PDF形式(521KB) - 日本農業機械化協会

2007
7 月号
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第3回 農業資材審議会 農業機械化分科会
今後の農業機械化政策の方向を検討
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農林水産省は5月 29 日、第3回農業資材審議会農業機械化分科会を開催し、今後の農業機械化政策の方
向について検討を始めた。6月 29 日に第4回、7月 20 日に第5回の分科会を開き、中間とりまとめを行う
予定。今回の検討は、機械化施策全般にわたるもので、第3回では、農業機械に関する研究開発の発展方向、
温室効果ガスの排出抑制対策・省エネルギー化、第4回では、農業機械費の低減に向けた今後の展開方向、
農作業安全対策、農機具の型式検査などについて議論した。
これは、我が国における今後の農業・農政の展
開方向、農業生産技術の現状と課題、農業機械化
をめぐる情勢等を踏まえ、
『今後の農業機械化対策
の基本的な方向(仮称)
』をとりまとめ、それに基
づいて今後の機械化対策を進めるために検討を行
うもの。5年に1度の「高性能農業機械等の試験
研究、実用化の促進及び導入に関する基本方針」
の見直しをする年を迎え、新しい緊プロによる農
業機械の開発スキーム、導入基本方針の策定など
を行う必要があることも背景にある。
5月の第3回の分科会では、農林水産省から農
業機械の研究開発の展開方向について、
「食料・農
業・農村基本計画」および「21 世紀新農政 2007」
等における農業・農政の展開方向に即し、特に、
国内農業の体質強化、国民の視点に立った食料政
策の展開、資源・環境対策の推進への対応を強化
していくことが重要などとの説明が行われた。
これに対し、委員からは、
「機械開発に際してユ
-1-
ーザーの意見を聴くだけでなく、ユーザーを開発
に体系的に組み込むという考え方が重要ではない
か」、「行政的にはタブーかもしれないが、米の価
格が1万円/60kg を割り込むことを見込むなど、
将来予測を行った上で開発課題を検討する必要が
あるのではないか」、「農業を魅力ある産業に変え
ていくのが機械化の重要な役割であるが、緊プロ
機ついては、農家から見れば資本投入の見返りと
しての価値が十分でない機械が多かったのではな
いか」、「民間が手がけにくいところとか、国が産
地を維持するためにやらなければならない分野は
国が力を注ぐべきだが、新農機の経営が採算にな
かなかのらない状況にあるのも、課題の設定方法
やスキームに問題があったからではないか」―な
どの意見が出された。
また、農業機械の省エネルギー化については、
「農業では水管理のために軽トラックを利用する
頻度が高いため、例えば、水管理を行う装置など
も(省エネ機械として)位置付けていくことも必
要ではないか」、
「農業生産における温暖化対応は、
燃費の改善ということだけでなく、営農活動全体
で見ていくことが望ましい。また、現場の取組事
例も参考になるのではないか」、「現場からは、既
存の機械があるので、燃料用の米を作らせて欲し
いという要望が多く、米から燃料をとるというこ
とも考えて欲しい」などの意見があった。
6月の第4回の分科会では、最初に第3回分科
会での主な意見が紹介され、引き続き農業機械費
の低減に向けた今後の展開方向について、担い手
の機械費低減に向けた取り組みを強化し、食料供
給コスト縮減の一環として推進していること、具
体的には低価格農機の供給、効率利用の推進など
を行い、次期導入基本方針では、新たに農地のま
とまりや作期分散技術の導入を踏まえた農業機械
の利用可能面積を示すことで、担い手の規模拡大
や農業機械費の低減を通じた生産コストの一層の
低減を図るとした。
また、農作業安全対策については、最新の農作
業事故の発生状況の説明の後、農業機械の安全性
確保、農業者に対する安全指導、労災加入など事
故時の補償の3つの柱で行っていることが紹介さ
れた。また、新たな取り組みとして、安全性の高
い農機が選択されるように安全鑑定に適合した機
械の事故防止効果の周知・啓発、キャブ・フレー
ムの非装着車の早期更新、中古市場から導入する
際の装着車の確実な選定の誘導―などが提案され
た。
これについて委員からは、機械費低減について
は規模に合った投資の推奨、補助事業などにおけ
る柔軟な配慮の必要などが指摘され、安全対策に
ついては、事故調査取り纏めを迅速に、事故原因
の分析は個別に、農家の立場に立ったリスク管理
の必要性などの意見が出された。
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平 成 18 年 度 食 料 ・ 農 業 ・ 農 村 の 動 向 ( 農 業 白 書 )
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農林水産省が発表した平成 18 年度食料・農業・農村の動向(農業白書)では、今年度から始まる新たな
経営安定対策など農政改革の動きを踏まえ、農業・農村への国民的理解が一層深まることを狙いとして、農
業分野では、担い手の育成・確保、一般企業を含めた新規参入の促進、食料供給コストの縮減等農業の体質
強化のための取組、イノベーションの力の活用、バイオマスの利用の加速化と地球環境対策、農産物の輸出
促進などに力点が置かれている。
農業機械に関連する農業白書の内容をみた。
農家経済の現状
(17 年の農業総産出額は8兆 4887 億円)
近年の農業総産出額の動向をみると、9年以降
は 10 兆円を下回って推移し、17 年(概算)は8
兆 4887 億円と前年より 2.6%減少した。このうち、
主要品目では、米、野菜、果実が減少し、肉用牛
や鶏卵の増加により、畜産が増加した。
最近 10 年間の農業総産出額の変化に対する品
目別の寄与度をみると、冷害により価格が高騰し
た 15 年を除き、米が産出額の減少に寄与する状況
が続いている。
-2-
(日照不足や台風等により
1947 億円の農作物被害が発生)
18 年の4月から 10 月にかけて、日照不足や台
風等により農作物生産に被害が発生し、その見込
額は 1947 億円となった。このうち水陸稲が 1264
億円と全体の 65%を占めている。
また、19 年3月に発生した「平成 19 年能登半
島地震」により、農林水産関係では農道等の損壊
等の被害が生じ、その被害総額は 53 億円(4月
23 日現在)となった。
(17 年の農業総産出額の減少は価格の低下が要因)
農業総産出額は、農産物の生産量に価格を乗じ
て計算される。このうち、生産量の指標である農
業生産指数(総合)をみると、17 年は前年より
1.4%上昇した。これは、畜産物等の生産量が減少
したが、一部地域を除き生育がおおむね順調であ
った米や、観測史上最多の台風上陸により前年作
柄の悪かった野菜、果実等の収穫量が増加したた
めである。
一方、価格の指標である農産物価格指数(総合)
をみると、17 年は前年より 5.7%低下した。これ
は肉用牛や鶏卵等の畜産物の価格は上昇したもの
の、収穫量の増加した米や、前年の台風被害等に
よる価格高騰への反動から野菜、果実等の価格が
低下したためである。
このように、17 年の農業総産出額の減少は、生
産量増加による上昇要因よりも、価格低下による
減少要因が上回ったことによる。
(国内農業の体質強化の観点から
生産コストの縮減が必要)
18 年(概算)の農産物価格指数(総合)は、日
照不足や大雨の影響を受けて野菜の価格が上昇し
たこと等により、前年より 2.6%上昇した。一方、
18 年(概算)の農業生産資材価格指数(総合)は、
飼料、肥料、光熱動力費等の上昇により、前年よ
り 2.1%上昇した。なかでも、光熱動力費は原油
価格の影響を受けて上昇を続け、9月以降低下す
る傾向にあるものの、年平均では前年より 12.9%
上昇しており、施設利用型農業経営に対する影響
が懸念される。
こうしたなかで、農産物価格と農業生産資材価
格の相対的な関係を示す農業の交易条件指数は、
18 年(概算)は 97.5 と前年より 0.4 ポイント改
善したが、依然、悪化基調にある。
国内農業の体質強化に向け、食料供給コストの
縮減の一環として、さらなる低価格資材の供給や
効率利用等による生産コストの縮減を図っていく
ことが課題となっている。
生産から流通にわたる諸問題を解決し、食料供給
コストの縮減を図ることが重要である。
食料供給コストの縮減は、小売価格の低下や付
加価値の高い商品の提供等を通して消費者の利益
につながるばかりか、生産者や食品産業事業者に
とっても輸入品に対する競争力を高めることにな
る。また、コスト縮減による利潤の増加を投資に
振り向けることで、多様なニーズに対応した事業
の展開も期待できる。
(5年で2割のコスト縮減を目指し、
取りまとめられたアクションプラン)
政府は、18 年4月の「21 世紀新農政 2006」の
なかで、食料供給コストを5年で2割縮減する目
標を掲げた。これを受けて、同年9月には「食料
供給コスト縮減アクションプラン」
(アクションプ
ラン)が取りまとめられ、加工用原料を含む生鮮
品の生産・流通段階を対象に重点的な取組項目が
提示された。
なお、19 年4月にはアクションプランの見直し
を行い、加工食品と水産物のコスト縮減の取組、
コスト縮減の検証方法等を加える改定を行った。
(生産コストの構成は、生産資材費が2∼3割で、
労働費は3∼5割)
農業の生産コスト構成をみると、水稲やキャベ
ツ等の露地野菜の場合、肥料、農薬、農機具とい
った生産資材費が全体の2∼3割で、労働費が3
∼5割を占める。
このうち、生産資材費の縮減については、資材の
製造・流通団体等が「農業生産資材費低減のため
の行動計画」を策定し(8年度策定、13 年度改定)、
その実行が進められてきた。最近の価格は農薬と
農機具で年々低下しているが、肥料はむしろ上昇
しており、原油等の原料・燃料や海上運賃の高騰
を反映して 17 年には特に高まった。
このように、生産資材費は国際市場における原
料価格等の変動にもさらされており、企業努力だ
けでは解決し難い部分があることには留意が必要
である。
食料供給コスト縮減に向けた取組
(アクションプランにおける生産コスト縮減の取組)
アクションプランにおいては、品目ごとのコス
ト構成に応じた多様な取組を推進するとされた。
(コスト縮減による農業の体質強化が重要)
我が国農業の体質を強化するためには、食料の
-3-
生産資材費の縮減については、製造段階では低価
格資材の供給を拡大することとされている。流通
段階では広域をカバーする配送拠点の整備や、工
場から産地への直送体系の構築等の合理化を図り、
利用段階では、土壌診断に基づく適正施肥、防除
暦の見直しによる農薬使用の合理化、担い手への
作業集積による農業機械の稼働面積の拡大といっ
た各種の取組を図ることとされている。
また、資材費以外の生産コストの縮減について
も、新たな生産技術・品種の導入に取り組むこと
により、労働時間の短縮とともに、品質や単収の
向上を図ることとされている。
(モデル事業による効率的な資材利用体系の確立)
農林水産省では、18 年度から3か年の予定で生
産資材費縮減のモデル事業を実施している。この
事業では、農業機械の稼働面積の拡大や、肥料、
農薬の低投入化に資する新技術を導入するととも
に、肥料を袋詰めせずにバラの状態、または大型
の袋(フレコン)詰めの状態で大量一括受入れを
行うなど、生産資材の合理的利用体系の確立を図
ることとされている。最終的には、モデル地区に
おいて稲作の農業機械、肥料、農薬の費用総額の
15%削減を目指すこととされている。
農協は、組合員である農業者の相互扶助を目的
とする民間協同組織として、経済事業や信用事業、
共済事業、指導事業を展開している。このうち、
経済事業としては、生産資材等をメーカーから一
括購入して組合員に供給する購買事業と、組合員
の農産物を市場等に集出荷する販売事業を行って
いる。
農協の事業を農家が利用するか否かは任意であ
るものの、実際には農家が農協に依存する部分が
大きい。農協を介した農家への生産資材供給シェ
アは化学肥料で9割、農薬と農業機械で6割と過
半を占める。また、農産物販売における農協の利
用率は米と野菜で5割にのぼっている。
(農協の経済事業改革は立遅れ、組合員の満足度は低下)
農協の経済事業を改革すれば、生産資材コスト
や農産物の流通コストも縮減できると考えられる。
実際に、農協は組合員への利益還元の目的で経済
事業の改革を進めており、8年から 12 年までは
「生産資材費用低減運動」として低コスト資材の
普及拡大等に取り組み、その後も、類似の運動を
2次、3次と続けてきた。
しかし、一連の改革を経た後でも、購買事業に
対する組合員の満足度は 17 年度から 18 年度にか
けてむしろ低下している。
(経営規模拡大、技術開発による生産コストの
縮減もアクションプランの重点項目)
生産コストの縮減には、これらの取組とあわせ
て、経営規模の拡大や省力化技術の開発を進める
ことが必要である。この一環として、19 年産から
の品目横断的経営安定対策の導入等により、担い
手への農地利用集積を促進していくこととされて
いる。
今後は、一層のコスト縮減に向けて、担い手へ
の面的なまとまりのある形での農地利用集積に対
して支援を進めるとともに、農地の効率的利用の
ため、農業経営に意欲的な企業等の新規参入を促
進する必要がある。
知的財産の創造・保護・活用の取組
(イノベーションの力を活用した競争力強化の取組)
既存の産業や社会に新しい分野や構造を生み出
すイノベーションの力を活用し、我が国農業や食
品産業の活性化を図ることが重要である。
近年、全国の産地では、機能性成分を有した様々
な農作物の栽培や商品開発が行われている)。こう
した新食品や植物・昆虫由来の化粧品用素材、高
機能繊維等の新素材の市場規模は、現在約 200 億
円となっているが、22 年度には 700 億円程度に拡
大することを目標に、新食品や新素材の開発・商
品化等を担う産地形成の促進に取り組むこととさ
れている。
こうした新食品の開発・商品化にあたっては、
消費者保護の観点から、安全の確保や関連法令の
遵守等が必要である。
農協の生産資材費用低減運動
(生産資材の供給や農産物の販売において
農協は大きな役割)
-4-
このほか、リモートセンシング等のIT、直播
や不耕起といった栽培技術、病害抵抗性を有した
新品種等を活用した農業生産技術等を確立し、国
内農業の競争力強化を図ることとされている。
場ごとに栽培履歴や作業履歴の記録を行っており、
作業が終わるとその場で携帯型のコンピュータ端
末からデータ入力を行っている。
この取組により、ほ場ごとの原価計算が可能と
なったほか、生産履歴の分析により農作業の改善
や品質管理の徹底につながっている。また、生産
履歴情報を消費者へ開示するシステムとしても活
用されており、消費者からの信用・信頼を得る結
果ともなっている。
ITを活用した農業生産
宮崎県都城市の有限会社では、ITを活用した
農業生産・経営管理を行っている。同社では 87ha
(阿蘇農場を含む)に及ぶ直営農場のすべてのほ
詳しく読まれたい方はこちらへどうぞ。
概要版
http://www.maff.go.jp/www/press/2007/20070525press_1b.pdf
本文全文
http://www.maff.go.jp/www/press/2007/20070525press_1c.pdf
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全国農業機械化研修連絡協議会
第 40 回 通 常 総 会 を 都 内 で 開 催
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本協会が事務局を務める全国農業機械化研修連絡協議会の第 40 回通常総会が6月 27 日、馬事畜産会館
で開かれた。総会では第 34 回農業機械化技能者養成関係功労者表彰が行われ、5名を表彰。続いて議事に
入り、18 年度事業報告、同決算、19 年度事業計画・同予算案などを可決したほか、新役員を選出。会長に
佐久間孝氏(三重県農業大学校長)
、副会長に上林良之(兵庫県農林水産技術総合センター農業大学校長)、
西谷寛昭(香川県立農業大学校長)
、竹之内定雄(埼玉県農業大学校長)の各氏が就任した。
19 年度事業では、研修教材等の充実(テキストの改訂)、道府県研修体制維持強化のための取り組み、研
修協議会の運営に関する検討などを重点事項にあげている。
また、総会終了後は農業機械化研修担当者研修会が行われ、「農業機械の安全装備と農作業事故」(生研
センター評価試験部長・森本國夫氏)、「機械化研修における農作業安全教育」(本会調査部長・石川文武)、
「農作業事故調査結果など、農作業安全対策について」(農林水産省技術対策室課長補佐・藤井雅弘氏)の
講演がもたれた。
-5-
会長挨拶
総会では笠原会長が次のように挨拶。
農業情勢が大変厳しい中で、特にこの農業機械
化研修は重要であり、担い手が規模拡大をする中
で一生懸命日本の農業を支えており、我々は少し
でも良い担い手、良い機械の使い手を育成するこ
とが大切で、この協議会を通じて意見を交わし、
より良い研修へともっていきたいと考えています。
農作業事故はそれほど減っていない状況であり、
我々各県の研修部門それぞれに課題があり、予算
的にも国の予算が税源移譲という形で、研修体制
も様変わりしてきています。この辺が大きな問題
となっており、この協議会を通じて各県の研修が
円滑に実施できるよう、お互いに知恵を出し合い
ながら様々な角度から検討していくことが必要と
感じています。
本日の総会を機に、それぞれの研修が活発に行
われ、我が国の農業を支える人材が多く輩出でき
るようにお願いいたします。
したいと思います。
また、農業機械にかかる農政として農業資材審
議会農業機械化分科会を開き、農業機械化対策の
あり方をもう一度見直し、新しい対策の方向を示
してみたいと議論を進めています。
農業機械の研修には大変難しい問題があります。
19 年度は国が行う研修の見直しを行い、できるだ
け受けやすい形にするなどの努力をしています。
特に安全対策はしっかりとやりたいと思っていま
すので、協力をお願いしたい。
研修は農業機械だけでなく、農業の技術全般に
ついて、新規参入の方、あるいは現在農業を行っ
ている方に、新しい技術、安全対策の知識を普及
する大事な仕事であり、しっかり対策をやってい
きたいと思っています。
また、農業機械士については、地域のリーダー
であり、安全に対する意識も高い人たちですので、
是非、そのサポートも引き続きご努力いただけれ
ばと思います。
井川義孝館長祝辞
祝辞
続いて、来賓として農林水産省生産局農産振興
課技術対策室の藤村博志室長、農業技術研修館の
井川義孝館長が祝辞を述べた。
藤村博志室長祝辞
日頃から皆様方のご協力をいただいており、感
謝いたします。本協議会については、私ども国と
皆様方と役割分担をしながら、効果的な研修をや
っていきたいと思っています。技術研修館では昨
年度から研修の中身を大幅に変え、新たな施策に
対応した形での施策に関わる機械化の促進などの
研修を行い、今年度は皆様方から出たニーズ等を
踏まえ、安全研修の充実を図っています。
農業機械に関する研修は、これからの担い手育
成、あるいは集落営農制度の中で非常に重要なこ
とであり、私どもとともに、皆様方には一層の充
実を図っていただきたい。
農業の将来を見越して農政をどう進めるかは、
食料・農業・農村基本計画の下、今年1月、「21
世紀新農政 2007」を示し、国内農業の体質強化等
を推進しているところです。
最近の話題としては、6月 21 日に農林水産省の
地球温暖化の総合戦略を策定しました。この中で
農業機械については、
「農業機械の省エネ利用マニ
ュアル」を公表しました。さらにこれを充実強化
していくことにしています。省エネ利用に対し、
一人一人の農家の方が目を向けていただければ、
経営にも役立つことでもあり、その推進をお願い
-6-
第 34 回農業機械化技能者養成関係功労者表彰
今回表彰を受けたのは、次の各氏。
特別表彰状
▽中澤伊智朗氏 (群馬県立農林大学校主任)
▽内山兼行氏 (新潟県農業大学校技術員)
感謝状
▽井尾一孝氏 (北海道開発公社講師)
▽中島淳一郎氏 (埼玉県川越農林振興センター主任)
▽風早きよ美氏 (広島県北部農業技術指導所主任普及専門員)
。
表彰を受ける井尾一孝氏
佐久間新会長
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農林水産省・技術対策室が農業機械の省エネ利用マニュアルを作成
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農林水産省・技術対策室ではこのほど、
「農業機械の省エネ利用マニュアル」を作成し公表した。これは、
農業機械についても地球温暖化対策の上から二酸化炭素など温室効果ガスの削減が必要との観点に立ち、農
業機械の排出ガスを削減するために、燃料消費量の低減の視点から点検整備や作業方法において留意すべき
点を示したもの。自動車などでは「エコドライブ」という省エネ運転法が推奨されているが、これはその農
機版ともいえる。
内容は、地球温暖化の現状と課題、我が国の農業分野の二酸化炭素排出量について触れた後、農業機械の
省エネ利用のポイントを、1.保守点検編、2.作業編とに分けて示している。
1.保守点検編−のポイントは、
▽エンジン=エアクリーナーの清掃。エンジンオイル、エンジンオイルフィルターを適正管理。
▽動力伝達部=潤滑油を適正に。ベルト及びチェーンの張りを適正に。
▽走行部=タイヤの空気圧を適正に。クローラを適切に管理する。
▽作用部=トラクター作業機の土壌作用部を適切に管理する。コンバインやトラクター作業機の刈刃、カッ
ターを適切に管理する。
▽エアコン=フィルターの清掃をこまめに行う。
▽乾燥機のバーナー等=バーナーを適正に管理する。水分計の停止精度の確認。ダクト内を風が通りやすい
ようにする。乾燥部への堆積物を除去する。摩耗したバケットは早めに交換する。
2.作業編−のポイントは、
▽トラクター作業時=
1.適正なエンジン回転で作業する。
2.適正な走行速度で作業する。
3.ロータリー耕等のPTO駆動作業では、適正なPTO速度で作業する。
-7-
4.プラウ耕等のけん引作業では、車輪のすべりが大きくならないようにする。
5.適切な土壌水分時に作業する。
6.フォーレージハーベスタによる作業などでは適切な作物水分時に作業する。
7.移動時はアクセルペダルでエンジン回転を調節する。
8.けん引作業時や移動時には、PTOを切る。
9.作業中断時にはエンジンを停止する。
10.不要な時には、エアコンを使わない。設定温度は控えめに。
特に、必要以上に高いエンジン回転で作業すると燃費が悪化する。定格(2600rpm)から 1800rpm に下げ
て作業すると最大出力の作業で 20∼30%の燃料消費が節減できるという測定結果があるとして、負荷の状
態に合った適正なエンジン回転での作業を心がけるよう呼びかけている。
▽コンバイン作業時=
1.脱穀部の回転等を適正に合わせる。
2.適正なこぎ深さで作業する。
3.適切な走行速度で作業する。
4.ほ場の排水対策と中干しを行う。
5.高水分作物の収穫を避ける。
6.普通型コンバインでは2段刈りを行う。
7.移動時は走行レバーを高速にする。
8.遠距離移動時はトラック等に載せて移動する。
9.ほ場内の移動をできるだけ減らす。
10.作業中断時にはエンジンを停止する。
11.不要な時には、エアコンを使わない。
▽穀物乾燥機(循環式)作業時=
1.穀粒水分が高い時の収穫を避ける。
2.張込み量をできるだけ満量にする。
3.張込み量が少ない時は熱風温度を下げる。
4.張込み後に常温通風する。
5.夜間は休止乾燥(テンパリング)を行う。
6.夾雑物をできるだけ取り除く。
7.過乾燥にならないようにする。
8.排気が循環しないようにする。
このマニュアルは農林水産省のホームページに掲載されている。
アドレスは、http://www.maff.go.jp/soshiki/seisan/shizai/noukimanual.pdf
-8-
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Dr.文 武 の 農 作 業 安 全
農作業事故調査結果が公表されました
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さる 6 月 26 日に、平成17年の農作業死亡事故に
たか否か、など、安全対策のベースとなるデータが
ついて、農林水産省からとりまとめ結果が公表され
不明なのが残念なところです。
ました。その内容から、独自に思いつくことを記し
機械・施設にかかわらない死亡事故では、稲わら
ます。死亡事故件数は395件と、前年より若干の
等の焼却中に火にまかれる事故が増えました。高齢
減少を見ましたが、振れ幅の内と見ています。つま
者が犠牲になる場合が多いようですが、風向きなど
り、最近は年間400件の農作業死亡事故が発生し
への配慮のほか、衣服に火がついた場合に直ちに脱
ているといってよいでしょう。関係者がいろいろ努
ぎ去ることができるような作業着を使うという意識
力をしていますが、劇的と判断できる効果は上がっ
を持つことも大切です。
ていないようです。今までと同じ啓発活動でよいの
加齢に伴う心身諸機能の低下が表れている高齢者
か、新たなカンフル剤を用意しなければいけないの
の事故割合が就業者割合より高いことも事故総数が
か、迷うところです。
減少しないひとつの原因であると思われます。農業
就業構造の改善も必要ですが、一筋縄ではいかない
プレスリリースから読み取れることは、
問題であろうと考えています。
平成 16 年から農業就業者は 7.5%減少しましたが、
今回初めて県別データが参考として示されました。
事故件数は 4.4%しか減っていません。つまり事故率
道府県の農業規模などが異なるため、絶対値のみで
は上昇したことになります。就業人口 10 万人当たり
比較することは危険です。各県の特徴を理解したう
では、全産業 3.0 人に対し、農作業事故は 11.8 人と
えで地元の対策に活用してほしいところです。また、
なって、事故率の高いといわれいる建設業災害の
件数の少ない県の数値を公表しなかったことは、事
13.5 人に近づいています。
故が特定される可能性が高いことから懸命な処置で
農業機械作業による事故が少し減りました。乗用
あったと考えます。
トラクターと農用運搬車による事故が減少したこと
による減少と考えられますが、歩行型トラクターは
要するに、事故を減らすために、大事故だけに
横ばいで、挟まれ事故の割合が高くなりました。乗
着眼するのではなく、ヒヤリハットを減らしていか
用トラクターによる事故は ROPS の装着率上昇に伴っ
なければなりません。事故の芽を摘む工夫を積極的
て、転倒・転落死亡件数減少を期待していますが、
に心がけてください。
使用年数延長もあって、その効果が現れるには 10 年
以上かかると思われます。また、この調査は人口動
態調査の小票からの集計のため、死亡事故の詳しい
内容は把握できていません。つまり、乗用トラクタ
ーの場合、ROPS が装着されていたかどうか、2 柱・
可倒式フレームの場合、機能するような状態であっ
-9-
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コ ラ ム 「 創 立 50 周 年 を 前 に 」
本会 専務理事
松本 訓正
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夏には農業機械の受委託組織を熱心に視察されました。
平成 19 年 5 月 24 日の総会において選任され、6 月 1
日に専務理事に就任させて頂きました松本です。自己
そして同氏は欧州ドイツで普及していたマシーネンリン
紹介をかねてご挨拶申し上げます。
グ(農業機械作業の受委託は日本と同じですが、農協
は関与せず個別農家の緩い集合体と見受けられまし
た)との交流拡大を図るため、昭和 53 年秋のマシーネン
リング国際大会を日本へ誘致することを提案されまし
た。
国際会議は、予算確保から実行委員会の運営、会議
の準備と人生初めてのことだらけ。ドイツから確か 50-60
人の農家が来訪され、国際会議に参加されつつ農業や
農村の現場を訪ねて交流されました。この受け入れ交
流の準備や実務を引き受けて頂いたのが本会、全国農
協中央会そして我が国にマシーネンリングを紹介された
農村開発企画委員会でした。本会では、特に当時の常
務理事でありました岡戸清司氏に懸命に支えて頂き、今
本会「社団法人 日本農業機械化協会」の名称は、本
でも頭が下がる思いです。
会の機関紙 機械化広報 を大学の研究室で読んだ時
に初めて知った次第です。その当時は団体名だけでし
その後、農業機械の流通や種苗の品種登録・審査、
たが、昭和 51 年 4 月に農林省に入省し農蚕園芸局肥料
農政局、そして JETRO や JICA、国際農林水産業研究セ
機械課の機械化指導班指導係に配属されて本会を熟
ンター(JIRCAS)を経て、この春に農水省を退職して今
知することとなりました。農業機械の効率利用を担当す
般本会でお世話になることになりました。
る指導係は、本会の農林省における公式窓口でもあっ
たからです。
さて本年度、農業資材審議会農業機械化分科会では、
当時は、稲作関連の田植機や4輪型乗用トラクター、
農業機械利用における安全対策など現行の農業機械
自脱型コンバインが列島各地に導入され、農業が機械
化政策につきまして抜本的な議論がなされ、この夏には
化の生産力を肌身で感じている最中でありました。又、
中間取り纏めが公表されると聞き及んでおります。
石油ショックの影響で物価が高騰し、米価も「生産費補
そして本会は、本年 12 月 23 日に 50 周年を迎えます。
償方式」で毎年あがったのもこの頃です。
その記念行事のひとつ「機械化フォーラム 2007」は、本
その一方で、機械化には課題もありました。いわゆる
年 12 月 14 日に生研センターで開催する予定です。次い
過剰投資です。国会でもしばしば議論され、その対策と
で来年 5 月には、記念式典と祝賀会を都内で開催する
して推進されたのが農業機械銀行方式です。昭和
方向で検討しています。記念式典では、多年の功労者
47-49 年度の実験事業を経てパイロット事業となった同
を表彰させて頂いてその功績に報いると共に 50 周年記
方式は、農業機械作業の受委託を促す推進事務費と共
念誌を刊行配布してこれまでの本会活動を広く紹介した
に農業機械銀行の実施主体(多くは農協の農業機械部
いと考えています。
門)が受委託促進に不可欠な農業機械の導入費も補助
していました。予算の増額に伴い農業機械銀行が増え、
この様な節目の時期に専務理事を仰せつかることに
毎年度末に報告される 1 銀行当たりの仲介実績(面積
なりましたが、会員の皆様はじめ 機械化広報 の読者
や金額)が拡大するのを見て、これで国会から追求され
の皆様には、引き続きご指導ご鞭撻そしてご協力を賜り
ずに済むのではと思ったものです。
ますようお願い申し上げまして、就任のご挨拶といたし
農業機械銀行方式には、もう一つ想い出があります。
ます。
この方式には、農林省 OB の小倉武一氏(元農林事務
次官、日銀政策委員)が関心を示しておられ、昭和 51 年
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業 界 短 信
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など総額 625 万円の賞金が贈られる。
タカキタが細断型コンビラップMW1000 開発
細断型ロールベーラとインライン型のラップマシ
富士ロビンが「マキタ沼津」に。ミニカルチ発表
ーンの機能を合体することで、ロール梱包からラッ
ピング作業まで、1台でコーンサイレージ作りの一
株式会社マキタのTOBに伴う子会社化によるも
貫作業が行える複合機で、昨年発表したMW1210 に
ので、8月1日から社名を株式会社マキタ沼津に変
比べ小さめのロールベールを作ることができる。大
更。ブランドは国内外とも「ラビット/ロビン」と
きくホッパ部、ロール成形部、ラッピング部から成
して販売していく。
発表したミニカルチは、農機店向けの「RC-H0350」
り、収穫したコーンをベール成形後、自動的にラッ
ピングできるため大幅な省力化が図れる。MW1000
と量販店向けの「CR-H035」。家庭菜園に適したナタ
の梱包サイズは直径 100cm、幅 85cm、ベール質量は
爪ローターを標準装備。手軽に土を耕せ、移動車輪・
415∼500kg とハンドリングしやすい手頃な大きさ。
手持ちハンドルも常装化し、持ち運びにも配慮した
ホッパ容量は 3.3 立方mで、コーンを投入してから
新設計の軽量カルチで、エンジンは、環境に配慮し
ラッピングまでノンストップ作業できる。
たミニ4サイクルエンジン・EH035V を搭載。世界で
最も厳しい米国排ガス規制値をクリアー。ニット入
りの消音マフラーの採用により、低騒音を実現して
ヤンマー農機の新社長に阿部修司氏
6月 19 日開催の第 47 期定時株主総会で就任した。
いる。
前社長の日沖勲氏は相談役に就任した。
スター農機のジャイロテッダが北海道知事賞受賞
阿部修司氏は愛媛県の出身。昭和 42 年3月慶應義
塾大学工学部卒。同年3月ヤンマーディーゼル株式
TGT12000 は 10 連ローターを広げると作業幅 12m
会社(現ヤンマー株式会社)入社。平成9年6月取
となり、移動時には折りたたんで幅 3.5mとなる。刈
締役・経営企画部長、11 年6月常務取締役・経営統
幅 3.5mモアコンの集草列4本を一気に拡散、反転す
括部長、13 年6月専務取締役・社長室長兼経営統括
ることが可能。同機は、今年の北海道農業機械工業
部長、17 年6月取締役副社長。
会の会長賞と北海道知事賞に選ばれた。動力伝達に
はフィンガーカップリング方式を採用し、作業時に
おいて移動輪が常に接地しているので、直進安定性
ヤンマー学生懸賞論文・作文の募集始まる
に優れている。
ヤンマー農機が主催する第 18 回ヤンマー学生懸賞
論文・作文の募集が 10 月 31 日まで行われる。テー
マは「いま日本の農業がおもしろい
応パート
石川島芝浦機械が「IHIシバウラ」に
その変化と対
7月1日から株式会社IHIシバウラに変更した。
∼新しい世紀の食・農・くらし∼」
応募資格は、論文の部が、大学、大学院、短期大
同社の親会社である石川島播磨重工業株式会社の社
学、農業大学校、農業短期大学、各種専門学校に在
名が同日付で「株式会社IHI」に変更されるのを
籍する 30 歳以下の学生。グループによる共同執筆も
受けたもの。IHIブランドを国内外に共通するグ
可。作文の部は、農業大学校、農業短期大学に在籍
ループブランドに育ててブランド力を高めるととも
する 25 歳以下の学生。外国への留学生、外国からの
に、グループ内従業員の求心力と、グループである
留学生も募できる。
という意識の同一性を高めグループ経営を強化する
ことを狙いとして変更された。
論文大賞には賞金 100 万円、作文金賞には 30 万円
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ねぎ収穫機と中山間地域対応型コンバインの
別関係では、複数色の原料が混合している場合や色
導入効果を調査
合いの差が小さい場合でも正確に選別・除去するフ
生研センターが実施したもので、ねぎ収穫機は労
ルカラーベルトソーター、高感度CCDカメラと独
働負担の軽減に役立つと高い評価を得、中山間地域
自の画像処理で廃プラ、バージンペレットなどを選
対応型コンバインでは、作業精度に加え機械の価格
別するニューマジックソーターなどが注目を集めた。
などでも評価があった。
金子農機が低価格「色彩選別機」を開発
この調査は、緊プロで開発・実用化した両機につ
いて、利用実態や性能、導入効果などを聞いたもの。
高精度・高能率・高機能を維持したまま、企業努
ねぎ収穫機では、ほとんどの利用者が、作業能率、
力で大胆な低価格を実現した「オプティサポーター
作業精度などの性能に加え、肉体的、精神的負担が
TAG-05DUT」
(5チャンネルタイプ、昇降機セット型)
軽減されたとした。
と「同 TAG-10DUT」
(10 チャンネルタイプ、同)の2
機種。主な特徴は、
中山間地域対応型コンバインでは、調査対象すべ
1. U溝型シュートを採用、流量が変化しても安定し
てが自己資金で導入し、ほとんどの利用者が作業能
た速さで流れるため、高精度な選別ができる。
率、作業精度など性能に加え、性能からみた機械の
2. 2次選別方式を採用、選別精度がアップしコメの
価格を評価した。
ランクアップができる。
3. ヘルプ機能搭載で簡単操作の対話式タッチパネ
筑水キャニコムが4回目の草刈りボランティア
ルで誰でも簡単に使える。
神奈川県横浜市北区新吉田町の日本盲導犬協会神
4. 充実のメモリー機能で、
22 通りの選別データを、
奈川訓練センターで草刈りボランティアを行うとと
使いたいときに簡単に読み出せる。
もに、社内で集めた寄付金を贈呈した。今回は、
「草
―など。
刈機まさお」、クローラタイプの「草なぎ」、充電式
草刈機「軽井技夫人」の3機種で訓練センター内の
草刈りを実施した。ことに「草なぎ」は傾斜がきつ
丸山製作所が「元気農業応援キャンペーン」の
く困難な作業を強いられたこの現場でのヒントをも
当選者 50 名を決定
「元気農業応援キャンペーン
とに生み出された製品で、当日はその威力をいかん
グルメギフトプレ
なく発揮した。筑水キャニコムでは、7月には仙台
ゼント」の第1回抽選会を実施し、合計 50 人の当選
市の訓練センターでも草刈りボランティアを実施し
者を決定した。同キャンペーンは、創業 110 周年を
た。
記念し、新製品 MS053D-20 を含めた背負動噴「霧の
王国シリーズ」とバリューエイブル刈払機「草刈し
ま専科 MB2460 シリーズ」の購入者を対象としたもの
オーレックが製品別にキャッチフレーズ
で、9月末日(消印有効)まで展開しており、2回
同社のあぜ草刈機に「速く、軽く、楽に。」とのキ
目の抽選は 10 月中旬を予定している。
ャッチフレーズを採用したところ、ユーザー、販売
店などから好評だったことから、製品別に設定した。
今回の当選者は、宮城県の佐藤氏、石川県の安田
氏、宮崎県の川上氏ら 50 人。
自走多用途草刈機スパイダーモアーは「楽に、自由
に、便利に。」
、乗用草刈機ラビットモアーは「速く、
共立がセンターデフ搭載の新型スピードスプレヤー発売
楽しく、優しく。」、ミニ耕うん機スーパーフレッシ
果樹園の大規模化に対応した SSV1008F で、新等速
ュピコは「便利に、豊かに、確実に。」など。
ファンと窓付固定翼の組み合わせにより、低騒音で
毎分 880 立方mの大風量を実現。また、業界初の新
サタケが高度選別技術などを食品工業展でアピール
東京ビッグサイトで開催された「2007 食品工業展
走行機構「センターデフ」を搭載し、走行性能・小
(フーマジャパン)」で同社の最新技術をアピールし
旋回性能をさらに向上させた。負担のかかる走行部
た。同社の今回のテーマは「食の未来を考える∼食
への動力伝達は、ドライブシャフトを採用。ベルト
を見守る電子の目∼」。光選別機、検査・分析機器、
を使用していないため、ベルトによるスリップ、磨
食品工業機械、食品製造・家庭用品、穀物調製加工
耗の心配がなく、耐久性に優れている。主な特徴は、
機械―のコーナーごとに実機展示、実演、パネル展
1. 全長の短いコンパクトボディーと作物に優しい
示などで各製品の特徴を説明した。メーンとした選
ボディーライン。
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農組合などから要望の強かったディーゼルエンジン
2. 余裕の排気量 2.19Lの排ガス対応ディーゼルエ
搭載の8条植田植機 PZ80、クローラ部を芯金レスと
ンジンを搭載。
し高速化・低振動化を実現したトラクタTジャパン
3. 薬液のドリフト(飛散)低減。
セミクローラ4型式、トラクタ「シアルハンター3
―など。
シリーズ」6型式など。
このうち、セミクローラ型のトラクタについては、
アグリテクノ矢崎がクリーンシーダー発売
鼓(つづみ)型鎮圧ローラを装備する「目皿播種
受委託作業の増大に伴い圃場間移動の高速化が求め
機クリーンシーダ TDRT」で、九州沖縄農業研究セン
られるようになり、今回発表したジアスとTジャパ
ター・九州水田輪作研究チームの研究成果にもとづ
ンのセミクローラトラクタには、同社とタイヤメー
く製品。九州北部の大豆播種適期は梅雨末期のため、
カーが共同で開発した芯金レスの新型クローラを採
播種後の激しい降雨で湿害となったり、急激な乾燥
用し、優れた耐久性と快適な高速移動(最高時速
で土壌クラスト(土膜)が形成され出芽不良となる
27km)を両立させた。
場合が多いことから、播種機の鎮圧ローラーを鼓型
また、乗用田植機さなえ、同 PQZ5 は PZ シリーズ
にして、覆土の形状を山形にした。激しい降雨時は、
で好評の「Zロータ」を装備し、低価格で基本性能
尾根部の比較的細かい土壌が谷部へ流出し、尾根部
の充実を図ったシリーズとしてフルモデルチェンジ。
が速やかに乾燥する。降雨後の乾燥時に尾根部にひ
従来の「くるっとターン」にオートデフロックが加
び割れが生じて種子上のクラスト形成を阻害し、割
わった「さなえQターン」を装備、旋回時のブレー
れ目から大豆が出芽する。
キ操作などを省くことができる。
井関農機が 19 年下期新商品 22 型式を発表
新商品は、6年ぶりにフルモデルチェンジした4
∼5条植田植機「さなえ PQZ シリーズ」2型式、営
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