2010/2/4 東京都港区南青山 2-5-20 TEL: 03-5775-3163 URL:http://www.tdb.co.jp/ TDB 中期経済見通し (2009~2019 年度) ~ 日本経済の 10 年、厳しい就業状況が続くなか、少子・高齢社会への対応求められる ~ 概要 (1)今後 10 年間は低成長が続く、消費税の動向が最大の不確定要素 中期的に日本の経済成長のけん引役となるのは企業部門であり、堅調な輸出を背景と して設備投資は 2011 年度以降、増加基調に転じる。個人消費は安定的に推移するが、 消費税問題は個人消費や住宅投資に対して大きな不確定要素となる。また、世帯構成 の変化により住宅ストックがこれまでとは異なった姿となるであろう。2009~2019 年 度の日本の実質 GDP 成長率は平均+0.9%となる。また、2010~2014 年度の 5 年間で は平均+1.4%、2015~2019 年度の 5 年間では平均+1.1%になる見通し。 (2)人口減少社会に直面するなか女性や高齢者の労働参加向上が不可欠 労働力人口は一度減少したのち、徐々に増加していくと予測される。生産年齢人口の 減少により労働力人口の減少圧力は残るものの、女性や高齢者による労働市場への参 入が支える。しかし、この背景には、より切実な問題として、一人当たり雇用者報酬 がピークの 1997 年度から 2019 年度には約 30 万円低下するとみられ、家計を支えるた めに再び労働者として働きに出る傾向が強まる。一方で、就業環境は必ずしも楽観で きず、2019 年度の就業者数は 2008 年度より約 5 万人少なくなる。女性労働者の M 字 型構造が続くなかで労働力として女性の潜在力は大きく、ライフスタイルの見直しや 税制による支援など、子育てと仕事が両立できる労働環境を整えていく必要がある。 (3)物価動向、消費税率引き上げ時を除き、低位安定の状況が続く 物価は消費税率の動向に大きく左右されるものの、中期的に物価を規定するのは賃金 動向である。しかし、労働分配率が 1980 年代の水準程度まで低下し、賃金環境は一段 と厳しさを増し、物価は低位安定の状況が続くと見込まれる。資産価格では、地価が 緩やかに低下、株価は上下動を繰り返しつつ推移する。限られた家計資産をいかに効 率的に使う方法を見出すかが今後の消費、つまり日本経済を占う試金石となるだろう。 実績 <年度平均> 実質GDP成長率 名目GDP成長率 GDPデフレータ 予測 2000~2004 2005~2009 2010~2014 2015~2019 1.4% -0.0% -1.4% -0.0% -1.0% -1.0% 1.4% 1.5% 0.1% 1.1% 1.3% 0.2% お問い合わせ先 株式会社帝国データバンク 産業調査部 情報企画課 経済動向研究チーム 107-8680 担当:窪田 東京都港区南青山 2-5-20 TEL:03-5775-3163 FAX:03-5775-3169 ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 1 2010/2/4 TDB 中期経済見通し 日本をとりまく経済環境 米国の金融危機は 2008 年 9 月のリーマン・ブラザーズの破たんへと進んだのち、欧州や 新興国へと波及し世界経済は同時不況に陥った。その後、各国が大胆な財政拡張政策や金 融緩和政策を打ち出したことで、2009 年初頭の先行きがまったく見えない状態からは脱し たように見える。しかし、各国とも依然として不安定な経済基盤の上に立っており、二番 底の懸念など世界同時不況の爪痕は至る所に残っている。 米国の経済状況を俯瞰するならば、米国の実体経済は持ち直すか再度落ち込むか、微妙 なバランスを保つサドルポイントにあるといえる。現在、オバマ大統領による大規模な財 政政策が実施されているが、この財政政策は金利上昇をもたらす。しかし、これは政策当 局も望んでおらず、米連邦準備制度理事会(FRB)は事実上のゼロ金利と量的緩和政策を とっている。その規模や方法はかつての日本の金融緩和政策よりもはるかに過激な内容で ある。さらに、短期金融市場が壊滅状態にあるなか、FRB はゼロ金利政策、時間軸政策、 政府機関債や住宅ローン担保証券の購入拡大、長期国債の買い入れ、CP の直接購入、FRB の保有資産の膨張継続など、考えられる金融政策を総動員する態勢になっているが、これ らは景気悪化に対する下支えとしての役割を期待されている。 そのようななか、金融不安はある程度沈静化しており、銀行の収益も改善、株価も 1 万 ドルを回復した。しかし、雇用は悪化傾向が続き、失業率も 10%を超えるなど、予断を許 さない状況が続いている。家計は過剰債務を減らすバランスシートの改善を進めておりマ ネーは負債の返済にまわっている。そのため、依然として財布のひもは緩んでいない。政 策効果に息切れの兆候が現れているほか、住宅や生産も回復が一服している感があり、米 国経済は回復過程にはあるもののその勢いは鈍い。 他方、欧州経済は米国以上に深刻である。金融危機と実体経済悪化の悪循環が続いてお り景気後退が長期化するリスクは高い。ドイツによる自動車の買い替え補助金の効果をみ た欧州各国が同様の政策を打ち出しており、一部には政策効果による下支えはある。しか し、消費、設備投資ともに立ち直るきっかけが見えないのが現状である。 新興国をみると、一時期、マスコミ等をにぎわしたデカップリング論は完全に破綻した。 特に、中国はオリンピック後の建設需要の減速や米国向け輸出が大幅に減少したが、中国 政府による 2 年間で総額 57 兆円に上る景気刺激策が徐々に浸透しており、景気はいち早く 持ち直してある。2009 年の実質 GDP 成長率は 8.7%となり、IMF によると 2010 年には 9.0%になると予測されている。 一方で、日本は大規模な財政政策が実施される予定だが、日銀はまだ金融緩和の余地は わずかに残しているもののその幅は小さく、米国の方がより緩和的になるとみられている。 わが国の景気は 2007 年 10 月をピークとして後退期に突入した。それまで続いていた景気 回復は輸出の拡大にけん引されて戦後最長を記録したが、米国の個人消費の拡大を背景と した輸出により支えられてきた世界経済の成長の構図は大きく変化している。また、消費 ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 2 2010/2/4 TDB 中期経済見通し マインドはここのところ改善傾向にあるものの水準は依然として低いままであり、基本的 に、雇用・所得環境が悪化している間は消費に力強い回復は望めない状況にある。ただ、 2010 年 2 月のバンクーバー冬季オリンピック、同年 6 月のサッカーW 杯南アフリカ大会な どスポーツイベントはカンフル剤としての役割が期待されている。 また、2009 年 8 月の衆院総選挙の結果、自公連立政権から民主党を中心とした社民党・ 国民新党との 3 党連立政権へと移行した。今後の経済政策の重点項目は大きく変化する可 能性が高い。政府は、2009 年 12 月 8 日に 2009 年度 2 次補正予算として財政支出規模で 7.2 兆円の「明日の安心と成長のための緊急経済対策」を閣議決定し、エコカー補助金やエ コポイント制度の延長に加え、住宅版のエコポイント制度を新設するほか、厳しさが続く 地域経済支援も盛り込んでいる。さらに鳩山首相は、2009 年 12 月 30 日に新成長戦略の基 本方針を策定し、そこでは、今後、2020 年度までの名目 GDP 成長率を平均で 3%、実質 で 2%以上、2020 年度の名目 GDP を現行の約 1.4 倍となる 650 兆円にすると掲げた。 本中期経済見通しではこうした現状を踏まえて 2009 年度から 2019 年度までの日本経済 の中期的な姿を予測する。 今後の日本経済の姿 これからの日本経済は人口減少に加えて少子高齢社会の進行という社会環境の変化 が訪れる。さらに、政府部門の巨額な累積財政赤字という大きな課題を抱えており、将 来的に消費税率の引き上げが議論の焦点として浮上してくるだろう。そこで、本中期経 済見通しでは、消費税率は現行の 5%から 2014 年度に 2%引き上げられて 7%に、さら に 2018 年度に 3%引き上げられて 10%になると想定した。 ①日本経済の中期予測 2009~2019 年度の日本の実質 GDP 成長率は、平均+ 2009~2019 年度の実質 GDP 0.9%の増加となる。また、2010~2014 年度の 5 年間では 成長率は平均+0.9% 平均+1.4%、2015~2019 年度の 5 年間では+1.1%のプラ スになると予測される(表 1)。2011 年度以降、消費税率引 き上げ時を除き、成長率は概ね 1%台で推移する見通しであ る。 中期的には設備投資が日本 経済をけん引 中期的にみると、日本の経済成長のけん引役はやはり企 業部門であろう。特に、設備投資は 2009~2019 年度の平 均伸び率が 0.6%になると予測される(表 1)。ただし、こ れは 2009 年度に-16.7%の大幅な減少となるため期間平 均を押し下げているが、その後の 10 年間では平均 2.3%の 伸びとなる。 ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 3 2010/2/4 TDB 中期経済見通し 表1 中期経済予測 実績 予測 1995~1999 2000~2004 2005~2009 2010~2014 2015~2019 2009~2019 2010~2019 実質GDP 0.9 1.4 0.0 民間最終消費支出 1.0 1.0 0.7 民間企業設備投資 0.8 3.0 -2.3 民間住宅投資 -3.6 -1.7 -7.4 政府最終消費支出 2.6 2.7 1.0 公的固定資本形成 -0.2 -8.0 -4.0 輸出 4.5 6.9 0.7 輸入 4.8 4.5 -1.0 名目GDP 0.4 0.0 -1.0 GDPデフレーター -0.5 -1.4 -1.0 一人当たり雇用者報酬 0.0 -1.1 -0.5 消費者物価 0.4 -0.5 -0.1 国内企業物価 -0.9 -0.7 0.7 完全失業率 3.8 5.0 4.3 東証株価指数 1.4 -4.8 -2.9 外国為替レート(円/ドル) 114.3 115.6 107.5 原油価格(ドル/バレル) 18.4 29.5 71.2 鉱工業生産 0.4 1.0 -3.0 潜在GDP成長率 2.5 1.5 1.7 注1:2000暦年連鎖価格 平均伸び率(%) 注2:2009年度以降が予測 出所:内閣府資料等により作成。予測は帝国データバンク 1.4 1.0 2.5 1.7 0.7 -2.6 5.1 3.9 1.5 0.1 1.4 0.5 -0.6 4.9 8.1 90.5 73.1 3.5 0.8 1.1 0.9 2.1 0.6 0.5 -2.0 3.7 3.5 1.3 0.2 -0.4 0.8 0.1 4.5 3.3 89.2 76.2 1.3 2.2 0.9 0.9 0.6 -0.6 0.7 -1.4 2.8 2.3 0.9 0.0 0.2 0.4 -0.7 4.7 3.6 90.1 74.1 1.2 1.4 1.3 1.0 2.3 1.1 0.6 -2.3 4.4 3.7 1.4 0.1 0.5 0.6 -0.2 4.7 5.7 89.9 74.7 2.4 1.5 輸出は平均+2.8%となる 鉱工業生産は、世界同時不況の影響から輸出が急減する が、2009 年度の-12.7%が ことにより 2008 年度、2009 年度に大きく落ち込むものの、 全体を押し下げ 米国のほか中国など新興国を中心とした経済回復で再び持 ち直していくだろう(図 1)。その背景にあるのが堅調な輸 出の伸びである。 図1 鉱工業生産指数 120 予測 100 80 60 40 20 0 1970 73 76 79 82 85 88 91 注:2005年=100 資料:経済産業省「鉱工業指数」、予測は帝国データバンク 94 97 2000 03 06 09 12 15 18 (年度) 輸出は、2009 年度が-12.7%になるため、予測期間平均 では 2.8%の伸びにとどまる。しかし、2010 年度以降では 平均して+4.4%の安定的な伸びを示すと予測される。これ までの日本の経済成長は輸出に依存する割合が高く、名目 輸出額は 2007 年度まで大幅に拡大した(図 3)。特に、2007 年度は輸出依存度が 17.9%に達し、戦後最も高い依存度と なっていた。その後、2008~2009 年度のサブプライム問題 やリーマン・ショックなどで海外需要が大きく落ち込むも のの、再び輸出依存度は高まっていくと予測される。しか ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 4 2010/2/4 TDB 中期経済見通し 図2 経済成長率の見通しと需要項目別成長寄与度 成長率・寄与度(%、%pt) 4 民間企業設備投資 3 2 予測 実質GDP成長率 公的需要 1 0 -1 民間最終消費支出 民間住宅投資 -2 -3 純輸出 -4 民間在庫投資 -5 2005 06 07 08 09 10 11 注:成長率・寄与度は前年度比 資料:内閣府「国民経済計算」。予測は帝国データバンク 12 13 図3 20 14 15 16 17 18 19 (年度) 輸出依存度 100 予測 輸出依存度(左目盛り) 90 15 80 70 名 目 輸 出 金 額 60 名目輸出金額(右目盛り) ( 50 ( 輸 10 出 依 存 5 度 プラザ合意 40 ) % 兆 円 ) 0 30 20 -5 10 -10 1980 82 84 86 88 90 92 94 96 98 2000 02 資料:内閣府「国民経済計算」。予測は帝国データバンク 0 04 06 08 10 12 14 16 18 (年度) し、輸出の伸びは 1 桁台にとどまり、必ずしもかつてのよ うな輸出が経済全体をけん引する勢いはない。 実質実効為替レートは緩や かに円安に向かう 一方、輸出入における価格の交換比率である交易条件は、 2009 年度に一時的に改善するものの、その後は緩やかな悪 化傾向を示す(図 4)。通常、交易条件が改善すると輸出が 増加するため、2010 年度には輸出企業を中心とした企業収 益環境に若干の明るさが見込まれる。外国為替相場は、実 質実効為替レートでみて 2005 年度以降に大幅な円安傾向 を強め、それによって輸出の急拡大をもたらしていた(図 5) 。 しかし、世界同時不況で各国が政策金利を急速に引き下げ ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 5 2010/2/4 TDB 中期経済見通し たことから、直近では再び円高傾向を示している。今後は、 中期的にみると各国とも景気回復にともない政策金利を引 き上げていくことで、再び緩やかに円安に向かうとみられ ることから、輸出にとって好材料となるだろう。 改 善 図4 1.2 交易条件 予測 1.1 1.0 0.9 0.8 0.7 悪 化 0.6 1994 96 98 2000 02 04 06 08 10 12 14 16 資料:内閣府「国民経済計算」。予測は帝国データバンク 図5 18 (年度) 実質実効為替レート 160 150 予測 140 130 120 全期間平均 110 100 90 80 70 60 1973 76 79 82 85 88 注:1973年3月=100 資料:日本銀行。予測は帝国データバンク 個人消費は消費税率の引き 上げが直撃 91 94 97 2000 03 06 09 12 15 18 (年度) 家計部門では、高度成長期が終わり成熟経済へと移行を 始めた 70 年代前半を境に、同部門の経済活動の様相は大き く変わった。 個人消費は、第一次オイルショック、バブル崩壊後の不 況、消費税率引き上げなどさまざまな出来事を通じて、徐々 に伸び率を低下させてきた。その背景には、少子化の進行 や、耐久財の各家庭への普及が進んできたこと、高齢化に より世帯当たりの消費の伸びが鈍っていること、さらに雇 用環境の悪化や所得が伸び悩んでいることがある。 そして、今後 2019 年度までの個人消費は、消費税の動向 に大きく左右されるであろう。個人消費の伸び率は 2014 年度の 2%pt の引き上げ時は-0.3%、2018 年度の 3%pt ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 6 2010/2/4 TDB 中期経済見通し 引き上げ時は-0.8%になると予測される。しかし、税率引 き上げ前には駆け込み需要が発生することもあり、2009~ 2019 年度の平均伸び率は 0.9%と安定的に推移するとみら れる。 住宅投資は 1970 年代半ば以降からそれまでの増加トレ 世帯構成の変化が住宅スト ックを変えていく ンドが変わってきた。地方から都市への人口移動もかつて ほど大きなものではなくなっている。また、国立社会保障・ 人口問題研究所の 2008 年 3 月推計によると、世帯数の増加 傾向は単身世帯を中心に続くとみられるが、それも 2015 年をピークに減少に転じると予測されており(図 6)、住宅 ストックはこれまでと異なったものになる。一時的には、 住宅ローン減税の拡充などによって増加するとみられるが、 大きな流れとしては住宅投資を抑制する構造的な要因が続 くため、緩やかな増加にとどまるだろう。一方で、住宅投 資は個人消費以上に消費税率引き上げの影響を受ける。 2012 年度は-10.2%、2015 年度は-3.4%と大きく減少す る。その結果、10 年間平均では-0.5%とマイナスの伸びに なると予測される。 図6 家族類型別一般世帯数割合(%) 単独世帯 1980年 19.8 1985年 20.8 1990年 予 測 夫婦のみ 夫婦と子 12.5 その他 世帯数 (1000世帯) 42.1 5.7 19.9 35,824 40.0 6.3 19.2 37,980 13.7 23.1 ひとり親と子 15.5 37.3 6.8 17.3 40,670 15.7 43,900 14.0 46,782 29.9 8.4 12.6 49,063 27.9 9.0 11.8 50,287 26.2 9.5 11.5 50,600 24.6 9.9 11.2 50,441 1995年 25.6 2000年 27.6 2005年 29.5 2010年 31.2 2015年 32.7 2020年 34.4 2025年 36.0 19.6 23.1 10.2 11.1 49,837 2030年 37.4 19.2 21.9 10.3 11.2 48,802 17.4 34.2 18.9 7.1 31.9 19.6 20.1 20.1 19.9 7.6 資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計(全国推計)」(2008年3月推計) ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 7 2010/2/4 TDB 中期経済見通し ②労働市場の変化 日本は、2004 年の 1 億 2,787 万人をピークに人口減少社 労働力人口は今後 10 年間 でわずかに増加 会に入っている。しかし、国立社会保障・人口問題研究所 の「日本の将来推計人口(2006 年 12 月推計)」によると、 2009 年から 2019 年にかけて総人口が平均年 0.3%で減少 するなかで同 2.2%の速度で 65 歳以上の高齢者が増加する (図 7)。一方、15~64 歳の生産年齢人口は減少していくと 予測されており、それに応じて経済活動の担い手となる労 働力が減少し、将来的な生産力の低下を懸念する声は多い。 図7 日本の将来推計人口 日本の人口予測 (十万人) 年齢別人口割合 (%) 1,400 80 予測 予測 15~64歳 70 1,200 60 1,000 65歳以上 50 800 40 0~14歳 15~64歳 600 65歳以上 30 400 20 200 10 0~14歳 0 0 1947 56 65 74 83 92 2001 10 19 28 37 46 1947 56 55 資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2006年12月推計)」 (年) 65 74 83 92 2001 10 19 28 37 46 55 資料:国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2006年12月推計)」 (年) 本中期経済見通しでは、2009 年度の労働力人口は 6,605 万人となり、ピークであった 1997 年度の 6,793 万人から 12 年連続で減少するとみられる。しかし、2014 年度は 6,652 万人へと 47 万人増加した後、2019 年度には 6,672 万人へ とさらに 20 万人増加すると予測される(図 8)。つまり、 生産年齢人口の減少により労働力人口の減少圧力は残るも のの、経済や社会状況により労働力人口の増加はありうる 図8 (万人) 8,000 7,000 6,000 労働力人口と労働力率 労働力率(右目盛り) 63.7 63.4 63.4 (%) 66 予測 63.0 63.6 64 62.8 労働力人口(左目盛り) 60.4 59.7 5,000 60.1 60.7 62 60 58 4,000 3,000 5,303 5,607 5,945 6,301 6,649 6,774 6,640 6,605 6,652 6,672 56 2,000 54 1,000 52 50 0 1974 79 84 89 94 99 2004 09 14 19 (年度) 資料:総務省「労働力調査」、国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(2006年12月推計)」より作成。 予測は帝国データバンク ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 8 2010/2/4 TDB 中期経済見通し ということを意味する。 1990 年代まで 63%程度であった労働力率(15 歳以上人 労働力率は緩やかに上昇し、 2019 年には 60.7%に回復 口に占める労働力人口の割合)は、少子・高齢化を背景と して 2000 年代に入り徐々に低下を続けていた。しかし、 2009 年に初めて 6 割を下回った後、労働力人口の増加にと もない緩やかに上昇し、2019 年には 60.7%へと回復する見 通しである(図 8)。 女性の労働市場への参加が その多くは女性や高齢者による労働市場への参入が支え 不可欠 ることとなる。ただ、1980 年代ほどではないものの、女性 は 20 代の多くが仕事を持ちながら、30 代になると結婚や 子育てを背景として労働市場から退出し、40 代以降は教育 費の補てんなどの理由でパートなどの非正社員として労働 市場に再び参入するという M 字型構造となっている(表 2)。 したがって、人口減少が進むなかで労働力を確保するため には労働者としての女性の存在が欠かせない。逆にいうと、 日本には労働力の潜在量はまだ多く存在しており、労働力 を増加させることは不可能ではない。そのためにも、ライ フスタイルの見直しや税制による支援など、子育てと仕事 が両立できる労働環境が整備されていく必要がある。 表2 男女 5 歳階級別労働力率 男 (単位:万人、%) 15歳以上 労働力人口 労働力率 人口 総数 総数 15~19歳 20~24 1980年 1985 1990 1995 2000 2005 2008 4,341 4,602 4,911 5,108 5,253 5,323 5,344 3,465 3,596 3,791 3,966 4,014 3,901 3,888 79.8 78.1 77.2 77.6 76.4 73.3 72.8 17.4 17.3 18.3 17.9 18.4 16.2 16.1 69.6 70.1 71.7 74.0 72.7 68.6 69.1 25~29 96.3 95.7 96.1 96.4 95.8 93.6 94.4 30~34 97.6 97.2 97.5 97.8 97.7 96.4 96.5 35~39 97.6 97.6 97.8 98.0 97.8 97.0 96.7 40~44 97.6 97.2 97.6 97.8 97.7 97.0 96.9 45~49 96.5 96.8 97.3 97.7 97.3 96.7 96.9 50~54 96.0 95.4 96.3 97.3 96.7 95.7 95.7 55~59 91.2 90.3 92.1 94.1 94.2 93.6 92.5 60~64 77.8 72.5 72.9 74.9 72.6 70.3 76.4 女 65~69 60.1 55.6 54.1 54.2 51.1 46.7 49.6 70歳以上 28.4 26.8 26.3 26.1 24.3 21.1 20.4 (単位:万人、%) 15歳以上 労働力人口 労働力率 人口 総数 総数 15~19歳 20~24 1980年 1985 1990 1995 2000 2005 2008 4,591 4,863 5,178 5,402 5,583 5,684 5,706 2,185 2,367 2,593 2,701 2,753 2,750 2,762 47.6 48.7 50.1 50.0 49.3 48.4 48.4 18.5 16.6 17.8 16.0 16.6 16.5 16.2 70.0 71.9 75.1 74.1 72.7 69.8 69.7 25~29 49.2 54.1 61.4 66.4 69.9 74.9 76.1 30~34 48.2 50.6 51.7 53.7 57.1 62.7 65.1 35~39 58.0 60.0 62.6 60.5 61.4 63.0 64.9 40~44 64.1 67.9 69.6 69.5 69.3 71.0 71.1 45~49 64.4 68.1 71.7 71.3 71.8 73.9 75.5 50~54 59.3 61.0 65.5 67.1 68.2 68.8 71.6 55~59 50.5 51.0 53.9 57.0 58.7 60.0 61.6 60~64 38.8 38.5 39.5 39.7 39.5 40.1 43.6 65~69 25.8 26.8 27.6 27.2 25.4 24.0 26.0 70歳以上 9.6 10.0 10.4 10.3 9.8 8.7 8.5 出所:「労働力調査」(総務省)。ただし、1980~2005年は国勢調査に基づく労働力率 2010年以降の15歳以上人口は「日本の将来推計人口(2006年12月推計)」(国立社会保障・人口問題研究所) 一人当たり雇用者報酬、 しかし、一人当たりの雇用者報酬の動きはより切実な問 1997 年度をピークに減少傾 題として浮かび上がる可能性がある。一人当たり雇用者報 向続く 酬は、1997 年度の 518 万 8 千円をピークとして、経済状態 が最も厳しい 2009 年度には 466 万 4 千円まで 52 万 4 千円 減少する。しかし、その後 2014 年には 498 万 5 千円まで 回復するものの、2019 年度には 488 万円まで再び減少する と予測される(図 9)。そのため、専業主婦が家計を支える ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 9 2010/2/4 TDB 中期経済見通し ために再び労働者として働きに出る傾向が強まるとみられ る。 今後、労働分配率を低下させることなく一人当たり雇用 者報酬を高めていくためにも、商品・サービスの高付加価 値化の進展や雇用形態の見直し、あるいは教育環境の充実 を図っていかなければならない。 図9 一人当たり雇用者報酬 (千円) 5,500 予測 5,000 4,500 4,000 3,500 3,000 1980 82 84 86 88 90 92 94 96 98 2000 02 04 06 08 10 12 14 資料:内閣府「国民経済計算」。予測は帝国データバンク 就業状況は楽観できず 16 18 (年度) 一方で、就業状況は必ずしも楽観できない。就業者数は 2008 年度の 6,373 万人から 2009 年度には 6,256 万人に減 少する。その後、緩やかに回復するとみられるが、2019 年 度は 6,368 万人と 2008 年度より 5 万人少ない状況が続くと 見込まれる(図 10)。特に、個人事業主の減少は著しく、 図 10 就業者数 予測 (万人) 7,000 6,162 6,000 5,223 5,493 6,455 6,454 6,332 6,256 6,344 6,368 5,242 5,325 5,355 5,458 5,591 5,691 977 798 754 678 14 19 (年度) 5,786 5,000 4,000 3,640 3,897 4,281 4,711 3,000 雇 用 者 2,000 1,583 1,596 1,000 1,505 1,451 1,213 1,128 個 人 事 業 主 0 1974 79 84 89 資料:総務省「労働力調査」、予測は帝国データバンク 94 99 2004 09 2008 年度と比較して 2019 年度は 17 万 5 千人減少する。 そのため、大量採用できる企業に雇用される機会は保たれ るものの、全体として就業機会が減少する可能性は残る。 雇用環境は経済状態次第という面が強くあるため、完全失 ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 10 2010/2/4 TDB 中期経済見通し 業者数も 300 万人前後で推移する蓋然性が高い。その結果、 完全失業率は 2009 年度から 2011 年度にかけて 5%を超え る高水準が続く(図 11)。とはいえ、その後は緩やかな経済 成長とともに完全失業者数も減少していき、2017 年度には 4.4%まで低下すると予測される。 図 11 失業者数と失業率 予測 (万人) 500 (%) 6 450 5 失業率(右目盛り) 400 4 350 3 300 2 250 1 失業者数(左目盛り) 200 0 150 -1 100 -2 50 -3 0 -4 1972 74 76 78 80 82 84 86 88 90 92 94 96 98 2000 02 04 06 08 10 12 14 16 18 (年度) 資料:総務省「労働力調査」、予測は帝国データバンク ③物価動向 労働分配率が 1980 年代の 中長期的に物価を規定するのは、賃金動向であるが、す 水準程度まで低下、物価動 でに述べたように一人当たり雇用者報酬は一時期を除き低 向は消費税率引き上げを除 下傾向が続く。その背景にあるのが、労働分配率の高さで き低位安定の状況が続く ある。バブル経済期に上昇した労働分配率は、バブル崩壊 後も高水準を維持してきた。それが消費を下支えしてきた 側面もあるが、一方で企業収益の圧迫要因ともなっていた。 世界同時不況による急激な景気悪化ののちは一時的反動で 労働分配率が高まる可能性はある。しかし、雇用形態が多 様化し、非正期雇用労働者が増加するなかでは、全体とし ての労働分配率は低下していかざるを得ないだろう。その ため、国民所得が緩やかに増加するなかで雇用者報酬は緩 やかに低下していき、労働分配率は 2008 年度の 73.0%か ら 2019 年度には 68.8%へ、1980 年代の水準程度に低下す るとみられる(図 12)。 他方、物価に直接的な影響を及ぼす要因が消費税率の引 き上げである。消費者物価は 2014 年度に 2.9%、2018 年 度には 3.5%、国内企業物価はそれぞれ 0.0%、0.7%、GDP デフレータは 0.7%、1.3%の上昇となる(図 13)。消費税 率の引き上げ時を除く 9 年間での平均インフレ率をみると、 ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 11 2010/2/4 TDB 中期経済見通し 消費者物価は-0.2%、国内企業物価は-0.9%、GDP デフ レータは-0.2%である。これまで、消費税は 1989 年に 3% で導入され、1997 年に 5%へと引き上げられたが、いずれ の時期においても便乗値上げが問題となった。しかし、値 上げは正当なものなのか便乗なのか、必ずしも明確に分け られるものではなく、それらを峻別することは難しい。 物価動向について、3 指標とも消費税率引き上げ時を除け ば、低位安定の状況が続くだろう。 図 12 労働分配率 (%) 85 予測 80 75 70 65 60 55 50 45 40 1955 59 63 67 71 75 79 83 87 91 95 99 03 07 11 15 19 (年度) 資料:内閣府「国民経済計算」。予測は帝国データバンク 図 13 (%) 物価上昇率 予測 4 3 消費者物価 2 1 0 -1 -2 GDPデフレータ 国内企業物価 -3 -4 1995 97 99 01 03 05 07 09 11 13 15 資料:内閣府「国民経済計算」、日本銀行「物価統計」、総務省「消費者物価指数」。予測は帝国データバンク 17 (年度) ④資産価格動向 地価は緩やかに低下、株価 資産価格について、株式市場では 1989 年度のバブル期に は上下動を繰り返しつつ推 2,611 ポイントに達した東証株価指数(TOPIX)は、今後 移。限られた家計資産をい 中期的にはおおむね 870~1,560 ポイントの間で上下動を かに効率的に使う方法を見 繰り返しながら推移すると予測される(図 14)。 出すかが重要 また、地価は、市街地価格指数(全用途平均、2000 年 3 月末=100)が 1991 年度に 146 ポイントでピークに達した ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 12 2010/2/4 TDB 中期経済見通し 図 14 資産価格(株価および地価) 3,000 160 予測 140 2,500 120 市街地価格指数 (全用途平均) (右目盛り) 2,000 100 1,500 80 60 1,000 40 東証株価指数 (TOPIX) (左目盛り) 500 20 0 0 1970 73 76 79 82 85 88 91 94 97 2000 03 06 09 12 15 注:TOPIXのデータは月中平均値で年度平均をとった。地価は全用途平均 資料:日本銀行「金融経済統計」、日本不動産研究所「市街地価格指数」。予測は帝国データバンク 18 (年度) 後、長年にわたり低下を続けている(図 14)。2010 年代前 半はおおむね 3%程度の下落率となるが、2010 年代後半は 0.1%程度の上昇へと転換する。総じて、地価は今後も緩や かな下落傾向が続き、2014 年度には 54 ポイントの水準ま で低下するとみられるものの、2010 年代半ばには地価の下 落に底打ちが訪れると予測される。 家計の金融資産残高は、小泉政権時代の「貯蓄から投資 へ」という掛け声のもと、家計の金融資産は低リスクの預 貯金から高リスクの危険資産へとシフトした。比較的株式 市場が活況を呈していた 2006 年度と直近の 2008 年度を比 較すると、2006 年度末の家計金融資産残高は 1,544 兆円に 達し、「株式・出資金」が 201 兆円(構成比 13.0%)、「株 式以外の証券」が 108 兆円(同 7.0%)を占めていたが、 「現 金・預金」は 769 兆円(同 49.8%)でバブル期の 1990 年 度以来の 4 割台となっていた(図 15)。 図 15 家計金融資産残高 2006年度末 (2007年3月) 34 兆円 (2 .2 %) 8 兆円 ( 0.5 %) 9兆円 (0 .6%) 14 兆円 (0 .9 %) 4 01 兆円 ( 2 5.9 %) 76 9兆円 (4 9.8%) 金融資産残高 1 ,54 4兆円 2008年度末 (2009年3月) 3 4兆円 ( 2.4 %) 8 兆円 ( 0.6 %) 6兆円 (0 .4%) 8 兆円 ( 0.6 %) 3 97 兆円 ( 28 .2%) 7 86 兆円 ( 55 .8%) 金融資産残高 1 ,41 0兆円 現金・預金 株式以外の証券 株式・出資金 保険・年金準備金 預け金 未収・未払金 対外証券投資 その他 8 0兆円 (5.6%) 2 01 兆円 ( 13 .0 %) 1 08 兆円 (7 .0%) 90兆円 (6 .4%) 資料:日本銀行「資金循環勘定」 ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 13 2010/2/4 TDB 中期経済見通し 一方、2008 年度末の家計金融資産残高は 1,410 兆円へと 約 130 兆円減少した。内訳をみると、「株式・出資金」は 80 兆円(同 5.6%)と 121 兆円減、「株式以外の証券」は 90 兆円(同 6.4%)と 18 兆円減となったのに対し、 「現金・ 預金」は 786 兆円(同 55.8%)と 17 兆円増加した。 「株式・出資金」は、この間の株価低迷が大きく響き、 「株 式以外の証券」で投資信託が急減したことと軌を一にして いる。また、 「現金・預金」では、定期預金の増加が大きく、 同項目の増加分のほとんどを占めている。 わずか 2 年間で、安全資産である「現金・預金」が増加 した一方で、危険資産である「株式・出資金」や「株式以 外の証券」が大幅に減少しており、危険資産から安全資産 へ、投資から貯蓄へと家計の金融資産保有状況が一変した 様子が如実に表れていた。 資産から負債を差し引いた家計純金融資産残高は、2009 年度の 977 兆円から 2019 年度には 1,118 兆円へと、約 141 兆円増加するとみられる(図 16)。貯蓄から投資へと家計 資産がシフトし、さらに高齢社会への進行とともに家計貯 蓄率が低下するなかでは、利子や配当などの財産所得が家 計の重要な収入源となる。そのため、今後は個人の資産状 況についても、株式などの資産価格の動向がカギを握って くる。この限られた家計資産をいかに効率的に使う方法を 見出すかが、今後の消費、すなわち日本経済を占う試金石 となるだろう。 図 16 (兆円) 家計純金融資産残高 1,600 予測 1,400 1,200 1,000 800 600 400 200 0 1990 92 94 96 98 2000 02 04 06 08 10 12 14 注:日本銀行「金融経済統計」、内閣府「国民経済計算」より帝国データバンク試算。予測は帝国データバンク ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 16 18 (年度) 14 2010/2/4 TDB 中期経済見通し TDB 中期経済見通し総括表 2008年度 2009年度 2010年度 2011年度 2012年度 2013年度 2014年度 2015年度 2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 (実績) (予測) 名目GDP (予測) (予測) 494,199 472,754 476,576 483,401 -4.2 -4.3 0.8 1.4 実質GDP 541,494 525,878 531,053 540,013 -3.7 -2.9 1.0 1.7 国内需要 520,572 506,355 509,043 517,370 (寄与度) -2.5 -2.6 0.5 1.6 民間需要 404,773 387,843 391,645 399,109 (寄与度) -2.3 -3.1 0.7 1.4 民間最終消費支出 304,828 306,536 309,387 313,475 -1.8 0.6 0.9 1.3 民間企業設備投資 82,207 68,466 69,224 72,267 -6.8 -16.7 1.1 4.4 民間住宅投資 15,321 12,513 12,303 12,507 -3.7 -18.3 -1.7 1.7 民間在庫投資 2,418 328 731 860 (寄与度) -0.1 -0.4 0.1 0.0 公的需要 115,798 118,512 117,398 118,261 (寄与度) -0.3 0.5 -0.2 0.2 政府最終消費支出 97,047 98,441 98,668 99,843 -0.1 1.4 0.2 1.2 公的資本形成 18,452 19,820 18,479 18,168 -6.6 7.4 -6.8 -1.7 公的在庫投資 299 251 251 251 (寄与度) 0.0 0.0 0.0 0.0 純輸出 21,447 17,998 20,615 21,269 (寄与度) -1.2 -0.6 0.5 0.1 輸出 80,429 70,189 75,265 77,915 -10.4 -12.7 7.2 3.5 輸入 58,982 52,191 54,650 56,646 -4.4 -11.5 4.7 3.7 消費者物価(2005年=100) 101.7 99.9 98.9 98.8 1.1 -1.8 -1.0 -0.1 国内企業物価(2005年=100) 108.3 102.1 100.3 99.6 3.2 -5.7 -1.8 -0.7 完全失業率 4.1 5.3 5.3 5.0 為替レート(円/ドル) 100.4 92.7 90.4 91.1 原油価格(ドル/バレル) 90.3 68.0 73.1 72.0 鉱工業生産指数(2005年=100) 94.5 84.0 90.0 95.4 -12.5 -11.1 7.1 6.0 潜在GDP成長率 1.7 0.3 0.4 0.6 注1)2000暦年連鎖価格 上段:金額(十億円)、下段:伸び率(%) 注2)伸び率は対前年度比 注3)2009年度以降が予測。 出所:内閣府資料等により作成。予測は帝国データバンク ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 (予測) (予測) (予測) (予測) (予測) (予測) (予測) (予測) 489,888 1.3 548,786 1.6 524,889 1.4 406,449 1.4 317,198 1.2 74,738 3.4 13,189 5.5 1,324 0.1 118,440 0.0 100,163 0.3 18,014 -0.8 263 0.0 22,958 0.3 82,195 5.5 59,237 4.6 99.2 0.4 100.0 0.4 4.9 90.7 72.7 97.8 2.5 0.8 502,570 2.6 560,869 2.2 535,604 2.0 416,616 1.9 322,854 1.8 77,411 3.6 13,845 5.0 2,507 0.2 118,988 0.1 101,050 0.9 17,684 -1.8 254 0.0 23,959 0.2 86,415 5.1 62,455 5.4 99.3 0.1 99.2 -0.8 4.5 90.4 73.5 99.4 1.7 1.0 508,270 1.1 562,909 0.4 534,745 -0.2 415,114 -0.3 322,154 -0.2 77,226 -0.2 13,580 -1.9 2,154 -0.1 119,631 0.1 101,990 0.9 17,386 -1.7 255 0.0 26,911 0.5 90,139 4.3 63,228 1.2 102.1 2.9 99.2 0.0 4.6 90.1 74.2 99.6 0.1 1.3 512,865 0.9 570,217 1.3 541,045 1.1 422,049 1.2 326,267 1.3 79,744 3.3 13,550 -0.2 2,489 0.1 118,995 -0.1 101,483 -0.5 17,257 -0.7 256 0.0 27,954 0.2 93,621 3.9 65,667 3.9 101.8 -0.3 98.4 -0.8 4.6 89.8 74.9 99.1 -0.5 1.7 519,368 1.3 578,910 1.5 549,220 1.4 429,809 1.4 330,395 1.3 82,487 3.4 13,946 2.9 2,982 0.1 119,410 0.1 102,208 0.7 16,945 -1.8 257 0.0 28,511 0.1 97,119 3.7 68,607 4.5 101.7 -0.2 98.5 0.1 4.5 89.5 75.6 101.8 2.7 2.0 529,429 1.9 589,895 1.9 560,662 2.0 440,672 1.9 337,080 2.0 85,687 3.9 14,301 2.5 3,604 0.1 119,990 0.1 103,205 1.0 16,529 -2.5 255 0.0 27,994 -0.1 100,621 3.6 72,627 5.9 102.2 0.6 99.0 0.5 4.4 89.2 76.2 103.7 1.9 2.3 536,400 1.3 590,116 0.0 557,520 -0.5 437,215 -0.6 334,276 -0.8 85,434 -0.3 14,054 -1.7 3,451 0.0 120,305 0.1 103,957 0.7 16,092 -2.6 256 0.0 31,375 0.6 104,191 3.5 72,816 0.3 105.8 3.5 99.6 0.7 4.4 89.0 76.9 103.6 -0.1 2.4 543,161 1.3 595,693 0.9 561,694 0.7 440,921 0.6 337,561 1.0 85,730 0.3 13,954 -0.7 3,676 0.0 120,773 0.1 104,795 0.8 15,722 -2.3 256 0.0 32,785 0.2 107,853 3.5 75,067 3.1 106.0 0.2 99.9 0.3 4.6 88.7 77.5 106.2 2.5 2.3 15 名目GDP成長率 実質GDP成長率(2000暦年連鎖価格) 寄 民間需要 与 公的需要 度 外需(財・サービスの純輸出) GDPデフレータ(伸び率) 一人当たり雇用者報酬(伸び率) 消費者物価(全国総合、伸び率) 国内企業物価(伸び率) 家計純金融資産残高(伸び率) 経常収支(兆円) 経常収支(名目GDP比) 財・サービスの輸出(兆円) 財・サービスの輸入(兆円) 労働力人口(万人) 労働力人口(伸び率) 就業者数(万人) 就業者数(伸び率) 完全失業率 東証株価指数(TOPIX) 地価(市街地価格指数、全用途平均) 外国為替レート(円/ドル) 原油価格(CIF、ドル/バレル) 鉱工業生産(伸び率) 潜在GDP成長率 主要経済指標 0.9 2.3 1.9 -0.1 0.6 -1.4 0.2 -0.3 1.7 8.0 19.1 3.8 75.8 58.7 6,654 0.2 6,365 0.5 4.3 1,423 66.8 113.2 55.6 1.6 2.1 2005 1.5 2.3 1.7 -0.2 0.8 -0.8 0.6 0.2 2.0 1.9 21.2 4.1 82.2 60.6 6,660 0.1 6,389 0.4 4.1 1,649 64.8 116.9 63.6 4.6 2.0 2006 0.9 1.8 0.5 0.0 1.2 -0.9 -1.1 0.4 2.3 -7.8 24.5 4.8 89.8 61.7 6,668 0.1 6,414 0.4 3.8 1,555 64.1 114.2 78.4 2.6 2.3 2007 -4.2 -3.7 -2.3 -0.3 -1.2 -0.5 -0.3 1.1 3.2 -4.6 12.2 2.5 80.4 59.0 6,648 -0.3 6,373 -0.6 4.1 1,052 62.5 100.4 90.3 -12.5 1.7 2008 年 -4.3 -2.9 -3.1 0.5 -0.6 -1.4 -1.9 -1.8 -5.7 -4.5 12.5 2.7 70.2 52.2 6,605 -0.6 6,256 -1.8 5.3 875 59.8 92.7 68.0 -11.1 0.3 2009 0.8 1.0 0.7 -0.2 0.5 -0.2 3.0 -1.0 -1.8 1.1 10.7 2.2 75.3 54.7 6,616 0.2 6,267 0.2 5.3 955 58.4 90.4 73.1 7.1 0.4 2010 予測 1.4 1.7 1.4 0.2 0.1 -0.3 2.9 -0.1 -0.7 0.7 13.9 2.9 77.9 56.6 6,626 0.1 6,297 0.5 5.0 1,212 56.4 91.1 72.0 6.0 0.6 2011 1.3 1.6 1.4 0.0 0.3 -0.3 0.8 0.4 0.4 -1.5 13.3 2.7 82.2 59.2 6,637 0.2 6,310 0.2 4.9 1,557 54.8 90.7 72.7 2.5 0.8 2012 2.6 2.2 1.9 0.1 0.2 0.4 0.1 0.1 -0.8 9.7 13.8 2.7 86.4 62.5 6,639 0.0 6,339 0.5 4.5 1,189 54.4 90.4 73.5 1.7 1.0 2013 1.1 0.4 -0.3 0.1 0.5 0.7 0.0 2.9 0.0 1.2 15.2 3.0 90.1 63.2 6,652 0.2 6,344 0.1 4.6 1,183 53.8 90.1 74.2 0.1 1.3 2014 度 0.9 1.3 1.2 -0.1 0.2 -0.4 -0.2 -0.3 -0.8 1.1 14.4 2.8 93.6 65.7 6,653 0.0 6,345 0.0 4.6 1,249 53.9 89.8 74.9 -0.5 1.7 2015 1.3 1.5 1.4 0.1 0.1 -0.2 -0.3 -0.2 0.1 0.8 12.5 2.4 97.1 68.6 6,653 0.0 6,354 0.1 4.5 1,289 54.1 89.5 75.6 2.7 2.0 2016 1.9 1.9 1.9 0.1 -0.1 0.0 -0.3 0.6 0.5 0.4 9.2 1.7 100.6 72.6 6,657 0.1 6,368 0.2 4.4 1,109 54.3 89.2 76.2 1.9 2.3 2017 1.3 0.0 -0.6 0.1 0.6 1.3 -0.7 3.5 0.7 0.2 8.9 1.7 104.2 72.8 6,666 0.1 6,371 0.0 4.4 1,325 54.6 89.0 76.9 -0.1 2.4 2018 1.3 0.9 0.6 0.1 0.2 0.4 -0.7 0.2 0.3 0.2 6.7 1.2 107.9 75.1 6,672 0.1 6,368 0.0 4.6 1,352 55.0 88.7 77.5 2.5 2.3 2019 平均伸び率 2005 2010 2015 -2009 -2014 -2019 -1.0 1.5 1.3 0.0 1.4 1.1 -0.2 1.0 0.9 0.0 0.0 0.0 0.2 0.3 0.2 -1.0 0.1 0.2 -0.5 1.4 -0.4 -0.1 0.5 0.8 0.7 -0.6 0.1 -1.4 2.2 0.5 17.9 13.4 10.3 3.6 2.7 2.0 79.7 82.4 100.7 58.4 59.2 71.0 6,647 6,634 6,660 -0.1 0.1 0.1 6,359 6,312 6,361 -0.2 0.3 0.1 4.3 4.9 4.5 1,311 1,219 1,265 63.6 55.6 54.4 107.5 90.5 89.2 71.2 73.1 76.2 -3.0 3.5 1.3 1.7 0.8 2.2 2010/2/4 TDB 中期経済見通し 当レポートの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。 当レポートはプレスリリース用資料として作成しております。報道目的以外の利用につきましては、著作権法の 範囲内でご利用いただき、私的利用を超えた複製および無断引用を固く禁じます。 ©TEIKOKU DATABANK, LTD. 2010 16
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