グレブナ基底, Visualization関連ソフトウエア - 神戸大学

グレブナ基底, Visualization 関連ソフトウエア
高山信毅 (神戸大学), 濱田龍義 (福岡大学)
KNOPPIX/Math
http://www.knoppix-math.org, License: GPL, BSD, Others
KNOPPIX/Math はフリーな数学ソフトウエアと数学文書を使いやす
い desktop 環境として提供するプロジェクトである. Sage 等は様々
なソフトを python で結合して使おうというプロジェクトであるが,
KNOPPIX/Math は個々のソフトウエアの特徴を尊重しつつ, 統合的
な利用も可能になるように各種文書やソフトウエアツールの整備を目
的としている.
http://www.math.uiuc.edu/Macaulay2, License: GPL
Macaulay2 は代数幾何と可換代数の研究のためのシステムである. 美
しい設計のトップレベルの言語が特徴的でありホモロジー代数のアル
ゴリズムのコードはとても書きやすい. D-加群の種々の計算のための
ライブラリも付属している.
図は多項式 f の logarithmic cohomology group H i(Ω• log f ) を計算して
いる例. Logarithmic cohomology group はパラメータ付き積分のみた
す微分方程式系を求めるのに重要.
GeoProof は対話式幾何学ソフトウェアの一種である. 平面幾何学に
関する定理の自動証明を行うことができる. GeoProof に実装されて
いるグレブナ基底と Wu の方法や Coq と連携することで行っている.
代数方程式系の数値解析
数値ホモトピー法を用いた代数方程式系求解ソフトウエアのリスト.
1. HOM4PS, http://www.csulb.edu/˜tgao/RESEARCH/Software.htm,
License: GPL
Singular
Risa/Asir
http://www.math.kobe-u.ac.jp/Asir, License: Other(FFL, BSD)
Risa/Asir はある程度汎用の計算代数システムである. とくに連立代
数方程式の求解を念頭においたグレブナ基底計算, および微分作用素
環での一般化 b-関数 やグレブナ基底計算が得意である. 関連コマンド
のリスト: nd gr main (Grobner basis), FGLM, RUR 関連コマンド, primadec (primary ideal decomposition), af (factorization over algebraic numbers), ox * (OpenXM communication functions), generic bfct (b-function),
nd gr weyl main.
連立代数方程式の求解を念頭においたグレブナ基底計算では, Maple
11 や Magma の F4 アルゴリズムの実装も有用である. (Maple, Magma
はソースコードが非公開なので, 内部でどのような計算をしている
か実はよくわからない. F4 は一部確率算法がつかわれていると推
測される.) 下記の “代数方程式系の数値解析” の節も参照. 図は
1 1 1 1
A =
, β = (1, 2) で定義される A-超幾何方程式系の
0 1 3 4
(−1, −1, −1, −1, 1, 1, 1, 1)-方向の b-関数 (indicial 多項式) を計算して
いる例. b-関数の計算はパラメータ付き定積分のみたす微分方程式を
計算する時に使われる.
Kan/sm1
http://www.math.kobe-u.ac.jp/OpenXM, License: GPL
Kan/sm1 は微分作用素環上の加群 (D-加群) のためのシステムである.
アルゴリズム研究と同時に開発がすすめられたため, 数多くのアルゴ
リズムのプロトタイプ実装がなされている. 近年はその小さな組み込
みパーサを生かした数学ソフト用通信用ライブラリとして, 裏方とし
て利用されてもいる (図右). 図左は C ex1/t+x2tt−2dt がみたす微分方
程式を計算している例.
Javaview
http://www.singular.uni-kl.de, License: GPL, others
Singular は多項式のための計算代数システムである. 特に可換代
数, 代数幾何, 特異点論に重点をおいている. Singular の基本オブ
ジェクトはさまざまな基礎環 (局所環や非可換の G-代数を含む) の上
のイデアル, 加群である. 特異点解消アルゴリズムの本格的実装がな
されているのも Singular の大きな特徴である. 図は Singular が計算し
た xyz(x − y)(y − z)(z − x) の特異点解消の局所座標.
2. PHoM, http://www.is.titech.ac.jp/˜kojima/PHoM/index.html,
License: Unknown. Downloading is free.
3. PHCpack,
http://www.math.uic.edu/˜jan/download.html,
License: GPL, free software
Sparse Semidefinte Programming Relaxization という新しい最適化アル
ゴリズムは sparse な代数方程式系の実解を求めるのに有効な手法で
ある.
1. SeDuMi , http://sedumi.mcmaster.ca/, License: GPL. Require
Matlab.
2. SparsePOP, http://www.is.titech.ac.jp/˜kojima/SparsePOP,
License: Unknown. Downloading is free. Require Matlab and SeDuMi.
R
4ti2 と gfan
4ti2: http://www.4ti2.de, License: GPL
4ti2 は affine toric イデアル専用のコマンドラインツールである.
Hilbert 基底, Graver 基底, Markov 基底などを計算する. 代数的統計分
野と関係が深い.
gfan: http://www.math.tu-berlin.de/˜jensen/software/gfan/gfan.html,
License: GPL
Gfan は多項式環における reduced グレブナ基底を数えあげるための
コマンドラインのツールである. reduced グレブナ基底の相異る集合
に対応するグレブナ扇 (これは n-次元の polyhedral complex である)
の計算やグレブナ扇の subcomplex である tropical 多様体も計算する.
gfan は gmp および cddlib を整数計算および多面体の計算のために利
用している. 図は 3 次元のグレブナ扇の切口.
http://www.r-project.org, License: GPL
R は統計処理と可視化のためのソフトウエア. 最新のアルゴリズムが
実装されている豊富なライブラリも特徴.
K3DSurf
http://k3dsurf.sourceforge.net, License: GPL
K3DSurf は 3, 4, 5, 6 次元の数学的なモデルを可視化したり操作した
りするソフトウエアである. パラメータ表示された曲面, isosurface も
扱える.
http://www.javaview.de, License: Original, need registration
JavaView は 3 次元可視化ツールである. 名称からわかるように Java で
書かれている. Web ページとの親和性も高く, Web 公開用のアプレッ
トとしても利用されている. また, Maple や Mathematica 等の商用数
式処理システムとも連携しており, 数多くのファイル形式に対応して
いる. また, 離散幾何学の研究成果と密接に関係している.
surf と surfex, surfer
surf: http://surf.sourceforge.net/, License: GPL
surf は実代数幾何学のための可視化ツールである. 独自のスクリプト
を記述することで、平面内の代数曲線, 代数曲面, 代数曲面の超平面
による切断等を描画することができる.
surfex:
http://www.surfex.algebraicsurface.net/, License:
GPL
surfex は実代数曲面を対話的に可視化するためのツールである. surfex
は Java で書かれている. surf のフロントエンドとして機能しており
動的にパラメータや曲面のレンダリングを変更することができる.
surfer: http://www.imaginary2008.de/surfer.php, License: GPL
surfer もまた surf のフロントエンドであるが, 非専門家向けに作成さ
れた環境である. surfer を用いたコンテストや展覧会が開かれており,
数学の研究現場から社会に向けた情報発信例の一つとして興味深い.
jReality
About this document
Coq と GeoProof
Macaulay2
Coq: http://coq.inria.fr/, License: GLPL
Coq は対話的定理証明支援系である. Objective Caml で書かれている.
GeoProof: http://home.gna.org/geoproof/, License: GPL
http://www.jreality.de, License: BSD
jReality はさまざまなプラットホームで科学データを対話的に見たり
操作するためのライブラリである. jReality は Java で書かれている.
出力形式は種々のものを選べる. Java のみを使う形式, ハードウエア
accelerator を利用した OpenGL に適合した形式, PIXAR の renderman
や SVG の形式, PORTAL などの virtual reality 応用ソフトのための形
式をサポートしている. 図は Chen-Gackstatter 曲面.
This poster is designed for the Hibi crest project on Oct 23, 2008. This document is based on the “links to project”, which is
distributed under the GNU Free Documentation License Version 1.2. June 27, 2006.
List of contributors of “links to project” document: Ainhoa Berciano Alcaraz, Alfred Gerard Noel, Amir Hashemi, Anders Nedergaard Jensen, Anton Leykin, Bernard Mourrain, Chu-ching Huang, Colin Jones, Dongming Wang, Ewgenij Gawrilow, Fabrizio
Caruso, Francois Descouens, Fukuda Takashi, Gert Martin Greuel, Jan Verschelde, Jean B. Lasserre, John Abbott, John Harrison,
Joris Van Deun, Klaus Ebbe Grue, MATSUI Tetsushi, Manuel Abellanas, Manuel Delgado, Marie-Francoise Roy, Markus Schmies,
Masayoshi SEKIGUCHI, Masayuki Noro, Nobuki Takayama, Oliver Labs, Paul Libbrecht, Predrag Janicic, Rob Arthan, Sebastian
Pauli, Sergey Lyalin, Stefan Becuwe, Viktor Levandovskyy, Xiaoshan Gao, Xin Li.