萩・長門清掃一部事務組合は、 「萩・長門清掃一部事務組合新清掃工場整備・運営事業」 (以下「本 事業」という。)について、公設民営(DBO 方式[Design:設計、Build:施工、Operate:運営]) 方式による実施を計画しています。 このたび、 「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(平成 11 年法律 第 117 号)第6条の規定に基づき、本事業を特定事業として選定したので、同法第8条の規定に基 づき、特定事業選定の客観的な評価の結果を公表します。 平成 23 年 11 月 9 日 萩・長門清掃一部事務組合 管 理 者 野 村 興 兒 萩・長門清掃一部事務組合新清掃工場整備・運営事業 特定事業の選定 平成23年11月9日 萩・長門清掃一部事務組合 萩・長門清掃一部事務組合は、 「萩・長門清掃一部事務組合新清掃工場整備・運営事業」 (以下「本 事業」という。)について、公設民営(DBO 方式[Design:設計、Build:施工、Operate:運営]) 方式による実施を計画しています。 このたび、 「民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律」(平成 11 年法律 第 117 号)第6条の規定に基づき、本事業を特定事業として選定したので、同法第8条の規定に基 づき、特定事業選定の客観的な評価の結果を公表します。 1.事業内容 1)事業名 萩・長門清掃一部事務組合新清掃工場整備・運営事業 2)対象となる公共施設等の種類 廃棄物処理施設 3)公共施設等の管理者 萩・長門清掃一部事務組合管理者 野 村 興 兒 4)事業目的 本事業は、循環型社会を構築するためのエネルギー回収推進施設として、搬入される処理対 象物を環境負荷の低減を考慮した方法で、安定的かつ効率的に処理するとともに、処理の過程 で発生する熱エネルギーの有効活用を図ることを目的とします。 5)事業概要 事業用地 山口県萩市大字山田地内 施設概要 処理対象物を受け入れ、焼却処理を行い、処理の過程で発生する 熱エネルギーの有効活用を図る施設 年間計画処理量 約 26,100 t/年(平成 27 年度:計画目標年次) 施設規模等 104 t/日(2 系列、24 時間連続稼働とすること) 処理方式 ストーカ方式 供用開始 平成 27 年度 本事業は公設民営(DBO方式)により実施します。本事業の設計・建設業務は、建設請負 事業者が行うこととします。本事業の運営業務は、民間事業者が設立する特別目的会社が行う こととします。 なお、民間事業者は、30 年間以上のプラント使用を前提として設計・建設及び運営を行うこ ととします。 事業期間は、次の通りとします。 建設期間: 契約締結(平成 24 年 6 月予定)から平成 27 年 3 月までの約 3 年間 運営期間:平成 27 年 4 月から平成 47 年 3 月までの 20 年間 1 2.組合が直接事業を実施する場合とDBO方式で実施する場合の評価 実施方針に基づき、組合財政負担に係る定量的評価及び民間事業者へ移転されるリスク等の定 性的評価を行い、総合的な評価を行うこととしました。 1)定量的評価 定量的評価においては、組合が直接事業を実施する場合(公設・公営方式)で実施する場合と、 DBO方式で実施する場合のコストの比較を実施しました。 比較にあたって、提供されるサービス水準は同一としました。 (1)前提条件 比較にあたっての前提条件については、以下のとおり設定しました。 これら前提条件は、本組合が独自に設定したもので、実際の民間事業者の提案内容を制限 するものではなく、また、一致するものでもありません。 項 目 事業条件 公設・公営方式 ①建設期間:3 年間 DBO方式 同左 ②運営期間:20 年間 算定対象とする主 ①建設費 ①建設費 要な経費等 ②運営費 ②運営費 運転経費 運転経費 維持管理費 維持管理費 人件費 人件費 その他経費 その他経費 (保険料・環境測定等) ③起債金利 (保険料・環境測定等) ③起債金利 ④税金(法人税等) ④その他 ⑤その他 事業者選定に係る経費 事業者選定に係る経費 事業モニタリング費用等 建設費 公設・公営方式を前提として、民間企 DBO方式を前提として、民間事業者 業(プラントメーカー複数社)を対象 を対象に実施した調査結果を参考に、 に実施した調査結果を勘案して設定 組合が直接実施する場合に比べ一定割 合の縮減が実現するものとして設定 経 公設・公営方式を前提として、本組合 DBO方式を前提として、民間事業者 費 運営費 関係自治体における同種の施設の実績 を対象に実施した調査結果を参考に、 内 を勘案して設定 組合が直接実施する場合に比べ一定割 合の縮減が実現するものとして設定 訳 起債金利 起債条件に応じて設定 同左 税金 - 実効税率:40.87% その他 本組合関係自治体における実績等も勘 同左 案して設定 そ の 他 資金調達 循環型社会形成推進交付金 同左 合併特例債 一般財源 割引率 現在価値に換算する率:3% 2 同左 (2)評価結果 以上の前提条件により、本事業を公設・公営方式で実施する場合とDBO方式で実施する 場合の全事業期間を通じてのコスト比較を実施したところ、DBO方式においては約 12%の 財政負担を縮減することができます。 DBO方式は、民間事業者のノウハウ導入による建設費及び運営費の削減効果を見込むこ とができるため、民間事業者における利益の確保と公共における財政負担の削減を同時に実 現することができます。 2)定性的評価 (1)民間事業者に移転されるリスクの評価 DBO方式で実施する場合は、リスクを「最も適切に管理できる者に移転する」ことで適 切なリスク管理や問題発生時における適切かつ迅速な対応を図ることができるため、組合が 直接実施する場合に組合が負担するリスクの一部を民間事業者に移転して実施するもので す。民間事業者が負担するリスクは、民間事業者のノウハウを活かすことで、リスクの顕在 化の抑制、リスクが顕在化した時の被害の抑制が期待できます。 また、組合のリスクを抑制するため以下の点についても留意します。 ①事業モニタリングの実施 組合では、本事業の要求水準書や契約書において定めた業務の履行が確実に実施される よう、民間事業者による事業の実施状況について十分なモニタリングを行う必要がありま す。事業のモニタリングについて、設計・建設段階及び運営段階におけるモニタリングの 体制やモニタリングの実施方法等について、十分に検討の上、契約書等において規定しま す。 ②費用の固定化への対応 運営業務は長期にわたって包括的な契約を行うため、委託費の支払において一定額が固 定化します。このような状況の下、将来における技術革新により、処理費用の低減が可能 となった場合においても、契約で規定された委託費を組合が支払うことが必要となります。 従って、技術革新等による処理費用削減のメリットを組合も享受することができるよう、 十分に検討の上、契約書において規定します。 ③事業の安定性、継続性の確保 DBO方式による事業においては、一般的に株主企業が運営事業者の業務委託先企業と して一部の業務を担う場合が多くなっています。そのため、運営事業者の株主企業が倒産 した場合や、実質的に経営破綻に陥った場合には、運営事業者が本事業の契約に定められ た業務を履行することが不可能となり、一時的に、あるいは長期的に本事業が停止してし まう可能性があります。 これらの回避策として、運営事業者の財務的な安定性を確保するため、契約条件におい て代表企業に一定の財務的な安定性や運営事業に対する支援義務を求めます。また、運営 事業者の債務不履行による契約の解除とペナルティー(違約金)について規定するととも に、組合が選任する第三者への運営業務の引継ぎに関する支援等を規定することにより、 事業の安定性、継続性の確保を図ります。 3 (2)公共サービス等水準の評価 本事業において、事業方式にDBO方式を採用することにより、以下に示す効果が期待で きます。 ①施設の設計・建設及び運営の一体的な性能発注による事業の効率化 設計・建設業務及び運営業務を一体化することで、施設の設計段階から建設や運営まで を視野に入れたうえで、民間事業者の持つノウハウや創意工夫も取り入れた効果的な整備 ができます。 ②施設運営の長期的かつ包括的な発注による効率化 従来から一般的であった単年度契約で個別発注していた運営業務を、長期間にわたる包 括的な委託契約で実施することにより、民間事業者は、複数年度にわたる業務改善効果を 見込んで業務に取り組むことができます。 ③リスク分担を適正化による事業リスク管理の強化 本事業に係るリスクを組合と民間事業者の間で適正に分担することにより、民間事業者 の事業経験等に基づき、設計・建設業務に関するリスク及び運営業務に関するリスク(性 能未達、運転停止、設備破損、費用増大など)について、民間事業者のリスク管理能力を 活かすことができ、サービスの質的向上を図ることができます。 3)総合評価 定量的評価の結果、DBO方式で実施した場合は、組合が直接実施する場合に比べて組合財 政負担を約 12%縮減することが期待できます。また、定性的評価の結果、事業リスクの低減、 公共サービスの質的向上等が期待できます。 したがって、本事業を特定事業として実施することが適当であると認められるため、PFI 法 第6条の規定に基づき特定事業として選定することとします。 4
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