デュポン タイベック® Rxニュース Vol. 1 滅菌パッケージング用 製薬会社は、関節炎患者のためにイージーオープン パッケージを求めていた。そして、 を選んだ。 軟質剥離のこの新接着剤は典型的な 「とりわけ、簡 単に PCI社は、PETGプラスチック製トレーを、 開けられるキットを ムルチバック装置で熱成形し、キットの 関節炎患者のパネルによってテストされ、 求めていました」と、 中身を挿入し、Tyvek ® のふたをヒートシ その結果、ふたは楽に開けられることが イミュネックス社(ワ ールすることに合意した。 「まず、 しっか わかった。1999年の初め、 トーラス社は シントン州シアトル) りとシールする強度があり、 しかも容易に Tyvek ® の印刷済みのロールと打抜き のふたを供給し始めた。これには、PCI の原 料・ロジスティ ふたが開けられるような接着剤を探す ックス担当上級ディ 必要がありました」と、PCI社の技術マネ 社の自動パッケージング装置で使用で レクター、 リチャード・ ージャー、マイク・バーギー氏は言う。 「こ きるよう、接着剤があらかじめ塗布され のため、Tyvek ® のサプライヤーである、 ていた。 ゲイトー氏は言う。同社は、慢性関節リウ マチの患者治療に使用される、注射可 ペンシルバニア州フィースタービルのトー 能の薬剤、ENBREL ®(etanercept)の ラスヘルスケア パッケージング社に問い ENBREL ® キット用のPCI社のフォーム 製薬会社である。氏は、効用のあるこの 合わせてみました。同社は、滅菌医療 /フィル/シール(FFS) パッケージング 関節炎薬剤の投薬量1回分のトレー用に、 用具用のふたやパウチの専門メーカー ラインは、1999年4月に操業開始した。 「ロ Tyvek ® のふたを選んだ理由を説明し です」。 ット全体の品質や、ふたの材質としてあ らかじめ印刷されたTyvek ® の反復性に てくれた。各トレーには、 シリンジ、滅菌水、 アルコール綿など、患者が関節炎薬剤1 PCI社とトーラス社のパッケージング技術 喜んでいます。そして特に、 その寸法の 回分を自己投与するために必要なもの 者は共に協力し、 ヒートシールできる接 安定性に満足しています」とバーギー 着方式を開発した。これには容易に剥 氏は言う。 すべてが含まれている。 がれる特性があり、 まさにイミュネックス社 「1997年にキットを開発した時、ふたが が関節炎患者のために求めていたもの イミュネックス社も同様に、パッケージキッ 簡単に取り外せ、 しかも中身が汚染され だ。 「1平方インチあたり1ポンド以下の接 トに使用した Tyvek ® のイージーオープン ないような強さと清潔さを保てるトレーの 着力で、従来のふたの接着剤よりも容 のふたに満足している。 「PCI社および 設計を計画していました」と、ゲイトー氏 易に剥がして開けられるという特許製 トーラス社と共に協力して Tyvek ®を選 は言う。 「ほとんどのENBREL ® キットは 法を考案したのです」と、 トーラス社の販 択したのは、パッケージングの外観的ア 家庭の冷蔵庫で保存されるので、 トレー 売技術者、パット・トンレイ氏は言う。 「接 ピールを高め、 イージーオープンのパッケ のふたは、 液体や臭いを効果的に遮断し、 着剤はトレーから簡単に剥がせることが ージを患者の皆様にお届けするための 穴が非常に開きにくいものでないといけ でき、 しかもPCI社の高速パ ません。通常の紙のふたでは、 このよう ッケージング工 程 な要件を満たすことはできません。そこで、 に必 要な強さも が全体的に成功していること 我々のチームはコートした Tyvek を調 備えています」。 にたいへん満足しています」 ® べてみたのです」。 イミュネックス社の技術者はパッケージ仕 様を設定した後、パッケージコーディネー ターズ社(PCI) とプロジェクトを検討した。 同社は、ペンシルバニア州フィラデルフィ アにあるフォーム/フィル/シール(FFS) パッケージングラインの 1 つ でキットを 梱包するために選ばれた企業である。 決断でした。Tyvek ®をふたとし て選んだこと、 そしてENBREL ® と、 ゲイトー氏は言う。 デュポン タイベック® Rxニュース Vol. 1 「 医 療 装 置 および 「 T y v e k ® のための 移 行 予 備 研 究 」 dm 3 min -1 cm -2以下)では、胞子はより 診 断 業 界( M D & (ASTM F1608を使用)で得られた、未 良く気流に乗ることができ、主な除去機 DI)」の1999年10月 被覆の Tyvek ® のデータを検討すると、 構はブラウン運動と静電引力となる。こ 号 で発 表された技 Tyvek ® 1073Bには、1.3×10 -2∼1.0× れは、拡散原理を基礎としている。より 術 論 文、 「 T y ve k ® 1.0 -3 の間の浸透率値があることが示さ 低いフローレートでは、エアロゾル粒子 の 微 生 物 バリア特 れた。 これは、ADL 試験メソッドで示され は濾過媒体の構造により長く存在する 性における放 射 性 たものより約10倍も良い。 ので、拡散機構によってより長い時間で 粒子が除去される。小型の粒子は空気 滅菌効果」では、エ を通じて拡散され、大型の粒子よりも素 アディスパージョン社 この矛盾の理由はおそらく、エアロゾル ( ADL)のアラン・タ の生成と維持ある。ADL 試験メソッドで 早く静電引力に反応する。ADLで開発 レンタイア氏とその 使用したネブライザは、単一胞子から成 された試験方法では、物質の濾過作用 同 僚が 開 発した試 るエアロゾル粒子を非常に高い率で生 の特徴は多様な範囲のフローレートで 験メソッドを使用して得られたデータが 産するよう設計されていた。 ドラムの回 検査でき、気流から粒子を除去するとい 示されている。提示されたデータは生物 転率は慎重に制御され、個々の胞子量 う基本的な2つの機構の効果を明白に 学的メソッドにより同じデータを得ること のある粒子だけが確実に懸濁液に保持 示すことができる。 ができる。この試験方法は、 これまでの されるようにした。 ドラムの回転は一定に アール・ハケット著 技術マーケティングアソシエイト メソッドに比べてはるかに進歩している 維持され、数日間で、複数の胞子群の 粒子除去主要メソッドのフローレートで ので、滅菌パッケージング業界での重要 大部分が比重によりエアロゾルから取り は、ブラウン運動に駆動されて密着から な価値を意味している。 除かれた。対照的に、A S T Mメソッドの 拡散へとシフトし、静電引力は物質を通 エアロゾルには、かなりの個数の胞子 したエアロゾルの最大浸透率( P m a x ) は、試験で使用した濾過媒体および粒 第一に、ASTM F1608よりもさらに正確 群があった。これは最初のエアロゾル調 なバリア物質の評価が得られる。この方 剤時から見られており、 または送風機が 子サイズの特性値である。医療グレード 法に基 づく物 理 的 試 験 では、特定の 原因の動きで衝突したことからによる。 の Tyvek ® に見られる静電引力が放射 バリア特性のデータが素早く正確に、 し また、未蒸発水のために個々の胞子の のために除去された場合、 ブラウン運動 かも割安に得られる。また、 この試験で、 量が非常に多かった。より速いフローレ はより低いフローレートで粒子を除去す できるだけ低速のフローレートで得たデ ート ( 0.01dm 3 min-1 cm-2)では、気流 る第一機構となる。かなりの拡散が行わ ータは、パッケージング材料が機能すべ は繊維の回りにそらされたため、大 れ るフローレートで は 、照 射 処 理 の き環境をより良く提示している。 量の胞子は気流に乗ることができ なかった。摩擦の主な原因は、 フィ 枯草菌(Bacillus subtilis varniger) ルターの繊維構造への衝撃であ の内生胞子は「MD & DI」の論文で発 る。大型の複数胞子群、および 表されたデータおよびASTM F1608試 過剰な水分を含む個々の胞子 験メソッドで、試験エアロゾルとして使用 は気流からより速く逃れた。こ された。同じ有機体を使用したので、 こ のように、胞子は密着による の2つの試験での胞子量は同一である 濾過作用に影響されやすく、 べきで、 またこの2つの試験メソッドは直 胞子の存在によってより良 接比較ができなければならない。A S T M いバリア特性の外観がつ メソッドで指定されたフローレートは2.8 くられる。この差 異の正 リットル/分(dm 3 min -1)である。このフ 確な分 析はないが、こ ローレートは直径42mmのサンプル(シー れ は 予 測された方 向 リングであるOリングの直径で測定)経 にあり、適度な大きさ 由 で方 向 づけられ 、結 果 は 0 . 2 d m 3 である。 min -1 cm -2、すなわち線 速 度で200 cm min -1 という挑戦的なフローレートが得ら 高速度効果の推 れた。これは、 「MD & DI」の論文で示 論として、低速の された最高フローレートに非常に近い。 フローレート (10 -3 デュポン タイベック® Rxニュース Vol. 1 Tyvek ® の有効性は普通、不十分であ る。そのうえ、拡散機構は弱くなってい るので、拡散を主な機構とするために、 粒子は照射処理の Tyvek ® により長期 間残る必要がある。このように、データに 見られるように、Pmaxの値が増加する だけではなく、Pmaxはより低い速度の フローレートへと動くのである。 輸送環境では、A S T M F 16 0 8で使用 されたような高速のフローレートが起こる のはまれである。輸送環境での典型的 なフローレートは、航空機が着陸のため に降下する間の気圧上昇で得られるレ ートである。航空機の降下中、20分間に わたり、記 録 気 圧 計 は 2 4 . 2 から2 9 . 3 会議には、 業界トップの医療用具メーカー、 うな異なるプロセスの影響度について (Hg)への気圧上昇を測定した。 これは、 原料供給業者・加工業者、契約パッケ 概説した。ハケット氏は、染料浸透試験 パッケージ内の空気量が約16%増加し ージング業者、検査機関代表者、 その他 メソッドの形式化について講演した。同 たことになる。空の堅いトレーでは、 この 関連サービス供給者などが参加した。 次のように、適度な正確さで計算できる。 線形フローレート= 0.16 D/20min (Dはトレーの平均深さ) 深さ3 c mのトレーでは、面 速 0 . 0 2 4 c m 氏の講義で、パッケージシールの完全性 をチェックするためのこの試験は、間も 気圧変化での挑戦的なフローレートは 「他の業界のプロたちとネットワークを築 なく、業界標準として重要視される技術 く素晴らしいチャンスが得られました」と、 になると述べた。 テックマークグループ社のプログラム会長、 ロン・ピルチク氏は言う。 「皆がお互いに デュポンの他に展示企業として、マンガ 影響し合い、多くを学ぶことができました。 ーインダストリーズ社、 ムルチバック社、 ピ これは、 まさに我々が望んでたことです」。 m i n-1、 または体 積 流 量 2 . 4×1 0 - 5 d m 3 ールマスター パッケージング社、パーフェ クシール社、ザ・テックマークグループ社、 min -1 cm -2 が得られる。これは、発表さ 会議では多くの教育の機会も提供され トーラスヘルスケアパッケージング社、 ツ れた一番低いフローレートよりもわずか た。講議やインタラクティブなパネルを通じ、 ールテクノロジー社などが出席した。 に低い。保管室での取扱いや振動、瞬 参加者はパッケージデザインや実証の 間圧力変化などの機構により得られた 最新開発を再検討し、パッケージ検査プ フローレートを予測するデータはないが、 ロトコルや基準、方法論の変更を確認し おそらく実験範囲のフローレート低値帯 た。参加者はまた、国際マーケットや規 近辺、 またはそれ以下のフローレートにな 制問題に対処する技術や、原料および るとみなされる。 専門業者の選択方法も学んだ。 規制団体では現在、生物学的メソッドの デュポン Tyvek ®メディカルパッケージン 代わりに、物理的試験メソッドを受け入 グのグローバルマネージャー、 マイク・ショ れる傾向が強い。このため、滅菌パッケ ーラ氏、および Tyvek ® の技術マーケテ ージング業界にとり、 この試験方法の可 ィングのアソシエイ ト、 アール・ハケット氏は、 能性を知ることは重要である。 特別スピーカーとして教育フォーラムに 貢献した。ショーラ氏は、 「業界の将来に 影響を及ぼす新開発」セッションで講演 した。 「滅菌バリア効果のための機構解 明」という氏の講義で、滅菌バリア作用、 有効性を決定する要因、滅菌処理のよ S-03-07-00 1M CL
© Copyright 2024 ExpyDoc