テスト対策プリント(解答編) 安部哲哉 11 月 XX 日 1. 行列の基本的な性質 問 1.1. 解答は省略。 問 1.2. 解答は省略。 問 1.3. 解答は省略。 問 1.4. 解答は省略。 2. 行列式の計算 3. 固有値と固有ベクトル 問 3.6. 解答は省略。 問 3.7. 解答は省略。 問 3.8. 解答は省略。 問 3.6’(意図した問題) B の固有値が 1 と 2 で、対応する固有ベク [ ] [ . 二次行列 ] 2 −1 トルがそれぞれ , であったとする。このとき行列 C を求めよ。 −3 2 証明. 仮定から [ ] [ ] [ ] [ ] [ ] 2 2 −1 −1 −2 C = , C =2 = , −3 −3 2 2 4 となります。行列の性質より [ ] [ ] 2 −1 2 −2 C = −3 2 −3 4 となります(ここがこの問題のポイント!)。以上より、 ] [ ][ ]−1 [ −2 −2 2 −2 2 −1 = . C= 6 5 −3 4 −3 2 □ 問 3.6(実際に出した問題) [ ] [ . ]二次行列 B の固有値が 1 と 2 で、対応する固有 2 −1 ベクトルがそれぞれ , であったとする。このとき行列 B を求めよ。 3 2 1 2 証明. 仮定から [ ] [ ] [ ] [ ] [ ] 2 2 −1 −1 −2 B = , B =2 = , 3 3 2 2 4 となります。行列の性質より [ ] [ ] 2 −1 2 −2 B = 3 2 3 4 となります(ここがこの問題のポイント!)。以上より、 [ ][ ]−1 [ ] 1 10 −2 2 −2 2 −1 B= = . 3 4 3 2 7 −6 11 □ ✓ 検算 ✏ 上の問題に関しては、検算が簡単にできます。実際 [ ][ ] [ ] [ ][ ] [ ] 1 10 −2 2 1 10 −2 −1 2 −2 = , = , 3 2 4 7 −6 11 3 7 −6 11 となることが、簡単にチェックできます。 ✑ 3 1 1 問 3.10. (重要)二次行列 A = 1 2 1 の固有値と固有ベクトルを求 −1 0 1 めよ。 ✒ 証明. 行列 A の固有多項式は (1) x − 3 −1 −1 fA (x) = det(xI3 − A) = −1 x − 2 −1 1 0 x−1 3 となる。固有値を求めるには、この多項式の解を(なんらかの方法で)求めれ ばよい。例えば、次のようにすればよい。 x − 3 −1 −1 x − 3 −1 −1 x − 2 x − 2 (2) det −1 x − 2 −1 = det 0 1 0 x−1 1 0 x−1 0 −1 −1 − (x − 1)(x − 3) x−2 (3) = det 0 x − 2 1 0 x−1 1 0 x−1 x−2 (4) = − det 0 x − 2 0 −1 −1 − (x − 1)(x − 3) [ ] x−2 x−2 (5) = − det −1 −1 − (x − 1)(x − 3) [ ] 1 1 (6) = − (x − 2) det −1 −1 − (x − 1)(x − 3) (7) (4つ目の等式は余因子展開を用いた。またはサラスの公式を使ったと思って もよい。)さらに少し計算すると fA (x) = (x − 1)(x − 2)(x − 3) となることがわかる。従って、A の固有値は 1, 2, 3 となることがわかる。 固有値 1 に対する固有ベクトル v1 は、(ほんの少し面倒な)連立方程式を (掃き出し法か何かで)解いて 0 v1 = c1 −1 (c1 ̸= 0) 1 となることがわかる。固有値 2 に対する固有ベクトル v2 は、 (ほんの少し面倒 な)連立方程式を(掃き出し法か何かで)解いて −1 v2 = c2 0 (c2 ̸= 0) 1 となることがわかる。固有値 3 に対する固有ベクトル v3 は、 (ほんの少し面倒 な)連立方程式を(掃き出し法か何かで)解いて −2 v3 = c3 −1 (c3 ̸= 0) 1 となることがわかる。 □ 4 1 0 1 問 3.11. (重要)二次行列 B = 2 3 2 の固有値と固有ベクトルを求めよ。 1 0 1 証明. (以下での文字の使い方は各自、好きなようにしてください。) 固有多項式を計算することより、B の固有値は 0, 2, 3 であることがわかる。 (ここの議論をマスターすることは、中間テストの一つの目業。)固有値 0 に対 する固有ベクトル v0 は、 −1 v0 = c0 0 (c0 ̸= 0) 1 固有値 2 に対する固有ベクトル v2 は、 1 v2 = c2 4 (c2 ̸= 0) 1 固有値 3 に対する固有ベクトル v3 は、 0 v3 = c3 1 (c3 ̸= 0) 0 となることがわかる。 □ 4. 対角化 問 4.2. 解答は省略。 問 4.3. 解答は省略。 問 4.6. 解答は省略。 [ 問 5.1. 二次行列 A = ] 5. 回転行列 2 3 に対して、 1 2 [ ] 1 0 t AA ̸= 0 1 となることを(具体的に計算することで)証明せよ。 5 証明. 何も考えず計算するだけ。 [ ] [ ] 5 8 1 0 t AA = ̸= . 8 11 0 1 □ 6. 対称行列の性質 問 6.1. 解答は省略。 問 6.2. 解答は省略。 [ ] [ ] −b −b 問 6.3. 二つの固有ベクトル v = とw = は直交すること a − λ1 a − λ2 を証明せよ。 証明. まず行列 A の固有多項式は fA (x) = x2 − 2ax + a2 − b2 となることに注意しましょう。また固有値 λ1 と λ1 であることからが fA (x) = (x − λ1 )(x − λ2 ) となります。以上より 2a = λ1 + λ2 , a2 − b2 = λ1 · λ2 となります。v と w の内積は < v, w >= b2 + (a − λ1 )(a − λ2 ) = a2 + b2 − a(λ1 + λ2 ) + λ1 · λ2 となります。上で得られた式を代入すると、 a2 + b2 − a(λ1 + λ2 ) + λ1 · λ2 = a2 + b2 − a(2a) + a2 − b2 = 0 となります。つまり < v, w >= 0 が得られました。これより二つの固有ベク トル v と w は直交します。 □ [ ] 3 2 問 6.5.(重要)(問 8 の準備)対称行列 を回転行列 P を用いて対角化 2 3 せよ。 [ ] 3 2 証明. A = と置きます。A の固有多項式は 2 3 fA (x) = det(xI2 − A) = x2 − 6x + 5 = (x − 1)(x − 5) となります。従って、行列 A の固有値は 1 と 5 となります。固有値は 1 に対応 する固有ベクトルは、(定義から) [ ] [ ] [ ] [ ] 0 v1 v1 v1 ̸= かつ = A v2 0 v2 v2 6 [ ] v となるベクトル v = 1 のことでした。連立方程式を解くことより、 v2 [ ] [ ] v1 1 v= = c1 (c1 ̸= 0) v2 −1 が固有値 1 に対応する固有ベクトルであることがわかります1。ここでは、固 有ベクトルを一つ選んで、 [ ] 1 v= −1 とします。同様の考察により、固有値は 5 に対応する固有ベクトルは、 [ ] [ ] w1 1 w= = c2 (c2 ̸= 0) 1 w2 となることがわかります。ここでは、固有ベクトルを一つ選んで、 [ ] 1 w= 1 とします。さて、ここで、固有ベクトル v と w を以下のように取り直します。 [ ] [ ] 1 1 1 1 ′ v =√ , w =√ 2 −1 2 1 このとき、次が成り立ちます。 ′ (1) v ′ の大きさは 1。(||v ′ || = 1) (2) w′ の大きさは 1。(||w′ || = 1) (3) v ′ と w′ は直交する。(< v ′ , w′ >= 0) 従って、 P1 = [v ′ , w′ ], P2 = [w′ , v ′ ] のどちらの行列式は 1 となり2回転行列となります。計算してみると、 1 1 1 1 √ √ √ √ 2 2 2 2 det P1 = = 1, det P2 = = −1 1 1 1 1 √ √ −√ −√ 2 2 2 2 1一般的に、与えられたられた固有値に対応する固有ベクトルは無限個あります。 (固有ベ クトルの定数倍は再び固有ベクトルだから。) 2このことは、例えば、 「v ′ と w′ のなす平行四辺形の符号付き面積が ±1 となること」と 「行列式は列を入れ替えると、符号が変わること」からわかります。 7 となるので、P1 が回転行列であることがわかりました3。いま、v ′ は固有値 1 に対応する固有ベクトル、w は固有値 5 に対応する固有ベクトルなので、 [ ] 1 0 −1 P1 AP1 = 0 5 となります。ここで P = P1 と置けば、回転行列 P で行列 A が対角化されて います。これが求めていたことでした。 □ 問 6.6.(重要)上の検算をせよ。つまり、上で得られた P に対して [ ] [ ] 3 2 −1 3 2 t P P = P P 2 3 2 3 を直接計算して、本当に対角行列になっていることを確認せよ。 証明. 何も考えずに計算すればいい。 [ ] [ ][ ][ ] 1 1 −1 3 2 3 2 1 1 t P P = 2 3 2 3 −1 1 2 1 1 と変形すると、計算ミスを減らせるかもしれない。(計算上の工夫であって、 本質的なことではありません。) □ √ ] 3 1 問 6.7. (重要)(問 8 の準備)対称行列 √ を回転行列を用いて対角 3 −1 化せよ。 [ 証明. 議論は前の問題と同じなので詳細は省略します。結果のみを記します。 次の回転行列 P を考えます。 √ 3 π π 1 cos(− ) − sin(− ) 3 3 2 2 P = R−π/3 = = √ π π 3 1 sin(− ) cos(− ) − 3 3 2 2 すると √ ] [ ] [ −2 0 1 3 −1 √ P = P 0 2 3 −1 となります。 □ 3実際、 と書けます。 1 √ 2 P1 = 1 −√ 2 1 π √ cos(− ) 2 4 = π 1 sin(− ) √ 4 2 π − sin(− ) 4 = R−π/4 π cos(− ) 4 8 [ ] 5 −4 問 6.8. (重要)(問 8 の準備)対称行列 を回転行列を用いて対角 −4 5 化せよ。 証明. 結果のみを記します。次の回転行列 P を考えます。 1 π π √ cos(− ) − sin(− ) 2 4 4 = P = R−π/4 = π π 1 sin(− ) cos(− ) −√ 4 4 2 すると [ P −1 1 √ 2 1 √ 2 ] [ ] 5 −4 9 0 P = −4 5 0 1 □ となります。 7. 座標変換 8. 2次曲線の分類 問 8.3. (重要)二次曲線 3x2 + 4xy + 3y 2 = 5 の概形を書け。 証明. まず、二次曲線 3x2 + 4xy + 3y 2 = 5 を [ ][ ][ ] 3 2 x t x (8) =5 y 2 3 y と書きます。問題 6.5 より、回転行列 P = R−π/4 を用いて、 [ P −1 ] [ ] 3 2 1 0 P = 2 3 0 5 と対角化することができます。ここで座標軸を −π/4(-45 度)回転させます4。 新しい座標軸を x′ y ′ 軸と呼ぶ事にします。元の座標と新しい座標の関係は [ ] [ ′] x x =P ′ y y 4ここがポイント!このように回転させると、なぜ上手くいくのかは、あとでじっくりと考 えてください。 9 となるのでした(Section 7 を参照)。この式を等式 (8) に代入すると ] [ ′] [ ′] [ x x 3 2 t (P ′ ) = 5 (P ′ ) y y 2 3 [ ′] [ ] [ ′] x 3 2 x ⇔ t ′ (t P P) ′ = 5 y 2 3 y [ ] [ ′] [ ′] 3 2 x x P) ′ = 5 ⇔ t ′ (P −1 2 3 y y [ ′] [ ] [ ′] x 1 0 x ⇔t ′ =5 y 0 5 y′ ⇔ x′2 + 5y ′2 = 5 x′2 ⇔ √ + y ′2 = 1 2 ( 5) が得られます。最後の式は楕円を表します。以上より、二次曲線 3x2 + 4xy + 3y 2 = 5 の概形は次のようになります。 45 度 Figure 1 √ 問 8.4.(重要)二次曲線 x2 + 2 3xy − y 2 = 8 の概形を書け。 □ 証明. 証明の流れは上の問題と同じです。以下、概略を述べます。座標軸を −π/3(-60 度)回転させます。新しい座標軸を x′ y ′ 軸と呼ぶ事にします。する 10 √ と、二次曲線 x2 + 2 3xy − y 2 = 8 は、新しい座標では x′2 y ′2 − 2 = −1 22 2 √ 2 となります。以上より、二次曲線 x + 2 3xy − y 2 = 8 の概形は次のようにな ります。 Figure 2 □ 問 8.5.(重要)二次曲線 5x2 − 8xy − 5y 2 = 13 の概形を書け。 証明. 以下、概略を述べます。座標軸を −π/4(-45 度)回転させます。新しい 座標軸を x′ y ′ 軸と呼ぶ事にします。すると、二次曲線 5x2 − 8xy − 5y 2 = 13 は、 新しい座標では y ′2 x′2 ( √ )2 + √ 2 = −1 ( 13) 13 3 となります。 □
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