(資料1)諸外国の原子力損害賠償制度と国際条約 - JAIF 日本原子力産業協会

諸外国の原子力損害賠償制度
と国際条約
平成25年3月8日(金)
一般社団法人 日本原子力産業協会
目次
Ⅰ.原子力損害賠償制度に関する基本的事項
Ⅱ.海外展開における原賠制度上の留意点
Ⅲ.諸外国の原賠制度の比較
Ⅳ.越境損害の原子力損害賠償
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
2
Ⅰ.原子力損害賠償制度(原賠制度)
に関する基本的事項
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
3
民法上の一般の損害賠償責任
の成立要件
冊子版
参照頁
• 被害者は、加害者を特定して、以下の要件を
満たしていることを証明しなければならない。
12、
14
•損害が発生したこと
•違法性(又は権利侵害)があること
•加害行為と損害の間に因果関係があること
•加害者に故意又は過失があること
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
4
製造物責任法上の損害賠償責任
の成立要件
冊子版
参照頁
• 被害者は、損害と製品の欠陥を証明すれば
製造者の故意又は過失を証明しなくてもよい。
34
~37
38
~40
•損害が発生したこと
•違法性(又は権利侵害)があること
•加害行為と損害の間に因果関係があること
•加害者に故意又は過失があること
→ 製品に欠陥があること
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
5
原賠法上の損害賠償責任
の成立要件
冊子版
参照頁
• 被害者は、発生した損害が原子力損害であ
ることを証明すればよい。
12
~17
34
~37
•損害が発生したこと
•違法性(又は権利侵害)があること
•加害行為と損害の間に因果関係があること
•加害者に故意又は過失があること
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
6
原賠制度が無いとどうなるのか
冊子版
参照頁
賠償負担者を決め
るための裁判の複
雑化、長期化
被害者が加害者
の過失を証明しな
ければならない
民法による損害賠償請求
12
~17
賠償責任者の資金
不足により十分に
賠償されない恐れ
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
複数の関係者に巨
額の賠償義務が発
生し、原子力産業
が壊滅する恐れ
7
原賠制度の基本的原則
冊子版
参照頁
賠償責任の厳格化
13、
14
~17
原子力事業者への責任集中
賠償責任金額の制限
損害賠償措置の義務付け
国家補償
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
8
我が国の原賠制度
冊子版
参照頁
基本的原則
•
•
•
•
•
無過失責任
責任集中
無限責任
1200億円の賠償措置
国の援助、措置
福島原発事故の賠
償を受けて制度の
見直しが行われる
ことになっている。
15
~16
(支援機構法附則)
– 賠償措置額を超え必要な場合には国が援助する。
– 異常に巨大な天災地変、社会的動乱の場合は原
子力事業者は免責となり国が必要な措置をとる。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
9
Ⅱ.海外展開における
原賠制度上の留意点
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
10
海外展開の際の原賠上の留意点①
冊子版
参照頁
36
制度の有無、内容を確認する必要がある。
~37
154
• 原賠法があるかどうか。
~
166
192
• 原賠制度の基本的原則を備えているか。
~
194
• 我が国の制度とどのように内容が違うか。
• 製造物責任法や環境保護法等で責任を問われるこ
とはないか。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
11
我が国とは異なる規定の例
原子力事業者の求償権
冊子版
参照頁
賠償請求
100
~
105
請求
被害者
求償
原子力事業者
賠償
補償
メーカーや
資材・役務
提供者
124
~
125
原子力事業者に責任が集中されていても、
設備に欠陥がある場合などには、関係者に
賠償分の補償を求める権利(求償権)を認める。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
12
海外展開の際の原賠上の留意点②
冊子版
参照頁
事故発生国以外では原賠制度が適用されない。
• 他国の原子力事故による越境損害には、被害国の
原賠制度は適用されない。
• 越境被害の場合、被害国の裁判所では一般の不法
行為法等による損害賠償として扱われる。
• 国際協定(条約)を締結することにより、他国との間
に、共通の原賠制度の仕組みが適用される。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
13
28
~29
36
~37
30
~31
原賠法があっても適用されない例
冊子版
参照頁
A国(原賠制度あり)
被害者
原子力
施設
事故
B国(原賠制度あり)
放射性物質
による汚染
28
原子力
施設
~29
原賠制度が
適用される
原子力事業者
メーカー等
193
原賠制度
被害者
A国とB国それぞれに原賠制度があっても
国際協定が無い場合、A国の事業者とB国の
被害者との間に原賠制度は適用されない
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
14
Ⅲ.諸外国の原賠制度の比較
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
15
1.規定する法律(1/2)
我が国の制度
冊子版
参照頁
「原子力損害の賠償に関する法律」
(原賠法)
「原子力損害賠償補償契約に関する法律」
(補償契約法)
「原子力損害賠償支援機構法」
(支援機構法)
15
~16
我が国の原子力損害賠償制度は単独の法律で規定されている
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
16
1.規定する法律(2/2)
諸外国の制度
冊子版
参照頁
• 単独の法律で規定されている国
原子力損害賠償法
– 日本、韓国、台湾、インド、スイス など
条約を取り込んだ形の賠償法
– フランス(パリ条約、ブラッセル補足条約を直接適用する)
• 原子力法の一部に規定されている国
– ロシア、ドイツ、米国(原子力法の170条に関する改正法
を“プライスアンダーソン法(PA法)”と呼ぶ)、ベトナム、
ポーランド、マレーシア、インドネシア、イギリス など
• 原賠制度が法制化されていない国
– 中国(国務院からの国家原子能機構への回答文書が
原賠制度の拠り所とされる)
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
17
2.原賠制度の適用条件(1/4)
我が国の制度
冊子版
参照頁
「原子炉の運転等」により
「原子力事業者」が
「原子力損害」を与えたとき
• 日本の原賠法には「原子力事故」の定義は無
く、事故でなくとも要件を満たせば適用される。
• 「原子力損害」は包括的に定義されている。
• RIによる損害は「原子力損害」にならない。
18
~19
20
~21、
22
~27
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
18
2.原賠制度の適用条件(2/4)
諸外国の制度
冊子版
参照頁
「原子力事故」により
「原子力損害」を与えたとき
• 「原子力事業者(運転者)」はその国の許認可
を受けた者と定義される。 =世界共通
• 多くの国では「原子力事故」を定義している。
– 「原子力損害を引き起こす出来事又は同一の原因による一連の出来事」など
と定義される。「原子力事故」にRIによる損害は含まれない。
• 「原子力損害」の形態を列挙している国もある。
– 死亡・身体傷害、財産損害、経済損害、環境損害、損害防止措置費用等
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
19
2.原賠制度の適用条件(3/4)
「原子力事故」の定義
冊子版
参照頁
• 「原子力事故」を定義する国
– 韓国、台湾、インド、フランス、ドイツ、米国、
イギリス、ベトナム、ポーランド、マレーシア、
インドネシア など
• 「原子力事故」の定義が無い国
– 日本、中国、ロシア、スイス など
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
20
2.原賠制度の適用条件(4/4)
「原子力損害」の定義
冊子版
参照頁
• 「経済損害」が制度に明記されている国
– インド、フランス、ドイツ、米国、マレーシア など
• 「環境損害」が制度に明記されている国
– 韓国、中国、インド、フランス、ドイツ、ベトナム、
ポーランド、マレーシア、インドネシア など
• 「損害防止措置費用」が制度に明記されてい
る国
– 韓国、インド、フランス、ドイツ、米国、スイス、
ポーランド、インドネシア など
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
21
3.賠償責任の厳格化(1/3)
我が国の制度
冊子版
参照頁
• 無過失責任(原賠法3条)
– 原子力損害の賠償責任は(過失が無くても)原子
力事業者が負う。
= ほぼ世界共通
• 免責事項(原賠法3条)
– 異常に巨大な天災地変
– 社会的動乱
によって生じた損害の場合
= 国によって違う
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
22
15
~16
3.賠償責任の厳格化(2/3)
諸外国の制度
冊子版
参照頁
• 戦争の場合は免責=ほぼ世界共通。
– 例外:ドイツ、スイスでは免責にならない。
• 異常・巨大な自然災害が免責にならない国
– 韓国、中国、ドイツ、米国、スイス、イギリス、ポーランド等
• 免責事項にテロが明記されている国
– インド、ベトナム など
• 被害者の故意・重過失による損害の場合、原子力
事業者の責任を減免することが明記されている国
– 台湾、インド、ロシア、ドイツ、米国、スイス、イギリス、
ポーランド、マレーシア、インドネシア など
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
23
3.賠償責任の厳格化(3/3)
特徴的な制度:ドイツ
冊子版
参照頁
• 免責事項は無い。
140
~
142
• 戦争等や異常かつ巨大な自然災害による場合、
事業者の責任限度が賠償措置額(25億ユーロ:
約2586億円)までに制限される。
• 賠償措置が機能しない場合(例えば保険の免責規
定に該当する場合)には賠償措置額までを国が補
償することになっている。
• 大規模な原子力災害となって賠償額が損害賠償資
金を上回ることが予想される場合には、損害賠償の
配分や手続き等についての法律が制定される。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
24
4.運転者への責任集中(1/2)
我が国の制度 過失が
賠償請求
冊子版
参照頁
あっても
15
~16
請求
被害者
原子力事業者
賠償
メーカーや
資材・役務
提供者
原子力事業者のみが責任を負う(原賠法4条)
「原子力事業者以外の者は、(過失があっても)
その損害を賠償する責めに任じない。 」
=ほぼ世界共通
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
25
4.運転者への責任集中(2/2)
特徴的な制度:米国
冊子版
参照頁
• 賠償責任は州法に基づいて決められる。
• 連邦法であるプライスアンダーソン法に
責任集中は規定されていない。
• 事業者が政府と結ぶ補償契約に下記条件
144
~
145
– 事業者の抗弁権の放棄
– 経済的な責任の集中
– 賠償責任の免除の放棄
実質的に無過失責任・責任集中と同様の仕組み
(経済的責任集中)
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
26
4.運転者への責任集中(求償権)(1/2)
我が国の制度
被害者
請求
求償
原子力事業者
賠償
補償
故意の第三者
or
求償の契約
をした者
235
~
236
• 求償権の制限(原賠法5条)
「原子力損害が第三者の故意により生じたもの
であるときは、損害を賠償した原子力事業者は、
その者に対して求償権を有する。 」
「求償権に関し特約をすることを妨げない 」
求償権は第三者の故意の場合と契約による場合
のみ認められる。 =ほぼ世界共通
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
冊子版
参照頁
27
4.運転者への責任集中(求償権)(2/2)
特徴的な制度:インド、韓国
請求
被害者
求償
原子力事業者
賠償
補償
冊子版
参照頁
メーカーや
資材・役務
提供者
インド(17条b項)
「明らかな又は潜在的な欠陥のある設備・材質、又は基準以下の役務があって、
124
供給者又はその従業員の行為による結果から生じた原子力事故の場合、事業 ~
125
者は求償権を有する」
韓国(4条)
「原子力損害が資材の供給や役務・労務の提供(資材の提供)により生じたとき
には、原子力事業者は、当該資材を提供した者やその従業員に故意又は重大
な過失があるときに限り求償することができる。」
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
28
100
~
105
5.賠償金額の制限(1/2)
賠償責任額に制限がない国
冊子版
参照頁
• 我が国に原子力事業者の責任額を制限する規定は 16
なく、無限責任制が採用されている。
無限責任を採用する国の例
– ドイツ(31条1項)
「原子力施設の保有者の責任は、金額的に無制限とす
る」
– スイス(3条1項)
「原子力施設の運転者は、原子力施設にある核物質に
よって発生した、原子力損害に対して無限の責任を負
う。」
だが・・・
140
~
142
多くの国では原子力事業者の
賠償責任額を制限している
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
29
5.賠償金額の制限(2/2)
比較表(制限額)
冊子版
参照頁
ロシア・・約204億円 イギリス約181億円
日本
1億4000万ポンド
無限
ウィーン条約の規定額
韓国・・・約369億円 フランス・・約98億円 ベトナム 約185億円
3億SDR※
約9147万ユーロ
1.5億SDR※
中国・・・約38億円
3億元
ポーランド約185億円
ドイツ
1.5億SDR※
無限
台湾・・・約115億円 米国 約1兆68億円 マレーシア 約51億円
42億台湾ドル
125億9448万ドル 5000万リンギット
インド・・約223億円
150億ルピー
スイス
無限
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
インドネシア約332億円
4兆ルピア
※ SDR:国際通貨基金(IMF)の特別引出権
30
6.損害賠償措置の義務付け(1/4)
我が国の制度
冊子版
参照頁
• 損害賠償措置を講ずべき義務(原賠法6条)
15
– 「原子力事業者は、損害賠償措置を講じていなければ、
原子炉の運転等をしてはならない。」
• 損害賠償措置の内容(原賠法7条)
– 「原子力損害賠償責任保険契約及び原子力損害賠償
補償契約の締結若しくは供託」
– 一事業所(1サイト)当たり1200億円
制定当初~
昭和46年~ 昭和54年~ 平成元年~
平成11年~ 平成21年~
50億円
60億円
600億円
100億円
300億円
1200億円
原子力事故の際の損害額を予想して決められているものではなく、
保険等による可能な限り高額な措置を考慮して決められるもの。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
31
6.損害賠償措置の義務付け(2/4)
諸外国の制度
冊子版
参照頁
賠償措置の義務付けは世界共通
多くの国では
責任限度額=賠償措置額
責任限度額と賠償措置額が異なる国の例:
– 韓国
100
• 責任限度額・・・約370億円
• 賠償措置額・・・ 約37億円
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
~
105
32
6.損害賠償措置の義務付け(3/4)
保険等によらない措置:米国、ドイツ
冊子版
参照頁
• 米国
17
– 第1 次損害賠償措置
32
• 責任保険 3 億7500 万ドル
~33
– 第2 次損害賠償措置
• 事業者間相互扶助制度 約122 億1948 万ドル
合計約125 億9448 万ドル(約1 兆68 億円)を措置
• ドイツ
146
– 第一層損害賠償措置
~
• 責任保険 2 億5000 万ユーロ
151
– 第二層損害賠償措置
• 自家保険 22 億5000 万ユーロ
合計25 億ユーロ(約2586 億円)を措置
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
33
6.損害賠償措置の義務付け(4/4)
比較表(賠償措置額)
冊子版
参照頁
日本
1200億円
ロシア・・約204億円 イギリス約181億円
1億4000万ポンド
ウィーン条約の規定額
韓国・・・約37億円
500億ウォン
フランス・・約98億円 ベトナム
約9147万ユーロ
金額の規定なし
ドイツ 約2586億円 ポーランド約185億円
25億ユーロ
1.5億SDR※
中国・・・約38億円
3億元
台湾・・・約115億円 米国 約1兆68億円 マレーシア 約51億円
42億台湾ドル
125億9448万ドル 5000万リンギット
インド・・約223億円
150億ルピー
スイス・・約942億円 インドネシア約332億円
4兆ルピア
11億スイスフラン
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
※ SDR:国際通貨基金(IMF)の特別引出権
34
17
7.国家補償(賠償措置で責任額を賄えない場合)(1/4)
我が国の制度
冊子版
参照頁
• 我が国の賠償措置は保険が機能しない場合にも
政府補償契約が機能する仕組みになっている。
• 我が国には責任限度額が無いため、賠償措置で
カバーできない賠償責任が発生する。
58
~59
→ 事業者の賠償資力を確保できない可能性がある。
• 国の援助(原賠法16条)
「政府は、原子力損害を賠償する責めに任ずべき額
が賠償措置額をこえ、かつ、この法律の目的を達成
するため必要があると認めるときは、原子力事業者
に対し、原子力事業者が損害を賠償するために必
要な援助を行なうものとする。」
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
35
16
冊子版
参照頁
7.国家補償(賠償措置で責任額を賄えない場合)(2/4)
86
~87
原子力損害賠償支援機構による援助
金融機関
返済
国
融資
(政府保証付)
援助
(交付国債等)
被害者
国庫納付
賠償
原子力事業者
(電力会社等)
原子力事業者
(電力会社等)
原子力事業者
(電力会社等)
一般負担金
特別事業計画が
認定された場合
一般負担金
特別資金援助
特別負担金
資金援助
一般負担金
原子力損害賠償
支援機構
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
請求
一般負担金
資金援助を
申し込んだ
原子力事業者
(東京電力)
36
254
~269
7.国家補償(賠償措置で責任額を賄えない場合)(3/4)
諸外国の制度
冊子版
参照頁
13
• 多くの諸外国では 賠償措置額=責任限度額
~15
• 原子力事業者の賠償責任に対して賠償措置が機能
しない場合(保険がカバーできない場合など)がある。
→事業者の賠償資力を確保できない可能性がある。
国家補償
– 国が賠償措置額まで負担する
– 国が事業者に援助を行う
– 政府により何らかの対応が為される
– 規定なし
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
37
7.国家補償(賠償措置で責任額を賄えない場合)(4/4)
諸外国の制度
冊子版
参照頁
• 国が賠償措置額まで負担する
– フランス、ドイツ、スイス、マレーシア など
• 国が事業者に援助を行う
– 日本、韓国、台湾、米国 など
• 政府により何らかの対応が為される
– 中国、イギリス、ポーランド など
• 規定なし
– インド、ロシア、ベトナム、インドネシア など
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
38
7.国家補償(責任限度額超過の場合)(1/2)
諸外国の制度
冊子版
参照頁
• 損害額 > 原子力事業者の責任限度額 の場合
国家補償
– 国が補償する(上限規定なし)
– 国が一定限度まで補償する
– 事業者等の資金により基金を設けて支払う
– 国が配分方法を決定する
– 規定なし
• 無限責任の国(ドイツ・スイス)において
損害額 > 原子力事業者の賠償資金 の場合
– 国が配分方法を決定する
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
39
7.国家補償(責任限度額超過の場合)(2/2)
諸外国の制度
冊子版
参照頁
• 国が補償する(上限規定なし)
– ロシア、米国、マレーシア、(日本・・特別資金援助) など
• 国が一定限度まで補償する
– 中国(8億元:約103億円)、フランス(3億SDR)、
イギリス(3億SDR) など
• 事業者等の資金により基金を設けて支払う
– ベトナム、ポーランド、インド(上限3億SDR:約369億円)、
(日本・・資金援助) など
• 国が配分方法を決定する
– 台湾、(ドイツ、スイス) など
• 規定なし
– 韓国、インドネシア など
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
40
7.国家補償(事業者が免責の場合)(1/3)
我が国の制度
• 国の措置(原賠法17条)
「政府は、被災者の救助及び被害の拡大の
防止のため必要な措置を講ずるようにするも
のとする。」
• 賠償ではなく、災害救助法による措置と同様
な措置がとられる。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
41
冊子版
参照頁
16
7.国家補償(事業者が免責の場合)(2/3)
諸外国の制度
• 免責事項に該当する場合
国家補償
– 国が一定限度まで補償する
– 基金を設けて支払う
– 必要な措置を講じる
– 規定なし
• ドイツ―戦争・異常で巨大な自然災害の場合
– 事業者の責任を25億ユーロに制限する
– 25億ユーロまで国が事業者に補償する
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
42
冊子版
参照頁
7.国家補償(事業者が免責の場合)(3/3)
諸外国の制度
• 国が一定限度まで補償する
– フランス(3億SDR:約369億円)、ドイツ(25億ユーロ:
– 約2586億円)、スイス(11億スイスフラン:約942億円)等
• 基金を設けて支払う
– インド、ベトナム など
• 必要な措置を講じる
– 日本、韓国、中国、台湾 など
• 規定なし
– ロシア、米国、イギリス、ポーランド、マレーシア、
インドネシア など
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
43
冊子版
参照頁
8.損害賠償請求権の期限
冊子版
参照頁
• 多くの国において、損害額や請求先の認知から
請求権失効(時効)までの期間を設けている。
– 我が国を含め、3年と設定する国が多い。
– 例外:マレーシア(20年)、ポーランド(人身損害について
は無制限)
• 多くの国において、事故発生から請求権失効までの
期間(除斥期間)を設けている。
– 我が国は20年(民法724条)
– 10年~30年に設定する国が多い。
• (死亡又は身体傷害と、その他の損害を区別している国もある)
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
44
9.その他
冊子版
参照頁
• 少額賠償措置
– 我が国を含め多くの国では、小規模な原子炉の運転、
核燃料の加工、輸送の際の賠償措置額を、通常の賠償
措置よりも少額に設定している。
243
~
244
• 例えば我が国の場合、原賠法施行令により、熱出力100kW以下
の原子炉の運転は40億円、低濃縮ウランの加工は40億円、使用
済み燃料の運搬は240億円
• 円滑・公平な紛争処理
– 原子力損害賠償の裁判を1ヶ所の裁判所に集中させる国
もある。
– 我が国の「原子力損害賠償紛争審査会」の様な紛争処理
組織により解決にあたる国もある。
• インドでは裁定委員会の決定に強制力がある
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
45
60
~61
Ⅳ.越境損害の原子力損害賠償
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
46
越境損害の裁判が複雑化する理由
冊子版
参照頁
A国(事故発生国)
裁判所
原子力
施設
事故
B国(被害国)
放射性物質
による汚染
28
~29
裁判所
36
提訴
~37
提訴
被害者
被害者
43
~45
提訴
越境損害の場合、被害者は賠償請求に関して
どの国で提訴するかの選択肢がある
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
47
被害が他国に及んだ場合の留意点
冊子版
参照頁
関係者は裁判に関して以下の事項に留意する必要がある。
28
1. 裁判管轄権:
どの国の裁判所で裁判が行われる可能性があるのか。
2. 準拠法:
どの国の法律が適用されるのか。
原賠制度は適用されるのか。
3. 判決の執行:
他国の判決が自国でどのように執行されるのか。
4. 賠償水準:
どの国の賠償基準や物価水準が採用されるのか。
これらのルールは提訴された国の国内法によって規定されるため、国が違えば
同じ損害に対してまったく違う結果が出てしまう恐れがあるので、注意が必要。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
48
~29
43
~45
4つの留意事項についての考え方
1.裁判管轄権―日本の法律に基づいて考えた場合
冊子版
参照頁
• 国際裁判管轄権が認められる裁判所
28
– 被告の所在地国
~29
• 被告の主たる事務所又は営業所が日本国内にあるとき (民事訴
訟法第3条の2第3号)
~45
– 加害行為地国
• 不法行為があった地 (民事訴訟法第3条の3第8号)
– 損害発生地国
• 不法行為があった地 (民事訴訟法第3条の3第8号)
複数の国で裁判が起きる。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
43
49
4つの留意事項についての考え方
2.準拠法―日本の法律に基づいて考えた場合
冊子版
参照頁
• 適用される法律
– 一般の準拠法選択ルールによれば、国境を越える不法
行為の場合には加害行為地国法ではなく損害発生地国
法が適用される。 (法の適用に関する通則法第17条など
から類推)
– 各国の原賠制度は自国内の原子力事業者を対象として
いるため他国の原子力事業者が加害者となるような越境
損害には適用外。
事故発生国以外で裁判が行われる場合は
その国の一般の不法行為法、製造物責任法
などが適用される。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
50
28
~29
41、
43
~45
4つの留意事項についての考え方
3.判決の執行―日本の法律に基づいて考えた場合
• 判決の執行
28
– 条約がない場合、判決の承認執行義務を負って
いるわけではなく、執行される国の国内法によっ
て規律される。
– 他国の裁判所の確定判決の効力は、日本では
民事訴訟法第118条に定められている。
基本的には執行されるが、裁判所の承認が必要。
(公序良俗に反するものは執行されない)
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
冊子版
参照頁
51
~29
43
~45
4つの留意事項についての考え方
4.賠償水準―日本の法律に基づいて考えた場合
冊子版
参照頁
• 賠償水準
28
– 提訴された国の裁判所が定める賠償基準、
物価水準が採用される可能性が高い。
~29
43
~45
複数の国で裁判が起きると、賠償水準に関して
被害者間に不公平が生じる可能性がある。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
52
ケーススタディ ①
越境損害( A国にある施設の事故によりB国でも損害が発生)
A 国(原賠制度あり)
B 国(原賠制度あり)
放射性物質
による汚染
事故
冊子版
参照頁
28
~29
原子力
施設
36
~37
原子力事業者
被害者
193
メーカー等
A,B両国に原賠法があり、
両国とも民事法令が日本と同様かつ
両国間に国際協定(条約)がないと想定したとき
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
53
ケーススタディ ①
越境損害( A国にある施設の事故によりB国でも損害が発生)
冊子版
参照頁
1. 裁判管轄権
– 裁判管轄権はA,B両国で認められる。
・・複数国で裁判が起き、争訟費用がかさむ。
2. 準拠法
B国の被害者が
A国の事業者を
訴える場合
28
~29
– A国裁判所→ A国の法律
– B国裁判所→ B国の一般の不法行為法
・・裁判が長期化。運転者以外にも責任発生。
36
~37
3. 判決の執行
– A国の判決をA国で執行
→A国の法により執行される。
– B国の判決をA国で執行
→A国の法に沿ってB国の判決が承認された後、A国の法により執行される。
193
4. 賠償金算定基準
– 事実上、裁判国の基準が採用される。・・被害者間に不公平が生じる可能性。
•
•
A国裁判所→ A国の基準
B国裁判所→ B国の基準
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
54
冊子版
参照頁
ケーススタディ ②
41、
43
~45
国際輸送中の事故により第三国で損害発生
F 国(原賠制度あり)
原子力
施設
G 国(原賠制度あり)
事故
C国
(原賠制度あり)
原子力
施設
放射性物質
による汚染
被害者
国際輸送船(D国船籍)
原子力
施設
荷主:日本=責任主体
E国
(原賠制度あり)
原子力
施設
C~G全ての国に原賠法があり、
全ての国の民事法令が日本と同様かつ
同一の国際条約に加盟していないと想定したとき
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
55
ケーススタディ ②
国際輸送中の事故により第三国で損害発生
冊子版
参照頁
1. 裁判管轄権
– 日本、F国、G国で裁判管轄権が認められる。
・・複数国で裁判が起き、争訟費用がかさむ。
2. 準拠法
G国の被害者が
日本の事業者を
訴える場合
41、
43
– 日本の裁判所→ 日本の法律
– F,G国裁判所→F,G国の一般の不法行為法
・・裁判が長期化。関係者全てに責任発生。
~45
3. 判決の執行
– 日本の判決を日本で執行
→日本の法により執行される。
– F,G国の判決を日本で執行
→日本の法に沿ってF,G国の判決が承認された後、日本の法により執行。
4. 賠償金算定基準
– 事実上、裁判国基準が採用される。 ・・被害者間に不公平が生じる可能性。
•
•
日本の裁判所→ 日本の基準
F,G国裁判所→ F,G国の基準
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
56
国際枠組みの必要性
冊子版
参照頁
• 原賠制度を備えた国同士であっても、越境損害や
国際輸送における損害の賠償においては、
裁判管轄権や準拠法などが一つに定まらない。
→混乱をきたす恐れ
• 国と国との間の渉外的問題を解決するには、
国際条約が必要となる。
• 原子力における国際通商が盛んになるにつれて、
国ごとに異なる原賠制度に一定の共通な賠償基準
を織り込むための、国際的な枠組みが重要となって
くる。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
57
30
~31
157
198
原賠に関する国際条約
3系統の条約と各条約に共通な事項
冊子版
参照頁
• 原賠に関する3系統の国際条約
– パリ条約(1968年発効) /改正パリ条約(2004年採択、未発効)
– ウィーン条約(1977年発効) /改正ウィーン条約(2003年発効)
– 原子力損害の補完的補償に関する条約(CSC)(1997年採択、
未発効)
• 上記条約が共通に備える内容(同じ条約の加盟国間だけに効力がある)
–
–
–
–
–
原子力損害の賠償責任の無過失責任
原子力事業者への責任集中
責任額の制限の最低基準(金額は条約ごとに違う)
賠償措置のための資金的保証の義務
専属裁判管轄の設定と判決の承認・執行の義務
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
58
196
~
197
199
ケーススタディ ③
同じ国際条約に加盟した国同士の越境損害
H国
冊子版
参照頁
I国
196
放射性物質
による汚染
~
197
事故
原子力事業者
同じ条約に加盟
被害者
H国で事故発生、I国で損害発生。
ただしH国とI国は同じ国際条約に
加盟しているものとする。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
59
ケーススタディ ③
同じ国際条約に加盟した国同士の越境損害
冊子版
参照頁
• 裁判管轄権・・原子力事故が発生した加盟国のみ。
– H国のみに裁判管轄権が認められる。
→裁判が円滑に進む。
196
~
197
• 準拠法・・管轄裁判所の法が適用される。
– H国の原賠法
→運転者に責任が集中される。
過失は問われないので裁判が円滑に進む。
• 判決の執行・・条約による承認・執行の義務がある。
•
– H国の法により判決を執行。
→判決が円滑に執行される。
賠償金算定基準・・ H国裁判所の判断による。
– 事実上、H国の基準が採用される。
→被害者に公平な補償が期待される。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
60
パリ条約/ブラッセル補足条約
冊子版
参照頁
パリ条約(1960年採択、1982年改正)
• OECDのもとで作られた。
• フランス、ドイツ、イタリア、イギリス等の欧州のEU
加盟国を中心とした15カ国が加盟。
• 賠償措置額500万SDR(約6億円)以上、責任限度
額1500万SDR(約19億円)。
ブラッセル補足条約(1963年採択、1982年改正)
• パリ条約の賠償措置額500万SDRを、施設国の公
的資金により1億7500万SDRまで、加盟国の公的
資金により3億SDR(約369億円)まで増額する。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
210
~
211
226
~
227
61
ウィーン条約
冊子版
参照頁
• 1963年採択。
• IAEAのもとで全世界をカバーするものとして
作られた。パリ条約と類似した条約。
• アルゼンチン、ルーマニア、ブラジル、チェコ、
エジプト、ハンガリー、カザフスタン、メキシコ、
フィリピン、ポーランド、ロシア、ウクライナ等
38カ国が加盟。
• 責任限度額 約204億円 =賠償措置額。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
62
216
~
217
ジョイントプロトコール
冊子版
参照頁
• 1988年採択。
• 類似した規定を持つパリ条約とウィーン条約を結び
つけて、それぞれの条約の加盟国における被害者
救済措置を拡大するための共同議定書。
• ジョイントプロトコールの加盟国間において、事故を
起こした国と損害を受けた国が異なる条約に加盟し
ていた場合には、事故発生国の加盟する条約が損
害を受けた国にも適用される。
• ジョイントプロトコールの加盟国間においては、一つ
の事故についてウィーン条約又はパリ条約のいず
れか一方が他方を排斥して適用される。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
63
222
~
224
改正パリ条約/改正ブラッセル補足条約
冊子版
参照頁
改正パリ条約(2004年改正、未発効)
212
• パリ条約加盟の15カ国+スイスが署名。ノルウェー、 ~
215
スイスが批准。
• 責任限度額7億ユーロ=賠償措置額。
• 旧条約から損害概念を拡大
• 免責事由は戦闘行為等の場合のみ
改正ブラッセル補足条約(2004年改正、未発効)
226
• 改正パリ条約による7億ユーロの賠償措置額を、
~
229
施設国の公的資金により12億ユーロまで、
加盟国の公的資金により15億ユーロまで増額する。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
64
改正ウィーン条約
冊子版
参照頁
• 1997年採択、2003年発効。
• アルゼンチン、ベラルーシ、カザフスタン、
ラトビア、モンテネグロ、モロッコ、ポーランド、
ルーマニア、サウジアラビア、UAEの10カ国
が加盟。
• 責任限度額3億SDR(約369億円)=賠償措置額
• 旧条約から損害概念を拡大
• 免責事由は戦闘行為等の場合のみ
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
65
218
~
221
原子力損害の補完的補償に関する条約
(CSC)
•
冊子版
参照頁
Convention on Supplementary Compensation for Nuclear Damage
• 1997年採択。未発効。
• インド、インドネシア、リトアニア、フィリピン、ウクライナ等
15カ国が署名、アルゼンチン、モロッコ、ルーマニア、アメリ
カの4カ国が批准。
• 責任限度額3億SDR(約369億円)=賠償措置額
• 異常に巨大な天災地変は免責。
• 大規模な原子力損害により責任限度額を超えた場合、
全加盟国が拠出する補完基金により、実際の補償額が
底上げされる。
• 加盟には、パリ条約又はウィーン条約への加盟、もしくは
CSC付属書の規定に適合する国内法が必要。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
200
~
209
152
~
153
66
国際条約への加盟状況
冊子版
参照頁
•
パリ条約(1968年発効)
– ベルギー、デンマーク、フィンランド、フランス、ドイツ、ギリシャ、イタリア、
オランダ、ノルウェイ、ポルトガル、スロベニア、スペイン、スウェーデン、
トルコ、イギリスの15カ国が加盟。
•
322
~
改正パリ条約(2004年採択、未発効)
323
– ノルウェイ、スイスが批准。
•
ウィーン条約(1977年発効)
– アルゼンチン、アルメニア、ベラルーシ、ボリビア、ボスニアヘルツェゴビナ、
ブラジル、ブルガリア、カメルーン、チリ、クロアチア、キューバ、チェコ、
エジプト、エストニア、ハンガリー、カザフスタン、ラトビア、レバノン、リトアニア、
メキシコ、モンテネグロ、ニジェール、ナイジェリア、ペルー、フィリピン、
ポーランド、モルドバ、ルーマニア、ロシア、セントビンセント及びグレナディー
ン諸島、サウジアラビア、セネガル、セルビア、スロバキア、マケドニア旧ユー
ゴスラビア、トリニダード・トバゴ、ウクライナ、ウルグアイの38カ国が加盟。
•
改正ウィーン条約(2003年発効)
– アルゼンチン、ベラルーシ、カザフスタン、ラトビア、モンテネグロ、モロッコ、
ポーランド、ルーマニア、サウジアラビア、アラブ首長国連邦の10カ国が加盟。
•
CSC(1997年採択、未発効)
– アルゼンチン、モロッコ、ルーマニア、米国の4カ国が批准。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
67
まとめ
冊子版
参照頁
• 海外展開の際には当該国の原賠制度を確認するこ
とが重要。
– 原賠制度がきちんと整備されているかどうか。
– どのような規定内容になっているか。
• 事故発生国の事業者と、他国の被害者との間には
原賠制度が適用されない。
– 原子力損害賠償に関する国際枠組みの構築が重要。
– 国際条約には、近隣の国や輸送経路の国と同じ条約に
加盟することが望ましい。
– 現状の国際条約は、加盟国の偏りや責任限度額の低さ
に課題がある。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
68
ご清聴ありがとうございました。
御質問、御意見等は
[email protected]
までどうぞ。
Japan Atomic Industrial Forum, Inc.
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