N News s Let tter - 名古屋学院大学

ISSN 2187-3976
名古屋
屋学院
院大学
学史料
料室
NNewss Lettter
第 4 号 2013 年 3 月
2014 年
創 立
50 周年
年
稲垣理事長(中央)
稲
葛井『50
葛
年史』編 集委員長
(向かって右)
(
新熊『50
新
年史』専 門委員長
(同左)
(
目次
1
稲垣新理事長
長に聞く
3
山﨑元学部長
長インタビュー
―学生の信頼
頼に応える努力を
を
4
2012 年度大学
学史料室活動記録
録
4
編集後記
本号では、稲垣
本
垣隆司理事長と
と山崎誉雄・元
元経済学部長へ
へのインタビュ
ューをお
届けします。稲垣
垣理事長は、長年、愛知県の環境行政に
に携わり、副知
知事として
重責を果たされ た後、2012 年 8 月 3 日、現
現職に就任され
れました。
稲垣
垣新理事長
長に聞く
「一
一燈照隅
隅万燈照
照国」で
で大学の
の未来
来を拓く
出席者
いながき た か
か し
名
名古屋学院
院大学理事長
長 稲垣隆
隆司
ふ じ い よ しのり
『5 0 年史』編集
集委員長・教
教授 葛井 義憲
しん
んくま
きよし
『50 年
年史』専門委
委員長・名誉
誉教授 新
新熊 清
本インタビュー
本
ーは、2012 年 12 月 10 日、
、名古屋キャ ンパスにて葛井『50 年
史』
』編集委員長 と新熊『50 年史』専門委員
年
員長により行わ
われました。稲
稲垣理事長
は、
、長年、愛知
知県の環境行政
政に携わり、副
副知事として重
重責を果たさ
された後、
201
12 年 8 月 3 日 、現職に就任
任されました。
まずは来年
まず
4月
月開設の法学部
部
を軌
軌道に乗せ、 次に、今後の
の
大学の進むべき
大学
き方針を明確に
に
した中・長期の
し
のビジョンを早
早
急に策定したい
理事長就任に あたって
■理
葛井
井 理事長に就
就任されて 4 ヵ月が経ちま
ましたが、本学
学の雰囲気をど
どのように
っしゃいますか。
受け止めていらっ
理事
事長 礼儀正 しい学生さんが多いな、という印象を受
受けました。し
しっかりと
挨拶
拶ができます。
。教職員も然
然りです。挨拶
拶をするのは当
当たり前のよう
うですが、
これ
れがすべての 出発点です。4 ヶ月が経って、規程の不
不備や経営面で
でのいろい
ろな
な問題が見えて
てきました。しかし、まずは来年 4 月開
開設の法学部を
を軌道に乗
せ、
、次に、今後 の大学の進む
むべき方針を明
明確にした中・ 長期のビジョ
ョンを早急
に策
策定したいと 考えています
す。しかも、そ
それは理事会 だけで決める
るのではな
く、
、素案の段階 で教職員全員の意見を聞い
いたりして、皆
皆が大学創りに
に参加して
いるという意識 を共有できるようにしたい
いと思っていま
ます。中でも急
急がねばな
らな
ないのは、瀬戸
戸キャンパスをどうするかという問題です
す。
新熊
熊 理事長は
は 3 年半前に理
理事として本学
学と関わりを
をお持ちになら
られました
が、
、その前と後 とでイメージが変わりましたか。
理事
事長 名古屋
屋学院は名中・
・名高の流れが
がありました から、クライン博士が
188
87 年に設立し
した名古屋英和
和学校を母体と
とするキリスト
ト教系の名門校
校と認識し
てい
いました。『名
名古屋学院大
大学三十年史』を読ませてい
いただきました
たが、あの
経営
営危機の時代 をよくぞ乗り越
越えて下さったという感慨 を強くしています。こ
ページ 2
NEWS LETTER
の大学は先人の方々の大変な御苦労の上に成り立っているのだという歴史の重
みを感じているところです。
「一燈照隅 万燈照国」を座
右の銘にしています。一つの
灯りは片隅しか照らせないけ
れども、万の灯りは国全体を
照らすことができるという意
味です。
■一燈照隅 万燈照国
葛井 理事長の座右の銘を教えていただけるでしょうか。
理事長 私自身は、「一燈照隅 万燈照国」を座右の銘にしています。一つの
灯りは片隅しか照らせないけれども、万の灯りは国全体を照らすことができる
という意味です。一人ひとりが自分の役割を果たすことが、組織全体にとって
大切だということです。学生さんには、勉強も必要だけれども、ぜひ仲間をつ
くれと言いたいですね。仲間と力を合わせて何かを成し遂げてほしいもので
す。
この考え方は「敬神愛人」という建学の精神と相通じているのではないでし
ょうか。学生さんには建学の精神をしっかり身に付けて社会に巣立って行って
ほしいと思います。名古屋学院大を出た人は一味違うぞ、人間性が豊かだと言
って信頼してもらえる社会人になってほしい。学院へ行けば、人間形成もして
もらえる、と期待して、世間から選んでもらえる学校にしたい。
この建学の精神ですが、クリスマスに、瀬戸と名古屋の両キャンパスに「敬
神愛人」碑を設置することになりました(注)。瀬戸キャンパスから出てきた巨
石です。大学の歴史を理解していない学生さんが多いですから、これを機会に
ぜひ先生方にお力を発揮していただいて、クライン博士の精神を浸透させてい
ただきたいと思っています。それから、教職員の皆さんにも、職場に誇りをも
っていただくために、NGU のバッチを作って配布しようと考えています。
■同窓会は大事な仲間
新熊 ゼミの同窓会に時々顔を出すんですが、口が酸っぱくなるぐらいに繰り
返し言ってきたことは、卒業生はちゃんと覚えてくれていますね。うれしいで
す。
理事長 同窓会の組織・あり方を今一度見直してほしいと思っています。『三
十年史』を読むと、存続の危機にあった大学を父兄会と共に支えてくれたのは
同窓会です。いろんなところに支部がありますから、その支部の会合には学長
をはじめ大学を代表して先生方が出かけ、卒業生たちと大学のつながりを強く
していくことが重要です。聞くところによると、現在は残念ながらそういうふ
うになっていない。卒業生は皆同じ学校で学んだ大事な仲間です。
歴史は未来の発信源です。未
来を切り開くためにこそ、歴
史から学ぶべきだと考えてい
ます。委員の皆さんには、大
学の文書を保存し、分析して
いただき、これからの 50 年
に活かせるよう『50 年史』
にまとめていただきたい
■歴史を資産に
新熊 発展している大学では、自校史を教育に取り入れています。それによっ
て、学生たちが本学で学ぶことに誇りを持ち、目標を掲げて切磋琢磨していく
ことができるようにするのが目的です。
理事長 歴史を学ぶことは大切なことです。私はフェロシルトをはじめ、いろ
んな環境問題の処理に携わってきましたが、そこから学んだことは、歴史は将
来の学びであるということです。同じような過ちを繰り返さないで環境を保全
するには、先達から学び、歴史に習うことが必要です。
新熊 私たちは、今、本学創立 50 周年の歴史を 1 冊の本にまとめる作業を行
っています。関係資料をきちんと調べ、本学の歴史として名古屋学院大学史料
室で保管し、後世に伝えていきたいと考えています。それが今後の大学の前
進・飛躍の底力になるからです。
理事長 歴史は未来の発信源です。未来を切り開くためにこそ、歴史から学ぶ
べきだと考えています。委員の皆さんには、大学の文書を保存し、分析してい
ただき、これからの 50 年に活かせるよう『50 年史』にまとめていただきたい
です。史料室も歴史資料を単に保管するだけでなく、いろんな人に見てもらえ
るものにしていただければと思います。
■学生・教職員へのメッセージ
葛井 最後に NGU の学生と教職員にメッセージをいただけるでしょうか。
理事長 学生さんには、キリスト教系大学で学んだ者として恥ずかしくない社
会人になってほしい。さすがに学院の卒業生だ、一本筋が通っている、と言っ
てもらえる人間になってくれることを期待しています。そして、教職員の皆さ
んには、明るい希望のあふれる大学にするため、一緒に汗を流して下さること
を祈っています。
(注)「敬神愛人」碑は、2012 年 12 月 25 日、瀬戸・名古屋両キャンパスに設置されま
した。
NEWS LETTER
ページ
ジ3
山
山﨑元学部
部長インタ
タビュー
学生の信頼に応える努力を
しんくま
きよ
よし
新熊 清
(『50
0 年史』専門委
委員長)
2012 年 6 月 19 日に来学されたのを機会
会に、名誉教授
授で元経済学部
部長の山﨑誉雄
雄先
生にインタビ
ビューする機会
会を得た。場所
所は白鳥キャン
ンパス曙館 8 階の応接室、出
階
出席者
は笠井・山内・新熊の 3 名である。
山﨑先生は、横井弘美先
先生や古賀哲夫
夫先生、金田正
正也先生や後藤
藤宏行先生(故
故人)
等々と、いわゆる「初年度
度組」を構成す
するお一人であ
ある。それ故、創立当初の本
本学の
長所をよく御
御存知である。その第一に掲
掲げるべき点は
は、自由に存分
分に研究することを
教員に奨励す
する気風が流れ
れていることで
であった。給料
料の遅配という非常事態の中
中にあ
っても、毎年
年欠かさず 2 名の教員が在外
外研修に出され
れていることで
であった。その
の代
り、最高にいい授業をしろ、というわけ
けである。
山﨑先生にとって一番強
強く記憶に残っているのは、 教員組合の委
委員長をしてい
いた時
(1974 年度)、組合側から
ら定年制の制定
定を提案し成立
立させたことで
である。それは
は、大
学の、財政面
面の健全化は勿
勿論のこと、教
教学内容の充実
実のために絶対
対に必要なもの
のと判
断していた。しかし学会で
で錚々たる地位
位を築いておら
られる高名な先
先生方にお辞め
めいた
だくことを納
納得してもらうのは並大抵のことではなか
かった。町田隆
隆哉先生、今井
井潔先
生など組合執
執行部の諸先生
生方の知恵に支
支えられての定
定年制成立であ
あった。
山﨑先生は西宮市にある甲子園二葉教
教会に所属する クリスチャン
ンである。その
のお立
場から、過去
去に一つと現在
在に一つ、非常
常にさびしい思
思いをしていら
らっしゃることがあ
る。学長に高い経営的能力のあることが求められるよ うになって、クリスチャン
ン条項
が「学長選任
任規程」から 19996 年に消えた
た。それは時勢
勢から自然の成
成り行きである
る
が、問題はそれによって懸
懸念される「キ
キリスト教主義
義の稀薄化」を
を防ぐための方
方策
が、常任理事
事会で問題提起
起したにもかか
かわらず、全く 採りあげられ
れなかったことであ
る。「私の説
説得力不足の結
結果とは言いながら残念でな
ならなかった」と先生は悔や
やまれ
た。
もう一つは、最近送られ
れてきた『コズ
ズモラマ』(877 号)である。学生生活をサ
サポー
トする部署として4つのセンターが紹介
介されていたが
が、キリスト教
教センターがそ
その中
に入っていない。「一番濃
濃密に」キリスト教センター
ーが学生生活を
を豊かにし、サ
サポー
トするもので
でなければならないはずである。これでは
は、キリスト教
教センターなん
んかい
らん、というのと同じでは
はないか。「キ
キリスト教主義
義の稀薄化が進
進行している」と先
生は考えておられる。
これと関連
連して、建学の精神「敬神愛
愛人」の意味に
にについて話が
が進んだ。いつ
つも穏
やかな先生のお声が急に強
強くなった。「
「敬神」と「愛
愛人」は並列す
する 2 項ではな
なく、
分割できない一つの言葉で
である。「神が言うように人
人を愛しなさい
い」言い換えれ
れば
「神を敬う心
心をもって人を愛しなさい」という意味で
である。それを
を取り違えては
はなら
ない。
最後に、学
学生や教職員に
に伝えるメッセージをいただ
だいた。まず学
学生に、「教職
職員を
人生の先輩・師として信頼
頼しなさい。」そして教職員
員に、「それに
に応える努力を
をしな
れを皆さんに伝
伝えることを約
約束してインタ ビューを終わ
わった。
さい。」これ
やま
や さきたか お
教員組合の委
委員長をしてい
いた
時、定年制を
を提案した。高
高名
な先生方にお
お辞めいただく
くの
は並大抵のこ
ことではなか
かっ
た。
「敬神愛人」とは、「神が言
が言
うように人を愛
愛しなさい」言
言
い
い換えれば「神
「神を敬う心を
をも
っ
って人を愛し
しなさい」とい
いう
意
意味である。
山﨑誉雄元経済
済学部長と筆者
2012 年 6 月 199 日、名古屋キ
キャンパ
スにて撮影
ページ 4
NEWS LETTTER
20
012 年度
度大学史料
料室活動
動記録
■委員会
■
第 13 回『50 年史
史』専門委員会
第 14 回『50 年史
史』専門委員会
第 15 回『50 年史
史』専門委員会
第 16 回『50 年史
史』専門委員会
第 17 回『50 年史
史』専門委員会
2012 年 5 月 16 日(水
水)
2012 年 7 月 19 日(木
木)
2012 年 9 月 19 日(水
水)
2012 年 9 月 20 日(木
木)
2012 年 11 月 7 日(水
水)
2013 年 2 月 12 日(火
火)
2013 年 2 月 13 日(水
水)
17:10~19:45
17:20~19:30
14:00~2
20:30
9:30~14
4:00
14:00~17:20
13:00~17:30
10:00~15:00
執筆状
状況、収録資料
料、News Lette
er 他
執筆状
状況、News Lettter 他
原稿確
確認他
〃
確認、来年度予
予算・事業計画
画他
原稿確
原稿確
確認
〃
■インタビュー
■
ー
山﨑元経済学部
山
部長
稲垣理事長
稲
2012 年 6 月 19 日(火
火) 13:00~14:30
2012 年 12 月 10 日((月) 11:10~12:00
名古屋
屋キャンパス(
(葛井・新熊・山内)
名古屋
屋キャンパス(
(新熊・笠井・山内)
■出張
■
大学史資料協議
大
議会総会
2012 年 10 月 10 日((水)~12 日(金
金)
同志社
社大学(新熊・ 山内)
~史料収
~
収集につい
いてのお
お願い~
「名古屋学院
院大学史料室」 では、学内に
に蓄積された
本学の資料を収
本
収集しています
す。本委員会で
では、本学の
『50
『
年史』作成
成に向けて、 できる限り正
正確な記述と
なるよう留意し
な
しております。 しかしながら
ら、資料の収
集には時間と労
集
労力を必要とし
します。教職員
員・同窓生の
皆様が本学関係
皆
係資料をお持ち
ちの場合は、本
本史料室まで
ご連絡いただき
ご
きますようお願
願い申し上げま
ます。クラブ
活動などは、当
活
当時関係された
た方々が所蔵さ
されているこ
とが多く、学内
内で探すことは
は難しいのが現
現状です。ぜ
ひご協力をお願
ひ
願いいたします
す。
<連絡先>xxto
[email protected]
■編
編集後記
記■
2012 年 12 月 25 日、本
本学の建学の精
精神「敬神愛人
人」が刻まれた
た石碑がキャン
ンパスに設置さ
されました(上
上の写真)。石
石
材は瀬戸キャンパス合宿所
所建設時に出土
土したものを用
用い、大学を訪
訪れた人だれも
もが「敬神愛人
人」を心に刻め
めるよう名古屋
屋
と瀬戸、両キャンパスに置
置かれました。
【訂正】前号
号の編集後記に
にて、クライン
ン博士の墓碑銘
銘に、“Not to
t Be Ministe
ered unto to but to Minister”(仕えら
ら
れるためでは
はなく仕えるた
ために)(新約聖
聖書『マルコ による福音書
書』第 10 章 45
4 節)と刻ま
まれていたとお
お伝えしました
た
が、正しくは“Not to Be Ministered unto,
u
but to Minister”で
でした。お詫び
びして訂正いた
たします。
名古屋学
学院大学史
史料室 New
ws Letter
er
第4号
発行日
2013
3 年 3 月 15 日
編集・発行 名古屋学院大
大学史料室
2 名古屋市熱
熱田区大宝 3 丁目
丁 1-17
〒456-8612
電話 052-67
78-4078
(内線
線 5890)