第1章 施設の設置に関する計画等 第1節 計画概要 萩・長門清掃一部事務組合(以下、 「組合」という。)において、 (仮称)新エネルギー回収推進 施設(以下、 「施設」という。)を建設する予定である。そのため、平成 22 年度から平成 23 年度 において、「廃棄物処理施設生活環境影響調査指針(平成 18 年 9 月、環境省大臣官房廃棄物・リ サイクル対策部)」に基づく内容に準拠し、「生活環境影響調査」を実施するものである。 第2節 施設の設置者の氏名及び住所 氏名:萩・長門清掃一部事務組合 住所:山口県萩市大字江向 510 番地 第3節 施設の設置場所 山口県萩市大字山田字市葉山 2406 他(施設位置は図 1-7-1 参照、造成計画は図 1-7-2 参照。) 第4節 設置する施設の種類 エネルギー回収推進施設(ごみ焼却施設) 第5節 施設において処理する廃棄物の種類 表 1-5-1 に示す一般廃棄物の焼却処理を行う。 表 1-5-1 処理対象廃棄物 種 焼却量(t/年) 厨芥類、ぼろ布、紙くず、木くず、枝木、合成 可燃ごみ 樹脂類等 不燃・粗大ごみ等の資源化 物選別後の可燃物等 合 類 約 24,900 不燃・粗大ごみ等の資源化物選別後の可燃物(木 材、合成樹脂類、木製家具、ふとん、畳、大型 約 1,200 可燃物等)、一斉清掃ごみ 計 - 約 26,100 ※上記(規模 97t/日に相当)以外に、不定期の処理対象物として、災害ごみ(規模 7t/日に相当)、漂着ごみ(発泡スチロールの 浮き・漁網・ポリタンク・ポリ容器等) 、小動物死骸、可燃性複合素材(FRP ボート破片・つり竿・スキー板・トロ箱等) 、一般家 屋の火災後廃棄物(直径φ200mm×2m 以下)の処理を行う。 第6節 施設の処理能力・運転体制 処理能力:104t/24h (2 炉 2 系列) 搬入時間:8:30~16:30(月~土) 運転時間:24 時間 第7節 施設の処理方式 全連続燃焼式ストーカ炉 1-1 (仮称)新エネルギー回収推進施設建設予定地 (以下、本報告書内では「建設予定地」という。) 出典)萩市地形図(1/10,000)を編集 図 1-7-1 施設計画位置図 1-2 出典)萩・長門清掃一部事務組合新清掃工場整備・運営事業要求水準書 図 1-7-2 造成計画図 1-3 第8節 施設の構造及び設備 施設の構造及び設備については、「萩・長門清掃一部事務組合新清掃工場整備・運営事業要求 水準書」(以下、「要求水準書」という。)において下記のとおり示されている。また、ごみ処 理工程を図 1-8-1 に、施設の全体配置図を図 1-8-2 に示す。 なお、図 1-8-2 に示す施設配置図は、建物の寸法についてはメーカ提案の複数案から最大とな る幅である 70m を採用し、施設の向きが未定であることから四方とも同一の寸法とした。煙突の 位置についてはメーカ提案の複数案から平均的な位置を採用した。後述の予測に用いる施設寸法 は、この仮の配置により行った。 受入・供給:ピットアンドクレーン方式、大型可燃物切断機 燃 焼:ストーカ方式 ガ ス 冷 却:水噴射式 排ガス処理:乾式有害ガス除去装置+バグフィルタ 通 風:平衡通風方式 余 熱 利 用:場内熱利用等 給 水: 雨 生活用 ;地下水利用 プラント用 ; 〃 水:貯留し再利用(ただし、未利用分は河川放流) 排 水 処 理: 灰 出 ごみ汚水 ;蒸発酸化処理方式(炉内噴霧処理) 洗車排水 ;施設内再利用(無放流) プラント排水 ;施設内再利用(無放流) し: 焼却灰 ;灰バンカ式もしくはピットアンドクレーン方式で貯留後、 セメント化施設へ搬出 飛灰 ;専用貯留槽に貯留後、セメント化施設へ搬出 1-4 ご み 受入・供給設備 計量機 プラットホーム 投入扉 ごみピット ごみクレーン 前処理装置 灰出設備 灰押出装置 灰冷却装置 灰搬送装置(コンベヤ等) 灰バンカ 粒度選別機 空 燃焼設備 受入ホッパ 給じん装置 燃焼装置(焼却炉) 助燃装置 気 通風設備 押込送風機 二次送風機 燃焼ガス冷却設備 搬 出 (セメント原料化) 水噴射式ガス冷却設備 通風設備 空気予熱器 排ガス処理設備 集じん器 有害ガス除去装置 通風設備 ダスト処理設備 ダスト搬送装置(コンベヤ等) ダスト貯留槽 等 凡 例 :ごみの流れ 誘引送風機 煙突 :排ガスの流れ :空気の流れ 排 気 搬 出 (セメント原料化) 出典)萩・長門清掃一部事務組合新清掃工場整備・運営事業要求水準書 図 1-8-1 ごみ処理工程 1-5 :灰の流れ 敷地境界まで約 15m 煙突 高さ 28m 寸法 70m×70m 出典)要求水準書添付図面上に、メーカ提案資料を参考に作図 図 1-8-2 施設全体配置図 1-6 第9節 公害防止対策 1. 公害・事故防止のための対策 計画施設における主な公害・事故等防止対策は、表 1-9-1 に示すとおりである。 表 1-9-1 公害・事故防止のための対策 公害防止項目 排ガス対策 対 策 ダイオキシン類などの有害物質やばいじんを除去し、大気汚染防止法やダイ オキシン類対策特別措置法に定められる規制基準に十分対応できる排ガス処理 設備を設置する。 振動対策 振動が発生する機械設備は、振動の伝播を防止するため独立基礎、防振装置 を設けるなど施設外部への振動の伝播を防止する措置を講じる。さらに、低周 波振動についても十分に配慮する。 騒音対策 騒音が発生する機械設備は、低騒音型の機器を積極的に選定することとし、 必要に応じて防音構造の室内に収納し、騒音が外部に洩れないようにする。ま た、排風機・ブロワ等の設備には消音器を取り付けるなど、必要に応じて防音 対策を施した構造とする。 悪臭対策 ごみは、ごみピットを屋内に設置し貯留する。また、ピット室内の悪臭を含 んだ空気を吸引し燃焼用空気として焼却炉内に送風し、悪臭物質を高温分解す る。さらに、全休炉時の臭気対策として脱臭設備を設置する。 排水対策 水資源の有効利用の観点からプラント系排水及び生活系排水は、排水処理設 備で処理した上で施設内で再利用する方式(場外無放流)とする。 雨水(屋根排水を含む)は貯留槽で貯留し、極力再利用を図り、構内道路等 の雨水は雨水調整池に導入後、河川に放流する。 設備から発生する各種の汚水は、排水処理設備に送水して処理する。 安全対策 設備機器の配置、建設、据付はすべて労働安全衛生法令及び規則に定めると ころによるとともに、施設には、運転・作業・保守点検に必要な歩廊、階段、 手摺及び防護柵等を完備する。 災害対策 消防関連法令及び消防当局の指導に従って、火災対策設備を設ける。また、 万一の火災に備え、大型可燃物切断機、排出コンベヤ等に散水設備を設ける。 1-7 2. 施設計画値 本施設は、公害関係法令及びその他の法令に適合し、これらを遵守し得る構造設備とする。 本施設は、大気質、騒音、振動、悪臭の公害防止に関し、法で定めた値よりも厳しい値(施設 計画値)を設定しており、表 1-9-2 に示すとおりである。 表 1-9-2 施設計画値 項目 硫黄酸化物(SOx) 窒素酸化物(NOx) 塩化水素(HCl) ばいじん ダイオキシン類 朝 : 6時~ 8時 大 気 質 騒 音 施設計画値 50 ppm以下 100 ppm以下 200 mg/Nm3以下 0.01 g/Nm3以下 0.1ng-TEQ/m3N以下 65 dB(A)以下 関連法による規制基準値等 K値17.5以下 250 cm3/m3N以下 700 mg/Nm3以下 0.08 g/Nm3以下 1ng-TEQ/m3N以下 - 昼間 : 8時~18時 65 dB(A)以下 - 夕 :18時~21時 65 dB(A)以下 - 夜間 :21時~ 6時 55 dB(A)以下 65 dB以下 60 dB以下 1 ppm以下 0.002 ppm以下 0.02 ppm以下 0.01 ppm以下 0.009 ppm以下 0.005 ppm以下 0.05 ppm以下 0.05 ppm以下 0.009 ppm以下 0.02 ppm以下 0.009 ppm以下 0.003 ppm以下 0.9 ppm以下 3 ppm以下 1 ppm以下 10 ppm以下 0.4 ppm以下 1 ppm以下 0.03 ppm以下 0.001 ppm以下 0.0009 ppm以下 0.001 ppm以下 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 昼間: 8時~19時 夜間:19時~ 8時 アンモニア メチルメルカプタン 硫化水素 硫化メチル 二硫化メチル トリメチルアミン アセトアルデヒド プロピオンアルデヒド ノルマルブチルアルデヒド イソブチルアルデヒド 悪 ノルマルバレルアルデヒド 臭 イソバレルアルデヒド イソブタノール 酢酸エチル メチルイソブチルケトン トルエン スチレン キシレン プロピオン酸 ノルマル酪酸 ノルマル吉草酸 イソ吉草酸 振 動 備考)1. 2. 3. 4. 粉じん、ばい煙の規制基準値は大気汚染防止法による。 騒音の規制基準値は騒音規制法による。 (建設予定地の周辺は区域指定なし) 振動の規制基準値は振動規制法による。 (建設予定地の周辺は区域指定なし) 悪臭の規制基準値は悪臭防止法による。 (建設予定地の周辺は区域指定なし) 1-8 基準設定位置 煙突出口 敷地境界 敷地境界 敷地境界 第10節 搬入計画 1. 搬入経路 建設予定地の南側において、萩・三隅道路の明石・萩間が平成 23 年 9 月より供用開始され、 本施設への搬入車両はこの道路を利用し、付近の三見 IC から降りた後、本施設までは既存林道 を拡幅し搬入道路として利用する予定である(図 1-10-1 参照)。 2. 搬入計画 本施設におけるごみの搬入計画は、表 1-10-1 に示すとおりである。 表 1-10-1 ごみの搬入計画 収集区域 収集車 萩市・長門市・阿武町 可燃ごみ: 2~4t パッカー車 (50 台/日程度) 不燃・粗大ごみ等の可燃物搬入車両: 4t アームロール車、4t ユニック車 (2~3 台※/日程度) 直接搬入: 乗用車、軽トラック、2t トラック、4t ユニック車など (150 台/日程度) 備考)1 日当りの計画焼却量から推定したもの。 1-9 国道 191 号 一般道路 萩・三隅道路 搬入路(建設中) 建設予定地 IC 出典)萩市地形図(1/10,000)を編集 図 1-10-1 萩・三隅道路計画図 1-10 第11節 用水・排水計画 1. 用水計画 事業計画では、用水は、組合が敷地内に設置する井戸の地下水を利用することとなっている。 2. 排水計画 事業計画では、プラント系排水は施設内で再利用(無放流)することとなっている。 1-11
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