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元気に飲む! 愉快に遊ぶ酒マガジン
特集
年4回発行(10月・12月・3月・7月) 2007年秋号 第1巻第1号(通巻1号)
ニッポンはウイスキーがすごい! 秋
秋鯖に合わせるワイン & 日本酒
木村克己のテイスティングノート 心にしみる秋の燗酒
世界の酒場から/酒飲みの健康学
酒と料理のぴたぴたサイエンス
人と社会にとってよい酒のあり方を考える
発行
2007
特集 ニッポンはウイスキーがすごい!
前者はスコットランドと日本の環境の違
いによるものです。スコットランドではたく
さ ん の 蒸 溜 所 が 独 自 の 原 酒 を つ く り、 必 要
に 応 じ て 融 通 し あ う 仕 組 み が あ り ま す。 ブ
レンデッドウイスキーが主流だったことも
あ り、 自 社 で タ イ プ の 違 う 原 酒 を い く つ も
製 造 す る 必 要 性 は 高 く あ り ま せ ん。 と こ ろ
原 酒 を 自 社 で 製 造 し て き た こ と が、 結 果 と
ここ数年、蒸溜酒の世界的なコンクールで、日本のウイスキーがトップクラスの
成績をおさめています。シングルモルトウイスキーのブームも手伝って、ウイス
キーが元気です。今回は世界レベルにある日本のウイスキーの足跡をたどったう
えで、晩酌価格帯のウイスキーをテイスティングします。皆さんもご自宅で飲み
比べてみてください。
が日本では輸入するか自社製造するしかあ
を 目 指 し て 来 ま し た。 そ れ は 品 質 と ブ ラ ン
して技術レベルを引き上げたのです。
り ま せ ん で し た。 バ ラ エ テ ィ に 富 む 良 質 な
ドの両面で追いつくという仕事でした。
を 自 社 で 製 造 し て き た こ と と、 一 九 八 〇 年
で 受 賞 で き る よ う に な っ た 理 由 を、 同 社 は
す。 二 〇 〇 〇 年 以 降 国 際 的 な 賞 を 相 次 い
市 場 が、 一 九 八 九 年 の 酒 税 法 改 正 で 壊 滅 的
な打撃を受けたことが強く影響しました。
こ の 税 改 正 で は、 高 級 ウ イ ス キ ー の 大 減
税 と、 エ コ ノ ミ ー ク ラ ス 商 品 へ の 大 増 税 が
同 時 に お こ な わ れ、 ウ イ ス キ ー の 階 層 型 ブ
ラ ン ド 体 系 は 崩 壊 し ま す。 五 千 円 の ウ イ ス
キ ー が 法 改 正 の 翌 日 に は 三 千 円 に な り、 千
円 だ っ た も の が 千 五 百 円 に な っ た の で す。
飲 み 手 の ウ イ ス キ ー へ の 不 信 感 は 深 く、 高
級 イ メ ー ジ が 崩 れ た こ と で バ ー・ ク ラ ブ も
困 り、 ギ フ ト に も 使 い に く い と い う 厳 し い
状況に陥りました。
こ う な っ て し ま う と、 品 質 や 味 わ い を 訴
えても、飲み方や飲むシーンを提案しても、
メッセージはなかなか届きません。
日本のウイスキーが国内でもがいている
間 に、 海 外 で は ウ イ ス キ ー を は じ め と す る
蒸溜酒のブランドビジネス化が加速しまし
た。 蒸 溜 酒 ビ ジ ネ ス は、 ビ ー ル の よ う に 現
地 に 生 産 拠 点 を 構 え 量 産・ 量 販 を 図 る こ と
は 稀 で す。 ビ ジ ネ ス の 質 は、 香 水 や 服 飾 品
のようなブランド力で勝負するものに近い
の で す。 長 期 的 に は、 特 に 上 級 品 は 国 際 的
に通用するブランドであるかどうかが成否
を分けるでしょう。
記しておきたいと思います。
ここに、いつの日かウイスキーで、﹁ニッ
ポン﹂がスコッチと並ぶブランドになる夢を
む文化は確実に厚みを増しました。
に 浸 透 し て き て い ま す。 ウ イ ス キ ー を 楽 し
ま た、 蒸 溜 所 や 樽 の 個 性 を 愛 で る シ ン グ
ル モ ル ト・ ム ー ブ メ ン ト は、 日 本 で も 静 か
キリンウイスキー富士山麓シングルモルト17
年。富士御殿場蒸溜所は熟成が早く進む小
樽熟成を徹底している。ウイスキーマガジン
(写真左)
社のコンクールで高評価を獲得。
品質はトップクラス
代まで順調に伸びた国内消費を背景に積極
八〇年代の蒸溜所改修工事によるところが
品 質 面 で は、 す で に 追 い つ い た 観 が あ り 後 者 は 昨 年、 サ ン ト リ ー が 蒸 溜 釜 の 入 れ
ま す。 原 動 力 は、 さ ま ざ ま な タ イ プ の 原 酒
替え工事をおこなったことが象徴していま
的 な 設 備 投 資 が お こ な わ れ て き た こ と が、
大 き い と 評 価 し、 今 回 の 投 資 を 将 来 の た め
日本で最初のウイスキー蒸溜所がサントリー
山崎蒸溜所。山崎シリーズはこの蒸溜所のシ
ングルモルトウイスキー。
サントリー社の国際コ
(写真上)
ンクールでの受賞歴は特筆もの。
日本で本格的なウイスキー製造が始まっ
た の は お よ そ 八 〇 年 前。 以 来、 日 本 の メ ー
写真提供:アサヒビール株式会社
大きかったように思われます。
に必要なことだと説明しています。
失 われ た 年
そし て 世 界へ
18
一 方、 世 界 的 な ブ ラ ン ド に す る た め の 努
力は始まったばかりです。国内のウイスキー
★ハイボール
氷とソーダを加えて軽く混ぜ
る。ウイスキーを冷蔵庫で冷
やしておき、氷を使わないスタ
イルもある。ソーダをトニック
ウォーターに変えたり、
レモンス
ライスを添えたりして自由自在
に楽しみたい。
★ストレート
ウイスキーをそのまま味わう。一
般的なものでアルコール度数
は37∼43%、
カスクストレング
スは50%を超えるのでそのつ
もりで。常温が一般的だが、軽
く冷やすと味が締まる。
オンザロックス★
ロックグラスに大き目の氷を入れてゆっくり楽
しむ。
家庭用の冷蔵庫のキューブアイスはすぐに溶
けて酒が薄くなってしまう。ロックアイスを準
備するのがベター。
水割り★
ウイスキー1に対して水を2∼2.5加えるのが
一般的。TPOに合わせて濃さを加減できるの
も利点。
香りを楽しむなら氷を入れず1:1でのトワイス
アップがお奨め。
ニッカウヰスキーの余市蒸溜所のシングル
モルト。世界的に珍しくなった石炭直火蒸溜
を今も続ける。余市シリーズも国際コンクー
(写真左上)
ルでの受賞多数。
カーはスコッチウイスキーに比肩すること
ウイスキーの世界コンテストWWA2007年の最優秀賞表彰式。
向かって左から2人目が久光哲司氏
(ニッカウヰスキー チーフブレンダー)
、
向かって右端が輿水精一氏
(サントリー チーフブレンダー)
テイスティング商品概要
ソーダかトニックウォーターで
右田
ほのかな香りとクセのな
い 味 わ い が 特 徴 と い え ば 特 徴。
甘味が出てきます。
ニラの印象が強かったです。
余 韻 が 長 い で す ね。 味 わ い は バ
タックがずっしりあってバラン
昔とは段違いにおいしい
︱ひととおり試飲した感想は?
割 る と い い と 思 い ま す。 骨 格 は
ウイスキーなのですが味が邪魔
で は な い。 グ レ ー ン ウ イ ス キ ー
ス が い い。 こ の ク ラ ス と し て は
右田
このクラスのウイスキー
は 久 し ぶ り、 二 〇 年 前 よ り す ご
右田
味はしっかりしています
が、 そ ん な に 複 雑 味 が あ る わ け
くよくなったと思います。
しないので。
︵麦芽以外の穀物を原料とする
ウ イ ス キ ー︶を 熟 成 さ せ る と こ
んな感じになる。
ほかは二千円以下、ブラックニッ
︱ 山 崎 一 〇 年 は 四 千 円 く ら い、
向井
わずかにスパイシーな香り
があり、ややドライなアタックで、
レンドは?
︱次のブラックニッカクリアブ
リ ッ シ ュ タ イ プ。 ロ ッ ク で よ さ
このウイスキーは樽味のアイ
向井さんがバニラの印象とおっ
カクリアブレンドとボストンク
しゃったのは、樽の味でしょう。
ラブ淡麗原酒は千円しません。
シンプルなバランスのよさが特 徴
瓶は角でも味は丸
が引き立つと思います。
で は、 順 番 に 感 想 を お 聞 か せ く
バランスが崩れないところ。
向井
香りがおとなしく口に含
む と バ ニ ラ の 風 味 が あ る。 ア ル
麗原酒はいかがでしたか?
︱サントリー角瓶はいかがでし
この酒はアイリッシュウイス
コ ー ル 度 数 を 感 じ さ せ ず、 と に
たか?
キーに似ていてピート臭がな
かくバランスがいい。
右田
日本のウイスキーの特徴
は そ こ で す ね。 か な り 薄 く し て
い。ブッシュミルズとかに近い。
もバランスがいい。
ペリエで割るとうまそうだな。
度は?
ん ご 系 の 香 り を 感 じ ま し た。 ア
ラ、 レ モ ン タ ル ト、 蜂 蜜、 青 り
り が は っ き り し て い ま す。 バ ニ
いウイスキー︶に近い度数で、香
向井
カ ス ク ス ト レ ン グ ス︵ 樽
から出したまま加水をしていな
う な も の。 お も し ろ い も の が で
向井
スタイル的には角瓶に似て
︱次はサントリーオールドです。
と水のように入っていく。
す。 軽 く て き れ い で、 ツ ル ツ ル
クセがあったと記憶していま
︱富士山麓樽熟
で す。 シ ン グ ル モ ル ト 余 市 は い
き れ ば、 味 の バ ラ エ テ ィ が ぐ ん
と 増 え る。 一 滴 入 れ る だ け で
まったく違う味わいになります
から。
います。 バランスがよくて、 バニ
いしくて、気軽に飲める。
と 注 目 し た い で す ね。 安 く て お
︱﹁ 楽 飲 み ウ イ ス キ ー﹂に も っ
すね。
ンキングの世界でのおいしさで
キ ー は 新 鮮 で す。 イ ー ジ ー ド リ
機 会 が 多 い の で、 今 日 の ウ イ ス
向井
最近はシングルモルトの
カスクストレングスを試飲する
ルト。はっきり線が引ける。
ちですが、まちがいなくうまい。
ドで飲んじゃうから見落としが
う 世 界 の ト ッ プ ク ラ ス。 ブ ラ ン
右田
どう飲んでもうまいです
ね。 日 本 の ウ イ ス キ ー の 味 は も
安いですね。
奨めです。これで四千円ですか。
長 い。 氷 を 入 れ な い 水 割 り が お
向井
ピーティさが加わって柚
子茶やオレンジの花の香りが特
︱最後は山崎一〇年です。
ラまで行かないウエハースのよう
れがイメージするウイスキーら
右田
このへんになるとスト
レ ー ト で お い し く な る。 わ れ わ
がしっかりしています。
味 に は か な り 複 雑 さ が あ り、 ス
タ ッ ク は ド ラ イ で ス パ イ シ ー、
ク セ ン ト に な っ て い ま す。 ア
ル ー テ ィ な 香 り が 支 配 的 で、 ス
協力⋮バブルバー
東京都港区赤坂四の一の二
シントミ赤坂一ツ木ビル八階
電話 〇三・三五八三・九一三六
︵二〇〇七年九月一三日︶
徴 的。 ア タ ッ ク は 複 雑 で 余 韻 が
な甘いトップノート︵ 最 初に感じ
し い 味 と 香 り、 お 奨 め は ロ ッ ク
トレートでお飲みいただくのが
いいと思います。
右田
同 感 で す。 そ れ に し て も
こ の 香 り は す ご い。 一 五 年 と か
かなり長く熟成した原酒も使っ
向井畝津子(むかいせつこ)
異酒格闘家。酒匠、CWE、バーテンダー、
2004年最優秀ベネンシアドール。第1回スペ
インワインコンテスト優勝、第1回国際ゴール
ドソムリエコンテスト準優勝、第1回シェリー・カ
クテル・コンペティション・ファイナル出場。
パイシーさやピートの香りがア
か な。 冷 や す と 味 が し ま っ て 飲
みやすくなる。
完熟果実が香る
シングルモルト余市
キーの熟成は一二年くらいを過
て い る の で し ょ う ね。 ウ イ ス
︱ここからはモルトウイスキー
ぎ る と、 香 り を つ く っ て い る よ
右田圭司(みぎたけいじ)
酒類総研グループ代表。
「焼酎アドバイザー」
および「きき酒師」の資格の創始者で日本酒
サービス研究会・酒匠研究会連合会
(SSI)
会
長を務める。世界の酒・食文化調査で訪れた
国は156カ国におよぶ。
http://www.fbo.co.jp
http://www.sakejapan.com
る香 り︶がある。 水で割っても味
向井
こ の お 酒 は、 リ ン ゴ や あ
ん ず の ジ ャ ム、 白 桃 な ど の フ
右田
前 半はアイリッシュタイプ
で、角瓶とオールドが昔からの日
向井
今までとは別世界ですね
︵笑︶。
かがでしたでしょうか?
50
本のブレンデッド、ここからはモ
す。 昔 は も っ と キ ッ ク が 強 く て
右田
び っ く り し ま し た。 こ ん
な に お い し か っ た? て 感 じ で
向井
口に含んだときのアタッ
ク は 柔 ら か く、 バ ニ ラ の よ う な
です。 驚いたのは水割りにしても
樽の味が際立つ
富士山麓樽熟 度
50
だ さ い。 ま ず ボ ス ト ン ク ラ ブ 淡
うか?
これらはおいくらするのでしょ
ていると感じました。
向井
ふだん気楽に飲むウイス
キ ー と し て は、 上 手 に ま と ま っ
!
︵ 麦 芽 を 原 料 と し た ウ イ ス キ ー︶
テイスター プロフィール
世界トップクラスの品質を誇るニッポンのウイスキーですが、
晩酌価格帯の商品にもその技術は生かされています。代表的な
七点を選び、さまざまな酒に精通するお二人にテイスティング
していただきました。
905円
904円
1193円
1414円
1504円
1600円
4000円
小売価格:640ml
小売価格:700ml
小売価格:600ml
小売価格:700ml
小売価格:700ml
小売価格:500ml
小売価格:700ml
アルコール度数:37度
アルコール度数:37度
アルコール度数:50度
アルコール度数:40度
アルコール度数:40度
アルコール度数:43度
アルコール度数:40度
❶ボストンクラブ淡麗原酒
❷ブラックニッカクリアブレンド
❸富士山麓樽熟50°
❹角瓶
❺ザ・サントリー・オールド
❻シングルモルト余市
❼シングルモルトウイスキー山崎10年
楽飲みウイスキーを本気でテイスティング
❼
❻
❺
❹
❸
❷
❶
右田圭司(SSI会長)VS 向井畝津子(異酒格闘家)
※価格はメーカー希望小売価格
(消費税別)
秋の夜長にウイスキーが、
ちょっといい理由
さが、ウイスキー通には気軽に飲めるウイス
キーとして、ウイスキー初心者には入門ウイ
スキーとしてウケている。さらに、くせ者 か
かぐわしいと感じるか、 煙っぽい と感じる
文・田中四海
も が 一 度 は 目 に し た こ と が あ る、 ひ
か は 人 そ れ ぞ れ だ が、 後 者 の 場 合、 ウ イ ス
ら退散した人たちを再びウイスキーの世界に
げのおじさん 。片手に大麦の穂を持
キーは封印されてしまうことに。﹁ウイスキー
し む な ら グ ラ ス に ウ イ ス キ ー を 注 ぎ、 ウ イ
呼び戻すきっかけにもなった。
ち、鼻にグラスを近づけ、原酒をテイスティ
はクセがあるので苦手﹂の くせ者 の正体は
スキーの倍量の水を加えたら最後に大きめ
秒ほ
ど 待 っ て 味 を な じ ま せ た ら 出 来 上 が り。 ふ
個。 マ ド ラ ー で よ く 混 ぜ て
の 味 わ い 方 は さ ま ざ ま。 水 割 り を 楽
の﹃ブラックニッカ クリアブレンド﹄
ングしている、あのおじさんである。ちなみ
ピートの香りがしみた大麦麦芽だといっても
の氷を
誰
に 大 麦 は モ ル ト ウ イ ス キ ー の 原 料 だ。 彼 の
大げさではないだろう。しかしピートはウイ
スキーづくりではスパイスのような存在でも
わ り と 軽 や か な 香 り が し て、 冷 た く 心 地 よ
こ
名 は﹃ キ ン グ・ オ ブ・ ブ レ ン ダ ー ズ ﹄
、世界
あ る。 料 理 の 味 わ い に 個 性 と 深 み を 与 え る
一の鼻ききといわれていた ・ ・ロウリー
卿がモデルだとか。
﹃ブラックニッカ クリア
い味わいと喉越しが気分も軽やかにしてく
するなら氷を
とき数々のスパイスを駆使するが、これを全
イムかな﹂と、頬がゆるむ。さて、ひげのお
ウ イ ス キ ー を 注 ぎ、 ソ ー ダ で 割 る。 カ ク テ
ブレンド﹄のラベルのうえでグラスを傾けて
じさんでおなじみの﹃ブラックニッカ クリア
ル感覚を味わうならグラスにミントの葉を
れ る。 ノ ス タ ル ジ ッ ク な ス ッ キ リ を 堪 能
ブ レ ン ド ﹄だ が、 誕 生 し た の は 1 9 9 7 年、
多 め に 入 れ て 潰 し、 ウ イ ス キ ー と ミ ン ト リ
個入れたタンブラーに
日 本 で 初 め て ノ ン ピ ー ト・ モ ル ト を 使 用 し
キ ュ ー ル を 入 れ、 ク ラ ッ シ ュ ド ア イ ス を 詰
にかけて掘り出したものを数ヶ月乾燥させ
ている。ピートは堆積した草炭で、春から夏
わないノンピート・モルトでつくったモルト
ラックニッカ クリアブレンド﹄
。ピートを使
そ ん な 疑 問 を 見 事 に 吹 き 飛 ば し た の が﹃ ブ
自分だけのクリアブレンドカクテルなんて
クセがないからこそできる飲み方いろいろ。
﹃ブラックニッカ クリアブレンド﹄の独壇場。
て も 面 白 い。 バ ラ エ テ ィ 豊 か な 楽 し み 方 は
イムとソーダ、ちょっと変わったところでレ
て、ウイスキーの本場スコットランドでは暖
ウイスキーに良質のグレーンウイスキーをブ
つくってみるのもいいかもしれない。
統的なモルトウイスキーはピートを
炉などの燃料として用いていた。このピート
レンド。文字通りブレンドの妙が、これまで
クセのない味わいとスッキリとした飲みやす
を大麦麦芽を乾燥させるために使用するの
バ ー を ま と う。 香 り を か い だ と き、 こ れ を
で、ウイスキーは独特のスモーキー・フレー
モネード風にしたり果実のジュースで割っ
3
焚いて乾燥させた大麦麦芽を使用し
、
たクセのないサラッとした味わいで人気を
め、 ソ ー ダ で 満 た し ス テ ア す れ ば 完 成。 ラ
く使わずに美味いものがつくれるだろうか?
30
いる姿を見るたびに﹁そろそろウイスキータ
3
博し、現在も愛され続けている。
P
に類を見ないウイスキーを誕生させた。以来、
さ て、 今 夜 は ど ん な﹃ ブ ラ ッ ク ニ ッ カ ク
リアブレンド﹄を楽しもうか。
伝
2
W
醤油
鯖
醤 油
=
乳 酸
+
タンニン
+
アミノ酸
+
香 り
香 り
レモン汁
=
香 り
やや軽い
辛口
赤ワイン
=
+
アミノ酸
+
タンニン
+
リンゴ酸
酒石酸
+
乳 酸
+
アミノ酸
少々
+
タンニン
=
+
+
クエン酸
リンゴ酸
酒石酸
鯖
塩
食酢 バジル
レモン汁
鯖は温旨系の食材
︵コクと渋
鯖は運動量の多い魚で、肉に乳酸
みをもつ酸︶がたくさん含まれています。それ
は乳 酸が多いボルドーの高 級 赤ワインの二∼
三倍に相当し、さらに脂が加わって典型的な
﹁温旨系︵こってり系︶
﹂の食材になります。温
旨系とはワインで言えば、室温でおいしいも
のと相性がいい食材・調味料です
︵第 表︶
。
塩焼きなら﹁やや軽い辛口の赤ワイン﹂
き もと
﹁生 系純米酒﹂
温旨系食材の鯖ですが、調理方法や調味料
によってぴったり合うお酒が変わってきます。
1
鯖は塩焼きにすると脂が落ちて少しさっぱ
り し ま す。 さ ら に レ モ ン 醤 油︵ 普 通 の 辛 口 醤
表 ︶の 位 置 が 左 に 引 っ 張 ら れ ま
油 に ほ ぼ 同 量 の レ モ ン を 搾 る ︶を か け る と、
相 性 表︵ 第
度くらいに軽
度前後︶で合わせるのがいいでしょう。ワ
しめ鯖には﹁苦味ある辛口の白ワイン﹂
﹁さっぱりした本醸造酒﹂
機会に譲ります。
発していますが、詳細をご説明するのは後の
インと料理の相性表と日本酒との相関図も開
︵
鯖に醤油だけをか
日本酒ならば焼き立てやの
まはい
けて、﹁生 純米酒﹂や﹁山廃純米酒﹂をぬる燗
整したわけです。
表上では右方向にひっぱるので、レモンで調
まれていて、温旨系調味料の典型です。相性
りました。醤油には鯖よりも多くの乳酸が含
鯖の塩焼きとワインがぴったり合うようにな
た 酸︵ リ ン ゴ 酸 と 酒 石 酸 ︶と が バ ラ ン ス し て、
やや多く含まれるブドウ由来のすっきりとし
ポイントはレモンです。レモンのすっきり
したクエン酸と、やや軽い辛口の赤ワインに
です。
うのは、口内調味でおいしさが増すことなの
口の中に広がります。お酒と料理が合うとい
鯖だけでも感じられない一段上のおいしさが
に口に含んで噛んでみると、ワインだけでも、
く冷やして合わせます。焼鯖とワインを一緒
ば キ ュ ベ・ ミ テ ィ ー ク 等 ︶を
す。 こ れ に﹁ や や 軽 い 辛 口 の 赤 ワ イ ン ﹂
︵例え
1
︿ 塩焼き鯖 ﹀
香 り
15
︿ 鯖の塩焼き・
レモン醤油 ﹀
魚 臭
&
鯖は秋になると脂が
のっておいしくなります。
今回は代表的な鯖の家庭料理である﹁塩焼き﹂と
﹁しめ鯖﹂をおいしくいただくワインと日本酒をご紹介しましょう。
やや軽い
辛口赤
1 1
︵レモン醤油︶
+
苦みある
辛口白
ワイン
※日本酒とワインの相関図表は後日詳細を解説
筆者プロフィール
株式会社ワイン総合研究所 藤原正雄・渡辺正澄
ワインと料理の相性を科学的な視野から切り込み、感覚で語られていたこの分野に新境地を開拓。
後に株式会社太田商店
(東京都)
の協力を得て、
その理論を清酒にも応用展開。
苦みのある
辛口白
塩
レモン汁
( 酢 じ め )
︿鯖の塩焼き﹀
︿しめ鯖﹀
日常料理
旨味成分
お酒のタイプ
+
=
しめ鯖は、塩に漬けたときに鯖の脂・乳酸・
臭みなどが浸透圧で外に吸い出されます。そ
こに生酢を滲み込ませ、塩と酢の加減でちょ
うどよい丸い味わいに仕上げる料理です。そ
のため相性表の位置はずっと左に移動して
度くらいのところに落ち着きます︵第 表︶
。
﹁さっ
日本酒ならばバジルを青紫蘇に替え、
ぱりした本醸造酒﹂を軽く冷やして︵ 度∼
含むと、一層豊かなおいしさが広がります。
あたりはぴったり合ってきます。一緒に口に
辛 口 の 白 ワ イ ン ﹂で す。 ソ ア ー ベ・ ク ラ シ コ
激 さ れ る こ と で し ょ う。 ワ イ ン は﹁ 苦 味 あ る
に食べてみます。ひと味違ったおいしさに感
このしめ鯖にバジルの葉の千切りを少々の
せ、レモン汁をちょっと搾り、醤油をつけず
9
やして︵
度前後︶を合わせると、食卓に満足
度 ︶、 あ る い は﹁ コ ク の あ る 純 米 吟 醸 酒 ﹂を 冷
20
油 分
バジル
1
15
+
クエン酸
43
感が充ちてきます。ぜひお試しください。
15
乳 酸
=
&
香 り
=
レモン汁
鯖の塩焼きにはワインなら
「やや軽い辛口赤」、
日本酒は
「生 」
か
「山廃」
の純米酒がお奨め
しめ鯖は
「苦味のある辛口白ワイン」。
日本酒なら
「さっぱりした本醸造酒」
や
「コクのある純米吟醸酒」
がおいしい
香 り
20℃
15℃
12℃
9℃
鯖
酢 酸
+
魚 臭
+
旨味成分
+
=
少々
しめ鯖
(相性に関係する主要成分のみ示す)
(相性に関係する主要成分のみ示す)
5℃
]
系
旨
温
][
系
間
中
][
系
旨
冷
[
( こ っ て り 系 )
( さ っ ぱ り 系 )
油 分
第1表 ワインと料理の相性表
第2表 鯖の塩焼きとやや軽い辛口の赤ワインとの相性
第3表 しめ鯖と苦みある辛口の白ワインとの相性
1
常識破りの意欲作
奥の松 全米吟醸
最初に試すのは奥の松酒造︵福島県二本松
市︶の奥の松全米吟醸。ゼンベイではなくゼ
ンマイと読む。
奥の松酒造はリーズナブルな価格のキレ
黒麹の酸味が生きる
福正宗 純米完熟辛口
酒 通 を 唸 ら せ て き た。 ま た 福 正 宗 を 醸 す 蔵
元﹁ 福 光 屋 ﹂は、 二一世 紀 を 迎 え る と 同 時 に
高峰フォーミュラ・ニッポンの表彰台では、
年 間 に 急 成 長 し た。 日 本 の カ ー レ ー ス の 最
の よ い 吟 醸 酒 を 得 意 と す る 酒 蔵 で、 こ の
何杯でも杯を重ねていける酒です。
で味の伸びがよく、さらさらとしたあと口。
を お く と 吟 醸 酒 の 香 り が 立 ち 上 が る。 繊 細
優勝者が同社のスパークリング日本酒﹁純米
さ ら に お 燗 を す る と、 香 り の バ ラ ン ス が
崩 れ ず に、 味 が よ り ス ム ー ズ に 溶 け 込 ん で
今 回 テ イ ス テ ィ ン グ す る 全 米 吟 醸 は、 同
社 が 社 運 を か け て 送 り 出 し た 意 欲 作。 吟 醸
と ま り 感 が 崩 れ な い。 晴 れ 晴 れ と 澄 ん だ あ
き 立 ち ま す が、 少 し 温 度 を 上 げ て も 味 の ま
大吟醸FN﹂を振る。
酒 の 香 り を 立 た せ、 軽 や か に 仕 上 げ る た め
と 口 で す。 控 え め な 中 に き ら っ と 光 る も の
い く 感 じ。 こ の 酒 は ぬ る め の 燗 で よ さ が 引
に加える添加用のアルコールに、自社の純米
を持っている、よくできた酒ですね﹂
奥
● の松 全米吟醸
酒を蒸溜したものを使う。添加するアルコー
ル の 味 に も こ だ わ り、 す べ て 米 を 原 料 と す
るという斬新な発想の商品だ。
木村氏はこの酒を試して次のように語る。
﹁常温だと、最初にマシュマロを焼いたよう
し い お 米 を い た だ い た 時 の 旨 み、 甘 み が 出
な 洋 菓 子 に 近 い 香 り が あ り ま す。 少 し 時 間
す べ て 純 米 酒 に 切 り 替 え た。 本 来 の 姿 に 立
てきます。それでいて、からっとした乾いた
あと口で、とてもよくできている酒ですね。
ち 戻 る こ と こ そ、 日 本 酒 の 未 来 を 切 り 拓 く
という信念からだ。
焼 酎 で も 好 ん で 使 わ れ る よ う に な っ た。 南
球 泡 盛 で 使 わ れ て い た も の で、 近 年 は 本 格
な 感 じ が、 次 の ひ と 口 を 誘 う よ う な 魅 力 的
う か、 切 れ 上 が る 感 じ で、 舌 に 残 る ド ラ イ
思います。スムーズというか、シャープとい
福 正 宗﹁ 純 米 完 熟 辛 口 ﹂の 特 徴 は 原 料 に 黒 こ の 酒 は、 冷 や も い い で す が、 熱 燗 で い
麹 を 使 用 し て い る こ と。 黒 麹 は も と も と 琉
ただくとまたおもしろさが楽しめる酒だと
国 で 広 が っ て い る の は、 酸 を 多 く 出 し 醗 酵
な酒です﹂
倍以上
ウイスキーを飲むことが
増えた人が 割
たる。
で、支出金額実数では 倍にあ
最低所得層の
福
● 正宗 純米完熟辛口
上司と部下の割り勘比率
対
%の
液が腐敗しにくくなることが一番の理由だ。
をもった酒に仕上げるため。
黒麹を使った清酒の本格的な商品化はこ
れ が 日 本 で 初 め て。 狙 い は し っ か り し た 酸
な い の が い い。 お い し い と 思
品の量は少
実りの秋は、まさしく食欲の
秋︱︱。おいしいものに、あれ
えることが大事。そういう料理
んで食べる。 品
もこれも箸をのばしていたの
品 あ る の が ポ イ ン ト。
会社の人とお酒を飲むのは
平均で月に 回で、予算は一回
が毎食
おいしい思いが脳から身体全
あ た り 四 八 五 一 円。 よ く 出 る
では、メタボの注意信号が点滅
する。
体に伝わると、幸せ感に包まれ
話題は﹁仕事の話﹂
︵
%︶、﹁仕
る。 こ れ で 食 べ 過 ぎ ず、 カ ロ
事のグチ﹂
︵
ちなみに部
下 と 飲 みに
代で
%、 ト ッ プ の
%もある。
代では
二 円で、割
下が三九二
七三円、 部
にウイスキーの深い味わいに
い う 意 見 の ほ か、﹁ 年 齢 と と も
ターにモルトを奨められた﹂と
=612
年 酒文化研究所調べ︶
いう声もある。︵
スキーを嗜むようになった﹂と
にゆとりができ、ゆっくりウイ
気 が つ い た ﹂や﹁ 退 職 し て 時 間
は、酒類の支出に占めるワイン
したグループ︶の最高所得層で
年の家計調査によると、所
得五分位︵所得順に並べ五等分
富裕層はワインがお好き
年 キリンビール調べ︶
=9140
対 。
︵
り勘 比 率は
払額は五八
の上 司 の支
﹁雑誌でシングルモルトの
特 集 を 読 ん で ﹂や﹁ バ ー の マ ス
行った 場 合
%。年齢別で見ると 代と
%︶、﹁ 職 場 の 噂 ﹂
﹁今年になってウイスキーを
飲むことが増えた﹂という人は
︵ %︶がトップ 。
52
メ タ ボ と は、 あ っ と い う 間
に老若男女に知れわたった病
リーが抑えられる。
医学ジャーナリスト/松井宏夫
ら り と し た 味 わ い。 そ の 後 に 続 い て、 お い
料 理 と と も に 磨 き こ ん だ 味 わ い は、 全 国 の
この酒を木村氏はどのように見たか?
﹁ 第 一印 象 は ヒ ノ キ や 緑 を 思 わ せ る 香 り の さ
福正宗は金沢を代表する銘酒。繊細な加賀
10
3
名﹁ メ タ ボ リ ッ ク シ ン ド ロ ー
ム﹂の略称。ベースになるのは た と え ば 朝 に 秋 鮭 の 焼 き 魚、
内 臓 脂 肪 の 蓄 積 で あ る。 事 実、
秋に太る人は多い。メタボを心
配しないで、おいしく上手に食
べられないものだろうかと誰
もが思う。そして、こうなると、
矢面に立たされるのが太ると
酒をチョッと一杯。こんな食生
N
言われるビールだ。
基本的に問題は、酒の肴を食
べ過ぎることに尽きる。人間は
活を実践し、昨年の秋から 年
キロ体重を減らし
4
だが、ビールもアルコールは
エンプティ・カロリー。つまり
空っぽで、あっという間に身体
冬 眠 を す る わ け で は な い の で、
で、 私 は
30
07
の熱となって消えていく、と言
し ゃ に む に 食 べ る 必 要 は な い。
た。その程度でも十分にメタボ
昼 は 鯖 の 味 噌 煮 定 食、 そ し て、
そ こ で 秋 こ そ、 メ タ ボ 対 策 と
対策になる。メタボ対策は無理
夜は秋刀魚の刺身をメインに
し て﹁ 腹 で 食 べ ず に、 頭 で 食 べ
なく長く続けられることが基
われる。
アルコール度数:15度
日本酒度:+5 酸度:1.3
メーカー希望小売価格:
720ml 1092円
(税込)
問合せ:奥の松酒造株式会社
TEL 0243
(22)
2153
3.4 2
50 20
1
る ﹂を実践してもらいたい。
3
N
増えていない 72%
4
の割合が %にのぼる。これは
増えた 28%
6
43
3
1.8
1
本なのである。
29
28
35
今年になってウイスキーを飲むことが増えた
食欲の秋はメタボにご用心
80
6
この秋、お宅ではもうおでんは食卓に
登場しただろうか? 大根、こんにゃく、
ジャガイモ、ちくわ、はんぺんなど、
いろいろな素材の味を楽しめるおでん
は楽しい。そしておでんと言えば燗酒
である。今回はお燗でおいしい酒を
二点飲み比べてみる。
おいしいと思えるものを選
1
07
06
1
酒飲みの健康学 1
アルコール度数:15度
日本酒度:+2 酸度:1.6
メーカー希望小売価格:
720ml 824円
(税込)
問合せ:株式会社福光屋
TEL 076
(241)
2056
酒文化研究所調べ 2007年 N=612人
木村克己
1980年の第一回パリ国際ソムリエコンクール日本代表として総合4位。1990年に日本
酒サービス研究会・酒匠研究会連合会を設立し初代会長に就任( 現在は相談役 )。
日本酒造組合中央会公認「日本酒スタイリスト」。
2
酒の
データボックス
7
!
世界の酒場から
ホーチミン
犬肉酒場の夜は更けて
新着﹁酒の本﹂
■
号 で は 輿 水 精一氏︵ サ ン ト
ベトナム
●
ホーチミン
犬
q肉酒場で出会った笑顔の青年。
名様
値
u段も酒もさまざま。
酒は漏斗で空瓶に計り分ける。
清
e涼飲料の空き瓶に入った酒。
お通しにライムがあるのがうれしい。
読者プレゼント
❶奥の松 全米吟醸 720㎖
﹁ 火 が 通 っ て い る か ら 大 丈 夫 だ ろ う ﹂と 不
安を強引に打ち消して口に運んだのは犬の
モ ツ 肉 で あ る。 イ カ の 塩 辛 の よ う な タ レ に
つ け て 食 べ る と、 強 い ア ン モ ニ ア 臭 が 口 に
広 が る。 負 け て は な る か と 顎 に 力 を こ め て
噛み潰し、ごくりと飲みくだす。ふう∼。
ところが臭いがなかなか口の中から消えてく
れない。どうやらそれはモツ肉ではなくタレか
らのもので、醗酵からきているようだ。洗い流
してしまおうと焼酎をグイと呷る。
こ こ は ベ ト ナ ム の ホ ー チ ミ ン。 庶 民 的 な
店を探しまわってたどり着いたヘビーな酒
場だ。ガイドさんは﹁地元の人でもこんな汚
い店来ません﹂と不機嫌な顔をして、料理に
はまったく手をつけない。
テ ー ブ ル と 椅 子 は 塩 ビ 製、 ト タ ン の 屋 根
に裸の蛍光灯、猪口はぺらぺらのプラスチッ
ク、清涼飲料の空き瓶が徳利代わりである。
店 の 奥 に は 広 口 瓶 が 並 ん で い て、 コ ブ ラ や
薬草を漬け込んだ焼酎やもち米の醪を混ぜ
た 濁 酒 な ど が ず ら り。 注 文 す る と そ の 場 で
計り分けて、テーブルまで届けてくれる。
旅慣れた同行の友人は﹁大丈夫だよ。これ
くらい強い酒を一緒に飲んでいれば腹はこ
わ さ な い ﹂と 言 い 切 り 猛 烈 な 勢 い で 食 べ る。
私 は そ こ ま で 踏 み 込 め ず、 二 ∼ 三 口 食 べ た
だけで焼酎ばかりが進む。
経 済 成 長 著 し い 国 の 大 都 市 に は、 こ ん な
安 酒 場 が 集 ま る エ リ ア が ど こ に も あ る。 地
方 か ら の 出 稼 ぎ 者 が 集 う 店。 き れ い で は な
ブ レン ダ ー と し て の 仕 事 と 彼 の 仕 事 に 向 か う 姿 勢 が
純米完熟醗酵によるコクのある味わいと、 クエン酸のもたらす後味
❷福正宗 純米完熟辛口 720㎖
❹富士山麓樽熟
度の心
年 月 日撮影︶
いけれど、活力のある酒場である。
︵文・写真 酒文化研究所 山田聡昭
吟醸造りに欠かせない醸造アルコールに、奥の松の純米酒を惜し
げもなく蒸溜して使いました。すべてが新しい全米ブランドは吟
醸造りの未来を感じさせる逸品です。
丁寧に綴られている。
﹁誰もが共通して感じる絶対的
のよさ、キレ味のよさが特長です。
提供⋮奥の松酒造
なおいしさとか質感みたいなものがあるはず﹂という
名様
ひと言は圧巻。
︵一〇〇〇円・税別︶
提供⋮福光屋
冷やでよし、燗でよしの一本です。
る。
﹁ 優 等 生 で は 面 白 く ない ﹂と 題 さ れ た 彼 の 章 は、
リー チーフブレンダー︶の仕 事 ぶり が収 録されてい
を ま と め た シ リ ー ズ。
TV番組﹁プロフェッショナル﹂︵NHK︶の放送内容
﹃ プロフェッショナル 仕事の流儀 ﹄ 茂木健一郎
&NHK﹁プロフェッショナル﹂制作班=編 NHK出版
■
﹃ 蔵元を訪れ美食を楽しむ 日本酒入門 ﹄ 寺田好文著
ダイヤモンド社
名様
サトウキビ糖蜜を原料としたピュアな焼酎をベースに、大麦、ト
加 賀 鳶、 獺 祭、 龍 力、 鶴 齢など全 国 各 地の の蔵 元
❸宝焼酎﹁純﹂ % 720㎖
の酒 づくりをレポー トした 力 作。 用 語 や日 本 酒の歴
ウモロコシなどを原料とした
澄んだ飲み口、豊かに広がる甘い樽熟香に、アルコール
%使
史 な どの解 説は、 図 版 が豊 富で日 本 酒 ビギナーにも
用し、絶妙な味わいを実現。
に移り住んだ写真家。水の写真を撮り続けてきた彼
地よい余韻が残ります。清らかさの中に
提供⋮宝酒造
すっきりと、まろやかな焼酎です。
種類の厳選貯蔵熟成酒を
わかりやすい。著者は日本酒の蔵元のコンサルタント。
︵一六〇〇円・税別︶
■
を新たに魅了したのは、九州各地で造られる本格焼
広がる奥深い味わいが特長の、落ち着き
名様
酎。酒蔵に足しげく通って撮りためた写真は、製造
度 600㎖
現 場 だ け で な く 原 材 料 の 畑 や 飲 食 店 に ま で お よ ぶ。
のある上質なウイスキーです。
﹃ 本格焼酎をまるごと楽しむ ﹄ 白川湧著 新風舎
著者は名水の地として知られる熊本の白川水源近く
本 格 焼 酎 の イ ロ ハ を 知 る に も、 お 気 に 入 り の 焼 酎
提供⋮キリンビール
名様
の製造元の様子を知るにも手ごろな一冊に仕上がっ
❺﹁ブラックニッカ クリアブレンド﹂700㎖
13
50
ドがデザインリニューアル。ノンピート・モルトにより、
柔らかな香りとまろやかな味わいを実現。
クセのないサラッとした飲み心地です。
提供⋮アサヒビール
次号予告
季刊 さけ通信 2007年秋号10月15日発行 第1巻第1号
(通巻1号)
発行人:狩野卓也 編集長:山田聡昭 デザイン:株式会社アドアーツ 印刷・製本:株式会社かみたに
発行:株式会社酒文化研究所 〒101-0032 東京都千代田区岩本町2-16-15 第二中屋ビル TEL 03-3865-3010 FAX 03-3865-3015 http://www.sakebunka.co.jp/
カンボジア
5
1
タイ
5
5
11
5
30
ラオス
ひげのおじさんで親しまれているブラックニッカクリアブレン
10
た。ちなみに白川湧というお名前は本名。
︵一四〇〇円・税別︶
軒をとりあげる。ウイ
スキーハイボールの名店も収録。普段着の東京が垣
ボールやホッピーを出す店
﹃ TOKIO古典酒場 ︱昭和下町和み酒場編
﹄ 三栄書房
東京の下町の大衆酒場を紹介する第二弾。焼酎ハイ
■
25
50
特集…失敗しない日本酒選び
酒と料理のぴたぴたサイエンス…江戸前鮨と大阪寿司
木村克己のテイスティングノート…とっておきの日本酒
世界の酒場から…韓国済洲島のオメギ酒屋台
本誌は全国の酒専門店700店で200部ずつ配布いただいています。
入手できるお店の詳細は酒文化研究所のホームページ
(アドレスは下
記参照)
でご覧いただけます。
16
05
次号年末年始号は
12月10日発行です!
11
79
間見える。︵九三三円・税別︶
酒文化研究所のホームページの「さけ通信」読者プレゼントコーナーより応募いただけます。http://www.sakebunka.co.jp/
郵便・FAXでの応募は、住所・氏名・年齢・電話番号・希望のプレゼント・本号への感想を記入の上、以下にお送りください。
応募締め切りは2007年12月10日
(当日消印有効)、賞品の発送をもって発表に代えさせていただきます。なお、当プレゼントには20歳未満の方は応募できません。
○郵送の場合 〒101- 0032 東京都千代田区岩本町2 -16 -15 第二中屋ビル 酒文化研究所 読者プレゼント係 ○FAXの場合 03 - 3865 - 3015
応募方法
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