/ 仁 産 38巻 6号 ( 1 986. 6) Hl HHHL 日 日H HHH H Hl HHI Hl 川‖ 日日L H HI E l l 川川 日日川 L 川L i H川 川HHI L Hl HHl L Hl H ‖l l L HI E 川I I H= l H= l l I HI 川 研 I L H 日日研 究 究 25 3 報 速 UDC 6 24. 0 78. 7:551. 35 2:62 7. 2 313 片爪 ア ンカー の挙 動 の研 究 ( その 4) - 標準錨 による錨地の調査- Be ha vi o r sofAnc horwi t haSi ngl eFi xe dFl uke( 4 t hRe po r t ) - Su r ve yo fSoi lo fAnc ho r agebySt a nda r dAnc ho r - 環 *・能 浦 勢 義 昭*・坂 巻 隆* TamakiURA,Yos hi akiNOSE andTakas hiSAKAMAKI 1. 日 的 に調査す るには, アンカーの効 きに関連 した, よ り実用 海図上 には錨泊の優 を考 えて,海底土の種類が記号で 的 な調査法の開発が望 まれ る( 図 1参照) 。 ここでは,小 記入 されている。ア ンか-の効 き,すなわち最大把駐力 型の標準錨 を用いた錨地の調査法 を提案す る. その概要 は海底土の力学的な特性 によ り定 まるが, この底質情報 は のみでは,海底 を構成す る物質の粒度 を大 まかに知 るこ (1) 錨地で標準錨 を引 き,錨地の各位置での把駐力 とがで きるだけであ り, 自船 のアンカーの効 きを定量的 H を求め,次式で定義 され る海底土肥駐指数 Hz の分布 を に推定す るこ とは困難である1 ) .た とえば,Sで表 され る 計測す る. 砂質の海底 は,船舶用のス トソクレスアンカーに対 して ご く常識的な低 い最大把駐力 を与 えるにす ぎないこ とが Hz…H/ Ls 3 ( t on/m3 ) (1) ここで,Lsは標準錨の代表長 さである. 明 らか にな りつつ あるが,M で表 され る粘土質の海底で (2) あらか じめ, 自船のアンカー ( 各種 ア ンカー) は,土の締 ま り具/ 針 こよ り力学的な特性値が大 き く変 わ と標準錨 との性能 を次式で定義 され る無次元最大把▲ 駐力 り極端 に効 いた り,効 かなか った りす るこ とが知 られて MS)はア ンカーが良 く いる.締 まった砂 ま じりの粘土 ( 効 く場合 がある と言われているし,- ドロ状の M では, ビンジ型のア ンカーの貴大把駐力係数がせ いぜ い 1 . 0程 度 しか期待 で きない。したがって,土の粒子の構成 ( 砂・ Cd …H/ γ113 (2) γ.海底土の水 中単位体積量 で比較 し,次式で定義 され る錨性能指数 H,≡Cd (自船錨 ) /Cd (標準錨) (3) -i H( 自船錨 ) /1 J 3 ) /( H( 標準錨 ) / Ls 3 ) (4) シル トとか泥 とかいった表現法)だけでな く, その努断 を得 てお く. Lは 自船のアンカーの代表長 さである。た 特性 を表す指標の開発 お よびその指標 とアンか-の効 き だ し,H, は砂質 と粘 土 ・シル トとは別 に し, それ ぞれ とを対応づ ける研究が期待 され る.海図等か らの情報で H, S ,H, mとす る. 錨地で 自船 のアンカーの最大把駐力が推定す るこ とがで きれば, そこで錨泊す るときに船力涌すえられ る外 力の大 きさを計算す るこ とがで き,錨泊の安全性 と信頼性 を向 (3) 錨地で本船が期待 しうる最大把駐 力 Hm a x は Hm a x-Hz XH, ×L3 (5) で与 えられ る. 上 させ るために きわめて都合が良い. この 目的のため に ) の 当研究室で開発 してい る ARS-S型片爪ア ンカー2-4 小型の もの を 「 標準錨」 として用いた錨地調査法 を検討 し,実海域 における調査 をおこなったので報告す る。 2. 標 準 錨 錨地 におけるア ンカーの効 きは,ア ンカーの形状 ( 悼 舵) と海底土の勇断特性 お よびアンカーの引 き方 によ り 定 まる. したが って,錨地の努断特性 の評価 とア ンカー の性能の研究が重要 なポイン トである。前者 はいわゆ る 現場 の調査 であ り,土木工学的なさまざまな調査法が考 え られ る. しか し,海底面の広 い領域 にわたって効果的 * 東京大学生産技術研究所 第 2部 錨 地 S,M,e t c 図 1 錨地の評価法 HHHHHHH日日HI Hl l l l l Hl HHI H川川=HE 川HHl l HHHl I HH川HHH1 日Hl 川HL l l HHHHI HL Hl 川L HL l l HH川Hl HI =Hl HHH日日I l H川HHHl l l l l l l = 9 38巻 6号 (19866) 究 速 報 41産 研 究 │││││111111111 1111 11il ll:││││││││││││││││││││││1111111111111111111111111 当研究室で先 に開発 した ARS― S型 完全安 定型 ア ン カー の形状 を基本 として,爪 の長 さLs=03mの もの を ー ン 標準錨 とす る。対応す るア カ 重量は鋳造 モデルで約 ンカー ・ス イベ ル ・ロー プ と繋 ぎ, ロ ープ端 を移動 させ て引 く( 図4 参 照) . これによ り, チェー (1)ア ン と海底土 との摩擦 の影響 を除 き, ロープのね じ 30 kgで あるが,鋼板溶接組 み立て とし,重 量約 24 kgであ る。 その写真お よび寸法 を図 2∼ 3に 示す。 3.海 底土把駐指数の試験法 れ をとる。 コー プ角は 5度 以下 (あるい は索長 を水深の 10倍 以上)と し,ス コー プ角 の影響 を少 な くす る。 (2)ス で引 く場合 には標 準錨 の反対側 に打 ったアン カー の係留索 を引 き込む こ とによ り船 を移動 させ て標準錨 を引 く.ア ンカー に変位 を与 えて荷重 を (3)船 一般的 な試験法は以下の とお りとす る。 響 │は 計 る形態が望 ましい. (4)索 (5)張 滲 ヽ は水 中重量ゼ ロで伸 びの少 な い もの を用 い る. ■率 ●: (6)ア 力は ロー ドセルで直接計 る もの とす る。 ンカー の移動速度 は 12m/min以 下 とし,速 度影響 を少 な くす る. 図 4 錨 地における標準錨 の引 き方 図 2 標 準錨 図 3 標 準錨 の寸 法 ││││││││││1111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111llllll1111111111111111111111111 10 38巻 6号 r■ 研 生 (19866) 255 究 │ │ │ │ │ │ │ │ │ 1 l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l l 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1究1 1 1 1速 1 1 1報 11 lllllllll 向 を図 5に 示す。最大張力の試験結果 を表 1に 示す。 こ 4実 海 試 験 の LWTア ン カー 以外 はア ンカー を引 こでは,爪 角 50° き切 ってお らず,最 大把駐力 を示す もので ないこ とに注 表 1に 示す ように,静 岡県初 島沖 お よび神奈川県根岸 ー 意 してお く。す なわ ち,他 の 2種 のアンカ は貫入 した 湾 にお いて試験 を行 った.以 下 にその概要 を示す。試験 ー い い 16 mmφ ナイ ロ 後 はほ とん ど移動 して な 。標準錨 は した海域等 のデ タ と最大把駐力 の結果 をまとめ て表 1 ー ー ー ン製 クロス ロ プ を約 600m繰 り出 し,甲 板上 のテー ク に示す。 なお,初 島沖 のデ タは点デ タであ り,根 岸 ル を介 して引 き,張力計で張力 を計測 した。 本船 アンカー 湾 のデー タは線デー タである。 の近 い位置に投錨 し,本 船 の移動 とともに標準錨 を引い たが,本 船用ア ンカー が十分 に効 いて本船 が移動 しない 4.1 初 島沖試験 かいよ 海洋科学技術 センター所属 の海 中作業実験船 「 場合 には,キ ャプス タンで ロー プ を引 き込 んだ。 う」 を用 いて, 42 根 岸湾試験 a Light Weight Type(爪 開 き角 50° ) 根岸湾は海底泥が厚 く堆積 し,ア ンカー の効 きが悪 い b Light Weight Type(爪 開 き角 30° ) こ とで知 られて い る。石 川島播磨重工 業 (株)横浜事業所 c ARS― S型 片爪 の 自重約 2 3tonの ア ンカー 3丁 を引 き,あ わせ て標準 錨 を前記手順 で引 い た。 ただ し,本 船 の可変 ピッチプ ロ ペ ラ の 推 力 に よ り引 い た。上 記 3丁 の ア ン カー は 46 mmφ ,7 23 kg/mの 係留索 (ワイヤー )を水深 の約 10倍 である 600m繰 り出 して引 いた。投錨 地点お よび牽引方 第 3岸 壁沖 は昭和 49∼50年 度 に (社)日本海難 防止協会 によって把駐力試験がお こなわれた海域 で,海 底 は極め て緩 い状態 の泥で構成 され,自 重が 1∼ 6 tonの JIS型 ス トックレスア ンカー の最 大把駐 力係数 は 13∼ 28と ° 小 さい .こ の よ うな内湾 の堆積 泥 における把駐力の推 ー 表 1 試 験海域 と使用 したア ンカ 試 験 計 測 域 海 代 表 長 さ (L) LVrT(50° ) 1650 mm LWT(30・ ) 2303 kg 2303 kg 最 大 把 駐 力 6 ton 25 ton以 上 ″π 10∼ 13m 3 586以 上 標準錨 標準錨 1225 mm 300 mm 300 mm 2220 kg 24 kg 24 kg ARS一 1650 mm ア ン カー 重 量 16、 17日 M 60m 深 使 用 ア ン カ ー 1月 SSh 底 質 ( 海図 上 ) 水 日 召不日61年 昭本国60年 11月 30日 計 測 年 月 日 湾 岸 神奈川県横浜市 石川島播磨重工業佛 第 3突 堤北側 静岡県熱海市初島沖 北北東約 8 0 0 m 置 位 根 島 初 802以 S 以上 327 kg以 上 上 127以 上 表 2 各 種 アンカーの錨性能指数 〃 ″ ア ン カー の 種 類 N │ 0 山 ンプ JIS型 ス トックレス 海底土 (海図記号) S系 統 M系 統 02∼ 07 02∼ 03 10 10 1,4,6 1.4 ス トック ARS― 引用文 献 S型 片 爪 1,4 L W T ( 3 0 °) LヽVT(50・ ) 01以 下 1km/// 図 5 初 島沖 の調査海域および牽引方向, 0 印 が投錨点 l1lⅢ lllllll lllllllllllllllllll l l l l l l lIlIlIlIlIlIlIlIlIlIlIllIllllIllIl1Il1Il1I1‖ │1 │1 │1 │1 │1 l1 l1 l1 l1 l1 l1 l1 l1 l‖l l l l l l l :l│l│l│l│l│l│l│l│l│l│l│l│l‖ 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1│1‖ 38巻 6号 (19866) 速 報 生 産 研 究 ‖│ 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 1 N →︱︱十111 Negishi Bay S ite 図 6 根 岸湾における海底土把駐指数 の分布 定は避泊 ・錨泊の安全上極めて重要 である。 また当海域 では,そ れ以後 に著者 らによ り,石 川島播磨重工業lpl修 繕部 の協力 を得 て,海 底土 のサ ンプ リング ・テス トや, ° その強度 テス トを実施 してお り ,海 底 土の性状が知 ら れて い る。 この東西約 400m,南 北約 150mの 海域 にお いて標準錨 の把駐力 を 12本 の測線 にわたって計測 し,錨 地調査法の具体 的 なデー タを得 るこ とをお こなった.標 16 mmφ クロス ロー プ ・ 準錨 は岸壁か らスイベ ル ・ 滑車 ・ 本研 究 をお こな うに あた って以下 の 方 々 よ りご協 力 を 賜 わ った。 □初 島沖 の 試験 に関連 して, 海 洋科 学技術 セ ン ター 深海 開発 技術 部安 藤 久 司部 長, 同 運航部 小 谷良隆部 長, 同 開 発 技術部 高 川真 一 研 究副 主幹 , 三 井 造船 ( 株) 造船 設計部 総合 設 計室 宮 田紀 隆課 長, 日本 海洋事 業 ( 株) 堀昭夫船 長, 同財 津正 隆 一 等航 海士 . 張力計 を介 して フ ォー ク リフ トで引 いた。 (1)式 で定義 □根岸 湾 の試験 に 関連 して, 石 川 島播磨 重工業 ( 株) 横浜 修 理船 工 場 中島貞夫工 場 長 , 同新 井信 弘 ドックマ ス ター . の分布 を図 6に 示す。 した海底土把駐指数〃′ □標準錨 に関連 して, 東 京大学 生産 技術研 究所 試作工 場 5.錨 性 能 指 数 岡本伸 英技 官. ここに深甚 な る謝 意 を表 す次 第です. ° 前報 に示 した兵庫 県松 帆 の 浦 の試験 では,ARS― S 型 ア ン カー の大 型 の もの を用 い て 」IS型 の ス トック レ スアンカー お よびス トックア ンカー の砂質海底での性能 比較 をお こなったが,こ の ときの ARS― S型 ア ンカー の 把駐カデー タを標準錨 に換算 して錨性能指数 を推定す る ことがで きる。今回の試験結果 と併せ て, 5種 類 のアン カー の錨性能指数 を表 2に 示す。 6 お わ り に 図 6に 示 され るように,海 底土把駐指数 の分布図の具 体例 を示 し,錨 性能指数 とあわせ て,錨 地 における本船 錨の効 きを推定す るための資料の作成手順 を示 した.今 後 はよ り多 くの錨地 の把駐指数分布 デー タを蓄積 し,各 種 ア ン カー の錨 性能指数 を検討 し, よ り信頼性 の高 い情 ( 1 9 8 6 年3 月 2 6 日受理) 参 考 文 献 環 : ア ンカーの最大把駐力係数, 日本航海学会論文 集, 第 7 1 号 , ( 1 9 8 4 9 ) , p p 3 7 ∼ 4 5 2)浦 環 ・ 能勢義昭 : 片 爪アンカーの挙動の研 究, 生 産研 1)浦 究, V o 1 3 1 1 0 , ( 1 9 7 9 1 0 ) , p p 7 1 2 ∼ 7 1 5 3)T Ura and Y Yamamoto:Devolopment of Abso lutely― Ron― Stable AnchOrs, Proc 13th OTC, (1981), pp 373∼ 379 4 ) 浦 環 ・能勢義昭 : 片 爪アンカーの挙動の研究 ( その 3 ) , 生 産研究, V o 1 3 6 5 , ( 1 9 8 4 5 ) , p p 2 2 7 ∼ 2 2 9 5 ) 浦 環 : 海 底土の粘性流体力学的特性の研究, 第 1 5 回 土質工学研究発表会議演集, ( 1 9 8 0 ) , p p 1 7 9 3 ∼1 7 9 6 日本造船研究協会 : 大 型専用船の錨泊に関す る実験 6)崎 研究, ( 1 9 7 6 ) 報 を提示す るこ とが必要 である。 ││││││││11111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111111: 12
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