団体年金保険に関するご報告(一般勘定) - 第一生命保険

団体年金保険に関するご報告(一般勘定)
2014年度下半期 市場予測および運用方針
~2014年度第2四半期(上半期)~
市場予測
経営(会社全体)に関するご報告~ポイント~
国内金利~追加金融緩和を受けて横ばい圏で推移~
海外金利~米金融緩和の出口戦略を巡り金利上昇~
国内金利は、日本銀行の2%物価目標達成目安となる2015年度
が近づくにつれ、インフレ期待の高まりによる金利上昇圧力が想
定されますが、一方で量的・質的金融緩和策の強化を受けた更な
る国債需給の引き締まり等に下支えされることから、横ばい圏での
推移を予測します。
米国金利は、FRBによる量的金融緩和策の終了を受け、米国経済
が堅調に推移するなかで徐々に利上げ観測が高まることを見込む
ことから、小幅に金利上昇すると予測します。
欧州金利は、低インフレを背景としたECBの国債買入を含む追加
金融緩和観測により、限定的な金利上昇に留まると予測します。
国内株式~政策支援による業績改善から底堅い展開~
国内株式は、財政・金融政策のサポートによる景気の持ち直しや
追加消費増税を睨んだ経済対策期待、公的年金の運用改革に伴
う需給環境の改善期待等から底堅く推移すると考えます。また、為
替の円安基調での推移が継続することで業績改善効果を高め、
株価の押し上げに寄与すると予測します。
国内金利
国内株式
外国為替~日米金融政策の差異により円安基調継続~
海外金利
円/ドルについては、日本銀行が金融緩和策を維持・強化する一
方で、FRBが2015年以降の利上げ開始に向けた地均しを行うこ
とにより、基調としては円安・ドル高での推移が継続すると考えます。
円/ユーロについては、欧州域内のデフレ懸念や経常黒字傾向
がユーロを下支えする一方、ECBによる緩和的な金融環境の維
持・強化を背景としたユーロ安圧力から、横ばい圏での推移を予
測します。
外国株式
外国為替
2014年9月末
2015年3月末
(実績)
(予想レンジ)
10年国債利回り
(%)
0.520
0.30~0.60
無担保コール翌日物
(%)
0.029
0.00~0.10
日経平均株価
(円)
16,173
14,500~19,000
1,326
1,150~1,600
東証株価指数 (TOPIX)
米国10年国債利回り
(%)
2.50
2.00~3.25
FFレート
(%)
0.00~0.25
0.00~0.25
ドイツ10年国債利回り
(%)
0.95
0.50~1.50
NY工業ダウ30種
($)
17,042
16,000~18,000
DAX指数
9,474
8,500~10,500
円/ドル
109.45
105~120
円/ユーロ
138.87
130~150
(注)海外金利のFFレートは誘導目標を記載しています。また、DAX指数は、
ドイツの代表的な株価指数です。
運用方針
○ALMに基づく確定利付資産中心の運用を継続しつつ、機動的な資金配分を実施
安定的な運用収益の確保を目指す観点から、公社債等の確定利付資産を中心とするポートフォリオ運用を継続します。
金利水準に留意しつつ、責任準備金対応債券の積み増し金額を調整し、ALMの推進および収益力の強化を図ります。また社債・証券化商品・
貸付金等の信用リスク性資産についても、リスクやスプレッド動向を見極めながら組み入れることで、確定利付資産の収益力強化を図ります。
分散投資による収益力向上を主眼に組み入れている国内株式や外国証券等のリスク性資産については、市場動向に十分に留意しつつ、機動
的に資金配分を実施していきます。
団体年金保険の保有契約状況(第一生命グループ資産残高)
○ 2014年度上半期末の当社団体年金受託残高は、対前年度末687億円増の6兆4,222億円となりました。
第一生命保険
うち一般勘定
2012年度末
○
国内金利が低位安定推移する中、内外金利差に着目し為替ヘッジ付外債を大幅に積み増しました。結果として、利息配
当金収入の増加を通じ、基礎利益は前年同期と比べ282億円増の2,051億円になりました。
■ 健全性は十分な水準を維持
○
有価証券の含み益の増加や普通株式の増資等により、実質純資産額は前年度末と比べ増加しました。また、ソルベン
シー・マージン比率についても前年度末と比べ上昇し、引き続き十分な水準を維持しています。また、健全性向上に向けた
取組み等を通じ、格付会社からは高い保険金支払能力を有するとの評価を得ています。
2,051億円
基礎利益
2013年度上半期
(単位:億円)
2013年度末
○ 基礎利益とは、保険本業における期間収益を示す指標のひとつです。具体的には、ご契約者さまからお預かりした保険料や
運用収益を原資として、ご契約の内容に沿って保険金・給付金等をお支払いする一方、将来のお支払いに備えるために責
任準備金を積み立て、これを運用するという活動の結果としての収支を捉えたものです。
有価証券の含み損益
3兆8,560億円
2013年度末
(単位:億円)
区分
2013年度末
有価証券
公社債
株式
外国証券
公社債
株式等
その他の証券
その他
30,056
13,813
9,318
6,422
4,849
1,573
363
139
2014年度
上半期末
38,560
16,893
12,502
8,676
6,679
1,996
346
141
7兆3,354億円
実質純資産額
増減
8,503
3,080
3,184
2,254
1,830
423
△ 17
2
3兆56億円
○ 有価証券の含み損益は、
保有している有価証券
の時価と帳簿価額との差
です。含み益は当社を
取り巻くさまざまなリスク
に対するバッファーとし
ての役割を果たします。
2013年度末
6兆197億円
○ 実質純資産額は、時価ベースの実質的な資産から資本性のない実質的な負債を差し引いたものであり、時価評価後の実質
的な自己資本を指します。実質純資産額は、保険会社の健全性の状況を示す行政監督上の指標のひとつとなっています。
ソルベンシー・マージン比率
845.8%
2013年度末
772.1%
○ ソルベンシー・マージン比率は、通常の予測を超えて発生するリスクに備えて「支払余力」がどの程度カバーされているかを示
す行政監督上の指標のひとつです。200%以上であれば、健全性についてのひとつの基準を満たしていることを示しています。
格付け
2014年度
上半期末
当年度
増減
㈱格付投資情報センター
㈱日本格付研究所
スタンダード&プアーズ
フィッチ・レーティングス
<保険金支払能力格付け>
<保険金支払能力格付け>
<保険財務力格付け>
<保険会社財務格付>
A+
A+
A+
A+
60,659
61,461
63,534
64,222
687
51,501
51,526
52,852
53,060
208
(注1) 上記格付けは、当社が格付会社に依頼して取得したものです。上記格付けは、格付会社の判断により将来変化することがあります。
(注2) 「保険金支払能力格付け」「保険財務力格付け」「保険会社財務格付」はいずれも保険金支払能力に対する格付会社の
うち特別勘定
DIAMアセットマネジメント
9,158
9,935
10,681
11,161
479
38,022
46,384
64,296
71,651
7,355
合計
98,682
107,846
127,830
135,873
8,042
(注3) 評価を表しています(保険金支払等について格付会社が保証を行うものではありません)。
○ 当社は、格付けを財務の健全性をはじめとする経営内容を客観的に判断する材料のひとつと考え、㈱格付投資情報センター
(R&I)、㈱日本格付研究所(JCR)、スタンダード&プアーズ(S&P)及びフィッチ・レーティングス(Fitch)より格付けを取得してい
ます。
エンベディッド・バリュー(EV)
-4-
1,768億円
(2014年11月26日現在)
□ 団体年金保険合計(有期利率保証型確定拠出年金保険含む)
2011年度末
■ 利息配当金収入の増加により、基礎利益は拡大
2014年11月
発行 第一生命保険株式会社
〒100-8411
東京都千代田区有楽町一丁目13番1号
電話:03-3216-1211(大代表)
URL:http//www.dai-ichi-life.co.jp/
5兆691億円
2013年度末 4兆2,685億円
○ エンベディッド・バリュー(EV)は生命保険会社の企業価値を表す指標の一つで、現行の生命保険会社の法定会計では新契約
獲得から会計上の利益の実現まで時間がかかるのに対しEVでは将来の利益貢献が新契約獲得時に認識されるため、法定会
計による財務情報を補強することができると考えられています。
○ 当社グループでは2007年度末EVよりヨーロピアン・エンベディッド・バリュー原則に準拠したEVを開示しています。
(注)1ページ記載の数値等は、第一生命単体のものです。
-1-
2014年度第2四半期(上半期) 団体年金保険に関するご報告(一般勘定)
運用環境
国内金利~金融緩和環境の継続等を背景に金利低下~
国内株式~円安進行に伴う企業業績改善期待から上昇~
(%)
19,000
1.5
(円)
0.560
(3月末)
0.5
0.058
(3月末)
コールレート (無担保)
0.044
(3月末)
15,000
0.520
(9月末)
0.485
(8/28)
0.029
(9月末)
11,000
102.92
(3月末)
105
TOPIX(右目盛)
1,202
(3月末)
900
2014年度
2013年度
18,000
円/ドル
1,034
(3月末)
外国株式~堅調な企業業績を背景に米国株式は上昇~
外国為替~米国の利上げ観測を背景にドル高・円安進行~
110
(ドル)
17,279
(9/19)
NYダウ
17,000
16,457
(3月末)
16,000
100
101.26
(7/18)
95
17,042
(9月末)
16,026
(4/11)
15,000
94.05
(3月末)
90
1,500
1,300
9,000
109.45
(9月末)
1,700
16,374
(9/25)
1,326
(9月末) 1,100
2014年度
(円)
1,900
13,000
0.0
2013年度
14,827
(3月末) 13,910
(4/14)
12,397
(3月末)
新発10年国債
0.640 0.640
(3月末) (4/3)
115
(ポイント)
16,173
(9月末)
日経平均(左目盛)
17,000
1.0
14,000
14,578
(3月末)
13,000
85
2013年度
2013年度
2014年度
2014年度
2014年度 長期基本ポートフォリオ
基本ポート
期待収益率
円建債券
66.0%
1.2%
標準偏差
昨年度基本ポート
3.1%
69.0%
貸付金
18.0%
1.8%
0.4%
15.0%
国内株式
4.0%
6.0%
19.7%
4.0%
外貨建債券
5.0%
2.5%
10.7%
5.0%
外国株式
2.0%
7.2%
18.4%
2.0%
不動産その他
3.0%
2.8%
2.6%
3.0%
短期資産
2.0%
0.5%
0.7%
2.0%
100.0%
1.7%
2.3%
100.0%
合計
外国株式
5.3%
資産の状況
(注1)基本ポートフォリオは、運用環境の変化等により、適宜検証や見直しを行います。(注2)為替ヘッ
ジ付外貨建債券は、円建債券に含まれます。(注3)不動産その他には、オルタナティブ投資を含みます。
資産・負債のバランスを考慮したALMの発想に基づく運用戦略
として、長期基本ポートフォリオを策定しています。長期基本ポート
フォリオは、中長期的な観点でのポートフォリオの方向性を示すも
のであり、単年度の運用計画にも反映しています。
ALMに基づく中長期的な収益の安定的な拡大を目指し、円建
債券や貸付金といった円建確定利付資産を中心とした長期基本
ポートフォリオを策定しています。一方、分散投資強化によるリス
ク・コントロールや収益性向上の観点から、内外株式や外貨建債
券といったリスク性資産や、不動産等の組入れを継続します。
運用環境の変化、当社のリスク許容度を踏まえ、ALMの観点か
ら望ましいリスク・リターンが期待できる長期基本ポートフォリオを見
直した結果、円建債券については占率の引き下げ、貸付金につ
いては占率の引き上げを行う方針としています。
~用語解説~
○運用利回り:「資産運用関係収支(実現した損益)」を分子に、「日々平均残高」を分母とした利回り
運用利回り計算式
=
資産運用関係収支
日々平均残高(帳簿価額ベース)
○時価利回り:運用利回りに含み損益の増減を加味した利回り
時価利回り計算式
=
資産運用関係収支+差損益増減
日々平均残高(帳簿価額ベース)+{当期始の差損益+当期末の差損益}÷2
(注)時価利回り算出に用いた差損益:有価証券全体(時価を把握することが極めて困難と認められる有価証券について
時価相当額を算出し、時価のある有価証券と合計したもの)、デリバティブにかかる差損益
○利差関係利回り:「利差関係収支(利息及び配当金等収入・為替差損益等)」を分子に、「日々平均残高」を分母とした利回り
利差関係利回り計算式
=
利差関係収支
日々平均残高(帳簿価額ベース)
(注)利差関係収支:利息及び配当金等収入、有価証券償還益(損)、為替差益(損)、貸倒引当金戻入(繰入)額、
その他運用収益(費用)、支払利息、貸付金償却、賃貸用不動産等減価償却費等
-2-
公社債
41.9%
2013年度末
[54,719億円]
2014年度
上半期末
[56,557億円]
貸付金
16.6%
うち責任準備金対応債券
23.8%
うち責任準備金対応債券
35.3%
20%
国内株式
6.0%
40%
60%
現預金
・コール
2.1%
不動産
1.8%
うち為替ヘッジ付・円建
14.5%
27.4%
うち為替ヘッジ付・円建
21.4%
17.2%
18.0%
0%
外国公社債
21.1%
その他
5.2%
6.4%
5.2%
5.1% 1.6%
1.7%
80%
100%
(注)「その他」には、買入金銭債権、貸付や有価証券などの未収利息、仮払金、有価証券売却の約定済・未受渡分に関わる未収金、国内投資信託、未公開株へ投資する投資事業組合、
出資証券等が含まれます。
【確定利付資産】低金利環境に鑑み、公社債残高を削減する一方、確定利付資産内の運用効率向上の観点から、内外金利差に着目した為替ヘッジ
付外債の大幅な積み増しや、信用リスクテイクによる収益力の向上を目指した貸付金の積み増しを行いました。
【国内株式/為替オープン外債】国内株式や為替オープン外債については、市場動向に応じた機動的な資金配分を実施しました。
有価証券の含み損益
○金利低下・株価上昇・円安効果で、有価証券の差損益は増加
(単位:億円)
区分
2013年度末
3,788
1,625
1,061
982
713
268
80
38
有価証券
公社債
株式
外国証券
公社債
株式等
その他の証券
その他
2014年度
上半期末
4,876
1,788
1,469
1,518
1,204
314
62
37
増減
【公社債】公社債については、国内金利が低下したこと等の影響により、含み益は前
年度末比162億円増の+1,788億円となりました。
1,087
162 【株式】株式については、国内株価の上昇等により、含み益は前年度末比407億円
407
増の+1,469億円となりました。
536
490 【外国公社債】外国公社債については、海外金利の低下や円安の効果等で含み益
は前年度末比490億円増の+1,204億円となりました。
45
△ 17 【外国株式】外国株式等については、海外株価の上昇や円安の影響等により、含み
△
1
益は前年度末比45億円増の+314億円となりました。
資産運用関係収支
(単位:億円)
区分
資産運用関係収支
利差関係収支
うち利息及び配当金等収入
うち為替差損益
利差関係収支以外の運用収支
うち有価証券売却損益
うち有価証券評価損
うち金融派生商品損益
2013年度
上半期
643
525
566
△
21
118
138
△
1
△
18
2014年度
上半期
793
558
620
△
37
234
203
△
0
31
2013年度
1,292
1,159
1,243
△
36
133
195
△
3
△
58
○利息及び配当金等収入は増加
円建債券から為替ヘッジ付外債への積極的な資金配分変
更、内外株式の増配、円安進展による外国公社債の利息
収入の増加等により、利息及び配当金等収入は620億円
と、前年同期の566億円と比べ増加しました。
○資産運用関係収支は改善
資産運用関係収支は、利息及び配当金等収入が増加した
こと等により、前年同期の643億円から増加し793億円とな
りました。また、利差関係収支についても、同様の理由で前
年度の525億円から増加し、558億円となりました。
運用利回り
□ 資産運用利回り(年率換算前)
(単位:%)
運用利回り
区分
現預金・コールローン
有価証券
うち公社債
うち株式
うち外国証券
公社債
株式等
貸付金
うち一般貸付
不動産
合 計
2013年度
上半期
0.06
1.37
1.22
0.89
1.58
1.54
1.73
1.08
1.08
1.27
1.26
2014年度
上半期
0.15
1.79
0.90
3.23
2.44
2.26
3.33
0.84
0.84
1.43
1.53
2013年度
上半期
51,024
(単位:%)
0.06
1.16
△ 0.32
14.03
0.80
△
51,830
2013年度
上半期
2014年度
上半期
0.15
4.14
1.56
13.89
5.47
5.66
4.58
0.84
0.84
1.43
3.35
0.12
3.89
1.08
1.08
1.27
1.09
(単位:億円)
日々平均残高
□ 利差関係利回り(年率換算前)
時価利回り
-3-
利差関係利回り
1.03
2014年度
上半期
1.08
【運用利回り】運用利回りは、資産運用関係収支が改善したこ
とにより、1.53%と前年同期に比べ上昇しました。これ
は主に、有価証券売却損益の改善や利息及び配当金
等収入の増加によるものです。
【時価利回り】時価利回りは、内外金利が低下したこと、内外株
式が堅調に推移したこと、円安効果等により、全体の時
価利回りは 3.35%となりました。
【利差関係利回り】利差関係利回りは、利差関係収支が増加し
たことから、前年同期から上昇し、1.08%となりました。