平成26年度 海外スクーリング開講 教 務 課 海外スクーリングの実施にあたって 日本大学通信教育部長 福田 弥夫 皆さん「アロハ」! 今年度も昨年度に引き続き,ハワイでスクーリングを実施することになりました。通信 教育部の海外におけるスクーリングは,1971 年(昭和 46 年)の「洋上スクーリング」が最初でした。20 日間 に亘ったこのスクーリングは,小笠原,サイパン,グアム,香港,台湾そして本土復帰前の沖縄を訪問して います。その後は,アメリカ,イギリス,オーストラリア,カナダそして中国などでスクーリングを実施してきま した。 一時中断いたしましたが,学生の皆さんからの強い要望に応える形で,新たに「海外スクーリング」とし て,平成 19 年度から平成 21 年度までは韓国釜山市の新羅大学校において,また平成 22 年度から平成 24 年度までは台湾台北市の国立台湾師範大学において行っております。 英語圏におけるスクーリング実施の希望が多いことから,平成 25 年度はハワイ大学マノア校において 実施いたしました。昨年度のハワイスクーリングには,20 名の学生が参加しましたが,本学の専任教員に よる講義に加え,ハワイ大学の教員による講義のほか在ホノルル日本国総領事館総領事による特別講義, ホノルル報知新聞社訪問,オアフ島各地での校外学修,そしてハワイ大学学生との交流などの充実した 研修内容となりました。 海外旅行先として人気のあるハワイですが,明治中期には日本から多くの方々がハワイへ渡り,日系人 コミュニティーを形成し,現在ではハワイ州の多方面において活躍されております。ハワイ大学マノア校と 日本大学との間では学生交換を含んだ学術交流が展開されており,昨年度は通信教育部から 1 名の交 換留学生がハワイ大学に派遣されました。 今回のスクーリングは,アメリカやハワイの政治制度やハワイの日系人政治家の活動などに焦点を当て, 本学の専任教員による講義に加え,昨年度と同様にハワイ大学の教員による講義や,ハワイ州議会議事 堂などへの見学を含んだ内容となります。昨年度のプログラムは大変好評でしたが,今年度は昨年度の 内容をベースにさらに充実したものとすべく鋭意検討中です。一般の海外旅行では決して経験することの できない内容が揃ったハワイでのスクーリングとなります。多数の皆さんの参加を希望しております。 Let’s go to Hawaii!! Thank you.そして「マハロ」!!! ハワイ大学マノア校の概要 1907年,ホノルルに農業工科大学として創設され,現在ハワイ大学は州立大学としてハワイの各島 (ハワイ諸島,カウアイ島,オアフ島,モロカイ島,ラナイ島,マウイ島,ハワイ島)に 10 箇所キャンパスを 擁し,3つの大学と7つの短期大学,その他教育機関で構成されています。マノア校は,大学本部のあ るハワイ州オアフ島のマノア地区に位置しています。文理,経営,教育,工学,熱帯農業および人的資 源,継続教育等の学部を有し,建築,医学他,ハワイの地理的文化的環境に関連した学問分野の専 門職大学院に設置されています。特に熱帯農業,海洋学,アジア研究等が有名です。在学生数は学 部生約 14,000 人,大学院生約 5,800 人おり,全体で約 20,000 人を擁し,学生の7割がハワイ在住 で,留学生が約7%,100 か国から学びにきております。卒業生は 17 万人におよび,全米及び世界で 政財界,教育,医学,スポーツの分野で活躍しております。 2014 年全米ランキングでは 150 位以内にランキングされており,図書館情報学は全米 27 位, 地球科学分野では 34 位となっています。海洋研究では世界有数規模を誇っています。 募集要項 1 開講日程 平成27年2月5日(木)~2月11日(水)7日間 2 開講場所 ハワイ州 3 引 専任教職員2名 4 率 開講科目 ① 科目名 ② 内 容 ③ 担当者 ホノルル市 ハワイ大学マノア校 総合科目Ⅰ~Ⅵ(2単位) (本スクーリングの結果は,平成27年3月卒業の卒業所定単位に 算入することができます) 「アメリカの政治について学びましょう」 アメリカにおける政治と行政との関連―」 せきね ふ み お 関根 二三夫 本学通信教育部教授 ハワイ大学マノア校教員1名 5 受講資格 全学年の正科生 6 募集人員 25名(最少催行人数10名) ※定員になり次第,募集を締め切ります。 7 経 220,000円 内訳:参加費 207,000円 スクーリング受講料 13,000円 ※ 燃油サーチャージ等の変動により,参加費を追加徴収する場合が あります。 ※ 経費のうち,参加費(207,000円)に含まれる費用としては, 東京(成田)―ハワイ(ホノルル市)間の往復航空券(エコノミークラ ス),成田空港施設使用料,旅客保安サービス料,海外空港税,航 空保険料,燃油サーチャージ代,現地滞在期間中の宿泊・食事料(行 程表以外の食事は自己負担),現地交通費,入場料及びその他雑費 です。 ※ 参加費以外に個人が負担する主な必要経費としては,次のものがあ ります。 (1) 健康診断受診費用 (2) 海外旅行損害保険加入費用 (3) パスポート申請費用(パスポートの申請が必要な場合) (4) 参加者登録用写真(2枚)の費用 (5) ESTA 申請手数料 (ESTA の申請が必要な場合) 費 ※ 経費納入後,事情により参加を取り消す場合,スクーリング受講料 については返金できません。 また,参加費については取消料(旅行会社とハワイ大学マノア校宿 泊費等)が発生します。それらの取消料を差し引いて返金します(取 消料は取消申請日により異なります)。 8 募集期間 平成26年9月24日(水)~11月8日(土)(必着) 9 申込方法 『部報』9月号巻末の「申込書」「誓約書」「健康調査票」に必要事 項を記入, 「パスポートの写し(所持者のみ)」を郵送又は直接,教務課 に,持参してください。 ※参加希望者は「誓約書」を熟読の上,署名捺印し,「申込書」は 裏面の“応募理由書”も必ず記載し,提出してください。 10 申込結果 11月中旬に通知いたします。 11 納入期間 平成26年11月25日(火)~12月5日(金) 12 シラバス ① タイトル ② ③ 「アメリカの政治について学びましょう ―アメリカにおける政治と行政との関連―」 開講講座名 総合科目Ⅰ~Ⅵ 開講単位 2単位 ④ 担 当 者 ⑤ せきね 関根 ふ み お 二三夫 本学通信教育部教授 専攻分野:政治学 ハワイ大学マノア校教員1名 専攻分野:政治学系 学修目標 日本とアメリカとの政治制度の相違点は,日本が議院内閣制を採用し,アメリ カが大統領制を採用している点にあります。アメリカの大統領制は,権力分立の 原理に基づき議会と大統領を明確に分け,議会の干渉を受けない強力な大統領を 樹立する制度です。議会と大統領との関係を,議会政治の原理と大統領拒否権と を比較して考察し,また,行政国家化の中での議会の行政統制の手段として議会 拒否権を交えて考察します。議会と大統領とを対等の関係に立たせる目的が大統 領制にはありますが,アメリカの歴史を眺めますと,議会の影響力が大統領に対 して強くなったこともあり,また逆に大統領の影響力が議会に対して強くなった こともあります。このことは,政治と行政との関係としても捉える事ができ,特 に南北戦争後の政治的・社会的状況が両者の関係を顕著に際立たせました。政治 と行政とは,どのような関係にあるべきなのか。アメリカ行政学の誕生もこの時 期で,政治・行政二分論が唱えられ,その後,政治と行政との関係が変遷します。 最後に,アメリカの政治と行政との関係が,わが国に影響を及ぼした戦後の公務 員制について触れたいと思います。わが国において戦前の官吏制度と戦後の公務 員制とは大きく変化し,公務員制の濫觴期にアメリカの公務員制を採用しようと いたしました。アメリカの議会と大統領との関係は,わが国の公務員制にも影響 を与えていたことを学修したいと思います。 ⑥ 授業方法 上記の学修目標を達成するため,講堂内における「講義」 「講演」と,現地の巡 見や校外学修を織り交ぜて展開する。現地で生活している方々の講義・講演を併 せて聞くことで,日本,ハワイの双方向的視覚によって,ハワイの姿をより深く 学んでいくことが期待される。 ⑦ 授業計画〔1日目:180 分,2日目~4日目:各 360 分,5日目 540 分〕 13:00~13:15 【1日目】 【開講式】 2月5日 (木) 【2日目】 2月6日 (金) 【3日目】 2月7日 (土) 【4日目】 2月8日 (日) ハワイ大学マノア校にてスクーリング開講式 【講義】 [関根二三夫教授講義] 13:30~15:00 『アメリカの議会と大統領~議会政治の原理と大統領拒否権~』 議会政治の原理には,代表の原理,審議の原理及び行政監督の原理が あります。特に,代表の原理は,選挙により選出された代表者は地域代 表(選挙区の代表)ではなく国民代表(国民全体の代表)でなければなら ないという原理ですが,アメリカ議会を見ますと,地域代表の性格が強 いといえます。議員が,地元の利益になるような予算を伴う法律案を準 備する傾向が強く,歳出を抑制する必要が出て来ます。議会を通過した 法律案は,大統領の承認を得て法律になりますが,逆に,大統領の承認を 得られない場合があります。」 【キャンパスツアー】 15:30~17:00 【講義】 [ハワイ大学マノア校教員講義] 9:00~10:30 『アメリカ政治に関する内容(仮題) 』 【校外学修】 12:30~16:00 「在ホノルル日本国総領事館見学・講演会,ハワイ州議会見学」 【インターナショナル・コーヒーアワー】 16:30~17:00 現地の人たちとの交流を深めていく。 【講義】 [関根二三夫教授講義] 9:00~10:30 『アメリカの議会拒否権~背景と内容~』 「アメリカの大恐慌から第二次世界大戦までの危機の時代は,内政・外交に関す る大統領の権限が強くなった時代と言えます。特に大恐慌は国の財政を圧迫し, 歳出削減を余儀なくさせました。行政部においては行政部再編成が必要となり, 議会は,行政部再編成の権限を大統領に与えました。しかし,無条件で与えたので はなく,大統領が具体的な計画を立案し,それを議会へ提案し,議会の承認を得た 場合のみ実行されることになりました。 」 【校外学修】 12:30~17:00 自由学修 各自でテーマを設定し,見分を通して,テーマに関する見識を深めていく。 【講義】 [関根二三夫教授講義] 9:00~10:30 『アメリカ行政学の濫觴~政治的・社会的背景から』 アメリカ行政学は,19世紀後半の政治的・社会的背景の中から誕生したと言え ます。特に,公務員制度としてのスポイルズシステム(猟官制)の問題や,移民の 問題が背景となっています。行政に民主化にとって必要とされた制度が,逆に行政 の非能率を蔓延させ,制度改革が叫ばれるようになりました。また,移民の増加が 都市問題を発生させ,市政改革が必要になりました。そのような時期に,ウィルソ ンやグッドナウが行政学の基礎を築きました。 【校外学修】 12:30~17:00 自由学修 各自でテーマを設定し,見分を通して,テーマに関する見識を深めていく。 【5日目】 2月9日 (月) 【講義】 [関根二三夫教授講義] 9:00~10:30 『アメリカにおける政治と行政~二分論・連続論・関連論~』 19世紀後半には,スポイルズシステムの弊害を是正するため,政治と行政とを切 り離すことが考えられ,議会や政党の影響を受けない能率的な行政運営をするため に行政の独自性を確保することが必要とされました。政治は国家意思の表現や政策 を扱い,行政は政策の執行を扱うものとした政治・行政二分論が提唱され,その後, アメリカの危機の時代に政治・行政連続論が,また,戦後は政治・行政関連論が提 唱されました。 【講義】 [関根二三夫教授講義] 10:30~12:00 『わが国の戦後公務員制とアメリカの影響~職階制の問題~』 昭和21年11月に,ブレイン・フーバーを団長とする対日人事顧問団が来日し, 日本政府の人事行政に対する改善勧告を行いました。この勧告に基づき,国家公務 員法が制定されました。この国家公務員法には,職階制の規定があり,特にアメリ カの影響を強く受けていました。言わば,初めに職ありきの制度で,わが国の従来 の制度からは異なっておりました。国家公務員法の規定により,昭和25年に所謂 職階法が規定されましたが,その職階法は執行されず,平成21年に廃止されまし た。 【校外学修】 13:20~18:00 自由学修 各自でテーマを設定し,見分を通して,テーマに関する見識を深めていく。 ⑧ 教科書 なし。資料プリントを配布する。 ⑨ 参考書 プリントにて紹介する。 ⑩ 成績評価基準 リポート内容等により,総合的に評価する。 13 そ の 他 ① 受講許可者には「健康診断書」を提出していただきます。 ② 健康上の理由によっては,参加をお断りさせていただく場合があります。参加者は, 必ず「海外旅行傷害保険」に個人で加入し,加入した保険の契約書の写しを大学に 提出していただきます。 ③ 出発と帰国については成田空港の出発・帰国とし,現地集合・現地解散は認めません。 ④ 参加希望者多数の場合は,大学で受講調整をさせていただきます。 ⑤ 旅券(パスポート)については有効期限が3か月以上残っている必要があります。 ⑥ 受講者の宿泊は4人部屋になります。部屋割りは大学側で決定します。 友人との同室を希望する方は,お互い同意の上申込書に記載し提出してください。 ⑦ 伝染病等の流行によっては,中止にする場合があります。 14 行 程 表(予定) 月日(曜) 地名 現地時間 交通機関 内容 食事 日次 1 2/5(木) 成田空港に集合 18:00(予定) 結団式 機内 成田空港発 21:00(予定) 航空機 空路日付変更線を通過してホノルルへ 昼:〇 ホノルル空港着 9:00~11:00(予定) 専用バス 到着後ハワイ大学マノア校へ 夕:〇 ハワイ大学マノア校 13:00 スクーリング① 〔開講式〕 13:00-13:15 〔関根二三夫教授講義〕 13:30-15:00 『アメリカの議会と大統領 ~議会政治の原理と大統領拒否権~』 15:30 キャンパスツアー15:30-17:00 9:00 スクーリング② <学生寮 泊> 2 2/6(金) ハワイ大学マノア校 朝:○ 〔ハワイ大学教員〕 昼:〇 『アメリカの政治について(仮題)』 ホノルル市内 12:30 専用バス 9:00-10:30 夕:〇 〔校外学修〕 ① ② 12:30-16:00 ・「在ホノルル日本国総領事館見学及び講演・ハワ イ州議会見学」 16:30 市内→ハワイ大学 〔国際交流〕 16:30-17:00 ・「インターナショナル・コーヒーアワー」 <学生寮 泊> 3 2/7(土) ハワイ大学マノア校 9:00 スクーリング③ ブランチ〇 〔関根二三夫教授講義〕 9:00-10:30 夕:〇 『アメリカの議会拒否権~背景と内容~』 ホノルル市内 12:30 〔校外学修〕③④⑤ 12:30-17:00 「自由学修」 <学生寮 泊> 4 2/8(日) ハワイ大学マノア校 9:00 スクーリング④ ブランチ〇 〔関根二三夫教授講義〕 9:00-10:30 夕:〇 『アメリカ行政学の濫觴~政治的・社会的背景~』 ホノルル市内 12:30 専用バス 〔校外学修〕⑥⑦⑧ 12:30-17:00 「パールハーバー・アリゾナ記念館・戦艦ミズーリ 記念館・太平洋航空博物館」 17:00 市内→ハワイ大学 学生寮到着 <学生寮 泊> 5 2/9(月) ハワイ大学マノア校 9:00 スクーリング⑤⑥ 朝:○ 〔関根二三夫教授講義〕 9:00-10:30 昼:〇 『アメリカにおける政治と行政~二分論・連続論・関 夕:〇 連論~』 10:30 〔関根二三夫教授講義〕 10:30-12:00 『わが国の戦後公務員制とアメリカの影響~職階 制の問題~』 ホノルル市内 13:30 〔校外学修〕⑨⑩ 13:30-16:00 「自由学修」 19:30 ハワイ大学交流会19:30~21:00 <学生寮 泊> 6 2/10(火) ハワイ大学マノア校発 専用バス ハワイ大学→空港 ホノルル空港 航空機 7 2/11(水) 成田空港着 航空機 朝:○ (日付変更線) 機中泊 機内 成田空港にて解散 ※1 プログラムの一部は,状況に応じて変更される場合があります。 ※2 【講演】は,講義内容に関連したテーマにて実施する予定。 15 個人情報 日本大学通信教育部は,参加登録の際に提出された書面に記載の個人情報については,スク ーリングの運営及びこれに付随する業務(通知,連絡,各種書類送付及び参加手続)以外の目 的で開示いたしません。ただし,法令に基づく場合や人の生命,身体又は財産の保護のために 必要であると判断できる場合で,本人の承諾を得ることが困難な場合には例外的に個人情報を 開示することがあります。 16 問い合わせ 日本大学通信教育部教務課 〒102-8005 東京都千代田区九段南4-8-28 TEL 03-5275-8911 教務課(担当:永井・中道) 以 上
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