特集：「発作がなくても喘息か」電話相談から 2005 お医者さんの話がラクラクわかるための 27 Vol.27 アデノイドの手術お医者さんと上手にコミュニケーションしましょアデノイドの手術は昔ほどしない傾向があるが、アデノイド肥大で鼻詰まりやいびきがひどい、寝ているときに呼吸の停止がある、などがある場合は手術の対象となる。手術の時期は小学校に上がる前が一般的。扁桃腺の組織は 5 ∼ 7 才がもっとも発達して、アデノイドも自己免疫による脱毛この時期が人生の中でいちばん大自分の毛根を攻撃してしまう物きいとき。それ以降は小さくなっ質が血液の中にあるために起こるていくが、アデノイドが肥大してのではないかという脱毛がある。いるために不利益が大きいという膠原病などと同じように、自分を場合はそれ以前でも手術をする。守るはずの免疫機構が自分を攻撃手術時に動かれると危険なので、するほうに働いてしまう病気を自全身麻酔のほうが安全と考えられ己免疫病という。ている。自己免疫による脱毛症には、ステロイドのつけ薬や飲み薬で治療するが、よくなったり悪くなったりを繰り返したり、頭全体の髪が抜けてしまうこともある。残念ながらこのように現在ではまだ決め手になる治療がなく、一進一退の状況に悩んでいる人が多いといわれている。この小冊子の内容は「医師による発育・発達・病気の電話相談」からの内容を抜粋したものです。「咳が出るだけで発作はないのに喘息といわれた」、「ある先生からは喘息といわれ、別の先生からは喘息ではないといわれた」などとよく耳にします。病名をつけるかつけないかは医師の考え方ですが、大切なのは治療で子供を少しでも楽にしてあげることではないでしょうか。 _ _ 03 3219 0797 受付日時毎週水曜日 14時∼17時（週2回）毎週金曜日 10時∼13時低身長はメールでも受けつけていますアドレス [email protected] ホームページ http://club.pep.ne.jp/∼moshimoshi/ 監修横田俊一郎先生（横田小児科医院院長）構成／泉美智子イラスト・レイアウト／いとうやすこ制作／株式会社キタ・メディア東京都文京区本郷2−4−14 GRJ- 051- 1- 0605 TAK 02 KTM DIC 862 発作がなくても喘息かみることもおすすめです。得できないなら、別の病院でもうひとつの意見も聞いて先生 ● これもよくある話ですが、もし今の治療では納中耳炎を繰り返すのも関係ありますか。会的な問題になっていることも事実です。体力の弱っている人に大きいダメージを与えることが社が乱用することで抗生物質が効かない菌が増え、老人や大きな問題になることはありません。ただし、多くの人先生 ● 個人として考えれば、薬が効かなくなってすぐになくなると聞きましたが。抗生物質の副作用が心配だし、長期に飲むと効かる場合もあります。できるのですが、のどがゼーゼーいうのが小さい発作であ先生 ● 発作は大発作、中発作、小発作と分けることが 25 2才6か月で73.6cmの男の子 4才まで血液検査はできないといわれた 20 Q 32週で820g、34cmで生低身長まれ、1才で57.6cmとあまりにも小さいので、検査をしたほうがよいかとかかりつけの先生に聞いたら、4才までは血液検査もできないといわれました。いまは待つしかないのですか。言葉がほとんど出ていないことも不安です。成長率 -2 m SD -SD ean SD 2SD 15 10 9 8 7 6 70 5 4 60 3 成長曲線 2 成長1 率︵ 0 1 2 3 年年齢（歳）︶ 50 4 身長 40 ︵ c m ︶ A 特別な場合を除いて入院をして精密検査をするのは一般的には4 才以降ですが、外来で成長因子や甲状腺ホルモンを調べるなどの一般検査や骨年齢を調べたりすることはできます。32週生まれにしては出生時が820gと小さい点から、これは子宮内発育不全で、何らかの原因でおなかの中で育たなかったということがいまも影響しているのかもしれません。2才半といえば普通はもっと話ができるはずで、発達の遅れも考えられるので、体を大きくしたり、知恵を伸ばしたりする役割のある甲状腺ホルモンをまずは調べたほうがよいのではないでしょうか。生まれたとき小さい場合、甲状腺ホルモンの値に異常があることが多いので、こども病院とか大学病院で調べてもらうことをおすすめします。発作がなくても喘息というのですか。ます。あせらないことも大切です。先生 ● こういう咳はすぐには治らないことがよくありうことですか。根気よくというと、今後もまだまだ治らないとい指導で根気よく、治療していってください。子さんを少しでも楽にしてあげることですから、先生のようです。しかし、病名が大切ではなく、大事なのはお発発育達発達遅滞とは? お母さんには伝えて、治療は喘息対応の先生とがあるす﹂とソフトにいう先生と﹁喘息とまではいえません﹂とな場合、﹁喘息です﹂と言い切る先生と、﹁喘息傾向でルギーによる咳と考えられているのでしょう。このよう発達遅滞とは ? 療ですから、喘息と病名はつけないけれど、この咳はアレ 10か月も続く咳とたびたび起こす中耳炎。喘息ではないといわれていても喘息？ −4才Eくんのママの電話相談から− 先生 ● インタールの吸入は喘息の治います。まはインタールの吸入をすすめられて抗生物質などの服用ですが、いいますか。先生 ● いまはどのような治療をしてはないとはっきりいってくださいました。いえ、かかりつけの先生は喘息で先生 ● 喘息の感じですね。耳炎もたびたび繰り返しています。っと薬づけ。ゼーゼーもあります。中もう 10 か月も咳が続いていて、ず Q 1才5か月の検査で知能程度は9か月程度だから発達遅滞といわれました。「発達遅滞」の意味がわからないのでかかりつけの先生に聞いたら、「知恵遅れのこと。残念でしたね」といわれてショック。1才半のいま言葉はまるでなく、理解力も低いのですが、私はこれからどうしたらいいのか途方に暮れています。 A 知恵遅れというのは病名ではありません。遅れている原因はいろいろあるのですが、この年齢で遅れている原因を判断することは難しいでしょう。いまはなるべくお母さんが日々この子とかかわってあげることが大切です。そしてできれば同じ先生に続けて様子をみていってもらいましょう。多くの自治体では、このような子供を集めてのサークルがあるので、保健センターに問い合わせてみてください。程度が軽いようなら保育園や幼稚園に通わせるのもいいのです。いまはお母さん自身が理解できず、納得もいかないでしょうが、できればまわりの力も借りて、誰かと一緒にこの子をみていくという姿勢をもってほしいですね。そして、まわりの子と見比べてわが子の発達をきちんと把握していってください。