Environmental Accounting 環境会計 2001年度環境会計 2001年度富士フイルム環境会計集計表 (金額単位:百万円) 環境の保全は富士フイルムにとって最優先の課題のひとつで 環境保全コスト 社 内 効 果 あり、この活動を経済性とうまくバランスをとりつつ継続的に 進めていくことが、非常に重要であると考えています。 富士フイルムでは、環境会計の実施により、財務会計の枠組 みでは十分に捉えきれなかった環境保全の側面からの集計・分 析を行い、経済性との関連を数値化することで、適正な環境保 分 類 1. 事業エリア内 コスト 方法を充実させ、より環境経営に役立つものになりつつあると 自負しております。2001年度の環境会計では、効果集計をよ 費用 (償却費込み) 設備投資 − ①法順守 排水処理・排ガス処理 設備の保全運転管理 ②公害防止 汚染予防 VOC排出削減 排水量削減 主な内容 − (2) 地球環境保全 省エネルギー ①リデュース − − − − − − − 2 − − − 2,954 4,479 排水処理量の削減 3,960千トン 792 − − − 521 1,060 省エネルギー 3,196 2,662 単位当りの原材料削減、 省資源化 製品製造時に発生する ロスの削減、生産効率 向上、省資源設計 ②リユース・ リサイクル 写ルンです・銀・容器・ ベースなどのリユー ス・リサイクル 786 2,776 - 451 − − − 18,184 − − − 高分子材料回収 2,404 アルミ材料回収 748 2. 上・下流コスト 市場からの回収 3. 管理活動コスト 生産サイトでの環境 保全 ISO140001取得 情報開示 − 252 464 − − 20 2,607 − − − − − 196.5トン @ − 原油採掘量削減*1 14.4千KL*1 144.8千トン*2 @ 14,482 − − − − − − − − − − − − − 9.4千トン 538 350.8千トン 140 ①現像液・定着液処理 費用削減 ②水洗水費用削減 4. 研究開発コスト 環境配慮商品の開発 生産効率向上のため の製造設備研究開発 素材安全性試験 2,825 15,002 − − 1.8千トン 103 67.0千トン 27 ③お客様における上記 − 以外の経済効果*4 ④お客様が新規に設備 を購入することに伴 − う減価償却費*4 〈新聞用ドライイメージングシステムの開発〉 ①現像液・定着液処理 費用削減 ②水洗水費用削減 に、富士フイルムの環境経営のレベルアップにも寄与させてい 4,289 -750 0.6千トン 33 21.8千トン 9 〈省電型電子スチルカメラの開発〉 く所存です。 電池使用本数削減 *実施した設備投資や、要した費用が環境保全以外の目的も含まれている場合のコスト -111 -35,618.0トン-CO2 〈リスフィルム不使用PS版の開発〉 の環境活動とその成果についてのご理解を深めて頂くととも 2001年度(2001年4月1日から2002年3月31日) − ①現像液・定着液処理 費用削減*3 ②水洗水費用削減 ます。この結果、環境レポートの読者の皆様に、富士フイルム ■集計方法 ① 減価償却費は、3年間の定額償却によって算定しています。 ② 複合コスト* に含まれる環境コストは、支出目的による按分計算により 集計しています。 267 3.3トン 〈ドライX線フィルムの開発〉 136 ドライX線フィルムの 開発 て得られる効果の評価精度を向上させていきたいと考えており ■集計対象期間 − リユース・リサイクル による廃棄物削減 − 客様のお使いになる資源の削減を重視し、努力してきたことを 富士写真フイルム株式会社 CO2排出削減 3,842 円に達したということです。これは日頃から富士フイルムがお ■集計範囲 508.0トン 800 効果の金額が、必ずしも全てを網羅してはいませんが、約50億 ■環境会計の基本方針 環境省発行の「環境会計システムの確立にむけて(2000年報告) 」を参 考としています。 VOC排出削減 9 2,271 レンズ付フィルムカメラ 躯体回収(高分子材料・ ストロボ・電池) 特筆すべき点としては、今回初めて集計したお客様への経済 ■環境会計の目的 ① 経営者層および事業場統括者の意思決定に役立つ、数値化された環境情 報を提供すること。 ② 社内外の関係者に物量面・経済面の定量化された正しい環境情報を提供 すること。 25.4トン 特定フロン削減 できる社会への効果は146億円でした。 環境会計集計にあたっての考え方 SOx排出削減 銀鉱採掘量削減 境保全の為の設備投資は107億円でした。また、環境保全の社 20 金額換算 汚染賦課金の削減 考察 富士フイルムは今後も継続して環境保全活動とそれに対応し 物量効果 1,944 含銀汚泥売却 示すものであると考えます。 主な内容 191 果が環境にどのような影響を及ぼすかを、広く捉えることがで 内経済効果287億円、お客様への経済効果50億円、金額に換算 金額換算 12,921 銀回収 2001年度の集計結果をみると、環境保全費用は311億円、環 社会への効果 物量効果 主な内容 金 額 7,648 た。このようにより多角的な分析を行うことで、企業活動の結 きるように、改善を重ねております。 社 外 へ の 効 果 お客様への効果 経済効果 (3) 資源循環 りきめ細かくするために見直しを行いました。特にお客様の元 での環境負荷低減を「お客様への経済効果」として集計しまし 主な取り組みの 内容 (1) 公害防止 全投資を推進するよう努めてまいりました。1998年度に環境 会計の集計を始めて以来、今回は4回目となります。年々集計 環境保全効果 5. 社会活動コスト 環境保全支援、 緑化 6. 環境損傷コスト 汚染賦課金 合計 − 5 − 10,750 8,115.0千本 609 31 − − − − − − − − 99 − − − − − − − − 31,124 − 28,728 − − − − 14,647 ③ 効果の計上は、以下のように行いました。 イ. 社内効果(経済効果) Ⅰ)主に設備投資から得られたもの:減価償却期間に対応させ、設備の 導入時から3年間にわたって効果額を計上しました。 Ⅱ)主に生産活動・研究活動から得られたもの:2001年度にリユース・ リサイクル等の日常生産活動から得られた効果を計上しました。 ロ. 社外への効果 Ⅰ)お客様への効果:富士フイルムが開発した新製品のご使用により、 お客様が得られた環境負荷削減およびそれに対応するお客様の経済 効果を計上しました。 4,998 Ⅱ)社会への効果:富士フイルムが行った環境保全活動によって達成 された環境負荷削減および、それに対応した社会での金額換算効 果を計上しました。 労働安全・社会会計 富士フイルムでは、環境会計を進めるとともに、社会により貢献するた めの活動についての実施内容やそれに対応するために使ったコストについ ての集計を始めました。下表に示したものが2001年度の実績です。 項目 労働災害対策 一般教育費 合計 実施内容 各工場に安全衛生を担当する課あるいはグ ループを設置して従業員の安全衛生を統括 学術・技術・技能に関する従業員教育の 実施 コスト(百万円) 591 @を付したものは、金額に換算する指標がないため、計上しておりません。 *1 重油削減分(−)15.6千KL、プラスチック削減分 30.0千KL *2 アルミ廃棄物 65.0千トン、プラスチック廃棄物13.6千トン、その他廃棄物66.1千トン *3 現像液5.9千トン、定着液5.9千トン *4 今回試験的にリスフィルムの不使用の効果を新規設備導入に伴うお客様先における人件費削減などの経済効果に着目 して算出しました。具体的には(従来品フィルムとの価格差+人件費削減+現像液・定着液購入削減)です。同時に、 上記効果に対応するものとしてお客様における新規設備購入に伴う減価償却費を計上しました。減価償却費はお客様 における効果の続く期間として5年間の定額焼却により算定しています。 環境負荷削減量の金額換算根拠は次の通りです。 ①SOX削減:345千円/トン ( (社)産業環境管理協会「平成11年環境ビジネス発展促進など調査研究(環境会計)報告書」 より) ②VOC削減:525千円/トン ( (社)産業環境管理協会「平成11年環境ビジネス発展促進など調査研究(環境会計)報告書」より) ③CO2削減:3125円/トン-CO2(CO2排出取引オークション金額よりのコスト見積もり) ④廃棄物埋立処理コスト:100円/kg ⑤水洗水処理費:400円/トン (自治体の上水道費・下水道費の相場で計算) ⑥現像液処理単価:65千円/トン、定着液処理単価:50千円/トン 854 1,445 21
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