THE MAUREEN AND MIKE MANSFIELD FOUNDATION 日米宇宙フォーラム: 新たな危機の到来の時代における日米宇宙協力の再考 ~同盟強化と官民協力の発展を目指して~ 第二次世界大戦後の宇宙活動は、米ソ 2 大国によってほぼ独占された状態でしたが、今日、多くの国家主体が宇 宙計画を推進し、それぞれが利益と技術力の向上を目指し競い合っています。また民間企業をはじめとした非国家 主体も技術力の源泉として政策形成に影響を及ぼすなど、ますます重要な役割を果たしています。 また、中国の急激な経済的・軍事的発展にみられる東アジアの状況の変化に鑑みたオバマ政権の「Pivot to Asia (アジア回帰)」政策に呼応して、安倍首相の日本の防衛力強化を目指した一連の政策が着々と進んでいます。現 状は、日米両国が新たな時代の宇宙活動に関して協力を強化する大きな追い風となっています。また、現在改定中 の日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の最重要 5 項目に「宇宙」が組み込まれていることもその勢いを 加速させています。 マンスフィールド財団はワシントン大学と共同で、日米の政策担当者、研究者、民間企業のステークホルダーを集 めた「日米宇宙フォーラム」を半年に一度開催しております。日米宇宙フォーラムはトラック 1 会合である「宇 宙に関する包括的日米対話」及び日米両国のアジア地域における防衛力強化の重視政策の現状を念頭におきつつ、 「日米宇宙協力における短期的および中期的な優先課題」を発表しました。この提言には宇宙政策における両国の 戦略的展望や政府が行うべき優先課題のみならず、宇宙政策の策定に関して役割を担う度合いがますます高まりつ つある民間セクターの視点が反映されています。 つきましては下記の通り、「日米宇宙フォーラム」公開セミナーを実施いたします。本フォーラムには質疑応答の 時間も含まれており、参加者の皆様からのご意見をフォーラムメンバーの提言に反映できればと考えております。 皆様のご参加をお待ちしております。 記 日時: 2014 年 12 月 11 日(木) 15 時 30 分~17 時 30 分 場所: 慶応義塾大学グローバルセキュリティ研究所(GSEC)東館 6 階 GSEC ラボ 東京都港区三田 2-15-45 http://www.keio.ac.jp/ja/access/mita.html 参加費は無料です。参加ご希望の際は(1)名前(2)所属(3)連絡先の3点を明記して <[email protected]>までメールにてお申し込みください。 プログラム (日英同時通訳付) 15:30 – 15:50 代表者挨拶/プロジェクト概要 フランク・ジャヌージ モーリーン・アンド・マイク・ マンスフィールド財団理事長・最高経営責任者 青木節子 慶應義塾大学総合政策学部教授 15:50 – 16:50 パネルディスカッション モデレーター: Saadia Pekkanen 16:50 – 17:30 ワシントン大学ジャクソンスクール教授 青木節子 慶應義塾大学総合政策学部教授 John Mittleman アメリカ海軍研究所 (調整中) Gregory Schulte 元宇宙政策国防副次官補 豊田正和 日本エネルギー経済研究所理事長 山川宏 京都大学生存圏研究所工学研究科教授 Q&A The US-Japan Space Forum is sponsored by: With additional support from: フォーラムメンバー略歴 青木 節子 慶應義塾大学総合政策学部教授。 慶應義塾大学法学部法律学科卒業。マギル大学法学部附属航空・宇宙法研究所博士課程修了(法学博士 号)。立教大学法学部助手、防衛大学校社会科学教室専任講師、助教授、慶應義塾大学総合政策学部助 教授を経て、2004 年 2 月より現職。 宇宙政策委員会委員(内閣府)、情報通信審議会委員(総務省)、国連宇宙空間平和利用委員会法律小 委員会「宇宙の平和的利用及び探査における国際協力メカニズム検討」作業部会議長(2013 年 4 月~ 2017 年 12 月予定)などを務めている。 「衛星の所有権移転に伴う『打上げ国』の損害責任問題」『空法』第 54 号(2013 年)1-26 頁;「作戦領域 としてのサイバー空間への武力行使、武力攻撃の主体認定の基準」『国際情勢』第 82 号(2012 年) 337349 頁;「イラン人研究生入学不許可事件-安全保障輸出管理(東京地裁平成 23 年 12 月 19 日判決)」 『平成 24 年度重要判例解説』(『ジュリスト』No.1453)(有斐閣、2013 年); “Analysis of the Legal Instruments Operating the ISS as the Most Complex Space Program Ever Undertaken: from historical perspective”, IAC-14.E.7.3.2; “Efficient and Equitable Use of Orbit by Satellite Systems: ‘Paper Satellite’ Issues Revisited”, Proceedings of the International Institute of Space Law 2013 (2014), pp. 229-246; “The Standard of Due Diligence in Operating a Space Object”, Proceedings of the International Institute of Space Law 2012 (2013), pp.392-405; “Japanese Space Activities in the Making”, Zeitschrift für Luft-und Weltraumrecht, vol. 61 (2012), pp. 111-128; “The Function of ‘Soft Law’ in the Development of International Space Law”, I. Marboe, ed., Soft Law in Outer Space (Böhlau Verlag, 2012), pp. 57-85 など日本語、英語で多数の著作をもつ。 フランク・ジャヌージ モーリーン・アンド・マイク・マンスフィールド財団理事長・最高経営責任者。以前は、アムネスティ ー・インターナショナル米国事務局次長(政策・研究アドボカシー)として、人権擁護、個人と地域社 会の安全、非合法に逮捕・投獄された政治犯の釈放をすすめる法令や政策を形成、促進した。 1997年から2012年まで、米国上院外交委員会東アジアおよび太平洋地域担当の政策部長として、同委 員会委員長のジョゼフ・バイデン氏やジョン・ケリー氏に、米国と同地域間の安全保障、政治、経済、 人権等、広範な問題について提言を行ってきた。 同外交委員会所属の2006年から2007年、外交問題評議会の日立国際問題フェローとして、東京の公益 財団法人世界平和研究所訪問研究員および慶應義塾大学客員講師として、日本滞在。 米国上院外交委員 会在籍前は、米国国務省情報・調査局アナリストして、9年間勤務。 エール大学で歴史学の学位、ハーバード大学ケネディー行政大学院で公共政策修士取得。 John Mittleman アメリカ海軍研究所ゼネラル・エンジニア。1998 年~2001 年にかけて C.W.Moore 中将(米国海軍第五 艦隊司令官兼アメリカ中央軍中央海軍司令官)の科学アドバイザーを担当し、中央軍技術官・上級代表と して政府・学界・産業界の科学技術機関との連携を補佐した。コバール・タワーズ爆破事件、USS コー ル襲撃事件後の軍人保護、GCC 諸国との技術の共同開発、石油密輸対策などにあたった。その後、海 軍研究事務所(Office of Naval Research)アソシエイト・ディレクター(技術交流)に就任。技術戦略 面における所長の補佐、世界各地に派遣されている科学アドバイザーの直接支援、軍事産業界・政府な どの科学技術機関の交流などを担当。 2004 年~2008 年には、Mullen, Ulrich, Fitzgerald 将軍らの下で米国海軍第六艦隊の科学アドバイザー に就任。米国国防総省国防高等研究計画局(DARPA)、海軍研究事務所、科学技術生産業界等とのリ エゾンを務める。「海上の安全保障と安全情報システム」(MSSIS)の開発に携わり、西部・中央アフリ カにおける協働安全保障ツールとしての導入に従事。また、合成開口レーダーによって途上国の排他 的経済水域における活動に関する戦略的理解を深めるシステムを考案。同システムを米ガーナ協力の一 環で実施、沿岸地域管理と海上ガバナンスに役立てた。米国海軍 R&D 部、DARPA、民間企業等と協 力し、第六艦隊に最先端の海上アウェアネスシステムと分析能力技術を導入。 現在はワシントンの海軍研究所(U.S. Naval Research Laboratory)に所属し、海上安全・安全保障・ ガバナンス分野における技術と政策の交錯を専門領域としている。省庁横断的な国家宇宙戦略プログラ ムを指導し、民間・商業宇宙システムを利用し全世界的海上アウェアネスの向上を目的とした国際協調 の実現に向けて尽力している。 Saadia Pekkanen ワシントン大学ジャクソンスクール(国際関係学)ジョブ&ガートルード・タマキ教授。 現在ワシントン大学ジャクソンスクール教授、同大学政治学部非常勤教授、同大学法学部非常勤教授。 専門は国際政治経済学、国際法、宇宙安全保障政策、日・アジア関係など多岐に渡る。著書に Picking Winners? From Technology Catch-up to the Space Race in Japan(スタンフォード大学出版会、2003 年)、Japan’s Aggressive Legalism: Law and Foreign Trade Policies Beyond the WTO(スタンフォー ド大学出版会、2008 年)、In Defense of Japan: from the Market to the Military in Space Policy(共 著。スタンフォード大学出版会、2010 年)。また、Asian Designs: Interests, Identities, and States in External Institutions、Japan and China in the World Political Economy(共編。ラウトレッジ出版、 2005 年)、The Oxford Handbook of the International Relations of Asia(共編。オックスフォード大学 出版会予定)などの編者でもある。 米国社会科学研究会議、Harvard Academy for International and Area Studies、国際交流基金日米セ ンター、安倍フェローシップ、アメリカ国立科学財団など著名な団体から研究支援を受け、2010 年に はウィルソンセンターと National Bureau of Asian Research が共催する National Asia Research Program の一級フェローに就任。 コロンビア大学、イェール大学にて修士号、ハーヴァード大学にて博士号を取得。 Gregory Schulte 元宇宙政策国防副次官補。 1983 年に大統領マネジメントインターン(President Management Intern)として、国防長官室に入 省し、その後もホワイトハウス、国防総省、国連、NATO で勤務。安全保障分野で 30 年以上の経歴を 持つ。2014 年 7 月に国防大学教員を退官。 宇宙政策国防副次官補として、米国初の国家宇宙安全保障戦略の策定・実施を監督。2005 年から 2009 年はブッシュ、オバマ政権下で、ウィーンの国連および国際原子力機関(IAEA)米国政府代表部常駐 代表を務めた。2003 年から 2005 年は国家安全保障会議事務局長として、ホワイトハウス危機管理室の 監督、ブッシュ大統領の外遊同行、ポスト 9・11 の国家安全保障局非常事態対策などを担当した。2000 年から 2002 年には国家安全保障局南東ヨーロッパ上級局長として、ボスニア及びコソボへの米軍展開、 セルビアの民主化などの分野でクリントン・ブッシュ両大統領を補佐した。1998 年から 1999 年にかけ てクリントン大統領の特別補佐官を務め、コソボ危機の際には NATO 軍による空爆・NATO 主導の国 連ミッションの展開などで助言を行った。 豊田 正和 一般財団法人日本エネルギー経済研究所理事長。 1973 年通商産業省(現・経済産業省)入省。通商政策局米州課長、通商機構部長などを歴任した後、 2003 年商務情報政策局長、2006 年通商政策局長、2007 年経済産業審議官に就任。2008 年内閣官房宇 宙開発戦略本部事務局長に就任。内閣官房参与としてアジア経済と地球温暖化も担当。1973 年東京大 学法学部卒業。1979 年プリンストン大学ウッドロウ・ウィルソン行政大学院修士課程修了。 山川 宏 京都大学教授(生存圏研究所・工学研究科)であり、専門は、宇宙工学・軌道工学、特に、ロケットや人 工衛星の飛行計画の研究を行っている。近年は、宇宙ごみの問題、地球接近小惑星の対処法等の研究を 行っている。2013 年に『宇宙探査機はるかなる旅路へ』(化学同人)を出版。 2003~2006 年に、JAXA(宇宙航空研究開発機構)にて助教授、そして、1993~2003 年に ISAS(宇宙科 学研究所)にて助手、および、助教授として、宇宙機の軌道工学研究を行いつつ、多くの地球周回科学衛 星および月・惑星探査機のプロジェクトの立案・開発、大型固体ロケットの飛行計画立案・打ち上げ・ 運用、垂直離着陸型の再使用型液体ロケットの開発に従事。2000 年~2006 年に、日欧国際協力水星探 査プロジェクトのプロジェクトマネージャー、1997 年に NASA(米国航空宇宙局)の客員科学者、2002 年には ESA(欧州宇宙機関)の客員科学者。1993 年に東京大学大学院工学系研究科の博士課程修了(工 学博士)、1988 年に東京大学工学部航空学科を卒業。 2010 年~2012 年に、内閣官房の宇宙開発戦略本部事務局長(行政官)に従事し、政府の宇宙関連の組 織改革(内閣府設置法・JAXA 法の改正)や日本版 GPS である準天頂衛星の推進に従事、2012 年~ 2014 年に、第 1 期の内閣府宇宙政策委員会委員として、日本の次の主力ロケットである新型基幹ロケ ットの開発を推進。2014 年夏に、第 2 期の内閣府宇宙政策委員会委員に再任し、宇宙基本計画の策定 等に従事。
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