仕様書 1. 件名: 平成24年度 発電用原子炉等安全対策高度化技術開発 蒸気発生器の安全性高度化(伝熱管流動励起振動試験・装置設計) 2.目的 日本機械学会設計・建設規格では伝熱管の流力弾性振動の評価が要求されているが、規格が根拠とし ている試験は正方配列蒸気発生器伝熱管群の伝熱管ピッチ比1.46(伝熱管径7/8”)で実施されている。 ピッチ比の異なる伝熱管群(ピッチ比1.33(伝熱管径3/4”)三角稠密配列)に本指針を適用するため に、流動試験により評価に必要な流力弾性振動の限界係数、有効流速及び安定比の補正係数を求めるこ とを目的とする。これらの値を取得するために、実機模擬流体を用いてUベント部1/2縮尺部分モデルで 流動試験(Uベンド試験)を実施する。また模擬流体と1/2縮尺の妥当性を確認するための事前検証として 直管短スパンモデルを用いた試験(短スパン試験)を実施する。 3.実施内容 H23年度に検討した試験仕様及び短スパン試験基本計画図を基に、H24年度は短スパン試験及びUベン ド試験装置の詳細設計を実施する。本仕様書にて定めるH24年度の実施内容は以下の通りである。なお、 これらの各作業は三菱重工業の詳細指示に基づき実施する。 (1) 短スパン試験詳細設計 実寸大の伝熱管Uベンド部供試体を製作し、実機条件の蒸気-水二相流れで試験することは困難で あるため、1/2縮尺試験体を用いて常温の低圧(0.5 MPa)条件で流れを模擬できるSF6-C2H5OH系二 相流を流して流動試験を実施するが、縮尺モデルと模擬流体の妥当性の事前確認のために直管短ス パンモデルを用いた試験を実施する。H24年度は短スパン試験の詳細設計を実施する。 伝熱管流動励起振動試験は、H23年度に作成した試験仕様書及び短スパン試験基本計画図を基に、 既設のSF6-C2H5OH系二相流試験装置を使用し、この装置に供試SGを製作して設置した上で実施す る。 この試験の内短スパン試験では、模擬伝熱管を水平に配置し、高さ方向に伝熱管を重ねたUベン ド中央を取り出したモデルで流動励起振動試験を実施する。供試体の模擬伝熱管長さおよび支持構 造はパラメータするため、この供試体の取替えが可能な構造の試験装置を設計する。この設計に当 たっては、模擬伝熱管を加振するための装置や、その近傍の流れの状態を調査するためのセンサを 設置できるような構造とする。 (2) 短スパン試験装置製作図面作成 詳細設計の成果を反映し、短スパン管群振動試験装置の装置製作図面を作成する。 1 蒸気発生器の安全性高度化(伝熱管流動励起振動試験・装置設計) (3) Uベンド試験装置詳細仕様検討 伝熱管流動励起振動試験は既設のSF6-C2H5OH系二相流試験装置を使用し、この装置に供試SG(U ベンド管群)を製作して設置した上で実施する。H23年度に作成した試験仕様書を基に、既設試験 装置の改造計画および供試SGの構造を検討し、この供試SGを用いた試験で実証が可能な試験条件を 策定する。この試験条件策定に当たっては、既設試験装置の能力を勘案して決定するものとする。 以上の検討結果を元に、試験装置の付帯設備を含めた構想をまとめ、試験設備に要求される仕様を 固める。 (4) Uベンド試験装置詳細計画 既設のSF6-C2H5OH系二相流試験装置の能力を勘案し、装置仕様範囲内でUベンド伝熱管の流力弾 性振動が発生するように供試SG構造の仕様を検討する。供試SGについては構造の具体化を進め主要 寸法を決定して詳細設計の設計条件を明確にする。また、既設試験装置の改造計画および付帯設備 設計の具体化を行う。また、既設試験装置を試験に使用するために必要な設備のメンテナンス計画 についてもまとめる。 (5) Uベンド試験装置詳細設計 詳細計画後に試験装置の詳細設計を実施し、試験装置基本計画で立案された供試SGの構造案を元 に、供試SGおよび試験装置全体(改造箇所含む)の振動および強度評価を実施する。また、伝熱管 の振動特性を把握するための振動計測計画を検討する。そのうえで、供試SGおよび試験装置全体の 組み立て図、製作図および振動・強度計算書を作成する。 また、管群の限界係数や安定比の補正係数を求めるために必要な振動計測計画として、必要な計 測機器の選定、具体的な設置方法(ワイヤリング含む)および取得したデータの分析・評価方法の 詳細を計測計画書として作成する。同様に、試験条件としてパラメータとなるボイド率および気液 界面速度計測に必要な機器の選定、具体的な設置方法および取得したデータの分析・評価方法の詳 細を計測計画書として作成する。 (6) Uベンド試験装置製作図面作成 詳細設計の成果を反映し、Uベンド管群振動試験装置の装置製作図面を作成する。 (7) Uベンド試験体確認解析 試験体形状が最終的に決まった段階で、振動および熱流動面での試験体確認解析を実施する。振 動解析では、試験体最終形状での試験装置、伝熱管の固有振動数や振動強度を確認するものである。 熱流動解析では、Uベンド管群の試験条件の選定のために事前に熱流動解析を実施する。この熱流 動解析では、H23年度に作成した供試SG解析モデルを使用し、熱流動条件をパラメータにした解析 により試験条件の選定を行うものである。 2 蒸気発生器の安全性高度化(伝熱管流動励起振動試験・装置設計) (8) 報告書作成 (1)∼(7)項の検討結果を検討報告書(本文はワードファイル、デジタルデータはエクセルファイ ル)にとりまとめる。 4.実施条件 実施条件詳細は三菱重工から別途提示する。 5.実施期間および実施工程 実施期間は、契約締結日から平成25年2月8日とする。 表1に実施工程を示す。 6.納入物及び納期 最終報告書3部及び報告書を収めたCD-ROM1枚 提出図書:添付1に提出図書を示す。 7. 納入場所 報告書及びCD-ROM:三菱重工業株式会社神戸造船所(兵庫県神戸市) 提出図書:三菱重工業株式会社神戸造船所(兵庫県神戸市) 8.機密保持事項 本仕様書に定められた作業によって得られた成果およびその知見を、三菱重工業株式会社の事前承諾 無しに第三者に開示してはならない。 9.知的財産権 (1)本仕様書に定められた作業によって得られた成果およびその知見は、三菱重工業株式会社に帰属 するものとする。 (2)受注者は、本購入仕様書に規定される作業を実施するにあたって、第三者の知的財産権を侵害し ないように十分注意すること。 10.品質保証 3 蒸気発生器の安全性高度化(伝熱管流動励起振動試験・装置設計) 受注者は、本購入仕様書に規定される作業を実施するにあたっては、別途に定める“調達先に対する 品質保証要求事項(原子力施設にかかわる設計役務全般)”を遵守すること。 11.その他 (1) 本仕様書と契約書の記載内容で、齟齬がある場合は本仕様書内容を正とする。 (2) 検収に際しては、検収用チェックシート(別添)に基づき、三菱重工業株式会社神戸造船所 が確認するため、必要な書類は準備しておくこと。 (3) 各実施項目の納期が変更となる場合には、事前に三菱重工業株式会社神戸造船所に申請し承 認を得るものとする。 (4) 実施内容の変更にあたっては、受注者は事前に発注者に申請し、承認を得るものとする。 (5) 作成した資料の情報管理区分については三菱重工業株式会社神戸造船所と協議し決定する。 (6) 本件の実施者は、発電用原子炉等安全対策高度化技術開発における蒸気発生器の安全性高度 化に関わる研究の全体取りまとめに協力する。 4 蒸気発生器の安全性高度化(伝熱管流動励起振動試験・装置設計) 添 付 提出図書 一覧 種別 図書分類 要提出 図書*1 摘要 ○ 承認用 1 契約後2週間以内 ○ 承認用 1 契約後2週間以内 実施体制表 ○ ○ 承認用 1 契約後2週間以内 ○ 承認用 1 契約後2週間以内 適宜 承認用 1 契約後3週間以内 打合せ議事録 ○ 参考用 1 打合せ後2週間以内 工程実績表 ○ 参考用 1 月初5営業日以内 参考用 1 立会前1週間以前 計画変更承認申請書 打合せ議事録 適宜 打合せにて、変更が生じた場合 報告 完成検査 支払い 承認用 1 製作前2週間以前 承認用 1 製作前2週間以前 承認用 1 発注前2週間以前 購入仕様書 承認用 1 購入前2週間以前 外注購入先管理表 承認用 1 購入前2週間以前 工事報告書 現地検査 1 計画変更時 1 打合せ後1週間以内 品質管理仕様書 施工要領書 廃棄・撤去等 承認用 承認用 外注購入先管理表 機器設置工事 施工図 試験 1 契約後2週間以内 1 契約後2週間以内 品質管理計画書 物品製作仕様書 物品購入 承認用 承認用 提出図書一覧表 立会申請書 物品製造 提出時期 実施計画書 再委託に係る承認申請書 仕様変更 部数 実施工程表 安全計画書 一般 種類 承認用 1 施工前2週間以前 承認用 1 施工前2週間以前 参考用 1 工事完了後2週間以内 試験要領書 承認用 1 試験前2週間以前 試験報告書 参考用 1 試験後2週間以内 承認用 1 作業の開始前 輸送、保管、廃棄に関する仕様書 適宜 仮設備の撤去・分別解体に関する仕様書 適宜 承認用 1 作業の開始前 検査要領書(立会い要領書) 承認用 1 検査前2週間以前 検査報告書 参考用 1 納入時 別途指示 納入時 最終報告書および電子記録媒体 ○ 参考用 納品書(完了届け) ○ 参考用 1 納入時 実績報告書 ー 参考用 1 納入時 納入品一覧表 ○ 参考用 1 納入時 機器一覧表 参考用 1 納入時 工程写真 参考用 1 納入時 官庁検査合格書等 参考用 1 納入時 機器取扱説明書 参考用 1 納入時 完成写真 参考用 1 納入時 提出済図書一式(含 最終報告書)参考用 1 納入時 完成図書及び電子記録媒体 ○ 請求書 ○ - *1.「○」は提出必須 5 蒸気発生器の安全性高度化(伝熱管流動励起振動試験・装置設計) 1 確定後速やかに
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