Linux上への.NET Micro Framework

2011 年 3 月号 .NET Micro Framework 特集続編記事
後編
Eddy(ARM9/AT91SAM9260)ボードへの移植を例に
Linux 上への
移植の勘所
.NET Micro Framework
日高 亜友
4 月号の前編に続いて,組み込み Linux 上への .NET Micro Framework の移植について解説する.この移植
により C# で記述したソース・コードから Visual Studio/VC#2008 Express でコンパイルしたマネージド・
コードを,組み込み Linux のアプリケーションとして実行することができるようになる.
(筆者)
今回の移植作業では,PK が提供するファイルを一部修
正する必要がありました.表 3 に修正するソース・コード
1.Eddy への移植作業の概要
の一覧と修正理由を,表 4 には追加修正するスクリプト・
前編(本誌 2011 年 4 月号,pp.128 -143)では .NET Micro
ファイル名を示します.
Framework を組み込み Linux 上に移植する作業の概要,
開発時にはほかの部分にもデバッグ用のコードを多数埋
準備とデバッグ手順について紹介しました.後編では
め込みましたが,移植に必要な作業を切り分けるため,こ
Eddy シ リ ー ズ( コ ラ ム 1)の 組 み 込 み Linux を 対 象 に,.
れらの表には動作に最低必要な部分だけを絞り込んで掲載
NET Micro Framework をオペレーティング・システム
しています.各ディレクトリは PK のインストール先(通
(以降 OS)上に移植する場合に追加・修正するコードの事
常は C:¥MicroFrameworkPK_v4_1)をルートにした相
例と注意点について解説します.
対パス名で示しています.今回移植で使用した追加修正
.NET Micro Framework の移植には,Porting Kit(以降
ファイルは,本誌のダウンロード・サイトから入手できる
PK,入手とインストール方法は前編を参照)を開発環境と
ようにしておきます注 1.
なる Windows パソコンにインストールしておく必要が
あります.PK には,移植に必要なコードが全てカテゴリ
2.実装する機能
別に整理されて含まれています.図 1 には,今回の移植に
よ り PK の コ ー ド・ ツ リ ー に 追 加 す る「OS Facility」と
.NET Micro Framework を Linux 環境上で動作させる場
「Solution Directory」の場所を示します.さらに表 1 ∼表 3
合,カーネルに組み込む方法や VM(Virtual Machine)を
には,ディレクトリ別に追加するソース・ファイル名と説
明を示します.
MicroFrameworkPK_v4_1
注 1:http://www.cqpub.co.jp/interface/download/contents.htm
Application
DeviceCode
Targets
Native
OS
Solutions
OS Facility
EddyLinux
BF537_Native
Solution Directory
EddyDK21_linux
図 1 追加するディレクトリ
June 2011
KEYWORD
.NET Micro Framework,Linux,Porting Kit
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