函館市鳥獣被害防止計画(第2期 (原案) )

(別記様式第1号)
計画作成年度
平成24年度
計 画 主 体
函 館 市
函館市鳥獣被害防止計画(第2期)(原案)
<連絡先>
担 当 部 署 名
所
在
地
電 話 番 号
F A X 番 号
メールアドレス
函館市農林水産部農務課
函館市東雲町4番13号
(0138)-21-3344
(0138)-23-0325
[email protected]
1.対象鳥獣の種類,被害防止計画の期間及び対象地域
対象鳥獣
エゾシカ・ヒグマ・トド
計画期間
平成25年度∼平成27年度
対象地域
函館市内全域
2.鳥獣による農林水産業等に係る被害の防止に関する基本的な方針
(1)被害の現状(平成23年度)
被害の現状
鳥獣の種類
品
目
被害数値
エゾシカ
ニンジン・馬鈴薯等
被害金額 21,808千円
被害面積
24.7 ha
ヒ グ マ
デントコーン等
食害の報告はあるが被害額は
不明
ト
漁網,水産物
被害金額
ド
2,240千円
(2)被害の傾向
エゾシカ
旧函館市東部地域から戸井西部地域にかけたエリアを中心に,
ニンジン,馬鈴薯等の食害や踏み荒らしの被害が集中しており,
平成20年度では,被害面積6.9 ha,被害金額9,734千
円だったものが,平成21年度には,被害面積25.0 ha,被
害金額29,418千円と急激に増加し,平成22年度以降も被
害状況に大きな変化はない状況にある。また,恵山,南茅部地域
では林業被害や家庭菜園での被害も発生している。
ヒ グ マ
近年は,デントコーン等の食害の被害額は不明であるが,人慣
れした個体が多くなっているため,人里近くに出没する傾向が強
く,人身事故の発生確率が高くなってきている。
ト
旧函館地域,南茅部地域沿岸において,冬から春にかけて来遊
頭数が増加するとともに,滞在期間も長期化していることから,
漁網の破損被害が多発している。
ド
-1-
(3)被害の軽減目標
指
標
現状値(平成23年度)
目標値(平成27年度)
エゾシカ
被害金額
21,808千円
現状値を30%軽減
ト
被害金額
2,240千円
現状値を30%軽減
ド
(4)従来講じてきた被害防止対策
従来講じてきた被害防止対策
エゾシカ捕獲
等に関する取
組
個 体数の増加を抑制するた
め,北海道猟友会函館支部との
委託契約に基づく計画的な捕獲
を実施している。
また,函館市鳥獣被害防止対
策協議会の活動による農業者へ
の狩猟免許取得の奨励,および
くくりワナの貸し出しを行って
いる。
エゾシカ防護
柵の設置等に
関する取組
エゾシカは冬期間以外は農地
に近 い沢沿いの林地等に生息
し,近隣農地へ繰り返し侵入し
て被害を与えていることから,
この林地を電気柵で囲むことで
農業被害を防いでいる。また,
農業被害の極端に多い農地につ
いては,その農地を直接電気柵
で囲み,被害を防いでいる。
ヒグマ捕獲等
に関する取組
出没情報や被害通報があった
時点 でハンターの出動を要請
し,調査の結果,人畜に危害が
及ぶ可能性が高いと判断した場
合は,箱檻等の設置により捕獲
を実施している。また,市街地
付近での出没については,近隣
町会への周知,出没注意喚起看
板の設置,さらには,市の安心
メールによる情報の発信を行っ
ている。
トド捕獲等に
関する取組
目撃・出没情報等により銃器
による捕獲を試みているが,技
術的に捕獲は難しい状況にある
ことから,漁業協同組合がトド
強化網を導入し被害の未然防止
に努めている。
-2-
課
題
函館市鳥獣被害防止対策協議
会の活動により農業者の狩猟免
許取得(ワナ猟)は増加したが,
高齢化に伴う第一種銃猟免許取
得ハンター数の減少や,北海道
猟友会函館支部会員の減少によ
り,将来的な人材不足が危惧さ
れることから,第一種猟銃免許
取得の奨励,ハンターの確保・
育成が必要となる。
トドは絶滅危惧種であり捕獲
(駆除)頭数が制限されており
駆除に制約がある。
被害を未然に防止するため,
トド強化網導入を促進する必要
がある。
(5)今後の取組方針
○全般
1.行政,農林水産漁業関係機関,北海道猟友会函館支部,農林水産漁業者との
連携により,出没情報,被害状況の正確な把握方法を検討する。
2.ホームページ等により積極的に情報を発信し,被害を未然に防止する。
3.地元ハンターの育成
○エゾシカ
今後も個体数の増加を防ぐため,北海道猟友会函館支部との委託契約により計
画的な捕獲を実施するとともに,函館市鳥獣被害防止対策協議会の活動により,
農業者への狩猟免許取得の奨励や,くくりワナの貸し出し,さらには囲いワナを
用いた捕獲や,侵入防止柵の設置により,個体数を調整し,被害の減少を目指す。
○ヒグマ
渡島半島ヒグマ保護管理計画に基づき,出没情報の共有化や注意喚起による人
身事故の防止に努めるとともに,ゴミ等の誘因物の適正処理の促進,下草を刈り
払うことでの緩衝帯の設置等による農作物等被害の未然防止,さらには,地域個
体群の存続を視野に入れた出没個体の有害性に応じた捕獲判断を行う。
○
トド
絶滅危惧種であることを考慮し,必要最小限の駆除と強化網の導入や威嚇によ
る追い払いなどの実施による被害の未然防止の必要性について,漁業関係者に周
知・理解を求める啓発活動を推進する。
3.対象鳥獣の捕獲等に関する事項
(1)対象鳥獣の捕獲体制
従来からの北海道猟友会函館支部との委託契約に加え,函館市鳥獣被害防止対
策協議会の構成団体間の協力により,効果的な捕獲に努める。
(2)その他捕獲に関する取組
年度
25年
∼
27年
対象鳥獣
全
般
取組内容
函館市鳥獣被害防止対策協議会で効率的,効果的
な捕獲方法について検討を行う。
-3-
(3)対象鳥獣の捕獲計画
捕獲計画数等の設定の考え方
エゾシカ
捕獲数の目標は定めないが,北海道が平成24年度に策定した
第4期エゾシカ保護管理計画では,本市管内を含む南部地域の目
標を「計画期間(5年間)で生息動向を把握、個体数の減少措置
を講ずる」こととしていることから,計画との整合を図りながら
捕獲を実施する。
ヒ グ マ
捕獲数の目標は定めず,出没個体の有害性などを判断し,人畜
に危害が及ばないよう適切な捕獲を実施する。
ト
捕獲数の目標は特に定めないが,漁業被害は増加傾向にあるこ
とから,北海道連合海区漁業調整委員会と協議しながら捕獲を実
施する。
ド
捕獲等の取組内容
エゾシカについては,1年間を通じて市内全域で銃器,ワナによる捕獲を実施
する。
ヒグマについては,春期から秋期にかけての出没時に銃器,箱檻による捕獲を
実施する。
トドについては,冬期から春期にかけて北海道連合海区漁業調整委員会と協議
しながら銃器による捕獲を実施する。
(4)許可権限委譲事項
対象地域
対象鳥獣
−
−
4.防護柵の設置その他の対象鳥獣の捕獲以外の被害防止施策に関する事項
(1)侵入防止柵の整備計画
整備内容
対象鳥獣
エゾシカ
ト
ド
25年度
26年度
27年度
1 km
1 km
1 km
侵入防止柵
4ヵ銃
−
−
強化網
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備
考
(2)その他被害防止に関する取組
年度
対象鳥獣
25年
∼
27年
−
取組内容
・農林漁業者の自衛意識の啓発
・生息エリア,被害エリアの拡大防止のための状況把握
5.対象鳥獣による住民の生命,身体又は財産に係る被害が生じ,又は生じる恐れが
ある場合の対処に関する事項
(1)関係機関の役割
関係機関の名称
役
割
渡島総合振興局保健環境部
環境生活課
北海道警察(中央警察署)
4者により対処方法(捕獲や追い込み等)を
検討のうえ,協議・決定する。
函館市農林水産部農務課
北海道猟友会函館支部
(2)緊急時の連絡体制
上記4者により緊急連絡網を構築
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6.被害防止施策の実施体制に関する事項
(1)被害防止対策協議会に関する事項
被害防止対策協議会の名称
構成機関の名称
函館市鳥獣被害防止対策協議会
役
割
函館市役所
協議会の連絡調整および農林漁業者や地域住民に対
する啓発活動
新函館農業協同組合
七飯基幹支店
農業被害状況調査 被害予防策推進
ワナ・網猟免許取得促進
函館市亀田農業協同組合
農業被害状況調査 被害予防策推進
ワナ・網猟免許取得促進
函館市漁業協同組合
水産被害状況調査 被害予防策推進
南かやべ漁業協同組合
水産被害状況調査 被害予防策推進
(社)北海道猟友会函館支部
鳥獣の生態等に関する助言
有害鳥獣の捕獲
はこだて広域森林組合
林業被害状況調査 被害予防策推進
函館市農業委員会振興部会
農業被害状況調査 被害予防策推進
鳥獣保護員
鳥獣全般に関する助言及び情報提供
(2)関係機関に関する事項
関係機関の名称
役
割
渡島総合振興局保健環境部
環境生活課
実施に関する情報提供及び技術的助言
被害状況把握
渡島総合振興局産業振興部
農務課
実施に関する情報提供及び技術的助言
農業被害状況把握
渡島総合振興局産業振興部
水産課
実施に関する情報提供及び技術的助言
水産被害状況把握
渡島農業改良普及センター
農業被害状況把握 情報提供 農家に対する指導助言
渡島総合振興局東部森林室
林業被害状況把握 情報提供 林家に対する指導助言
道南農業共済組合
鳥獣被害情報の提供
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(3)鳥獣被害対策実施隊に関する事項
函館市農林水産部農務課を中心とし,農林漁業団体,北海道猟友会函館支部の
協力のもと,効率的な捕獲,被害防止の活動を推進する。
(4)その他被害防止施策の実施体制に関する事項
函館市は,合併した戸井地域・恵山地域・椴法華地域,南茅部地域に各支所を
配置しているため,これらの支所管内で被害防止施策を実施する場合は,各支所
との連携を緊密にする。
7.捕獲等をした対象鳥獣の処理に関する事項
エゾシカ
皮や肉は有効活用し,それ以外は焼却処理する。
ヒ グ マ
試料提供後,皮や肉は有効活用し,それ以外は焼却処理する。
ト
必要に応じ試料提供後,焼却処理する。
ド
8.その他被害防止施策の実施に関し必要な事項
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