外来感染症トリアージ室使用マニュアル A 目的 1)ヒトからヒトへ飛沫核、飛沫などを介して感染する感染症の患者の待合室として 一般患者から隔離する。 2)必要に応じて上記患者を一般外来に通すことなく診察する。 B 対象患者(優先順位) 1)新感染症の疑い患者のうち連絡なしに来院があったもの(連絡があった場合は指 定医療機関を紹介する)(例:SARSや高病原性新型インフルエンザ) 2)飛沫核(空気)による院内感染のおそれのある患者 ①肺結核 ②水痘 ③麻疹 3)飛沫感染のおそれの強い患者(必要に応じて) ①急性呼吸器感染症:インフルエンザなど ②ウイルス性発疹性疾患:風疹など *2011年4月1日以降、新型インフルエンザ(A/H1N1)はインフルエンザ(H1N1) 2009として季節性インフルエンザとして取り扱うことになった。 C 外来受付時間内での手順 1)以下のような場合を想定する。 ①患者が上記Bの疑いである旨を主訴(紹介状をふくむ)として来院した場合 ②激しい咳や麻疹などを疑う明らかな発疹を認める場合 ③各診療科外来で、B―1)2)3)に述べた疾患が疑われ、診療科が感染症トリア ージ室使用を希望した場合 2)上記1)の患者に対応した者は、外科マスク(サージカルマスク)を着用し、患者 にも外科マスク(サージカルマスク)を着用させ、一般患者と離れた場所に待機し てもらう。 3)対応者は、感染対策師長(PHS4465)に連絡する。 *感染対策師長に連絡がつかない場合は、外来師長PHS4476に連絡をする。 4)感染対策師長(あるいは外来師長)は、患者に感染症トリアージ室入室の説明を 行い、感染症トリアージ室の更衣室および前室の両方の鍵を開ける。 ①患者を患者待合室に案内する。必要に応じて前室内の冷暖房のスイッチを入れる。 ②更衣室内の外調機用リモコンのスイッチ(陰圧作動も兼ねている)を入れる。必 要に応じて冷暖房のスイッチを入れる。 ③患者待合室に設置してあるPHS(4350)の使用方法を説明する。気分が悪い時など は患者サービス係(内線7009、7010)に電話するように説明する。 ④待合室の扉を閉めることを患者に伝え退室する。 5)感染対策師長(あるいは外来師長)は、患者が受診する予定の外来に連絡し、ト リアージ室で診察するか、自科の外来で診察するかを確認する。自科で診察する場 合は何時に外来に行けばよいか聞く。それに応じて患者に説明し、トリアージ室で 待機させる。患者を引き継ぐまでの患者の容態には案内した者が注意する。 6)感染症トリアージ室で診察する場合 「*各診療科の医師、外来看護師により患者の対応を行う(対応策については、 各診療科において事前に検討を行う)」。 (1)入室は更衣室と表示されているドアから入る。 (2)更衣室に入り、疑い疾患に応じた防護具(マスクなど)を診察室準備室で 着用する。 (3)患者を呼び診察を行う。疾患に応じて診察後の対応を決める。放射線部や 検査部で検査する場合は、状態に応じて、当該部門へ感染対策についての事 前連絡をする。 (4)感染症トリアージ室でのポータブルレントゲン撮影が必要な時は放射線部 へ依頼するが、必要に応じて技師への感染対策を指導する。入院が必要な場 合は各診療科において感染対策の打ち合わせを行い、患者を移動させる。 *ポータブルレントゲン機は更衣室のドアから入る。 (5)診察終了後は手洗いと速乾性手指消毒剤で消毒を行い、マスクなどの防護 具を感染性廃棄物用ゴミ箱に廃棄する。 (6)机の上の感染症トリアージ室利用簿に患者名、ID、疑い疾患名、転帰(外 来のみ、入院など)、利用者名を記載する。 (7)電灯、冷暖房を切り、戸締まりを行い鍵は返却する。陰圧の電源は入れた ままでよい。 *特に感染対策上留意するべき点(嘔吐などで汚染など)があった場合は、 接触感染に留意して、ふき取りなどをおこなったうえで、 時間内:診察した医師が、感染対策師長に伝えておく。 時間外:診察した医師が、業務当直者に伝えておく。 D 外来受付時間外での手順 *患者の状態や診察補助は、原則救命救急センター看護師が対応する。但し、業務調 整が必要なため、診療科医師は救命救急センター日・当直医師(PHS:4360)に 連絡する。 *救命救急センター看護師が対応不能の場合は、救命救急センター看護師が日・当直 師長に連絡し看護師の手配を依頼する。 1)以下のような場合を想定する。 ①患者が、上記(B-1)2)3))の疑いである旨を主訴(紹介状を含む)として来 院した場合 ②激しい咳、麻疹などを疑う明らかな発疹を認める場合 2)業務当直者は外科マスク(サージカルマスク)を着用し、患者にも外科マスクを 着用させる。 3)業務当直者は、救命救急センター日・当直医師に患者の状態を伝え、感染症トリ アージ室を使用するかどうかを確認する。受診する診療科の指定がある時は、該当 する診療科当直医に連絡し、感染症トリアージ室を使用するかどうかを確認する。 4)救命救急センター日・当直医師がトリアージ室で診察する場合 *救命救急センター日・当直医師または看護師が患者の対応をする。 (1)医師または看護師は、業務当直者から感染症トリアージ室の鍵を受取る。 (2)医師または看護師は、患者に感染症トリアージ室で診察することの説明を行 い、感染症トリアージ室の更衣室および前室の両方の鍵を開ける。 ①患者を患者待合室に案内する。必要に応じて前室内の冷暖房のスイッチを 入れる。 ②更衣室内の外調機用リモコンのスイッチ(陰圧作動も兼ねている)を入れ る。必要に応じて冷暖房のスイッチを入れる。 (3)医師または看護師は、待合室に設置してあるPHSの使用方法を説明する。気 分が悪い時は、救命救急センター看護師(PHS4456)に電話するように説明 する。 (4)患者の容態には、案内した者が注意する。 5)各診療科の医師が感染症トリアージ室で診察する場合 (1)各診療科当直医あるいは救命救急センター看護師は、業務当直者から感染症 トリアージ室の鍵を受取る。 (2)患者にトリアージ室で診察を行うことを説明し、感染症トリアージ室の更衣 室および前室の両方の鍵を開ける。 ①患者を患者待合室に案内する。必要に応じて前室内の冷暖房のスイッチを 入れる。 ②更衣室内の外調機用リモコンのスイッチ(陰圧作動も兼ねている)を入れ る。必要に応じて冷暖房のスイッチを入れる。 (3)当直医あるいは救命救急センター看護師が診察室を離れる場合は、患者にPHS の使用方法を説明し、救命救急センター看護師(PHS4456)のPHS番号を教 えて、すぐ連絡が取れるようにしておく。 (4)患者の容態には、案内した者が注意する 6)診察する医師の手順 (1)-C-6)トリアージ室で診察する場合に準じる。 7)業務当直者は、感染症トリアージ室の利用があった場合には、伝言等も含め、夜 間は翌朝、祝祭休日は休み明けに感染対策師長(PHS4465)に連絡する。 E 感染リスクの高い患者(咳のひどい麻疹やガフキ10号など)を帰す場合 1)会計を家族の方がおこなっている間は、患者は待合室内で待機してもらう。 2)会計が終了したら、待合室の外に出るドアから院外にでていただく。 *下記の外来感染症トリアージ室の見取り図を参照 F トリアージ室に用意してある物品: *薬品については、管理上の問題もあるので、輸液や薬品は設置しない。 *ナースコールの対応 時間内:1階外来(小児科、産婦人科、放射線科、脳外科)看護師PHS、医事課 時間外:業務当直PHS 1)待合室:PHS(4350)1台、ナースコール 2)トイレ:車椅子対応可、ナースコール 3)診察室:電子カルテ、電話(外線・内線用)、 医療器具:血圧計・聴診器、パルスオキシメーター、アンビューバッグ(成 人用・小児用)、医療ガス(酸素、圧縮空気)、中央式吸引、酸 素連結チューブ、体重計、点滴スタンド、シャーカステン 診察トレー:打診器、音叉、知覚計、握力計、角度計、ペンライト、メジ ャー、体温計(耳式、電子)、聴診器) 採血物品:駆血帯、真空採血針・ホルダー、アルコール綿単包、絆創膏) 緊急採血用の採血管、翼状針(18・21・22・23・25G)、 注射器(2・5・10・20ml)、注射針(18・21・22・23G)、 携帯用廃棄容器、クリニカルシーツ 点滴物品:駆血帯、留置針(24G、22G、20G、18G)、絆創膏、輸液セ ット成人・小児)、三方活栓、延長チューブ、テガダーム) ナースコール(時間内:産婦人科外来PHS、時間外:業務当直PHSへ) その他:診察台(枕、タオルケットバスタオル)、感染性廃棄物用ゴミ箱 4)診察準備室:防護具(長袖ガウン、手袋(S・M・L)、マスク(外科用・N95)、 ゴーグル、フェイスシールド、シューズカバー、キャップ)、 予備(患者用タオルケット、バスタオル) G トリアージ室の鍵の管理(計3本) 1)患者サービス係1本:内線7009、7010 2)業務当直室1本:内線2090 3)感染対策師長1本:PHS4465 平成17年6月作成 平成24年11月21日 改訂 平成 23 年 9 月改訂 ・・・・・・・・・・患者様への説明時に活用してください・・・・・・・・・・・・ <案内時の説明内容> 患者様・家族の方へ 発熱や発疹、咳が激しい病気では、バイ菌やウイルスが空気中を漂って、それを 吸入することで人から人へ感染する可能性があります。病院内での感染を広げない ために、空気の流れを調節できるお部屋で、診察までお待ちください。 <待合室内での説明内容> 気分が悪い時には、院内専用のPHS(院内携帯電話番号XXXX)があります。 連絡は直ぐにとれるようになっていますので、遠慮なくお電話下さい。PHSの使用方 法は説明致します。必要に応じて、部屋を出て1階受付の職員に声をかけていただい ても結構です。 おトイレをご使用になる場合は、マスクを着用したまま、前室内のトイレをご使 用ください。 <1階 外来感染症トリアージ室 平面図> がん診療部 病院の外 管理棟 ローソン 外来食堂 EV EV EV 外来新棟 外 来 感 染 症 ト リ ア ー ジ 室 病 院 の 外 1階待合ホール 入 退 院 事 務 室 階段 休憩室 救 命 救 急 セ ン タ ー 薬剤部 <外来感染症トリアージ室 見取り図> 患者の動線 医療者の動線 患者出入り口 医療者出入り口 冷暖房スイッチ 外調機スイッチ 冷暖房スイッチ 医療ガス(酸素、圧縮空気) 中央配管の吸引 WC 患者前室 更衣室 ※ここで防護具 患者待合室 外へ出れます 診察室 診 察 ベ ッ 診 察 ベ ッ ド ド 救急車搬出 スペース 外 へ 出 れ ま す
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