のパソコン報告システムの機能を
拡充した「届出Webシステム」を開発し、4月からサービスを開始しました。
本システムは、①複数頭(最大500頭)を一括で入力して届出が可能、②タブレット
やスマートフォンで利用が可能、③出生及び異動に加え、輸入及びとさつの届出、家畜
市場における取引の報告が可能 などの機能を追加しました。
10 地域と連携して鳥獣害対策の取り組みを強化
センターでは、地域と連携して鳥獣害対策を強化しています。新冠牧場では、一斉駆
除の実施場所提供によるエゾシカ捕獲と箱わなによるヒグマ捕獲、宮崎牧場では、園芸
用ポールを利用した簡易電気牧柵の実証展示等、鳥取牧場では、周辺地域での深刻なカ
ラス被害に対して、箱わなの設置期間を増やした捕獲・駆除、といった取り組みを行い
ました。
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