分担研究報告書 - 日本子ども家庭総合研究所

厚生労働科学研究費補助金(子ども総合家庭研究事業)
分担研究報告書
学校におけるDVに育つ子どもへの支援に関する研究
分担研究者 元村 直靖
研究協力者 野坂 祐子
内海千種
大阪教育大学学危機メンタルサポートセンター 教授
大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター 講師
大阪教育大学学校危機メンタルサポートセンター 臨床心理士
研究要旨 DV家庭で育っ子どもに気づき、迅速に適切な支援にっなげるため、教員とりわ
け養護教諭のスキルアップやそのための研修の充実は火急の課題である。そこで、本研究
では、DV家庭に育つ児童・生徒に対し、教員が適切に対応できる学校の支援体制を確立する
ために、学校現場の抱える二一ズと問題を明らかにすることを目的とする。養護教諭を対
象とした講座を企画・実施し、教育・啓発の場を提供するとともに、養護教諭が学校現場で
感じているさまざまな声を直接、聞く場とした。
講座には13名の養護教諭が参加した。アンケート等の回答からは、DVに関する研修が不足
しており、学習の二一ズが非常に高いこと、また学校現場ではDV家庭への対応に追われて
いる実情があり、養護教諭のスキルアップや他機関との連絡連携が大きな課題であること
が示された。
A.研究目的
ような情報を欲しているかを明らかにする
2004年10月に施行された改正児童虐待
防止(第2条)では、「児童の目の前での
ことが必要であると考える。
そこで、本研究では、DV家庭に育っ児童・
DV」など、間接的な被害も児童虐待に含ま
れるようになった。DVはたとえ子どもに直
接向けられた暴力でなくとも、目撃やDV家
庭環境での養育が、子どもに深刻な影響を
与えるとの報告も増えている。そのような
認識の高まりと同時に、子ども向けのDVに
関する書籍もわずかながら増えつつあり、
そのなかでは子どもが「相談できる人」の
生徒に対し、教員が適切に対応できる学校
の支援体制を確立するために、学校現場の
抱える二一ズと問題を明らかにすることを
目的とする。養護教諭を対象とした講座を
企画・実施し、教育・啓発の場を提供すると
ともに、養護教諭が学校現場で感じている
さまざまな声を直接、聞く場とした。
本年度の研究においては、学校現場にお
いて、子どものケアの主要な役割を担う養
護教諭を対象とし、DVに関する基礎的な知
識やDV家庭で育っ子どもの心身への影響、
そして支援のあり方を教育する講座を実施
するとともに、学校現場での課題と二一ズ
を探索する。さらに、次年度以降において
は、学校現場で活用しやすいパンフレット
筆頭に「先生」が挙げられる(チルドレン・ソサエ
ティ、2005)など、児童・生徒にとって、教員
の果たす役割は重要なものになってきてい
る。身近で信頼できる大人として、また、
社会資源としての学校の位置づけからして
も、教員はDV被害児童・生徒に対して、積
極的に介入を行うことが求められている。
DV家庭で育っ子どもに気づき、迅速に適
切な支援にっなげるため、教員とりわけ養
護教諭のスキルアップやそのための研修の
充実は火急の課題である。そのために、教
員がDVについてどの程度の知識を持ち、現
在どのような介入を行っているか、また子
どもや家庭への介入や関わり、他機関との
連携においてどのような問題を抱え、どの
の作成をめざすこととする。
B.研究方法
1)対象
大阪府下の養護教諭13名を対象に、「養
護教諭のための“DV家庭で育っ子どものた
めの支援”講座」を実施した。受講者には、
事前アンケートと事後アンケート、および
60
講座プログラムで質問に回答してもらうよ
プログラムの内容は、下記のとおりである。
う依頼した。
対象者の選定においては、大阪府下の高
等学校および養護学校の養護教諭のうち、
事前のアナウンスで本講座に関心ありと答
えた教諭43名に案内を送付した。また、別
途、個人的な紹介を通じても講座案内を送
付した。そのうち、事前、事後アンケート
に回答することを承諾した13名が参加し
目時:2006年2月28目(火)9:30−16:30
場所:大阪教育大学天王寺キャンパス
(大阪市阿倍野区)
内容:自己紹介
[講義]DVについての基礎知識
(講師:野坂祐子・大阪教育大学)
[講義]学校におけるDV事例への介入につ
いて(講師:坂部俊次・大阪市教育セン
た。
参加者の所属は、高等学校(普通科)7
ター)
名、高等学校(夜間〉2名、養護学校3名、
[ワーク]学校でのDV家庭の子どもへの対
応における困難性・二一ズ
中学校1名である。なお、校務等の都合に
より、高等学校(夜間)の教諭1名は午前
のみの受講、高等学校(普通科)の教諭は
午後の講義3のみの受講であった。
2)調査方法
(ファ洲テーター1内海千種・大阪教育大学)
〔講義]子どもに対するケアのポイント
(講師:藤森和美・武蔵野大学)
講座プログラムには、DVに関する基本的
な考え方や情報、DVによる心身への影響に
ついて理解することをめざすとともに、学
校という文脈における支援を考えることに
重点をおいた。そのため講師には、学校で
の支援・介入を行っている心理士や教育セ
ンターの教育相談室(主任指導主事)に依
上記1)で述べた養護教諭対象の講座を実
施し、参加者に事前アンケートと事後アン
ケートを配布した。また、講座プログラム
中の発言や成果等を記録として研究に活用
した。
(倫理面への配慮)
頼した。
講座参加者には、事前に書面をもってア
ンケートや講座中の記録について説明し、
同意が得られた場合のみ参加してもらうこ
とにした。また、講座当目にもその旨を口
頭で説明し、個人の回答および発言につい
ては個人や学校が特定されないことを約束
<質問紙調査>
(1)事前アンケート
①勤務年数および現勤務校での勤務年数
②勤務校の状況と業務の負担感について
・養護教諭の配置数
・スクールカゥンセラーの配置の有無
・業務内容の負担感
した。
3)内容
教育・啓発および学校現場におけるDVの
問題の掘り起こしを目的とした本研究では、
養護教諭対象の講座の実施とアンケートを
主とする調査の2つの柱で構成されている。
③研修について
・ これまでに受けた研修の内容
・受けたいと思っている研修内容
④DVについて
・DVについて知りたいと思ったきっか
け
・DVについて知りたい内容
・これまでのDV家庭の子どもへの対応
⑤講座への要望
(2〉事後アンケート
講座全体に対する評価とともに、各講義
とワークヘの感想の自由記述を求めた。
<講座プログラム>
DV家庭で育つ子どもへの支援について、
実践的に学ぶための講座を企画・実施した。
(3)講座プログラムにおけるワークの課題
61
講座の午後に「学校でのDV家庭の子ども
・学校現場でDVのケースが増加している
への対応における困難性・二一ズ」と題する
ワークを行った。学校現場で感じられてい
るDV支援への難しさや必要性を抽出する
ことを目的とすると同時に、参加者が参加
することで他の参加者と問題を共有し、今
ため。
・以前、家庭のDVの被害を受けている生
徒がいたが、うまく対応できなかった反
省から。
後の課題を明確にすることをめざした。
・DVだと(虐待に比べて)緊急性が下が
ワークのやり方は、まず、主催者側で参
り、介入しにくい問題がある。親子関係
でのつまずきをサポートしていきたい。
・小さい頃の両親のDVの影響が今頃(=
高校生)になってでてきている例がある。
・虐待やDVの問題を抱えた子どもが多く、
その背景について理解したいと思った。
・生徒からの相談で、恋人からのDVのよ
うな事例がよくある。両親間のケンカも
DVなのか。DVの定義を知りたい。
加者をA,Bの2グループにわけ、メンバー
を指定した。その際、高等学校、養護学校
の教諭がバランスよく振り分けられるよう、
配慮した。グループ内での簡単な自己紹介
の後、作業にとりかかった。
まず、各個人に黄色とピンク色の大判ポ
ストイットを配付し、黄色のポストイット
には《目常業務で困難である、難しいと思
っていること》を、ピンク色のポストイッ
トには《もっと知りたいこと、学びたいこ
・生徒が恋人からのDVにあっても、別れ
ないことがあるが、恋人同士の関係にど
う介入すればよいのか迷う。
と》を思いっくだけ書き出した。
次に、グループ作業として、模造紙の上
にグループメンバーの意見を分類し、自由
に貼りつけた。作業の過程で新たな意見が
出た場合は追加可能とし、各分類ごとに小
参加者の大半は、すでにDV家庭の子ども
への対応経験があり、しかしうまく対応で
きなかったという不全感や今後への意欲を
持っていた。また、DVについては、対応を
必要とされる事例が増加しており、虐待と
比べると介入しにくいと感じられていた。
さらに、今回の参加者の多くが高等学校
の養護教諭であり、DVを生徒のカップル間
で起こる問題としても捉えられていた。い
見出しを付けた。上記作業は、《日常業務で
困難である、難しいと思っていること》、
《もっと知りたいこと、学びたいこと》の
項目ごとに行われ、作業終了後にグループ
の代表者が発表を行った。
最後に、ファシリテーターがどのような
意見が出されたかをまとめ、問題点を共有
わゆるデートDVとも呼ばれるカップル間
のDVについても、養護教諭の関心が高いこ
した。
とが示された。
4〉分析
2.事前アンケート
アンケートの数量的分析とともに、自由
記述欄およびワークにて参加者が作成した
(1)学校内の支援体制
チャート図の内容を分析に用いた。
まず、参加者の勤務校における養護教諭
C.研究結果
数配置校、23.1%(3名)が単独配置校で
1.対象
あった。
参加者は計13名であった。
また、スクールカウンセラーの配置につ
いては、13名中、自校にカウンセラーの配
の配置数は、13名中、76.9%(10名)が複
養護教諭としての勤務年数は、
置があると答えた者は7.7%(1名〉で、残
りの92.3%(12名)の勤務する学校には、
カウンセラーの配置がなかった。参加者の
15.62±10.43年、そのうち現勤務校での勤
務年数は4.15±3.08年であった。
自己紹介を兼ね、講座への参加動機を述
べてもらったところ、次のような内容であ
多くは公立の高等学校に所属しており、校
内に心理の専門家のリソースがないことが
った。
わかった。
62
(2)養護教諭の目常業務内容と負担感
は低く、これまでDVを主題とした研修自体
養護教諭としての目常業務およびそれに
が不足していたことが推測された。
伴う負担感を尋ねた(表1参照)。
結果、「保健室登校の子どもへの対応」を
3.講座プログラム:講義
講義1「DVに関する基礎知識」では、DV
していない者が約半数を占め、次いで「警
察や児童相談所など他機関への連絡」をし
について支配と権力の観点から解説した。
また、暴力被害やDVの目撃による子どもへ
の影響についても説明した。
ていない者(30%)、「虐待を受けた子ども
への関わり」「いじめを受けた子どもへの
関わり」や「カウンセラーとの話し合いや
情報交換」をしていない者が20%前後であ
講義2「学校におけるDV事例への介入」
では、学校臨床におけるさまざまな子ども
の問題がDVといかに関わっているかを事
例から説明するとともに、学校や教育セン
った。
参加者のほとんどが高等学校の養護教諭
であることも保健室登校への対応の少なさ
ターでの介入の例を具体的に示した。
講義3「子どもに対するケアのポイント」
に関連していると思われる。また、上述2(1)
では、DVによる子どもへの影響と関わり方
を解説したうえで、とくに自傷行為や自殺
企図などの緊急時の生徒への対応例を挙げ
た。参加者の質疑応答では、他機関への連
絡や連携について具体的に検討することが
で述べたように校内にスクールカウンセラ
ーが配置されていないこともあり、他の専
門家や学外の機関との連絡や連携を行って
いる養護教諭は多くないようであった。
一方、それぞれの業務の負担感について
は、「虐待をうけた子どもへの関わり」と
「事務作業や雑務」を非常に負担であると
回答した者が20%強であった。やや負担で
あるという回答を含めると、このほかにrい
じめを受けた子どもへの関わり」も負担に
感じられていた。参加した養護教諭にとっ
て、虐待やいじめなど子どものトラウマに
関する対応は他の業務よりも負担感が強く、
また、雑務の負担感も強く感じられている
できた。
4.講座プログラム:ワーク
各グループが作成した《目常業務で困難
である、難しいと思っていること》(以下、
困難性マップと呼ぶ。)と《もっと知りたい
こと、学びたいこと》(以下、二一ズマップ
と呼ぶ。)で挙げられた内容を以下に紹介す
る。
まず、《目常業務で困難である、難しいと
ことがわかった。
思っていること》について、Aグループで
(3〉これまでに受けた研修内容
は、 “介入の問題”と“対応の問題”の2
つの項目に分けられた(表4−1)。 “介入の
問題”には、「本人」、「家庭」、「学校涯、
参加者がこれまでに受けたことのある研
修内容について尋ねた結果(表2参照)、
「軽度発達障害への子どもの対応」「虐待
を受けた子どもへの関わり」「学校内での
「教職員の認識」についてのものがまとめ
られ、“対応の間題”では、r学校内」、r学
校外」、「支援者のケア」についてのものが
まとめられた。また、上記の他に、どこに
も属さないとされた意見(DV被害者、加害
者は次の世代まで続く)もあった。
Bグループでは、「子ども理解」、「親への
事件・事故(学校危機)の対応」「カウンセ
リング」については、約8割の者が研修を
受けた経験があった。一方、研修経験の少
なかった内容は「いじめを受けた子どもへ
の関わり」と「DV家庭に育つ子どもへの関
わり」であり、とくにDV家庭に育つ子ども
への関わりに関する研修受講者は2割以下
と最も少なかった。
介入」、「支援者のゆとりコ、「男性教員の意
識」、「親への介入」、「近頃の対人関係」、
「母親の間題意識」という項目分けがなさ
養護教諭はさまざまな問題についての研
修経験を有しており、最近になって間題化
された学校危機に関する研修などもすでに
受けている者が多かったが、そうした養護
れた』(表全2)。
また、《もっと知りたいこと、学びたいこ
と》について、Aグループでは、「DVが起こ
る病理?メカニズム?」、「DVの傾向と事
例」、「当事者が気づき、解決するには」、
教諭であってもDVに関する研修の受講率
63
「予防について」、「加害者への対応」、r学
校への介入・支援」、「家族とDV」という項
目分けがなされた(表5−1)。
また、Bグループでは、「暴力の連鎖」、
・虐待についての研修は多いが、DVにっ
いては学ぶ機会が少なかったのでよか
った。
「支援・理解のポイント」、「加害者心理」、
ワークで自分の思っていることを書き
「援助者のセルフケア」、「パートナー間の
力関係」、「治療」という項目分けがなされ
出してみたことでで、問題が可視化され、
明確になった。
それぞれの現場で抱えている困難性が、
グループ内で共通していたことから、DV
た(表5−2)。
結果、学校現場のDV支援において養護教
諭が抱えている困難性には、どのように介
入し、いかに対応するのかという2つの問
題があり、子ども(本人)への対応のみな
らず、家庭や母親、学校・他の教職員への
対応など、さまざまな対象があることでの
難しさを感じていた。支援者自身のメンタ
ルヘルスの維持も困難性として挙げられて
について自分だけの間題ではないと気
づいた。
学校でできることとできないことは何
か。学校での支援の限界について考えた。
目常から、子どもへの対応はしているも
ののもっと積極的にできることを考え
たい。
さまざまな人を巻き込みながら、取り組
んでいきたい。セルフケアもしていきた
いた。
また、DV支援の二一ズについては、DVの
問題そのものについてより深く理解したい
(病理やメカニズム、暴力の連鎖等)とい
い。
今後もこのような講座に継続的に参加
うことや、支援や介入などの対応について、
したい。
また加害者への対応などが挙げられた。支
援や介入については、当事者がDVの間題に
気づき、解決のためにどのような支援が必
要かという具体的な問いが多く書かれてい
6.事後アンケート
講座への全体的な評価を表3に示す。
全体的に、高い評価が得られた。とくに
「日常の業務に生かせる内容」であったと
いう点については、高い評価が得られた。
自由記述からは、学習の積み上げが可能
な連続講座を望む声が多く、このような実
践的な研修は学校現場の二一ズも高いこと
た。
養護教諭の多くは、学校現場でDVの問題
を見聞きしながらも、DVの被害を受けてい
る生徒や保護者に当事者性が認識されにく
く、介入の糸口が得にくいと感じているこ
とが伺えた。また、燃え尽きないための支
援者のメンタルヘルスも二一ズとして挙げ
が伺えた。
D.考察
られた。
講座には、非常に熱心な養護教諭が参加
していたが、連携先や養護教諭同士のっな
がりも少なく、それぞれの養護教諭が各学
5.講座に対する反応・感想
当目の感想として挙げられたおもなもの
を示す。参加者はもともとの参加動機や意
欲も高かったこともあり、講座への評価は
肯定的なものであった。DVについての研修
がまだ不足していることや、実際にすでに
DV家庭の子どもに対応していることによる
二一ズの高さが伺えた。また、講座では講
義による学習のみならず、参加体験型のワ
ークの手法を用いたことで、漢然ともって
いた問題が可視化されたり、他の養護教諭
との共通性を見出すことができたりと、養
護教諭自身のエンパワメントにつながった
校で孤軍奮闘している様子が伺えた。
今後、さらに必要な情報としては、DVや
虐待の通報先や連絡先などに関する社会資
源の情報、DV家庭で育つ子どもの回復のた
めの支援機関や医療機関の情報や連携の確
立、そして養護教諭が対応している子ども
や家庭についての個別スーパーヴィジョン
などが考えられた。
今回の参加者へは、個別のインタビュー
調査への参加も募ったが、ほとんどの参加
者が協力可能との回答であった。インタビ
ューによって、さらに学校の状況をふまえ
点もあるといえよう。
64
た検討や個々の事例の考察ができると考え
られる。今後、インタビューによって個別
の文脈を捉えつつ、学校での支援のあり方
1.論文発表
を検討していきたい。
もたちに配慮しなければいけないこと
L岩切昌宏,野坂祐子,瀧野揚三(2005−
2006).「事件・事故のあと一教師が子ど
(1〉∼(12力,月刊学校教育相談,ほん
E.結論
のもり出版。
本研究では、学校におけるDV家庭に育つ
子どもへの支援を検討するために、養護教
諭を対象とした講座を実施し、教育・啓発活
動を行うとともに、現場の声を把握し、現
場の実情や二一ズを把握することを目指し
2.2i述堕遁(2004). 「被虐待児症候群」
小児看護 27,1188−H95.
3.元村直靖(2006). 「災害後の子供の心の
サポート」教職研修 教育開発研究所
た。
結果、講座の参加者によるアンケート等
の回答からは、DVに関する研修が不足して
おり、学習の二一ズが非常に高いこと、ま
2.学会発表
なし
た学校現場ではDV家庭への対応に追われ
H.知的財産権の出願・登録状況(予定を含
ている実情があり、養護教諭のスキルアッ
プは大きな課題であることが示された。
む。)
1.特許取得
なし。
F.健康危険情報
2.実用新案登録
とくに危険なし。
なし。
3.その他
なし
G.研究発表
65
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表4穫.
学校現場におけるDV支援の困難性 (ワークによるグループ発表から)
《日常業務で困難である、難しいと思っていること》Aグループ
介入の問題
対応の問題
(学校)
(本人)
支援者のケ
(学校内)
ア
DVがあっても本
DV問題はパートナー
学校がチームを
DV、虐待の生徒への対応
人は介入を嫌が
間(本人が被害者)で
組むことの困難
する時
る
ないと学校の対応は
さ
こちら側の精神状態
学校の枠を超え
子どもの様々な感情を
かなり難しいと思う
介入時の本人へ
承認をどうとっ
実際に虐待を受けて
るような問題行
受け入れるというのは
ていくか
いるのではないかと
動を起こした時
分かってはいるものの、
思い、担任・管理職に
の対応
難しいです。
DVの被害者がDV
相談したが、違うので
(自身の感情の巾が広
と認めないとき
はないか、もう少し様
いとは書えないので)
の対応
子を見たほうがいい
実際DVが行われ
と言われ、対応が難し
ているのかをっ
きとめること
管理職に対応を思い
学校外
切らせること
学校からはみ出
た時のケアはあ
家庭
教職員の認識
るのかどうか
ネグレクトの家庭が多いよう
ジェンダーの役割の
DVを受けている
に思うが、その判断基準を見
とらえ方
家族間の愛情と
きわめるのが難しい
施設での生活の
維持
子どもだけでなく、親への働
施設に入った後の
きかけも必要であると思う家
フォ捻一のしかた
庭がふえ、対応が難しい
68
DVの被害者、加害
者は次の世代まで
続く
表4−2.
学校現場におけるDV支援の困難性 (ワークによるグループ発表から)
《日常業務で困難である、難しいと思っていること》Bグループ
随
子ども理解
親への介入
DV家庭の子どもの複雑な気持ちを理解し
学校と家庭の介入はとても微妙だと思
ながら、うまく対応していくこと
うが、学校はどこまで家庭に働きかけて
いるのか
生徒から家庭のDVを聞いたとしても、
その両親に話をすることはなかなか難
支援者のゆとり
しい。
援助過程における
養教は子どもの援助者であると思うが、
養教自身のふり返り。余裕。
DV問題では親への介入も必要と考え
養護教諭も家庭訪問に行っオ、ゆっくり話
る。
がしたいが、なカ・なかできない。
夫婦間DVを疑う話を子どもから闘いた
としても…
どうしたらよいか…子どもとの関わり
の問題でかかわるしかないし
近頃の対人関係
男性教員の意識
校内研修をしていても、
人との距離をうまくとれない大人が増えてき
特に男性教員の理解が得られない(効果が
ているので「近しい」人間には、何をしても
無い)時がある。
許される、許されるべきと思っている人が増
えているかも
母親の問題意識
がまんできる範囲が人によって違う点が
あるので騨判定が難しい。
DVを受けている母親自身にその自覚がな
ければ、間題意識がうすい
援助しにくい
69
表5−1.学校現場におけるDV支援の二一ズ (ワークによるグループ発表から)
《もっと知りたいこと、学びたいこと》Aグループ
DVが起こる病理?
メカニズム?
当事者の気づき
DVの傾向と事例
碑に関する具体的な事例
解決するには…
DV:権力と支配に当事者が早く気付
くには
DVが起こるきっかけ
DVの内容傾向(身体的なものが多
DVの権力と支配から抜け出す方法
は何か?
いのか、心理的なものが多いのか
DVの巧妙な手口
等)を知りたい
加害者はどんな風に、どんな
所から身につけていくのか
(育った環境が大なのか?)
予防にっいて
学校への介入・支援
介入し、緊急時に施設に入所す
(自身が)DVを受けないために指導
る場合の動き
していくことがあれば…
(学校から通報後)
(自身が)DVを受けないために指導
DVの加害者(被害者)になっ
していくことがあれば…
保護の方法と流れ
てしまう原因はあるのか?
脚を予防するための方法
AM「講義2ユの中で
集団指導方法など
DVが起こりやすい個
学校が介入・支援していく際の家庭
人特性のようなもの
へのアプローチ法
DVに関する相談先がのった啓発カー
があるか?
DVが分かった時の対応・介入方法
ド 男性用身障者トイレにも置いて
あるんでしょうか
虐待の経験がある人
は、将来DVをする確
立が高いかどうか?
加害者への対応
家族とDV
坂部先生が言われた家族
DV加害者への対応は
力動がDVとどう関連して
どんなことができるか
いるか知りたい
DVの加害者は
卿をやめることができるのか?
70
表5−2.学校現場におけるDV支援の二一ズ (ワークによるグループ発表から)
《もっと知りたいこと、学びたいこと》Bグループ
支援・理解のポイント
子どもへの関わりにおいて、
回復の段階でしてはいけない
加害者心
or言ってはいけない事柄。
理
暴力の連鎖
DVをしてしまったあと
DVの家庭に育つと子どもも成
の本人の気持ちはどう
人してDVをしてしまうと闘
親への各々(父・母)の
くが、その割合と、そしてそ
かかわりのポイントと
れを防ぐための手段を知りた
限界点の見きわめ方。
なのか
DV・男性側の心理
い
DVの夫婦は、その両親もDV
というケースが多いのか?
繰り返されるのか…?
殴られて育った子どもは、自
DV家庭で育った子どもの
出すサインについて
統計はないのかな
校内研修を行うための利
治療
用機関等。
分が大人になった時、近しい
DVは治せるのかな
大人を殴る(DV発生)って本
当か…?
パートナー間の力関係
家族療法とはどんな
ものか知りたい。
夫婦間の相互作用というの
援助者のセルフケア
養護教諭自身のセルフケアに
は、DVの深刻化に影響するの
DVは、社会の男女の
か…
価値観を変えれば減
るのか?
ついて。
燃えつきないために。
若い人の中にも確かに恋人間
DVがあるが、女性は弱いとい
うことなのか?
最近は女の子の方が強いが…
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