オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」

添付文書情報
2014年8月作成(第1版)
日本標準商品分類番号
8 7 4 2 9 1
抗悪性腫瘍剤
毒薬、処方箋医薬品注1)
オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」
オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」
OXALIPLATIN I.V. INFUSION
50mg(バイアル) 100mg(バイアル)
承 認 番 号 22600AMX01093 22600AMX01094
貯 法:室温保存
使用期限:容器等に記載(製造後2年)
注 意:
「取扱い上の注意」参照
〔警
薬価収載
容 量
有効成分
(1バイアル中)
【用法・用量】
〈用法・用量に関連する使用上の注意〉
1.本剤の用法・用量は、
「臨床成績」の項の内容を熟知
した上で、 本剤と併用する他の抗悪性腫瘍剤に応じ
て選択すること。
2.結腸癌の術後補助化学療法において、 レボホリナー
ト及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との併
用では投与期間が12サイクル、 カペシタビンとの併
用では8サイクルを超えた場合の有効性及び安全性
は確立していない(投与経験がない)
。
3.他社が実施した国内臨床第Ⅰ相試験において、 単剤
では130mg/㎡(体表面積) の耐容性が認められてい
るが、 本剤を単剤で用いた場合は、 その有用性は確
立していない。
4.他社が実施した国内臨床第Ⅰ/Ⅱ相試験において、本
剤は、 レボホリナート及びフルオロウラシルの急速
静脈内投与法での併用療法は、 耐容性が認められて
いるが、その有用性は確立していない。
オキサリプラチン
100mg
pH調整剤
性 状
無色澄明の水性注射液
注1)注意-医師等の処方箋により使用すること
約0.04
1.他の抗悪性腫瘍剤との併用において、 通常成人にはオキ
サリプラチン85mg/㎡(体表面積)を1日1回静脈内に2
時間で点滴投与し、少なくとも13日間休薬、又は130mg/㎡
(体表面積)を1日1回静脈内に2時間で点滴投与し、少
なくとも20日間休薬する。 これを1サイクルとして投与
を繰り返す。なお、患者の状態により適宜減量する。
2.本 剤を5%ブドウ糖注射液に注入し、250~500mLとして、
静脈内に点滴投与する。
20mL
50mg
4.0~4.4
〈効能・効果に関連する使用上の注意〉
1.国内での結腸癌の術後補助化学療法に関する検討は
行われていない。
2.結腸癌の術後補助化学療法においては、 臨床試験の
投与対象及び病期ごとの結果を熟知し、 本剤の有効
性及び安全性を十分に理解した上で、 適応患者の選
択を行うこと。
(
「臨床成績」の項参照)
オキサリプラチン点滴 オキサリプラチン点滴
静注液50mg「ニプロ」 静注液100mg「ニプロ」
添 加 物
(1バイアル中)
浸透圧比
(生理食塩液に対する比)
【効能・効果】
【組成・性状】
10mL
pH
○治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
○結腸癌における術後補助化学療法
禁忌(次の患者には投与しないこと)
1.機能障害を伴う重度の感覚異常又は知覚不全のある
患者[末梢神経症状が増悪するおそれがある。]
2.本剤の成分又は他の白金を含む薬剤に対し過敏症の
既往歴のある患者
3.妊婦又は妊娠している可能性のある婦人(「6.妊婦、
産婦、授乳婦等への投与」の項参照)
販 売 名
薬価基準収載
2.製剤学的事項
告〕
1.本剤を含むがん化学療法は、 緊急時に十分対応でき
る医療施設において、 がん化学療法に十分な知識・
経験を持つ医師のもとで、 本療法が適切と判断され
る症例についてのみ実施すること。 適応患者の選択
にあたっては、 各併用薬剤の添付文書を参照して十
分注意すること。また、治療開始に先立ち、患者又
はその家族に有効性及び危険性を十分説明し、 同意
を得てから投与すること。
2.本剤投与後数分以内の発疹、 そう痒、 気管支痙攣、
呼吸困難、 血圧低下等を伴うショック、 アナフィラ
キシーが報告されているので、 患者の状態を十分に
観察し、過敏症状(気管支痙攣、呼吸困難、血圧低
下等)が認められた場合には、本剤の投与を直ちに
中止し適切な処置を行うこと。 また、 回復後は本剤
を再投与しないこと。(「2.重要な基本的注意」 の項
参照)
3.本 剤はレボホリナート及びフルオロウラシルの静脈
内持続投与法等との併用の場合に有用性が認められ
ており、用法・用量を遵守すること。また、本併用
療法において致死的な転帰に至る重篤な副作用があ
らわれることがあるので、 患者の状態を十分観察し、
異常が認められた場合には、 速やかに適切な処置を
行うこと。なお、本剤の使用にあたっては、添付文
書を熟読のこと。
1.組成、製剤の性状
薬価基準収載
販売開始
― 1 ―
5.本剤の調製に際しては、配合変化に注意すること。
1)本剤は、 錯化合物であるので、 他の抗悪性腫瘍剤
とは混合調製しないこと。
2)本剤は塩化物含有溶液により分解するため、 生理
食塩液等の塩化物を含む輸液との配合を避けるこ
と。
3)本剤は塩基性溶液により分解するため、 塩基性溶
液との混和あるいは同じ点滴ラインを用いた同時
投与は行わないこと。
4)本剤のような白金化合物は、 アルミニウムとの接
触により分解することが報告されているため、 本
剤の調製時あるいは投与時にアルミニウムが用い
られている機器(注射針等)は使用しないこと。
6.米 国の添付文書中には、 本剤とホリナート及びフ
ル オ ロ ウ ラ シ ル の 静 脈 内 持 続 投 与 法 と の 併 用 療
法 注2)を行う場合、 以下のような投与スケジュール
(FOLFOX4法)を2週ごとに行うことが推奨される
との記載がある。
7.カペシタビンとの併用療法(XELOX法)を行う場合
には、 次の投与可能条件及び減量基準を参考にする
こと。
2サイクル目以降の投与可能条件(投与予定日に確
認し、 当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を
延期する)
種 類
程 度
血小板数
75,000/㎣以上
種 類
最悪時の程度
種 類
最悪時の程度
次回投与量
前回の投与後に
発現した有害事
象
Grade3注7)
以上
1回目発現時:本
剤を100mg/㎡に減
量
2回目発現時:本
剤 を85mg/㎡に減
量
【使用上の注意】
減量基準(前回の投与後に発現した有害事象により
判断する)
好中球数
75,000/㎣以上
1.慎重投与(次の患者には慎重に投与すること)
1)
骨髄機能抑制のある患者[骨髄機能抑制が増悪するお
それがある。
]
2)
感覚異常又は知覚不全のある患者[末梢神経症状が増
悪するおそれがある。
]
3)
重篤な腎機能障害のある患者[腎機能が低下している
ので、副作用が強くあらわれるおそれがある。
]
4)
心 疾患を有する患者[心疾患が増悪するおそれがあ
る。
]
5)
感染症を合併している患者[本剤の骨髄機能抑制作用
により、感染症が増悪するおそれがある。
]
6)
水痘患者[致命的な全身障害があらわれるおそれがあ
る。
]
7)
高齢者(
「5.高齢者への投与」の項参照)
8)
小児(
「7.小児等への投与」の項参照)
2.重要な基本的注意
1)
手、 足や口唇周囲部等の感覚異常又は知覚不全(末梢
神経症状)が、本剤の投与直後からほとんど全例にあ
らわれる。
また、咽頭喉頭の絞扼感(咽頭喉頭感覚異常)があら
われることがあるので、 患者の状態を十分に観察し、
異常が認められた場合には減量、 休薬等の適切な処置
を行うこと。患者に対しては、これらの末梢神経症状、
咽頭喉頭感覚異常は、 特に低温又は冷たいものへの曝
露により誘発又は悪化すること、 多くは本剤の投与ご
とにあらわれるが休薬により回復する場合が多いこと
を十分に説明するとともに、 冷たい飲み物や氷の使用
を避け、 低温時には皮膚を露出しないよう指導するこ
と。
2)
末梢神経症状の悪化や回復遅延が認められると、 手、
足等がしびれて文字を書きにくい、 ボタンをかけにく
い、飲み込みにくい、歩きにくい等の感覚性の機能障
害(外国では累積投与量850mg/㎡で10 %、1,020mg/㎡
で20%に認められたと報告されている)があらわれる
ことがあるので、患者の状態を十分に観察し、感覚性
の機能障害があらわれた場合には減量、休薬、中止等
の適切な処置を行うこと。
3)
骨髄機能抑制等の重篤な副作用が起こることがあり、
ときに致命的な経過をたどることがあるので、 定期的
に臨床検査(血液検査、 肝機能検査、 腎機能検査等)
を行うなど、患者の状態を十分に観察すること。異常
が認められた場合には減量、休薬、中止等の適切な処
置を行うこと。
また、 米国の添付文書中には、 次表の投与可能条件、
減量基準の記載がある。
2サイクル目以降の投与可能条件(投与予定日に確
認し、 当該条件を満たす状態へ回復するまで投与を
延期する)
1,500/㎣以上
1,500/㎣以上
血小板数
注7)CTCAE version 3.0(2003年)
第2日目 ホ リ ナート200mg/㎡ 注3)を120分 か け て
点滴静注し、その後フルオロウラシル
400mg/㎡を2~4分間で急速静脈内投与、
引き続き5%ブドウ糖注射液500mL(推
奨)に溶解したフルオロウラシル600mg/㎡
を22時間かけて持続静注する。
好中球数
好中球数
減量基準
第1日目 別々のバッグから5%ブドウ糖注射液
250~500mLに溶解した本剤85mg/㎡及び
5%ブドウ糖注射液に溶解したホリナー
ト200mg/㎡ 注3)を120分 か け て 同 時 に 点
滴静注する。その後フルオロウラシル
400mg/㎡を2~4分間で急速静脈内投与
し、 引き続き5%ブドウ糖注射液500mL
( 推 奨 )に 溶 解 し た フ ル オ ロ ウ ラ シ ル
600mg/㎡を22時間かけて持続静注する。
種 類
程 度
次回投与量
500/㎣未満
本剤を65mg/㎡注5)
又は75mg/㎡注6)に
血小板数
50,000/㎣未満
減量
消化器系の有害 Grade3注4) フ ル オ ロ ウ ラ
以上
事象
シ ル を 2 0% 減 量
(予防的治療の
(300mg/㎡の 急 速
施行にもかかわ
静脈内投与及び
らず発現)
500mg/㎡の22時間
持続静注)
注2)国内において、ホリナート注射剤の「結腸・直
腸癌に対するフルオロウラシルの抗腫瘍効果の
増強」に関する効能・効果は承認されていない。
注3)レボホリナート100mg/㎡に相当する。
注4)
「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」の
場合はNCI-CTC version 2.0(1998年)
「結腸癌における術後補助化学療法」 の場合は
NCI-CTC version 1(1982年)
注5)
「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」
の場合
注6)
「結腸癌における術後補助化学療法」の場合
― 2 ―
(5)溶血性尿毒症症候群
血小板減少、 溶血性貧血、 腎不全を主徴とする溶血
性尿毒症症候群があらわれることがあるので、 定期
的に血液検査及び腎機能検査を行うなど観察を十分
に行い、 異常が認められた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと。
(6)薬剤誘発性血小板減少症
免疫学的機序を介した血小板減少症があらわれるこ
とがあるので、紫斑、鼻出血、口腔粘膜出血等の症
状を十分に観察し、 異常が認められた場合には投与
を中止し、適切な処置を行うこと。
(7)溶血性貧血
免疫学的機序を介したクームス試験陽性の溶血性貧
血があらわれることがあるので、 黄疸等の症状を十
分に観察し、 異常が認められた場合には投与を中止
し、適切な処置を行うこと。
(8)視野欠損、視野障害、視神経炎、視力低下
視野欠損、視野障害、視神経炎、視力低下等の視覚
障害があらわれることがあるので、 観察を十分に行
い、 異常が認められた場合には投与を中止し、 適切
な処置を行うこと。
(9)血栓塞栓症
血栓塞栓症があらわれることがあるので、 観察を十
分に行い、 異常が認められた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと。
(10)心室性不整脈、心筋梗塞
心室性不整脈、 心筋梗塞があらわれることがあるの
で、 観察を十分に行い、 異常が認められた場合には
投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(11)肝静脈閉塞症
肝静脈閉塞症(VOD)があらわれることがあるので、
観察を十分に行い、 異常が認められた場合には投与
を中止するなど、適切な処置を行うこと。また、肝
静脈閉塞症等の肝障害による門脈圧亢進、 脾腫、 血
小板減少症の発症に注意すること。
(12)急性腎不全
間質性腎炎、 尿細管壊死等により、 急性腎不全等の
重篤な腎障害があらわれることがあるので、 観察を
十分に行い、腎機能検査値(BUN、血清クレアチニ
ン値等) に異常が認められた場合には投与を中止し、
適切な処置を行うこと。
(13)白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む)
白質脳症(可逆性後白質脳症症候群を含む) があら
われることがあるので、 歩行時のふらつき、 舌のも
つれ、痙攣、頭痛、錯乱、視覚障害等が認められた
場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(14)高アンモニア血症
意識障害を伴う高アンモニア血症があらわれること
があるので、 観察を十分に行い、 異常が認められた
場合には投与を中止し、適切な処置を行うこと。
(15)横紋筋融解症
横紋筋融解症があらわれることがあるので、 観察を
十分に行い、筋肉痛、脱力感、CK(CPK)上昇、血
中及び尿中ミオグロビン上昇等が認められた場合に
は、投与を中止し、適切な処置を行うこと。また、
横紋筋融解症による急性腎不全の発症に注意するこ
と。
(16)難聴
難聴、 耳鳴等があらわれることがあるので、 観察を
十分に行い、 異常が認められた場合には投与を中止
するなど、適切な処置を行うこと。
(17)感染症
肺炎、 敗血症等の感染症があらわれることがあるの
で、 観察を十分に行い、 異常が認められた場合には
投与を中止するなど、適切な処置を行うこと。
4)腎障害患者では、 本剤の限外ろ過血漿中白金のクリア
ランスが減少するが、 限外ろ過血漿中白金濃度と臨床
における安全性及び有効性との薬力学的関係は明確で
はない。 このため腎障害のある患者に本剤を投与する
場合には、観察を十分に行い、発現する副作用に対し
て適切な処置を行うこと。
5)気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下等の重篤な過敏症状
があらわれることがあり、 重篤な過敏症状は本剤を複
数回投与した後に発現する場合や、 本剤の投与から数
時間後に発現する場合があるので、 患者の状態を十分
に観察し、 異常が認められた場合には直ちに中止し適
切な処置を行うこと。
6)感染症、出血傾向の発現又は増悪に十分注意すること。
7)悪心、嘔吐、食欲不振等の消化器症状がほとんど全例
に起こるので、患者の状態を十分に観察し、適切な処
置を行うこと。
8)小児及び生殖可能な年齢の患者に投与する必要がある
場合には、性腺に対する影響を考慮すること。
3.相互作用
併用注意(併用に注意すること)
薬剤名等
臨床症状・措置方法
機序・危険因子
他の抗悪性腫瘍剤 骨髄機能抑制等を 併用により殺細胞
放射線照射
増強することがあ 作用が増強される。
るので、併用療法
を行う場合には、
患者の状態を十分
に観察し、必要に
応じて減量するか
又は投与間隔を延
長する。
4.副作用
本剤は、副作用発現頻度が明確となる調査を実施していない。
1)重大な副作用(頻度不明)
(1)末梢神経症状
手、 足や口唇周囲部の感覚異常又は知覚不全(末梢
神経症状)、 咽頭喉頭の絞扼感(咽頭喉頭感覚異常)
があらわれるので、 観察を十分に行い、 異常が認め
られた場合には減量、 休薬等の適切な処置を行うこ
と。
末梢神経症状の悪化や回復遅延が認められると、 手、
足等がしびれて文字を書きにくい、 ボタンをかけに
くい、 飲み込みにくい、 歩きにくい等の感覚性の機
能障害があらわれることがあるので、 観察を十分に
行い、 感覚性の機能障害があらわれた場合には減量、
休薬、中止等の適切な処置を行うこと。
(2)ショック、アナフィラキシー
発疹、そう痒、気管支痙攣、呼吸困難、血圧低下等
を伴うショック、 アナフィラキシーがあらわれるこ
とがあるので、 観察を十分に行い、 過敏症状(気管
支痙攣、呼吸困難、血圧低下等)が認められた場合
には、投与を直ちに中止し適切な処置を行うこと。
(3)間質性肺炎、肺線維症
間質性肺炎、 肺線維症があらわれることがあるので、
発熱、 咳嗽、 呼吸困難等の臨床症状を十分に観察し、
異常が認められた場合には投与を中止し、 胸部X線
等の検査を実施するとともに副腎皮質ホルモン剤の
投与等の適切な処置を行うこと。
(4)骨髄機能抑制
汎血球減少、血小板減少、白血球減少、好中球減少、
発熱性好中球減少症、 貧血があらわれることがある
ので、 定期的に血液検査を行うなど観察を十分に行
い、異常が認められた場合には減量、休薬、中止等
の適切な処置を行うこと。
― 3 ―
(18)肝機能障害
AST(GOT)上昇、ALT(GPT)上昇、ビリルビン
上昇等を伴う肝機能障害があらわれることがあるの
で、 観察を十分に行い、 異常が認められた場合には
減量、休薬、中止等の適切な処置を行うこと。
2)その他の副作用
次表の副作用があらわれることがあるので、 異常が認
められた場合には、 症状に応じて適切な処置を行うこ
と。
種類\頻度
消 化 器 悪心注8)、下痢、嘔吐注8)、食欲不振、口
内炎、便秘、しゃっくり、腹痛、胃部不
快感、歯肉炎、腸閉塞、上腹部痛、メレ
ナ、胃痛、腹部膨満感、下腹部痛、腹部
不快感、大腸炎、歯周病、胃炎、歯肉出
血、粘膜の炎症、歯痛、心窩部不快感、
口内乾燥、腹水、齲歯、胃腸障害、肛門
周囲痛、鼓腸、膵炎、胃食道逆流性疾患、
胃腸音異常、痔核、直腸出血、直腸炎、
しぶり腹、消化不良、歯の異常、腸内ガ
ス、胃重圧感
腎 臓 クレアチニン上昇、蛋白尿、BUN上昇、
血尿、 尿糖、 尿沈渣異常、 尿ウロビリ
ノーゲン異常、頻尿、腎機能障害、膀胱
炎、側腹部痛、排尿困難、尿失禁、尿量
減少
肝 臓 ALP上昇、γ-GTP上昇、LDH上昇
血 液 白血球増加、プロトロンビン時間延長、
白血球分画の変動、血小板増加
循 環 器 高血圧、低血圧、動悸、ほてり、頻脈、
血管障害、上室性不整脈
呼 吸 器 呼吸困難、鼻出血、咳嗽、鼻咽頭炎、上
気道感染、発声障害、嗄声、咽頭炎、鼻
粘膜障害、低酸素症、息切れ、喀血、肺
障害
電 解 質 血清カリウムの異常、血清ナトリウムの
異常、 血清カルシウムの異常、 血清ク
ロールの異常
流涙、視覚障害、結膜炎、眼球周囲痛、
眼のそう痒感、涙器障害、眼の異常感、
涙道閉塞
皮 膚 脱毛、手足症候群、色素沈着、潮紅、顔
面潮紅、多汗、皮膚乾燥、皮膚剥脱、口
唇炎、爪の障害、顔面のほてり、爪囲炎、
皮膚障害、皮下出血、寝汗、ざ瘡様皮膚
炎、色素変化、紫斑
過 敏 症 発疹、そう痒症、蕁麻疹、薬物過敏症、
紅斑、アレルギー性鼻炎、気管支痙攣、
鼻炎、紅斑性皮疹、血管浮腫
投 与 部 位 注射部位反応、血管痛、血管炎、注射部
位血管外漏出
頻度不明
そ の 他 倦怠感、疲労、発熱、アルブミン減少、
CRP上昇、浮腫、感染、体重減少、総蛋
白減少、末梢性浮腫、高血糖、感冒、脱
水、 コレステロール上昇、 関節痛、 悪
寒、胸部不快感、アミラーゼ上昇、背部
痛、四肢痛、鼻汁、出血、胸痛、尿路感
染、腰痛、CK(CPK)上昇、筋痛、熱
感、カテーテル関連感染、胸部圧迫感、
臀部痛、疼痛、筋脱力、骨痛、代謝性ア
シドーシス、体重増加、代謝障害、膣出
血、下肢異常感、戦慄
頻度不明
精神神経系 味覚異常、頭痛、めまい、不眠、神経痛、
頭重感、浮動性めまい、コリン作動性症
候群、 振戦、 回転性眩暈、 傾眠、 うつ
病、こわばり、硬直、失神、不安、構語
障害、深部腱反射欠損、不全失語症、失
調、神経過敏、レルミット徴候、脳神経
麻痺、線維束攣縮、筋骨格硬直、不随意
性筋収縮
眼
種類\頻度
注8)処置として制吐剤等の投与を行う。
5.高齢者への投与
高齢者では、一般に生理機能(骨髄機能、肝機能、腎機
能等)が低下しているので、用量並びに投与間隔に留意
するなど患者の状態を観察しながら慎重に投与すること。
6.妊婦、産婦、授乳婦等への投与
1)
妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しな
いこと。
[動物試験(ラット)において着床期胚に対す
る致死作用及び胎児の発育遅滞が報告されている。]
2)
授乳婦に投与する場合には授乳を中止させること。[動
物試験(ラット) で乳汁中への移行が報告されてい
る。
]
7.小児等への投与
低出生体重児、新生児、乳児、幼児又は小児に対する安
全性は確立していない(使用経験がない)
。
8.過量投与
本剤の過量投与時の解毒剤は知られていない。 過量投与
時に予期される主な症状は、 血小板減少等の骨髄機能抑
制、末梢神経症状、悪心、嘔吐、下痢等である。過量投
与が行われた場合には症状に応じた支持療法を行うこと。
9.適用上の注意
1)調製時
(1)
本剤は15 ℃以下で保存した場合、 結晶を析出するこ
とがある。 析出した場合は振盪するなどして、 溶解
させた後に使用すること。
(2)
本剤は細胞毒性を有するため、 調製時には手袋を着
用することが望ましい。皮膚、眼、粘膜に薬液が付
着した場合には、 直ちに多量の流水でよく洗い流す
こと。
(3)
本剤は、 錯化合物であるので、 他の抗悪性腫瘍剤と
は混合調製しないこと。
(4)
本剤は塩化物含有溶液により分解するため、 生理食
塩液等の塩化物を含む輸液との配合を避けること。
(5)
本剤は塩基性溶液により分解するため、 塩基性溶液
との混和あるいは同じ点滴ラインを用いた同時投与
は行わないこと。
(6)
本剤のような白金化合物は、 アルミニウムとの接触
により分解することが報告されているため、 本剤の
調製時あるいは投与時にアルミニウムが用いられて
いる機器(注射針等)は使用しないこと。
2)
投与経路
本剤は必ず希釈した後、 点滴静脈内投与とし、 皮下、
筋肉内には投与しないこと。
3)投与時
(1)
本剤は希釈後、できるだけ速やかに投与すること。
(2)
静脈内投与に際し、 薬液が血管外に漏れると、 注射
部位に硬結・ 壊死を起こすことがあるので、 薬液が
血管外に漏れないように慎重に投与すること。
10.その他の注意
1)
本剤のがん原性試験は実施していないが、 細菌を用い
た復帰突然変異試験、 ほ乳類培養細胞を用いた染色体
異常試験及びマウス骨髄細胞を用いた小核試験におい
て、いずれも陽性の結果が報告されており、がん原性
を有する可能性がある。
― 4 ―
2)単回静脈内投与によるサル安全性薬理試験並びに毒性
試験において、9.1mg/kg以上の用量で、 投与後QTc延
長や心筋壊死が観察されたとの報告がある。
3)欧 州 等 で 実 施 さ れ た 原 発 巣 治 癒 切 除 後 のStageⅡ 又
はⅢの結腸癌を対象とした第Ⅲ相臨床試験におい
て、 肝酵素上昇がオキサリプラチンとホリナート及び
フルオロウラシルの静脈内持続投与法との併用療法
(FOLFOX4法)の投与群で57%(629/1,108例)
、ホ
リナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法
(LV5FU2法)の投与群で34%(379/1,111例)
、アル
カ リ ホ ス ファターゼ 上 昇 がFOLFOX4投 与 群 で42%
(467/1,108例)、LV5FU2投与群で20%(222/1,111例)
と、 いずれもFOLFOX4投与群で高頻度に発現するこ
とが報告されている。
【臨 床 成 績】
化学療法未治療の進
45.2%
行・再発の結腸・直腸癌
8.7カ月 19.5カ月
(95/210)
注9)
(米国)
化学療法未治療の進
50.0%
行・再発の結腸・直腸癌
8.2カ月 16.2カ月
(105/210)
注9)
(欧州)
-
化学療法既治療の進
20.2%
168.0日 402.0日
行・再発の結腸・直腸癌
(51/252)(5.5カ月)(13.2カ月)
注9)
(米国及び欧州)
注9) オ
キサリプラチン85mg/㎡(体表面積)を第1日に、
ホリナート200mg/㎡(体表面積)、フルオロウラシ
ル急速静脈内投与400mg/㎡(体表面積)、フルオロ
ウラシル静脈内持続投与600mg/㎡(体表面積) を
それぞれ第1、2日に投与することを2週ごとに
繰り返す(FOLFOX4法)
注10)FOLFOX4法群とFOLFOX4法+プラセボ群を合わ
せた成績
(国内で実施された第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験)
国内で実施された、 併用第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験の推奨投与
量での成績は次表のとおりであった。
(エルプラット点滴静注液50mg・100mg・200mgの添付文書
による)
疾患名
奏効率(有効例/適格例)
64.3%(9/14)
化学療法未治療の進
47.0%
220.0日 572.0日
行・再発の結腸・直腸癌
(7.2カ月)(18.8カ月)
注12、 13) (296/630)
(米国及び欧州)
化学療法未治療の進
45.7%
282.0日 650.0日
行・再発の結腸・直腸癌
(160/350)(9.3カ月)(21.4カ月)
注14)
(米国及び欧州)
(国内で実施された第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験)
国内で実施された、 併用第Ⅰ/Ⅱ相臨床試験の推奨投与
量での成績は次表のとおりであった。
(エルプラット点滴静注液50mg・100mg・200mgの添付文書
による)
化学療法未治療の進
49.0%
241.0日 565.0日
行・再発の結腸・直腸癌
(304/620)(7.9カ月)(18.6カ月)
注9、
10)
(米国及び欧州)
化学療法未治療の進行・再
発の結腸・直腸癌注11)
奏効率
無増悪
生存期間
(有効例/ 生存期間
中央値
適格例) 中央値
注12)オ キサリプラチン130mg/㎡(体表面積) を第1日
に点滴投与し、 カペシタビン1,000mg/㎡を1日2
回14日間連日経口投与することを3週ごとに繰り
返す(XELOX法)
注13)XELOX法群とXELOX法+プラセボ群を合わせた
成績
注14)オキサリプラチン130mg/㎡(体表面積)
、ベバシズ
マブ7.5mg/kg(体重) を第1日に点滴投与し、 カ
ペシタビン1,000mg/㎡を1日2回14日間連日経口
投与することを3週ごとに繰り返す(XELOX法と
ベバシズマブ併用療法)
奏効率
無増悪
生存期間
(有効例/ 生存期間
中央値
適格例) 中央値
化学療法既治療の進
9.9%
行・再発の結腸・直腸癌
4.6カ月
(15/152)
注9)
(米国)
疾患名
化学療法既治療の進
23.1%
154.0日 393.0日
行・再発の結腸・直腸癌
(58/251)(5.1カ月)(12.9カ月)
注12)
(米国及び欧州)
○進行・再発の結腸・直腸癌に対する臨床成績
FOLFOX4法等
(外国で実施された第Ⅲ相臨床試験)
米国及び欧州で実施された、 5つの第Ⅲ相臨床試験にお
ける臨床成績は次表のとおりであった。
(エルプラット点滴静注液50mg・100mg・200mgの添付文書
による)
疾患名
XELOX法及びXELOX法とベバシズマブ併用療法
(外国で実施された第Ⅲ相臨床試験)
米国及び欧州で実施された、 2つの第Ⅲ相臨床試験にお
ける臨床成績は次表のとおりであった。
(エルプラット点滴静注液50mg・100mg・200mgの添付文書
による)
注11)オキサリプラチン85mg/㎡(体表面積)を第1、15
日に、 フルオロウラシル急速静脈内投与400mg/㎡
(体表面積)及びレボホリナート250mg/㎡(体表面
積)をそれぞれ第1、 8、15日に投与し、13日間
休薬する方法
疾患名
奏効率(有効例/適格例)
化学療法未治療の進行・再
発の結腸・直腸癌注15)
66.7%(4/6)
化学療法未治療の進行・再
発の結腸・直腸癌注16)
71.9%(41/57)
注15)オ キサリプラチン130mg/㎡(体表面積) を第1日
に点滴投与し、 カペシタビン1,000mg/㎡を1日2
回14日間連日経口投与することを3週ごとに繰り
返す(XELOX法)
注16)オキサリプラチン130mg/㎡(体表面積)
、ベバシズ
マブ7.5mg/kg(体重) を第1日に点滴投与し、 カ
ペシタビン1,000mg/㎡を1日2回14日間連日経口
投与することを3週ごとに繰り返す(XELOX法と
ベバシズマブ併用療法)
単独療法
(国内で実施された第Ⅱ相臨床試験)
国内で実施された、 オキサリプラチン単独療法の成績は
次表のとおりであった。
(エルプラット点滴静注液50mg・100mg・200mgの添付文書
による)
疾患名
奏効率
(有効例/
適格例)
生存期間
中央値
フッ化ピリミジン系抗悪性
腫瘍薬で治療抵抗性を示し
た進行・再発の結腸・直腸
癌注17)
8.8%
(5/57)
338日
(11.1カ月)
注17)オキサリプラチン130mg/㎡(体表面積) を点滴投
与することを3週ごとに繰り返す
― 5 ―
【有効成分に関する理化学的知見】
○結腸癌における術後補助化学療法の臨床成績
FOLFOX4法
(外国で実施された第Ⅲ相臨床試験)
欧州等で実施された、原発巣治癒切除後のStageⅡ又はⅢ
の結腸癌(直腸S状部癌を含む)を対象とした第Ⅲ相臨床
試験におけるホリナート及びフルオロウラシルの静脈内
持続投与法(LV5FU2法) 並びにオキサリプラチンとホ
リナート及びフルオロウラシルの静脈内持続投与法との
併用療法(FOLFOX4法)の成績は次表のとおりであった。
(エルプラット点滴静注液50mg・100mg・200mgの添付文書
による)
一般名:オキサリプラチン(Oxaliplatin)
化学名:
(SP-4-2)
[
-(1R,2R)
-Cyclohexane-1,2-diamine-
κN,κN1[
]ethanedioato
(2-)
-κO 1,κO 2]
platinum
構造式:
分子式:C8H14N2O4Pt
分子量:397.29
性 状:・白色の結晶性の粉末である。
・ 水に溶けにくく、 メタノールに極めて溶けにく
く、エタノール(99.5)にほとんど溶けない。
3年無病生存率 6年全生存率
ITT解析対象 (主要評価項目)(副次的評価項目)
疾患名 (FOLFOX4法注18)
/LV5FU2法) FOLFOX4 LV5FU2 FOLFOX4 LV5FU2
法注18) 法
法注18) 法
【取扱い上の注意】
78.2% 72.9% 78.5% 76.0%
全例
(1,123/1,123例) P=0.002注19)
P=0.046注19)
1.薬液が皮膚に付着した場合には、 直ちに石鹸及び多量の
流水で洗い流すこと。
2.包装開封後もバイアルを箱に入れて保存すること。
3.15℃以下での保存は推奨されない。
4.安定性試験
1)
オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」
最終包装製品を用いた長期保存試験(25 ℃、 相対湿度
60%、24カ月)の結果、外観及び含量等は規格の範囲
内であり、オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」
は通常の市場流通下において2年間安定であることが
確認された。1)
2)オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」
最終包装製品を用いた長期保存試験(25 ℃、 相対湿度
60%、24カ月)の結果、外観及び含量等は規格の範囲
内であり、 オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプ
ロ」 は通常の市場流通下において2年間安定であるこ
とが確認された。2)
原発巣治
72.2% 65.3% 72.9% 68.7%
StageⅢ
癒切除後
(672/675例) P=0.0052注19)
P=0.023注19)
の結腸癌
87.0% 84.3% 86.9% 86.8%
StageⅡ
(451/448例) P=0.2286注19)
P=0.986注19)
注18)オキサリプラチン85mg/㎡(体表面積)を第1日に、
ホリナート200mg/㎡(体表面積)、フルオロウラシ
ル急速静脈内投与400mg/㎡(体表面積)、フルオロ
ウラシル静脈内持続投与600mg/㎡(体表面積) を
それぞれ第1、 2日に投与することを2週ごとに
繰り返す(12サイクル)
注19)log-rank検定
XELOX法
(外国で実施された第Ⅲ相臨床試験)
欧州等で実施された、原発巣治癒切除後のStageⅢの結腸
癌(直腸S状部癌を含む)を対象とした第Ⅲ相臨床試験に
おけるホリナート及びフルオロウラシルの静脈内投与法
(5-FU/LV法)並びにオキサリプラチンとカペシタビン
との併用療法(XELOX法)の成績は次表のとおりであっ
た。
(エルプラット点滴静注液50mg・100mg・200mgの添付文書
による)
【包
装】
オキサリプラチン点滴静注液50mg「ニプロ」:
10mL×1バイアル
オキサリプラチン点滴静注液100mg「ニプロ」
:
20mL×1バイアル
【主 要 文 献】
1)
ニプロ(株)
:社内資料(安定性試験)
2)
ニプロ(株)
:社内資料(安定性試験)
3年無病生存率 5年全生存率
ITT解析対象 (主要評価項目)(副次的評価項目)
注20)
疾患名 (XELOX法
/5-FU/LV法注21)) XELOX 5-FU/LV XELOX 5-FU/LV
法注20) 法注21) 法注20) 法注21)
【文献請求先・製品情報お問い合わせ先】
主要文献欄に記載の社内資料につきましても下記にご請求
ください。
ニプロ株式会社 医薬品情報室
原発巣治
71%
67%
78%
74%
全例
癒切除後
(944/942例) P=0.0045注22) P=0.1486注22)
の結腸癌
〒531-8510 大阪市北区本庄西3丁目9番3号
注20)オ キサリプラチン130mg/㎡(体表面積) を第1日
に点滴投与し、 カペシタビン1,000mg/㎡を1日2
回14日間連日経口投与することを3週ごとに繰り
返す(8サイクル)
注21)ホ リナート急速静脈内投与20mg/㎡(体表面積)
、
フルオロウラシル急速静脈内投与425mg/㎡(体表
面積) をそれぞれ第1~5日に投与することを4
週ごとに繰り返し、6サイクル行う。又は、ホリ
ナート静脈内点滴投与500mg/㎡(体表面積)、フル
オロウラシル急速静脈内投与500mg/㎡(体表面積)
をそれぞれ1~6週の第1日に投与することを8
週ごとに繰り返す(4サイクル)
注22)log-rank検定
0120-226-898
FAX 06-6375-0177
A-1
― 6 ―