国際印刷大学校研究報告 第9巻 2009年3月 目 次 巻頭言 創立10周年を迎えるにあたり 木下 堯博 1 木下 堯博、鄭 国海 李 源和、李 忠植 2 論 文 高濃度印刷画像に関する研究(第5報) ─ 新規高濃度インキによる色再現 ─ 高濃度印刷の色域 三浦 澄雄 9 数値計算による印刷でのカラーマネージメント 野中 通敬 13 アメリカ大陸の印刷術の伝播とベンジャミン・フランクリン (4) 松久 卓 16 中国における印刷の歴史(1) 印刷はどのようにして誕生したか 松根 格 20 要旨抜粋 1 Joint Event 報告会(PAGE2009) サービスサイエンスとMOT インクジェット印刷の色再現(第2報) 24 若生 彦治 木下 堯博 要旨抜粋 2 日本印刷学会中部支部 2009 年春季印刷技術セミナー (2)高色域印刷画像の展望 28 木下 堯博 平成20年度 国際印刷大学校主たる活動記録 平成21年度 国際印刷大学校カリキュラム 平成21年度 印刷産業における電子商取引の eーラーニングによる研修 渡航及び主たる活動記録 国際印刷大学校規定 賛助会員名簿 国際印刷大学校賛助会員加入の申込書 商いは 高利をとらず 正直に よき品を売れ 末は繁盛 菊全判8色両面兼用機…1台 菊全判5色機……………1台 菊半裁判5色機…………1台 大阪府品質管理推進認定企業 富士精版印刷株式会社 本社/工場 〒532-0004 大阪市淀川区西宮原2丁目4番33号 ☎(06)6394-1181㈹ FAX(06)6394-1199 ■市 島 工 場 ■東京富士精版印刷株式会社 〒669-4342 兵 庫 県 丹 波 市 市 島 町 矢 代 字 才 上 3 7 7 - 1 〒105-0014 東 京 都 港 区 芝 2 丁 目 1 2 番 1 0 号 タカナミビ ル ☎(0795)85-1488 ☎(03)3451-5991㈹ http://www.fujiseihan.co.jp FAX(0795)80-3005 FAX(03)5440-7685 創立10 周年を迎えるにあたり■ 巻頭言 創立10周年を迎えるにあたり 木 下 堯 博 On greeting the tenth anniversary foundation Akihiro KINOSHITA お陰様で、2009 年 3 月に国際印刷大学校研究報告(第 9 巻)を刊行することが出来ました。 ひとえに国際印刷大学校 石川 忠理事長と賛助会員様、更に、ご支援を頂いた各企業の 皆様、客員教授の各位のご協力の賜物と感謝しています。本年で創立 10 周年を迎えるにあ たり、印刷産業及び関連産業の発展に一層、邁進いたします。 2008 年 12 月 18 日、日本経済新聞の主催による帝国ホテルでの「オバマ政権と日米同盟」 と題した講演会では、世界のダイナミズムはアジアに移行していき、ユニバーサルバリューの 追求が重要である。更なる、グローバリゼーションの中で、国際協力が G8 → G20 → IMF → 世銀の協調により金融危機の解決が必要である。また、日米同盟を機軸として韓国、中国、 インドへの対応が重要となり、次世代のための環境を中心としたエコディール計画の技術開 発への投資は必然であるようにみられた。 2008 年 11 月 7 日、韓国印刷学会秋季研究発表会で「環境と印刷産業」のテーマで講演を 依頼され、drupa2008 での環境フォーラム、環境対応出展などを中心として更に、2007 年 4 月から 1 年半にわたり斗山東亜㈱で実践した環境と 4S 活動「MDC 印刷改善活動」の成果 を共同で発表した。 本学の使命は、印刷及び関連分野の教育と研究であり、教育は e −ラーニングで個々の技 術レベルの向上と市場の技術・新商品動向を的確に把握するために 22 名の客員教授が専攻 別に分担している。印刷産業における人材育成は OJT、Off -OJT などの他、各企業の経営 状況などから印刷教育の方法論の模索が続けられている。また、ノウハウの蓄積、伝承の暗 黙知は営業などのサービス部門で定量化していく必要があろう。印刷産業は製造業とサービ ス業の二面性を有し、クライアントに対するサービスの提供が重要であり、サービスによる 顧客満足度を数値化し、報酬制度と連動させ実績評価を顧客満足度と利益の積で表すよう な定量的研究も大切である。サービス科学の分野は 2008 年から文部科学省、経済産業省で 委員会を立ち上げ検討を続けているが、各大学や研究所でも Service Science, Management & Engineering(SSME)としての研究が開始されている。 本学では 2009 年 10 月から印刷産業におけるサービス科学の開講のための準備を始めた。 また、現在開講している学科目(約 40 学科目)のうち、基本となる学科目を特論として、 並列開講し、大学院レベルの教育を行うことが 2008 年の総会で決定された。 詳しくは国際印刷大学校の月1度の HP(www.media-igu.com)の更新をご参照願います。 1 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) 木 下 堯 博*1、 鄭 国 海、 李 源 和 、 李 忠 植*2 高濃度印刷画像に関する研究(第5報) ─ 新規高濃度インキによる色再現 ─ Studies on Offset Printing for the High Pigment Ink (Part 5) −Color Reproduction by Newly High Density Ink− Akihiro KINOSHITA *1, Kook Hae CHUNG, Woo Hwa LEE & Chung Sik LEE *2 Abstract The high density ink for four sheet fed offset printing was announced by BASF in IPEX2002. It is added improvement, and the ink has been in present. The high density ink is sold by each maker and has a variety of characteristic each now. Authors requested the newly high density ink to Korea Special Ink Co. and had used the ink in this time. We have printed Doosan test chart and compared it with other high density print image, and obtained the results as follows; (1) Doosan High Density Print(DHDP) has higher chroma value than Doosan Standard print(DSP). (2) In case of comparison DHDP with JCP2001 in chroma, DHDP has good chroma on Magenta, Blue and Cyan, and then JCP2001 improves in Yellow and Green. (3) The HA tendency of DHDP was the same as DSP, but showed higher than 6 8 degrees for JCP2001 & Nova Space in Green and Cyan . (4) The dependence of the color difference ( Δ E) in DHDP depended on HA in Blue (Δ E = 6.1) with the DSP, and c* in Green ( Δ E = 10) with JCP2001. (5) Print image sensory evaluation was higher in DHDP than DSP as a result of test. 1.はじめに 枚葉オフセット 4 色高濃度インキ(Nova Space)は IPEX2002(2002 年 4 月)で BASF(ド イツ)から世界に向け始めて発表された。 著者は 2002 年 10 月にこの Nova Space により三菱重工業㈱でテスト印刷を行い、その結果、 (1) これらの報 IPEX 会場の現地でハイデルベルグ機で印刷した画像よりも良好な結果を得た。 告は国際印刷大学校研究報告第 3 巻(2003)に掲載されている。この 4 色印刷画像はグラビア 印刷画像よりも色域が高く、通常の 4 色オフセット印刷画像よりも約 30%色域が高くなった。 官能検査でも人物(ISO400) 、スポーク (ISO400)を対象として一対比較で調査したところ、三菱 2 高濃度印刷画像に関する研究(第5報)─新規高濃度インキによる色再現─■ 重工業で印刷した高濃度印刷画像は立体感が Table1 Terminology Explain of Used Words あり、彩度が高い画像であることが証明された。 in the Experiment & Abbreviation Nova Space はその後、改良され、現在は Words Abbreviation 1 Doosan High Density Print DHDP 2 Doosan Standard Print DSP 3 BASF Nova Space NS 4 Japan Color Print 2001 JCP 5 Mitsubishi High Density Print Mi 6 Color Difference ΔE 業㈱(DIC)は商品名「湧き水」など高濃度 7 Lightness L* 印刷に関する研究と開発が進展している。 8 Chroma c* 9 Hue Angle HA アメリカの Flint Ink が取り扱っている。 2005 年から国内のインキメーカーが 4 色高 濃度インキをリリースしている。東洋インキ 製造㈱は商品名「カレイド」 、大日本インキ工 著者は 2007 年 11 月、韓国印刷学会秋季研 究発表会(釜慶大学校)で RI テスターなど (2) (3) を用い通常インキの高濃度域のメカニズムに関し測色学的な考察を行った。 韓国における印刷インキの標準化の検討過程で 4 色「高濃度インキ」の製作を依頼し、 2007 年 12 月に完成、2008 年 1 月に印刷テストの打ち合わせ、2008 年 3 月に標準インキと (4) 共にこの新規の「高濃度インキ」による実用テスト印刷を実施した。 2.印刷テスト方法と計測 高濃度印刷テストにはオフセット枚葉印刷機(小森リスロン 5 色機)を使用し、印刷イン キは韓国特殊インキ工業㈱で調合製作された Cyan、Magenta、Yellow、Black の「高濃度 (5) 印刷用紙は両面アート紙(120g/m2) 、 CTP はコダック社サーマルタイプ、 インキ」を用いた。 湿し水はノンアルコールを用い、印刷速度は 14,000RPH で印刷した。印刷順序は K、C、M、 Y の順で、Doosan Test Form(HP 参照)を標準インキ 3000 枚、高濃度インキ 2000 枚を、 順次 PDC-S(小森)で基準濃度 C=1.55、 M=1.50、 Y=0.95、 K=1.85(斗山印刷の基準濃度値) をターゲットとしてチェックしながら、印刷を遂行した。 印刷終了後、2 時間を経て、高濃度印刷画像(Doosan High Density Print)と標準印刷 画像(Doosan Standard Print)とを X-Lite530S で L*、a*、b* を計測し、解析をした。本論 文で使われている省略語について表1にまとめた。インキ色に関しては原色インキ Cyan (C) 、 Magenta(M) 、Yellow(Y) 、Black(K)と二次色の Blue(B) 、Green(G) 、Red(R)とした。 3.結果及び考察 3 − 1 高濃度印刷画像(DHDP)と標準印刷画像(DSP)の彩度値 ②標準印刷の 3000 枚印刷終了後、 ①高濃度インキに巻き変えて同一標準濃度値をターゲッ トとして 2000 枚の印刷を行った。①高濃度印刷(DHDP) 、②標準印刷(DSP) 、③三菱重 工業での印刷(Mi) 、④ Nova Space(NS)の印刷、⑤ Japan Color Print 2001(JCP)の L*、a*、b* 値から c* 値を求めた。その結果を表2に整理し、各 a*、b* 値から色度図をまとめた。 その色度図を図1から図4まで示す。 3 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) Table 2 L*, a*, b* data of DHDP, DSP, Mi, NS & JCP Doosan HDP, SP, JCP2001 Color Gamut ー7 100 ー3 80 Doosan HD C M Y B G R D Standard C M Y B G R Mitsubishi C M Y B G R Nova S C M Y B G R JCP2001 C M Y B G R L* 52.0 47.0 85.9 22.9 45.3 46.8 L* 52.8 46.5 86.1 25 46.8 46.2 L* 51.1 49.3 88 21 44.1 48.6 L* 50 48 85 21 43 47 L* 54.0 45.0 86.0 24.0 49.0 45.0 a* −31.7 74.4 −3.2 18.9 −66.1 67.7 a* −32.3 74.0 −4.1 13.7 −65.3 67.7 a* −42.9 78.2 −7.2 29.6 −76.2 67.9 a* −42 78 −3.1 25 −70 68 a* −36.0 72.0 −7.0 16.0 −70.0 66.0 b* −55.7 −7.7 88.9 −52.3 17.6 45.7 b* −55.3 −6.2 84.4 −50.0 14.0 41.1 b* −47.1 −16.0 99.2 −58.7 26.1 54.4 b* −46 −12.3 106 −54 26 51 b* −49.0 −5.0 92.0 −49.0 26.0 49.0 ー4 c* 64.1 74.8 89.0 55.6 68.4 81.7 c* 64.0 74.3 84.5 51.8 66.8 79.4 c* 63.7 79.8 99.5 65.7 80.5 87.0 c* 62.3 78.5 105.9 59.2 74.2 85.1 c* 60.8 72.2 92.3 51.5 74.7 82.2 60 b* ー 70 40 ー 66 ー 65 20 − 80 72 74 − 60 − 40 100 ー 36 ー 32 ー 3.2 Fig.1 Color Gamut of Doosan High Density Print(DHDP), Doosan Standard Print(DSP) & Japan Color Print2001(JCP) Color Gamut of DHDP & DSP 100 ー 3.2 DHDP SP ー 4.1 80 60 67.7 67.7 40 ー 66.1 b* 20 74.0 ー 65.3 − 80 − 60 − 40 20 − 20 40 60 − 40 ー 32.3 31.7 100 13.7 18.9 − 60 − 80 80 74.4 − 20 a* Fig.2 Color Gamut of Doosan High Density Print(DHDP) & Doosan Standard Print(DSP) Color Gamut of DHDP & NS 120 100 DHDP NS ー 3.1 60 20 40 60 b* 80 100 74.4 − 20 68 67.7 40 ー70 − 20 20 74.4 ー66.1 − 80 − 60 − 40 − 20 20 40 − 20 16.0 − 40 ー 36.0 18.9 − 60 a* Fig.3 Color Gamut of Doosan High Density Print(DHDP) & Japan Color Print 2001(JCP) 60 80 100 78 − 40 ー42 ー31.7 − 80 Doosan HDP SP JCP2001 16 19 a* 72.0 ー 31.7 100 80 40 − 40 ー 32 80 14 − 80 20 − 60 60 74 − 60 66.0 67.7 ー 66.1 − 80 40 ー3.2 60 b* 20 − 40 DHDP JPC2001 80 ー 70.0 − 20 − 20 Color Gamut of DHDP & JCP2001 ー 7.0 66 68 68 − 60 − 80 18.9 25 a* Fig.4 Color Gamut of Doosan High Density Print(DHDP) & Nova Space Print(NS) 図1は①高濃度印刷、②標準印刷、③ JCP2001 の色度図を示す。実線が①高濃度印刷、 点線が ②標準印刷、一点鎖線が ③ JCP のそれぞれの色度図である。②標準印刷が最も内側 に位置し、この 3 点の印刷画像中、色域が最も狭かった。次いで ③ JCP2001 が Y ∼ G 間で 4 高濃度印刷画像に関する研究(第5報)─新規高濃度インキによる色再現─■ は色度の広がりを見せているが、①高濃度印刷は M ∼ B ∼ C 領域で色域拡大傾向にあった。 図2は①高濃度印刷(実線)と②標準印刷(点線)の色度図で高濃度印刷がやや広がりを 見せている。図3は①高濃度印刷(実線)と⑤ JCP2001(点線)を示す。先に述べたように、 JCP では Y ∼ G 間に広がりがあるが、M ∼ B ∼ C では Doosan での高濃度インキ印刷のほ うが彩度値は高い。 図4の①高濃度印刷(実線)と④ Nova Space(点線)との比較では NS が R ∼ Y ∼ G の暖色系で彩度が高く、①高濃度印刷では M ∼ B ∼ C 系が色域拡大傾向にある。 これらの a*、b* 値から彩度値を求め、更に他の印刷画像結果(Heidelberg Wide Color、 TOYO Kaleido、Doosan Web Offset)も加えて、彩度値一覧にまとめると表3のようになる。 平均値で比較するとオフ輪の結果が彩度最小値(65.5)となり、彩度最大値(81)は東洋イ ンキ製造㈱のカレイドとなった。①高濃度印刷の彩度値の平均は(72.3)となり、②標準印 刷(70.2) 、⑤ JCP2001(68.8)より高くなった。 色度値から色相角度(HA)を算出すると表4が得られた。①高濃度インキ画像(Doosan High Density Print、DHDP)の HA を基 準としてそれぞれの差を確 認 すると、Red は ① DHDP(34 度)よりも③ Mitsubishi、④ Nova Space、⑤ JCP が 2 ∼ 4 度高くなった。 Yellow(92 度)は① DHDP から③ Mitsubish、⑤ JCP が約 2 度程度高く、① DHDP は若干、 Red 寄 り で あ る。 ① DHDP の Green(165.1) は ③ Mitsubishi、 ④ Nova Space、 ⑤ JCP とも 4 ∼ 5 度低くなり① DHDP は Cyan 寄りとなった。① DHDP の Cyan(240.4)は③ Mitsubishi(228) 、④ NovaSpace(228)で 12 度低く最大の差となり、⑤ JCP(234)では 6 度低くなり、① DHDP は Cyan 寄りとなった。① DHHP の Blue(289.8)は③ Mitsubishi, ④ Nova Space ともに 5 ∼ 7 度高くなり① DHDP は Cyan 寄りとなっている。Magenta (354.1) は③ Mitsubishi、④ Nova Space ともに 3 ∼ 6 度低くなった。③ Mitsubishi、④ Nova Space はともに同一インキを利用しているので、色相角は同一方向性を有し、① Doosan High Density と② Standard との画像は多少 HA の差があってもほぼ同一の色相角(HA)を有し ていた。従って今回の新規高濃度インキは標準インキをベースとして寒色系の高彩度化、光 沢などの高機能性が加えられているものと判断される。 Table 3 Comparison with Chroma(c*) of DHDP, DSP & Several Print Image Table 4 Hue Angle (HA) of DHDP, DSP, Mi, NS & JCP Comparison on Chroma(c*) of Doosan High Density printing c* C Doosan Doosan Doosan Doosan JCP Nova Wide Kaleido HD S LR27 Web 2001 Space Color (1000) 64 64 63 53 61 62 64 65 HA DHDP DSP Mitsubishi Nova JCP Space 2001 R 34 31.5 38.7 37.2 36.6 92.0 92.7 94.1 91.6 94.3 M 75 74 73 69 72 79 75 81 Y Y 89 85 89 84 72 106 95 99 G 165.1 167.9 161.1 159.8 159.6 B 56 52 50 48 52 59 53 73 C 240.4 239.7 227.7 227.6 233.7 G 68 67 68 65 74 74 75 81 R 82 79 80 74 82 85 82 87 B 289.8 285.3 296.7 295.1 288.0 M 354.1 355.2 348.4 351.0 356.0 Ave 72.3 70.2 70.5 65.5 68.8 77.5 74.0 81.0 5 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) 3 − 2 高濃度インキ画像による各印刷画像の色差 ① Doosan High Density 印刷画像と各画像 ② Doosan Standard(DS) 、 ③ Mitsubishi(Mi) 、 ④ Nova Space(NS) 、⑤ JCP の L*、a*、b* 値から色差値(Δ E)を算出した。 その結果は表 5 にまとめた。色差の平均値をまとめると② DS(3.61)<⑤ JCP(5.98)< ④ Nova Space(9.74)<③ Mi(11.59)の順に大きくなった。③ Mi と④ Nova Space 系では Cyan、Yellow、Green がいずれもΔ E = 10 以上と大きく各色とも色差の値に共通性が見 られる。⑤ JCP とでは Cyan(8.21) 、Green(9.97)と色差が大きくなり、② DSP(Doosan Standard Print)では Blue(6.06)の色差が大きくなった。② DSP と③ Mi、④ NS、⑤ JCP との 6 色の相関係数は表 5 に示すようにマイナス又はゼロに接近し相関がみられず、それに 対して③ Mi と⑤ JCP との 6 色の相関係数がγ= 0.77 と高く、③ Mi は⑤ JCP をターゲット として高濃度印刷や一般印刷を行っていることがわかった。 図 5 には① DHDP から② DS、 ③ Mi、 ④ NS、 ⑤ JDP での各色の色差についてグラフ化した。 ① DHDP と② DS との色差は各色とも低く、① DHDP と④ Nova Space との色差のうち Yellow が最も大きく 16.94 となった。Yellow の色相に関しては韓国で Reddish、Greenish Yellow が存在し、a* 値の設定がインキの厚みとともに Red や Green に影響を与えることが (3) 前回の調査でわかっている。 ここでの④ NS の Yellow の彩度値が表 6 で示すようにマイ ナス 16.9 もあることから NS のインキ特性が考えられる。この平均色差と c*、L*、HA の差 の平均と比較も表 7 から得られる。① DHDP と③ Mi との平均色差値(11.6)は c* 値との 差が(−7.1)が大きい。また、④ Nova Space との色差Δ E = 9.7 は c* 値の差(−5.3)とな り、色差の大きさはトータル的に彩度に依存していることがわかった。 色差値(6 色)の基本統計を計算すると表 8 が得られる。① DHDP と② DS との色差範囲 = 4.98 と最も小さくなった。また、④ Nova Space との色差範囲 = 11.39 と最も大きくなり、 色差最大値はΔ E = 16.94 となった。 色差の c*、L*、HA の依存性について表 6 にまとめた。色差値では① DHDP と② DSP は Table 5 Color Difference ( Δ E) of DHDP for DSP, Mi, NS & JCP Each Color ΔE for Doosan High Density Print DS Mitsubishi Nova Space JCP2001 18 Doosan HD Mitsubishi Nova Space JPC2001 14 C 1.08 14.15 14.37 8.21 1.63 9.41 5.55 4.13 Y 4.59 11.25 16.94 4.91 B 6.06 12.61 6.62 4.53 6 G 3.98 13.26 9.20 9.97 4 R 4.34 8.89 5.78 4.13 2 *γ −0.068 −0.156 −0.274 0 *γ 0.490 0.767 *γ 0.333 11.59 9.74 5.98 3.61 16.9 16 M Ave. 6 DS 14.4 12 ΔE 10 8 10 8.2 6.6 5.6 4.1 4.9 9.2 6.1 5.8 4.6 4.5 Y B 4 4.3 4.1 G R 1.1 1.6 C M C, M, Y, B, G, R Fig.5 Each Color Difference(Δ E) of Doosan Standard(DS), Mitsubishi(Mi), Nova Space(NS) & Japan Color Print2001(JCP) for Doosan High Density Print(DHDP) 高濃度印刷画像に関する研究(第5報)─新規高濃度インキによる色再現─■ Table 6 Dependence of Color difference on Lightness(L*), Chroma(c*) & HA ΔE L* HD-S S C 1.1 −0.8 M 1.6 0.5 Y 4.6 −0.2 6.1 B −2.1 4.0 G −1.5 4.3 R 0.6 3.6 Ave. −0.6 ΔE L* Doosan HD JCP2001 HD-JS C 8.2 −2.0 M 4.1 2.0 Y 4.9 −0.1 B 4.5 −1.1 G 10.0 −3.7 R 4.1 1.8 Ave. 6.0 −0.5 ΔE L* Doosan HD Mitsubishi HD-Mi 14.1 0.9 C 9.4 −2.3 M 11.2 −2.1 Y 12.6 1.9 B 13.3 1.2 G 8.9 −1.8 R 11.6 −0.4 Ave. ΔE L* Doosan HD Nova Space HD-NS 2.2 14.4 C −0.6 5.6 M 0.9 16.9 Y 1.7 6.6 B 9.2 2.6 G 5.8 −0.2 R 9.7 1.1 Ave. Doosan HD c* HD-DS 0.0 0.5 4.5 3.8 1.6 2.3 2.1 c* HD-JS 3.3 2.6 −3.3 4.1 −6.3 −0.5 0.0 c* HD-Mi 0.4 −5.0 −10.5 −10.1 −12.1 −5.3 −7.1 c* HD-NS 1.8 −3.7 −16.9 −3.6 −5.8 −3.5 −5.3 HA HD-S 0.6 −1.1 −0.7 4.5 −2.8 2.5 0.5 HA HD-JS 6.7 −1.9 −2.3 1.8 5.5 −2.6 1.2 HA HD-Mi 12.7 5.7 −2.1 −6.9 4.0 −4.7 1.4 HA HD-SN 12.8 3.1 0.4 −5.3 5.3 −3.2 2.2 Table 7 Average Color Difference(ΔE) of DSP, JCP, Mi & NS Doosan HD ΔE ΔL* Δc* ΔHA S Ave. 3.6 −0.6 2.1 0.5 JCP Ave. 6.0 −0.5 0.0 1.2 Mitsu Ave. 11.6 −0.4 −7.1 1.4 Nova Ave. 9.7 1.1 −5.3 2.2 (Δ=Doosan High Density-) Table 8 Statistics Data of Each Color Difference Table8 Dependence of Color Difference on Lightness(L*), Chroma(c*) & HA ΔE Doosan HD DS Mitsubishi Nova Space JPC2001 Average 3.61 11.59 9.74 5.98 Range 4.98 5.26 11.39 5.85 Min 1.08 8.89 5.55 4.13 Max 6.06 14.15 16.94 9.97 Total 21.69 69.56 58.46 35.87 色差値の高い B のΔ E = 6.06 は彩度値(3.8)と明度値(−2.1)に依存していた。① DHDP と平均色差値(Δ E = 11.59)の高い③ Mi との比較では C のみは HA の差 12.7、Y、B、G は彩度値の差(−10.1 から−12.1 まで)に依存していた。③ Nova Space 系では Cyan の色 相角の依存を除き色差は彩度に依存していることがわかった。従って① DHDP では C ∼ B ∼ M 系で彩度が高いことから C、M のドットゲイン値の基準よりもやや大きくすることで、 彩度値は増大し、一層の高色域の印刷画像が製作できるであろう。 3 − 3 色調図と官能検査 新規の 4 色高濃度インキの① Doosan High Density Print と② Doosan Standard Print 色 調図及び① Doosan High Density Print と④ Nova Space の色調図では① Doosan HDP が Yellow と Blue で彩度が高く、明度は若干低くなった。④ Nova Space が Yellow 部で彩度 がかなり高く、明度は低いことがわかった。 しかし、 Cyan 部では① Doosan High Density Print が彩度値で高く、 新規の 「高濃度インキ」 は主として Cyan 系の彩度を改良するために力点があったものと考えられる。これは東洋イ ンキ製造㈱のカレイドの色域の方向性に類似しているものと思われる。 7 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) ① Doosan High Density Print と② Doosan Standard Print の官能検査を行った結果、静 物画像のミシン部の光沢が① Doosan High Density Print が高く、ミシン部にあるスケール の目盛りがくっきりと再現されていた。 画像下部にある花の画像は① Doosan High Density Print がやや立体感があり、 女性のポー トレート写真のイアリングに輝きがあった。このように Cyan 系を中心とした画像に新規高 濃度インキの効果があったものと推定される。 4.まとめ 新しく調整した 4 色高濃度インキでの印刷では① Doosan High Density Print(DHDP) が② Doosan Standard Print(DSP)よりも彩度(c*)が高くなり、 特に Blue 系が高くなった。 官能検査でも立体感や細部の再現が良好になった。 ① DHDP と⑤ JCP2001 の比較では前者は Magenta、Blue、Cyan 系が改良されたが、⑤ JCP は Yellow、Green が良好であった。 ① DHDP の HA は② DSP と同一傾向にあったが、① DHDP は Green と Cyan が④ NS や⑤ JCP よりも 6 ∼ 8 度 Blue 系にシフトし、寒色系に立脚しているものと思われる。 ① DHDP との色差の依存性は主として彩度(c*)に依存していて、② DSP では Blue が c* と HA、③ Mi と④ NS では Cyan が HA に依存し、Yellow が彩度に依存していた。 これらの結果から各色(C、M、Y)とも濃度基準値を若干上昇させることにより、④ NS に (6) 接近した高濃度画像が得られることと推定される。 また、すでに報告(3)したように GCR などにより、C、M、Y 版の一部を K 版に置き換え ることにより、シャドウ部の広がりが出て総合的に色域の拡大が可能であろう。 (謝辞)高濃度インキを製作・調整し、御提供頂いた、韓国特殊インキ工業㈱南基星社長は じめ同社の皆様に大変お世話になりました。また、オフセット枚葉インキの標準化 に関し、いろいろと助言を頂きました。ここに感謝の意を表します。 参考文献 (1)木下堯博;高濃度印刷画像に関する研究(第1報) 、 国際印刷大学校研究報告第 3 巻(2003 年 3 月) (2)木下堯博、鄭国海;高濃度印刷画像に関する研究(第 3 報) ̶ 高濃度域インキ展色テスト ̶、国際印刷大学校研究報告第 7 巻(2007 年 3 月) (3)鄭国海、李源和、李忠植、木下堯博;高濃度印刷画像に関する研究(第 4 報) ̶ 色再現と色域拡大 ̶、韓国印刷学会秋季研究発表大会(釜慶大学校、2007 年 11 月 9 日) (4)新規高濃度インキの印刷技術ついて検討。 (斗山印刷、2008 年 1 月 30 日) (5)韓国特殊インキ工業㈱の協力で新しく高濃度インキを製作。 (2007 年 12 月) (6)最終高濃度印刷画像のデータの検討。 (斗山印刷、2008 年 3 月 26 日) Doosan Test Form は国際印刷大学 HP を参照して下さい。 *1 国際印刷大学校 日本国東京都東村山市青葉町 2-29-12 〒189-0002 *2 斗山東亜㈱ 韓国京義道安山市壇園区木内洞 475 番地の 1 〒425-100 8 高濃度印刷の色域■ 三 浦 澄 雄 高濃度印刷の色域 The gamut of density color printing Sumio MIURA 1.序 印刷物の品質は向上し、消費者の品質願望を大体満足させているが、さらに品質向上の努 力は続いている。カラー印刷物の品質はカラーマネジメントが型を整えた現在、問題は印刷 で表現出来る色の範囲、色域をいかに拡大させるかにかかっている。 色域の拡大のためにいくつかの努力がなされてきた。一つは印刷物濃度を上げることによ り、二つめは CMYK の 4 色インキの他に 2 色あるいは 3 色のインキを加えることによって 色域を拡大した。また FM の階調再現法によってもハイライト部の色域を拡大することが出 来た。 印刷物濃度が不足すると吸収されるべき色光が反射光の中に含まれるために色の彩度が 低下して色域がせまくなる。たとえば C インキは R 光を吸収して G 光、B 光を反射すべき ものであるが印刷物濃度が低いと R 光の吸収が充分に行われず、C(G + B)光に R 光が反 射光に加わるために彩度が低下することになる。 印刷物濃度は印刷されたインキ膜厚あるいは印刷インキの顔料化によって決定される。オ フセット印刷の初期は用紙上に転移されるインキ量が不足してインキ膜厚が薄くなり迫力の ないカラー印刷物であった。その後、用紙、インキの改良が進み高品質のカラー印刷物を刷 り出すようになった。しかし現在の印刷技術ではこれ以上インキ膜厚を増加させることは無 理な状況である。 これ以上のインキ膜厚増加が無理だとすると次に考えられるのは顔料化の高い高濃度イン キである。光の吸収は顔料によって行われるので、同じインキ膜厚でも顔料の量が多いとそ れだけ吸収が完全になり彩度の高い色の再現が可能になる。 高濃度インキがいくつか発表されているので高濃度インキによって色域がどれだけ拡大す るかを調査するのが本稿の目的である。 2.資料 今回の調査で使用したデータはある印刷会社が一般に使われているプロセスインキと高濃 度のプロセスインキを使って ISO で定めたカラーチャートをオフセット印刷をし、 そのチャー トを測色したものである。 印刷条件については不明であるが、どちらのインキの場合でも最適の印刷条件で印刷され ているので高濃度インキの解析に充分であると考えられる。 ISO で定めたカラーチャートは 1617 色のチャートで印刷インキの色域を調査するのに色 9 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) Y b* L* 50 b R 50 20 G −40 −20 0 20 a a* 50 a:YにKを加える b:YにBを加える M −30 B C 高濃度インキ 一般インキ 図 1. 色度図上の色域 50 c* 図 2. Y の明彩度曲線 の分布が適当になされていると考えられる。 最近測色計の測色データのバラツキが問題にされているが処理データを増やすことによっ て正確さを期した。 3.色域の表し方 カラー印刷物の色域を調べる方法として色度図上に C、M、Y の色度値 3 点と R(M + Y) 、 G(Y + C) 、B(C + M)色度値の合計 6 点を a *、b *色度図上にプロットする。その 6 点 を直線で結んで出来た六角形の面積をカラー印刷物の色域とするものである。 (図 1) 色度図上の色域はそれぞれの色相の最高彩度を示すものでカラー印刷物の色域を表すの に充分でない。ある色を再現する場合、中間の明るさだと最高彩度を再現できるがハイライ ト、シャドウでは最高彩度を再現出来ない。 図 3 の明彩度図のように色が明るくなったり、暗くなったりするとその色の彩度が低下す る。図 3 は横軸に彩度(c *)を、縦軸に明度(L *)をとったものである。明度が明るくなっ ても暗くなっても彩度が落ちる。彩度 c *は図 1 の色度図で原点から色のプロット点までの 距離で、c *= の式で求めることができる。 図 2 は黄色の明彩度図のシャドウ部を表したものである。黄色の色相を変えずに一定に して明度を落とすには黄版のベタに墨版を加えればよい。この時明度が落ちると同時に彩度 も低下する。この様子が図 2 の a 曲線である。黄の色相そのままで明度を落とすには M + C = B を加えてもよい。この場合も明度、彩度ともに低下するが図 2 の b 曲線のようになる。 a 曲線と b 曲線をくらべると a 曲線の方が再現できる色の範囲が広いことが理解できる。シャ ドウ部の同じ明度で彩度を見ると a 曲線の方が彩度が高くなっている。最高彩度が同じでも ハイライト、シャドウ部おいて再現できる色の範囲がことなるので、ある色の明彩度図は色 域を検討する上で必要である。 色域を数値化するために図 1 の色度図上の六角形の面積を求める方法がある。六角形の面 積が色域であるから面積の値を色域値とするのは合理的である。しかし図 1 の例で見るよう に、二つの色の色域をくらべる場合すべての色相について広ければ面積値は意味を持つが、 10 高濃度印刷の色域■ ある色相では広く、ある色相ではせまいとい L* うことになると総合的な値は意味合いが薄く なる。同様に色を L *と a * b *色度図の立体 Y 90 C+M で表した場合、各点を結んで出来た立体の体 50 積で色域を数値化する考えがあるが、それも 色相によってことなるので意味が薄くなる。 高濃度インキ 一般インキ 4.結果の考察 c* 0 50 50 高濃度インキと一般インキの六色のインキ の色度を a * b *色度図にプロットすると図 1 図 3. Y と(C + M)の明彩度図 のようになる。実線が高濃度インキで点線が一般インキである。C、M、Y、R、G、B の六 つのプロット点をくらべると 6 点のうち R を除いた 5 点で高濃度インキは彩度が高く色域が 広くなっている。高濃度インキの R の点は一般インキの内側にあるため、M から R にかけ ての色相と R から YR にかけての色相で彩度が低く、色域がせまくなっている。 高濃度インキの R の彩度が落ちているのは Y の色相が緑青側に偏り、M の色相が紫側 に寄っているためと考えられる。 ちなみに M 点と R 点、R 点と Y 点を直線で結んだのはデータに従った結果である。M 版 のベタに Y 版の面積率を大きくしていくと M 点から R 点の方向へ移動し、 Y 版がベタになっ たときに R 点に到達する。R 点に到達したあと Y 版ベタで M 版の面積率を小さくしていく と Y の方向へ移動する。M 版の面積率が零になったとき Y 点になる。図 1 には示されてな いが M 版、Y 版の面積率を変えた色のプロット点は直線上にある。 高濃度インキは色度図上の色域が一般インキより一部の色を除いて広いことが明らかに なったが、この差が視覚上どの位の差異になるのかは不明である。このことは別の研究課題 である。 次に高濃度インキは明彩度図において色域がどの位、広いかを検討してみる。色相を一定 にして明度を変化させたとき彩度がどのように変わるかを表したのが明彩度図である。明彩 度図を作るにはある色、たとえば黄色の明るい色を作るには黄版の面積率を次第に減らして ゆくと明度が上がると同時に彩度が低下する。極限値は用紙の白色点に収斂すると考えられ る。面積率を小さくしたプロット点は直線上に並ぶ。 (図 3) 色相の黄色を一定にして明度を下げるには黄色ベタに墨インキの面積率を大きくしていく 方法が色域を最大にするものである。図 2 では黄ベタに墨インキを加えた場合と黄ベタに (シ アン+マゼンタ)を加えた場合の明彩度変化を表しているが、墨インキを加える方が色域が 広いことがわかる。そのため明彩度図を作るにはある色のベタに墨インキを加えたデータを 採用する。 今回作製した明彩度図は C、M、Y、R、G、B の 6 色だけについてであるが大体の傾向は 推定できると考えられる。C と R、M と G、Y と B は大体補色の関係にあるので同じ図上に 11 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) 高濃度インキ 一般インキ L* L* M Y+C M+Y 50 C 50 50 c* 高濃度インキ 一般インキ 0 50 c* 図 4. M と(Y + C)の明彩度図 c* 50 0 50 c* 図 5. C と(M + Y)の明彩度図 表示した。 図 3 は Y と B(C + M)の明彩度図である。Y、B とも色度図上の彩度が高いためにその 近辺の明度においては高濃度インキは色域が広いが明度が高い領域、低い領域においては 差が表れない。 図 4 は M と G(Y + C)の明彩度図である。二つの色とも明度の高い領域においては高 濃度インキ、一般インキの差は認められない。明度の低い領域では M、 (Y + C)ともわず かであるが高濃度インキの方が色域が広くなっている。明度の高い領域は面積率を減らして 得る色なので高濃度インキの効果が表れないと考えられる。ただし図 3 のように色度図上で 彩度が高い色についてはある程度の効果が出ている。明度の低い領域では M、G とも色域 が広くなっている。この差が視覚上どの位の効果をもたらすものか明らかでないが、検討価 値のある問題である。 図 5 は C と R(M + Y)の明彩度である。この場合も明度の高い領域においては高濃度イ ンキの効果は認められず、明度の低い領域でも R の色相は高濃度インキの直線と一般インキ の直線は重なっている。C の色相については明度の低い領域でわずかに色差が拡大している。 5.まとめ (1)高濃度インキは色度図上で色域が広くなっている。ただし、赤近辺の色については色域 がせばまっている。 (2)明彩度図上で高濃度インキと一般インキを比較すると明度の高い領域では色域について 差がない。例外として B(C + M)はかなり明るい領域でも色域が広くなっている。 (3)高濃度インキの効果は明度の低い領域で出ている。例外は R(M + Y)で高濃度インキ と一般インキの間で色域の差は認められない。 (4)色域の差が視覚上どれだけの効果差が表れるのかは重要な研究課題と考えられる。特に 色域の差が小さい場合、重要と考えられる。 附記 :今回の高濃度印刷のデータは木下先生から提供を受けました。 12 数値計算による印刷でのカラーマネージメント■ ■ 野 中 通 敬 数値計算による印刷でのカラーマネージメント Color management in printing by numerical calculation Michitaka NONAKA 1.緒言 我々は、定められた印刷機で、定められたインキと用紙を用いて印刷したカラーパッチか らのベタの濃度測定値や、それらから算出したオプティカルドットゲイン係数および紙の濃 度値を使って、印刷用のカラー画像の RGB データを、正確に CMYK に変換する手法を報 告している 1)。 一般にカラー画像製版では、入稿する RGB カラー画像データは、撮影条件および撮影機 器の性能により本来種々雑多であり、本来決定原稿はない。そこで製版では、CRT 等に表 示し以後の工程(印刷機、インキ、紙)を考慮しながら目的にあったカラー画像になるよう に RGB データを処理し CMYK データに変換している。 そこで、この CMYK の網点の刷り重ねにより、特定の印刷機、インキ、用紙に対して作 り上げられたカラー画像の RGB を、別の印刷機、インキ、用紙を用いて、正確に再現するには、 作り上げたカラー画像の CMYK データを読み込み、用いたインキや用紙のデータおよびドッ トゲイン補正量をつかって、その RGB データを計算により算出してやれば、その RGB を別 の印刷機、インキ、用紙で再現できる CMYK に変換すればよい。 入稿時の RGB データと目的にあったカラー画像となる RGB データとは当然ちがったもの となる。 2.計算 2. 1 使用する CMYK 特定の印刷機、インキ、用紙を用いて作り上げたカラー画像の C、M、Y、K の網点面積 比をそれぞれ c、m、y、k とする。CMYK 画像データファイルから、これらの値をソフトに 読み込む。 2. 2 メカニカルドットゲイン補正の解除 メカニカルドットゲインの補正は lC、lM、lY、lK を補正係数とし、補正量は二次方程式形 (1 −x)で補正するとし、補正前の各網点面積比を c2、m2、y2、k1(添え字 式 y = l0・x・ は引用文献1)に対応、Bk → k と書き換え)とすると、補正後の各網点面積比 c、m、y、k は、 13 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) となる。メカニカルドットゲイン補正前の網点面積比 c2、m2、y2、k1 は、 (1 − c) c2 = c + lC・c ・ m2=m + lM・m・ (1 −m) (1 − y) y2 = y + lY・y ・ (1 − k) k1 = k + lK・k ・ である。 用紙の R、G、B 反射率を RP、GP、BP とし、C、M、Y、K のベタの R、G、B の反射率 はそれぞれ、 RSC、RSM、RSY、RSK、GSC、GSM、GSY、GSK、BSC、BSM、BSY、BSk とし、刷り重なった状態でのオプティカルドットゲイン補正量 2、3)をメカニカルドット ゲインと同様な二次方程式で近似したときの補正係数を R, G, B に対してそれぞれ、KR、 KG、KB とすると、求める R、G、B 反射率は、 · (1 − c2 + c2 · R SC)・ (1 − m2 + m2 · R SM)・ (1 − y2 + y2 · R SY)・ (1 − k1 + k1 · R SK) R = RP [ (c2 + k1 − c2 · k1)・ (1− c2 − k1 + c2 · k1)] − KR ・ · (1 − c2 + c2 · G SC)・ (1 − m2 + m2・G SM)・ (1 − y2 + y2 · G SY)・ (1 − k1 + k1 · G SK) G = GP [ (m2 + k1 − m2 · k1)・ (1− m2 − k1 + m2 · k1)] − KG ・ [ (1− c2 + c2 · BSC)・ (1− m2 + m2・B SM)・ (1− y2 + y2・BSY)・ (1− k1 + k1・BSK) B = BP ・ (y2 + k1 − y2 · k1)・ (1− y2 − k1 + y2 · k1)] − KB ・ となる。 特定の印刷機、インキ、用紙を用いた、目的にあったカラー画像の CMYK データファ イルから画素ごとに順次 c、m、y、k をソフトウエアに読み込み、その中で上記の計算処 理を行い、目的に合ったカラー画像の RGB ファイルを作成することができる。 この RGB ファイルを前に作成したソフトウエアで読み込み、別の印刷機やインキや紙 やドットゲインデータを用いて同じ RGB 反射率を再現するように CMYK の網点面積比 を定めることが出来ることになる。 3.結言 今回報告した CMYK から RGB への変換手法と、以前報告した RGB から CMYK への変 換手法を使うことにより、いろいろな印刷条件、インキ、用紙へのカラー画像の同一な RGB を再現する CMYK を数値計算で算出でき、計算により完全なカラーマネージメントが可能 14 数値計算による印刷でのカラーマネージメント■ となると思われる。CMYK から RGB への変換ソフトはすでに作成してあるが 4)、今回の CMYK から RGB への変換ソフトは現在作成中である。 ソフトウエアができ次第実地に検証して、その結果を報告する予定である。 4.引用文献 1)野中 通敬、沼倉 孝、今井 敏義、石川 琢磨、北澤 進:階調比例圧縮法による印 刷でのカラー画像再現(第1報)̶数値計算による製版システムの理論̶、日本印刷学 会誌、Vol.39、No.4、pp.38 ∼ 50(2002) . 2)Michitaka Nonaka, Masatsugu Isoda: Introducing Correction for Optical Dot Gain Into Pollak's Equation: Application to Reflectance through R, G, and B Filters , J. Imag. Sci. . & Technol ., Vol. 43, No.2, pp.120 ∼ 126(1999) 3)野中 通敬、黒川 豊治 監修、グラフィックアーツ編集委員会編、 グラフィックアーツ 、 印刷学会出版部、 (2000)pp. 243 ∼ 250. 4)特公平 16−3538361 Correcting Method of Optical Dot Gain to Full Color Halftone Image Printed on White Paper By Michitaka Nonaka and Susumu Kitazawa Color printing image is made up by four color halftone dot superimposed on the white paper. Calculated reflectance of the print by Pollak's equation1) disagrees with reflectance measured by the densitometer because of optical dot gain. Yule-Nielsen introduced the correcting value n to Murray-Davies's equation for correcting dot gain to the single color print2). But the correcting method for optical dot gain did not existed on full color print. So we established the method of correcting the effect of optical dot gain to full color print by introducing correcting term into Pollak's equation3). The method is that the image of halftone dots superimposed on white paper through red filter is seen as black dot to both cyan and black dot. So we consider black halftone dot as cyan halftone dot and the amount of correcting the effect of optical dot gain is applied to the cyan area combined to black dot area. We can similarly correct the effect of optical dot gain on green reflectance and blue reflectance. By this method we can approximately correct the effect of optical dot gain to full color print. In this study we show systematically the effect of correcting optical dot gain to full color print by our method. 1) F. Pollak, J. Photogr. Sci . 3, 112 (1952). 2) J. A. C. Yule, Principles of Color Reproduction , John Willy and sons, New York, 1967, p.263. 3) M. Nonaka, M. Isoda, J. imag. Sci. Technol ., 43, 120 (1999). From IARIGAI 15 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) 松 久 卓 アメリカ大陸の印刷術の伝播と ベンジャミン・フランクリン(4) Propagation of the printing on the American Continent, Benjamin Franklin, as a printer (4) Takashi MATSUHISA アメリカ大陸へ印刷術が伝えられたのは、アメリカ合衆国の東部マサチューセッツ州にあ るケムブリッジに於いて 1638 年に最初の印刷所が開設されたのに始まった。以後広大なア メリカ合衆国の東部、南部、西部及び中北部の各地に印刷所が開設されていったところまで を前号までに述べた。今号では残るアメリカ南東部及び北西部、さらに太平洋側とカナダ、 アラスカについて印刷術伝播の経緯を述べたい。 アメリカ南東部テキサス州における最初の印刷者はサミュエル・バングスと云う名のテキ サス共和軍の一兵士であった。 彼は1816 年にテキサス州のガーヴストンで印刷所を開業した。 アメリカ北西部のアイオワ州に最初の印刷所を開業したのは、鉱山業のジョン・キングに よってダブューク市に創設した。彼は 1863 年 5 月 11 日に「ダブューク・ビジター」紙の創 刊号を印刷、発行している。 またアメリカ大西洋側から西に約 4,000 キロも離れた太平洋側に位置するカリフォルニア州に おける最初の印刷所は、スペイン人或いはメキシコ人によって創設され、その印刷作品の見本 として或る布告が保存されている。印刷者の名前はしかし不明のままである。カリフォルニア 州でもう一つ判明しているのは、アウガスチン・ヴィセント・サモラノと云う人で彼ははるばる アメリカ大西洋側の南部に位置するフロリダ州からこの地へ来て 1834 年に印刷業を始めている。 さてアメリカ合衆国の北隣りカナダに於いて印刷術が最初に伝えられたのはカナダ東南部 大西洋側のフアリフアックスに於いてで、アメリカ人で大西洋側東北部のボストンから訪れ たション・ブッシエルで 1752 年の初めに新聞「ガゼット」紙を印刷、発行した。 またカナダ東部ケベック地方の最初の印刷者は同様にアメリカから移って来たウイリア ム・ブラウンとトーマス・ギルモアの両名で 1764 年 6 月 21 日に新聞「ケベック・ガゼット」 紙を印刷、発行した。同じくケベック地方から西へ移ってモントリオールに於いては、フラ ンス生まれのフルーリー・メープレがイギリスとアメリカを経てこの地に移り、1776 年 3 月 付の「無限崇拝協会の規則」を印刷、発行した。 さらにカナダ西部のエドモントンに於いてはフランク・オリヴァーが 1880 年に新聞「ブレ テン」紙を印刷、発行した。このようにいずれも印刷術は新聞の発行という活字による組版・ 印刷によって印刷術が伝播している。 さてアメリカ大陸の最北端のアメリカ合衆国アラスカ州では、アラスカをアメリカが領有 する前にロシア人によって印刷術が行われていたが、その詳細は知られていない。その後 16 アメリカ大陸の印刷術の伝播とベンジャミン・フランクリン(4)■ 1868 年 5 月 1 日にティー・ジー・マルフィーを編集者としてダブリュー・エス・ドッヂがシッ カと云う土地に於いて新聞「アラスカ・タイムズ」紙を印刷、発行した。これはアラスカ州 最初の英字新聞であった。このような経緯でアメリカ大陸の北半分であるアメリカ合衆国と カナダへ印刷術は伝播したのである。 では前号に引きつづきアメリカ合衆国が生んだ最も有名な印刷人、ベンジャミン・フラン クリンの活版印刷のかかわりとその後の生涯について述べることにしよう。前号ではフラン クリンが優れた印刷職人として渡英し、その後アメリカ東部のフィラデルフィアに帰って印 刷業に就いて独立し経営が安定したところまでを述べた。当時印刷業という商売は世間では つまらぬ商売だと思われていて、活字はすぐ駄目になるし、後から後から補充して買わねば ならず、儲かる商売ではないと云われていた。にも拘らずフランクリンは実際によく働き、 さらに買った品物の代金はきちんと支払ったので、各方面から信用を得て、フランクリンの 印刷所は次第に繁昌して行った。その間フランクリンは在来の印刷機を改良してフランクリ ン式印刷機を製造したし、書体を工夫して新活字をつくった。また月刊雑誌を印刷、発行し、 印刷業に加えて新聞の発行も兼ねることとした。 ことわざ フランクリンは一人の賢い老人が競売に集まって来た人々に、智恵を含んでいる諺を集め て一つの筋の通った話を作り演説をするという形式にして 1757 年の暦の巻頭に諺を載せた。 その結果諺の教訓はいっそう強く人の心を打つのだった。フランクリンが創作した暦は広く 一般に歓迎され、アメリカ大陸の各新聞に転載されたばかりか海を渡ってイギリスでは大判 の紙に印刷して家々の壁に貼りつけられるまでになった。またフランスに至っては翻訳が二 通り出て、牧師や地主たちが多数この暦を買い込み、無料で貧乏な教区民や借地人に分け与 えることとした。暦を印刷、発行したアメリカのペンシルヴェニアでは、この暦の出版後数 年間にわたって貨幣の発行が次第に増加したのは、この暦が舶来のぜいたく品に無用の金を 費やすことを戒めているのによるところが多い、と考える人もあった。 フランクリンは自ら発行している新聞もまた暦の諺による教訓を伝える手段だと考えた ので、その考えからしばしば新聞「スペクター」紙その他道学者たちの書いたものから抜 粋して新聞に掲載した。一方フランクリンは新聞を経営するにあたり、近頃わが国で恥に ひぼう さえなっている誹謗や人身攻撃にわたることは一切これを避けるように心を用いた。この 種のものを載せてくれと頼んで来る筆者には「私は人の悪口を広めるようなことは引き受 けたくない。私は有益な、あるいは興味ある記事を提供すると購読者に約束しているのだ から読者に関係のない個人的な言い争いは載せることが出来ない」と掲載を断った。 印刷所の経営についてフランクリンはフィラデルフィアより 900 キロほど南西のサウス・ カロライナ地方には印刷所が一軒もなかったので、1733 年に印刷職人を一人チャールストン へ派遣した。フランクリンは職人に印刷機と活字を与え、組合契約を結んだがそれによると フランクリン自身は所要経費の 3 分の 1 を受け持ち、得られる利益の 3 分の 1 を受取ること になっていた。印刷職人は会計のことは全く分からぬ男で、時々送金してきたものの、存命 中ただの一度も決算書をよこしたことがなく、営業報告もろくに送って来なかった。彼が死ん 17 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) でからは奥さんが商売を続けていった。彼女はオランダ生まれのオランダ育ちで、オランダで は後になって聞いて知ったことだが、驚いたことに会計の知識が女子教育の一部になってい るくらいなので、以前の取引関係についてできるだけ明瞭な報告書を送ってきたのは勿論のこ と、その後も四半期ごとに、たいへん几帳面に、また正確に会計報告をよこした。そして印 刷商売の方もはなはだ上手に経営し、数人の子供を立派に育て上げた上に、契約の期限が切 れると同時に印刷所をフランクリンから買い取って息子のものにすることが出来たのである。 フランクリンはこれらの経緯から次の意見を述べている。 「わが国の若い女性にこの方面の教 育を勧めたい。未亡人になった場合、音楽やダンスよりも会計の知識のほうが自分自身にもそ だま の子供たちにも役に立つ。会計の知識があれば、悪賢い男に欺され損をすることもなくてすみ、 子供が一人前になってその後を継いでやれるようになるまで、従来の取引関係をつづけて恐ら く利益のある商売を営むことも出来、結局いつまでも一家の利益、繁昌のもとになるのだ」と。 フランクリンは故郷のボストンを出てから十年も経ち、暮らしも楽になったので、身内の者に 会いにボストンへ旅行した。帰りに当時ニューポートに印刷所を開いていた兄のジェイムスを 訪れた。昔の兄との仲違いは水に流して、兄との会見は真心のこもった情愛深いものであった。 兄が言うには「自分はもう長くはない。自分が死んだらやっと十歳になったばかりの息子を家に 引き取って、印刷業を仕込んでほしい」と頼むのであった。フランクリンは兄の願い通り、その 子供を引取り、数年学校に通わせてから店で働かせた。息子が一人前になるまでは母親が商売 す をつづけ、いよいよ自分で経営するようになった時には、父の活字は大分磨り減っていたので、 フランクリンは新規の活字を一組与えて援助してやった。フランクリンは若くしてあんなに早く 印刷業の兄の家を飛び出して年季奉公を怠ってしまったが、こうして十分償いはしたのである。 さてフランクリンの印刷業は次第に手広くなり、暮らしも日に日に楽になってきた。またフラ ンクリン経営の新聞は、一時この地方および近隣の地方で唯一発行のものだったため大いに儲 かるようになったからだ。同時に「初めの 100 ポンドさえ溜めてしまえば、次の 100 ポンドはひ とりでに溜る」と云う諺の真実であることを経験した。金というものは本来繁殖力の強いもの なのである。カロライナ地方の組合経営が成功したのに味を占めて、フランクリンはほかでも やって見ることにして、よく勤め上げた数人の印刷職人を抜擢し、カロライナの場合と同じ条 件で各地の植民地に印刷所を開業させたところ、大部分の者は上手に経営し、契約期間の 6 年 が終わると活字をフランクリンから譲り受けて独立して経営をつづけ、こうして幾家族かが印 刷業をおこすことが出来たのである。フランクリンは組合経営で喧嘩別れや訴訟沙汰が起きな いように、各人のなさねばならぬこと、してはならないことを明瞭に契約書で取り決めておいた。 1748 年フランクリンは 42 歳の時、印刷業の第一線から身を引くこととし、印刷事業の一 切をダヴィッド・ホールに委任した。その後フランクリンは電気の研究にとりかかり、雷の 稲妻は電気であることを発見し「電気学の実験と観察」と題する書物を著わし彼が自ら描い そう た銅版画を挿入したこの書物は、電気学会における大著述として今日なお珍重されている。 一方でフランクリンはドイツ、イタリア、スペイン、フランスの各国語を独学でマスターし、 ドイツ語の新聞を印刷、 発行した。フランクリンをさらに有名にしたものに「自叙伝」がある。 18 アメリカ大陸の印刷術の伝播とベンジャミン・フランクリン(4)■ 米英だけで数百回の版を重ね文筆家の地位を築いた。 1756 年 50 歳となったフランクリンは政治・外交に力を注ぎアメリカ東部の 5 人の独立宣 言起草委員の中に加えられ政治的にも指導的地位を占めるに至った。即ち 1757 年イギリス の学士院会員に選ばれたあと、地元ペンシルヴェニア州代表としてイギリスに赴いた。この 頃アメリカの植民地課程の問題が騒しくなったためにフランクリンは 1757 年から 1762 年の 間と 1764 年から 1775 年の間の 2 度にわたって計 15 年間イギリスにおいてアメリカ植民地 の独立問題を解決すべく奮闘したが効果は得られなかった。その間フランクリンはイギリス 在任中に自伝を書き始めた。そしてやっと自らの結婚の話までを書き綴った時に筆をおかな ければならなかった。1775 年フランクリンはアメリカに帰国し、最大の事業となるアメリカ 独立運動に取り組んだ。その結果 1776 年 7 月 4 日アメリカは独立を宣言したのである。フ ランクリンが再び自伝を書き始めることが出来るようになったのは 8 年後の 1784 年フランス 全権大使としてパリ在任中の時であった。パリには 9 年間在任していて、その間フランクリ ンはフランス人に彼の人格と博識によって世論の同情を獲得した結果、アメリカのイギリス に対する独立戦争にフランスが加わってくれることになった。1778 年米仏同盟を締結して自 らアメリカ東部 13 州のフランス駐在全権大使として活躍した。これによりフランクリンはイ ギリスに対する独立戦争を有利に導くことが出来た。フランクリンはイギリスとの講和条約 に調印して 1785 年晴れてアメリカに帰国したのである。このようにアメリカの東部 13 州が イギリスからの独立を勝ち取り、アメリカ合衆国への発展の基礎を築くことが出来たのは、 主としてフランクリンの政治、外交能力と軍司令官として兵士から絶大な信頼を得たワシン トン(初代大統領に就任)及び独立宣言の起草者として知られるジェファーソン(第 3 代大 統領に就任)らの独立達成への努力によるところが大きい。 帰国後のフランクリンは 2 年間にわたり独立宣言の地フィラデルフィアで暮らしたが、1790 年 4 月 17 日自宅で亡くなった。84 歳だった。フランクリンは死後、議会の決議によって国葬 に付せられた。フランス国会もフランクリンの死を悼み 3 日間の喪に服したと伝えられている。 現在生誕 300 年を経てフランクリンの肖像はアメリカ 100 ドル紙幣に見ることが出来る。 偉大なるフランクリンには次のようなエピソードがある。即ちフランクリンが駐仏全権大 使としてパリに在任した時、フランスの高名な印刷家として知られたフランソア・アムブロ アズ・ディドーの印刷工場を訪れた。フランクリンは印刷機の前に立って 2 ∼ 3 枚を印刷し て見せたので皆が驚いたところ、フランクリンは「驚くことはない。実はこれが私の本当の 商売なんだよ」と言ったという。 (終) 参考資料 平凡社 :大百科事典 1933 年 岩波書店 :フランクリン自伝 1999 年 庄司浅水 :印刷人ベンジャミン・フランクリン 1956 年 本間長世 :共和国アメリカの誕生 2006 年 S.Hスタインバーグ :西洋印刷文化史 1985 年 19 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) 松 根 格 中国における印刷の歴史(1) 印刷はどのようにして誕生したか Printing history in China. How did the printing appear in China? Itaru MATSUNE 西暦 1447 年グーテンベルクが金属活字を作り、1455 年 14 行聖書を印刷したことが、現 代印刷の幕あけとなったが、それよりも 800 年前に中国において印刷が行われていた。この 事実を振り返り、印刷の価値を考えたい。 人間は誕生してから、子孫を残すために人間が歩んできた道から学んだ様々な知識、情報 を後世に残し伝えていかなければならなかった。 そのために BC4000 年頃に楔形文字が生まれ、粘土板上に情報が書かれ、BC3500 年頃に はエジプトで象形文字(ヒエログリフ)でパピルス上にも石の上にも書かれ刻されて情報が 残された。BC1200 年頃には、中国(殷)の時代には、ト辞のための甲骨文字が生まれたの は周知のことである。しかしこの時代書写材料もほとんど無い時代に情報はどのように伝え られたか。 1 .一つは、口誦である。口から口へと伝えられた。 2 .殷代の後期から青銅器に文字を刻した。 (これを金文という) 口誦は長い年月を経ると情報が正確に伝わらない欠点があった。 また、青銅器上の情報は文字数が少なく(データ量が少ない)あまり役立たなかった。 殷時代に書写材料として毛筆と墨が生まれ、竹や木に文字を書くことが始まった。即ち、 竹簡と木簡である。これは長さ約 20 - 50 センチ、巾約1センチの竹片、木片に文字を書くの である。長さによってまちまちだが、およそ 30 ∼ 40 字、短いもので 10 字程度であった。 一つの情報を書くには、数 10 片から数 100 片近くが必要となる。この竹、木片を読み易 くするために順序をそろえて、ひもで結んだのである。このひもは絹ひもが用いられること が多く、糸編と呼ばれ、またなめした皮ひもが丈夫なので用いられてこれを韋編と呼んだ。 情報は、この竹、木片を事前にひもで結んでその上から書かれた。順序が間違われないの である。こうして書かれたものを冊と呼んだが、これが本の始まりであり、本を数える単位 「冊」はここから始まったのである。この竹簡、木簡に書かれたものを簡冊と称した。 帛書の出現(紀元前 770-221 年) 春秋戦国時代には書写材料の一つとして絹織物の上に情報を書くことが始まった。このこ ろ竹簡、木簡、帛書が情報を書くための材料であったが、外に「恕紙」という材料があった。 これは絹の繊維によって作られたもので、原料とし真綿を晒して作られたもので、これは女 20 中国における印刷の歴史(1) 印刷はどのようにして誕生したか■ 性達によって作られたと考えられている。これは廃物中から、 残った絹の繊維をまとめて作っ たもので、ほとんど書写材料としては普及しなかったようだが、この方法が植物繊維を用い て麻紙が作られるきっかけとなった。この造紙法の応用発展から紙が誕生した。 紙の誕生 この「恕紙」の作り方の研究を進めたのが蔡倫で紙の製造方法を同業の仲間と共同で研 究した、樹皮、麻、廃物などを混ぜて植物繊維を取り出して紙を作る。 西暦 105 年、この製紙法を完成したのである。これはいままでの「恕紙」の製法に改良 を加えた技術であるが、今までにない便利で良い製品であるために、一般には紙の発明と いう名誉が与えられたのであるが、実際は改良の技術だった。これにより、竹簡、木簡、帛 書など運搬に不便で場所をとる材料から書写材料が紙に移行していった。 紙の出現で便利にはなったが、 大きい問題があった。当時は複製が出来ないことであった。 複製するためには手書きが必要であった。これには大変な労力が伴うことと、この情報は限 られた人々しか利用できないことにあった。情報の一般公開が出来ない、広く人々に知らせ ることが出来ないという泣きどころがあったのである。 広く情報を知らせる、保存するためにはどうすれば良いか。 現在でもその手段として看板が使用され大きい効果があるが、当時の人々はその方法と して石碑の建立を考えた。中国では早くから石に文字を刻むことが行われた。例えば、秦の 始皇帝は天下統一後に全国を旅したが、名勝地では石に文字を刻んで碑を立て、自分の功 績を PR して広く知らせた。また、後漢の霊帝熹平四年(175)に皇帝は七つの経典・ 「魯詩」 、 「尚書」 、 「周易」 、 「春秋」 、 「公羊伝」 、 「儀礼」 、 「論語」のテキスト全文を四十六の石碑に刻み、 洛陽の太学の門外に立てた。これは熹平石経として知られ、多くの人がこの石碑のテキスト を学びにきたといわれている。しかし、石碑は一ヶ所にしかない。学びに来て筆記した人も、 筆記に際して間違うこともあろう。何とか正しい複製が作れないかと考えて生まれたのが 「拓 本」である。 拓本はどうしてつくるか。 直接石碑から拓本を取ることを「拓碑」と呼ぶが、最初は、石碑の上に墨を塗り、その 上に紙をかぶせ、上から刷毛を用いて表面をこするか、綿を布で包んでタンポンを作り、上 から表面を数回叩いて、紙に文字を転写したのである。これは墨ベタ白抜きになるが、文字 は反転したままなので、大変読みづらい。そこでこれを改良して、次のように改めた。 1 .まず、石碑面を水で湿らせ 2 .紙を湿らせて石碑に貼り付け 3 .その上を刷毛、タンポンで表面を数回叩いて 4 .文字の凹部の筆画をしっかりと紙の面に浮き出させ 5 .その上をタンポンに墨をつけて叩いていく 21 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) そうすることにより文字のベタ白抜きの刷本が出来る。 これを「拓本」という。この方法により複数の拓本が取れる。現在もこの方法が使用さ れている。 中国西安の碑林には、各地から石碑が集められ管理保存されているが、ここではこの方 法で拓本が作られている。 さて、先述した熹平石経 7 種については、もともと竹簡、木簡に書かれていたものである。 当時の情報はすべてこの方法であったが、これと平行して石碑が情報伝達の手段として広 く活用されていた。これが、西暦 105 年の紙の出現により少しずつ変化が生じてきた。 拓本はコピーであり、複製の技術であるから竹簡、木簡など運搬と保管と利用に不便な ものは良い便利なものに変化するのは自然の流れである。竹簡や木簡が広く活用されたのは 紙の誕生からほぼ 200 年間で西暦 300 年頃から新しい技術の変革が始まった。それは、西 晋(265-316)の後期のことであった。 木版の誕生 この頃から書写材料としての竹と木は紙に移行していった。東普時代(317-420)の後期 には拓本を取る技術の応用として、木に文字を刻り、その上に墨をつけて紙に転写すること を考え出したのである。 1 .平たい木の板を用意する。 2 .紙の上に文字や図を墨で書く。 3 .木の板と紙に書かれた面を貼り付ける。 (文字は逆字となる) 4 .その上から文字を彫刻していく 5 .この木板に墨をつけて、その上に紙を載せ、刷毛もしくはタンポンで表面を撫でて、 紙を木板から剥ぎ取れば白い紙に文字が移っている。 石碑の場合はベタの白抜文字となるが、木板の場合は、文字を残して、その周辺を刻れ ば文字のみに墨が付くので、大変読み易い。これが、木版の誕生となった。 東晋時代から南北朝にかけて、この木版で刷られた書物が作られ始めた、西暦(420-589) のことであった。 そして、木版印刷が始まったのは、隋(581-618)時代であった。隋が終わり唐(618-907) の時代に入り、特に則天武后の治世の武周(609-705)の期間には彼女のバックアップで多 種多様な佛典や佛画類が印刷されているのである。この事業を書いた本として下記を紹介 しておく。 T.H.BARRETT THE WOMAN WHO DISCOVERED PRINTING (Yale University Press. ISBN 978-0-300-12728-7) この時代の現存する最も古い印刷物について紹介する。 1900 年敦煌で発見された文物で一巻の「金剛経」がある。これは年号の記載のある現存 22 中国における印刷の歴史(1) 印刷はどのようにして誕生したか■ する最も古い印刷物である。この佛典は、 七枚の紙に印刷され繋げられている。全長約 5 メー トル、巾 31.1 センチで巻首に佛画が巻末には「唐咸通 9 年 4 月 15 日王玠 二親の為に敬み て造り普施す」と一行印刷されている。私は、この完全複製のレプリカを北京・古籍書店 で求め、時々取り出してこの巻子本をひろげて、印刷の歴史を振り返っている。 唐咸通 9 年は西暦 868 年のことであった。これは、大英図書館 THE BRITISH LIBRARY で見ることが出来る。 大英図書館ガイドブックでは、この巻子本の口絵は、次のような紹介がされている。 Diamond Sutra, frontispiece : Buddha preaches to his disciple Subhuti China, 11 May AD868 唐咸通 9 年 4 月 15 日は西暦 868 年 5 月 11 日にあたる。 また、中国の石碑事情及び拓本製作の技法については、2008 年に下記の研究書が出版さ れている。 KENNETH STARR Black Tiger A GRAMMAR OF CHINESE RUBBINGS UNIVERSITY OF WASHINGTON PRESS 2008 ISBN 978-0-295-98811-5 印刷の技術を複製製作の技術と考えるならば唐時代の拓本製作と木版彫刻製作技術が出 発点となり、次の宋時代に華やかな出版印刷時代へと入って行くのである。 参考文献 中国印刷史話‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥張紹勛 台湾商務印書館 中国造紙史話‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥潘吉星 台湾商務印書館 中国古代書籍史話 ‥‥‥‥‥‥‥‥李政忠 台湾商務印書館 中国印刷木的発明及其影响 ‥‥‥‥張秀民 人民出版社 中国の書物と印刷 ‥‥‥‥‥‥‥‥張紹勛 高津 孝訳 日本エディターズスクール出版部 中国古代印刷史 冊 ‥‥‥‥‥‥‥中国印刷博物館 文物出版社 23 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) 要旨抜粋 1 Joint Event 報告会(PAGE2009) 「インクジェット印刷の色再現」2009 年 2 月 4 日・池袋サンシャインシティ 文化会館 7 階 701 会議室 (詳細は国際印刷大学校の HP を参照) サービスサイエンスとMOT 若生 彦治 1 知識の伝播手段としての印刷技術 文字の発明は知識・技術の蓄積を可能とし、文化・文明の伝承に計り知れない貢献をなしている。 印刷は 7 世紀前半の中国・唐において仏教経典、暦、医書などの木版刷りで始まり、文字・知識 の普及範囲を拡大させた(文献 1)。活版印刷機と活字は 1455 年にグーテンベルグが発明、産業革命を 誘起させた。農業の労働生産性は潅漑設備の充実、農薬の発明などによって向上した。また、遥 か遠方の土地と移動体への情報は無線の発明によって瞬時に伝播され、従来の戦争戦略を一変さ せた。先進国の社会構造は製造業の労働生産性が向上し、農耕社会から工業社会へ変わった。現 在の先進国の経済は商業、運輸通信、金融・保険、公務・有給家事サービス、電気・ガス・水道 などの第 3 次産業への就業人口構成比が 7 割を占め(ぺティ=クラークの法則) 、サービス化(文献 2) している。 2 経済のサービス化 サービスの価値は日本企業において顧客満足度を高めること、北米合衆国企業においてビジネス システム・プロセスを革新することと認識されている。サービスはその品質が目に見えないため価 格設定が難しい。日本のサービスの価格は日常生活の中で決まると考えられている。北米合衆国の サービスの価格は将来の発展性で決まると考えられている。 北米合衆国は移民の子孫が多数を占める国であり、個人主義、自己責任、市場主義経済、小さな 政府を標榜しており、公的社会保障制度がやや希薄である。北米は資本家および技術者の参入・撤 退が常態化している(文献 3)。国民は企業年金や債権に依存、その投資判断に短期収益および株価差 益を選択している。北米合衆国政府は 1991 年 12 月のソ連崩壊後に国防予算を減額、原子力産業と 情報コンピュータ産業の企業が技術者を大量に解雇した。解雇者は対個人サービス業、住宅建設業、 金融工学業などへ就業した。一部の情報コンピュータ技術者は私益追求活動に対する政府の干渉を 嫌い、市場競争原理が支配するシリコンバレーに集結した。数年後に IT 投資ブームを発生させる 地区が形成された。シリコンバレーは電子媒体やインターネットを介するマーケティング調査、商 品開発、デザイン、広告など業務改革やビジネスモデルの提案、バイオ、医薬の創出に投資してい る。GE や IBM の製造業はアジアの製造業の台頭に直面し、軍事産業のメンテナンス部門、他国か ら還流してくる投機資金の金融ソフトシステム開発部門へ投資した。GE の売上高構成比率はジェッ ト飛行エンジン、原子炉など 4 製造部門が 3 割、保守点検修理・金融などサービス部門が 7 割となっ ている。IBM の全社員の 4 割はソフトシステム開発課題・ニーズの探索・掘り起こしを専門とする 外交営業員である。外交営業員は細分化・専門化している企業・顧客が直面している社会現象、環 境問題、工場管理などの多分野にわたる課題・ニーズの解決ソフトシステム、プログラムを提供す る折衝役として活躍している。 24 要旨抜粋 1 Joint Event 報告会(PAGE2009)■ 3 零細中小規模印刷業 情報提供技術および社会インフラ整備は日進月歩で進んでいる。インターネットは金融取引・生 産販売事業の世界的規模の展開を後押ししている。移動通信体の出現は情報の発信・収集を瞬時化し、 紙媒体の速報性を喪失さている。ネットワーク社会やビジネスモデルの創出、業務改革の手段とし て必要に応じてソフトウエアが利用できるクラウド(雲)コンピューティングの構築が進行している。 中国は国内に数億人の低労働賃金農民工を抱えており、規模の経済性が働き、世界の工場として 低価格製品を大量生産、日欧米国へ大量輸出している。日本企業は生産販売拠点を低賃金であるア ジア・中国へ移転させ、低価格製品の大量輸出に深く関与した。日本企業はブーメラン現象への対 応策として一般業務運用費の削減、データの集中処理、データ処理の外注化を図っている。 零細中小規模印刷業の労働生産性は無線が発明される以前から現在のサービス社会に至るまで の 500 年間、製造業の労働生産性よりも低い状態を持続、殆ど改善されていない(文献 4)。中国国内に は零細中小規模の印刷業が数十万社あると推定されている。日本の印刷業の売上高および企業数は 1996 ∼ 98 年を頂点に逓減、情報サービスとの交代が続いている。情報サービス業はデジタルコン テンツの企画製作、別媒体管理、ネットワーク配信、データプリンティング、インターネット・明 細書 / 請求書などの業務へ参入、群雄割拠、新設・廃業率が全産業分野(中分類、2 桁分類)の中 で突出している。コンテンツビジネスは専門技術がますます高度化、必要投資額が増え、インフラ 整備とともに単価が急落している。サービスは無形の商品である知識・情報・用役・解決手段を生 産提供、その効用が感覚的・心理的である。零細小規模印刷業は中堅大手印刷業と比べて顧客満足 度を高める方法、労働生産性を向上させる方法および人材の育成確保が経営課題になっている。㈳ 日本印刷産業連合会(文献 5)は顧客・ニーズへの関与度を高める方策として、営業形態変革の必要性、 ①企画・製作、②販売流通、③管理・システム化支援、④印刷技術の深化を指摘している。しかし、 1995 年以降から 2000 年までの間において、①のサービスに必要な音声・動画の人材・技術の確保、 ②の付帯サービスを行うため流通業との新規連携、③のサービスを進めるための共同利用型プラッ トホームの整備、④の事業を進めるための他社との協業活用があまり前進していない。零細小規模 印刷業は新規業務開拓において同業他社との協業を躊躇する傾向にあり、デザインなどの次世代を 担う人材を他のサービス産業へ流出させているようである。技術・業務知識および人材の不足は経 営改善の隘路になっている。印刷業がサービス業へ参入するには市場マーケティングの探索、現生 産工程のマネジメント、専門技術の価値が認識できる技術経営(MOT)力をもつ人材育成が求め られている。 参考文献 (1)蔡倫は 105 年(後漢)に樹皮、麻を原材料とする製紙法を大成した。印刷の始まりは 1 個 1 個の印 章を連結固定したことにある。 (2)サービス業は日本標準産業分類による大分類の 1 つであり、個人または法人に対して用役、専門知 識などを提供する業である。 (3)James F. Moore(1993) Predators and Prey: A New Ecology of Competition , Harvard Business Review, May-June, p.75-86. (4)Peter F. Drucker(2005)『The Essential Drucker on Technology』 、上田惇生訳編、 『テクノロジスト 、ダイヤモンド社、p.283。 の条件 ̶ものづくりが文明をつくる』 (5)㈳日本印刷産業連合会はデジタルコンテンツビジネス展開に必要な支援をアンケート調査している。 25 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) インクジェット印刷の色再現(第2報) 木下 堯博 1.はじめに drupa2008 の報告は第 1 報から第 9 報まで各地で行った。この内、第 2 報は 2008 年 6 月 20 日 Ink Jet drupa と題し東京ニッケイ会館で発表した。その内容はインクジェット(IJ)の研究開発、 drupa における出展内容などの他、IJ 印刷の実験結果であった。この表題の第 1 報は、三浦らによ り、2008 年 9 月 18 日「Wood Pattern Reproduction」と題し報告したが、その内容は HP に掲載 されている。その PPT 中最後の Summary でまとめたように 8 種類の木目パターンをスキャナー分 解し、デジタルデータから Proof と Ink Jet 印刷で Original と比較した結果、色差が増大傾向にあっ た。HA(色相角度)は Red から Magenta 方向に低角度への移行傾向(Ex.HA が 75 → 68)があっ た。濃度値と彩度の関係は良好な関係はみられず、インク特性(色、浸透性、溶媒など)により色 再現に大きく依存すると推定した。 本報告では更に解析を加えるため、色度図の Y-M 面を中心に 8 種類のサンプルの色度値を高 濃度印刷(HD)の結果(1617 色)から IJ 印刷の網点面積を推定した。その網点面積と濃度値 から L*、a*、b* 値を求め、色差計算などを行い IJ のよる木目印刷の色差論を第 1 報に続いて検 討した。 2.実験方法 インクジェット印刷は富士フイルムグラフィックシステムズ㈱の Luxel Jet UV250GT を使用し、 Original としてグラビア印刷で印刷された木目印刷画像(基本パターン)8 種類(1, Neutral 2, Essen 3, Gerata 4, Chocolade 5, Caramelmoka 6, Hitea Brown 7, Casual 8, Sofrewhite)をスキャナーで 色分解し、そのデータから CTP 出力し、Offset Proof をまとめた。この Proof を基準として、デジ タルデータからアート紙にインクジェット出力を行った。 3.結果及び考察 (1)色度図 a, Original、b, Proof、c, Ink Jet 印刷物の L*、a*、b* 値を 3 回測定し平均値から色度図にまとめた。 8 種類のサンプルは色度図上 a*=30、b*=40 の範囲にあり、a, Original、b, Proof、c, Ink Jet の HA は順次 Magenta 側になった。サンプルの平均値(Ave)では彩度値が b, Proof(c*=25.4)で 高くなった。サンプル 5 と 6 は平均値と同じように b, Proof が高い傾向を示し、彩度値の変化は 全計測中の平均値は a, Original(24.7); b, Proof(25.4); c, IJ( 24.9)となり Proof が若干増大してい る。サンプル 6, Hitea Brown は彩度変化が最も高く c*=26.3 → 32.5 → 28.7 となった。平均 HA は Original=65 から Proof=61、 IJ=52 と減少した。各サンプル別では Proof の HA はサンプル ( 8 白色) を除いて Original から 0.08 ∼ 7.61 と減少しているが Ink Jet の HA はサンプル 3 を除いて Proof から 7.65 ∼ 18.04 と大きく減少した。最も HA の減少率の高いサンプルは 4, Chocolade で a-b= 5.54、b-c=18.04 であった。彩度(c*)変化率よりも色相角度(HA)の変化率の方が大きくなった。 c*-L* 図では彩度値が一般には Proof で高く、平均値及びサンプル 6 などでは彩度値の他、明度値 も高くなった。 26 要旨抜粋 1 Joint Event 報告会(PAGE2009)■ Color Difference(ΔE)a-b, b-c, a-c(a; Original, b; Proof, c; Inkjet) 12 10.6 10.4 9.8 9.3 10 ΔE 8 4.4 4.5 1.8 5.9 5.8 4 2 4.5 4.5 5.0 4.0 4.9 4.4 4.1 3.8 4.1 2.1 1.7 1.1 b-c ΔE a-c ΔE 7.4 6.5 6.7 6.3 6.5 6 ΔE(a-b) 8.9 ー 2 1 3 4 5 6 7 8 Ave Sample Fig.1 Color Difference(Δ E)of a,Original ; b,Proof ; c,Ink Jet (2)色差値 a, Original、b, Proof、c, Ink Jet の相互の色差値を求めた。 (Fig.1 参照)a-b の色差は平均 3.8 と 小さく、b-c の色差は 4.1 と若干、大きくなった。 サンプル 1、2、5、6、7 は a-c の色差がΔ E=6 以上と大きくなった。しかし、a-b ではサンプ ル 6 を除きΔ E=5 以下となり、Offset Proof の安定性がみられた。 この色差値に大きく寄与しているファクターは a-c 間では HA に依存していた。 平均(a-c)L* =−0.98、c* =−0.36、HA = 14.7 となった。 一般の Offset 印刷では彩度に依存して色差が大きくなるが、今回のインクジェットの場合は HA のファクターが大きくなった。Original と Ink Jet の色差(Δ E)と明度差、彩度差、色相角度差と 明度差が色差との相関が高かっ の相関係数はそれぞれ L* γ=0.52、 c* γ=0.09、 HA γ=0.11「24」 となり、 た。このことは濃度差(Δ D)との相関もγ= 0.806、−0.3、0.345 となり、a-b 間は高く、a-c 間は やや相関があった。 (3)Ink Jet 画像 UV Ink Jet は乾燥性が良く、生産性に優れている。メディアの選択性も幅広いものがある。Ink Jet のインクの厚みは一般的にグラビア印刷よりも厚く、スクリーン印刷より薄い傾向がある。形成される 網点は FM スクリーンのような形状を有していた。そこで印刷された網点面積を推定した。インクジェッ ト印刷画像はオフセット印刷よりも濃度値が高いことを予想して、高濃度印刷のデータを用いた。 今回の 8 種類の a,Original、b,Proof、c,Ink Jet の測定結果は a*=20 と b*=40 の HA 角度赤 Line の上部に入った。インクジェットの a*、b* 値を高濃度印刷の a*、b* 値に対応させ、更に L* 値をイ ンクジェットの D 値(濃度値)から算出して、Y、M、K の網点面積を推定した。しかし色差値が大 きくなり、Ink Jet 印刷画像から HD のデータを読み取りそれぞれ当てはめて行った。サンプル 1 と 7 を除いて HD と Ink Jet 画像との色差(Δ E)=3 ∼ 8 となり、網点面積が Y3 ∼ 100%、M3 ∼ 70%の中心で K 版が 10 ∼ 80%となった。サンプル No.5 は Y=100% で色差= 8.9 と大きく、No.6 で は色差= 3.48 と最も小さく、Y=70、M=70、K=60%となった。サンプル No.5、No.1 は Y100% であり、Δ E は大きくなった。Y インクはアゾ系顔料で UV 光との挙動が考えられる。また、生産 性の関連で低粘度の低官能性モノマーが利用されていると推定されるので、酸素による影響や UV 光の関連などから Y インクの挙動が色差増大の一因とも思われる。 [本研究は財団法人トステム建材産業振興財団からの研究助成金により行いました。] 27 ■国際印刷大学校研究報告第9巻(2009) 要旨抜粋2 日本印刷学会中部支部 2009 年春季印刷技術セミナー 2009 年 3 月 6 日;於、名古屋銀行協会 (1)紙メディア・印刷メディアの将来 (2)高色域印刷画像の展望 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 日本印刷学会会長 尾鍋 史彦氏 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 国際印刷大学校学長 木下 堯博氏 (3)世界印刷標準と Japan Color 2007‥‥‥‥ 日本印刷学会標準化委員長 弓木 慶一氏 (2)高色域印刷画像の展望 PAGE2009 が 2 月 4 日から 3 日間にわたり、池袋サンシャインで開催され、開会式から最終日ま で参加し、セミナーやフォーラムなどに出席した。 今回の特徴は Web to Print のシステムが各社で出展され、JAGAT 主催の JDF の解説とブース 見学は例年と同様人気があり、事前の調査に基づいて参加した。 2 月 4 日の初日には国際印刷大学校主催による「インクジェット印刷の色再現」の報告会を 4 名の講 師により、文化会館 7 階会議室で行ったが、予定の定員をオーバーするという大盛況であった。Ink Jet (1) Drupa 以降、POD、Proof、産業分野などへの活用が広まり、研究データが数多く蓄積されて来ている。 2 月 5 日にはハイデルベルグジュニアフォーラムのキックオフがグランドプリンスホテル赤坂で行 われ、ハイデル本社の S.Plenz 氏の「世界の印刷業界」 、ダイコロ㈱の松本秀作社長の「次世代経 営幹部の育成」の講演があり、その後、若手経営者・管理者との交流を深めた。ジュニアフォーラ ムの成功を祈るものである。 2 月 3 日には JaGra で P マーク(JIS15001;2006、 個人情報保護マネージメントシステム)の審査会 (原則的に月 1 回)があり、十数社の印刷及び関連企業の審査を行った。近年、公官需では P マーク の認定を受けていることが、入札の条件になっている県もあり、印刷企業に必要な認定資格でもある。 印刷企業の P マーク認定企業数は全取得企業の 12 ∼ 13%にのぼり、情報を提供する印刷企業とし ては個人情報を適切に取扱っていることを消費者や取引先にアピール出来ることが大切である。 本日の講演テーマに関する資料は、2008 年 12 月 15 日号の印刷ジャーナルの挑戦するカラー印刷 特集で標記題名(2)、また、2004 年 3 月 8 日号の同紙の付加価値創造特集で、高品位印刷画像(3)と 題したそれぞれ小論と 2009 年 3 月 25 日刊行予定の国際印刷大学校研究報告第 9 巻に「高濃度印 刷画像に関する研究(第 5 報)̶新規高濃度インキによる色再現̶(4)と題し掲載する論文などを中 心とし、最近の高色域印刷画像の研究と印刷界の動向についてまとめた。詳細は HP(www.mediaigu.com)で公開されているのでご参照下さい。昨今、経済状況の厳しい折、中部地区での印刷界 の益々の発展を祈念いたします。 参考文献 (1)国際印刷大学校主催; 「インクジェット印刷の色再現」PAGE2009Joint Event、池袋サンシャイン 文化会館 7 階 701 会議室(2009 年 2 月 4 日) (2)木下堯博;高色域印刷画像、挑戦するカラー画像特集、印刷ジャーナル(2008 年 12 月 15 日発行) (3)木下堯博;オフセット印刷における高品位印刷画像、付加価値創造特集、印刷ジャーナル(2004 年 3 月 8 日発行) (4)木下堯博;高濃度印刷画像に関する研究(第 5 報)̶新規高濃度インキによる色再現̶;国際印 刷大学校研究報告(第 9 巻) (2009 年 3 月 25日) 28 平成 20 年度 国際印刷大学校 主たる活動記録 ◆教育 印刷システム論 (平成 20 年 9 月∼ 12 月) 野中 通敬 電子商取引の e −ラーニング(平成 20 年 6 月) 三浦 澄雄、木下 堯博 グラフイックアーツ論 (平成 20 年 4 月、9 月) 木下 堯博 世界印刷論 (平成 20 年 11 月∼平成 21 年 2 月) 田中 尚安、木下 堯博 ◆研究 インクジェット方式による建材印刷に関する研究、トステム財団(詳細は 26 頁参照) (野中 通敬、三浦 澄雄、木下 堯博) 本木昌造の研究(阿津坂 実) 西夏文字の研究(松根 格) カラースキャナによる再現論(中村 隆志) インクジェット CTP の研究(神永 貴史) オフセット輪転印刷機の色再現の研究(木下 堯博) インターネットコンソシアムの調査研究(田中 尚安) 日本の近代活字の研究(府川 充男) 印刷計測機器に関する研究(大友 誠) CTP に関する調査研究(喜多 信行) インドの印刷技術の標準化の出版研究(田中 崇) マルチメディアに関する調査研究(杉本 文司) オフセット印刷に於ける網点研究(野中 通敬) CMS に関する研究(三浦 澄雄) アメリカ大陸の印刷所の伝播に関する研究(松久 卓) デジタルフォトグラフィーの調査(伊藤 晴夫) 印刷の知識(連載) (小早川 亨) 産学官連携に関する研究(森田 進) 中小企業の技術経営の研究(若生 彦治) その他多数のテーマがあります。 ◆国際印刷大学校規定第 9 条の表彰及び称号規定による平成 20 年度の該当者はありませ んでした。 29 ◆講演会と研究発表会 drupa2008 の視察団の派遣 1、2008 年 5 月 28 日から drupa2008 視察のため東京発と福岡発の 2 チームを派遣した。 2、視察成果は第 1 報から第 9 報までを各地(東京、名古屋、大阪、福岡、ソウル)で報告。 Primedex2008 講演会 2008 年 9 月 18 日(木)13 時 30 分から 16 時、日本印刷会館 2 階会議室(会費無料) (1)木目印刷の色再現‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 日大 三浦 澄雄 (2)同上討論会 第 35 回報告会 「Primedex 講演会 」(上記)は Primedex 期間中の平成 20 年 9 月 18 日(木) 日本印刷会館 2 階 203 会議室で行なわれ、約 30 名以上の参加者があり、活発な質疑応答が ありました 。 なお、平成 20 年度の総会が報告会に先立ち開催され、平成 19 年度事業、会計報告、平 成 20 年事業計画、予算案などが承認されました。2009 年 9 月 11 日から print 09(シカゴ) の参加も決定致しました。 また、2008 年 5 月にソウルで行われた韓国出版学会の報告が、田中 崇客員教授により 行われました。 PAGE2009 報告会 2009 年 2 月 4 日(水)14 時から 16 時、池袋サンシャイン文化会館7階 701 会議室 インクジェット印刷による色再現 (1)スキャナーによる色再現 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ (2)インクジェット印刷の色再現 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 野中 通敬 木下 堯博 (3)各種インクジェットの再現 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 三浦 澄雄 (4)MOT とサービス科学 ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 若生 彦治 第 36 回講演・報告会は予定どおり 2 月 4 日 14 時から開催された。 参加者は当初の予想をはるかに越え定員 50 名のところ、補助いすを 15 脚借用し、実施さ れた。報告の後、活発な質疑応答が行われた。インクジェット印刷は drupa2008 で目玉とな り、その後、研究開発が進み応用範囲が拡大された。 この報告会の「インクジェット印刷の色再現」は今迄、あまり報告例がなく、貴重なデータ の提示となった。また、 サービス科学もこれからの研究分野であり、 有意義な報告会となった。 講演会・セミナー 共催などで多数実施した。 30 平成 20 年度 渡航及び主たる活動記録 平成 20 年 3 月(平成 19 年度) 1、3 月 6 日 研精堂印刷(岡山市) 国際印刷大学校の打合わせ 2、3 月 6 日 国際印刷大学校研究報告第 8 巻最終校正(富士精版印刷㈱) 3、3 月 7 日 近畿ツーリスト drupa2008 打合わせ(東京新宿本社) 4、3 月 7 日 イノベーションフォーラム(東京産学公連携、東京商工会議所) 5、3 月 8 日 リテールテック展(東京ビックサイト) 6、3 月 11 日 P マーク審査会(日本グラフィックサービス工業会、ニッケイ会館) 7、3 月 11 日 第 3 回 IJT 委員会(富士フイルムグラフィックシステムズ㈱) 8、3 月 12 日 Foodex Japan 2008 展(ジェトロ、幕張メッセ) 9、3 月 14 日 千代田グラビア drupa2008 など打ち合わせ 10、3 月 14 日 PAGE2008 報告会 (東京工芸大学印刷技術懇談会、富士フイルムグラフィックシステムズ㈱) 11、3 月 17 日 著作権セミナー(福岡コンテンツ産業拠点推進会議、西鉄インホテル) 12、3 月 24 日 アジアラウンドテーブル、韓国のベンチャービジネス (九州大学、福岡アクロス) 13、3 月 26 日 ∼ 29 日 斗山印刷、第 6 回 MDC 印刷改善活動、高色域印刷の特許 平成 20 年 4 月(平成 20 年度) 14、4 月 22 日 ベンチャーマーケット(アクロス福岡) 15、4 月 24 日 産業クラスター戦略(国際東アジア戦略研究所、リィガロイヤルホテル) 16、5 月 8 日∼ 10 日 斗山印刷 水上印刷㈱多摩工場見学 17、5 月8日 Predrupa2008 18、5 月 9 日 韓国印刷学会春期研究発表大会(ソウル印刷会館) 19、5 月 9 日 韓国特許打ち合わせ(タサン弁理士事務所、韓国特殊インキ、斗山印刷) 20、5 月 12 日 POD 研究(CD 勉強会、富士フイルムグラフィックシステムズ㈱) 21、5 月 12 日 P マーク審査会(日本グラフィックサービス工業会、ニッケイ会館) 22、5 月 13 日 drupa2008 打合わせ(㈱千代田グラビア) 23、5 月 14 日 RFID 展(東京ビックサイト) 24、5 月 20 日 グラビア印刷打ち合わせ(富士機械工業㈱、東広島市) 25、5 月 28 日∼ 6 月 4 日 drupa2008 参加 Dusseldorf で 2 グループが合流 (福岡発 Korean Air Line、東京発 British Airway) 26、5 月 30 日 グーテンベルグ博物館(マインツ市)、ハイデルベルグ大学図書館 27、6 月 1 日 MDC Meeting in drupa(Silla Restrant, Dusseldorf) 31 28、6 月 2 日 ブパータール大学印刷メディア学科見学 29、6 月 6 日∼ 8 日 九州印刷機材展(福岡国際センター) 30、6 月 7 日 drupa2008 最新情報講演会(第 1 報)(福岡国際センター特設会場) 31、6 月 12 日、13 日 日本印刷学会春期研究発表会(日本印刷会館、東京) 32、6 月 12 日 JPCA 展(東京ビックサイト) 33、6 月 13 日 Interlop 展(幕張メッセ) 34、6 月 20 日 P マーク審査会(日本グラフィックサービス工業会、ニッケイ会館) 35、6 月 20 日 第 4 回 IJT 委員会(ニッケイ会館)、drupa2008(第 2 報)報告 36、6 月 21 日 野中先生退職記念懇親会(ファイヤットリージェンシー東京) 37、6 月 24 日 drupa2008 Kodak 報告会(ホテルクリオコート) 38、6 月 26 日 JP2008(インテックス大阪) 39、6 月 27 日 住友ゴム第1回打合わせと drupa 報告(大阪、新阪急ホテル) 40、6 月 28 日 西日本総合機械展(西日本総合展示場) 41、7 月 2 日 特許流通講座(発明協会、福岡 ARKON) 42、7 月 4 日 ハイデルベルグフォーラム(長崎ハウステンボス、ANA ホテル) 43、7 月 7 日 富士フイルム drupa2008 報告会(福岡、八百治ホテル) 44、7 月 11 日 Pマーク現地審査オブザーバー(東京、共立速記印刷㈱) 45、7 月 11 日 drupa 報告(第 3 報)(印刷教育研究会、東京都立工芸高校) 46、7 月 14 日 デジタル印刷の技術と将来展望(日印産連、日本印刷会館) 47、7 月 16 日 drupa 報告(第 4 報)世界の印刷界 (日本印刷学会中部支部、名古屋銀行協会) 48、7 月 17 日 住友ゴム第 2 回打合わせ drupa 報告(第 5 報)大阪新阪急ホテル 49、7 月 22 日 ベンチャーマーケット(福岡アクロス) 50、7 月 23 日∼ 26 日 韓国斗山印刷 51、7 月 23 日 drupa 報告(第 6 報)(韓国) 52、7 月 24 日∼ 25 日 第 7 回 MDC 印刷改善活動 53、7 月 26 日 清州古印刷博物館(清州市) 54、7 月 29 日 NEC パートナーフォーラム 2008(福岡国際会議場) 55、7 月 31 日 低炭素都市のかたちとコンセプト(小倉ステーションホテル) drupa2008(第 7 報)報告 56、8 月 3 日 アントレプレナーシップミーティング(九州大学、西日本会館) 57、8 月 4 日 福岡 Ruby ビシネス拠点推進会議(ホテルニューオータニ福岡) 58、8 月 6 日 LSI 研究会(ホテル日航福岡) 59、8 月 20 日 環境調和型触媒講演会(北九州学術研究都市) 60、8 月 26 日 P マーク審査会(日本グラフィックサービス工業会、ニッケイ会館) 61、8 月 27 日 教科書図書館、大修館(東京) 32 62、8 月 28 日 プリネクト研究会(ハイデルフォーラム) 63、9 月 3 日 長崎歴史文化博物館 64、9 月 3 日 本木昌造 133 回忌(長崎、大光寺)、drupa2008(第 8 報)報告 65、9 月 17 日 大学見本市(東京フォーラム) 66、9 月 17 日 印刷文化典(ホテルニューオータニ) 67、9 月 18 日∼ 20 日 Primedex2008(池袋サンシャイン) 68、9 月 18 日 Primedex2008 開会式、佐川印刷打合わせ 69、9 月 18 日 国際印刷大学校総会と IJT 講演会(日本印刷会館) drupa2008(第 9 報)報告 70、9 月 19 日 ハイデルフォーラム 21 総会(品川プリンスホテル) 71、9 月 24 日∼ 27 日 斗山印刷 72、9 月 24 日 京義道美術館(安山市) 73、9 月 25 日∼ 26 日 第 8 回 MDC 印刷改善活動(斗山印刷) 74、9 月 27 日 KIPES(KINTEX) 、中央大学校(ソウル市) 75、10 月2日 Ceatec Japan(幕張メッセ) 76、10 月7日 水上印刷㈱本社、斗山東亜㈱ MDC 最終報告 77、10 月 8 日 Tokyo Pack(東京ビックサイト) 78、10 月 8 日 教科書図書館(東京・江東区) 79、10 月 8 日 Web System 打合わせ(川崎市) 80、10 月 9 日 佐川印刷㈱本社打合わせ(京都) 81、10 月9日 相互印刷紙器㈱打合わせ(大阪市) 82、10 月 9 日 ㈱世真打合わせ(大阪市) 83、10 月 20 日 インクジェット印刷見学会、第 5 回 IJT 委員会 (印刷教育研究会、富士フイルムグラフィックシステムズ㈱) 84、10 月 22 日 創革型経営研究会(ハイデルフォーラム、ハイデルベルグジャパン㈱) 85、10 月 23 日 パワープリンターズセミナー (マンローランド㈱、八重洲ビジネスセンター) 86、10 月 24 日 日本印刷学会 80 周年記念講演会、懇親会(アルカディア市谷) 87、10 月 28 日 P マーク審査会(日本グラフィックサービス工業会、ホテルギモンド) 88、11 月 3 日 ㈱世真と斗山東亜㈱ 業務コラボレーション締結(斗山東亜㈱にて) 89、11 月 5 日 九州小森会(ホテルニューオータニ福岡) 90、11 月 7 日 韓国印刷学会秋季研究発表大会(大田市 中部大学校) 91、11 月 13 日 経済戦略セミナー (ホームロイヤーズ法律事務所、ハイヤットリージェンシー福岡) 92、11 月 18 日 グローバル経営とトヨタ(北九州貿易協会、リィガロイヤルホテル) 93、11 月 19 日 アジアビジネス戦略(九州大学、福銀共催、ホテルオークラ) 33 94、11 月 27 日 産学官連携報告会(九州大学、ホテルセントラーザ) 95、11 月 28 日 日本、ASEAN の展望(福岡県主催、日航ホテル福岡) 96、12 月 4 日 2008 年経済財政白書(九州経済調査会、福岡銀行本店) 97、12 月 12 日 アンビエント SoC(教育研究の国際拠点(早稲田大学、北九州学園都市) 98、12 月 13 日 九州産業大学研究会(八仙閣) 99、12 月 15 日∼ 18 日 国会図書館(出版、サービス科学、インクジェット調査) 100、12 月 16 日 P マーク審査会(日本グラフィックサービス工業会、ホテルギモンド) 101、12 月 17 日 第 6 回 IJT 小委員会(神田エリゼ) 102、12 月 18 日 日米同盟とアメリカ新政権(日本経済新聞、帝国ホテル) 103、12 月 19 日 サービス科学打合わせ(池袋ライオン) 104、12 月 19 日 印刷材料関連打合わせ(池袋三越) 105、12 月 25 日 国際印刷大学校 HP2009 年新年の打合わせ(スターバックス天神) 106、12 月 29 日 印刷産業打合わせ(ホテルクラウンパレス北九州) 平成 21 年 107、1 月 10 日 福岡県印刷関連団体協議会新年交流会(ホテル日航福岡) 108、1 月 10 日∼ 11 日 医療関係 e −ラーニング全国交流会(九州大学百年記念講堂) 109、1 月 13 日 研究報告第 9 巻制作打合わせ(富士精版印刷㈱) 110、1 月 13 日 印刷サンプル打合わせ(㈱世真) 111、1 月 14 日 新年賀詞交換会(日本グラフィックサービス工業会、ホテルエドモンド) 112、1 月 15 日 インクジェット印刷打合せ(富士フイルムグラフィックシステムズ㈱) 113、1 月 16 日 印刷技術懇談会(東京工芸大学)、最新印刷動向(ニュートウキョウ) 114、1 月 17 日 エンジニア適職フェア(東京国際フォーラム) 115、1 月 22 日 国際経済セミナー(北九州市、ジェトロ福岡) 116、2 月 2 日 TAGA 調査(国会図書館) 117、2 月 3 日 P マーク審査会(日本グラフィックサービス工業会、ニッケイ会館) 118、2 月 3 日 印刷事故及び印刷予備紙事例調査(印刷図書館) 119、2 月 3 日 マンローランド印刷技術交流会(品川インターシティホール) 120、2 月 3 日 人材開発討論(銀座ドトール) 121、2 月 4 日 PAGE 2009 開会式(サンシャイン文化会館) 122、2 月 4 日 インクジェット報告会、第 7 回 IJT 委員会 (サンシャイン文化会館、701 会議室) 123、2 月 5 日 印刷技術展望(池袋プリンスホテル) 124、2 月 5 日 ハイデルベルグジュニアフォーラム(グランドプリンスホテル赤坂) 125、2 月 6 日 雇用シンポジュウム(大手町、日経ホール) 126、2 月 7 日 インクジェット調査(国会図書館) 平成 21 年 2 月 7 日まで以降は次年度 34 平成 21年度国際印刷大学校カリキュラム 国際印刷大学校 事務局 2000 年(平成 12 年)6月に開学した国際印刷大学校(理事長 石川 忠・学長 木下堯博)は、 印刷及び関連分野の教育と研究を行うバーチャル大学です。主として e−ラーニングなどを利用し、 誰でも受講出来ます。現在 22 名の客員教授がそれぞれ専門の学科目を担当し、プリプレス及びプ レス・同関連分野の研究に専念し、研究報告に論文などを発表しています。 平成 21 年度の学科目名称は下記を参照、各学科目内容などは HP で公開され、1年に1度改正 されます。原則として基礎学科目から順次受講をお奨めしますが、興味ある学科目から選択する 事もできます。各学科目は HP から受け付けし、履修修了者には認定証を授与しています。 学科目構成 1. 基礎学科目 2. 専門学科目 3. 研究学科目 4. 特別講座 5. 学外(出張)講座 6. その他・新設予定学科目 1. 基礎学科目 グラフィックアーツ学(印刷学)/情報学/色彩学/出版学/編集・デザイン学/ マルチメディア学/印刷システム論/サービス科学、各学科目の特論 2. 専門学科目 1)印刷史、グーテンベルグ研究、印刷博物館学 2)印刷教育カリキュラム論、オンライン教育論、印刷教育原理、研究開発論 3)調子再現論、色再現論、印刷適性論、印刷管理学、印刷機械学、プリプレス論、フレキソ印刷論 4)プリプレス論、DTP 論、オンデマンド論、デジタル・タイポグラフィー論 5)画像評価論、ネットワーク論、画像情報論、デジタルフォト論、CTP 論、高品位印刷画像論 6)印刷産業論、世界印刷産業論、印刷未来学、デジタル印刷出版論、印刷経営論、P マーク論、MOT 論 3. 研究学科目 各担当客員教授がテーマを設定して、受講者と1年間にわたり、研究・指導を行う。 4. 特別講座 全国中小企業団体中央会の指導による「印刷産業の電子商取引の e ラーニング」などの講座。 この学科目は平成 21 年度も開講、申し込み用紙は HP 上にあります。 5. 学外(出張)講座 新人教育や今日の新しいテクノロジー、drupa 展や print 展、IPEX 展、IGAS 展などの国内外 の技術動向、ISO 関連などについて客員教授が各地の会場に赴き開講する講座。 6. その他・新設予定学科目 e - コマース論、JDF 論、カラーマネージメント論、ワークフロー論、XML 論、印刷マネージメ ント論、印刷マーケッティング論、グラビア印刷学、スクリーン印刷学、製本学、RFID 論など を予定。詳しくは研究報告又は HP http://www.media-igu.com を参照して下さい。 35 平成 21 年度 印刷産業における電子商取引の e −ラーニングによる研修 ご 案 内 主催:国際印刷大学校 協賛:印刷及び関連団体 本講座は毎年、多くの受講者があり、修了認定者(EC エキスパート)は各方面の電子入札に 参加し、成果を上げました。本年度も下記の要領で新しくバージョンアップした内容の研修を e −ラーニング(Win 対応)で行いますのでご参加下さい。EC のビジネスモデルの導入は、大 きなビジネスチャンスになり、営業戦略の拡大、企業内情報組織の確立に役立つと信じています。 研修終了者(第 1 単元から第 6 単元まで、感想文提出)には修了認定証(EC エキスパート)を 授与しています。多数の方のご参加をお待ちしてます。 記 1、研修内容;e −ラーニングによる印刷のデジタル化と電子商取引「6 単元」 (詳細 HP 参照) 2、期 日;平成 21 年 5 月(第1期)∼平成 22 年 2 月(第 10 期) 「希望月(期)を選択」 3、研修環境;インターネットと電子メールで下記のいずれかの 1 ヶ月間、いつでも、どこでも、 どなたでも研修可能、内容は初心者レベルです。 4、研 修 料;一人 5,000 円(「研修パスワード付」Win 対応) 5、申 込 み;本ページをコピーし、希望される研修期日に〇印し、必要事項をご記入の上、 FAX でお願いします。研修料は次の口座にお納め下さい。研修用パスワードを お送り致します。 連絡先 国際印刷大学校 事務局 〒189−0002 東京都東村山市青葉町2−29−12 電話 042−395−5561 HP;http://www.media-igu.com E-Mail;[email protected] 振込先;三井住友銀行清瀬(849)支店 普通預金口座番号 4523764 口座名 国際印刷大学校 EC(コクサイインサツダイガツコウイーシー) キ リ ト リ 線 申込み用紙 FAX 042 − 392 − 8216 会社名; 住所;〒 代表者氏名; 会社のホームページ;http://www. 研修担当者;① ② E - M a i l ; ① ② 電話; FAX; A から H までのいずれかの受講希望月に〇印をして下さい。希望期の毎月1日から月末まで開講 研修希望期別;A:第 1 期平成 21 年 5 月、B:第 2 期 6 月、C:第 3 期 7 月、D:第 4 期 8 月 E:第 5 期 9 月、F:第 6 期 10 月、G:第 7 期 11 月、H:第 8 期 12 月、I:第 9 期平成 22 年1月 J:第 10 期 2 月 (平成 年 月 日記) 36 国際印刷大学校規定 第1条 本大学校は国際印刷大学校と称する。 第2条 本大学校は印刷及び関連分野の教育研究の振興を図ることを目的とする。 第3条 本大学校は次の事業を行う。 (ア)インターネットによる印刷分野の教育と研究 (イ)講演会、セミナー、研究会などの開催 (ウ)ホームページによる交流 (エ)研究誌の発行 (オ)その他、第 2 条の目的遂行のための事業 第4条 本大学校は次の者をもって組織し、教授スタッフは総会にて選出する。 (ア)学長(大学での役職経験者) (イ)客員教授(主として印刷界の各分野で活躍していて、業績のある者) (ウ)賛助会員(本大学校の趣旨に賛同された個人および法人、団体) 第5条 本大学校に次の役員を置く。 ( 1 )理事長 1名 ( 2 )副理事長 3名 ( 3 )理事 若干名 ( 4 )監事 2名 第6条 本大学校の役員は学長、客員教授、賛助会員の中から総会で選出する。 第7条 理事長は本大学校を代表し、学長は教育、研究面の運営にあたる。監事は会計 の監査を行う。なお、評議員制度を設置し、運営に関する助言を行う。役員の 任期は 3 年とし、再任をさまたげない。 第8条 本大学校に寄付講座など寄付行為を別に定める。(細則はホームページを参照) 第9条 本大学校に表彰及び称号規定を別に設ける。(細則はホームページを参照) 第 10 条 賛助会員の会費は別に定める。 第 11 条 本大学校の事業年度は 4 月 1 日より翌年の 3 月 31 日までとする。 第 12 条 本大学校の規定の改廃は総会で行う。 (付則) ① 本大学校の規定は平成 12 年 6 月 16 日から実施する。 ② 本大学校の賛助会費は1口以上とし、1口年額 50,000 円とする。 ③ 本大学校の事務局は東京都東村山市青葉町 2 − 29 − 12 に置く。 ④ ホームページは http://www.media-igu.com とする。 ⑤ 第 8 条、第 9 条を平成 13 年 6 月 15 日から設け適用する。 ⑥ 旧第 8、9、10 条はそれぞれ第 10、11、12 条となる。 ⑦ 第 9 条の細則は平成 15 年 2 月 6 日から仮施行し、 平成 15 年 6 月 27 日から実施する。 ⑧ 第 8 条の細則は平成 16 年 2 月 4 日から仮施行し、 平成 16 年 6 月 18 日から実施する。 37 賛助会員名簿 株式会社加貫ローラ製作所 〒 544 − 0005 大阪市生野区中川 5 丁目 3 番 13 号 株式会社研文社 〒 530 − 0027 大阪市北区堂山町 13 番 17 号 寿印刷株式会社 〒 555 − 0021 大阪市西淀川区歌島 1 丁目 4 番 4 号 香和印刷株式会社 〒 830 − 0047 福岡県久留米市津福本町 2320 の 15 番地 サンメッセ株式会社 〒 503 − 8518 大垣市久瀬川7丁目 5 番1号 秀巧社印刷株式会社 〒 815 − 0035 福岡市南区向野2丁目 13 番 29 号 新和印刷株式会社 〒 535 − 0031 大阪市旭区高殿6丁目 16 番 19 号 相互印刷紙器株式会社 〒 531 − 0073 大阪市北区本庄西3丁目8番 26 号 大日本スクリーン製造株式会社 〒 602 − 8585 京都市上京区堀川通寺之内上4丁目 田中尚安 〒 503 − 9020 大垣市竹島町7番地 東京書籍印刷株式会社 〒 114 − 0004 東京都北区堀船 1 丁目 23 番 31 号 株式会社ドミックスコーポレーション 〒 812 − 0016 福岡市博多区博多駅南6丁目6番1号 株式会社日光プロセス 〒 543 − 0045 大阪市天王寺区寺田町2丁目2番 26 号 ハイデルベルグ・ジャパン株式会社 〒 140 − 8541 東京都品川区東品川3丁目 31 番8号 原多印刷株式会社 〒 531 − 0061 大阪市北区長柄西 1 丁目 7 番地 13 号 久野印刷株式会社 〒 812 − 0023 福岡市博多区奈良屋町 3 番 1 号 5 階 〒 811 − 2221 福岡県糟屋郡須恵町旅石 印刷団地 富士フイルムグラフィックシステムズ株式会社 〒 101 − 8452 東京都千代田区神田錦町 3 丁目 13 番地 竹橋安田ビル 富士精版印刷株式会社 〒 532 − 0004 大阪市淀川区西宮原2丁目4番 33 号 三菱化学株式会社 〒 227 − 8502 横浜市青葉区鴨志田町 1000 三菱製紙株式会社 〒 617 − 0826 京都府長岡京市開田1丁目6番6号 メッシュ株式会社 〒 530 − 0047 大阪市北区西天満3丁目3番5号 株式会社リョーイン 〒 116 − 0002 東京都荒川区町屋1丁目 38 番 16 号菱興 町屋ビル内 Doosan Donga Corporation 〒 425 − 100 475 -1, Mongnae-Dong, Danwon-Gu, AnsanSi, Gyeonggi-Do, Korea (以上 50 音順) 御賛助を賜り有難うございました。 38 国際印刷大学校賛助会員加入の申込書 国際印刷大学校事務局 行 FAX: 042−392−8216 E-Mail: [email protected] 平成 年 月 日 国際印刷大学校の趣旨に賛同し、平成 年度から加入致します。 会社名(又は団体・個人名): 代表者: 住 所:〒 電話番号: キ リ ト リ 線 FAX 番号: ホームページアドレス:http://www 口 数: 賛助会員会費は1口年額5万円(1名分の受講料などを含む。)です。 担当者: 電話番号: FAX 番号: E-Mail: ご意見: 上記にご記入の上、FAX または E-Mail、郵便にてお送り下さい。 この申込書を受理しました後、事務局から請求書と郵便振込票を送付します。 この申込書はお手数ですが、切取りまたはコピーして御利用下さい。 国際印刷大学校事務局 〒189−0002 東京都東村山市青葉町2丁目29−12 電話 042−395−5561、FAX 042−392−8216 URL:http://www.media-igu.com 39 国際印刷大学校研究報告 第9巻 発 行 日 平成21年3月25日 編集代表 木下 堯博 発 行 者 石川 忠 印 刷 所 富士精版印刷株式会社 発 行 所 国際印刷大学校 東京都東村山市青葉町2-29-12 〒189-0002 電話 042-395-5561 FAX 042-392-8216 E-Mail : kinoaki@mpd. biglobe.ne.jp URL : http://www.media-igu.com (非売品) International Graphic Arts & Printing University Research Report Vol. 9 March. 2 0 0 9 Contents Akihiro KINOSHITA 1 Studies on Offset Printing for the High Pigment Ink (Part 5) -Color Reproduction by Newly High Density InkAkihiro KINOSHITA, Kook Hae CHUNG, Woo Hwa LEE & Chung Sik LEE 2 Sumio MIURA 9 Color management in printing by numerical calculation Michitaka NONAKA 13 Propagation of the printing on the American Continent, Benjamin Franklin, as a printer (4) Takashi MATSUHISA 16 Printing history in China. How did the printing appear in China? 20 On greeting the tenth anniversary foundation The gamut of density color printing Itaru MATSUNE Proceedings of The Short Presentation on The Ink Jet Conference & The Print Media Education Meeting Appendix Regulations & Activities 24
© Copyright 2024 ExpyDoc