千葉ガス株式会社様 事例 - キヤノンソフトウェア株式会社

キヤノンユーザーリポート
No.381
千葉ガス株式会社
スパゲティ状態に陥った大規模システム
を、オープン化で全面リニューアル。属人
性排除で開発成果継承も可能になった。
都市ガス・LPガスの安定供給には、迅速で正確な顧客情報処理が欠
かせない。千葉ガス株式会社のお客様情報管理システムも、メーター
管理、請求入金、新設・廃止など対象となる情報・業務は極めて多岐
に渡る。事業基盤に深く根ざすこのシステムだが、導入から20年、更
新を重ねた結果、プログラムはスパゲティ化し解読は困難になってい
た。さらに、システムの保守終了も迫っていた。
そこで、情報システム部は、既存システムの補修ではなく、全面リ
ニューアルを決定。長期にわたり使用されるシステムだけに、時代の
お客様プロファイル
法 人 名: 千葉ガス株式会社
U
住
R
L: http://www.chiba-gas.co.jp
所: 千葉県佐倉市栄町21-1
代 表 者: 代表取締役社長 角田憲司
創
業: 1968年
(平成25年4月現在)
従業員数: 218名
企業理念
千葉ガスは、東京ガスグループの一員とし
て天然ガスを中心とした「エネルギーフロ
ンティア企業グループ」として、「快適な
暮らしづくり」
と
「環境に優しい都市づくり」
に貢献し、お客さま、株主の皆さま、社
会から常に信頼を得て発展し続けていく。
要請に合わせた改修や、部分的リプレイスに柔軟に対応できる開発基
主な事業内容
盤を作りたい。それに応えたのが、属人性の無いピュアなソースコー
千葉県内6市3町への都市ガス・LP ガス
を安定供給する事業を核として、ガス機
器の販売・設置、空調など住宅設備機
器の販売・工事からリフォーム設計 ・ 施
工、及び多岐に渡る保安事業など、ガス
を使った快適で安全な暮らしづくりを多彩
に展開しています。
ドを自動生成するWeb Performerだった。
お客様が実現できたこと
事業の根幹に関わる大規模システム改修を、限ら
れた人員で実現できた。
解読不能なシステムに代わり、ピュアなソースコー
ドを自動生成。プログラムの属人性を排除した。
各部門の要望に柔軟に対応が可能となり、自社で保
守が可能な長寿命システムを構築。
千葉ガス株式会社所有 富里市 スイカガスホルダー
お客様の声
お客様のご要望
パッケージをカスタマイズしながら長年使ってきたレガ
シーシステムを、一新したい。
さまざまな要望に応えるために、
スクラッチ開発したい。
クライアント負荷の少ない、Web ベースのシステム
を構築したい。
情 報 システム 部 部 長 代 理
渡辺 等 様
「ワンストップ対応で構築
も効率的」
「今 回は 、ハードウェアから開
発まで 全てキヤノンソフトウェ
導入前の課題と背景
補修・改修では解決不能。
スクラッチ開発を目指した経緯をお聞かせください
アにお願いしました。ガス会 社
「当社では、お客様管理や請求・入金管理、また保安に関わるさまざまな情報
の事 業内容や、業務 詳細など、
をCITYというシステムで処理していました。ガス事業専用パッケージをカス
基 礎 的なところからヒアリング
タマイズし、AS/400上で稼動するこのシステムは、長年にわたる機能拡張
していただき、ソフト・ハードと
もに当 社の 要 望を充 分 理 解い
や改修でメンテナンス負荷が高まり、80桁×24行の画面表示など時代に合
ただいたことで、構 築はとても
わない点も増えてきました。加えて、各プログラムの関係性やソースコード
スムーズになりました」
の構造が難解で、いわばスパゲティ状態のため、部分補修や一部改訂もまま
ならないことから、システムを一新することにしたのです。
しかし大規模ユーザーに向いたガス会社向けパッケージは種類も少なく、仮
にパッケージを採用しても、カスタマイズした場合にOSのバージョンアップ
等に際しても機能が担保されるか心配でした。対象は当社のコア業務なので、
長期間使用することを考慮し、スクラッチ開発の可能性を検討し始めました」
担当営業紹介
導入の必然性
パッケージよりスクラッチ開発にメリット
Web Performerを選んだ経緯を教えてください
「スクラッチで作るなら慣れ親しんだAS/400を使い、なおかつ以前のような
画面制約が無いWeb画面が欲しいと考え、そのための開発ツールをいくつも検
討し始めました。そんな時キヤノンソフトウェアからWeb Performerを紹介さ
れました。試しに購入し、小さなプログラムを作って評価した結果、大規模開発
キヤノンソフトウェア株式会社
ソリューション営業三部
営業1課 課長
高澤 賢一
にも使えそうだと判断しました。しかし、最終決断をするためにはスクラッチ開
発とパッケージ利用それぞれのメリット、デメリットを客観的に評価する必要が
「プロジェクト期 間 中、私 共 ベ
あります。Request for proposalを作成し、ガス業界向けパッケージベンダー
ンダーが気 持ち良く仕事ができ
2社も含め5社に提案を依頼。比較検討を行った結果、Web Performerを利用
るように様々な面で配慮いただ
してスクラッチ開発するキヤノンソフトウェアに決定しました」
いたことに感 謝いたします」
運用の工夫
長寿命のシステムを構築したい
教育を行うことで、EARCEは大きな問題もなくスムーズ
に立ち上がってくれました」
取り組みの成果
大規模な開発プロジェクトになったと伺いました
「従来のCITYに代
開発効率と精度を同時に向上
わる新しいシステ
ムがEARCEです。
本番環境と開発環境はどのように構築されましたか
このシステムで
「Web Performer は本番環境にランタイムプログラム
は料金調定、請求
が不要であるなど、本番環境と開発環境を統合的に管理
入金、客先情報管
することができます。本番機、開発機(ともにIBMi*)を
理、各種照会、定
論理的に6区画に分割し、COBOLアプリケーション、
期保安、メーター
管理等、極めて多
岐に渡る機能を扱
います。また、大
量データ打ち込み
(左から) 情 報システム部 部 長 代 理
IT活 用推 進グループ
マネージャー 湯 浅 秀 明 様
同部 部 長 代 理ユーザー支 援グループマネージャー
渡辺 等様
同部IT活 用推 進グループ 課 長 代 理 加 瀬 博之 様
や、照会画面の情報密度の高さといった課題もあります。
そこで、委託店などユーザーが使う機能については全
てWeb画面とし、バックエンドで動く運用部分や、デー
を使って構築することにしました。AS/400を継承す
るIBM Power Systemsの導入も決めたのですが、IBM
RPGでは将来的なオープン化への対応が難しいので、開
しながら、効率的に開発を進めることができました。
(*) IBMi( 旧 称i5/OS®) はIBM Power Systems™ サ ー バ ー 上 で 稼 働 す る
OSの 一 つ で す 。
本番機(IBMi)
区画①
COBOL アプリ(ILE)
DB2
区画②
WebSphere アプリケーションサーバー
Web Performer(Java アプリケーション)
区画③
テスト区画
開発・バックアップ機(IBMi)
区画④
COBOL アプリ(ILE)
DB2
WebSphere アプリケーションサーバー
Web Performer(Java アプリケーション)
区画⑤
テスト区画
区画⑥
テスト区画
開発・バック
アップ環境
タメンテナンスなどの機能はIBM i Access for Windows
などにアサイン。テスト区画の使い方を各チームで調整
本番環境
の際のレスポンス
Webアプリケーション、テスト区画、バックアップ環境
発言語にはCOBOLを採用し移植性を確保しました。
全てをWeb化することは難しいため、一部はPower
Web Performerの導入で得たものは何でしょうか
Systems側で作成したCOBOLアプリケーションを
「Web Performerはパッケージを利用した開発と比較し
Web画面から呼び出すスタイルにしています。このよ
て、特にシステムの改修や運用面でのコスト削減効果が
うにプロジェクトは大規模で複雑なものでしたが、Web
高いと思います。以前は開発者本人でなければ解読でき
PerformerはPower Systemsとの相性も良く、期待通
ないプログラムもあり、開発成果の継承や、開発リソー
りに開発ができました」
スの柔軟な運用が困難でしたが、Web Performerは属人
性の無いピュアなソースコードを生成してくれるので、
要件定義から稼動までのスケジュールはいかがでしたか
こうした問題がありません。今回は、開発委託をキヤノン
「2009年第4四半期に要件定義を行い、翌年基本設計と
ソフトウェアに依頼しましたが、Web Performer を使っ
詳細設計を行いました。当社の根幹に関わる重要システム
ての構築であれば他社さんに委託することも可能です。
ですので、検証はほぼ1年かけて徹底的に行いました。
また、ソースコード自動生成によりバグは極少化し、
EARCEの導入をスムーズにするために、社員や委託
開発精度も向上しました。その恩恵は評価フェーズでも
店の皆さんから40名ほどを選び先行して教育しました。
顕著で、バグ取りに追われることもなく、機能検証や仕
彼らは、他のユーザーを教育する際にサポートしてくれ
様の見直しなどに充分な時間を取ることができました。
る他、レクチャー後にも各現場で継続的にユーザー指導
以前のCITY開発時には会社に泊まりこみなどもありまし
を続けてくれます。ほぼ3ヶ月にわたり、こうした手厚い
たが、今回はそうしたこともありませんでしたね」
将来の展望
きず、対応を断念するケースもありました。
Web Performerが提供する開発基盤を活用して、今まで
開発者育成や体制強化にも
対応を見送っていたこうした要望にも応えて行きたいと
今後の展望についてお聞かせください。
思います。
「以前は、ユーザーから新たな機能の追加要望があって
今後ユーザーと事例が増えて、Web Performerが更に
も、改修することでどのような障害が発生するか予見で
進化してくれることを期待しています」
レガシーなシステムをオープン化
CITY(以前のシステム)
EARCE(新システム)
多岐に渡る対象業務
移動管理
定期保安
メーター管理
月報
都市ガス割賦管理
料金調定
客先情報管理
その他・検索
器具販売
LP ガス固有業務
請求入金
督促休止
器具修理
新設・廃止・建物
各種照会
業務日程管理
委託作業費
月次年次更新
業務用アプリケーション 100% 自動生成ツール Web Performer
(ウェブ パフォーマ)
開発工程の実装部分を自動化し、Web アプリケーションの「短期間かつ高品質」での開発を可能にします。
開発元: キヤノンソフトウェア株式会社
Web Performer ホームページ
canon-soft.co.jp/product/web_performer
キヤノンソフトウェア株式会社
● IBM、AS/400、i5/OS、Power Systems は、世界の多くの国で登録され
た International Business Machines Corporation の商標です。
●記載されているその他の会社名、商品名は、一般に各社の登録商標または
商標です。
東 京 〒140-8526 東京都品川区東品川2-4-11
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