成岡 市(なりおか はじめ) - 三重大学 生物資源学部・大学院生物資源学

1.「大学人」について: 大学の使命に「学術
の中心として、高い教養と専門的能力を培うとと
もに、深く真理を探究して新たな知見を創造し、
これらの成果を広く社会に提供することにより、社
会の発展に寄与するものとする。大学について
は、自主性、自律性その他の大学における教育
及び研究の特性が尊重されなければならない」
(教育基本法)があります。大学における教
育・研究の在り方は、自主的・自律的・創造的
行為に委ねられていることであり、社会貢献に寄
与すること。これが私の理解している「大学人」で
す。
2.大学の「アカデミック・リーダーシップ」につい
て: 孫子は「智、信、仁、勇、厳」の語句で表
成岡 市(なりおか
はじめ)
東京都出身、1955(昭和30)年4月生まれ
■これまでに実働した委員会等:
学務委員会、教職課程・学芸員
養成課程運営委員会、JABEEプログラム委員会、三翠同窓会連絡委員
会、(全学)施設整備専門委員会など
■信条: 「大学人の誇り」、「無我の心境」
■私が考える主たる取り組み目標(順不同)
①研究科・学部の充実を目指した委員会の再構築
②予算・施設整備・人事の計画的推進
③新しい学士課程教育のスタートと実質化
④大学院博士前期・後期課程における教育・研究の実質化
⑤資格要件(教職課程、学芸員養成課程、JABEEほか)の強化推進
⑥入試・広報活動の強化推進
現したといわれています。私が理解するリーダーシ
ップとは「無我の心境」と考えています。
3.研究科の運営組織について: 「大学人」
の誇りを持ち、合意形成を尊重する組織体制の
構築と運営が必要と考えています。新3学科の相
互協調および学科自律に向けた運営を進めま
す。学則に定められている「教員人事、教育課
程の編成、学生の円滑な修学等の支援・指導、
学生の入学・卒業・課程の修了、学生の在籍に
関すること、学位の授与に関すること、教育および
研究の点検と評価」などについては、全学的協働
のもとに取り組むべきと考えます。そして、平成27
年4月から、まず、新学科体制・制度の具体化・
実質化に着手し、大学院の課程教育化に取り
組みます。
4.「大学」に対する多くの期待について
⑦社会貢献の強化推進
5.「大学院における教育・研究」について
⑧国際的同等性の強化推進
6.「学部における教育」について
⑨三翠同窓会との強い絆の構築
※平成27年度から新学科体制・制度の具体化・実質化に着手し、大学
院の課程教育化に取り組むことから始めます。
※詳しくは、流域保全学教育研究分野のホームページに掲載しました。
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http://www.bio.mie-u.
ac.jp/kankyo/chiiki/ry
uiki/
生 物 資 源 学 研 究 科 長 候 補 者 所 信
氏
1. 現
名
状
成
岡
市
印
○
認 識
(1)「大学人」: 教育基本法は「学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うととも
に、深く真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することに
より、社会の発展に寄与するものとする。大学については、自主性、自律性その他の大学
における教育及び研究の特性が尊重されなければならない」としています。大学における
教育・研究のあり方は、この基本法に基づき、自主的・自律的・創造的行為であり、社会
貢献に寄与すること、これが私の理解している「大学人」です。
(2)アカデミック・リーダーシップ:
利潤追求とは全く異なった価値があると考えます。
リーダーシップは、その人の個性であり、その個性に対する周囲との関係性であり、私が
理解しているそれは、「無我の心境」です。
(3)研究科の運営: 「大学人」の誇りを持ち、合意形成を尊重する組織と運営が必要です。
(4)大学院における教育・研究: ①大学院教育の実質化は「教育課程の組織的展開、国際
的な通用性・信頼性、国際的に魅力ある大学院教育」、②国際化を進める中で「大学院の
学位取得者が大学、産業界、社会の各分野で活躍」、③中教審が求める大学院課程の実質
化は「寺子屋(師弟関係の教育)」から「組織的教育体制」への変換、④文科省が求める
「大学院の質保証システム」は「研究者の教育、学際的な研究の促進、職業選択の幅を広
げる指導、多様化の促進」など、難あれども取り組むべき重要課題です。
(5)学部における教育: 大学院教育の基礎にあって、「①価値観の多様化・新しいアイデ
アの創出、②望む就職ができることに対する自信、③教養教育と専門教育との連携、④三
翠同窓会との十分な連携体制」などの熟成が必要です。
2. 将
来
展 望
新しい学部 3 学科の相互協調を進め、研究科 3 専攻(学部 3 学科)の平等性や公平性を担保
するため、2 名の副研究科長の推挙を学長に求めます。また、活動の主目標は「①研究科・
学部の充実を目指した委員会の再構築、②予算・施設整備・人事の計画的推進、③新しい
学士課程教育の開始と実質化、④大学院博士前期・後期課程における教育・研究の実質化、
⑤資格要件(教職課程、学芸員養成課程、JABEE ほか)の強化推進、⑥入試・広報活動の強
化推進、⑦社会貢献の強化推進、⑧国際的同等性の強化推進、⑨三翠同窓会との強い絆の
構築」などとして、平成 27 年度から新学科体制・制度の具体化・実質化に着手し、大学院
の課程教育化に取り組むことから始めます。
3.そ の
他
詳しくは、「流域保全学教育研究分野のホームページ」に掲載しました。
成岡 市(なりおか はじめ)
東京都出身 1955(昭和 30)年 4 月生まれ
農学博士(北海道大学)、専攻分野「農業農村工学、農地工学、農地保全学」
■信条:
「大学人としての誇り」、「車の両輪がそろって前進」、「無我の心境」
■主たる活動目標(順不同):
①研究科・学部の充実を目指した委員会の再構築
②予算・施設整備・人事の計画的推進
③新しい学士課程教育の開始と実質化
④大学院博士前期・後期課程における教育・研究の実質化
⑤資格要件(教職課程、学芸員養成課程、JABEE ほか)の強化推進
⑥入試・広報活動の強化推進
⑦社会貢献の強化推進
⑧国際的同等性の強化推進
⑨三翠同窓会との強い絆の構築
であり、平成 27 年度から新学科体制・制度の具体化・実質化に着手し、大学院の課
程教育化に取り組むことから始めます。
1.「大学人」について
大学の使命に、「学術の中心として、高い教養と専門的能力を培うとともに、深く
真理を探究して新たな知見を創造し、これらの成果を広く社会に提供することによ
り、社会の発展に寄与するものとする。大学については、自主性、自律性その他の
大学における教育及び研究の特性が尊重されなければならない」
(教育基本法(大学)
第七条)があります。
したがって、大学における教育・研究の在り方は、自主的・自律的・創造的行為
に委ねられていることであり、社会貢献に寄与すること。これが私の理解している
「大学人」です。
2.大学の「アカデミック・リーダーシップ」について
"Academic Leadership"には、利潤追求とは全く異なった価値感があると考えます。
リーダーの素養について、辞書には「人々を鼓舞し力を与える、従来のやり方を
見直す、幅広い見方ができる、人々を巻き込む、違っていることを大胆に行う勇気
がある、変革する力がある、ビジョンを導く、情熱がある、誠実さがある、好奇心
がある、勇気がある」などの語句が並びます。孫子は「智、信、仁、勇、厳」の語
句で表現したといわれています。
現代のリーダーシップというならば、全くその人の個性であり、その個性に対す
る周囲との関係性であるかもしれません。
私が理解するリーダーシップとは、「無我の心境」と考えています。
-1-
3.研究科の運営組織について
「大学人」の誇りを持ち、合意形成を尊重する組織体制の構築と運営が必要と考
えています。
「教育」と「研究」に強調される大学の使命を守ることを念頭に置き、新 3 学科
の相互協調および学科自律に向けた運営を進めます。
そのため、研究科長(教授会議長)と副研究科長のチームワークを増強します。と
くに、研究科 3 専攻(学部 3 学科)の平等性や公平性を担保するために、副研究科
長の推挙については、三重大学規定「三重大学副学部長等に関する規定 第 1 条、お
よび、三重大学副学部長等に関する申合せ」が適用されるよう、三重大学学長へ合
意を求め、新しい部局の制度設計に着手します。
委員会構成は、全学委員会と研究科委員会が連携する関係を持つように制度整備
を進めます。とくに、学則に定められている「教員人事、教育課程の編成、学生の
円滑な修学等の支援・指導、学生の入学・卒業・課程の修了、学生の在籍に関する
こと、学位の授与に関すること、教育および研究の点検と評価」などについては、
全学的協働のもとに取り組むべきと考えます。
そして、平成 27 年 4 月から、まず、新学科体制・制度の具体化・実質化に着手し、
大学院の課程教育化に取り組みます。
4.「大学」に対する多くの期待について
産業界は、大学に「智、人材」を強く求められています。
文科省は、産業界の期待に加えて、大学に国際的「同等性」を求めています。こ
れは、各種の国際ランキングとは概念が異なります。JABEE の理念にも示されてい
るように、日本語を用いた教育でも国際的同等性が認められ、学部教育および大学
院教育の「実質化、質保証、強化」(2005 年、中教審答申「新時代の大学院教育」)
というものです。
そのために、文科省は、「恒常的な教育改善、大学の機能別分化を進めるための共
同利用拠点化、国際的に通用する教育プログラム(学位)の質保証、国際的(とくにア
ジア圏)に通用する就業力をもった国際的人材育成、学生に近い立場にある教育現場
の裁量権、中堅教員の大学運営への積極的な参画、資源配分決定手順の合意形成(た
とえば人事配置・予算配分・施設整備などの決定)」などを求めています。
これらについて、委員会組織による取り組みが必要と考えます。
5.「大学院における教育・研究」について
中教審が重要な問題点を指摘しています(2010 年、大学分科会大学院部会)。
それは、「博士後期課程の教育が個々の担当教員が各研究室で行う研究活動を通じ
たものにとどまるような学位プログラムの整備方法は問題であるということ、大学
院の修了者が活躍できる多様な職歴計画(キャリアパス)に十分な対応ができていな
いということ、研究活動の基礎となる教育研究組織(研究室)あるいは研究支援体制
が極めて弱いということ、大学の基盤的経費の削減によって個々の研究室への配分
額が減少しているということ、競争的資金によるプロジェクト支援が拡大する結果
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として学生の入学時に希望する専門分野等の配属が競争的資金の多寡により教育環
境に差が発生しているということ」などです。
中教審は、大学院課程の実質化について以下のようにまとめています(2010 年、
中央教育審議会大学分科会大学院部会)。
① 大学院教育の実質化とは、「教育課程の組織的展開の強化、国際的な通用性、信
頼性(大学院教育の質)、国際的に魅力ある大学院教育の構築」である。
② 国際化や知識基盤社会の進展の中で「大学院の学位取得者が、大学のみならず
産業界をはじめ社会の様々な分野で活躍することが我が国の成長と発展にとっ
て不可欠」であり「大学院教育の飛躍的な強化」である。
③ 中教審が求める大学院課程の実質化は、「寺子屋(師弟関係の教育)」から「組
織的教育体制」への変換である。戦後の学制改革は、一定の教育目標等を有し、
学生に体系的な教育を提供する場(教育の課程)と位置付けられ、そのような教
育の課程を修了した者に特定の学位を与える課程制大学院制度に移行する必要
がある。
④ 文科省が求める「大学院の質保証システム」に対する取り組みについて、次の
ように考えています。
■研究者の教育について: 文科省は、カリキュラム編成、論文研究に関する
「徒弟関係」に重大な問題があると指摘しています。教員の教育・研究にかか
る技能に問題がある場合は、「複数の教員による指導体制をとること、学生はそ
の指導教員に属するものではなく研究科に属しているという理解が必要」とし
ています。これに取り組むことが必要です。
■学際的な研究の促進について: 最近のほとんどの研究には、多岐にわたる
分野が関わり、分野間の壁をなくし、自由な出入り、自由な論議が必要と指摘
されています。これに取り組むことが必要です。
■職業選択の幅を広げる指導について: 卒業生の全員が研究者になるわけで
はありません。職業選択の幅を広げる指導をどのように行えばよいか考える必
要があります。
■多様化の促進: 社会に対して、卒業後の就職先や学生の在籍率といった大
学の人材育成の成果を公表することが求められています。学生支援に関わる仕
組みや職員を充実させる必要があることは、三重大学では独法化直後から論議
されてきました。これをさらに発展させることについて、組織的な論議が必要
です。
これらの諸問題には、難あれども、取り組むべき重要課題と考えています。
6.「学部における教育」について
文科省が求める「学士課程教育(学部教育)の質保証システム」に対する取り組み
について、次のように考えています。
①就職活動について: 採用側は、「困難をどのように乗り越えてきたか」を学生に
求める意識が働くと言われています。学生支援体制を軸にしながら取り組む必要
があります。
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②教員の意識改革について: 教員の自律精神と課程教育の実質化について合意形
成が必要です。また、教員間の情報交換が必要です。
③教養教育と専門教育との連携について: これから十二分に論議する必要があり
ます。学士課程と大学院課程との連続性の論議が必要です。
④同窓会について: 文科省では、「卒業生(同窓会)の存在は、大学のアウトプット
の結果(教育の成果)であり、同窓会を活かすことが必要」と考えています。「帰属
意識」の高揚も必要です。三翠同窓会と十分な連携体制を熟成させるように取り
組みます。
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