12月の為替・金利・株式情報 - 伊予銀行

平成26年12月1日
伊予銀行 資金証券部
資金為替グループ
No.201
12月の為替・金利・株式情報
(1)為替相場
①米ドル円相場
先月の動き
終値
60分 QJPY=
5:00 2014/11/03 - 5:00 2014/11/29 (TOK)
価格
今月の予想レンジ
方向性
118円63銭 117円00銭~121円50銭
/USD
119
118円98銭
118.5
118
117.5
117
116.5
116
115.5
115
114.5
114
113.5
113
112円45銭
112.5
自動
04日
06日
08日
12日
14日
18日
2014年 11月
20日
22日
26日
②ユーロ円相場
先月の動き
28日
60分 QEURJPY=
5:00 2014/11/03 - 5:00 2014/11/29 (TOK)
価格
先月の米ドル円は上昇した。良好な経済指標を背景に米国で利上げ期待
が強まる中、10月末の日銀金融政策決定会合において日銀が追加緩和を
決定したことで日米金融政策の方向性の違いが一層鮮明となり、米ドル円に
上昇圧力が掛かった。衆院解散・増税先送りの決定や、円安を牽制する要人
発言等を受けて米ドル円は一時下落する場面も見られたが、根強い押し目
買いに支えられて上昇基調を維持し、2007年8月以来となる高値圏に達し
た。
今月の米ドル円は上昇を予想する。要人による円安牽制発言等に対する
警戒感は燻るものの、金融政策の方向性の違いを背景に米ドル円は上昇基
調を維持しそうだ。国内では14日に衆院選の投開票が予定されている。与
党が6割超の議席を確保できれば、長期安定政権に対する期待が高まり、米
ドル円の上昇をサポートするだろう。一方、足下の原油価格の急落が米ドル
高に寄与する可能性が指摘されている。年末商戦を控える中、ガソリン価格
の下落を受けて消費意欲が向上し、米個人消費の拡大期待から米ドルが買
われるというものだ。しかし、長期的に見ると、原油価格の下落はインフレ率の
低下要因にもなりかねず、米低金利政策の長期化懸念から米長期金利低下
→米ドル売りが進行する可能性も想定される。国内政局の動向に加え、原油
価格の動向が為替市場に与える影響にも注意を払う必要がありそうだ。
今月の予想レンジ
方向性
終値
147円72銭 144円50銭~150円00銭
JPY
149
149円14銭
148
147
146
145
144
143
142
141
140円40銭
140
自動
04日
06日
08日
12日
14日
18日
2014年 11月
20日
22日
26日
28日
③豪ドル円相場
先月の動き
60分 QAUDJPY=
5:00 2014/11/03 - 5:00 2014/11/29 (TOK)
価格
JPY
102円84銭
102.5
102
101.5
101
100.5
100
99.5
99
98.5
98円06銭
98
自動
04日
06日
08日
12日
14日
18日
2014年 11月
20日
22日
26日
28日
先月のユーロ円は上昇した。10月末の日銀による追加緩和決定を背景に
円は主要通貨に対し大幅に売られ、ユーロ円は一時149円14銭まで上昇す
る展開となった。一方、ECBにおいては、ドラギ総裁の統率力の低下が懸念
されたものの、「必要に応じて緩和措置の検討を行う」方針で委員会メンバー
は満場一致し、柔軟な景気対策を行っていく姿勢を強調した。
今月のユーロ円は上昇後、反落する展開を予想する。ECB内部では引き
続き追加緩和の検討が行われているが、量的緩和を巡っては、ドイツ連銀総
裁が「独長期金利が既に低水準にある中、効果は見込めないのではないか」
と述べる等、依然反対姿勢を崩していない状況だ。今月は11日に第2回TL
TRO(条件付長期貸出)の入札結果が公開される。9月実施の第1回につい
ては、景気悪化懸念等から各行の需要(貸出)は伸びず低調な結果に留まっ
ており、今回の結果をもって当政策の有効性が判断されるだろう。こうした状
況を鑑みると、今月のECB理事会(4日)では追加緩和は見込み難そうだ。
理事会後は失望のユーロ買いが一旦ユーロ円を押し上げると見られるが、市
場ではECBはいずれ量的緩和に着手せざるを得ないとの見方が強く、対米
ドルでの下落等を通じて、その後のユーロ円は上値重く推移しそうだ。
終値
今月の予想レンジ
100円91銭
98円00銭~103円00銭
方向性
先月の豪ドル円は上昇した。日銀の追加緩和による円安に加え、高金利通
貨である豪ドル需要が上昇を後押しした。21日、中国人民銀行が利下げを
表明すると、豪ドル円は一時2013年4月以来となる102円84銭まで上昇し
たが、その後は利益確定売りに押し戻され、101円付近で引けた。
今月の豪ドル円は揉み合いを予想する。各国の金融政策の動向に振らさ
れる展開が続きそうだ。米経済指標の良好な結果や利上げ観測を背景に、
豪ドルは対米ドルでは下落する一方、対円では日銀の追加緩和に支えられ、
上昇している。豪中銀は足元の為替動向について、「主要な商品価格が下
落する中、豪ドルは大半の適正値を上回っている」としており、依然、通貨高
懸念を維持している状況にある。米ドル円の上昇につられる形で豪ドル円も
上値を試す可能性も想定されるが、103円付近では高値警戒感から上値重
く推移しそうだ。なお、先月27日に公開された第3四半期豪州民間設備投資
では、非鉱工業セクターの良好な投資状況が確認された。輸出依存の経済
モデルからの脱却に向けて、構造転換を進めている状況が伺え、今後も動
向には注意したい。
(2)国内金利
①短期金利
①長・短期金利の推移 (TIBORとTSR)
日 足 QTIJPY6MD=, QJPYIRS5Y=, QJP10YT=TR
2013/11/14 - 2014/12/20 (TOK)
価格
JPY
10年債利回り
0.75
0.7
0.65
0.6
0.55
0.5
5Y スワップレート
0.45
6M TIBOR
0.4
0.35
0.3
0.25
0.2
自動
12月
1月
2月
2013年 Q4
3月
4月
2014年 Q1
5月
6月
7月
2014年 Q2
8月
9月
10月
2014年 Q3
11月
12月
2014年 Q4
TIBOR
スワップ
(%)
0.5
(3)米国金利
0.0
3M
今月の予想レンジ
方向性
先月のレンジ
終値
今月の予想レンジ
方向性
0.16200~0.20100% 0.16500% 0.13500~0.19000%
0.23900~0.30900% 0.24000% 0.18000~0.31000%
0.58400~0.67900% 0.58900% 0.53000~0.70000%
10年債利回り 0.41500~0.53500%
0.42000% 0.38500~0.50000%
先月の長期金利は低下した。日銀が10月31日の金融政策決定会合で追加
緩和を決定し、4日には一時0.435%まで長期金利は低下したが、その後利
益確定売りから長期金利は上昇し、13日には0.535%まで上昇した。その後、
月末にかけてはECBの追加緩和観測から、欧米の長期金利が低下するにつ
れ、日本の長期金利も低下基調となり、月末には約1年8か月ぶりの低水準とな
る0.420%で引けた。
今月の長期金利は低下を予想する。国内債券市場は、日銀の国債買入オペ
を背景に需給が締まっており、管理相場の様相が続いている。こうした状況を受
けて、今月も長期金利には低下圧力が掛かるだろう。加えて、足元では原油価
格の下落によるインフレ期待の後退も懸念されており、10年債利回りは0.4%
割れを試す展開もありそうだ。
3年
5年
10年
2014/11/28
2013/10/1
2013/4/1
1M
終値
②長期金利
②長・短期金利のイールドカーブ (TIBORとTSR)
1.0
先月のレンジ
0.13273~0.13727% 0.13273% 0.12500%~0.13800%
0.18182~0.18909% 0.18182% 0.17000%~0.19000%
0.27091~0.27727% 0.27091% 0.26000%~0.28000%
先月の短期金利は低下した。短期金融市場では、18日に実施された1年物
短期国債の入札で、最高落札利回りが初めてのマイナス圏での入札となった。
短期国債の流通利回りはマイナス金利が常態化している。短期国債の利回り低
下がTIBORに波及し、1~12か月の全期間において金利が小幅低下した。
今月の短期金利は低位安定推移を予想する。12月は四半期末であり、短期
国債の需要が増えることが予想される。下げ幅は限られるものの、月末に向け
て短期金融市場にも金利低下圧力がかかりそうだ。
1M
3M
6M
6M 12M 2Y
3Y
5Y
7Y 10Y
(3)米国金利
①短期金利
①長・短期金利の推移(LIBORと米国10年債利回り) 日足 QUSD6MFSR=, QUS10YT=RR
2013/08/30 - 2014/12/16 (LON)
価格
3
2.8
2.6
2.4
2.2
2.172
10年債利回り
2
1.8
1.6
1.4
1.2
1
6M LIBOR
0.8
0.6
0.4
0.32
0.2
自動
9月
10月
13 Q3
11月
12月
2013年 Q4
1月
2月
3月
2014年 Q1
4月
5月
6月
2014年 Q2
7月
8月
9月
2014年 Q3
10月
11月
12月
LIBOR
先月のレンジ
終値
今月の予想レンジ
方向性
0.15350%~0.15730% 0.15400% 0.13000%~0.18000%
0.23110%~0.23560% 0.23360% 0.21000%~0.26000%
6ヶ月 0.32465%~0.33190% 0.32620% 0.30000%~0.36000%
先月の短期金利は概ね横ばい推移した。10月FOMC議事録では事実上の
ゼロ金利政策を相当期間維持するという文言修正の有無に注目が集まったが、
結局は利上げに対する過剰反応を避けるため文言は維持された。
今月の短期金利は横ばい推移を予想する。16-17日の12月FOMCでは
「相当期間」という文言が修正されそうだ。ただし、FRBは時期的にも市場参加
者が少なくなる中、過度な利上げ期待の高まりを恐れており、様々な手段を用
いた市場とのコミュニケーションでその反応を和らげてくることが予想され、市場
への影響は限定的だろう。
1ヶ月
3ヶ月
2014年 Q4
②長・短期金利のイールドカーブ(LIBORと米国債利回り) ②長期金利
3.0 (%)
10年債
2014/11/28
2013/10/1
2013/4/2
2.0
1.0
0.0
1M
3M
6M
12M
2Y
5Y
10Y
先月のレンジ
終値
今月の予想レンジ
方向性
2.1660%~2.4070% 2.1960%
2.0000%~2.5000%
先月の長期金利は低下した。10月米雇用統計が市場予想を下回ったことや、
OPECが原油の減産を見送ったこと、ECBに対する追加緩和期待が根強いこ
と等を背景に、長期金利は2.3%台を中心としたレンジ推移から徐々に水準を
切り下げ、月末には10月22日以来約1か月ぶりの水準である2.2%台を割り
込んで引けた。
今月の長期金利は揉み合いを予想する。米国の足元のファンダメンタルズは
堅調に推移している。第一週に発表される11月米雇用統計をはじめ米主要経
済指標は良好な結果が見込まれており、長期金利の上昇要因となりそうだ。し
かし、足元の原油価格の下落基調は継続しており、低インフレを嫌気する動き
から、金利に低下圧力が掛かりやすい地合いに変わりはなく、方向感の出にく
い展開となりそうだ。尚、16-17日のFOMCでのフォワードガイダンスの修正に
ついては、ある程度織り込み済みであり、長期金利への影響は限定的となるだ
ろう。
利回り
(4)国内株式
日経平均株価の推移
30分 Q.N225
9:30 2014/11/04 - 15:30 2014/11/28 (TOK)
日
経
平
均
価格
JPY
17,520円54銭
17,500
17,450
17,400
17,350
17,300
17,250
17,200
17,150
17,100
17,050
17,000
16,950
16,900
16,850
16,800
16,750
16,713円37銭
16,700
自動
04日
05日
06日
07日
10日
11日
チャート図 12日
13日
14日
17日
18日
19日
20日
21日
25日
26日
27日
28日
2014年 11月
終値
今月の予想レンジ
方向性
17,459円85銭 17,000円~18,500円
先月の日経平均株価は上昇した。10月末の日銀追加緩和決定や、
GPIFによる株式構成比率の引き上げ見通し等を背景に買い進めら
れ、日経平均株価は2007年7月以来の水準まで上昇した。その後、
国内の第3四半期GDP速報値が市場予想を大きく下回ったことで売
りが優勢となる場面も見られたものの、消費増税先送りの決定が好感
され、日経平均株価は1万7,000円台半ばで引けた。
今月の日経平均株価は上昇を予想する。GPIFの資産入替売買
による株式相場の需給引き締めは当面続くと考えられ、日経平均株
価は上昇基調を維持しそうだ。加えて、14日の衆院選で与党が勝
利すれば、構造改革の進展期待から日経平均株価は一段高を試す
可能性もあるだろう。他方、原油安による世界的なインフレ見通しの
低下等を背景に、新興国が利下げに踏み切る可能性も想定される。
先月には中国が金融緩和(利下げ)を実施しており、景気押し上げ
期待から、株式市場にとっては追い風となりそうだ。
(1) 米ドル円(日足)
日 足 QJ PY=
2013/11/01 - 2014/12/11 (TOK)
価格
/USD
118
116
114
112
110
108
106
104
102
100
98
自動
11
12
13 Q4
1
2
3
2014年 Q1
4
5
6
2014年 Q2
7
8
9
2014年 Q3
10
11
12
2014年 Q4
(2)ユーロ円(日足)
日 足 QEURJ PY=
2013/11/01 - 2014/12/11 (TOK)
価格
JPY
148
146
144
142
140
138
136
134
132
自動
11
12
1
13 Q4
2
3
4
2014年 Q1
5
6
7
2014年 Q2
8
9
2014年 Q3
10
11
12
2014年 Q4
(3) 豪ドル円(日足)
日 足 QA UDJ PY=
2013/11/01 - 2014/12/11 (TOK)
価格
J PY
103
102
101
100
99
98
97
96
95
94
93
92
91
90
89
88
自動
11
12
13 Q4
1
2
3
2014年 Q1
4
5
6
2014年 Q2
7
8
9
2014年 Q3
10
11
12
2014年 Q4
#NAME?
( 1 )11月の公表仲値の推移 (単位:円)
US$
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
平均
SFr
EUR
TIBOR
AUD
113.76
113.68
114.69
115.06
117.91
118.53
118.87
118.26
142.14
142.68
143.05
142.40
98.70
99.37
98.21
98.59
114.36
114.75
115.81
115.52
116.15
118.42
118.57
119.90
119.49
120.44
142.41
142.63
144.25
143.65
144.73
98.89
99.12
100.53
100.69
101.03
116.44
116.57
117.02
118.21
118.09
121.46
120.91
122.01
123.38
123.28
145.92
145.25
146.56
148.14
148.16
102.04
101.67
101.71
101.78
101.90
118.07
117.77
117.52
118.23
122.00
122.22
122.20
122.51
146.70
146.91
146.89
147.20
101.67
100.72
100.57
100.71
116.21
120.58
144.98
100.44
データ:トムソン・ロイター提供
( 2 )11月のTIBOR・TSRの推移 (単位:%)
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
TSR
1ヶ月
3ヶ月
6ヶ月
3年
5年
10年
0.13727
0.13636
0.13545
0.13364
0.18909
0.18636
0.18455
0.18364
0.27727
0.27455
0.27364
0.27273
0.16200
0.17500
0.17500
0.17800
0.23900
0.26900
0.26700
0.26600
0.58900
0.62600
0.62000
0.61800
0.13364
0.13364
0.13364
0.13364
0.13364
0.18364
0.18364
0.18364
0.18364
0.18273
0.27273
0.27273
0.27273
0.27273
0.27182
0.17300
0.18700
0.20100
0.19000
0.18500
0.25500
0.28000
0.30900
0.29000
0.27900
0.59900
0.63100
0.67900
0.65200
0.63400
0.13364
0.13364
0.13364
0.13364
0.13364
0.18273
0.18273
0.18273
0.18273
0.18182
0.27182
0.27182
0.27182
0.27182
0.27091
0.18300
0.18600
0.17500
0.17100
0.17000
0.27500
0.28400
0.26500
0.26100
0.26000
0.62500
0.65100
0.61800
0.61800
0.62300
0.13273
0.13273
0.13273
0.13273
0.18182
0.18182
0.18182
0.18182
0.27091
0.27091
0.27091
0.27091
0.16800
0.16700
0.16400
0.16500
0.25300
0.24900
0.23900
0.24000
0.60800
0.59900
0.58400
0.58900
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