HGS 分子構造模型の説明書 D型 セット 1004 Student Crystal Structure H Set (外国向けのみ) 1014 Student Crystal Mini Set (外国向けのみ) これら三つの模型セットは、イオン結晶の代表的な岩塩型構造、セン亜鉛型構造ホタ ル石型構造、 ペロブスキー石型構造等の主として立方晶形の構造の模型を一つ作っては、 ばらばらにし再び他の構造を作るというやり方で、全てを作ることが出来ます。 1 HGS 分子構造模型の“タマ” 1-1 HGS 分子構造模型の“タマ”は、球、14面体、20面体、26面体、32面体と5種類 から成り立っていますが、その中心的な位置を占めるのが、14面体と26面体で、その 形と法線の角度を下に示します。 h k m F 1 1-2 8ケの“タマ”15青と12本の#17ボンドから、立方体を作ります。立方体の一つの 面と反対側の面に対角線を引いて見て下さい。 “タマ”17グレイを中心に置いて、#16ボンド2本で、 “タマ”15青の間を繋ぐと下の 図のような形が出来上がります。 ー1ー sphere 15 ( blue ) √2 sphere 15 ( blue ) 1 √3 √2 spheres 15 ( blue ) spheres 17 ( grey ) 45゜ 54゜44´ spheres 15 ( blue ) F 2 立方体の平面の対角線は、その1辺を1とするとき、ピタゴラスの定理から、√ 2 です。 2つの 2と1の線で囲まれた平面を考えて下さい。この平面の対角線は√3になります。 つまり立方体の対角線は 3です。です。 正方形の対角線は√2で、立方体の対角線は√3です。今、cosθ=√2とおいたときθは 45゜となり、cosθ=√3とおいたとき、θは54゜44’となります。 1-3 もしも、 14面体の1つの法線の角度が分かれば、他の角度は、下の図のように、 穴にボンドを差し込み、平面の角度を加え合わせ、360゜にすることにより、分かり ます。 F 3 ー2ー 立方体の8隅の“タマ”15青を1つ置きに、 “タマ”17グレイで置き換えます。その 残った“タマ”15青をお互いに線で結ぶと正四面体が出来上がります。 即ち、立方体の8つの角を1つ置きに選び線で結ぶと正四面体になります。 spheres 17 ( grey ) bond #17 spheres 17 ( grey ) spheres 15 ( blue ) spheres 15 ( blue ) spheres 17 ( grey ) bond #16 bond #17 bond #16 bond #16 spheres 17 ( grey ) spheres 17 ( grey ) bond #17 spheres 15 ( blue ) spheres 15 ( blue ) F 4 1-4 先ほど“タマ”17グレイで置き換えた所を再び、8隅の“タマ”を“タマ”15青にしま す。そして8隅の“タマ”は、全て#16ボンドで繋ぎます。 この形は塩化セシウム型構造(CsCl)の単位格子と呼ばれます。単位格子は結晶の構 造を表現する最小の形です。 bond #17 spheres 15 (blue) spheres 15 (blue) spheres 17 (grey) bond #17 spheres 15 (blue) F 5 F 6 ー3ー 1-5 次にF6に示すように、立方体の8隅の“タマ”15青を中心として、大きな球を考えて下さ い。小さい球から次第に大きくして、丁度立方体の1つの辺の真ん中で、それぞれの球が接 する位まで近づけたとします。 そして、それらの“タマ”を立方体の6つの面に沿って削り落としたとします。8つの角の それぞれの“タマ”はもとの“タマ”の1/8に相当します。 8隅の1/8の球をそれぞれ中心に向かって逆さまに付けると元の“タマ”になります。 さらに真ん中の“タマ”17グレイも、同様に“タマ”を大きくして、8つの隅の“タマ”に接 するまでにしたとします。 今、中心の“タマ”をセシウムCs、8つの隅の“タマ”を塩素Clとすると、上記のことから、Cs とClの比は1:1となります。 1-6 次にF5の模型の中心にある“タマ”17グレイに#11ボンドを挿入します。その先端に、使 用していない、 色違いの“タマ”をつけます。 1014 Student mini setには、他の“タマ”はありませんが、1004 Student Crystal Structure H Set や1006 Researcher Inorganic D Set には、いろいろな“タマ”がセットされています。 #11ボンドの先端の“タマ”は、立方体の6つの面の中心に位置します。その面の中心の“タ マ”6ケを繋ぎ合わせると正8面体が出来上がります。 この形はペロブスキー石型構造の単位格子です。ペロブスキー石型構造の代表例としては、 チタン酸バリウム(BaTiO3)が有名です。 単位格子に含まれる原子の数は、中心のTiが1*1=1、8つの隅のBaが8*1=8 、面の中 心の酸素は6*1/2=3 で1:1:3の比率になります。 ー4ー HGS分子構造模型で使用している14面体は、立方体の角を切り落とした ことにより、 正4面体、 正6面体、 正8面体の全ての面を含む多面体で、 その法線に当たる部分を “ボンド” で繋いで、分子模型で利用するものです。 プラトンの正多面体の内、正5角12面体の角を切り落とすことにより、正5角12面体 と正3角20面体の全ての面を含む32面体を作りました。32面体はこれらセットには 含まれていません。32面体の構造や挿入する“ボンド”の角度については、32面体の含ま れている、1701Quasicrystal Modelのところで説明致します。 2 大きい“タマ”と小さい“タマ” HGS分子構造模型には、原則として、大きい“タマ”と小さい“タマ”の2種類の“タマ”があり ます。 大きな“タマ”は展示用として用意したもので、小さい“タマ”は学習用、研究用として製作 致しました。また、結晶の模型の場合には、数種類の原子を区別するのに、 “タマ”の色だけで , , , F 8 ー5ー , , , 2.1“タマ”の大小と部品コード “タマ”の区別は、原則として注文コードに色を指定して行いますが、部品コードはその“タ マ”が何に使用できるかという立場から区別できるように考えられた記号です。 部品コードでは、原子は原子記号で区別され右肩につけられた数字は穴数を表し、右下の 数字は、多面体の面の数を表しています。 また、いろいろの原子に利用される“タマ”は、 “metal”のmを使用しています。大きな“タ マ”を表すのには、LargeのLを元素記号の前につけて、更に大文字で区別し、小さな“タマ”を 表すのには元素記号を小文字で表しています。 14面体を表す右下の数字は省略する場合があります。 部品 コード 名称 タマの大きさ C414 正四面体炭素 Carbon tetrahedral 小さいタマ Small C ベンゼン型炭素 Carbon aromatic 5 20 小さいタマ Small 面の数 穴の数 色 4 14 黒 5 20 黒 14 m14 小さいタマ 金属(Fe,Ni,Co)等 etc.) Metal(Iron,Cobalt Small 14 14 赤、青、灰 4 14 LC 正四面体炭素 Carbon tetrahedral 大きいタマ Large 4 14 黒 LO414 正四面体酸素 Oxygen tetrahedral 大きいタマ Large 4 14 赤 LM 金属(Fe,Ni,Co)等etc.) 大きいタマ Ion(Iron,Cobalt Large 26 26 黄色、灰色等 26 26 2.2 タマの大きさ タマの寸法は下記のようになっています。 測定位置 小さいタマ mm 大きいタマ mm A 10.0 20.0 B 14.69 20.98 C 12.73 18.18 D 15.58 22.27 B A E D C E 21.0 F 9 ー6ー 3 “ボンド” の形状とはめ合い “ボンド”のはめ合い方式は、A B C の3種類があります。 E型セットはB、G2型セット はCで、他のセットは、全てAの方式です。 Cの方式は、 他のものと互換性はありませんが、Aの方式の“ボンド” をB の“タマ”に使用 するのは、外観さえ気にしなければ何ら差し支えありません。 Bのはめ合いでは、 2段目まで十分に挿入して下さい。 結合距離は、 “ タマ”の中心から相対する“タマ”の中心までを正確に計算しています。し かし“タマ”は球ではなく多面体なので、 “ボンド”の中心から各面までの距離は、それぞれの 面で異なります。 そのため異なった面に “タマ” を挿入すると、予定された長さになりません。 その関係を “guide to Bond insertion” に説明致します。 ● ボンド挿入方法のガイド F 12 4. 組立例 * H 1004 H型セットで組立られる例 * D D型セットで組立られる例 * M 1014 Miniセットで組立られる例 岩塩型構造 H D M 塩化セシウム型構造 H ー8ー D M ホタル石型構造 セン亜鉛鉱型構造 H H D D トリスエチレンジアミン㈽錯体 ペロブスキー石型構造 ウルツ鉱型構造 M D H D H D M ペンタボラン ー9ー D No.6 立方最密充填構造 H LM 2626 grey LM 2626 grey No.6 No.6 No.18 No.18 m14 blue (c4, m8 etc.) m14 blue (c4, m8 etc.) 正四面体構造 H D M ー10ー 正八面体構造 H m14 blue (c4, m8 etc.) LM 2626 grey No.6 m14 blue (c4, m8 etc.) H No.6 2連正四面体構造 SiO2 の基本形 H 5 応用例 下の模型は補充部品を使用して作ったものです。 cf. http://www.sphere.ad.jp/hgs/model/9100/910_21.html Researcher Model 91020 Face centered cubic closest packing 91021 Hexagonal closest packing 91022 Body centered cubic closest packing 91023 Rock salt 91024 Zinc blende 91025 Wurtzeit 91026 Diamond 91027 Graphite 91028 Ice 91029 Spinel 91030 Corundum ー11ー LM 2626 grey Contents of 1004, 1014, 1006, Inorganic and Crystal Sets Item Parts 注文 部品 No. コード cords コード 1 H 2 C 4 色 Nos. of 穴数 holes 水色 2 青 4 赤 4 暗青色 4 茶 4 黄色 4 N 4 O 5 Si 6 P 7 S 180°hydrogen sp 4 109° 28′ sp 3 Cl 緑 9 黒 12 5 C20 5 N20 5 B20 8 C20 黒 8 13 N 5 青 5 109° 28′ 125° 16′ sp 2 sp 3 8 070° 32′ 109° 28′ 125° 16′ sp 3 bcc 11 14 青 15 m 15Bk m 16 m 17 m 14 赤 14 灰 26 26 38-Y LM 26 灰 黄色 90° 120° 30 small 14 hedron small 20sp 2 hedron dsp 3 20 small 14hedron 20 24 黒 14 LM 26 5 橙 赤 m 38Gy 青 8 14 small sphere D型 セット 16 8 10 形 用途 1014 Mini crystal set 黒 4 3 Bond angle 原子価角 1004 H-Set 14 090° 108° 28′ 125° 16′ 16 15 d 2sp 3 15 24 26 14 sp 3 large 26hedron 045° 60′ 090° 109° 28′ 125° 16′ ー12ー 16 14 4 6 注文 コード Å 比率 0.95 用途 O−H ガイド 拡大率 参照 1 材質 1004 H-Set 1014 Mini crystal set D型 セット 2.5cm/1A Plastics(white) (Bond No.2) 2 1 原子間距離 1.10A 1.10 1.20 C−H 1 2 3 1.33 C=C 3 4 1.40 C=C 3 5 1.45 C−O C−N 2 6 1.54 C−C 2 15 7 1.80 C−Cl C−S 2 8 1.90 9 C−Br 2 2.10 C−l 2 10 1.33 C=C 2 11 1.85 12 2.00 √3 4 1 2 2 2.20 2 14 2.40 2 2 14 2.60 16 3.08 √3 2 17 3.55 1 18 Plastics(white) For lattice 30 120 60 60 120 60 60 10 20 2 13 15 1.20A 2 2 10 10 10 2.5cm/1A 10 10 Plastics (white) 10 10 2 20 10 10 3 20 15 20 Plastics (white) Bonus Size (We supply free ! 15cm) ー13ー 10 10
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