No74

74)
No.74
会報「
「楽友会だより
)
会報
楽友会だより」
だより」 (No.74)
No.74
東京アカデミー
東京
アカデミー合唱団
合唱団楽友会
楽友会 平成25
平成2
平成
2年
5年
6月
アカデミー
東京アカデミー
アカデミー合唱団
合唱団
25年
6月
東京
アカデミー
平成
25
< ♪ 楽友会の
楽友会の皆様へ
皆様へ ♪ >
東京アカデミー合唱団
代表
長谷川 潔
「奇跡」
奇跡」が起きた?
きた? ヴェルレク公演
ヴェルレク公演を
公演を終えて
4 月 27 日のヴェルレク公演。本番まで不安を抱えていた。日本を代表する名匠
のマエストロに 10 回の練習に加えて 2 日間の合宿もみっちり指導して頂いた。さ
らに 2 回のオケ合わせとゲネプロを重ねて本番を迎えた。同じ注意を何回も受け、
なかなか改善しない。合宿である程度まとまったと思ったら、その直後に崩れてし
まう。いつものことではあるが、これで壮大であるだけでなく深い祈りが表現でき
るのか、という不安が払しょくできなかった。マエストロも「良かったり、そうで
なかったりだね」と漏らされ、ご心配をかけてしまった。
最後まで不安が残ったのが、終盤にソプラノ・ソロとアカペラで歌う Requiem。
本番中もソロを聴きながら、懸命に合わせてみたが、きちんとハモッていたのかな、
という感じが残った。終演後、発声指導の五月女智恵先生に「あのアカペラのとこ
ろどうでした?」とお聞きしたら、「良いハーモニーでしたよ」。これを聴いてまず
ホッとした。繰り返される Dies irae で聴こえてくるソプラノの音にもの凄いエネ
ルギーがあるのを感じていた。練習ではあんな声は聴けなかった。あのアカペラ部
分で失敗していなければ、良い演奏ができたのでは、と思った。オペラシティの舞
台は後方で歌っていると他のパートがあまり聴こえない音響設計になっているの
で、合唱のデキについては自分ではよく分からないのはいつものことだ。
かつてない反響
かつてない反響、
反響、マエストロからも
マエストロからも
しかし聴いてもらった方々の反響はかつてないものだった。これまでの公演でも
「感動した」「素晴らしかった」という賛辞をもらうことは少なくなかったが、こ
んなに熱っぽいコメントを次々にもらったのは初めてである。しかもプロの声楽家
や音楽事務所、オケ関係者の人々、音楽評論ができる聴くプロともいえる方々から
絶賛を受けた。「深い祈りが聴けた」という嬉しい評も混じっていた。極め付きは
マエストロから「今日はいい演奏をしてくれてありがとう」との言葉を公演後に食
事をしてお別れする際に頂いたことだった。先生からこんなに嬉しい感想を頂いた
のはたぶん初めてだ。
ソリスト 4 人(S大隅智佳子、MS谷地畝晶子、T西村悟、B成田眞)の歌唱の
素晴らしさにも言及しなければならない。団員の皆さんに推薦してもらった初共演
のソリストが 3 人。日ごろ発声指導を受けている成田先生のヴェルレクが素晴らし
いことは予想できたが、他の 3 人の方々に期待通りの最高の演奏をして頂けた。こ
れだけのソリスト陣がそろうことは今年数多く開かれるヴェルレク公演でも難し
1
いのではないか。我々の公演成功の大きな要因だった。
選曲の際に候補曲がいくつかある中で「ヴェルレクをやろう」とスパッと仰った
マエストロに、「ヴェルディ生誕 200 周年の年ですから、ヴェルレクだらけになり
そうです」と申し上げたら、「我々が他にないヴェルレクをやればいい」ときっぱ
り答えられたことを思い出す。公演後の評判を聞くと、「そんなヴェルレクができ
たのかも知れない」と思う。楽譜を持たない暗譜で多少の不安を抱えながらも、本
番でマエストロの指揮に懸命に食らいついていったのがよかったのだろう。
名匠の
名匠の指揮の
指揮の‘魔力’
魔力’
アカデミーの古参団員は「アカデミーは本番に強い」と信じている。練習で下が
っていた音も本番では下がらなくなることは何回も経験済みだ。これは本番の緊張
感がもたらすものだろう。何よりもマエストロの本番での指揮が我々に練習ではで
きなかったことまで可能にさせる「魔力」をもっていることが大きいのではないか。
「やっぱりマエストロの音楽づくりは素晴らしい」。本番中、こう感じ続けていた。
合唱はアマチュアが最高水準の演奏ができる分野だとかねて考えている。私が合
唱音楽を始めたころに最高の合唱団と思っていたカール・リヒター率いるミュンヘ
ン・バッハ合唱団。リヒターがミュンヘン中央駅前でビラを撒いて集めたアマチュ
ア合唱団だ。軌道に乗るにつれ声楽を学んだ人が集まっていったと思うが、1969
年に東京で「ロ短調ミサ」や「マタイ」などバッハの大作を演奏した時はアマ中心
の合唱団だった。CDでそのライヴを聴くと、合唱の発声には粗さも感じられるが、
なによりも歌う熱っぽさが溢れており、会場を包み込んでいる。この時の演奏は吉
田秀和氏らが絶賛をした語り草となっている。
ヴェルディが
ヴェルディが降臨?
降臨?
プロが少ない練習回数で技術的に完璧な演奏をしたとしても、感動するとは限ら
ない。私もすぐれた合唱を聴く機会が多いが、「感心」はしても「感動」しないこ
とが少なくない。今回のヴェルレク公演は、8 か月にわたる木村美音子先生や太田
由美子先生ら先生方の根気ある指導の積み重ねの上に、マエストロの素晴らしい音
楽表現が加わってオペラシティのホールにヴェルディの霊が舞い降りる「奇跡」が
起きたのかも知れない。
これまでの公演と同様に今回のヴェルレク公演に際しても、楽友会会員をはじめ
OB・OGの方々に本番当日の受付業務を手伝っていただいたほか、賛助金をお寄
せいただきました。こうしたご協力、ご支援のおかげで 59 回定期公演を無事、成
功裏に第終えることができました。本当にありがとうございました。
次は初のシューベルト
さて次の公演はシューベルト「ミサ曲 5 番」です。意外なことに 50 年近い歴史
を持つアカデミーにとってシューベルトの曲は初めて。とても美しい曲ですが、転
調が多くてけっして侮れません。7月からマエストロ練習が入るため、「音取りは
自宅で」ということにして、最初から歌詞を付けて急ピッチで練習を進めています。
2011 年秋の淀橋教会でのモーツアルト公演と同様に手ごろな価格でお聴きいた
だける公演にします。10 月 19 日(土)を今からご予定頂ければと存じます。
2
第 59回定期公演ヴェルディ
回定期公演ヴェルディ“
ヴェルディ“レクイエム”
レクイエム”ご講評
(恒例の公演終了後打上げパーティにて。「アカデミー便り」抜粋など)
秋山 和慶先生(
和慶先生(指揮者)
指揮者)
どうもお疲れ様。乾杯のゲネプロは終わったそうで、
今日の本番のように上手に乾杯。乾杯!
何とか持ちましたね。やっぱり登り坂、下り坂色々あ
るんだけれど、最後の登りでこれだけ頑張って、いい演
奏ができたと思います。辛口の批評をいつも頂いている
知り合いの人達からも、今日のヴェルディは及第点をあ
げられる、ということでホッとしました。で、団内辛口
No.1 の太田さんにバトンタッチして?(大爆笑)
皆さん、大変にいい演奏をして下さいました。一昨年
亡くなりました鈴木敬介さん、アカデミーでもファリャ
とか火刑台のジャンヌダルクとか(ご一緒した)、残念
ながら亡くなったのですが、奥様はまだピンピンしてい
らして、40 年来の仲間の一人なんですけれども、彼女も
超辛口批評家で、演奏が悪いと半分で帰っちゃうという、今日はニコニコしていて、
とにかく最初の pp から非常にキレイでよかったと言ってくれました。ff で歌うの
はどの合唱団でも出来る、だけど pp、色々なところがありますよね、pp はね、そ
れを本当に見事にクリアしていたのが感動のモトとなりました、とお帰りに伺いま
して。
本当に pp って難しいよね、お客さんの3階のてっぺんまでちゃんと聞こえて、
しかも pp っていうのは会場に行ってみなければわからない、ゲネプロのほんの2
時間でしか最終的なチェックを出来ないわけですよね。外国に行けば自分の小屋
(専用ホール)があって、練習初日からバランスとか技術的なこととか追求できる
けれど、昨日・一昨日の会場は、貸して頂けたというか、練習会場があるだけ有難
い、みたいなところがあるけれど、でもそれにめげずに、良い結果を皆さん出して
くれた、ということで。
今度のシューベルト、来年のバッハも大変ですけれど、少しずつ階段を上って、
てっぺんまで行きましょう!!宜しくお願い致します。
志田 明子(東京シティ
東京シティ・
シティ・フィルハーモニック管弦楽団楽団長
フィルハーモニック管弦楽団楽団長)
管弦楽団楽団長)
このような素晴らしい演奏を今日一緒にさせて頂けて、楽団
員達も本当に喜んでおりました。“合唱団もとても上手だし、
ソリストの方も素晴らしくてとっても嬉しい”って、リハーサ
ルのときからいろんな声が私のところに届いていました。
本当におめでとうございます。皆様には本当にお世話になっ
ています。来年も「マタイ」ということで大変楽しみにしてお
ります。またその時を待っておりますのでまた練習を積み重ね
てご一緒させてもらいたいと思います。
3
大隅 智佳子さん
智佳子さん(
さん(ソプラノ)
ソプラノ)
難しかったですね!ベルディ先生は何んでこんなにしつ
こいのだろうと、いつも思うのですけれど。ヴェルレクは
比較的歌わせて頂く機会が多くて、実は今回 6 回目なので
すが、毎回毎回歌えば歌うほど難しく、作品の難しさ、奥
の深さというか、掴めたと思ったら、また向こうへ行って
しまうような、そんな難しさがあります。
特に今年はヴェルディイヤーということもあるので、頻
繁にヴェルディの作品がいろんなところで演奏されている
んですけれども、そういう記念すべき年に最高傑作のレク
イエムをこの素敵なホールで歌わせて頂けたことに感謝し
ています。
素晴らしいマエストロと素晴らしいオケと皆さんとご一
緒できて嬉しかったです。まだ色んな作品がありますが、
私はヴェルディが大好きなので、またいつかご一緒に歌えたらなーと思っています。
谷地畝 晶子さん
晶子さん(
さん(アルト)
アルト)
皆さんの大事な演奏会にご一緒にさせていただけて
本当に嬉しかったです。
私は東京に出てきて今 10 年目なんですが、この 10 年
間ずっとヴェル・レクに憧れていて、一生のうちに一回
でも出来れば良いなーと思っていましたところ、今回チ
ャンスをいただけて、本当に嬉しくて舞い上がってしま
いました。
メールをもらったとき身体が震えて興奮して何が何
でも絶対頑張ろうと決めていたんですが、今回、声が空
回りして、ちょっと体調のこともあり、皆さんに心配を
かけてしまったりして申し訳なかったです。でも、合唱
団の皆様からもパワーを頂けて、これからの自分にとっ
ても大事な演奏会になりました
このような機会を与えてくださって本当にありがとうございました。
西村 悟さん(
さん(テノール)
テノール)
皆様、経験の違いと言うか、なんと言う強靭な心
臓!。本番の緊張感に負けず、今日が本当に一番良
かった。ビックリしました。正直、昨日一昨日その
前と、迫力がもう少しあれば良いなーと思っていた。
ハーモニーは完璧。ヴェル・レクらしい迫力、ボン
という感じがほしいと思っていたら、今日は後ろか
ら背中をボン、ボン。もう素晴らしかった。本当に
感動した。最後のソプラノ大隈さんとソロのアカペ
4
ラのところ、ほんとに鳥肌が背中からざわざわと云うぐらい本当に感動しました。
実は今日僕ヴェル・レク初めてでした。谷地畝さんじゃないですが本当に夢に見
た、やはりテノールはヴェルディを歌いたいので、僕、第九はよくやっているが、
第九ではなくヴェルディのレクイエムはやってみたい演目でした。
それが今日こんなに早く、今年ヒョッとしたらヴェルディ年なので有るんではな
いかと思っていたら、すぐに、アカデミー合唱団からオファーを頂き本当に有難う
ございました。また是非共演する機会が有りましたら宜しくお願いいたします。
成田 眞先生(
先生(バス)
バス)
本番はとても素敵な時間、とても有意義なヴェルディの時間を持てました。今回
は、最初ヴェルディを演ると決まって、皆さんとそれから秋山先生とシティーフィ
ルとこの素晴らしいソリストの方々の名前を見たときに、これは待ち遠しいと云う
かどうして行ったらいいのかこれから私は! ヴェルディのレクイエムが一番好
きなんです、すべての曲の中で。ヴェル・レクが決まった時にどういう風にこれか
ら私は暮らしていこうか、みたいな感じで今日ソリ
ストの方たちと会うのが楽しみだった(皆さんと会
うのが楽しみで無いと云っている訳ではないのです
が。皆さんとはいつも会えるので。月2回程度です
が会えますので、皆さんの成長も見えますし衰退も
見えますし、小康(?)状態も見えてたわけですが)。
とても今日は正直疲れました。だけど音楽の中に
浸っていられる素敵な時間だった。皆さんもとても
気持ちを自分達の中で作っていくのが上手で、今日、
本番、西村さんもおっしゃっていたが、なんでそこ
まで元気なのか、足は疲れている筈でしょう。それ
くらい皆さんバーンと出てきて“さあどうしようか”と構えたわけですが、とにか
く本当に素晴らしい時間でした。私も色々のお客様にきて頂いたが、早速メールが
バンバン来ています。素晴らしかったと云うメールがどんどん来ています。
次回皆さんシューベルトですね。シューベルトも素敵な曲ですので皆さん是非こ
れからも精進されて頑張ってください。
木村 美音子先生(
美音子先生(合唱指揮者)
唱指揮者)
アカデミーは素晴らしい指導者に恵まれている、こ
れに尽きると思います。
今回ヴェル・レクを始めるに当たって、団員が凄く増
えました。
蓋を開けて見ると、経験者も多かったのですが、合唱
が初めてみたいな方々とか色んなレベル、段階の方が
お集まり下さって、それでパッと声を出したときに、
これからどういう方法で行ったら良いのだろうかなー
というところからスタートしましたよね。
5
だけど指導者の方達が親身になってくださって、初めての方のための練習とか、こ
れだけ大勢の 150 人を小グループに分けてきめ細く練習したり、いろいろ手を替
え品を替え、いろんなことを考えてくださって、発声面からは今日も直前まで五月
女先生にもお世話になりましたし、
そういうたくさんの方の指導者の立派なご指導があって、今日を迎えられることが
出来たと思いますし、皆さんも感謝していただきたい。
いつも密度の濃い練習をしてくださる秋山先生、合宿の秋山先生の指揮を思い出
しますよね、あれだけ密度の濃い練習をして下さったとか、終わってからも毎回毎
回ちゃんと合わせてくださる先生が居られて、だから 50 年も続いて行っている老
舗の合唱団になってきていると思う。
凄く有り難いことなので、皆さん、やはり有り難いこということを感じて意識を
して行きながら、どんどん勝負していくことが、次へ繋がっていくことではないか
と思います。
この場をお借りしていつもご指導くださっている先生方ありがとうございまし
た。皆様も感謝しましょう。
五月女 智恵先生(
智恵先生(発声指導者)
発声指導者)
今回は私自身ヴェル・レクが大好きなものですから、
本番は是非大成功させなければならないという信念
に燃えていまして、本番はソリスト、オケ、コーラス
と三拍子揃って大成功だったと思っています。
演奏聴きながらも、先ほど木村先生とも話をしてい
たのですが、途中で涙が出てきてしまった。とても素
敵なところが 2 箇所あって、どこか忘れてしまったの
ですが(笑)、今までのことがいろいろ思い出されて。
今回は本当に素敵でした。 コーラスも本当に良か
った。
今回も、太田先生や木村先生たちに最初から何度も
何度も稽古してくださる団はないと思います。本当に
皆さん感謝されてよろしいのではーーー。また、秋山
先生の素敵な指揮で歌える、こんな幸せなことはないと思います。今後も頑張って
ください。
太田 由美子先生
由美子先生(
先生(ピアニスト)
ピアニスト)
本当に今日、最初の4ページが勝負ですよねって、そこまで合唱しかないからそ
こまでが勝負だよね、って言っておりましたが、あの男声の出だしがいつにもなく
(良くて)、女声もちゃんと応えてなかなかでしたし、無伴奏のところもなかなか
だったし、これはまあ、いいんじゃないかなって。(甘口になってます~?の声あり)
やっぱり、その後、ソリストが素晴らしいんですよね、テノールが出てきて、あ
あ、もう出てきちゃったぞ、みたいになっちゃたけど、それだけじゃなくて、合唱
6
もすごく良かったと思いますし。ちょっとディーエス・イレみたいなところで、オ
ケに負けちゃうというところもあって残念という気もするけど、流石に良くちゃん
とまとまったし、皆さん一生懸命練習した最後の無伴奏のところなんかもまとまっ
ていましたし、総じて良い演奏になったと思います。
ホントにこうやって褒めるだけじゃダメだ、という
のが私の役割で、あの、何といってもここまで出来る
ならば、何時ここまで辿り着くかというのを、ここま
で辿り着くというのをもうちょっと早くしようよ、と
いう話ですよね。ここまで出来るのがもう二ヵ月早け
れば、もう何も怖いことはない本番を迎えられる、な
かなか良かったではなく、かなりよかったではなく、
今年のヴェルディ年最高に良かったヴェル・レクにな
れるというところまで行きそうな予感なので、シュー
ベルトはもうちょっと早く仕上げましょうね。(笑)
ホントに秋山先生のおかげだと思います。後ろで、
一番いいところで見ていてですね、先生の後ろ姿がカ
カ
ッコいい
オケ合わせや
ッコいいんです!その先生の棒に暗譜したことでよくついて行けた、
いい
ゲネプロの時のちょっとした何か、みたいなところも反応がすごくよかったのも暗
譜ならではのことだと思うんです。シューベルトは練習期間が短いので、あんまり
暗譜出来ないのかもしれないんですが、やっぱりそれが出来る位までにはやってい
きたいですね。
また、シューベルトからバッハとか、秋山先生とご一緒出来ると思いますので、
秋山先生から私たちはどれだけのことを受け取ることが出来るかという、こちらの
感度を上げていかないと勿体ないです。皆さん頑張って下さい!
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<今後の
今後の公演>
公演>
2013年
2013年10月
10月19日
19日(土)東京アカデミー
東京アカデミー合唱団特別演奏会
アカデミー合唱団特別演奏会(洗足学園音楽大学共催)
洗足学園音楽大学共催)
・曲 目:シューベルト、交響曲第8番「未完成」、ミサ曲第5番(As-dur)
・指 揮:秋山和慶
・管弦楽:洗足学園ニューフィルハーモニック管弦楽団
・独 唱:(S)村元彩夏、(A)谷地畝晶子、(T)土崎 譲、(B)成田 眞
・会 場:洗足学園・前田ホール(JR武蔵溝の口駅、東急・溝の口駅、歩8分)
開演:16:00
2014年
2014年11月
11月29日
29日(土)東京アカデミー
東京アカデミー合唱団創立
アカデミー合唱団創立50
合唱団創立50周年記念
50周年記念 第60回定期演奏会
60回定期演奏会
・曲 目:バッハ「マタイ受難曲」
・指 揮:秋山和慶
・管弦楽:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団
・独 唱:(未定)
・会 場:東京オペラシティコンサートホール
開演:16:00
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7
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** 表 彰 ***
永年表彰(団員)
永年表彰
◆ 在団 40 周年記念:
周年記念:渡辺恒雄(T)
◆ 在団 10 周年記念:
周年記念:金子紀代子(S),大迫陽子(S),重村 啓子(S),井部 孝(T)
渡辺恒雄
金子紀代子
永年表彰(指導者)
永年表彰
◆ 小林幸人先生
小林幸人先生(20 周年)
周年)
大迫陽子
重村啓子
井部 孝
100 回出演記念
◆ 千原徹也(T)
<楽友会会員集う
楽友会会員集う>
(左記写真以外に、
出演した会員:
蔵田幸一
遠藤美恵子
来聴された会員:
浅野 俊、
榎本夫妻、
尾澤道夫、
近藤光宏、
柴田富夫、
代田夫妻、
中西隆行、
平木聖二、
細谷明美、
など)
山本千春、山本純夫、遠藤征宏、松森重博、高島和昭、中西英夫
長谷川潔、小松須磨子、青柳英子、大迫陽子、山崎和男、三ツ松節男、
(写真提供:長谷川 嵩、吉野武彦団員)
8
<特別寄稿>
特別寄稿>
「アカデミー出演
アカデミー出演 100 回を迎えて」
えて」
千原 徹也(T,さいたま市)
私が最初にアカデミーに入団したのは 1966 年でした。その年に社会人となりグ
リークラブを卒業し、所属していた一般の合唱団も活動を休止したので、歌う場を
失い雑誌「音楽の友」の募集広告を見て入団しました。
そのころは、その年の 12 月の第 3 回定期演奏会のヘンデル「メサイヤ」公演を
目指して 130 名以上の団員が
山口貴先生の指導のもと熱の
こもった練習をしていました。
私が入団したときには、今も
歌っている中西英夫さん、蔵
田幸一さん、小松須磨子さん、
石村直子さん、林朝子さん、
西脇恵美子さん、金澤多美子
さんがすでに団員として活躍
されていました。日比谷公会
堂での本番を迎える頃、私も
熱心な団員となっていました。
次のヴェルディ「レクイエ
ム」は、オケ付き宗教曲では「メサイヤ」しか歌ったことのなかった私にとって新
鮮で、ドラマチックで美しいメロディーのこの曲が大好きになりました。このとき
初めて東京文化会館の舞台を踏んだのも思い出深いことでした。
次の第 5 回定期演奏会の「メサイヤ」から指揮者が秋山和慶先生に替わり、合唱
指揮者として尾高忠明先生と井上道義先生に指導していただくこととなりました。
このときは両先生の厳しいご指導に必死に付いていったものでした。本番のとき秋
山先生はパストラルシンフォニーのところで指揮棒を置き両手で指揮をされ、その
音楽の天国的な美しさに感動しました。
その後、ブルックナー「テ・デウム」とベートーヴェンの「第九」、ラベルの「ダ
フニスとクロエ」とフォーレの「レクイエム」、ハイドンの「四季より春」とモー
ツァルトの「レクイエム」続き、1969 年 11 月には創立 5 周年記念公演としてベ
ートーヴェンの「ミサ・ソレムニス」をうたいました。この曲は大変難しく「ミサ
ソレ山へ登れ」のスローガンを掲げ、皆で必死に取り組んだものでした。
また、このころから出演の依頼も来るようになり、「第九」では秋山先生を初め
としてZ.コシュラー、近衛文麿、遠山信二、朝比奈隆の諸先生の指揮で歌うこと
ができました。
1970 年 5 月 日フィルの第 200 回定期演奏会としてマルケヴィッチ指揮でハイ
ドンの「天地創造」を歌ったときはマルケヴィッチの鋭い顔が印象的でした。
1971 年の 11 月 7 周年記念公演のブラームスの「ドイツ・レクイエム」と 12
月の「第九」を歌った後、仕事の都合によりアカデミーから離れることになりまし
た。その後 1978 年後半複団し「メサイヤ」と「第九」を歌いましたがまた休みま
した。
9
そして、1984 年に再入団した動機は初代代表青柳忠郎さんの急逝でした。青柳
さんは団員皆に敬愛され、全団員の兄貴のように慕われていました。創立 5 周年か
ら 7 周年のころ「ミサソレ研究会」や「ブラームス研究会」をつくり青柳さんに自
宅まで押し掛けよく議論を戦わせたものでした。葬儀に参列しその直後のフォーレ
の「レクイエム」の公演を久し振りに聞きに行き、団員に誘われ再入団しました。
その後の演奏会で印象に残っているのは 1985 年のコシュラー指揮のマーラー
「千人の交響曲」、1986 年の秋山先生指揮のシェーンベルク「グレの歌」、1988
年の渡邉暁雄指揮のハイドン「四季」があります。
そして、1992 年の定期演奏会のブラームス「ドイツ・レクイエム」公演ではN
HK交響楽団と共演しました。このときは団員数が大幅に増加し学生の家の練習場
がいっぱいになった記憶があります。このときも
暗譜に取り組み全員のチェックを行い、本番もほ
ぼ暗譜で歌いました。
その後、1993 年の大野和士指揮のブリテン「戦
争レクイエム」、1994 年の 30 周年記念公演バッ
ハ「マタイ受難曲」と続き、このとき初めてバッ
ハの大曲に取り組みその素晴らしさ、奥深さ、難
しさを感じました。
1996 年にはメンデルスゾーンの「エリヤ」、
1997 年にはバッハ「ロ短調ミサ曲」を歌い 2000
年代にはやはりバッハの大曲 04 年に「マタイ受
難曲」07 年に「ロ短調ミサ曲」を歌いました。
そして、記憶に新しい 2011 年 3 月 19 日の定
期演奏会ウエッバー「レクイエム」公演は東日本
大震災直後となり、余震や近郊の計画停電による
交通機関の乱れ等により開催も危ぶ
まれましたが関係者の努力によりな
んとか開催されました。演奏会は黙祷
に続いて奏せられ、緊張感のある清冽
な演奏でした。
これまでのアカデミーの歴史を考
えるとき、私はまず、秋山先生に感謝
いたします。
今日アカデミー合唱団があるのは、
秋山先生の 46 年間にわたる厳しくも
慈愛に満ちたご指導の賜です。秋山先
生の心広い、慈愛に満ちたご指導は今
や、日本全国に行きわたり、音楽文化の向上におおいに貢献しています。
ここで振り返りますと、社会人なったときから現在までの大部分をアカデミーの団
員として過ごし、アカデミーが心のよりどころであったと感じております。
東京アカデミー合唱団に感謝し拙文を終わらせていただきます。
10
リレートーク(69
リレートーク(69)
(69);
アカデミーと
アカデミーと私
松森 重博(B,奈良県奈良市)
出来島さんからのリレートーク、ありがとうございます。出来島さんの文を読ん
で在団当時を思い出しました。
1970 年秋、はるか 42 年前のある日、東京に出てきた予備校の頃からの友人、慶
応大学の黄田秀夫君(B)が日比谷公会堂での「第9」に出演とのことなので聴きに
行きました。単に聴きに行ったつもりですが、黄田君いわく、「入団手続きをして
おいたから来週から学生の家に来るように」と。ちょうどメサイアの練習をしてい
る時でした。当時私は早稲田の学生で暇にしていましたので毎週通うことになりま
した。そして、モーツアルトのレクイエム、ブラームスのレクイエム・・・創立
10 周年のマタイ受難曲、尾高先生のヴェルディのレクイエムまでの4年半、実に
良い曲と若き日のアカデミーの皆さんと過ごすことができました。
多くの思い出の中から少し。
モーツアルトのレクイエムの練習の頃、黄田君がモーツアルト研究会(モツ研)
をしようと、高島さんや三ツ松さんや花島君、女声陣ら 10 人あまりが集まりまし
た。阿佐ヶ谷の高橋英郎先生のお宅を訪問したり、鎌倉で合宿したり、また飲んで
語り合う楽しい時間がありました。
またアカデミーの練習の後、黄田君や高島さん白石君たちとよくマージャンをし
ました。それは荻窪の国分誠先生のご自宅で、尾高先生や国分先生や桐朋の人たち
とご一緒、朝までえんえんと交代でマージャンをしていました。翌晩も再び国分先
生宅へ大学生ばかり集まり、マージャンをしたときもありました。あの尾高先生や
国分先生とマージャンした話は、音楽仲間に驚かれます。
何しろ学生の後半で時間がありましたので、練習も早く出かけ、広報部などに在
籍していろいろお手伝いしました。合唱そのものよりもほかのこと(練習後のラー
メン屋やピザ屋で遅くまで喰っちゃべっていたことなど)が楽しかったことを覚え
ています。時々、当時私の阿佐ヶ谷の4畳半の下宿に雑魚寝でよくこれだけ泊まれ
たなと思う人数で泊まったこともありました。
演奏では、気持ちよくデビューできたモーツアルト、小金井の浴恩館などで合宿
をして1年みっちりと練習したブラームス、歌うところが少なくて難しく、川久保
さんの語りが印象的な「聖セバスチャンの殉教」や、そして何より、バッハの大曲
「マタイ受難曲」が印象に残ります。良くあれだけの曲を歌う幸運に恵まれたこと
だと思います。
また、アカデミーに入って半年ほど経ったとき、アカデミーで確か高尾山にハイ
キングに行ったことがありました。ちょうど入団早々の村上和子(A)さんも参加
していました。その後すぐ、黄田君の手ほどきで、彼女をオペラ「リゴレット」に
誘い、東京文化会館に出かけました。彼女は山の会にも入っていて山へ、私はスキ
ューバダイビングもしていましたので海へ、と別々の時間も過ごしながらも、どこ
か気があって、アカデミー在団中に奈良で結婚式を上げ、アカデミーの有志多数が
結婚式にも来てくれ共に歌って祝ってくれました。
ところで私の家は明治4年から奈良で代々陶器店を営んでいます。大学卒業後す
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ぐ帰って来いと言われましたが、東京の陶器の問屋で2年修業して、そのあと父が
病気がちで、とても忙しくしていましたので、奈良に帰ることになりました。
その後、家業や青年会議所、商店街のことでどっぷりと奈良で過ごしていました。
子供も長女と男子2人に恵まれました。たまに演奏会に聴きに行く程度で、音楽か
らずいぶん遠く離れた生活をしていました。ところが今から10年余り前、思いた
って「第9」を奈良で歌いましたら、それをきっかけに奈良市民合唱団に誘われま
した。フォーレのレクイエムやモツレク、メサイアなどの古典の名曲と日本の現代
曲(林光さんなど)を歌っています。昨年はブラームスのドイツ・レクイエムを奈
良県で初演奏するというので急遽ほかの合唱団にも入団、半年間忙しい時間を縫っ
て練習に参加して 200 人の合唱団のひとりとして歌うことが出来ました。これも
アカデミーでの1年にわたる練習のお陰です。
一方、「くらしにちょっとクラシック音楽を!の会」もお手伝いしています。会
長は学校の先輩で東大寺のこの5月から別当(一番偉い人)です。奈良フィル団長
や大和郡山市長ら友人と共に若い演奏家たちを応援しています。そうそう奈良フィ
ルに秋山先生が2度指揮に来られました。「楽友会だより」にも書いたように、秋
山先生を囲んで家内や友人たちとお食事をしたり、前回は秋山先生と東大寺のお水
取りを見学しました。秋山先生の指揮にかかると奈良フィルの音が見事に良くなり
ます。秋山先生には来年 2014 年4月奈良フィルを指揮に来ていただけるというこ
とで一同楽しみにしています。
奈良に居るお陰で、奈良を訪れるアカデミーの
友人たちが近鉄奈良駅から歩いて5分くらいの
商店街の私ども「器まつもり」に来ていただいて
います。なんと秋山先生、「楽友会だより」編集
長の中西さんご夫妻には2度もご来店いただき
ました。そして神戸在住の頃の尾沢さんご夫妻、
高島さんご夫妻、白石君ご夫妻、黄田君、山本純
夫君、久松さんの奥さんや、宮下(横山)明美さ
ん、最近では阿部(寺田)雅江さん・・・。
さて現在は家業を家内と一緒にスタッフの皆
さんと営みながら、商店街の理事長、株式会社ま
ちづくり奈良の社長、全国同業組合の理事長(本
部浅草)などを務めています。「奈良まほろばソムリエ」というご当地検定の最上
級をとったり、短歌は3年半ほど前、高校の時の国語の先生(新アララギ選者)が
毎日新聞やまと歌壇の選者になられたのをきっかけ投稿しています。また毎日ブロ
グ「鹿鳴人のつぶやき」を書き続け8年を過ぎました。団塊の世代ながら“まだま
だこれから”と現役で過ごしている昨今です。
ではまた。私どもを結びつけていただいたアカデミー合唱団に感謝を込めて・・・。
次のリレートークは、最近大震災の話題が絶えない中、18年前の阪神大震災で被
災された状況を「楽友会だより」に投稿していた大阪府箕面市在住の竹田和子
竹田和子さん
竹田和子さん
よろしくお願いします。
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<お便り>
故郷・
故郷・西条から
西条から
妻鳥純子
私、妻鳥純子は、平成 25 年3月に玉川大学を定年退職いたしまして、故郷西
条にユーターンいたしました。玉川大学には、昭和 54 年から勤めさせていただき
ました。思えば長い年月でした。東京アカデミー合唱団のヴォイストレーニングを
やらせていただき始めたのは、そのもう少し前からだったと思います。本当にお世
話になり、お教えさせていただく中で、大事なことを教わり、たくさんの素敵な友
人が出来たことは一生の宝物だと思っております。その間、ずっとコンサート、オ
ペラ、ミュージカルやリサイタルに合唱団員の方々においでいただきました。今こ
こで改めて心からお礼を申し上げます。
こちらに帰りまして、ちょうど2ヶ月と少し経ちました。
18歳まで、ずっとここ西条に住んでいたのに、帰った当初は異邦人のような感
じでした。高校卒業後、様々なところに行き、又住んでいた経験から、「言葉のわ
かる外国に居る・・・」と思っていました。ここ西条市は「水の都」で、水道料金
がないので驚きました。また、石鎚山がこんなに美しく、素敵な山で、毎日山の色
が違うことに初めて気づいたりしています。しかし何と言っても人口5万と少しの
小さな城下町です。
近々、隣町の新居浜市の「音楽の泉」というスタジオでコンサートをする話がでて
います。その場所は、軽井沢にある喫茶店を思いおこすような雰囲気でした。オー
ナーの大原勉氏は音楽の教師を長年やっていらして、校長先生をなさった後、退職
時に「音楽を出来る空間を作りたい・・」と全て音楽への熱い情熱を注がれ、木の素
材を使ったもので、天井の高いとても素敵な音楽空間でした。もう始められて 15
年になるそうです。2006 年 11 月8日には、ヘルマン・プライのご子息の Florian
Prey(フローリアン・プライ)(BR)が「Winterreise(冬の旅)」をピアニスト Rico
Gulda(リコ・グルダ)の伴奏で演奏しております。この会場で、私は7月 28 日
(日)18:30 にミニコンサートを行うことになりました。
先日、東京藝術大学の同声会・中四国支部の会合の事前会議があり、松山に行き
ました。バスの中から、美しい風景を見つけました。「麦秋」という言葉があります
が、目を見張りました。ちょうど初夏の今、麦が実るのですね。初めて眼にする、
美しい透き通るような黄金色でした。秋のお米の稲穂の波のような様子と全く違う
のに静かに胸の中で驚きました。
私の住居の狭い庭の一隅にプランターに植えたミニトマトの青い実が3個なっ
ている・・と、私は、・・・大騒ぎします。お隣の方が、山椒や色々の花の鉢をく
ださいました。多分ご近所の方々は毎日のことですから、うるさい女がやってきた
と思っていらっしゃると思います。昼間は、大きな声で歌っているし・・・ねぇ・・
ふふっ・・
又少し、現状が変化したらお便りいたしたいと思います。皆様、どうぞ引き続き
合唱を楽しんでください。
(妻鳥先生には
妻鳥先生には、
には、長年にわたり
長年にわたり発声
にわたり発声ご
発声ご指導を
指導を賜りまして
りまして、ありがとうございまし
た。今後も
今後も大いにご活躍
いにご活躍されますように
活躍されますように。
されますように。 編集子:中西英夫)
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訃報
田邊香穂子(
平成24年12月5日に逝去されました
田邊香穂子(A)さんは
A)
(在団期間:1968 年 1 月~1974 年 死因:肺炎 71 歳)
ここに謹んでご冥福をお祈り申し上げます
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田邊香穂子さんの
田邊香穂子さんの死
さんの死を悼む
宮下(横山) 明美 (S,群馬県北群馬郡)
昨年 12 月中旬見知らぬお名前の方から封書が届きました。間違い郵便物かしら
と半信半疑で、でも宛名が私あてだからいいかと封を切りました。それは 12 月 5
日に田邊香穂子さんが亡くなった訃報を知らせる、実の妹さんからのお便りだった
のです。そこには、管理栄養士の育成に熱心だったこと、熱心なあまり厳しくなっ
てしまわれることもあったことなどが述べられており、昨年の 1 月にニューヨーク
のカーネギーホールでモーツアルトのレクイエムを歌おうとレッスンが週 1 回ほ
どあった中で、主催者側の不手際を厳しく叱責されていたお姿と重なります。
一昨年 9 月から都内で行われたレッスンに群馬からあんなに熱心に通われたの
に途中から見えなくなり、どうなさったんだろうと思っていたところ姪御さんから
お電話をいただきました。急性の腸炎にかかって小腸 20 センチを残すだけの大腸
小腸を摘出される大手術(手術の途中で執刀医もあきらめていたら、脈が戻って最後ま
で手術が行われ無事終了)だったことなど、お話し下さいました。その後回復され、
好きな音楽のために個人レッスンも始められ、手術から 11 ヶ月後の昨年 9 月には
前橋の前橋文学館ホールで「浜千鳥」などを独唱れたほどでした。すごい生命力だ、
そんなに頑張れる香穂子さんだからもっと頑張れると信じておりました。
回復したと言っても、腸が殆どないので点滴で栄養を摂り続けなければならず、
執刀医、主治医も彼女の回復力に感動していたようで、闘病記を書くように言われ
たらしいのですが、ご本人は「“かほちゃんのむかしがたり”という童話を書き始
めているから闘病記はどうもね」とおっしゃってました。
群馬交響楽団の合唱団に入団されて 20 年近
くなっていたと思います。20 年前、練習場で
以前に見かけたことのある人だなぁと声をか
けてみましたら、東京アカデミー合唱団で最初
はアルトで、またソプラノでも歌うという音域
の広さを発揮されていたあの「田邊さん!」だ
ったのです。彼女もうろ覚えながら記憶がよみ
がえったらしく「横山さん!」、それ以後は群
響合唱団の合宿でも、アカデミー時代によく歌
った曲を休憩時間に歩きながらハモったり、幸
せな合唱生活をご一緒させていただきました。
私 と 田邊さん
私が落ち込んでいる時などもさりげなく励
まして下さったり、しっかりした頼りがいのあ 2009 年 9 月 5 日 群響練習会場にて
るお姉さまでした。前の職場に一区切りつけたとおっしゃったとき、県内の温泉に
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二人だけで行き、色んなことを語り合いました。「ウィーンのニューイヤーコンサ
ートにも行きたい」「その手始めにカーネギーホールでモツレクを歌おう」なんて
いうノリで一緒に行く筈だったのに…
…。結局彼女は病気で行けなくなってしまった
ので、カーネギーホールでは彼女の写真(前掲写真)を楽譜の間に挟んで歌いまし
た。お土産はパンフレットがいいというので、プログラムと公演写真を送りました
ら、早速お手紙で丁重なお礼が届きました。
この分なら復団できるかなと思って伝えたら「器具があるから大勢の中では歌え
ないわ。インターネットで検索したらこの病気の人の生存率は低いみたいだから覚
悟はしているわ」との言葉に「インターネットに惑わされないで!私は貴女のたく
ましい生命力を信じるわ」と答えたものの、私の言葉はついに神様には届かなかっ
たのですね。でも亡くなる前日までしっかりと会話をされていたそうで、最期まで
彼女らしく強い生命力で生き抜いてこられたと思います。それでも残念!71 歳と
いうのは今の時代、早い死でした。どうぞやすらかに。
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天女の
天女の声とニュージーランド料理
ニュージーランド料理
新宿の小田急百貨店の屋上ビヤーガーデンで、アカデミー暑気払いの集いがあっ
た。そこで私が一気飲みをして周囲から大拍手を受けたとき、もう一段高い場所か
ら「中西さーん!」と声が飛んできて、それが田邊さんだと分かった。その偶然の
再会にお互いに驚きました。今もそのときの呼び声が天高きところからの天女の声
の如く、脳裏に響いている。
彼女は大学で栄養学を教えていたので、ニュージーランドで知り合った料理研究
家の家にホームステイし、郷土料理を学んだ。帰国後、その成果を「世界の家庭料
理~ニュージーランドのホームステイクッキング~」と題して“オープンカレッジ
1994 年夏期講座”で講話した。そのテキストの最初には“ミートパイ”があり、
豪州シドニー駐在時の味覚を想い起こさせてくれている。合掌
中西英夫
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<新入会員の
新入会員の紹介>
紹介>
♪
阿部(
(A、茨城県龍ヶ崎市)
阿部(寺田)
寺田)雅江さん
雅江さん
(旧姓)寺田さんは、去る 3 月末をもって、柏市立の小学校校長を退任し、長い
教員生活に終止符を打ち、今後アカデミーに関心を寄せようと入会されました。そ
の直接的なきっかけは昨年 10 月に奈良で松森夫妻と久しぶりに再会した際、楽友
会の存在を知り、懐かしさが募ったからとのことです。(在団:1971 年から 4,5 年間)
♪ 磯部 健さん
(B、大阪市池田市)
昨年 1 月に入団され、6 月のブラームス「ドイツ・レクイエム」、9 月のマーラ
ー「復活」、そして今年 4 月のヴェルディ「レクイエム」公演に出演してこられま
したが、去る 3 月の人事異動で、大阪へ転勤されました。従って、ヴェル・レクの
最後の一ヶ月は大阪から出てくることになり、大変苦労されましたが、その甲斐あ
って、ヴェル・レクを楽しく歌われたようです。今後、遠い地での生活になるもの
の、アカデミーでの良き合唱生活を思い出しながら今後の活動を知りたく、楽友会
に入会されました。
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楽友会告知板
会費(
会費(2013年度
2013年度)
)
納入のお
納入
のお願
年度
のお願い
貴会員の会費納入状況は次の通りです。(○印まで納入済み:5月25日現在)
平成19年度(2007)、平成20年度(2008)、平成21年度(2009)、
平成22年度(2010)、平成23年度(2011)、平成24年度(2012)、
平成25年度(2013)、平成26年度(2014)、…平成 年度(20 )まで。
部分の
従って、下線
下線
部分の年会費を同封
年会費 同封の
同封の振込用紙にてお振込み下さるよう
振込用紙
お願いします。(上記納入状況が間違っているようであれば、ご指摘下さい)
なお、振込用紙通信欄に会費内訳(例、平成○~○年度分)をご記入下さい。
また、経費節約のため、郵便局ATM
郵便局ATMで
ATMで振込送金をして
振込送金をして頂
をして頂くと、
くと、手数料は
手数料は無料!
無料
口座番号:
口座番号:00160-
00160-5-770081 年会費:2000円
■ 賛助金又は
賛助金又は寄付金のお
寄付金のお願
のお願い
東京アカデミー合唱団では、自主公演の運営が大変厳しい環境にあるため、
自主公演の都度、公演賛助金を募っています。つきましては、ご賛同いただけ
る場合には、1口:5000円にて上記口座へ振込んで下されば幸甚に存じます。
なお、5000円未満の場合には、楽友会で「寄付金」として取扱わせて戴き、
楽友会として一括して、合唱団に「賛助」したいと思っています。
■
*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*
あとがき
☆ 寒くて長い冬だったが、3月に数日間急にとても暖かいときがあった。そのた
めか植物が一挙に目覚め、桜の開花も早く、また、今の薔薇の季節も例年より
一週間ほど早いそうだ。こんな現象は、正しく“アベノミクス”にも似ている。
円を急に市中へ投入したため、冷え切っていた日本経済が突然目覚めて、株が
急上昇した。しかし、経済は植物とは異なる生き物で、このまま確実に花を咲
かせてくれるかどうかは疑問だ。
☆ アカデミーはヴェル・レク公演で団員数も増え、公演も成功したが、これが
一時の現象に止まらずに、来年の創立50周年に向けて更に大きく飛躍してほ
しいものだ。
☆ いつも楽友会会員有志からアカデミー公演へ賛助をして頂き、感謝に絶えない。
榎本紘一会員は、
入院先から賛助をして頂いた。直ぐにお見舞いに出向いたら、
榎本紘一会員
公演までには必ず退院し、聴きに行くと固い信念を明かした。そして、公演会
場でお会いできたときはとても嬉しかった。お大事にしてくださいね!
☆ 「リレートーク」で松森重博会員
松森重博会員の団内結婚馴初め話を初めて伺った。当時は
松森重博会員
団内結婚も多かったが、最近は団内での縁談話が遠のいているようで寂しい。
彼は、地域の経済活動、文化活動に大活躍だ。今後も健康にてご活躍を!
☆ 次号「9月号」へのご投稿は8
8月中旬
月中旬までにお願いします!
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発行元:東京アカデミー合唱団楽友会http://www.geocities.co.jp/MusicHall/7106/
編集責任者:中西英夫 連絡先:〒151-0053 渋谷区代々木1-58-11 中沢ビル内
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