平成23年度 基本姿勢及び事業計画 - 全国病院理学療法協会

平成23年度 基本姿勢及び事業計画
本協会は平成23年8月に公益社団法人の申請を行うことを目標にして、内閣府認定等委
員会の法人向け相談窓口の指導を受けながら、協会内に設置されている公益社団法人推
進委員会において定款や組織に係る諸問題を検討し、財務処理と申請業務については葵
税理士法人に委託し推し進めている。
平成 23 年度から導入された「会費の前納制」は、内部留保率の観点から平成 23 年度より
見直すこととした。
第 50 回定期代議員会で決定された事業の推進状況等を踏まえ、平成 23 年度の事業に
対する基本姿勢(案)を以下のとおり策定する。
なお、これに対して各地方会・各支部から寄せられる意見・要望を、3 月に開催予定の理
事会において審議し、議案書を作成するものである。
1、 学識・技術の向上
会員の学識・技術を向上させる目的で「日本理学療法学会」及び「運動療法機能訓練
技能講習会」並びに「理学療法指導者講習会」等を主催するとともに、学術誌の発行、
技能講習会の充実、併せて研究活動の指導を推進する。
2、 診療報酬制度下における各種の取り組み
平成 22 年の診療報酬改定により、技能認定登録者が「運動器リハビリテーション料
Ⅰ」の施設においては、外来のみの算定しか認められなくなってしまったため、入院患
者の算定要員としても位置づけが実現するよう引き続き要望活動を展開して行く。
平成 24 年に予定されている診療報酬・介護報酬の同時改定では、訓練等を実施する
者の資格により、算定点数に差が生じることがないよう引き続き運動を展開し「はり・き
ゅうの点数化」並びに「疾患別リハの施設基準への技能認定登録した鍼師・きゅう師の
算定要員への組み入れ」についても運動を継続する。
3、 介護保険制度に対する取り組み
介護老人保健施設、並びに通所リハビリテーション、及び訪問リハビリテーション等の
人員配置基準に技能認定登録者を優位な条件で位置付けるよう法律改正を推進す
る。
4、 理学療法に従事するマッサージ師・柔道整復師等に対する研修助成
高齢社会のマンパワーとして、国民医療の進展に寄与し、理学療法に従事している
者の一層の資質向上を目的とした学術研修の事業を推進するため、厚生労働省に対
して、研修費用の助成を要望する。
5、 技能認定登録制度の推進
平成 15 年度に発足したこの制度は、関係官庁、関係医学会、理学療法問題議員懇
話会等において高い評価をいただき、平成 18 年 4 月の診療報酬改定において「運動
療法機能訓練技能講習会を受講するとともに、定期的に適切な研修を修了しているマ
ッサージ師等の従事者」として算定要員に位置づけられている。
今後、講習会や研修会等の更なる充実を図り、登録者及び登録更新者が「資質の高い
従事者」として広く社会に容認され、その役割を確立するために衆知を結集して遇進し
たい。
6、 病院等で理学療法等に従事するマッサージ師・柔道整復師等の医療法上の位置づけ
医療法改正作業が進行しているが、病院等で理学療法・運動療法・機能訓練等に従
事しているマッサージ師・柔道整復師等については、医療法に基づく「医療従事者」と
して、位置づけられるように運動を推進する。
7、 組織強化
理学療法従事者の社会的地位の向上を図り、諸要望を実現させるためには、全国の
会員の英知を結集し、組織力の強化を図ることが必要である。組織強化のために、全
国組織の再点検と整備を行い、財政基盤を整備し組織の拡大を図りたい。
各部局事業計画
1、事務局
業務運営の要として、主要会議、各部門の連絡調整、文書処理等を通じて、協会事
業推進に側面から支援する。
1) 協会の主要会議のあり方等について常に検討を行い、会議の効率化を図る
2) 各種会議の計画・開催・各部局会議の開催準備と調整
3) 文書の作成と発出及び収受、並びにその管理
4) 公益社団法人登録申請業務の処理
5) 情報収集と伝達
6) 関係省庁・関係医学会・その他関連団体との連絡調整
2、広 報
〔広 報
1)
2)
3)
4)
5)
局
部〕
広報№205 号
広報№206 号
広報№207 号
広報№208 号
その他
(平成 23 年 7 月)
(平成 23 年 10 月)
(平成 23 年 12 月)
(平成 24 年 3 月)
〔視覚障害対策部〕
1)
理療「点字版」の製作と配布
2)
広報「点字版」の製作と配布
3)
理療「録音テープ」の作製
4)
理療「ディジー朗読用CD」の作製
3、情報管理局
1、情報管理業務
1) 会員管理システムの管理・運用
2) 技能認定登録管理システムの管理・運用
3) 各種文書管理(文書ファイル管理・各講習会映像等のDVD化)
4) メール配信業務
理事会・地方会・支部連絡用アドレス管理
5) 各種証書作成(技能認定登録制度・技能講習会等)
6) IT活用支援事業の検討
7) 財務会計関連システムの管理・運用
支部・地方会へのシステム使用法伝達
支部・地方会のデータ集約
2、ホームページ管理業務
1) ホスティングサービス導入(業務委託)
協会ホームページアドレス変更
2) デザイン・コンテンツの整備・運用
3) データライブラリの整備・拡充
4) リンク集作成(各県支部・公共機関・関連情報等)
5) 技能認定登録者名簿の掲載
6) 会員専用談話室管理(参加者管理・投稿管理)
7) 全病理 財務処理サイト運用
4、組 織 局
公益法人移行推進に伴う支部態勢の推進整備を目指す
1)平成23年度 入退会者数報告
2)平成23年度 役員名簿作製
3)公益法人移行推進に伴う支部態勢の推進整備
4)ホームページ上の支部連絡先一覧の平成 23 年度版変更
5)支部名簿の確認修正
6)会員の平成 22 年度運動療法機能訓練技能講習会修講者並びに
認定試験合格者の会員管理入力
7)会友会員・休会会員の処理
8)ダイレクトメールの管理
5、保 険 局
Ⅰ.事業計画
(医療保険部)
1. 技能認定登録者を心大血管、脳血管、運動器、呼吸器の疾患別リハビリテーション
及び、がん、難病、障害児(者)のリハビリテーション施設基準に位置づけ、専門性
を持つ医師の指導監督下であれば、技能認定登録者がそれぞれのリハビリテー
ションに従事した場合、リハビリテーション料の算定ができるように要望する。
特に、平成 18 年度改定後、旧理学療法施設基準(Ⅲ)、(Ⅳ)の施設ではリハビリ
テーションを実施しているにもかかわらず、全く診療報酬点数が算定できなくなっ
ており、緩和措置の検討を要望する。
2. 平成 22 年度に除外された運動器リハ(Ⅰ)の入院算定復活を重点課題として取り組
み、脳血管リハ(Ⅰ)においても算定できるように要望する。
また、脳血管リハ(Ⅱ)で、理学療法士が 2 名以上いないと、業務に従事している
にも関わらず診療報酬点数が算定できない等の問題についても改善を要望す
る。
3. 「消炎鎮痛等処置」の項目にある「マッサージ等の手技療法」を独立した項目にし
て、30 年以上据え置かれている点数を大幅に引き上げるとともに、外来診療科
から除外し、200 床以上の医療施設における外来患者のマッサージ等の手技療
法も算定できるよう要望する。
4. 障害児(者)リハビリテーション料における「障害児(者)リハビリテーシ
ョンの経験を有する看護師」を「・・・看護師等」に要望する。
5. 理学療法士の制度が確立される以前から、医療機関においてマッサー ジ師、柔
道整復師等とともに「はり師・きゅう師」が、理学療法業務に多数従事して日本の
理学療法を支え、今日に至っている。
このような実態を踏まえ、疾患別リハビリテーション料を算定できる「技能講習会を
受講し定期的に適切な研修を修了しているマッサージ師等」の中にはり師、きゅう
師を加えていただきたい。
(介護保険部)
1. 指定通所リハビリテーション費おいて、マッサージ師等は「所要時間 1 時間以上 2
時間未満の場合」に限定されているが、技能認定登録者を全てのサービス提供時
間帯の算定要員として組み入れ、介護報酬の大幅引き上げを要望する。
2. 指定通所介護費において、技能認定登録者が機能訓練を行った場合の加算と介護
報酬の大幅引き上げを要望する。
3. 指定短期入所生活介護及び、指定介護福祉事業所において技能認定登録者が
機能訓練を行った場合の加算と介護報酬の大幅引き上げを要望する。
4. 訪問リハビリテーション、指定介護老人保健施設において、技能認定登録者を
算定要員として位置づけるよう要望する。
(障害児者支援部)
1.障害児者施設給付費(医療型の障害児施設医療費を含む)の算定において、
PTと共に理学療法担当職員として規定されていた者については、PTに準じた
取り扱い、または、加算措置を講じるよう要望する。
2.障害児者施設給付費において、機能訓練指導員である技能認定登録者が訓練
を行った場合には、現行 70/100 の算定率の引き下げ、または加算の新設を
要望する。
Ⅱ.会 議
1. 保険局会議 4 回(予定)
Ⅲ.要望活動
1. 厚生労働省への要望活動
2. 関係議員への陳情
3. 関係団体への協力
6、学 術 局
〔全 般〕
1 第 60 回日本理学療法学会の主催
2 第 61 回日本理学療法学会準備委員会との打ち合わせ(北海道会)
3 第 37 回全国学術部長連絡会の開催(合同)
4 東洋療法研修試験財団関係
1) 平成 22 年度生涯研修会終了報告書の提出
2) 平成 23 年度生涯研修会開催計画書の提出
5 運動療法機能訓練技能講習会の開催
1) 現在大分県支部から開催計画書が提出されている。
2) 視聴覚教材の整備・補完により充実を図る。
3) 課題リポートの審査・統計処理
4) 第 19 回認定試験の実施 平成 24 年 2 月 12 日(日)
6 学術局会議の開催
7 海外研修に対する助成
8 技能認定登録制度の遂行と委員会の開催
(研究部〕
1) 運動療法機能訓練技能講習会に係る課題学習レポートの収集と学術奨励賞の
選考
2) 学会分科会発表グループに対する研究助成
3) 寄贈図書の整理・保管、定期医学雑誌の購入
4) 学術研究資料の収集
〔教育部〕
1) 第34回理学療法指導者講習会の開催
日
程
平成23年9月3日・4日
会
場
千葉市 (予定)
講習内容
仮題 「 がん患者の緩和ケア 」
ー 理学療法従事者の役割 ー
講
師
千葉県立癌センター 緩和ケアセンター長
2) 第34回指導者講習会DVDの作成、無償配布
3) 第35回理学療法指導者講習会の準備
〔理療出版局〕
1) 理療編集部員会議の開催 4 回
2) 原稿依頼と編集業務
3) 理療編集部員・同人会議の開催 1 回
4) 編集内容
(1) 展 望
157 号 川 口 清 宣
158 号 米 谷 勝 行
159 号 杉 村 典 也
160 号 新山 二三夫
(2) 理学療法基礎講座
群馬パース大学保健科学部理学療法学科 木村 朗先生の執筆による「地
域と伝統文化と医療技術」の 4 回シリーズで掲載
(3) 東洋医学基礎講座
森ノ宮医療大学鍼灸学科 山下 仁先生の執筆による「現代臨床鍼灸学概
論」の8回シリーズにて掲載
(4)特集
157 号 Ⅰ、体幹機能と歩行
Ⅱ、最新の人工股関節置換術と理学療法
158 号 Ⅰ、介護予防とリハビリ
Ⅱ、トランスファ動作の理論と実際
159 号 ロコモティブシンドローム
160 号 第60 回日本理学療法学会 特別講演・市民公開講座・会員発表論
文
(5) 臨床入門講座
東京衛生学園専門学校鍼灸学科 新井恒紀先生の執筆による「リンパドレナ
ージの理論と実際」 8 回シリーズで掲載
(6) 生涯学習シリーズ
仙台医健専門学校理学療法学科 水梨 勝次先生の執筆による「臨床徒手
療法」の8回シリーズの掲載
(7) 最新の介護・福祉用具シリーズ
聖クリストファー大学リハビリテーション学部理学療法学科 水池千尋先生
の執筆による 12 回シリーズの掲載
(8) 地方学会 特別講演
(9) 運動療法機能訓練技能講習会に係る認定試験問題と模範解答解説
(10) 研究と報告
(11) 新刊紹介及び文献紹介
7、財 務 局
1)一般会計並びに特別会計に係る金銭出納の管理
2)予算書(案)及び決算書の作成
3))公益法人個別調査票の作成及び厚生労働省への提出
4)財務監査資料の作成
5)預貯金通帳の運用及び管理
6)諸会議出席役員への諸経費の支払い業務
7)各部局事業推進に係る運営費の支払い業務
8)会費納入期限の周知徹底を図るための文書作成と発送
9技能認定登録制度委員会への参画
8、技能認定登録制度委員会
1)技能認定登録委員会の開催。
2) 「単位取得講習会等開催報告書」に係る審査、及び「支部別申請単位並びに承
認単位数一覧表」の作成と報告。
3) 技能認定登録制度に係る「登録申請書(登録更新証・登録再更新を含む)」の受
理・審査・登録、及び証書・手帳の交付。
5) 登録更新(再更新者)リストの作成と支部への伝達。
6) 技能認定登録制度の進展を目的とした諸種の検討
9、 公益社団法人推進委員会
平成23年度中の公益社団法人への移行認定を目指し、下記の日程で、内閣府
公益認定等委員会への申請準備を進める。
4月
公益認定等委員会の窓口相談(第4回 日未定)
5月19日
理事会に公益社団法人定款案(最終案)を提出
5月20日
代議員会で公益社団法人定款案を決議
7月または8月 移行認定申請前の理事会
移行認定申請書類の最終確認、新定款に基づく諸規程の承認決議
7月または8月 公益認定委員会へ移行認定申請