AFS通信 - AFS-Ring - AFS日本協会

AFS通信 88
No.
発 行:公益財団法人 AFS 日本協会 〒105-0001 東京都港区虎ノ門 1-22-14 ミツヤ虎ノ門ビル 7 階
TEL:03-6206-1911(代表) FAX:03-3507-4300
E-mail:[email protected] WEB:http://www.afs.or.jp
2014 秋号
Information
受入プログラム
▼ ホストファミリー募集中
海外留学生を、ご家族の一員として温かく受け入れてくださるご家庭を募集しています!
現在、留学生のホームスティ先が不足しています。お子様が留学中に受け入れをされたご家庭からは「ホスト
ファミリーの立場がよくわかった」とホストファミリーをお勧めするコメントが数多く寄せられていますので、
派遣生保護者の皆様、ぜひともご協力をお願いします。ホストファミリーや留学生の体験談はホームページでも
多数掲載していますので、ぜひご覧ください。
派遣プログラム
▼ 第62期派遣生・募集中
▼「派遣生連絡サイト」
2015年出発の年間派遣プログラム第62期は、10月
の C 日程の結果、定員に達していない国については追加
募集を行います。詳細はホームページにてお知らせしま
す。
緊急時のサポート体制
当協会では、参加者の生命に関わるような緊急事態の際
には、
受入・派遣両国事務所の職員およびボランティアが連
携して、
24時間で対応します。
皆様からも安否および被害
状況確認のご一報をいただけますようお願いいたします。
(『AFS ホストのしおり』p.3、『AFS 留学のしおり』p.
7−9参照)
<ご連絡いただきたい事項>
⑴ 自然災害
①地震:震度6弱以上
②水害:床上浸水以上
③人的・物的被害を受けたとき
⑵ 避難勧告・命令が発令されたとき
⑶ テロ活動やお住まいの地域を巻き込むような重大な事
件が発生したとき
業務時間(祝日を除く月∼金、9:00−17:00)外の
当協会緊急電話:
番号は『AFS ホストのしおり』の表紙の裏、『AFS 留
学のしおり』の裏表紙の裏に記載
緊急連絡先は上記のような自然災害や事件、緊急を要す
る怪我や病気、その他不測の事態のみに限らせていただ
き、日常的なご相談・お問い合わせについては、業務時間
内に対応させていただきますことをご了承ください。
−1−
今年度から、派遣プログラムの派遣生オリエン
テーション、保護者オリエンテーション、保護者
会、出 発・帰 国 便 等 は、「派 遣 生 連 絡 サ イ ト」
(PC サイト)でご案内しています。
URL(ページのアドレス)はご登録いただい
ておりますメールアドレスにお送りしますので、
ご確認いただきますようお願いします。
※サイトへのアクセスが難しい場合は FAX また
は郵送にてご案内しますので、[email protected].
jp までご連絡ください。
88号の内容
P1
Information
Hosting 受入
P2
P4
よろしくお願いいたします
日本の秋は…Autumn in Japan
Sending 派遣
P6
P7
P8
留学後期を迎えて(61期冬組)
留学初期の適応(61期夏組)
出発までの過ごし方(62期)
Hosting
g
受入
ホストファミリー、ホストスクールの先生方へ
よろしくお願いいたします
8月下旬に67名の年間・セメスター秋組生が来日しました。10月初旬には34名
の文部科学省補助・短期招致生がオーストラリア、ハンガリー、ロシア、モンゴ
ル、マレーシア、タイより来日します。ホストファミリー、ホストスクールの先
生方をはじめ、周囲の皆様方の温かいサポートをどうぞよろしくお願いします。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
寒い季節に備えて防寒着の用意を
受入生たちは、日本の気候をどのように楽しんでいるでしょうか。紅葉の季節を過ぎると、
厚手の下着やコートなどの防寒着の準備が必要になります。常夏の国から来た受入生にとっ
ては、日本の冬は楽しみであると同時に、環境の変化により体調を崩しがちな季節でもあり
ます。外出する時には上着やマフラー、靴下、手袋などで寒さを防ぎ、風邪をひかないよう
に気をつけるなど、防寒のアドバイスをお願いします。なお、冬物衣類は高額で、帰国後は必要ないことも
ありますので、日本にいる間だけ貸していただけるような手配もお願いできれば幸いです。
インフルエンザ予防接種
まもなく全国の医療機関でインフルエンザ予防接種が実施されます。予防接種を受ける場合は、本国の保
護者の同意が必要になりますので、時間的余裕をもって支部にご連絡ください。予防接種代は生徒の負担で
す。アレルギー体質や既往症のある生徒もいますので、
お手元の生徒書類の英文健康診断書をご持参ください。
病気になったら
年間生とセメスター生は全員国民健康保険加入手続きを取っていますので、
病院に行くときは国民健康保険証
とAFS留学生診断書をお持ちください。自己負担分の3割の医療費は、痛み止めのための応急処置以外の歯科
治療費や既往症治療費などの元々自己負担となる医療費を除いてAFS国際本部の医療保険から支払われます。
保険請求のためにAFS留学生診断書が必要になりますので、
ご協力お願いいたします。
年間秋組生/セメスター・プログラム生関係者の皆様へ
AFSのサポート体制とLPの役割
AFSではLP(リエゾンパーソンの略)と呼ばれる担当者を受入生一人ひとりに配して
います。LPは、定期的に受入生・ホストファミリー・ホストスクールと連絡を取りなが
ら、受入生が円滑に日本の生活に溶け込めるようにサポートするボランティアです。ま
た、適応上の問題が生じた際には、状況を理解するとともに、支部長や支部のコーディネーター、AFS事
務所と連絡を取りながら、早期の問題解決に向けて手助けできるような研修を日頃より受けています。
実際に受入生との生活がスタートすると、細々とした問題や疑問が出てくることと存じます。ご質問、ご
相談がございましたら、いつでもLPにご連絡ください。
インターネットの使用
受入生にはオリエンテーションなどで、インターネット(含むスカイプ)の使用が適応
上どのようなトラブルをもたらす可能性があるかを説明し、LPも交えてホストファミリー
やホストスクールの先生方とよく話し合い、決められた使用上のルールを守るよう伝えて
います。受入生にご自宅や学校のパソコンの使用を許可なさる場合は、ご家庭や学校のルールに沿った使い
方をご指導いただき、ルールを守っていないときはその都度ご指導くださるようお願いします。
年間春組生関係者の皆様へ
滞在後半期を迎えて
滞在の後半期を迎えた受入生たちは、ご家庭や学校や地域で様々な経験を重ねるなかで、日本に関する理
解を深めてきたことでしょう。この時期に受入生の活動範囲が広がり外出の機会も増えることは、適応が順
−2−
調に進んでいる証拠ですので、ある程度寛大なお気持ちで接していただければ幸いです。ただし、家族とし
て一緒に暮らすうえでのルール(例えば、門限、夕食は家族一緒にとる、遅くなる時は必ず電話を入れるな
ど)は、きちんと守るようご指導ください。外出の際には、
「どこへ」
、
「誰と」
、
「何をしに」行き、「何時頃
帰るのか」を必ず家族に伝えてから出かけることも重要です。緊急時の安全確認の意味からも、改めてご
指導をお願いします。
この時期、ご家庭においては前半期とは異なるご心配事が生じる頃かもしれません。過去のホストファミ
リーからのアンケートの中から、この時期に生じた心配事や感想をいくつかご紹介しましょう。
クラブの練習に参加することで自由な時間が少なかったように思う/休日に友人同士で出かけることは、
小学生のホストシスターにとっては大変うらやましいことだったようだ/帰宅時間が遅く、休日もほとんど
外出しており、ホストファミリーと過ごす時間が少なかった/あまり家から出て友達と遊ぶとか、自分で出
かけるということが少なく、母国から送られて来る本ばかり読んで過ごすことが多く、何のための留学なの
かと思うこともあった/日本人の我が子でも、中学・高校生になると親よりも友達と行動を共にしたがっ
ていました。大切なファミリーイベント以外は自由を与えていたので、家族といつも一緒という感じでは
ありませんでした/本国の親や友人とメールや電話での連絡が過ぎる
些細なことでも、気になる場合には、皆様のお気持ちを率直にお伝えください。「ホストファミリーとし
てはこのように思う」と素直に伝え、オープンな話し合いの機会を設けていただくことが、この時期にはと
ても重要です。
他家や他校での体験
AFSでは、今までとは別の生活を体験してもらうために、他支部のご家庭や高校へ短期
間滞在する機会を受入生に提供することがあります。
過去のホストファミリーのなかには、「よその家での体験を楽しそうに話す受入生に、
『う
ちでの生活が不満なのだろうか』と感じることがあった」とおっしゃった方もいます。皆様
も同じようなお気持ちになられるかもしれませんが、一方で「受入生は身体は大きくても子どもなので、た
だ単に自分の体験をホストファミリーとも共有したいだけなので、そういうときは話を聞いてあげて『あ
あ、そう。よかったね』と言ってあげた」というホストファミリーもありました。受入生の若さ、無頓着さ
は時としてホストファミリーの皆様を悩ませることがあるかもしれません。しかし、他家や他校での体験
も受入生にとって意義深いものですので、この点をご理解いただきまして、新しい体験を共に喜んでいた
だければ幸いです。
荷物整理に関するお願い 帰国の際の荷物の重量制限は、20kg〈注〉です。 帰国間際になって慌ただしく荷造りに追われたり、指示を守らずに重量をオーバーして、空
港で「高額な超過料金を払う」か、「荷物を捨てる」という選択を迫られる受入生が毎年何
人もおります。今のうちに船便で送れば帰国する頃には確実に自国へ届いていますし、帰国間際に高額の航
空便で荷物を送らずに済めば、経費を節約することにもなります。必要のない荷物は今から整理して送って
おくことを勧めてください。
〈注〉航空会社の規則により重量制限は異なりますが、年々、規制そのものが厳しくなりつつあります。
AFSでは諸般の事情を考慮し20kgと設定しています。詳細は次号でお知らせいたします。
日本語上達のきっかけ
毎年、ホストファミリーおよびホストスクールに受入生の日本語の上達度を評価していた
だきます。昨年の評価では、来日当初は「挨拶の言葉など2、3の暗記した表現は口にする
が、日本語は全く理解できない」と評価されていた受入生が、帰国する頃には「道順、習慣
の説明、約束など日本語で用が足りる」程度にまで上達しているケースが多く見られました。
例年日本語の上達のきっかけとして上位に数えられる項目は、
①体育祭・文化祭・修学旅行などの学校行
事を通してクラスメートと話す機会が増えた、②日本語能力試験のために勉強した、
③夏休みに家族とよく話
した、です。また、「日本のアニメやアイドルに興味があったので、日本語の上達も早かった」
、
「携帯メー
ルのやりとりを始めてから日本語が伸びた」といったコメントも、最近では目立つようになってきていま
す。
また、受入生が毎日新しい単語を数個習い、それをクラスメートに英訳をしてもらって覚え、受入生と日
本人生徒のそれぞれが日英の語彙を増やしていったという例もありますので、クラス内で楽しみながら語学
の交流ができるというのは理想的です。
−3−
受入生のみなさんへ Dear AFS Students
に ほん
あき
日本の秋は…Autumn in Japan
き せつ
あき
どくしょ
あき
べんきょう
あき
に
スポーツの秋;スポーツを するのに とても よい季節です。読書の秋・勉強の秋;日
ほん ご
しょくよく
べんきょう
あき
あき
た
もの
た
本語の勉強はすすんでいますか。食欲の秋;さんま、かき、くり、秋の食べ物、食べて
げいじゅつ
あき
おんがく
かい が
えんげき
に ほん
げいじゅつ
たの
みましたか。芸術の秋;音楽、絵画、演劇など 日本の芸術を楽しんでください。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
わす
秋組生のみなさんへ
日本へようこそ Welcome to Japan!
「ありがとう」を忘れずに(say“Thank you")
い
日
本 へ よ う こ そ! あ た ら し い
せいかつ
生活が はじまりましたね。こまっ
たときには、ホストファミリーや
たす
LPに きいてください。助けてくれ
ますよ。
We wish you the best for your stay in Japan!
Don t hesitate to ask your host family and/or
LP (Liaison Person) for help. They will be
happy to support you!
LPは だれですか(Who is your LP?)
し
ぶ
LPは、支な部
の れん
ボらくさき
ランティアで
まえ
す。LPの 名前と連絡先がわかって
ひと
いますか。わからない人は おしえ
て もらいましょう。
Do you know who your LP is
and his/her contact number?
If not, please ask your chapter/host family.
とうろく
「ありがとう」を言っていますか
?
ことば
つた
たいせつ
言葉で 伝えることは 大切ですよ。
Do you show your appreciation by saying
Arigato? It s important to say it in words.
春組生のみなさんへ
インターネット(Internet
& Skype)
じ ぶん
へ や
自分の部屋にこもってインターネットやスカイプ
せっきょくてき
ばかりしていませんか。積極的にホストファミリー
とコミュニケーションをとりましょう。Facebook
しゃしん
うつ
やYou
Tubeに写真をアップするときは、映ってい
ひと
ぜんいん
かなら どう い
る人たち全員から必ず同意をもらってください。
Are you spending a lot of time alone with your
computer? Spend time with your host family
instead! When uploading photos from camp or
AFS events to Facebook, YouTube, or other
social media, get permission from everyone
appearing in the post beforehand.
に もつ
登録をしましたか(Registration)
じゅうみんひょうとう ろく
こく みん けん こう ほ けん
1.
住民票登録、2. 国民健康保険
か にゅう
加入、3.
たいしかん/りょうじか
とう ろく
んへの登録 をまだしていなかった
らすぐにしましょう。
Have you already completed 1.Residence
Registration at a town office,2.Enrollment in
National Health Insurance Plan and
3.Registration with your Embassy or
Consulate? If you haven t, please do so immediately.
けいたいでん わ
へんこう
携帯電話のメールアドレスを変更しないように
(You are not allowed to change your
mail address of your AFS mobile
phone)
けいたいでん わ
わた
みなさんに携帯電話を渡していますが、メールア
か
だい じ
し
とど
ドレスを変えるとAFSから大事なお知らせが届かな
か
くなりますので、アドレスを変えないでください。
Even though AFS provides you with a mobile
phone, please do not change your mail
address. AFS sends important information to
your mobile phone address, and you will not
receive this information if you change your mail
address. Thank you for your understanding
and cooperation.
おく
荷物を送りましょう!
(Send Summer clothes back)
なつ ふく
き
せつ
す
ふな びん
夏服など
は、季 節 が 過ゆうぎ
た ら 船おく
便(surface
おく
びん きょく
ふな
mail)で
送りましょう。郵便局から
送れます。船
かえ
とき
びん
じ かん
こう くう びん
便は 時間が
かかりますが、帰る時に
航空便(air
おく
やす
も
かえ
mail)で 送るより
ずっと 安いです。持って 帰るこ
に もつ
おも
とが できる 荷物の重さは20kgです。
If possible, we recommend that you send your
summer clothes back to your home via surface
mail. You can send them from a post office. It
takes time, but it is much cheaper than air
mail. Free baggage allowance is up to 20kgs!!
かん り
おこづかいの管理
(Managing your pocket money)
た
とも
おこづかいは足りていますか?友
で
おお
だちもふえて
出かけることが多く
かえ
まえ
なったり、帰る前には
おみやげを
か
に もつ
おく
かね
買ったり ひつ
荷物を送ったり、お金が
よう
たくさん必要です。おこづかいは
けい かくてき
つか
計画的に使いましょう。
Do you manage your pocket money all right?
You might spend more money as you make
more friends, and have more chances for
going out with them. Don t forget, you will
surely need a lot of money right before
returning home!
−4−
Sending
g
派遣
61期冬組派遣関係者の皆様へ
留学後期を迎えて
派遣生が、留学中で一番自分らしさを発揮でき、日々の生活が充実するのがこ
の時期です。一方、慣れからホストファミリーとのトラブルが生じたり、帰国後
の生活に不安を抱いたりすることもあるでしょう。ともすると自分優先の生活を
送りがちになるこの時期こそ、ホストファミリーとの絆を強め、生涯付き合える
関係を築いてほしいと思います。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
留学後期の状況を振り返って(冬組帰国生アンケートより)
語学の上達に伴い、学校もとても楽しくなってきた/現地語で日記をつけるようになってきた/友達
と離れるのが悲しく泣いたりした/冗談を言い合えるようになったり、矢のように時間が過ぎていっ
た/物事を客観的に見られると実感した時期/帰国までは毎日が貴重だった/最後の日はみんなで泣
いた/ホストファミリーと多く時間を過ごすようにした/しゃべりすぎてホストにうるさいといわれ
るほどだった/ホストスクールの課題と日本の高校の単位認定試験の勉強の両立に苦労した/深い話
ができるようになった/ちゃんとケンカもできるくらいに喋れるようになった
帰国後の単位認定に必要な書類
「留学扱い」で留学した生徒に対して、留学先の高校での履修を高等学校における
履修とみなし単位の修得を認定するのは、派遣生が在籍する日本の学校の校長先生
です。派遣生は 各自の責任 で認定に必要な資料を日本の学校に提出する必要があり
ます。
学校により必要な証明書類は異なりますので、各自で、提出書類名や期限を確認した上で、ホストスクー
ルに発行を早めに依頼してください。ホストスクールが学年終了後の休暇に入ると、希望書類の取得は困難
ですし、派遣生が一旦帰国したあとは、取得はほぼ不可能です。書類は、必ず自分の手で持ち帰るように、
保護者の皆様からも、今一度、派遣生に確認をしてください。
大学進学に必要な書類がある場合も同様に自分で取得してください。日本協会は留学証明書の再発行は有
料でいたしますが、ホストスクールからの書類の取得は各自の責任で行ってください。
60期冬組帰国生のアンケートでは、「休学扱い」と「留学扱い」の数はほぼ半々でした。それぞれのメリッ
トやデメリットを考慮の上、決めてください。 (
「AFS留学のしおり」15 ∼ 16 ,81 ∼ 83頁参照)
留学の締めくくり
プログラムも後期に入り、これもしておきたい、あそこにも行きたいと帰国に向けて様々な計画を練って
いるかもしれません。残り少ない留学生活を思う存分楽しみたい気持ちは十分に理解できますが、最後だか
ら大目に見てもらおうという甘えは禁物です。一瞬の気の緩みでこれまで築いてきた関係を台無しにしてし
まったり、今後その地域では日本人を受け入れてもらえなくなったりする可能性があります。ホストファミ
リーとの時間を最優先に考え、交換留学生として最後まで気を引き締めて生活するよう、保護者の方から
もアドバイスをお願いします。
派遣生の個別旅行と家族の訪問
AFSでは、成人のホストファミリー以外との旅行やホストスクールの監督下にな
い個別旅行は、すべきではないと考えています。派遣生が個別旅行をする場合は、
ホストファミリーや受入支部の了承を得た上で、保護者の方に、トラベルウェー
バー(個別旅行参加のためのAFSプログラム参加一時解除届)に署名をして旅行中
の責任を全て負うことを約束していただかなければなりません。
旅行の目的・日程・滞在先・利用交通機関・同伴者の有無・同伴者の信頼性・費用負担などを、直接派遣
生から確認してください。最近は、インターネット上で知り合った人の家に泊めてもらう旅行を計画する生
徒も出てきています。AFS日本協会は生徒の安全からこのような旅行は認めません。トラベルウェーバー
に署名する際には、書かれていることをよく読み、慎重にご判断くださいますようお願いします。
AFSでは、派遣生の異文化適応を支援する立場から、日本のご家族や友人が派遣生を訪問することに賛
成ではありません。国やホストファミリーによっては、ご家族を招待することがありますが、無理に訪問す
る必要はありません。また、受入国の許可なくお子様を訪問することは認めていません。訪問を希望される
場合は受入国に確認をする必要がありますので、1か月前までに「AFS留学のしおり」73頁の「訪問許可
願い」を日本協会まで必ずお出しください。
なお、お子様の適応状況やホストスクール・AFSの行事等の都合で訪問が許可されない場合もあります
ので予めご了承ください。
−5−
61期夏組派遣関係者の皆様へ
留学初期の適応
今回は、留学初期の状況についてとりあげます。この通信で皆様にお伝えする内容を、留学中の派遣生に
も手紙などを通じてお知らせいただければ幸いです。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
留学初期の状況を振り返って(夏組帰国生アンケートより)
授業や生活環境に慣れるのに苦労した/人の優しさが身にしみた/日本とあまりに違う部分が多くて苦労し
た/周囲に英語をしゃべれる人がいなかったのでその分上達が早かった/文化、人などすべてが日本と違
い、異文化にとまどった/最初はすべてがドキドキで、落ち込んでいる暇もなかった/ぜんぜん英語が分か
らなかったがホストファミリーが一生懸命手伝ってくれた/少しでも人としゃべれると嬉しかった/ホスト
シスターとうまくいかず、ホームシックになっていた/ホストシスターを通して友達ができた/少しずつ生
活の仕方が分かってきた/話に入れなかったため、その分勉強をがんばるようになり、単語や表現をたくさ
ん覚えた/すべて分からないことは聞くと周りの人が助けてくれた/留学したばかりなので英語が分からな
いといっても通用した/聞き取りで精一杯/生活習慣など基本的なことへの対応で苦労した/毎日何か新し
いことを吸収していった/何でも「はじめて」として質問できた/積極的になれなかった/スポーツを通じ
て友達ができた/友達ができても、友達は私を本当に友達と思っているのか、不安だった/言葉はできなく
ても、友達ができた
自分の担当者を知っていますか?
自分のAFS担当者(リエゾン、サポートコンタクト、カウンセラーなど呼称は各国様々で
す)が分からない派遣生は、ホストファミリーや受入支部にすぐに確認するよう保護者の皆
様からもお伝えください。AFS行事などで話したことがあるのに、その人が担当者であるこ
とに気付いていないこともあります。AFS関係者ではない人に相談をしても、話し相手には
なってくれますが、状況に応じた対応をすることはできません。
過去にホストファミリーを経験したご家庭であれば支部のボランティアとは顔見知りであったり、初めて
のホストファミリーでも生徒の到着前からホストファミリーオリエンテーションなどで既に顔を合わせてい
たりするはずですので、担当者とホストファミリーとが親しそうに談笑しているところを見て自分が入り込
む隙間がないように感じてしまう派遣生がいるかもしれません。しかし、担当ボランティアは、生徒とホス
トファミリー両方の担当者として中立の立場で話を聞くように研修を受けていますので、困った時は臆す
ることなくAFS担当者、配属支部の支部長、受入国事務所に相談するように、保護者の皆様からもアドバ
イスをお願いいたします。
(
「AFS留学のしおり」38頁参照)
適応のパターン
自分の慣れ親しんだものとは異な
る環境に入った時には、必ず戸惑い
があります。最初は「驚き」として
現れますが、しばらくすると、「好き
/嫌い」「自分にあう/あわない」に変化していき
ます。これは決して間違った心の動きではなく、ご
く自然なことです。重要なのは、この心の動きに派
遣生自身がどう反応するかということです。
派遣生の反応には概ね「逃避」、「対決」
、「適応」
の3パターンがあるといわれています(右の表参
照)
。一人の派遣生でも時と状況により異なる反応
を示します。
つまづきや衝突、失敗を経験しながら、ホスト
ファミリーや友達を受け入れ、また受け入れられて
いきます。辛い経験も前向きにとらえる積極的な姿
勢が鍵となるでしょう。
逃避型
新しいものに挑戦する代わりに、異質なもの
から逃れて、自分の分かる、知っている世界
に閉じこもることで安心感を得る。
対決型
自分の嫌いなもの、あわないものは「間違っ
ている」とし、自分のやり方を押し通し、他
人のアドバイスに耳を傾けない。
適応型
生活様式の違いや未知のことに対して心を開
き、不慣れな環境に溶け込もうと努力する。
また、周囲をよく観察し、自分がどのように周
囲から受け入れられているかにも気を配る。
異文化体験
(AFS International 発行)
より
お子様が出発されてから保護者の皆様も異文化を体験なさっているのではないでしょう
か。ご自宅(日本)では当たり前(常識)と思っていたことがホストファミリー(受入国)
では通用しないことがあります。派遣生からの手紙やメール、ホストファミリーとのやり取
りの中で、違いに驚かれたこともあるかもしれません。派遣生が一生懸命ホストファミリー
のやり方や価値観を学ぼうとしている時には、ぜひ見守ってください。もし派遣生が違いに
戸惑っているような時には、それが「異文化体験」なのだから「好き/嫌い」
、
「あう/あわない」の判断
をすぐに出さないようアドバイスしてください。戸惑っている派遣生側の話だけを聞いて、保護者の皆様
が判断してしまうことのないようお願いいたします。
−6−
日本協会では各地で保護者会を開催しています。派遣生の様子を伺ったり、保護者の皆様の異文化体験を共有
したり、ご質問にお答えしたりする機会を提供したいと思います。詳細については留学生支援室よりご案内しま
すので、ご都合のつく限りご出席いただけますようお願いいたします。「子供から何の連絡もなくて…」というか
たも、ぜひご参加ください。
危険を伴うスポーツについて
派遣生が留学中に危険が伴うと危惧される特定の活動に参加する場合、またはその可能性があ
る場合を想定して、「受入国での諸活動への参加および免責に関する同意書」を出発前にご提出い
ただきましたが、同意書に記載されていない活動に参加する可能性が出てきた場合は、事前にそ
の活動への参加の許可および免責に同意する「スポーツ/その他の活動に従事すること、および
AFSの免責に関する同意書」(通称スポーツウェーバー)の提出が必要になります。「AFS留学のしおり」の巻末
書式をご参照ください。万が一怪我をした場合、種目によってはAFSの保険や追加保険が適用にならない場合も
ありますので、ご署名前によくご確認ください。
スポーツウェーバーへのご署名は、お子様の経験、運動技量なども考慮された上でなさってください。
62期派遣関係者の皆様へ
出発までの過ごし方
今号よりオリエンテーションでは伝えきれない情報をお伝えしていきたいと思います。出発までの時間は派遣
先国によって違いますが、それぞれが自覚を持って過ごすことが重要です。皆さんの準備に本通信が役立つことを
願っています。
‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥
交換留学とは
私費留学と交換留学には大きな違いがあります。経費面も違いますが、最も基本的な違いは、交換留学はホス
トファミリーもホストスクールも生徒と同じく異文化体験の参加者であるということです。ホストファミリーも
参加費(実際には生活費などの費用)を負担しますし、ホストスクールは授業料を免除や軽減(地元住民の税金
によって負担することになる)してくれます。そのかわり、生徒は地域や学校を指定することはできませんし、
ホストファミリーもホストスクールも生徒の態度が悪ければホストをやめることができます。
AFSで留学するということは、現地の住民(税金を払っている人々)、ホストファミリー、ホストスクールの
理解と支援があって成立することを認識する必要があります。参加費は確かに高額かもしれませんが、実はその
他のいろいろな費用がまわりの人々の厚意・善意でまかなわれている、それが故に留学が実現するのです。
また、交換留学では「家族の一員」として過ごすために、わがままも制限されますが、そこに教育的価値があ
るのだということをぜひご理解ください。
出発までをどう過ごすか
日本の派遣生の多くに足りないと各国から指摘されていることは「語学」、「表現力」、「積極
性」、「自己管理」です。語学の準備は進んでいますか。学校の勉強や部活で忙しく、なかなかは
かどっていないという派遣生も多いのではないでしょうか。留学が始まってからは言い訳はきき
ません。英語も現地語も理解しないので、ホストファミリーもボランティアもほとほと困ってい
る、という報告が毎年各国から届きます。以前のように「行けば何とかなるさ」ということは今
は通用しませんので、今日から語学の勉強に本腰を入れてください。学校のALTの先生、テレビ
の外国語講座や音声多重放送番組、インターネットの外国語講座など身近にある教材を積極的に
活用して準備をしてください。
留学先でのホストファミリーとの生活を念頭において、まず、自分の家族との会話を増やしてみましょう。ホ
ストファミリーとコミュニケーションが重要だと分かっていても、残念ながらそれができない日本の派遣生が多
くいます。留学してから急に変われるものではありません。学校であった出来事や友人と話した内容等、今から
練習をしておきましょう。
冬組生はあっという間に出発を迎えることになります。夏組生は来年夏の出発までの時間を有効に使うため
に、計画を立てて準備を進めてください。日本についての勉強、語学準備は勿論のことですが、日本の生活の基
盤をしっかりしておくことが重要です。学校での勉学や部活への真摯な取り組み、家庭内の会話やお手伝い、身
の回りを自分ですることなど、基本的な生活習慣をしっかりと身につけておきましょう。
主体性を持ちましょう
AFSから届いたメール・書類は全て自分で目を通していますか? 62期派遣内定生の多くの皆さんは、現在、
受入国での審査のために英文書類作成に取り組んでいるかと思いますが、残念ながらこの書類には不備が多く、
やり直しを依頼することが頻発しています。英文書類で特に重要なのは写真とホストファミリー宛ての手紙です。
手紙は自分で準備していますか?長文を書くことは慣れていないかもしれませんが、自分で準備し、外国人に通
用する英語かどうか学校の先生等に確認してもらってください。インターネット翻訳ソフトを使用した場合はす
ぐに分かりますので、絶対に使用しないでください。
誰かに指摘されなければ自分には問題がないという意識の生徒、分からないことがあっても自分で質問できな
い生徒が多く見受けられます。保護者様は、書類作成から不明点の確認まで、何でもお子様にさせて自立を促す
ようお願いします。お子様に代わって保護者様から質問を受けることも多々ありますが、これではお子様のため
にはなりません。苦労しながらも自分で書類等の準備をしたりすることで、徐々に留学に対する決意が固まり、
目的意識も明確になってきます。留学準備には欠くことのできない大切なプロセスですので、保護者様は決して
手を貸さず、時々口を出しながら、見守っていてください。
かつてアメリカで開かれたサポート研修では、日本人生徒のプレゼンテーション能力不足を指摘されました。
日本人は主体的に話し、行動することが求められています。留学するのは皆さんですから、何でも主体的に取り
組むようにしてください。
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