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平成23年度税制改正が国会で審議中!
−付録にて税制改正(案)の要点整理を掲載−
め調整的に徐々に控除額を縮減
○ 特定支出控除について,範囲の拡大等を行い,
給与所得者の実額控除の機会を拡大する。
・弁護士,公認会計士,税理士などの資格取得
費,勤務必要経費(図書費,衣服費,交際費,
職業上の団体の経費)を追加
・適用判定の基準を給与所得控除額の2分の1
(現行:控除額の総額)とする
○ 勤続年数5年以下の法人役員等の退職金につ
平成23年度税制改正(案)が発表されました。平
いて,2分の1課税を廃止する。また,退職所
成23年度税制改正については,現在国会で法律案
得に係る個人住民税の10%税額控除を廃止する。
等が審議されており,詳細な政令等の改正はこれ
○ 成年扶養控除について,成年者は基本的に独
から行われます。
立して生計を立てるべき存在であること等を踏
なお,本号の別冊付録において,地方税ととも
まえ,控除を縮減。
に受験への重要度を付与した要点整理を行った
・障害者,要介護認定者その他心身の状態等に
「平成23年度税制改正(案)の要点整理」を付けて
より就労が困難な扶養親族,65歳以上の高齢
おりますので,ご参照ください。
者,学生については,引き続き控除の対象
同案の内容は,以下のとおりです。
・給与収入568万円(所得400万円)以下の納税
■納税環境整備
者については,扶養による担税力の減殺に配
○ 納税者権利憲章の策定,税務調査手続の明確
慮し,被扶養者の事情にかかわらず,引き続
化,更正の請求期間の延長,処分の理由附記の
実施等の措置を講じ,国税通則法について,制
定以来最大の見直しを実施する。
き控除を適用
・給与収入568万円(所得400万円)から段階的
に控除を縮減し,給与収入689万円(所得500
○ 国税不服審判所の改革については,行政不服
万円)以上の納税者については,控除を廃止
審査制度全体の見直しの方向を勘案しつつ,不
(注) 現行制度では,23歳から69歳であれば,一律に
控除が適用
服審査手続,審判所の組織や人事のあり方につ
○ 年金所得者の申告手続の負担を軽減するため,
いて見直しを進める。
○ 番号制度の早期の導入に向け,「社会保障・
公的年金等の収入金額が400万円以下で,かつ,
税に関わる番号制度に関する実務検討会」を中
年金以外の他の所得金額が20万円以下の者につ
心に速やかに検討を進めるとともに,税務面に
いて申告不要制度の創設等の措置を講じる。
おいても法定調書の拡充等の課題について積極
○ 上場株式等の配当・譲渡所得等に係る10%軽
減税率を2年延長し,平成26年1月から20%本
的に検討を進める。
■個人所得課税
則税率とする。これに伴い,いわゆる日本版I
○ 給与所得控除に上限を設定する(給与収入
SAの導入時期を平成26年1月とする。
■資 産 課 税
1,
500万円超は一律245万円)。
○ 高額な法人役員等の給与に係る給与所得控除
○ 現行「5,
000万円+1,
000万円×法定相続人数」
を縮減する。
・給与収入4,
000万円超は,2分の1の額(125
である基礎控除を「3,
000万円+600万円×法定
相続人数」へ引き下げる。
万円)を上限
・給与収入2,
000万円を超え4,
000万円までの間
は,控除額の上限を4分の3とする部分も含
2
(相 続 税)
○ 最高税率を55%に引き上げるなど税率構造を
見直す。
Zeikei Seminar 2011−04
○ 現行「5
00万円×法定相続人数」である死亡
除制度,グローバル企業のアジア地域統括拠点
保険金に係る非課税枠を「5
00万円×次のいず
や研究開発拠点を呼び込むための所得控除制度
れかに該当する法定相続人数」とする。
を創設する。
① 未 成 年 者
○ 租税特別措置の徹底した見直しを進めるため,
② 障 害 者
政策税制措置について109項目の見直しを行い,
③ 相続開始直前に被相続人と生計を一にして
その結果,50項目を廃止又は縮減する。
■消 費 課 税
いた者
○ 相続税額に係る未成年者控除(現行:6万円
○ 地球温暖化の原因となる温室効果ガスの約9
×20歳に達するまでの年数)及び障害者控除(現
割を占めるエネルギー起源CO2の排出を抑制
行:6万円×85歳に達するまでの年数)につい
する観点から,
「地球温暖化対策のための税」
て,1年当たりの控除額を10万円に引き上げる。
を導入する。
⇒ 全化石燃料を課税ベースとする石油石炭税
(贈 与 税)
○ 暦年課税について,直系卑属(20歳以上)を
にCO2排出量に応じた税率を上乗せ
受贈者とする場合の贈与税の税率構造を緩和す
上乗せする税率
る。
原油及び石油製品760円/
○ 相続時精算課税制度について,受贈者に20歳
(現行:2,
040円/
)
以上の孫を追加するとともに,贈与者の年齢要
ガス状炭化水素780円/t(現行:1,
080円/t)
件を「65歳以上」から「60歳以上」に引き下げ
石炭670円/t(現行:700円/t)
る。
平成23年10月1日施行。平成27年3月31日まで
■法 人 課 税
の間,所要の経過措置を講じる。
○ 我が国企業の国際競争力の向上や我が国の立
○ 航空機燃料税の税率を,平成23年度から平成
地環境の改善等を図り,国内の投資拡大や雇用
25年度までの間,1万8,
000円/
創出を促進するため,国税と地方税を合わせた
万6,
000円/
法 人 実 効 税 率 を 5 % 引 き 下 げ る〔40.
69% ⇒
離島路線(3/4の税率)についても,同じ比率
35.
64%〕。
となるよう引き下げる。また,航空機燃料譲与
こ の た め,法 人 税 率 を30% か ら2
5.
5% へ
(現行:2
)とする。沖縄路線(1/2の税率),
税の譲与割合を,平成23年度から平成25年度ま
での間,9分の2(現行:13分の2)とする。
4.
5%引き下げる。
○ 中小法人に対する軽減税率を18%から15%へ
■市民公益税制
○ 認定NPO法人への寄附について,所得税に
3%引き下げる。
○ 法人実効税率の引下げとあわせ,財源確保の
おいて税額控除制度(控除率40%:個人住民税
ための課税ベースの拡大として,特別償却や準
と合わせて50%まで)を導入する。公益社団・
備金制度等の租税特別措置の廃止・縮減のほか,
財団法人,学校法人,社会福祉法人又は更生保
減価償却速度の見直しや大法人に係る欠損金の
護法人への寄附についても同様の税額控除制度
繰越控除の一部制限等を行う。
を導入する。
○ 雇用や投資を促進するため,雇用を一定以上
○ 認定NPO法人制度について,PST(パブ
増加させた企業に対する税額控除制度(増加1
リック・サポート・テスト)要件に寄附者の絶
人当たり20万円)(雇用促進税制),先進的な低
対数(寄附金額3,
000円以上の寄附者年平均100
炭素・省エネ設備を取得した場合の特別償却・
人以上)で判定する方式を導入するなど,認定
税額控除制度,国際的に競争優位性を持ちうる
要件の緩和等を行う。新たな認定制度(地方団
大都市を対象とする国際戦略総合特別区域(仮
体による認定,仮認定制度の導入等)が新認定
称)内における特別償却・税額控除及び所得控
法に基づき適切に整備された場合には,所要の
Zeikei Seminar 2011−04
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税制上の措置を講じる。
商工会議所簿記検定試験
出題区分表の改定について
○ 個人住民税の控除対象寄附金の拡大等により,
地域において活動するNPO法人等を支援する。
■地域主権改革と地方税制
平成23年2月9日に日本商工会議所より,「商
○ 地域主権改革を推進する中で,地方がその役
工会議所簿記検定試験出題区分表の改定にあたっ
割を十分に果たすため,地方税を充実し,税源
て」が公表されました。
の偏在性が少なく,税収が安定的な地方税体系
日本商工会議所では,簿記検定試験の出題の基
を構築していく。
礎的な指針として,
「商工会議所簿記検定試験出
○ 地方税制度を「自主的な判断」と「執行の責
題区分表」(以下「区分表」と略す)を昭和34年
任」を拡大する方向で抜本的に改革していくこ
9月に制定以来,8度にわたり会計諸基準の設
ととし,成案を得たものから速やかに実施する。
定・改訂および関係法令の制定・改正等を踏まえ,
○ 地域主権改革の視点を踏まえ,税負担軽減措
出題区分表の改定を行ってきました。しかし,平
置等について100項目の見直しを行い,その結
成22年4月以降にも,企業会計基準委員会から新
果,64項目を廃止又は縮減する。
たな企業会計基準が設定・公表されており,これ
らに対応するため修正を行う必要が生じておりま
す。
公認会計士試験試験委員の
退任について
そこで,企業会計を取り巻く環境の変化に的確
に対応すべく,
「区分表」等を改めて見直し出題
平成23年公認会計士試験の試験委員のうち,会
項目の修正又は追加等を行いました。ただし,
「工
計学〔財務会計論・管理会計論〕,監査論及び企
業簿記・原価計算」につきましては,今回の改定
業法を担当する次の試験委員が,平成23年2月16
事項はありません。
日付をもって退任されました。
なお,今回改正の「区分表」等については,平
■財務会計論
成23年4月1日から適用(平成23年6月12日施行
佐々 誠一(公認会計士)
の第128回簿記検定試験から適用)することとし
田村 威文(中央大学教授)
ます。
■管理会計論
商工会議所簿記検定試験出題区分表につきまし
松島 桂樹(武蔵大学教授)
ては,日本商工会議所(検定試験)のホームペー
■監査論
ken
t
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i.
ne.
ジよりご確認ください(h
t
tp://www.
j
p/)。
小俣 光文(明治大学准教授)
片山 英木(公認会計士)
瀧 博(立命館大学大学院教授)
間島 進吾(中央大学教授)
4月号 Apr
i
l
持永 勇一(公認会計士)
■企業法
橡川 泰史(神奈川大学大学院教授)
福原 紀彦(中央大学大学院教授)
(科目順,五十音順,敬称略)
(平成23年2月16日付)
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