平成19年度事業計画 (事業計画書・収支予算書) 自 至 平成19年 平成20年 4月 1日 3月31日 平成19年5月28日 社団法人大日本水産会 目 次 第Ⅰ.基本方針…………………………………………………………………… 1 第Ⅱ.具体的事業実施計画……………………………………………………… 1 1.一般会務、政策推進活動及び魚食普及等……………………………… 1 2.対外業務、資源回復推進支援及び広報等……………………………… 6 3.水産食品の安全対策、加工・流通対策及び輸出の促進等…………… 9 第Ⅲ.平成19年度収支予算書…………………………………………………11 収支予算書総括表…………………………………………………………11 一般会計……………………………………………………………………13 特別会計……………………………………………………………………15 (1)土地会計…………………………………………………………………15 (2)海上特別委員会会計……………………………………………………16 (3)水産業振興総合対策推進事業会計……………………………………17 (4)漁協経営基盤強化推進事業会計………………………………………18 (5)おさかな普及事業会計…………………………………………………19 (6)低気圧被害漁具等復旧対策事業会計…………………………………20 (7)漁船漁業構造改革総合対策事業会計…………………………………21 (8)にっぽん食育事業会計…………………………………………………23 (9)国際対策委員会会計……………………………………………………24 (10)海外漁場等操業秩序維持推進事業会計………………………………25 (11)国際漁業再編対策事業会計……………………………………………26 (12)資源回復等推進支援事業会計…………………………………………27 (13)ノリ養殖業構造調整・競争力強化対策事業…………………………28 (14)日ロ漁業協力事業会計…………………………………………………29 (15)極東地域沿岸漁業協力事業会計………………………………………31 (16)東アジア漁業特別委員会会計…………………………………………32 (17)日韓相互乗船等協力事業会計…………………………………………33 (18)機関誌発行会計…………………………………………………………34 (19)水産食品品質高度化協議会会計………………………………………35 (20)水産物品質管理対策推進支援事業会計………………………………36 (21)輸出対策特別委員会会計………………………………………………37 (22)流通特別委員会会計……………………………………………………38 第Ⅰ.基本方針 世界的な水産物の需給のタイト化、価格の上昇という傾向が一段と明らかに なってきたなかで、国内の動きにはかなりの乖離があったものの、水産物輸出 拡大に向けた関係者の努力や海外からの水産物輸入の減少、輸入価格の上昇等 もあり、ようやく水産物価格も回復傾向が一部に見られる状況になっている。 一方、漁業の分野では、資源水準の低下、海洋環境の悪化等が進むと共に、 依然高水準な燃油価格は経営コスト増嵩の主要因になっている。この事態を踏 まえ、平成19年度予算案には、漁船漁業構造改革関連の新しい対策が盛り込 まれた。 本会は、こうした対策を活用し、省エネルギー・省コスト漁業実現のための 新しい試み―代船建造―が進み、漁船漁業の構造改革が促進されるよう支援し て行くと同時に、水産業を構成する各分野が協調して、日本の水産物のマーケ ットの様々な変化に対応した供給体制の改善に取り組み、漁船漁業部門の改革 にも相乗していくよう努力する。 このほか、引き続き各般の事業活動を継続することとし、拡充される漁業就 業者確保対策に取組むほか、安全・安心の実現こそ原点という観点に立って、 引き続き品質・安全の確保の面でも各関係先と協力していくこととし、本年度の 事業運営は次のように取り組むこととする。 第Ⅱ.具体的事業実施計画 1.一般会務、政策推進活動及び魚食普及等 水産業界の全体の行事として、平成19年度水産功績者表彰(今年度は中央 団体長による推薦で平成19年11月28日に表彰式開催予定)及び新年賀詞 交歓会(平成20年1月8日開催予定)を開催するほか、必要に応じて要人の 1 歓送迎会を開催する。また、第9回ジャパン・インターナショナル・シーフ ードショーを平成19年7月18日~20日に東京ビッグサイトで開催し、 第5回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー大阪を平成20年2 月にインテックス大阪で開催するほか、全国水産高等学校カッターレース大会 を関係団体会社の協力を得て後援する。 水産政策拡充対策としては、平成20年度の政府水産予算編成、水産関係税 制の改正に当たり、業界意向の集約に努め、力を結集して、効果的な運動に努 めるとともに、水産政治力の更なる強化を図ることとする。 漁業経営安定対策関連事業は、本年度から予算化された「漁船漁業構造改革 総合対策事業」に公募の手続きを経て、関係団体と協力しつつ、漁船漁業の再 生支援に鋭意取り組んでいく。 また、「漁協経営基盤強化推進基金造成事業」にも、TAC対象魚種関係団体 と協力して「漁獲可能量の適切な管理事業」を引き続き実施する。 さらに、平成17年度から開始した「担い手代船取得支援リース事業」、「低 気圧被害漁具等復旧対策事業」を実施する。 これらの事業の実施については、昨今の予算事情から、効率的、かつ効果的 な予算執行に努力する。 漁業労働対策事業の推進については、公募の手続きを経た上で、前年に引き 続き国庫補助事業としての漁業就労促進対策として、新規に拡充された「漁業 再チャレンジ支援事業」並びに「漁業スキルアップ対策事業」を実施すること とし、「全国漁業就業者確保育成センター事業」を通じて、漁業への新規就業希 望者に対する情報提供と支援体制の整備を図る。本年は、予算も拡充され、漁 業への新規参入に対する支援も可能となったので、予算を効率的に使用して、 更なる成果を上げて行くと共に、最近の雇用情勢を踏まえて、求人情報の掘り 起こしに努め、同時に優秀な漁業求職者を幅広く募ることとしたい。また、有 2 資格船舶職員の高齢化にともない、若年船舶職員の養成・確保を図ることを目 的に資格取得し易い環境づくり及び諸規制の緩和に努める一方、資格取得のた めの講習会を関係団体の協力を得て開催する。昨年度よりは、3,4,5級の 大型海技士資格の講習も可能となり、成功しているので本年も鋭意実施する。 外国人の漁業研修・技能実習制度については、漁業研修・技能実習制度協議 会等を通じて運営の充実を図るとともに、各技能試験会場へ職員を派遣するな ど公正な試験および制度の適正な運用と指導に努める。さらに、引き続き外国 人漁船員の受入条件緩和対策についても所要の陳情運動などを取り進めていく。 漁船混乗制度の改善と漁船マルシップ対策については、海外漁業船員労使 協議会内に設けられている運営委員会及びマルシップ管理委員会の適正な運営 を図ることに、関係漁業団体とも協力して引き続き努めて行きたい。 国際労働機関(ILO)については動向を把握し的確に対応するものとする。 船員保険等福祉制度については、社会保険庁開催の検討会を通じ厚生労働省 における審議に業界意向を反映するよう努める。漁業労働関係法令の整備対策 については漁業労働条件改善に係る問題に関し、船員中央労働委員会の審議に おいて業界の意向を反映させる。 海務関係対策の推進については、国際法、国際条約等の動向や、内外の関連 機関の動静、関連の法改正への動き等に対して適正な対応を図る。また、バラ スト水排出問題等の海洋汚染防止対策、インマルサットAのサービス廃止対応 策について適宜指導を行うとともに、漁船漁業の維持と安全衛生対策について も、必要の都度、関係団体と協議しつつの対応を行なう。 また、船舶FAXを利用した気象通報システムについは、鹿児島漁業無線局 との協力連携により適宜取り進めるとともに、共同ニュース船舶向け新聞放送 の紙面向上に協力する。 その他、国際海事機構(IMO)関係の国際機関の動向を把握し、それらに 3 伴う国内関係法改正等について的確に対応するものとする。 魚食普及関連事業としては、国庫補助事業が、新たに「にっぽん食育推進事 業」として、全面的に改変され、農水省消費安全局の公募事業となったことか ら、関係団体との連携により公募の手続きを経た上で、都下の小学校を対象に 「食育おさかな学習会」を開催して、若年層への普及を図るほか、「おさかな料 理教室」、栄養士等を対象とした「食育おさかなシンポジウム」、「学術研究会」、 「水産物消費動向調査」などを予定する。 「おさかなシャトル号」の運行も「食育おさかな学習会」の一部として実施 する。また、必要な教材として「SAKANA」の発行も充実させる。 若年層およびそれを支える保護者、学校給食関係者、栄養士、指導者を重点 的な対象とし、効率的な予算の執行に努める。 民間事業としては、魚食普及のための講演会、イベントの実施、「おさかな相 談室」の運営、インターネット・ホームページの運営等を中心とした民間事業 を行い、国庫補助事業と連携して内容の充実に努め、相乗効果を図ることとし、 引き続き水産物の食生活における大切さをアピールし、おさかなの良さを知っ てもらうべく、普及に努めることとする。 会務推進活動としては、生産部会、流通・加工部会、関連産業部会、水産 食品安全・表示部会の基幹4部会の効果的運営に努める。その他として、水産 土木技術者養成講習会等関係団体の事業に対応することとする。 具体的には次の事項の事業を実施する。 (1)水産功績者の表彰事業 (2)新年賀詞交歓会 (3)ジャパン・インターナショナル・シーフードショーの開催 (4)水産政策拡充対策の促進 4 ①水産政治力の結集対策 ②水産税制・予算の拡充対策 (5)漁業経営安定対策関連事業の推進 ①漁船漁業構造改革総合対策事業 ②漁協経営基盤強化推進基金造成事業 ③漁獲可能量の適切な管理事業 ④担い手代船取得支援リース事業 ⑤低気圧被害漁具等復旧対策事業 (6)漁業労働対策事業等の推進 ①漁業再チャレンジ支援事業 ②漁業スキルアップ対策事業 ③漁業研修・技能実習制度対策 ④漁船混乗制度の改善と漁船マルシップ対策 ⑤国際労働機関(ILO)対策 ⑥船員保険等福祉制度への対応 ⑦漁業労働関係法令の整備対策 (7)海務関係対策の推進 ①海上人命安全条約(SOLAS)改正対策 ②海洋汚染防止対策 ③国際海事機構(IMO)等国際機関対策 (8)魚食普及関連事業の推進 ①おさかな普及協議会活動の実施 ②にっぽん食育推進事業 (9)会務推進活動・基幹部会の効果的開催 (10)新規会員確保対策 5 2.対外業務、資源回復推進支援及び広報等 多国間関係では、平成19年5月米国・アラスカで開催される第59回国際 捕鯨委員会(IWC)年次総会、6月にオランダ・ハーグで開催されるCIT ES(ワシントン条約)第14回締約国会議等、国際漁業を巡る会議の動向に 的確に対応するとともに政府の活動に対する支援を行う。 国際水産団体連合(ICFA)年次総会に出席し、公海漁業問題、資源管理 問題、環境問題等に関する国際的な民間活動を促進する。 海洋環境問題は、自然資源保全協会(GGT)との連携を密接にし、サメ資 源管理、海鳥の混獲、過剰漁獲能力、生物多様性条約等への対応を行い、漁業 問題では、責任あるまぐろ漁業推進機構(OPRT)との密接な連携のもとに、 国連食料農業機構(FAO)水産委員会の動向を注視しつつ、便宜置籍船問題、 中西部太平洋における高度回遊性魚類資源の保存管理に関する条約(WCPF C)、世界貿易機関(WTO)の動向についても引き続きモニターし、的確に対 応する。また、これら漁業をめぐる国際的な動向に対処するため、国際会議へ の積極的な参加と、国内における国際セミナーの開催を計画するとともに、必 要に応じて有識者を海外に派遣するなど、我が国の立場に対する国際的な理解 の促進を図る。 二国間対策のうち対ロシア関係では、両国関係者の交流による意見交換の機 会を積極的に設けるとともに、さけ・ます漁業関係の協力事業、地先沖合漁業 関係の協力事業等を実施し、我が国の北洋漁業の安定的操業確保を図る。対韓 国、対中国関係では、事故処理の解決に努めるとともに、事故防止及び操業秩 序の確立のため、韓・中両国の関係団体と民間の安全操業協定の締結・改定及 び操業秩序維持についての協議を実施する。また、対台湾関係では、事故処理 のルール作りに努め、各々の諸問題について必要な対策を検討するため、東ア ジア漁業特別委員会を中心に関係団体との意見の調整を図る。また、その他の 6 国の漁業関係者が来日した機会に我が国関係者との意見交換の場を設けること とする。 また、水産物エコラベルの問題については、本会が認定機関となる新しいエ コラベルの制度を早期に立ち上げるべく、制度設計を含めた検討を鋭意進めて いく。 資源回復及び漁業生産構造の再編円滑化を図るための資源回復等推進支援関 連事業として「再編整備等支援事業」、「経営資源移譲円滑化事業」を実施する。 また、ノリ養殖業構造調整・競争力強化対策事業を実施する。 広報関係では月刊機関誌「水産界」、「水産手帳」について、内容の充実を図 りつつそれぞれの特色を生かしながら発行していく。 具体的には次の事項の事業を実施する。 (1)多国間国際会議に関する的確な対応及び国際漁業環境対策の効果的実施 ①国際捕鯨委員会(IWC)対策 ②ワシントン条約締約国会議(CITES)対策 ③国際水産団体連合(ICFA)対策 ④世界貿易機関(WTO)対策 ⑤国際環境団体に関する情報収集 (2)国別漁業対策の効果的実施 ①対ロシア漁業関係対策 ②対韓国漁業関係対策 ③対中国漁業関係対策 ④対台湾漁業関係対策 ⑤対ニュージーランド漁業関係対策 ⑥対カナダ漁業関係対策 7 (3)国際漁業再編対策事業の効果的実施 (4)資源回復等推進支援事業の効果的実施 ①再編整備等支援事業 ②経営資源移譲円滑化事業 (5)ノリ養殖業構造調整・競争力強化対策事業 (6)海外漁場等操業秩序維持推進事業の効果的実施 ①日韓・日中・日台等民間協定等実施事業の効果的実施 ②3ヵ国3ヵ所の駐在事務所の管理運営 ③関係国への使節団の派遣 ④不法、無報告、無規制漁業(IUU)対策の実施 ⑤関係国の政策・制度・法律・世論等に関する情報収集 (7)日ロ漁業協力事業等の効果的実施 (8)国際広報事業の効果的実施 ①英文ニュースレターの発行 ②国際会議への積極的参加・有識者の海外派遣 (9)国内広報事業の実施 ①水産業・本会事業の広報活動の実施 ②機関誌「水産界」及び「2008年版水産手帳」の編集発行 8 3.水産食品の安全対策、加工・流通対策及び輸出の促進等 水産食品品質確保対策については、水産食品安全・表示部会において、四つ の専門委員会(表示問題、トレーサビリティー、食品添加物・汚染物質、コー デックス)による関係情報の伝達、セミナー、対策検討会等の活動を実施する。 さらに、水産食品品質高度化協議会によって、HACCP関連の各種講習会、研修 会の開催、HACCP手法支援法に係わる高度化計画認定業務、HACCP適合施設 認証システムなどの効果的運営に努める。 また、流通の起点としての産地市場及び中小零細の多い水産加工場における 品質管理向上を図る観点からの国庫補助事業「水産物品質管理対策推進支援事 業」が昨年度から3ヵ年事業として開始されており、今年度も引き続き事業を 行う。すなわち、産地市場については、品質管理に優れた市場の認定・公表、 講習会の開催、産地市場の類型的特徴に応じた品質管理のための産地タイプ別 ガイドラインの策定等を行う。一方、水産加工については、HACCP導入等品質 管理向上のための講習会開催、専門家派遣による管理レベル判定と助言、小規 模事業者支援のための具体的危害分析や重要管理点について説明する品目別危 害分析・管理指針の作成等を行う。 さらに、漁船と養殖についても、国際的な対応を考慮したガイドランの策定、 講習会の開催等を行う。 水産物輸出関連対策については、輸出対策特別委員会において、世界各地に 対する輸出機会の開拓と数量拡大を計るための、各種事業を行う。そのために、 輸出相手国の安全・衛生管理等に関する各種情報やFAO/WHO合同食品規 格計画(コーデックス)の関連部会に係る情報収集、関係国際会議への積極的 参加対応、EUを始め米国、中国等に係る輸出証明制度等についての情報収集 及び諸対策、HACCP対応に基づく施設認定システムの効果的運用、関係機関と の連携強化などといった品質衛生対策を促進するとともに、中国等のアジア諸 9 国や欧米他に対して我が国の高品質な水産物の輸出機会の拡大を図る観点から、 関係海外マーケット情報等の収集・提供、海外での各種展示会への出展支援、 輸出に対応した国内体制の整備の支援などを行う。 流通・加工対策については、流通特別委員会、流通加工部会などの内部関連 組織間並びに通産農林団体輸送協議会(通農協)及び鉄道貨物協会などの外部 組織間における連携強化により、水産物の流通・加工に関する諸規則、諸料金 の改訂、合理化等についての情報収集と対応を行なうとともに、「水産物標準商 品コード維持管理委員会」によって、水産物のEDIコード導入推進に係る取組み を進める。 具体的には次の事項の事業を実施する。 (1)水産食品品質確保対策の効果的実施 ①水産食品安全・表示部会の運営 ②水産食品品質高度化協議会の運営 ③水産物品質管理対策推進支援事業 イ.品質管理推進事業 ロ.生産者を対象とした品質管理対策支援事業 (2)水産物輸出関連対策の効果的実施 (3)流通・加工対策の効果的実施 ①各種物流経費軽減対策の実施 ②水産物流通・加工・衛生諸問題に関する情報の収集と提供等 10
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