「経済社会課題対応事業の促進に関する法律案」の概要 - 経済産業省

「経済社会課題対応事業の促進に関する法律案」の概要
資料2-2
背景
エネルギーの利用の制約、少子高齢化の進展による生産年齢人口の減少に加え、現下の東日本大震災、円高の進行より、経済の空洞化等の
リスクが一層高まっている。この危機を攻めに転じ、「やせ我慢」縮小経済に陥ることなく新産業分野を創出し、新たな付加価値を創造し拡大する
経済への転換を進め、需要の開拓と雇用の創出を図ることが急務となっている。
法案の概要
我が国の経済社会の持続的な発展のための新たな課題に対応することの必要性が高まっている中で、その重要性が増大している経済社会
課題対応事業を促進するため、実施に必要な資金の調達の円滑化に関する措置や特定製品及び特定役務の需要開拓を図る措置を講ずる。
措置事項の概要
特定製品・特定役務
エネルギーの利用の制約への対応や就業者数の増加又は維持その他我が国の経済社会の持続的な発展のために特に重要な
新たな課題に対応することに資する製品又は役務であって、その需要の開拓を行うことが国民経済の健全な発展に必要であるもの
特定製品の例
特定役務の例
・再生可能エネルギー・省エネルギー等に係る機械・装置及びそ ・エネルギーの消費削減や負荷平準化等エネルギーの利用の制約への適応又は緩和
の部品・素材(太陽光発電設備、電気自動車、蓄電池、炭
に資するサービス(BEMS/HEMS等のエネルギーマネジメント、電力ピークカット
素繊維等)
マネージメント、熱電併給、電気自動車急速充電サービス等)
・育児又は家族介護の補助、健康の保持及び増進等、就業者
数の増加・維持に資する製品(介護ロボット、テーラーメ
イド型人工関節、医療用診断装置等)
・育児又は家族介護の補助、健康の保持及び増進等、就業者数の増加・維持に資する
サービス(保育と学習指導と送迎とを一体で行う異業種連携学童サービス、医療
機関と連携した運動指導・配食サービス、職業能力開発サービス等)
特定事業
特定製品の製造等を行う事業や特定役務の提供等を行う事業のうち、高度な技術の利用、異分野事業との有機的な連携、顧客情報の適切
な管理等により、特に我が国産業活動の発展及び改善に資する事業
主務大臣が基本方針・事業別指針(雇用管理への配慮や異分野連携に係る関係機関の協議)を策定。
→ 主務大臣が、特定事業に係る計画を認定。以下の支援措置を講ずる。
認定特定事業計画への支援措置
資金的支援 ( 認定事業者に対し、中小企業信用保険法の特例、指定金融機関によるツーステップローン、中小機構による債務保証などの
企業の資金調達の支援措置を設け、事業の円滑な実施を促進 )
需要開拓のための措置
需要開拓支援法人による支援 ( 事業者の倒産等により特定製品のリース料の回収が不可能となったリース会社に対し残リース料の一部
を保証、特定製品又は特定役務に関する品質評価・情報提供を行い、特定製品及び特定役務の需要開拓を促進 )
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「経済社会課題対応事業の促進に関する法律案」 参考資料
特定製品・特定役務のイメージ
特定製品のイメージ
特定役務のイメージ
・ 再生可能エネルギー・省エネルギー等に係る機械・装置及びその部
品・素材(太陽光発電設備、電気自動車、
蓄電池、炭素繊維等)
・ エネルギーの消費削減や負荷平準化等エネルギーの利用の制約への適応又
は緩和に資するサービス(BEMS/HEMS等のエネルギーマネジメント、電力
ピークカットマネージメント、熱電併給、電気自動車急速充電サービス
等)
需要家
BEMS
空調設備
エネルギー利用情報収
集・管理事業者
BEMS
主装置
照明設備
(例)建築物の
エネルギー管理サービス
(投資規模:
数十億~100億円程度)
(例)洋上風力発電事業
(投資規模:数十億円~数百億円程度)
(例)次世代電力計 (スマートメーター)の製造
・育児又は家族介護の補助、健康の保持及び増進等、就業者数の増
加・維持に資する製品(介護ロボット、テーラーメイド型人工関
節、医療用診断装置等)
蓄電池等その他設備
センサー装置
計測装置
・ 育児又は家族介護の補助、健康の保持及び増進等、就業者数の増加・維持に
資するサービス(保育と学習指導と送迎とを一体で行う異業種連携学童
サービス、医療機関と連携した運動指導・配食サービス、職業能力開発
サービス等)
(例)子育てしやすい
地域環境構築を
目指した保育所
の設置運営
(例)栄養改善支援・配食サービス
(例)内視鏡下手術用の微細鉗子(かんし)
(例) テーラーメイド型
人工関節
(投資規模:10億円程度)
資金的支援措置
①日本政策金融公庫の業務の特例(ツーステップローン)
指定金融機関が認定特定事業計画の実施に必要な資金の貸付けを行う場合に、
日本政策金融公庫が、当該金融機関に対し当該貸付けに係る資金を融資。
(24年度(政府原案)融資枠500億円)
②中小企業基盤整備機構の業務の特例
認定特定事業計画の実施に必要な資金の貸付けに係る債務を保証。
③中小企業信用保険法の特例
認定特定事業計画の実施に必要な資金に係る債務の保証について普通保険等
の保険枠の拡大など保証を拡充。
(例)保護者の安心安全教育
ニーズ等に対応した学童保育
(投資規模:数億円程度)
(例)運動支援サービス
(投資規模:数億円程度)
需要開拓支援法人
業務: ①リース保険契約の引受け
(事業者の倒産等により特定製品のリース料の回収が不可能となったリース会社
に対し、残リース料の一部を保証)
②特定製品又は特定役務に関する性能・品質の評価
③特定製品又は特定役務に関する情報提供
(参考)現行、低炭素法では、エネルギー環境適合製品に関し一般社団
法人低炭素投資促進機構(通称:GIO)を需要開拓支援法人として指定。現在、
86社のリース会社とリース保険契約を締結。
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