CSR経営の強化 - 株式会社日立システムズ

CSR経営の強化
コンプライアンスを推進
CSRを支える基盤
当社は、
日立グループ共通の理念であり、
「日立システム
ズWay」
の前提となる
“基本と正道”
の精神に則って、企業
持続可能な社会の発展に向けて、日立シ
としての社会的信頼を高めることを基本方針としてコンプ
ステムズグループはCSRを支える基盤を
ライアンスを推進しています。
強化し、発展させていきます。
具体的には、
日立グループに共通して適用される行動規
範を定めた
「日立システムズ行動規範」
を当社の会社規則
として制定し、日立システムズグループ一体となった各種
施策「行動規範実践プログラム」
を展開しています。この
コーポレート・ガバナンス体制
「行動規範実践プログラム」
では、
「行動規範の理解のため
当社取締役会は、
取締役14名
(非常勤取締役4名を含む)
の教育の推進」
(Plan)
→
「従業員一人ひとりの行動規範の
と監査役5名
(非常勤監査役2名を含む)
によって構成され、
実践」
(Do)
→
「監査、内部統制、従業員意識調査、内部通報
原則月1回開催します。法令で定められた事項や、重要な経
制度等を通じた行動の確認」
(Check)
→
「プログラムや教
営の意思決定と業務執行の監督をスピーディーに実行する
育内容の見直し」
(Action)
といったPDCAサイクルを常に
ことで、継続的な企業価値の向上に努めています。
意識し、諸施策に取り組んでいます。
監査役会は、監査役5名
(非常勤監査役2名を含む)
で構
また、ステークホルダーから信頼される行動の実践はも
成され、独立性を保持しながら監査を実施しています。ま
ちろんのこと、
コンプライアンスリスクの発生防止という観
た、監査役は取締役会・経営会議・執行役員会議などの重要
点からも、上記施策に加えて、各組織におけるリスクの洗い
な会議に出席し、経営と業務執行の監査に努めています。
出しや、洗い出したリスクへの対応策の立案・実践といった
なお、取締役と監査役は、それぞれ内部監査部門および
リスクマネジメント施策にも積極的に取り組んでいます。
会計監査人と連携を取り、良質なコーポレート・ガバナンス
体制の確立に努めています。
一方で、日常の業務執行については、執行役員制度を導
情報セキュリティを強化
入し、業務執行の迅速化と事業責任の明確化を図っていま
当社では、
「情報セキュリティ方針」
に基づき、ISMS※の体
す。また、執行役員31名
(取締役を兼務する10名を含む)
と
系に準じた情報セキュリティ管理体制と規則を構築し、教育
常勤監査役3名による執行役員会議では、各部門の報告や
や指導を徹底するとともに、情報セキュリティ監査による実
幹部指示の伝達や役員間の情報共有をしています。
施状況の確認、活動や施策の改善を継続的に実施していま
す。これらの取り組みを通じて、従業員全員がセキュリティ
コーポレート・ガバナンス体制
に対する高い意識を持って行動し、お客さまとの信頼関係
株主総会
報告
選任・解任
報告
選任・解任・監督
監査
報告
執行役員会議
連携
内部監査部門
連携
インターナル・
コントロール委員会
(株)
日立製作所
評価報告書・
宣誓書の提出
監査
情報セキュリティ推進体制
社長
情報
セキュリティ
委員会
各部門
●
●
委員長:情報セキュリティ統括責任者
事務局:各部門代表者
情報セキュリティ責任者
● 情報セキュリティ管理者
● 情報資産管理者
●
(グループ会社を含む体制)
19
日立システムズグループ ● CSR報告書 2012
監査部門
報告
評価結果報告
経営会議
監査報告書の
提出
連携
監査役会
※ ISMS:Information Security Management Systemの略。情報セキュ
リティマネジメントシステムのこと。
会計監査人
︵外部監査人︶
監査
取締役会
を維持し続けていきます。
選任・解任
「品質確保フェーズゲート」
を設置
品質ナレッジの共有・活用
当社は、お客さまに満足いただける高品質なITサービス
当社では、事故や障害の撲滅・再発防止を目的として、反
を提供するため、大きく3つの品質保証活動を推進してい
省会、品質マインドの醸成教育などを実施しています。事故
ます。
情報や反省会の結果はナレッジ情報として事故管理DB、社
1つめは、設計・運用部署が自社の規格に沿って品質を確
内サーバーに格納し、eラーニングの教材に活用したり、従
保し、お客さまからの
「引き合い」
から
「稼働後」
までのプロ
業員向けに事故情報を発信して、製品・サービスの品質改
セスで
「品質をつくりこむ活動」
です。もう1つが、専門組織
善につなげています。また、グループ会社のガバナンス強
である品質保証本部も参画して、開発から運用における
「プ
化に向けて、品質に関するグループ会社との
「品証部門連
ロセスの妥当性を検証する活動」
です。
絡会」
を2カ月に1回開催しています。
さらに、2008年度から
「品質確保フェーズゲート」
を設け
ています。これは、各プロセスで7∼8割作業が進んだ時点
で、
チェックリストを基にしながら
「進捗」
と
「実施すべき作業
の漏れ」
の有無を確認するというものです。高品質を確保
するために上流工程でやるべきことを先送りしないという
ルールを定着させるだけではなく、現場での自立的かつタ
品質ナレッジ
事故処理
報告書
障害
事故
他社事例
事故
DB
障害
DB
イムリーな改善を促しています。
このほかにも、品質保証活動の徹底と効率化に向けて、
教訓の抽出・ナレッジ作成
障害対応支援、品質保証技術・ツールの開発、
システムの設
計や検査の強化、定期点検の継続、ライフサイクルを通し
た品質確保策の推進などに取り組んでおり、2011年度も
品質保証プロセスの改善を実施しました。
「事故から学ぶSE常識集」
(eラーニング教材)
品質確保フェーズゲート
引合/見積/受注/計画
ゲート
基本計画/要求定義
ゲート
基本設計
ゲート
詳細設計
ゲート
製造
構成管理
ゲート
技術情報事例
DB
メーリングリスト
登録者
組み合わせテスト
ゲート
業務機能総合テスト
ゲート
「落穂拾い会議」
の開催
「落穂の精神」
とは、
日立製作所が創業当時から大事にし
てきたもので、
「進んで自分の身を責め、
自分の中に反省を
見出すこと」
を意味します。日立グループにも受け継がれて
システムテスト
ゲート
出荷準備
ゲート
おり、当社も、高品質な製品・サービスをお客さまに提供す
るために、他人を非難するのではなく、
お客さま視点で謙虚
に自分が反省するという姿勢で業務に取り組む、
という考
えを重視しています。
この精神に則って、事故責任部署や品証部門、役員など
が参加する
「落穂拾い会議」
を年2回
(上期/下期各1回)
開
催しています。
日立システムズグループ ● CSR報告書 2012
20
CSR経営の強化
た。また、セミナー開催や展示会出展の際には、新商品・新
CSRを支える基盤
CS向上の取り組み
サービス、業界動向などをお客さまにご紹介するととも
に、商品・サービスへのニーズやご意見などを直接うかが
い、いただいたお客さまの声を経営やサービスに反映して
全国の拠点で、それぞれのお客さまに
“安
います。
心・安全・先進性”
による満足と感動をもた
らすイノベーションを提供します。
お問い合わせ件数
(件)
10,000
日立情報システムズ
日立電子サービス
8,971
7,500
CS向上活動の推進
6,338
当社は、
“業界ナンバー1のCS”
を目指して、継続的にCS
向上活動に取り組んでいます。その推進組織として、
システ
ムインテグレーション部門では
「C1運動推進委員会」、プ
ラットフォーム保守系の部門では
「CS品質向上会議」
を設け
ています。
2012年度は両組織を融合した
「全社CS会議」
を
発足し、運営していく予定です。
● C1運動推進委員会/CS品質向上会議
月1回開催し、
CS向上に関する全社的な方針の決定、施
策の検討などをしています。また、お客さまの信頼に応え、
より高い品質の商品・サービスをご提供するために
「サービ
ス状況アンケート」
を毎年実施。アンケート結果はそれぞれ
の担当部門にフィードバックして、商品やサービス、お客さ
まへの接し方など業務全般に反映しています。
5,000
5,060
2,500
日立システムズ
8,815
2,718
622※
6,253
5,716
0
2008
2009
2010
2011(年度)
※ 2009年度の日立電子サービスは下期のみ集計
CSRを支える基盤
従業員とともに
日立システムズグループは、従業員は
「人
情報セキュリティ
財」
であると考えており、多種多様な人間
性を尊重した人財活用を目指しています。
CS向上のためのフロー
情報提供結果
フィードバック
営業担当
設計担当
お客さま状況確認
● CS改善策検討
・実施
●
体系的な教育制度を構築
お客さま
1運動推進委員会
C
施策実施
サービス状況アンケート
お客さま評価
当社は、ITスキル標準(ITSS)
に準拠した独自のスキル
マネジメントシステムを構築しているほか、役割やキャリ
アに応じた効果的な教育を実施し、人財育成を強化して
います。
例えば、教育制度では職種別教育や階層別教育、グロー
バル教育と幅広いプログラムを用意。専門教育では、SEや
● お客さま窓口
「FainDesk」
当社では、お客さまとコミュニケーションを図る窓口とし
か、階層別教育では、教育体系に基づき、
ビジネススキル
て
「FainDesk」
を設置し、商品やサービスに関するお問い
や論理的思考のレベルアップを図るとともに、キャリアの
合わせをはじめ、お客さまの経営課題やシステム開発に関
過程で必要となるマネジメントスキルを学べます。そして
するご相談をメールや電話で受け付けています。
グローバル教育では、グローバルリーダーの育成などの
2011年度は、8,815件のお問い合わせをいただきまし
21
営業など職務タイプ別に必要な知識やスキルを学べるほ
日立システムズグループ ● CSR報告書 2012
研修を実施しています。
長時間労働の削減・防止
当社では、従業員が健康的に意欲を持って働くためには、
長時間労働を削減することが重要と考え、業務効率の向上
に向けたさまざまな取り組みを実施しています。取り組みに
あたっては労使一体で推進しており、労使の代表者をメン
バーとする労働時間適正化委員会を年2回
(上期/下期各1
CSRを支える基盤
環境とともに
日立システムズグループは、地球環境の
保全が人類共通の重要課題との認識のも
と、環境負荷の低減に努めています。
回)
開催。この委員会で新たな施策の検討や、
これまでに取
り組んだ施策の改善・強化を図っています。
施策の一例としては、
毎週水曜日の一斉定時退勤や、
プロ
ジェクト終了時などに連続休暇を取得できるプロジェクト休
暇の新設などがあります。これらの取り組みの成果として、
環境マネジメント
日立システムズグループは、環境経営や環境リスク低減
2011年度は合併によって作業量が増加したものの、
時間外
などの継続的改善を目指して、国際標準規格ISO14001に
労働時間は微増に止まりました。なお、
やむを得ず月60時間
基づく環境マネジメントシステムを構築し、その仕組みを基
以上の残業を行った社員に対しては、
健康診断や医師・保健
に環境に関する取り組みを進めています。そして、2011年
師などの面接を通じて心身の健康をフォローしています。
10月に日立システムズとして合併後、2012年5月にグ
今後も、社員が生き生きと働ける職場づくりを目指し、労
ループ会社7社を含めた日立システムズグループとして一
使一体となって長時間労働削減に向けた取り組みを全社に
括認証を受けました。なお、報告対象期間中の当社の環境
展開していきます。
に関連する法令等違反はありませんでした。
時間外労働時間
(月平均)
● 環境データセンタ構想
(時間)
当社は2007年から
「環境データセンタ構想」
に着手。先
40
30
32.3
進的なサーバーの仮想化技術を積極的に活用し、
センター
30.1
25.5
25.7
26.4
20
内で最も電力を消費するサーバーの省電力化を推進して
います。現在、2013年
度までに「2010年度
比20%削減」
という目
10
標を掲げ、取り組んで
います。
0
2007
2008
2009
2010
環境モデルセンタ内部
2011(年度)
● サービスカーの低公害車化
メンタルヘルスケア
ビルで使用する電力由来のCO2のほかに全国に約850
台配備しているサービスカーから排出されるCO 2 量も全
生き生きと働ける職場をつくるためには、社員の体だけ
体の7%を占めていま
でなく、心のケアも重要です。当社では、健康管理センタを
す。このため、サービス
はじめ各事業所に健康相談窓口を設置し、面談希望者や長
カーを順次、
ハイブリッ
時間超勤者に対して、産業医、精神科専門医、保健師などに
ド車に代表される超低
よる保健指導・メンタルヘルスケアを行っています。
公害車に変更すること
今後も、
産業保健スタッフ体制を充実するなど、
心身の健
康維持・増進に向けたきめ細かい対応を実施していきます。
も課題として取り組ん
サービスカー
(電気自動車)
でいます。
日立システムズグループ ● CSR報告書 2012
22
CSR経営の強化
4 本社、
横浜支社ほか
●
CSRを支える基盤
地域貢献活動
「あんしんの森」
で環境保全活動
全国の支社・支店およびグループ会社で
「水源林パートナー制度」
に参画し、2008年から神奈川県
は、環境保全や社会福祉などの自主的な
地域貢献活動に取り組んでいます。
当社は、環境保全活動の一環として神奈川県が実施する
足柄上郡松田町寄(やどりき)に
「あんしんの森」
を開設して
います。2011年度も合計3回開催し、従業員やその家族の
べ233名が集合。間伐作業や水源林ガイドコースの散策な
どを体験しました。
1 北海道日立システムズ
●
「北海道 日立グループの森」
下草刈り活動に参加
北海道地区の日立グループでは、
「北海道 日立グループの森」
(勇払郡むかわ町)
を開設して4年目を迎えました。2011年は、
2008年に植樹した苗木の成
長を助長する下草刈りを実施
しました。私たちは、
これからも
「北海道 日立グループの森」
を
大切に見守っていきます。
2 東北支社
●
盛岡さんさ踊りに合わせて
清掃ボランティア
東北支社の盛岡営業所では、2010年から盛岡さんさ踊り
に合わせて従業員全員でパレードのエリア内にある事務所
周辺の清掃活動を実施しています。2011年は、岩手県内
の日立グループ各社にも参加を呼びかけ、
日立グループ9
社33名が本活動に参加しました。参加者が増えたことで昨
年よりも活動エリアを広げ
ることができ、中央通を中心
に3班に分かれて、空缶、ビ
ン、ペットボトルなどのごみ
を拾いました。
3 本社
●
山形県河北町立河北中学校の
「企業訪問」
を受け入れ
2011年4月22日、山形県河
北町立河北中学校の修学旅
行生20名の企業訪問を受け
入れ、会社説明や施設見学、
当社商品の体験などを催し
ました。
23
日立システムズグループ ● CSR報告書 2012
5 日立システムズ
●
フィールドアンドファシリティサービス
「東京都千代田区一斉清掃」
に協賛
2011年度は、6月と11月に
神田本社周辺の清掃活動を
実施し、合わせて58名が参
加。ごみ袋10袋分を回収し
ました。
6 日立システムズ・テクノサービス
●
献血活動の実施
2012年3月1日に品川オフィスで東京都赤十字血液セン
ターにご協力をいただき、
「 献血活動」
を実施しました。日
立システムズ・テクノサービ
スとしては、初の試みではあ
りましたが、52名が参加し
ました。
7 日立システムズ
●
エンジニアリングアンドソリューション
各地で“クリーン作戦”に参加
中部支店で2011年11月12日に
「藤前干潟クリーン大作
戦」
(主催:NPO法人藤前干潟を守る会ほか)
に22名、関西
支店で同年10月22日に
「大阪マラソン
“クリーンUP”
作戦」
(主催:大阪市、すきやねん大阪市民運動推進委員会)
に30
名、茨城オフィスで2012年
2 月 4 日に「 中 心 市 街 地ク
リーン作戦」
(企画:水戸市男
女平等参画課)
にそれぞれ
参加しました。
1
2
13
11
9
12
10
7
6
11 中国支社
●
8 中部支社
●
ボランティア団体に寄付
「ごみゼロ・クリーンウォーク」
に参加
各家庭にある洗剤、ハンカチ・タオル類の日用品や未使用
広島市内中心部の散乱ごみを拾って歩く、
きれいなひろし
の鉛筆・ノート、子ども用のTシャツ・半ズボン・スカートなど
ま・まちづくり市民会議主催
「ごみゼロ・クリーンウォーク」
を持ち寄って、2011年12月
が2011年6月5日に開催さ
28日にボランティア団体に
れ、中国支社からは従業員・
寄付しました。
家族合わせて24名が参加し
清掃活動を行いました。
9 中部支社 北陸支店
(富山営業所)
●
海岸清掃美化活動に参加
2011年9月10日、日立グループ恒例イベントの海岸清掃
12 四国日立システムズ
●
「日立グループの森プロジェクト
in四国(第2回)」
に参加
美化活動が富山県富山市岩瀬浜で行われ、従業員・家族も
2011年5月14日に開催された
「日立グループの森プロ
含め11名が参加しました。
ジェクト」
に参加しました。当日は、四国日立システムズから
海水浴シーズン後の海岸清
従業員・家族合わせて11名
掃でしたが、流木やペットボ
が参加し、除間伐・植林を順
トル、たばこの吸殻などのご
次行いました。
みを収集しました。
10 関西支社
●
神戸支店
「チャリティカレンダー市」
への寄贈
2010年からNPO法人「日本災害救援ボランティアネット
ワーク」が毎年1月の3連休に開催するチャリティカレン
ダー市にカレンダー、手帳を寄贈しています。チャリティカ
レンダー市とは、不要となったカレンダー、手帳などを安価
で販売し、売上金を支援活
動にあてるというものです。
今年はカレンダー255個、
13 九州日立システムズ
●
本社ビル周辺の清掃活動
毎月最終水曜日の定時前に有志が集い、マンション・学校
などが立ち並ぶ本社ビルを中心とした2ブロック圏内の美
化活動を実施しています。
2011年度は、のべ179名が
参加しました。
手帳122冊を寄贈すること
ができました。
日立システムズグループ ● CSR報告書 2012
24