1 紫外線離線測定器の開発と 状態監視への応用

平成26年度 電力技術交流会
平成26年度 電力技術交流会
トロリ線とパンタグラフ間で発生する
離線アークについて
紫外線離線測定器の開発と
電車:トロリ線にパンタグラフ(すり板)を押し付けて,しゅう動しなが
電車:トロリ線にパンタグラフ(すり板)を押し付けて,しゅう
動しなが
ら電気を得る
状態監視への応用
パンタグラフ
接触が悪くなると ・・・
トロリ線
車両
電力技術研究部(電車線構造)
早坂 高雅
電車線
ちょう架線
新幹線:交流25kV
トロリ線
離線アークの例
在来線:直流~1500V
Railway Technical Research Institute
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トロリ線とパンタグラフ間で発生する
離線アークについて
離線アークが集電系材料に与える影響
―すり板への影響―
すり板への影響―
離線アークが引き起こす問題
材料(すり板)の損耗⇒メンテナンスコストの増大
-200μg/C
-70μg/C
★すり板の損耗量は?
離線アークの発生箇所を特定して対策を施す
在来線用すり板(カーボン系)
新幹線用すり板(金属系)
★通過電気量(⇒
★通過電気量(⇒アークの大きさ)=電流×
アークの大きさ)=電流×アーク継続時間
★離線アークの光を検出することによって
具体的には?
★状態監視へ
Railway Technical Research Institute
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離線アーク光の特徴
離線アーク光の測定装置
200mm
・離線アーク光は紫外線領域で太陽
光より強いスペクトル強度を有する
・この領域の光を検出することで精
度のよい測定が可能となる
トロリ線
光ファイバ
受光部
パンタグラフ
検出部
記録装置へ
光電子増倍管
100 V
AC/DC 高電圧電源
ファイバ方式
検出部
光電子増倍管
100mm
260mm
60mm
検出部
フォトダイオード
トロリ線
メタルケーブル
検出部
パンタグラフ
記録装置へ
フォトダイオード方式
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価格
大きさ
車内・車外
の絶縁
波長変換方式
高価
大きい
可能
フォトダイオード方式
安価
小さい
光化が必要
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1
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(C)
測定装置の特徴
量
気
電
過
通
離線測定装置の状態監視手法への適用
監視対象
8
ファイバ方式の例
6
①設備の異常によって発生する離線アークの検知
出力電圧の積分値∝
出力電圧の積分値∝通過電気量
4
2
⇒いつも同じ場所で,大きな離線アークが発生している
②着霜による離線アークの検知
0
0
1
2
⇒ある区間で離線アークが多発している
3
測定装置出力電圧の積分 (V・s)
-200μg/C
③すり板段付摩耗による離線アークの検知
⇒規則的に長距離にわたって離線アークが発生している
出力電圧の積分値⇒
出力電圧の積分値⇒すり板損耗量
の推定が可能
すり板段付摩耗の例
Railway Technical Research Institute
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状態監視装置としての条件
・場所の特定:GPS
・離線アークの大きさ:測定装置の出力積分値
・営業車に導入:処理部と記録部の小型化
・ノイズの影響:バッテリ駆動
処理部
記録部
状態監視装置の測定結果例
1秒間あたりの 積分値
積分値(V
(V・
(V・s) 1秒間あたりの
離線回数(Ch.1)
離線回数(Ch.1) (Ch.1)
離線回数(Ch.2)
離線回数(Ch.2)
1
検出部
0
0
$GPRMC 15530
29
A
3542.246
$GPVTG
T
N
13926.57
M
12.358
GPSデータ
GPSデータ
E
12.358
N
22.886
$GPGGA 15530
時刻 3542.246
2
$GPGSA
4
地表
12
移動速度
32 )
(ノット)
ノット
23km/h
49
$GPGSV
267.6
積分値(V
積分値(V・
(V・s)
(Ch.2)
(UTC)
)
UTC
A
10:55,30
4
3
1
緯度
N
13926.57
E
経度
35°
35°42’14.8”
139°1926’34.2”
1
30 139°
15
1
79
293
GPS受信器
GPS受信器
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状態監視装置の測定結果例
時刻
10:55,30
速度
23km/h
離線(1
離線(1秒間
(1秒間)
秒間) 29V・s
29V・s
≒30C
≒6mg
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まとめ
①昼夜を問わない離線アークの測定のため,離線アーク光を紫
外線でとらえる装置(ファイバ方式&フォトオード方式)を開発した。
②価格はフォトダイオード方式<ファイバ方式である。
③離線アークが発生した際のすり板損耗量に関して基礎実験を
行い,その値を得た。
④離線測定装置を用いた状態監視手法として,離線アークの自
動処理&記録装置を開発した。また所内試験において,模擬的
なアーク検出,位置検知等を確認した。
今後の課題
・フィールド試験を実施して,実用化への課題の洗い出しを進める。
★フィールド提供の事業者殿
★状態監視装置は1パンタグラフ分のみ
Railway Technical Research Institute
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